JP6850180B2 - 複合シート、及び吸収性物品 - Google Patents

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本発明は、複合シート、及び吸収性物品に関する。
従来、失禁パッド、パンティライナー、生理用ナプキン等の吸収性物品において、透液性の表面シートとの不透液性の裏面シートとの間に吸収体が設けられた構成が知られている。そして、透液性の表面シートとして、体液を速やかに透過させること等を考慮して、2層の繊維層を複合させたものが知られている。
例えば、特許文献1には、第一の面を形成する疎水性の不織布と、第二の面を形成する親水性の不織布とを有し、少なくとも親水性の不織布に凹凸が形成されることによって、親水性の不織布が、他の部分よりも繊維密度が高く、疎水性の不織布に対して突出する突出部を含んでおり、疎水性の不織布と前記親水性の不織布は少なくとも一部の前記突出部において相互に直接的に接している吸収性物品用複合シートが開示されている。
また、特許文献2には、少なくとも2層の繊維層からなる吸収性物品用不織布であって、第1面の方向に向けて突出する複数の凸部と、凸部の間に設けられた第2面の方向に向けて窪む複数の溝部とを有し、溝部は、第2面側に位置する第1底部を備えた第1凹部と、第1凹部内において不連続に設けられた、第1底部から前記第2面の方向に向けて窪む複数の第2凹部とを有し、第2凹部は、不織布の中で最も高い繊維密度を有する第2底部を備えるものが開示されている。
特開2017−12319号公報 特開2016−220987号公報
特許文献1には、下側に配置された親水性の不織布の凸部6Bの繊維が密集して吸水性が高くなっていること、また上側に配置された疎水性の不織布の凹部7Aの繊維が散在して透水性が高くなっていること等から、複合シートの第一の面から第二の面側への水分の移動を促進させることができる点が記載されている。しかしながら、疎水性の不織布の凸部6Aには繊維が密集していることから、その部分に体液が滞留しやすく、下側の親水性の不織布の凹部7Bへ水分が移行しにくい。
特許文献2に開示された不織布においては、第1面から第2面にかけて繊維密度が増大する繊維密度勾配を有するよう構成されている。しかしながら、特許文献2の不織布においては、2つの繊維層が全面で密接しているため、層間の通気性が良好とはいえず、また逆戻りが起こりやすいという問題があった。
上記の点に鑑みて、本発明は、体液を素早く透過でき、且つ通気性に優れた複合シートを提供することを課題とする。
上記課題を解決するため、本発明の第一の形態は、第1繊維層と、前記第1繊維層の下に配置された第2繊維層とを備えた複合シートであって、前記第1繊維層が平板状であり、高密度領域と、前記高密度領域より繊維密度が低い低密度領域とを有しており、前記第2繊維層が、前記第1繊維層側に突出する複数の凸部を有し、前記複数の凸部のうちの少なくとも一部の凸部の頂部が、前記第1繊維層の前記高密度領域に接している。
上記第一の形態によれば、前記第1繊維層が高密度領域と低密度領域とを有していることで、第1繊維層内で、低密度領域から高密度領域へと体液が移行しやすくなる。また、第2繊維層が第1繊維層側に突出する複数の凸部を有し、そのうちの少なくとも一部の凸部の頂部が、体液が集まりやすくなっている第1繊維層の高密度領域に接していることで、体液を第1繊維層から第2繊維層へと素早く移行させることができる。
さらに、第1繊維層が平板状であるため、第1繊維層と第2繊維層との間に空間が存在しており、通気性が良好である。そのため、体液が、第1繊維層の低密度領域等に残った場合でも乾きやすく、ベタつきによる不快感を防止することができる。また、第1繊維層と第2繊維層とが接する面積が少ないため、第2繊維層から第1繊維層への体液の逆戻りを防止することができ、装用感を向上させることができる。
本発明の第二の形態は、前記凸部の繊維密度が、前記高密度領域の繊維密度より高い。
上記第二の形態によれば、第2繊維層の凸部の繊維密度が、第1繊維層の高密度領域の繊維密度より高くなっているので、第1繊維層から第2繊維層への体液の移行がより良好に進む。
本発明の第三の形態では、前記第2繊維層が前記複数の凸部の間に凹部を有しており、前記凹部の繊維密度が、前記凸部の繊維密度より高い。
上記第三の形態によれば、第2繊維層における凸部から凹部への体液の移行が容易になる。これにより、第1繊維層から移行してきた体液を、さらにその下の層(吸収体等)へと良好に移行させることができる。
本発明の第四の形態では、前記複数の凸部のうちの少なくとも一部の凸部の頂部が、平面視で、少なくとも部分的に前記第1繊維層の前記低密度領域内に配置されている。
上記第四の形態によれば、第1繊維層の低密度領域にも第2繊維層が接することが可能になる。これにより、低密度領域に体液が残った場合でも、体液が第1繊維層の低密度領域から第2繊維層の凸部に吸収され、ベタつきを防止することができる。
本発明の第五の形態では、前記少なくとも部分的に前記低密度領域内に配置されている前記凸部の頂部が、前記第1繊維層から離間している。
上記第五の形態によれば、第2繊維層の複数の凸部のうち、第1繊維層の高密度領域に接していない凸部の高さがより低くなるので、第1繊維層と第2繊維層との間の空間を大きくすることができる。これにより、通気性を一層向上させることができる。
本発明の第六の形態では、前記低密度領域が開孔部を有している。
上記第六の形態によれば、第1繊維層に開孔部が形成されていることによって、第1繊維層の表面積が小さくなる。これにより、第1繊維層と肌とが接触する面積が小さくなくので、肌に対する違和感を低減でき、また通気性も向上させることができる。
本発明の第七の形態では、前記複数の凸部のうちの少なくとも一部が、前記開孔部から突出可能に形成されている
上記第七の形態によれば、複合シートが厚み方向に圧縮された場合に、第2繊維層の凸部が、第1繊維層の開孔部から突き出て第1繊維層と接することが可能となる。そのため、開孔部に体液が残った場合でも、第1繊維層から第2繊維層へと体液を容易に移行させることができる。
本発明の第八の形態は、表面シートとしての、上記第一から第七のいずれかの形態による複合シートと、不透液性の裏面シートと、前記表面シートと前記裏面シートとの間に設けられた吸収体とを有する本体を備えた吸収性物品である。
上記第八の形態によれば、上述の効果を奏する複合シートを備えた吸収性物品を提供することができる。
本発明の一形態によれば、体液を素早く透過でき、且つ通気性に優れた複合シートを提供することができる。
本発明の第1の形態による複合シートの分解斜視図である。 本発明の第1の形態による複合シートの斜視図である。 本発明の第1の形態による複合シートの機能を説明するための模式的な断面図である。 本発明の第1の形態の変形例による複合シートの機能を説明するための模式的な断面図である。 本発明の第1の形態の変形例による複合シートの機能を説明するための模式的な断面図である。 本発明の第2の形態による複合シートの分解斜視図である。 本発明の第2の形態による複合シートの斜視図である。 本発明の第3の形態における第2繊維層の形状を説明するための図である。 本発明の第3の形態における第2繊維層を用いた複合シートの上面図である。 本発明の第4の形態における第2繊維層の形状を説明するための図である。 本発明の第4の形態における第2繊維層を用いた複合シートの上面図である。 本発明の第5の形態における第2繊維層の形状を説明するための図である。 本発明の第5の形態における第2繊維層を用いた複合シートの上面図である。 本発明の第4及び第5の形態による複合シートの機能を説明するための模式的な断面図である。 本発明の第4及び第5の形態による複合シートの機能を説明するための模式的な断面図である。 本発明の一形態による複合シートを製造する装置の模式図である。 本発明の一形態による吸収性物品の一部破断図である。
以下、本発明の実施形態について図面を参照しながら詳説するが、本発明は、下記の実施形態に限定されることはない。
(複合シート)
図1に、本発明の一形態による複合シート1を示す。図1Aは、複合シート1の模式的な分解斜視図であり、図1Bは、複合シート1の模式的な斜視図である。図面において、x方向は、複合シート1を、例えば細長形状を有する平板状の吸収性物品に使用した場合(図10)における吸収性物品の幅方向を指し、y方向は、x方向と直行する、吸収性物品の前後方向を指し、z方向は、吸収性物品の面に直交する方向を指す。なお、x方向とy方向とは互いに入れ換えることができる。
図1A及び図1Bに示すように、複合シート1は、第1繊維層10と、その下に配置された第2繊維層20とを備えている。これらの第1繊維層10及び第2繊維層20はいずれも、繊維の集合体を含む層である。
(第1繊維層)
第1繊維層10は、平板状であり、高密度領域12と、この高密度領域12より繊維密度が低い低密度領域14とを有している。図1A及び図1Bにおいては、高密度領域12は濃く、低密度領域14は高密度領域12より薄く着色されている。第1繊維層10が、このような繊維密度の異なる領域を有していることで、第1繊維層10の上面側から流入する体液は、体液が入り込む空間がより大きい低密度領域14に流入しやすい。しかし、高密度領域12の方が、低密度領域14よりも毛細管現象が顕著に生じるため、繊維密度の低い領域から繊維密度の高い領域へと液体を引き込む力(毛管力)が生じる。これにより、第1繊維層10内で体液(尿、おりもの、経血等を含む)が、低密度領域14から高密度領域12へと移行する。
図1A及び図1Bにおいては、高密度領域12は格子状に規則的なパターンで延在している。すなわち、高密度領域12は、x方向に互いに間隔を置いて延びる複数の線状領域12aを含む領域群と、y方向に間隔を置いて延びる複数の線状領域12bを含む領域群とが組み合わされて交差する構成を有している。そして、低密度領域14は、高密度領域12以外の領域に形成されている。図示の形態では、高密度領域12に囲まれた領域に低密度領域14が形成されている。
しかし、高密度領域12及び低密度領域14の配置は、図示の形態に限られない。例えば、高密度領域12は、上述の領域群のうち一方の領域群によって形成されていてもよい。また、上記の2つの領域群の線状領域12a、12bは互いに直交していなくともよく、例えば15〜75°の角度をなすように交わっていてもよい。同じ領域群内においても、各線状領域が延びる方向は互いに異なっていてよく、これにより、隣り合う線状領域が重なっていてもよい。また、同じ領域群内の各線状領域は、直線的に延びていなくともよく、屈曲したり蛇行したりしていてもよい。線状領域の幅も、各線状領域によって互いに異なっていてもよいし、同じ線状領域において幅が変動していてもよい。
また、高密度領域12は、線状の領域を含むものでなくともよく、例えば、任意の形状を有する領域が離間しつつ線状に、或いは不規則に配置されていてもよい。さらに、上述の高密度領域12と低密度領域14との配置を互いに変えることもできる。但し、図示の形態のように、高密度領域12が格子状に延在していることによって、第1繊維層10の強度を高めることができる。また、第1繊維層10のx方向及びy方向のいずれにおいても、高密度領域12から低密度領域14が大きく離れることを回避できるので、低密度領域14から高密度領域12への体液の移行を良好にすることができる。
第1繊維層10における、高密度領域12の面積の合計と低密度領域14の面積の合計との比は、3:7〜6:4とすることが好ましく、4:6〜5:5であるとより好ましい。高密度領域12の面積の合計と低密度領域14の面積の合計との比を3:7以上とすることにより、低密度領域14が、高密度領域12から大きく離れることを防止できるので、第1繊維層10において低密度領域14から高密度領域12への体液を良好に移行させることができる。一方、6:4以下とすることで、高密度領域12のうち、第2繊維層20の凸部21との接触箇所から大きく離れた領域が形成されることを防止でき、第1繊維層10から第2繊維層20への体液の移行を良好にすることができる。
第1繊維層10は、繊維の集合体を含む層であればよく、織布であっても不織布であってもよいが、繊維密度の異なる領域を容易に形成できることから、不織布であると好ましい。不織布を構成する繊維としては、例えば、ポリエチレン、ポリプロピレン等のオレフィン、ポリエステル、ポリアミド等の合成繊維、レーヨン、キュプラ等の再生繊維、及びこれらの混紡繊維、並びにコットン等の天然繊維を単独で又は2種以上組み合わせて用いることができる。中でも、体液を吸収する力が強く、また肌触りが良いため、第1繊維層10にコットンを用いることが好ましい。
第1繊維層10を不織布とした場合、その加工法としては、スパンレース法、スパンボンド法、サーマルボンド法、ケミカルボンド法、メルトブローン法、ニードルパンチ法等が挙げられる。繊維としてコットンを用いる場合、熱による融着を利用して繊維同士を結合させることはできないため、繊維同士を強く絡ませることができるスパンレース法を用いることが好ましい。また、第1繊維層10の高密度領域12及び低密度領域14は、形成された層状の繊維集合体を、少なくとも一方が凹凸を有する一対の加圧ロールに通過させることによって形成することができる。
なお、高密度領域12は、第1繊維層10の平均の繊維密度よりも繊維密度が高い領域とすることができ、低密度領域14は、第1繊維層10の平均の繊維密度よりも繊維密度が低い領域とすることができる。また、高密度領域12は、第1繊維層10の平均の繊維密度の1.25倍以上の繊維密度を有する領域とすると好ましく、第1繊維層10の平均の繊維密度の1.25倍未満の繊維密度を有する領域とすると好ましい。
第1繊維層10の高密度領域12の繊維密度は、80〜500g/mであると好ましく、100〜300g/mであるとより好ましい。また、第1繊維層10の低密度領域14の繊維密度は、30〜400g/mであると好ましく、50〜200g/mであるとより好ましい。また、第1繊維層10の全体の平均の繊維密度は、30〜500g/mであると好ましく、50〜300g/mであるとより好ましい。第1繊維層の高密度領域12の繊維密度と、第1繊維層の低密度領域14の繊維密度との比の値((第1繊維層の高密度領域の繊維密度)/(第1繊維層の低密度領域の繊維密度))は、1.5以上であると好ましく、1.7以上であるとより好ましい。
また、第1繊維層10の厚みは、0.1〜0.5mmであると好ましく、0.2〜0.3mmであるとより好ましい。
(第2繊維層)
第2繊維層20は、図1A及び図1Bに示すように、第1繊維層10側に突出する複数の凸部21を有している。図示の形態では、複数の凸部21は、y方向に延びる複数の畝部として形成されている。凸部21の間には凹部22が形成されており、図示の形態では、複数の凹部22が、複数の畝部間に形成された、y方向に延びる複数の溝部として形成されている。
図1Bに示すように、上記複数の凸部21のうち少なくとも一部の凸部21aの頂部21a´は、第1繊維層10と接触している。これにより、第1繊維層10において体液が集められた領域である高密度領域12から第2繊維層20へと素早く移行させることができ、体液の吸収を迅速に行うことができる。図示の形態では、複数の凸部21の高さは互いに同じであるが、複数の凸部21の高さは互いに異なっていてもよい。また、各凸部21の高さは、y方向に沿って変動していていもよい。
また、図示の形態では、複数の凸部21の一部の凸部21bの頂部21b´は、高密度領域12と部分的に接している。また、これらの凸部21bは、高密度領域12に接していなくともよいく、第1繊維層10自体に接していなくともよい。
高密度領域12と接している第2繊維層20の凸部21aの頂部21a´は、第1繊維層10の高密度領域12に接着されていてもよい。その場合、両層は、接着剤、例えばホットメルト接着剤によって接着されていてもよい。また、第1繊維層10及び/又は第2繊維層20に熱可塑性の合成繊維を含有させることによって、或いはバインダーを添加することによって、熱融着による接着を行うこともできる。
第2繊維層20の凸部21の繊維密度は、第1繊維層10の高密度領域12の繊維密度より大きいことが好ましい。これにより、第1繊維層10から第2繊維層20へと体液を引き込む力(毛管力)が高まり、第1繊維層10の高密度領域12から第2繊維層20への体液の移行を素早く行うことができる。
第2繊維層20においては、凹部22の繊維密度は、凸部21の繊維密度よりも高くなっていることが好ましい。これにより、第1繊維層10から第2繊維層20の凸部21へと移行してきた体液を、毛管力により、さらに凹部22へと導くことが容易になる。
また、図1Bに示すように、第1繊維層10が平板状であり且つ第2繊維層が凹凸を備えた構成を有することから、第1繊維層10と第2繊維層20との間には、少なくとも第1繊維層10と第2繊維層20の凹部22との間に空間Sが形成されている。これにより、複合シート内での通気性が向上する。そのため、第1繊維層10に体液が残った場合でも、迅速に乾燥することが可能となり、体液が肌に触れることにより生じるベタつき感(不快感)を抑えることができる。また、第2繊維層20に体液が残った場合であっても同様に乾燥が早まるので、複合シートが強く圧縮された場合の逆戻りも低減することができる。上記構成により、体液の移行を速やかに行うことができる上、乾燥も速やかに進むため、結果として、快適な装用感をもたらす複合シート1を提供することが可能となる。
第2繊維層20は、第1繊維層10と同様、繊維の集合体を含む層であればよく、織布であっても不織布であってもよいが、不織布であることが好ましい。不織布に用いられる繊維としては、第1繊維層10で説明したものと同様の繊維を使用することができる。また、第2繊維層20の層を不織布とした場合の加工法も、第1繊維層10で説明したものと同様の方法を用いることができる。
第2繊維層20の凸部21及び凹部22は、例えば、圧搾(エンボス加工)によって形成することができる。圧搾は、層状の繊維集合体を、一対の加圧ロール、例えば、凹凸形状を有するロールと平坦なロールとの間に通過させることによって形成することができる。このような圧搾によって、上述のように、凹部22の繊維密度を、凸部21の繊維密度より高くすることができる。
第2繊維層20の凸部21の繊維密度は、100〜500g/mであると好ましく、150〜350g/mであるとより好ましい。また、第2繊維層20の凹部22の繊維密度は、200〜800g/mであると好ましく、250〜500g/mであるとより好ましい。また、第2繊維層20の全体の平均の繊維密度は、150〜450g/mであると好ましく、200〜400g/mであるとより好ましい。第2繊維層20の凹部22の繊維密度と、第2繊維層20の凸部21の繊維密度との比の値((第2繊維層20の凹部22の繊維密度)/(第2繊維層20の凸部21の繊維密度))は、1.1以上であると好ましく、1.3以上であるとより好ましい。
第2繊維層20の凸部21の繊維密度と、第1繊維層10の高密度領域12の繊維密度との比の値((第2繊維層20の凸部21の繊維密度)/(第1繊維層10の高密度領域12の繊維密度))は、1.05以上であると好ましく、1.1以上であるとより好ましい。
第2繊維層20は、第1繊維層10について説明した繊維を用いた不織布とすることができる。第2繊維層20としての不織布の形成法も、第1繊維層10について説明した形成法を用いることができる。なお、第2繊維層20の凸部21の厚みは、第1繊維層10の厚みより大きくすることが好ましい。
(本形態の効果の説明)
次に、本形態の効果について、以下により詳細に説明する。図2に、図1Bの複合シート1をx方向で切った模式的な断面図(I−I線断面図)を示す。図2では、複合シート1を、複合シート1とその下の吸収体4とが組み合わせされた状態として示されている。
本形態の複合シート1を吸収性物品の表面シートとして用いた場合、図2において上側が着用者の肌であり、体液が放出される側である。ここで、繊維層における毛細管現象は、低密度領域14よりも高密度領域12において顕著に生じる。そのため、体液は、第1繊維層10に接触すると、第1繊維層10において、毛細管現象により低密度領域14から高密度領域12へと移行していく。そして、第1繊維層10の高密度領域12が第2繊維層20の凸部21と接触していることにより、第1繊維層10の高密度領域12に移行してきた体液が第2繊維層20の凸部21へと移行される。さらに、体液は、第2繊維層20において凸部21から凹部22へと移行し、凹部22からその下に設けられた第3の層、図示の形態では吸収体へと移行する。これらの体液の移行は、図2において矢印で示す。
主に上述の経路で体液を移行できることにより、体液を吸収体4へ素早く吸収させることができ、また着用者の肌と直接接触する第1繊維層10に含まれる体液の量を素早く低減させることができる。
複合シート1において、繊維密度は、第1繊維層10の低密度領域14、第2繊維密度の高密度領域12、第2繊維層20の凸部21、第2繊維層20の凹部22の順に高くなっていると好ましい。これにより、矢印で示したような経路の吸収がより容易となる。なお、吸収体4の繊維密度が、第2繊維層20の凹部22の繊維密度より大きいと、第2繊維層20から吸収体4へと体液を引き込む力がより大きくなるため、好ましい。
また、複合シート1は、平板状の第1繊維層10と、複数の凸部21を有する第2繊維層20とが組みわされて構成されている。そのため、第1繊維層10と第2繊維層20との間には空間Sが形成され、繊維層間に空気が通りやすくなっている。これにより、体液を素早く透過させることができるとともに、通気性にも優れる複合シート1となっている。
なお、第1繊維層10、第2繊維層20のいずれの繊維層においても、体液の吸収力という観点から、繊維としてコットンを含むことが好ましい。特に、肌触りが良いことから、着用者の肌と直接接する第1繊維層10がコットンを含んでいることが好ましい。しかしながら、コットンは、一般的に保水性が高く、体液を保持する機能が強い。そのため、従来の構成において、第1繊維層10がコットンを含む場合には、体液が第1繊維層10に残りやすく、ベタつきを感じやすくなることがある。
これに対し、第1繊維層10が高密度領域12と低密度領域14とを有し、且つ第2繊維層20の複数の凸部21の少なくとも一部が第1繊維層10の高繊維密度領域に接している上述の構成とするで、第1繊維層10から第2繊維層20へと体液を速やかに移行させることができる。これにより、コットンが本来有する吸水性、肌触りの利点を生かしつつ、ベタつきを抑えて装用感を高めた複合シートを得ることができる。
(第1の形態の変形例)
図3A及び図3Bに、図1A、図1B及び図2に示した複合シート1の変形例の模式的な断面図を示す。図3Aは、複合シート1の通常の状態を示し、図3Bは、複合シート1が厚み方向に圧縮された状態を示す。
図3A及び図3Bに示す複合シート1においては、第2繊維層20に形成された複数の凸部21のうち一部の凸部21bの高さが、その両側の凸部21aの高さより低くなっている点で、上述の複合シートと異なっている。このように、一部の凸部21bの高さが低くなっていることにより、凸部21bの頂部21b´は第1繊維層10から離間している。これにより、第1繊維層10と第2繊維層20との間の空間が大きくなるため、通気性が向上する。
このような一部の凸部21bの高さが低くなっている形態では、高さの低い凸部21bの頂部21b´が、平面視で、第1繊維層の低密度領域14内に配置されていることが好ましい。このような構成により、図3Bに示すように複合シート1が圧縮された場合には、凸部21bが低密度領域14に接することができるので、第1繊維層10の低密度領域14に体液Uが残った場合でも、その体液Uを、凸部21bが直接吸収することができる。
なお、図3Aにおける凸部21bの高さbと、その両側に設けられた凸部21aの高さaとの比の値は、複合シート1が圧縮された際に第1繊維層10の低密度領域14からの直接的な体液Uの吸収を可能にするという観点から、0.5以上であると好ましい。また、通気性を良くする観点からは、0.8以下であると好ましい。
(第2の形態による複合シート)
図4A及び図4Bに、本発明による複合シートの第2の形態を示す。図4Aは、複合シート201の模式的な分解斜視図であり、図4Bは、複合シート201の模式的な斜視図である。
図4A及び図4Bに示すように、複合シート201は、第1繊維層210と第2繊維層220とを備えており、第1繊維層210は、高密度領域212と、高密度領域212より繊維密度が低い低密度領域214とを備えている。また、第2繊維層220は、第1繊維層210側に突出する複数の凸部221と、その間に形成された複数の凹部222とを有しており、少なくとも一部の凸部221の頂部が、第1繊維層210の高密度領域212に接している。しかし、第1繊維層210の低密度領域214が開孔部216を有している点で、図1A及び図1Bに示した形態とは異なっている。
開孔部216とは、平面視で、25,000μm以上の面積を有する繊維の存在しない領域を指す。また、第1繊維層210における開孔部216の面積の合計は、第1繊維層210全体の面積に対して30%以下であると好ましい。この範囲とすることで、第2繊維層120が過度に露出し、肌触りを損なうことを防止することができる。開孔部216の形状は、円形であってもよいし、図示のような四角形等の多角形であってもよい。また、開孔部216が円形である場合には、直径が0.3〜3mmであると好ましい。
開孔部216は、例えば、上述のように第1繊維層201を不織布として形成する際に、繊維のない領域を形成するよう設計することにより形成することができる。また、第1繊維層となる不織布を形成した後、ニードルパンチ等によって形成してもよい。前者の場合には、開孔部216の形状は、明確な輪郭を有さない不定形となる。
低密度領域214に開孔部216が形成されていることで、第1繊維層210が肌に当った場合に、肌と接触する面積を低減することができる。そのため、体液が第1繊維層210に残っている状態で複合シート201が肌に当っても、体液によるベタつきを感じにくくなる。また、開孔部116があることで、複合シート201の通気性が向上するので、第1繊維層210に体液が残っていても迅速に乾燥することができる。
図4Bに示すように、第1繊維層210及び第2繊維層220を重ねて得られた複合シート201において、第2繊維層220の凸部221の一部は、平面視で、第1繊維層210の開孔部216から露出している。
(第3の形態による複合シート)
図5A及び図5Bを参照して、第3の形態による複合シート301について説明する。図5Aは、第3の形態による複合シート301における第2繊維層320の斜視図であり、図5Bは、第1繊維層310と第2繊維層320とが積層されてなる第3の形態による複合シート301の上面図である。
複合シート301も、上述の複合シート1、201と同様、第1繊維層310と第2繊維層320とを備えており、第1繊維層310は、高密度領域312と、高密度領域312より繊維密度が低い低密度領域314とを備えている。また、第2繊維層320が、第1繊維層310側に突出する複数の凸部321を有しており、少なくとも一部の凸部321の頂部が、第1繊維層310の高密度領域312に接しているが、第2繊維層320の構成が異なる点で複合シート201(図4A及び図4B)と異なる。
図5Aに示す第2繊維層320は、互いに離間してy方向に延びる複数の畝状の凸部321cを有している点では、複合シート1の第2繊維層20と同様であるが、さらに、x方向にも、互いに離間して延びる複数の凸部321dを備えている。すなわち、第2繊維層320は、凸部321c及び凸部321dを含む格子状の凸部を有している。このような格子状の凸部によって、第2繊維層320の形状保持性が高まり、圧縮等の力に対しても、凹凸を有する構造を維持することができる。
図5Bに、図5Aに示す第2繊維層320を第1繊維層310と積層させた複合シート301の上面図を示す。図5Bに示すように、複合シート301においては、第1繊維層310の開孔部316から、第2繊維層320の凸部321の一部が露出している。
(第4の形態による複合シート)
図6A及び図6Bを参照して、第4の形態による複合シート401について説明する。図6Aは、第4の形態による複合シート401における第2繊維層420の斜視図であり、図6Bは、第1繊維層410と第2繊維層420とが積層されてなる第4の形態による複合シート401の上面図である。
複合シート401も、上述の複合シートと同様、第1繊維層410と第2繊維層420とを備えており、第1繊維層410は、高密度領域412と、高密度領域412より繊維密度が低い低密度領域414とを備えている。また、第2繊維層420が、第1繊維層410側に突出する複数の凸部421を有しており、少なくとも一部の凸部421の頂部が、第1繊維層410の高密度領域412に接しているが、第2繊維層420の構成が異なる点で複合シート201(図4A及び図4B)と異なる。
第2繊維層420は、複合シート201等が備えている畝状の凸部は設けられておらず、複数の独立の凸部421が、x方向及びy方向にそれぞれ離間して連続して配置されている。
図6Bに、図6Aに示す第2繊維層420を第1繊維層410と積層させた複合シート401の上面図を示す。図6Bに示すように、複合シート401においては、第1繊維層410の開孔部416から、第2繊維層430の一部の凸部421が露出している。
(第5の形態による複合シート)
図7A及び図7Bを参照して、第5の形態による複合シート501について説明する。図7Aは、第5の形態による複合シート501における第2繊維層520の斜視図であり、図7Bは、第1繊維層510と第2繊維層520とが積層されてなる第5の形態による複合シート501の上面図である。
複合シート501も、上述の複合シートと同様、第1繊維層510と第2繊維層520とを備えており、第1繊維層510は、高密度領域512と、高密度領域512より繊維密度が低い低密度領域514とを備えている。また、第2繊維層520が、第1繊維層510側に突出する複数の凸部521を有しており、少なくとも一部の凸部521の頂部が、第1繊維層510の高密度領域512に接しているが、第2繊維層520の構成が異なる点で複合シート201(図4A及び図4B)等と異なる。
図7Aに示す複合シート501の第2繊維層520は、第3の形態による複合シート301の第2繊維層320の構成(図5A)、及び第4の形態による複合シート401の第2繊維層420の構成(図6A)をそれぞれ取り入れた構成を有する。すなわち、x方向及びy方向にそれぞれ延びる格子状の凸部521c、521dに加え、その格子の中に形成された独立した凸部521eを有している。
図7Bに、図7Aに示す第2繊維層420を第1繊維層410と積層させた複合シート401の構造の上面から見た図を示す。図7Bに示すように、複合シート401においては、第1繊維層410の開孔部416から、第2繊維層410の凸部421eの一部と、凸部421eの頂部のうち第1繊維層410の高密度領域412に接していない部分が露出している。
(第4及び第5の形態による効果の説明)
上記の第4の形態(図6A及び図6B)、及び第5の形態(図7A及び図7B)のように、独立した複数の凸部を含む第2繊維層を備えた構成による機能について、図8A及び図8Bを参照して説明する。
図8A及び図8Bでは、例として、図6A及び図6Bに示す複合シート401を図示して説明する。図8Aは、複合シート401の模式的な断面図(図6BのII−II線断面図)であり、図8Bは、図8Aの複合シート401が圧縮された状態を示す模式的な断面図である。
図8Aに示すように、第1繊維層410には低密度領域414内に開孔部416が形成されている。第2繊維層420の凸部421aは高密度領域412に接しており、また、凸部421bは、開孔部416の下に配置されており、開孔部416から上側へ突出可能となっている。
上述のように、低密度領域414からは高密度領域412へと体液が移行しやすくなっているが、開孔部416が設けられている場合、開孔部416に体液Uが残存することもある。そのような場合であっても、図示のように凸部421bが開孔部416に対応する位置に配置されていると、複合シート401の使用中に複合シート401が力Fを受けて圧縮されることによって、凸部421bが開孔部416から突き出る。これにより、開孔部416に残されていた体液Uを確実に凸部421bによって吸収させることができる。
図7A及び図7Bの複合シート501でも、上記と同様の効果を得ることができる。複合シート501の場合には、格子状の凸部521c、521dが形成されているので、形状保持性を有しつつ、第1繊維層510の開孔部516に体液が残存した場合でも、体液を速やかに第1繊維層510から第2繊維層520へと吸収させることが可能になるという効果を奏する。
このように、本形態による複合シートは、体液を素早く透過することができ且つ通気性に優れているので、粘度が低く排出速度の速い尿のような体液を吸収させる吸収性物品、例えば女性用の失禁パッドの表面シートとして好適に使用することができる。
(複合シートの製造)
本形態による複合シートは、第1繊維層となる第1繊維集合体と、第2繊維層を構成する第2繊維集合体とを複合する(積層させる又は重ね合せる)ことによって製造することができる。この複合には、第1繊維層と第2繊維層とを接着させることが含まれる。
図9に、例として、図4A及び図4Bに示す複合シート201の製造装置50を模式的に示す。図示の装置50は、第2繊維層220を形成するための一対の加圧ロールである第1ロール51及び第2ロール52、第1繊維層210を形成するための一対の加圧ロールである第4ロール54及び第5ロール55、並びに第1繊維層210と第2繊維層220とを複合するための第3ロール53を備えている。
装置50においては、第1ロール51と第2ロール52との間を第2繊維集合体42が通過することによって、第2繊維集合体42において、ロールの形状に対応する凸部221及び凹部222(図4A及び図4B)を形成することができる。その際、第1ロール51の山51Aと第2ロール52の谷52Bとが噛み合う位置において第2繊維集合体42に凸部221が形成される。また、第1ロール51の谷51Bと第2ロール52の山52Aとが噛み合う位置において第2繊維集合体42に凹部222が形成される。この第1ロール51の谷51Bと第2ロール52の山52Aとが噛み合う位置においては、第1ロール51と第2ロール52との間が狭くなっているため、第2繊維集合体42が圧搾されて、凹部222の繊維密度を高めることができる。
一方、第4ロール54と第5ロール55との間を第1繊維集合体41が通過することによって、第1繊維集合体41において、ロールの形状に対応した高密度領域412、低密度領域414及び開孔部416(図4A及び図4B)を形成することができる。具体的には、第4ロール54の隆起部54Aが第5ロール55に押し付けられる位置において第1繊維集合体41が圧搾されるので、その箇所の繊維密度が高くなり、図4A及び図4Bに示すような高密度領域212が形成される。また、第4ロール54の窪み54Bと第5ロール55の突起55Aとが噛み合う位置において、第1繊維集合体41に開孔部216が形成される。
第4ロール54の隆起部54A及び窪み54Bは、図4A及び図4Bに示すような第1繊維層210の高密度領域212、低密度領域214及び開孔部216の構成に対応するパターン状に形成されている。
上記のように形成された第1繊維層210と第2繊維層220とは、第1ロール51と第3ロール53との間で軽く押し付けられて、両者が複合するようになっている。この場合、第3ロール53は加熱されていてもよい。それにより、第1繊維層210及び/又は第2繊維層220に予め含有させておいた熱可塑性のバインダー粒子又はバインダー繊維の熱融着によって、両繊維層210、220を複合させることができる。
なお、図4A及び図4Bに示すような開孔部216を形成しない場合には、第4ロール54の窪み54B及び第5ロールの突起55Aが形成されていないロールを用いることで、図1A及び図1Bに示すような開孔部を有しない第1繊維層10を形成することができる。
また、図9の装置50は、第1繊維層210の形成、第2繊維層220の形成、及び第1繊維層210及び第2繊維層220の複合を1つの装置において行っているが、各繊維層210、220を別々の装置で形成し、その後、さらに別の装置において両者を複合することもできる。
(吸収性物品)
上述の複合シートは、吸収性物品の表面シートとして好適に使用することができる。図10に、上述の複合シートを用いた吸収性物品100を示す。吸収性物品100は、透液性の表面シート(複合シート)1と、不透液性の裏面シート2と、これら両シート1、2間に設けられた吸収体4とを有する本体(吸収性物品本体)8とを備えている。吸収体4の形状保持等のために、吸収体4は、クレープ紙又は不織布等からなる被包シート5によって包まれていてもよい。図10に示すように、全体としては、前後方向に所定の長さを有する細長い形状であり、前後方向と直交する方向に略一定の幅を有している。
なお、吸収性物品100の裏面シート2としては、ポリエチレンやポリプロピレン等のオレフィン系樹脂シート等の少なくとも遮水性を有するシート材を用いることができる。ポリエチレンシート等に不織布を積層したラミネート不織布や、さらには防水フィルムを介在させて実質的に不透液性を確保した不織布の積層シート等を用いることができる。また、ムレ防止の観点から透湿性を有するものが用いられることがさらに望ましい。このような遮水・透湿性シート材としては、ポリエチレンやポリプロピレン等のオレフィン系樹脂中に無機充填剤を溶融混練してシートを成形した後、一軸または二軸方向に延伸することにより得られる微多孔性シートを用いることができる。
裏面シート2と表面シート1との間に介在される吸収体4は、体液を吸収して保持できる材料であれば限定されないが、綿状パルプと吸水性ポリマーとを含むことが好ましい。吸水性ポリマーとしては、高吸水ポリマー粒状粉(superabsorbent polymer(SAP))、高吸水ポリマー繊維(superabsorbent fiber(SAF))及びこれらの組合せを用いることができる。パルプとしては、木材から得られる化学パルプ、溶解パルプ等のセルロース繊維、レーヨン、アセテート等の人工セルロース繊維からなるものが挙げられる。化学パルプの原料材としては、広葉樹材、針葉樹材等が用いられるが、繊維長が長いこと等から針葉樹材が好適に使用される。
また、吸収体4には合成繊維を混合してもよい。合成繊維としては、ポリエチレン、ポリプロピレン等のポリオレフィン、ポリエチレンテレフタレート、ポリブチレンテレフタレート等のポリエステル、ナイロン等のポリアミド、及びこれらの共重合体を使用することができ、これらのうちの2種を混合して使用することもできる。また、融点の高い繊維を芯とし融点の低い繊維を鞘とした芯鞘型繊維、サイドバイサイド型繊維、分割型繊維などの複合繊維も用いることができる。なお、疎水性繊維を親水化剤で表面処理し、体液に対する親和性を付与したものを用いることもできる。
吸収体4の厚みは、0.5〜25mmの範囲内とすることができ、1.5〜10mmの範囲であると好ましい。吸収体4は、前面にわたり均一な厚みを有していなくともよく、体液排出口対応領域30等を膨出させた構造とすることもできる。また、吸収体4は、積繊又はエアレイド法によって製造されたものが好ましい。
サイド不織布7としては、撥水処理不織布又は親水処理不織布を使用することができる。例えば、経血やおりもの等が浸透するのを防止する効果又は肌触り感を高める場合は、シリコン系、パラフィン系、アルキルクロミッククロライド系撥水剤などをコーティングした撥水処理不織布を用いることが好ましい。不織布の種類としては、折り癖が付きにくく、シワに成りにくく柔らかいエアスルー不織布が好ましい。また、強度が高く、摩擦に強いことから、スパンボンド/メルトブローン混合不織布が好ましい。
吸収性物品1の全長は、130〜450mmとすることができ、140〜360mmであってよく、170〜270mmとすることができる。
本形態の吸収性物品100には、圧搾溝(圧縮溝、エンボスともいう)9が設けられていてよい。この圧搾溝9は、表面シート1から裏面シート2側に窪む溝として形成されたものである。これにより、身体の形状に適合した変形を容易にしたり、表面又は内部での体液の移行をコントロールしたりすることができる。
1、201、301、401、501 複合シート(表面シート)
2 裏面シート
4、404 吸収体
5 被包シート
7 サイド不織布
8 本体(吸収性物品本体)
10、210、310、410、510 第1繊維層
12、212、312、412、520 高密度領域
14、214、314、414、514 低密度領域
216、316、416、516 開孔部
20、220、320、420、520 第2繊維層
21、221、321、421、521 凸部
22、222、322、422、522 凹部
41 第1繊維集合体
42 第2繊維集合体
50 複合シートの製造装置
51 第1ロール
52 第2ロール
53 第3ロール
54 第4ロール
55 第5ロール
51A 第1ロール51の山
51B 第1ロール51の谷
52A 第2ロール52の山
52B 第2ロール52の谷
54A 第4ロール54の隆起部
54B 第4ロール54の窪み
55A 第5ロール55の突起
100 吸収性物品

Claims (8)

  1. 着用者の肌側に配置された第1繊維層と、前記第1繊維層の下に配置された第2繊維層とを備えた吸収性物品用の複合シートであって、
    前記第1繊維層が平板状であり、高密度領域と、前記高密度領域より繊維密度が低い低密度領域とを有しており、
    前記第2繊維層が、前記第1繊維層側に突出する複数の凸部を有し、前記複数の凸部のうちの少なくとも一部の凸部の頂部が、前記第1繊維層の前記高密度領域に接しており、
    前記低密度領域が開孔部を有し、前記複数の凸部のうちの少なくとも一部が、前記開孔部から露出している、複合シート。
  2. 前記第1繊維層と前記第2繊維層との間に空間が存在している、請求項1に記載の複合シート。
  3. 前記凸部の繊維密度が、前記高密度領域の繊維密度より高い、請求項1又は2に記載の複合シート。
  4. 前記第2繊維層が前記複数の凸部の間に凹部を有しており、前記凹部の繊維密度が、前記凸部の繊維密度より高い、請求項1から3のいずれか一項に記載の複合シート。
  5. 前記複数の凸部のうちの少なくとも一部の凸部の頂部が、平面視で、少なくとも部分的に前記第1繊維層の前記低密度領域内に配置されている、請求項1からのいずれか一項に記載の複合シート。
  6. 前記少なくとも部分的に前記低密度領域内に配置されている前記凸部の頂部が、前記第1繊維層から離間している、請求項に記載の複合シート。
  7. 前記複数の凸部のうちの少なくとも一部が、前記開孔部から突出可能に形成されている、請求項6に記載の複合シート。
  8. 表面シートとしての、請求項1から7のいずれか一項に記載の複合シートと、不透液性の裏面シートと、前記表面シートと前記裏面シートとの間に設けられた吸収体とを有する本体を備えた、吸収性物品。
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