JP6850164B2 - 苦味抑制剤および苦味抑制方法 - Google Patents

苦味抑制剤および苦味抑制方法 Download PDF

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Description

本発明は、苦味抑制剤および苦味抑制方法に関するものである。
アセスルファムカリウム「アセスルファムK」(acesulfame potassium, acesulfame K, Ace K)は、人工甘味料の一つであり、砂糖の約200倍の甘さがあると言われている。アセスルファムKは、他の人工甘味料、例えばサッカリンと同様、高濃度の場合は苦味を感じる。また、この苦味感受性には個人差があることも知られている。食品生産者にとっては、この苦味マスキングが重要な課題となっており、実際の飲食品においては、スクラロースなどの他の甘味料と共に用いる、苦味抑制剤を添加する等、様々な苦味低減策が講じられている。一例として、フェルラ酸ナトリウムによるアセスルファムKの後味に対するマスキング効果が知られている(特許文献1)。
ヒトにおける苦味の認識は、軟口蓋や舌に存在している味蕾にある味細胞に発現している苦味受容体、Taste type 2 receptor(TAS2R, T2R)と結合することから始まる。TAS2Rは、Gタンパク質共役型受容体(GPCR)の一種であり、ヒトではおよそ25種類の受容体が機能しているとされている。TAS2Rは、苦味物質が結合するとGαiに分類されるガストデューシン(gustducin)と共役し、細胞内カルシウム濃度の上昇を引き起こしてシグナルを伝達することが知られている。
アセスルファムKが結合する苦味受容体としては、TAS2R43とTAS2R44が同定されている(非特許文献1)。これらの苦味受容体には、遺伝子多型が存在し、この遺伝子多型は、TAS2R43やTAS2R44のリガンドであるアリストロキア酸、アロイン、サッカリン等に対する苦味感受性に影響することも報告されている(非特許文献2)。
米国特許5336513号
Kuhn C et al., Bitter taste receptors for saccharin and acesulfame K, J Neurosci. 2004 Nov 10;24(45):10260-5 Pronin AN et al., Specific alleles of bitter receptor genes influence human sensitivity to the bitterness of aloin and saccharin, Curr Biol. 2007 Aug 21;17(16):1403-8
本発明は、高濃度のアセスルファムKに起因する苦味を効果的に抑制できる苦味抑制剤および苦味抑制方法を提供することを課題とする。
本発明は、上記課題を解決するために、以下の各発明を包含する。
[1]フラボノイドのウロン酸配糖体を含有する苦味抑制剤。
[2]フラボノイドがフラボンである前記[1]に記載の苦味抑制剤。
[3]ウロン酸がグルクロン酸である前記[1]または[2]に記載の苦味抑制剤。
[4]フラボノイドのウロン酸配糖体が、バイカリン、ワゴノシドおよびスクテラリンからなる群から選ばれる少なくとも1種である前記[1]〜[3]のいずれかに記載の苦味抑制剤。
[5]ヒト苦味受容体TAS2R43および/またはTAS2R44で感知される苦味物質の苦味を抑制する前記[1]〜[4]のいずれかに記載の苦味抑制剤。
[6]苦味物質がアセスルファムKである前記[5]に記載の苦味抑制剤。
[7]苦味物質を含有する飲食品にフラボノイドのウロン酸配糖体を配合することを特徴とする苦味抑制方法。
[8]フラボノイドがフラボンである前記[7]に記載の苦味抑制方法。
[9]ウロン酸がグルクロン酸である前記[7]または[8]に記載の苦味抑制方法。
[10]フラボノイドのウロン酸配糖体が、バイカリン、ワゴノシドおよびスクテラリンからなる群から選ばれる少なくとも1種である前記[7]〜[9]のいずれかに記載の苦味抑制方法。
[11]苦味物質がヒト苦味受容体TAS2R43および/またはTAS2R44で感知される苦味物質である前記[7]〜[10]のいずれかに記載の苦味抑制方法。
[12]苦味物質がアセスルファムKである前記[11]に記載の苦味抑制方法。
[13]前記[1]〜[6]のいずれかに記載の苦味抑制剤を含んでなる飲食品。
[14]前記[1]〜[6]のいずれかに記載の苦味抑制剤を含んでなる食品添加剤。
本発明によれば、高濃度のアセスルファムKに起因する苦味を効果的に抑制できる苦味抑制剤および苦味抑制方法を提供することができる。本発明の苦味抑制剤をアセスルファムKを含有する飲食品に配合することにより、アセスルファムKに起因する苦味を抑制した飲食品を提供することができる。
ヒト苦味受容体と改変型G16gust40との融合遺伝子を挿入した発現ベクターの構造を示した図である。 TAS2R14-改変型G16gust40融合タンパク質発現細胞を用いて、バイカリン、ワゴノシド、スクテラリンおよびアリストロキア酸の苦味応答を検出した結果に基づいて、各物質の濃度と応答強度の関係を示した図である。 TAS2R44-改変型G16gust40融合タンパク質発現細胞を用いて検出したバイカリンの苦味応答の経時変化を示した図である。 TAS2R44-改変型G16gust40融合タンパク質発現細胞を用いて検出したアリストロキア酸の苦味応答の経時変化を示した図である。 TAS2R43-改変型G16gust40融合タンパク質発現細胞を用いて、バイカリン、ワゴノシドまたはスクテラリンによるアリストロキア酸の苦味抑制を検討した結果を示す図である。 TAS2R44-改変型G16gust40融合タンパク質発現細胞を用いて、バイカリン、ワゴノシドまたはスクテラリンによるアリストロキア酸の苦味応答抑制を検討した結果を示す図である。 TAS2R43-改変型G16gust40融合タンパク質発現細胞を用いて、バイカリン、ワゴノシドまたはスクテラリンによるアセスルファムKの苦味応答抑制を検討した結果を示す図である。 TAS2R44-改変型G16gust40融合タンパク質発現細胞を用いて、バイカリン、ワゴノシドまたはスクテラリンによるアセスルファムKの苦味応答抑制を検討した結果を示す図である。 バイカリンによるアセスルファムKの苦味抑制効果を、4人の被験者により官能評価した結果を示す図である。
本発明はフラボノイドのウロン酸配糖体を有効成分として含有する苦味抑制剤を提供する。フラボノイドのウロン酸配糖体としては、例えば、ケルセチン7−O−グルクロニド(quercetin 7-O-β-D-glucoronopyranoside)、ケンフェロール7−O−グルクロニド(kaempferol 7-O-β-D-glucoronopyranoside)、ケルセタゲチン7−O−グルクロニド(quercetagetin 7-O-β-D-glucoronopyranoside)、イソラムネチン7−O−グルクロニド(isorhamnetin 7-O-β-D-glucoronopyranoside)、ガランジン7−O−グルクロニド(galangin 7-O-β-D-glucoronopyranoside)、フィセチン7−O−グルクロニド(fisetin 7-O-β-D-glucoronopyranoside)、アピゲニン7−O−ガラクツロニド(apigenin 7-O-β-D-galacturonopyranoside)、ノルオウゴニン7−O−ガラクツロニド(norwogonin 7-O-β-D-galacturonopyranoside)、ルテオリン7−O−ガラクツロニド(luteolin 7-O-β-D-galacturonopyranoside)、クリシン7−O−ガラクツロニド(chrysin 7-O-β-D-galacturonopyranoside)、ゲニステイン7−O−グルクロニド(genistein 7-O-β-D-glucoronopyranoside)、ダイゼイン7−O−グルクロニド(daidzein 7-O-β-D-glucoronopyranoside)、バイカリン(Baicalin)、ワゴノシド(Wogonoside)、スクテラリン(Scutellarin)、アカセチン7−O−グルクロニド(acacetin 7-O-β-D-glucoronopyranoside)、アピゲニン7−O−グルクロニド(apigenin 7-O-β-D-glucoronopyranoside)、ルテオリン7−O−グルクロニド(luteolin 7-O-β-D-glucoronopyranoside)、クリシン7−O−グルクロニド(chrysin 7-O-β-D-glucoronopyranoside)、アカセニン7−O−グルクロニド(acacenin 7-O-β-D-glucoronopyranoside)、ヒスピズリン7−O−グルクロニド(hispidulin 7-O-β-D-glucoronopyranoside)、ジオスメンチン7−O−グルクロニド(diosmentin 7-O-β-D-glucoronopyranoside)などが挙げられる。フラボノイドとしてはフラボンが好ましく、ウロン酸としてはグルクロン酸が好ましい。フラボンのグルクロン酸配糖体としては、例えばバイカリン(Baicalin)、ワゴノシド(Wogonoside)、スクテラリン(Scutellarin)、アカセチン7−O−グルクロニド(acacetin 7-O-β-D-glucoronopyranoside)、アピゲニン7−O−グルクロニド(apigenin 7-O-β-D-glucoronopyranoside)、ルテオリン7−O−グルクロニド(luteolin 7-O-β-D-glucoronopyranoside)、クリシン7−O−グルクロニド(chrysin 7-O-β-D-glucoronopyranoside)、アカセニン7−O−グルクロニド(acacenin 7-O-β-D-glucoronopyranoside)、ヒスピズリン7−O−グルクロニド(hispidulin 7-O-β-D-glucoronopyranoside)、ジオスメンチン7−O−グルクロニド(diosmentin 7-O-β-D-glucoronopyranoside)などが挙げられる。なかでも、バイカリン、ワゴノシドおよびスクテラリンが好ましく、ワゴノシドおよびスクテラリンがより好ましい。
バイカリンはフラボンの1種でタツナミソウ属(Scutellaria)に属する数種類の植物に含まれている。また中国の薬用植物、黄ゴンとして知られるコガネバナ(Scutellaria baicalensis)は、バイカリンのみならず、類似構造を有するワゴノシド、スクテラリンを含むことが報告されている。コガネバナの根の周皮を除き乾燥した生薬、黄ゴンは、抗炎症作用や抗菌作用、解熱、利尿、抗アレルギーに効果があるとされているが、そこに含まれる個々の成分の中に苦味抑制作用を有するものがあるという報告はない(参考文献1: Selective fraction of Scutellaria baicalensis and its chemopreventive effects on MCF-7 human breast cancer cells. Wang CZ, Li XL, Wang QF, Mehendale SR, Yuan CS. Phytomedicine. 2010 Jan;17(1):63-8. doi: 10.1016/j.phymed.2009.07.003、参考文献2: NMDA receptor-mediated neuroprotective effect of the Scutellaria baicalensis Georgi extract on the excitotoxic neuronal cell death in primary rat cortical cell cultures. Yang J, Wu X, Yu H, Liao X, Teng L. Scientific World Journal. 2014;2014:459549. doi: 10.1155/2014/459549. Epub 2014 May 21.)。
バイカリン、ワゴノシドおよびスクテラリンは以下に示す構造を有する。
Figure 0006850164
本発明の苦味抑制剤の有効成分であるフラボノイドのウロン酸配糖体は、それを含む植物等の天然物から公知の方法で抽出、精製して用いてもよく、公知の方法で化学合成して用いてもよい。あるいは、市販品を購入して使用することができる。また、所望のフラボノイドのウロン酸配糖体を含有する植物等をそのまま使用してもよい。
本発明の苦味抑制剤は、必要に応じて食品に通常用いられる添加剤を含有させてもよい。添加剤としては、例えば、香料、緩衝剤、増粘剤、着色剤、安定剤、乳化剤、分散剤、懸濁化剤、防腐剤などが挙げられる。これらの添加剤を単独で、または2種以上を組み合わせて含有させることができる。
本発明の苦味抑制剤の有効成分は、人工甘味料の1種であるアセスルファムKの苦味を抑制できる成分として見出されたものであるが、本発明の苦味抑制剤の対象となる苦味物質はアセスルファムKに限定されず、ヒト苦味受容体TAS2R43および/またはTAS2R44で感知される苦味物質であれば、どのような苦味物質の苦味でも本発明の苦味抑制剤により、抑制することができる。ヒト苦味受容体TAS2R43および/またはTAS2R44で感知される苦味物質としては、例えば、アリストロキア酸、アロイン、ジフェニドール、キニーネ、サッカリンなどが挙げられるが、これらに限定されない。
本発明苦味抑制剤は、上記対象となる苦味物質を含有する飲食品に配合することにより、当該飲食品を食した際に感知される苦味を抑制することができる。したがって、本発明は、苦味物質を含有する飲食品にフラボノイドのウロン酸配糖体を配合する苦味抑制方法を提供する。本発明の苦味抑制方法は、苦味物質を含有する飲食品にフラボノイドのウロン酸配糖体を配合する工程を含むものであれば、他にどのような工程を含んでいてもよい。
フラボノイドのウロン酸配糖体の配合量は、飲食品に含まれる苦味物質の種類によって異なるので、適宜予備検討を行って最適な配合量を決定することが好ましい。例えば、バイカリン、ワゴノシドまたはスクテラリンを、アセスルファムKを含有する飲食品に配合する場合、アセスルファムKの含量の1/1000〜1/2量を添加することが好ましく、1/1000〜1/10量を添加することがより好ましい。一般に飲食品に含まれるアセスルファムKの濃度は0.05〜0.2g/L程度である。0.2g/Lであるとすれば約1mMになるので、飲食品に含まれるアセスルファムKによる苦味強度は実施例で示した10〜15mMの場合と比較してかなり弱いと考えられる。したがって、バイカリン、ワゴノシドまたはスクテラリンの添加量は、10〜100μM程度でも十分な苦味抑制効果を期待することができる。
本発明の苦味抑制剤はバイカリン、ワゴノシド、スクテラリン等の植物由来のフラボノイドのウロン酸配糖体を有効成分として含有するので、近年の天然物指向に合致しており、合成品の苦味抑制剤より消費者にも受け入れられ易いという利点を有する。
本発明は、上記本発明の苦味抑制剤を配合してなる飲食品を提供する。本発明の飲食品には、健康食品、機能性食品、特定保健用食品、病者用食品等が含まれる。飲食品の形態は特に限定されない。例えば茶飲料、コーヒー飲料、清涼飲料、炭酸飲料、栄養飲料、果実飲料、乳酸飲料等の飲料、ビールまたはビールテイスト飲料、その他アルコール飲料、そば、うどん、中華麺、即席麺等の麺類、飴、キャンディー、ガム、チョコレート、スナック菓子、ビスケット、ゼリー、ジャム、クリーム、焼き菓子、パン等の菓子およびパン類、かまぼこ、ハム、ソーセージ等の水産・畜産加工食品、加工乳、発酵乳等の乳製品、サラダ油、てんぷら油、マーガリン、マヨネーズ、ショートニング、ホイップクリーム、ドレッシング等の油脂および油脂加工食品、ソース、たれ等の調味料、カレー、シチュー、丼、お粥、雑炊等のレトルトパウチ食品、アイスクリーム、シャーベット、かき氷等の冷菓などを挙げることができる。
本発明は、上記本発明の苦味抑制剤を配合してなる食品添加剤を提供する。本発明の食品添加剤は、食品に通常用いられる賦形剤を配合して顆粒剤、粉剤、乳剤、液剤等に製剤化して、苦味抑制用の食品添加剤として実施することができる。
以下、実施例により本発明を詳細に説明するが、本発明はこれらに限定されるものではない。
A.苦味評価系の構築
(1)ヒト苦味受容体遺伝子のクローニング
TAS2R14(塩基配列:配列番号1、アミノ酸配列:配列番号2)、TAS2R43(塩基配列:配列番号3、アミノ酸配列:配列番号4)およびTAS2R44(塩基配列:配列番号5、アミノ酸配列:配列番号6)は、GenBankに登録されている配列情報を基に、ヒトゲノムDNA (BD Clontech)を鋳型として、PCR法により各遺伝子を増幅した。各受容体のコード領域のN末端側に、ラットソマトスタチン タイプ3の最初の45アミノ酸をタグ配列(塩基配列:配列番号7、アミノ酸配列:配列番号8)として付加し、pEAK10ベクター(Edge Biosystems)のAsc I-Not Iサイトに組込んだ。
(2)改変型G16gust40遺伝子のクローニング
ヒトGα16とヒトガストデューシンは、ともにORIGENEより購入した[GNA15 (NM_002068) Human cDNA Clone, GNAT3 (NM_001102386) Human cDNA Clone]。まず初めに、文献[Ueda T,et al., J.Neurosci,23,7376-7380(2003)]に従い、Gα16のアミノ酸配列のC末端側の40アミノ酸をガストデューシンのC末端側の40アミノ酸に置換させたキメラG蛋白をコードする遺伝子を作製するため、購入したプラスミドを鋳型として各遺伝子をPCR法にて増幅し、pEAK10ベクター(Edge Biosystems)のEco RI-Not Iサイトに組み込んだ。さらにGα16とガストデューシンの繋ぎ目のアミノ酸配列に対して部位特異的変異を導入して改変型G16gust40であるGα16(1-331)-AlaGluThr-Gustducin(317-354)を作製した(塩基配列:配列番号9、アミノ酸配列:配列番号10)。
(3)ヒト苦味受容体と改変型G16gust40との融合遺伝子の作製
融合遺伝子はClontechのIn-FusionTM Advantage PCR Cloning Kitを用いて作製した。最初にマニュアルに従って、実施例2で作成した改変型G16gust40/pEAK10ベクターをinverse PCRにより線状化した。次に作製した線状ベクターの末端と相同な配列を5’末端側に付加させた目的遺伝子を増幅するためのPrimerを設計し、SSTR3タグ-TAS2Rの遺伝子を増幅した。In-Fusion反応により、これらの遺伝子断片を融合させて、大腸菌に形質転換を行った。得られたコロニーを培養してプラスミドの精製を行い、そのDNA配列を確認して、目的の融合遺伝子を含むプラスミドを得た(図1参照)。
(4)苦味受容体と改変型G16gust40の融合遺伝子発現細胞の作製
TAS2R14、TAS2R43およびTAS2R44の融合タンパク質をそれぞれ発現させたHEK293T細胞は次のように作製した。まず初めに各融合遺伝子を含んだプラスミドを制限酵素(Bgl IIまたはPme I)にて切断し、線状化した。HEK293T細胞(GE Healthcare等より入手可能)は60mm dishに4〜7 x 105 細胞数になるよう播いて、37℃、5%CO2を保持したインキュベーター内で培養しておいた。翌日、線状化プラスミド(6 μg)とLipofectamine 2000(15 μl)を別々のチューブ内にて各500 μlのOPTI-MEM (Invitrogen Corporation)に加えておき、室温にて5分間静置後、両者を混合した。20分後にこの混合液を静かにHEK293T細胞に添加し、CO2インキュベーター内で培養した。24時間後、細胞を常法に従って、dishより剥がし、培地で適宜希釈を行い、一部を12枚の100mm dishに播き直した。24時間の培養後、puromycinが最終濃度 10 μg/mlになるよう添加し、薬剤選抜を開始した。数日おきにpuromycinを加えた新鮮な培地に交換しながら、約3週間程度培養を継続した。薬剤耐性の細胞がそれぞれコロニーとして生育してくるので、順次ピッキングし、それぞれを個別に24穴もしくは6穴のプレート内に移し、培養を継続して増殖させ、25 もしくは75 cm2のフラスコで培養後、ストックを作製した。計20〜30個のコロニーから取得した各セルラインのストックは、順次解凍して培養を行い、各受容体に応じたアゴニストである苦味成分を添加するスクリーニングアッセイを実施し、最も応答強度が高いセルラインを選んだ。
B.苦味評価
〔細胞内カルシウム濃度変化の測定〕
苦味受容体と改変型G16gust40の融合タンパク質を発現しているHEK293T細胞に苦味物質を投与すると、苦味を感知した苦味受容体は融合している改変型G16gust40と共役しPLCβ2を活性化させて、細胞内カルシウム量を増加させる。上記で作製した各細胞をアッセイの前日に96穴プレートに播種し、培養を開始した。24時間後に培養物から培地を取り除き、アッセイ用のバッファーに交換した(50 μL)。バッファーの組成は、10 mM 4-(2-hydroxyethyl)-1-piperazineethanesulfonic acid (HEPES), 130 mM NaCl, 10 mM glucose, 5 mM KCl, 2 mM CaCl2, 1.2 mM MgCl2, pH7.4(NaOHにて調整)である。
次にFLIPR Calcium Assay Kit(Molecular Devices)の細胞内カルシウム蛍光指示薬Calcium 5を同バッファーで希釈し、各ウェルへ50 μLずつ添加後、CO2インキュベーター内で静置した。50分後に、37℃に設定しておいたFlexStation(Molecular Devices)装置内にプレートを移し、励起波長485nmにおける検出波長525nmの蛍光強度測定を開始した。測定開始から18秒後に、苦味物質溶液100 μLまたは苦味物質と苦味抑制物質の混合溶液100 μLを添加し、細胞内カルシウム濃度変化を検出した。解析は、測定開始時から終了までの90秒間における蛍光強度の変化量の最大値(ΔF)を細胞の応答強度とした。各物質の応答強度はバッファーのみを添加した時の(ΔF)を差し引いて算出した。
〔実施例1:フラボノイドのウロン酸配糖体のTAS2R14に対する苦味応答〕
ヒトTAS2R14は様々な苦味に応答する比較的特異性の低い苦味受容体であることが知られている。そこで、TAS2R14-改変型G16gust40融合タンパク質発現細胞を用いて、フラボノイドのウロン酸配糖体のTAS2R14に対する苦味応答を検出した。使用したフラボノイドのウロン酸配糖体は、バイカリン(東京化成)、ワゴノシド(ABCAM)およびスクテラリン(Carbosynth)の3種類である。また、ポジティブコントロールとして苦味物質として公知のアリストロキア酸(SIGMA)を使用した。
結果を図2に示した。図2において縦軸は各物質を添加した際に生じる蛍光強度の最大変化量(ΔF)−バッファーのみで生じる蛍光強度の最大変化量(ΔF)を示し、横軸は各物質の最終濃度を示す。バイカリンは既知の文献(The Pharmacodynamic Investigation of Baicalin Treatment of Bronchial Asthma and Its Bitter Taste Receptor Mechanism. Author: YangChao, School: Hebei Medical University, Type: Master's thesis, Year: 2013)に記載の通り、ヒトTAS2R14に対して、アリストロキア酸と比較してかなり弱いものの高濃度では苦味応答を示した。一方、ワゴノシドは、少なくとも1 mMの高濃度まで、一切の苦味応答を示さないことが判明した。さらに、スクテラリンは、1 mMを超える高濃度でも苦味応答を起こさないばかりか、バッファーのみのベースラインよりも減少する値を示した。
〔実施例2:バイカリンのTAS2R44に対する苦味応答〕
TAS2R44-改変型G16gust40融合タンパク質発現細胞を用いて、バイカリンのTAS2R44に対する苦味応答を検出した。比較のために、アリストロキア酸についてもTAS2R44-改変型G16gust40融合タンパク質発現細胞を用いて苦味応答を検出した。
バイカリンの結果を図3に、アリストロキア酸の結果を図4に示した。図3および図4において、縦軸は各物質を添加した際に生じる蛍光強度の変化量を示し、横軸は時間(秒)を示す。アリストロキア酸をTAS2R44-改変型G16gust40融合タンパク質発現細胞に添加すると、バッファーのみのベースラインに比して濃度依存的に蛍光強度変化が増大した。一方、バイカリンをTAS2R44-改変型G16gust40融合タンパク質発現細胞に添加すると、バッファーのみのベースラインよりも蛍光強度変化が減弱し、かつその減弱度は濃度依存的であることを示す結果が得られた。このことから、バイカリンは苦味受容を抑制する効果を有する可能性が推察された。
〔実施例3:フラボノイドのウロン酸配糖体によるアリストロキア酸の苦味応答抑制〕
ヒトTAS2R43とTAS2R44は、25種類のヒト苦味受容体の中で最も相同性が高く、また応答する苦味物質も共通しているものが多い。そこで、TAS2R43-改変型G16gust40融合タンパク質発現細胞およびTAS2R44-改変型G16gust40融合タンパク質発現細胞をそれぞれ用いて、アリストロキア酸と同時にバイカリン、ワゴノシドまたはスクテラリンを添加して、苦味応答の変化を調べた。TAS2R43-改変型G16gust40融合タンパク質発現細胞を用いた実験では、アリストロキア酸を0.4 μMの一定濃度とし、バイカリンは最大2.5 mMから3倍希釈で添加し、ワゴノシドとスクテラリンは1.25 mMから3倍希釈で添加した。TAS2R44-改変型G16gust40融合タンパク質発現細胞を用いた実験では、アリストロキア酸を2 μMの一定濃度とし、バイカリンは最大2.5 mMから3倍希釈で添加し、ワゴノシドとスクテラリンは1.25 mMから3倍希釈で添加した。
TAS2R43-改変型G16gust40融合タンパク質発現細胞の結果を図5に、TAS2R44-改変型G16gust40融合タンパク質発現細胞の結果を図6に示した。どちらの細胞を用いた場合も、バイカリン、ワゴノシドおよびスクテラリンはアリストロキア酸の苦味応答を濃度依存的に減弱することが示された。それぞれ多少の強度差はあるものの、いずれも1 mM付近の濃度では顕著な苦味応答抑制効果を有することが判明した。
〔実施例4:フラボノイドのウロン酸配糖体によるアセスルファムKの苦味応答抑制〕
ヒトTAS2R43とTAS2R44は、人口甘味料であるアセスルファムKの苦味を感知することが知られている。実際に高濃度のアセスルファムKはこの両受容体を発現させた細胞に対して、弱い苦味応答を引き起す。そこで、TAS2R43-改変型G16gust40融合タンパク質発現細胞およびTAS2R44-改変型G16gust40融合タンパク質発現細胞をそれぞれ用いて、アセスルファムKと同時にバイカリン、ワゴノシドまたはスクテラリンを添加し、これらの物質がアセスルファムKの苦味抑制効果を有しているか否かについて検討を行った。アセスルファムKを15 mMの一定濃度とし、バイカリン、ワゴノシドおよびスクテラリンはいずれも最大1 mMから3倍希釈で添加した。なお、アセスルファムKはSigma-Aldrichより購入した。
TAS2R43-改変型G16gust40融合タンパク質発現細胞の結果を図7に、TAS2R44-改変型G16gust40融合タンパク質発現細胞の結果を図8に示した。どちらの細胞を用いた場合も、バイカリン、ワゴノシドおよびスクテラリンは、アセスルファムKの苦味応答を濃度依存的に抑制していることが明らかになった。以上の結果から、フラボノイドのウロン酸配糖体はTAS2R43およびTAS2R43に対する苦味抑制作用を有し、特にワゴノシドとスクテラリンはTAS2R14に対する苦味応答を誘引することがなく、甘味料を加えた飲料の苦味低減物質として利用価値が高いと考えられた。
〔実施例5:官能評価〕
バイカリンによるアセスルファムKの苦味抑制について官能評価を行った。4名の被験者(パネル)が、アセスルファムK溶液(10 mM アセスルファムK)およびアセスルファムKとバイカリンの混合溶液(10 mM アセスルファムK+12.5μM バイカリン)の苦味強度を、それぞれラベルドマグニチュードスケール(LMS)を用いて評価した。具体的には、以下の手順で評価した。
(1)水で4回口をすすぐ(すすいだ水は吐き出す)。
(2)1つ目のサンプルを全部口に含んで5秒間味わう。
(3)サンプルを吐き出し、直ちに評価する。
(4)3分間休憩し、その間に口の中の味がなくなるまでしっかり口をすすぐ。
(5)2つ目のサンプルを全部口に含んで5秒間味わう。
(6)サンプルを吐き出し、直ちに評価する。
この官能評価では、全長100mmの直線上に以下のとおり苦味強度を位置づけたLMSを用いた。被験者は、自分が感じた苦味に相当する位置(mm)を苦味強度の数値として評価した。
96mm:これ以上強いものは考えられない
51mm:非常に強い
33mm:強い
16mm:強くも弱くもない
5mm:弱い
1mm:ほとんど感じない
結果を図9に示した。4名の被験者全員が、アセスルファムKとバイカリンの混合溶液はアセスルファムK溶液より苦味強度が低いと判断した。この結果から、ヒトの官能評価において、バイカリンはアセスルファムKの苦味を抑制できることが明らかになった。
なお本発明は上述した各実施形態および実施例に限定されるものではなく、請求項に示した範囲で種々の変更が可能であり、異なる実施形態にそれぞれ開示された技術的手段を適宜組み合わせて得られる実施形態についても本発明の技術的範囲に含まれる。また、本明細書中に記載された学術文献および特許文献の全てが、本明細書中において参考として援用される。

Claims (9)

  1. フラボンのグルクロン酸配糖体を含有する苦味抑制剤。
  2. フラボンのグルクロン酸配糖体が、バイカリン、ワゴノシドおよびスクテラリンからなる群から選ばれる少なくとも1種である請求項1に記載の苦味抑制剤。
  3. ヒト苦味受容体TAS2R43および/またはTAS2R44で感知される苦味物質の苦味を抑制する請求項1または2に記載の苦味抑制剤。
  4. 苦味物質がアセスルファムKである請求項3に記載の苦味抑制剤。
  5. 苦味物質を含有する飲食品にフラボンのグルクロン酸配糖体を配合することを特徴とする苦味抑制方法。
  6. フラボンのグルクロン酸配糖体が、バイカリン、ワゴノシドおよびスクテラリンからなる群から選ばれる少なくとも1種である請求項5に記載の苦味抑制方法。
  7. 苦味物質がヒト苦味受容体TAS2R43および/またはTAS2R44で感知される苦味物質である請求項5または6に記載の苦味抑制方法。
  8. 苦味物質がアセスルファムKである請求項7に記載の苦味抑制方法。
  9. 請求項1〜4のいずれかに記載の苦味抑制剤を含んでなる苦味抑制用食品添加剤。
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