JP6849718B2 - 自動蒸留試験装置 - Google Patents

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Description

本発明は、自動蒸留試験装置に係り、例えば、蒸留試験の信頼性を向上させることができる自動蒸留試験装置に関する。
石油精製プラントの建設および操業において、精製対象である石油の性状を知ることはプラントの安定操業、品質維持のために極めて重要である。そこで、蒸留試験方法を日本工業規格(JIS)K2254で規定し、この試験方法での試験結果に基づいて石油精製が実施されている。この規格によれば、予め定められた量の石油試料をフラスコに採取し、加熱して石油試料を蒸発させる。この蒸気を凝縮した留出液の液量と温度との関係をグラフに表示することにより、石油の性状を評価することとしている。
この規格は手作業での試験を想定しているが、冷却媒体の温度を管理しつつ初留液滴の確認、ならびに、留出温度および留出量を記録する作業が煩雑であるため、初留液滴の検出および留出温度、留出量の測定の自動化を既に自動蒸留試験装置により実現している。この自動蒸留試験装置においては、留出温度、留出量の測定を自動化するだけでなく、凝縮管を簡易な構成とするとともに試料の採取量に係らずJISの規格に基づく試験を実施することが可能である(例えば、特許文献1参照)。
特開2008−286543号公報
しかしながら、上記提案に係る自動蒸留試験装置は、石油試料を凝縮する際に、石油試料中に含まれるワックス分が析出してしまい、留出量測定の精度が低下することにより蒸留試験の信頼性が損なわれるという問題があった。
本発明は、上記課題を解決するためになされたものであって、石油試料を凝縮する際に、石油試料中に含まれるワックス分の析出を抑制することで蒸留試験の信頼性を向上させることができる自動蒸留試験装置を提供することを目的とする。
本発明に係る自動蒸留試験装置は、所定量の石油試料を収容する蒸留フラスコと、前記蒸留フラスコ内の前記石油試料を加熱する加熱器と、前記蒸留フラスコで蒸留した前記石油試料を凝縮液として受容する受容器と、前記蒸留フラスコと前記受容器とを連通する連結路を形成する連結管と、前記連結管の所望の位置に設けられ、前記石油試料の蒸気を凝縮する凝縮手段と、前記凝縮手段を流れる一次冷却媒体を冷却する冷却手段と、前記凝縮手段を加熱することにより、前記凝縮手段を流れる前記一次冷却媒体の温度を調整する加熱手段と、を備え、前記凝縮手段は、前記蒸留フラスコ内で発生した前記石油試料の蒸気を冷却する前記一次冷却媒体が流れる冷却通路を形成する冷却管を有し、前記冷却管は前記連結管の周囲を覆うように設けられ、前記加熱手段が前記冷却管の外周に設けられた構成とした。
上記構成により、本発明に係る自動蒸留試験装置は、凝縮手段を流れる冷却媒体の温度を温度調整手段(加熱手段)により調整することで、連結管を流れる石油試料を適切な温度に調整することができる。これにより、石油試料中のワックス分が連結管内で過度に冷却されて析出してしまうことにより、正確に留出量を計測できない事態を防止できる。したがって、蒸留された石油試料を全て計測することができ、蒸留試験の信頼性を向上させることができる。また、上記構成により、本発明に係る自動蒸留試験装置は、凝縮手段が、冷却媒体が流れる冷却通路を形成する冷却管を有し、冷却管の外周に前記温度調整手段を設けているので、効率よく冷却管の温度を調整することができる。
また、本発明に係る自動蒸留試験装置は、前記凝縮手段に前記一次冷却媒体を供給する一次冷却媒体系と、前記受容器に受容される出液を冷却するための二次冷却媒体を供給する二次冷却媒体系と、をさらに備え、前記冷却手段は、前記一次冷却媒体を冷却し、前記一次冷却媒体から奪った熱で前記二次冷却媒体を加熱するペルチェ素子である構成とした。
上記構成により、本発明に係る自動蒸留試験装置は、一次冷却媒体系と二次冷却媒体系との間の熱交換により熱エネルギーを効率よく利用することができる。
また、本発明に係る自動蒸留試験装置は、前記蒸留フラスコ内で発生した前記石油試料の蒸気の温度を測定する温度測定体と、前記受容器に受容される留出液量を測定する留出液量測定器と、をさらに備え、前記温度測定体により測定された前記石油試料の蒸気温度および前記留出液量測定器により測定された前記留出液量の測定結果の表示を行う制御装置を備える構成とした。
上記構成により、本発明に係る自動蒸留試験装置は、温度測定体により測定した石油試料の蒸気の温度と、留出液量測定器により測定した受容器に受容される留出液量との関係を測定結果として表示することで石油試料の性状を評価することができる。
また、本発明に係る自動蒸留試験装置は、前記制御装置は、前記測定した留出液量に基づき、単位時間当たりの留出率を算出し、算出した前記留出率に基づき、前記加熱器による加熱量を決定する構成とした。
上記構成により、本発明に係る自動蒸留試験装置は、石油試料の留出率を一定に保ち安定した蒸留試験を行うことができる。
また、本発明に係る自動蒸留試験装置は、前記制御装置は、前記温度測定体で測定した前記石油試料の蒸気の温度に基づいて、前記凝縮手段を流れる前記一次冷却媒体の温度が所定の温度となるよう前記加熱手段による調整温度を決定する構成とした。
上記構成により、本発明に係る自動蒸留試験装置は、冷却媒体の温度を所定の温度に保ち石油試料が析出しないような温度とすることで石油試料の析出を防止し、蒸留試験の信頼性を向上させることができる。
また、本発明に係る自動蒸留試験装置は、前記制御装置が、前記留出液の液面位置を試験開始前に前記受容器に採取された前記石油試料の液面位置である試験前液位で正規化した正規化液面位置を前記留出液量として用いる構成とした。
上記構成により、本発明に係る自動蒸留試験装置は、試料採取量が規定量と相違する場合でも蒸留試験を実行することができる。特に、試料採取量が規定量より少ない場合には試験時間を短縮することが可能となる。
また、本発明に係る自動蒸留試験装置は、前記一次冷却媒体系が、前記ペルチェ素子で冷却された一次冷却媒体を前記外管に供給する冷却媒体供給配管と、前記外管から排出される一次冷却媒体を回収する一次冷却媒体回収配管と、前記冷却媒体回収配管で回収された一次冷却媒体を脱気する脱気器と、前記脱気器で脱気された一次冷却媒体を前記ペルチェ素子に供給する一次冷却媒体ポンプと、を含み、前記二次冷却媒体系が、前記受容器が設置される受容器設置室を冷却する受容器設置室冷却器に二次冷却媒体を供給する二次冷却媒体受容器設置室冷却器供給配管と、前記受容器設置室冷却器から回収される二次冷却媒体を前記ペルチェ素子に供給する二次冷却媒体ペルチェ素子供給配管と、前記ペルチェ素子から排出される二次冷却媒体が保有する熱を大気に放熱する放熱器と、前記放熱器により熱が放熱された二次冷却媒体を前記受容器設置室冷却器に供給する二次冷却媒体ポンプとを含む構成とした。
上記構成により、本発明に係る自動蒸留試験装置は、一次冷却媒体および二次冷却媒体を繰り返し使用することで効率よく作動させることができる。
本発明は、凝縮手段を流れる冷却媒体を温度調整手段で温度調整することで、石油試料の析出を防止し、蒸留試験の信頼性を向上させることができる。
本発明の第1の実施の形態に係る自動蒸留試験装置の概略図である。 本実施の第1の実施の形態に係る外管に補助ヒータを取付け、断熱材で覆った状態を示す図である。 本実施の第1の実施の形態に係る外管を断熱材で覆う前の状態を示す図である。 本実施の第1の実施の形態に係る外管に補助ヒータを取付ける前の状態を示す図である。 本発明の第1の実施の形態に係る自動蒸留試験装置による試験手順を示すフローチャートである。 本発明の第1の実施の形態に係る自動蒸留試験装置による試験準備ルーチンのフローチャートである。 本発明の第1の実施の形態に係る自動蒸留試験装置による試験ルーチンのフローチャートである。 本発明の第1の実施の形態に係る自動蒸留試験装置による中期加熱制御ルーチンのフローチャートである。 本発明の第1の実施の形態に係る自動蒸留試験装置による外管の温度制御のフローチャートである。 本発明の第2の実施の形態に係る自動蒸留試験装置の概略図である。 本実施の第2の実施の形態に係る冷却器に補助ヒータを取付け、断熱材で覆った状態を示す図である。 本実施の第2の実施の形態に係る冷却器を断熱材で覆う前の状態を示す図である。 本実施の第2の実施の形態に係る冷却器に補助ヒータを取付ける前の状態を示す図である。
(第1の実施の形態)
以下、本発明の第1の実施の形態に係る自動蒸留試験装置の実施形態の概略図を図1に示す。
本実施の形態に係る自動蒸留試験装置100は、所定量の石油試料を収容する蒸留フラスコ110と、蒸留フラスコ110内の石油試料を加熱する加熱器120と、蒸留フラスコ110内で蒸留した石油試料の蒸気の温度を測定する温度測定体130と、蒸留フラスコ110で蒸留した石油試料を凝縮液として受容する受容器150と、蒸留フラスコ110と受容器150とを連通する連結路を形成する内管141と、内管141の所望の位置に設けられ、前記石油試料の蒸気を凝縮する外管142と、外管142を流れる冷却媒体の温度を調整する補助ヒータ145と、受容器150を所定の位置に保持するとともに、受容器150内の留出液を冷却する受容器設置室151と、受容器150に受容される留出液量を測定する留出液量測定器160と、外管142に冷却媒体を供給する冷却媒体供給装置170と、温度測定体130により測定された石油試料の蒸気温度および留出液量測定器160により測定された留出液量の読み取り、加熱器120の加熱量および冷却媒体の温度の調節、ならびに測定結果の表示を行う制御装置180と、を具備する。
蒸留フラスコ110は、球部の肉厚が均一で,枝管110aの管軸は首管軸を通るようになっている。蒸留フラスコ110の材質は、例えば、ほうけい酸ガラス製又は石英製である。
フラスコ支え板111は、所定の厚さ(例えば、3〜7mm程度)の磁器板,その他の耐熱性の板で,所定の一辺の長さの正方形(例えば、約150mm)とし,その中心に所定の径の孔(例えば、直径約90mm)をあけ、蒸留フラスコ110を支える。
フラスコ支持台113は、所定の支環を風よけ106内部のスタンドに取り付けて上下に調整できるようにしたものであり、フラスコ支え板111を下から支える。
加熱器120は、加熱をできるだけ中心部に集中することができ、加熱遅れの少ない構造のもので、加熱調整によって消費電力を0〜1000Wに調整可能である。
風よけ107は、直方体状の収容器であり蒸留フラスコ110や加熱器120等を収容するようになっている。風よけ107は、例えば、高さ650mm、幅200mm、奥行き280mm及び厚さ、7mm程度以上のものであるが、必ずしもこのサイズに限らない。風よけ107には、フラスコ110の枝管110aに適合するような長円形切込みを付け,正面には加熱器120及びフラスコ支持台113を操作するための扉を付ける。
温度測定体130は、例えば、JIS規定によるガラス製水銀温度計である。特定条件下では,温度測定体130の球部は示度より高くなり、球部の温度がガラスの臨界域に近づく可能性があるので、加熱中に所定の温度を超えないよう留意する必要がある。
温度測定体130を蒸留フラスコ110に取り付ける際には、温度測定体取付具130aを用いる。温度測定体取付具130aは、温度測定体130の軸が蒸留フラスコ110の首管の中心に取り付けできるもので、かつ、蒸気漏れが発生しない構造となっている。
温度測定取付具13aはコルク栓に温度測定体130を通す孔を設けている。コルク栓に代えてシリコン栓やフッ素樹脂製の栓としてもよい。
内管141は、蒸留フラスコ110と受容器150とを連通する連結路を形成するようになっている。内管141は、枝管110aに接続され、蒸留フラスコ110で発生した石油試料の蒸気を受容器150へと輸送する経路となっている。内管141の内部であって、外管142の内側箇所(図4参照)には、内管141内を流れる石油試料の温度を測定する温度測定体131が取り付けられており、測定された温度はCPU181に送信される。内管141は、本発明に係る連結管を構成する。
外管142は、内管141の所望の位置に設けられ、石油試料の蒸気を凝縮するようになっている。内管141の周囲を所定の長さだけ覆うようになっている。外管142は、継ぎ目なしの銅管又はステンレス管で構成されている。外管142は本発明に係る凝縮手段を構成する。
図2は、補助ヒータ145を取付けた外管142を断熱材146で覆った状態を示す図であり、図2(a)が自動蒸留試験装置100の使用状態におけるものの平面図、図2(b)がA−A断面図である。補助ヒータ145の外周には、補助ヒータ145により外管142に付与された熱が逃げないように断熱材146が巻かれている。補助ヒータ145は、本発明に係る温度調整手段を構成する。
図3(a)は、外管142を断熱材146で覆う前の状態を示す平面図であり、図3(b)はB−B断面図である。図3に示すように、補助ヒータ145は、外管142の所定の区間の外周に取付けられ、外管142の温度を調整するようになっている。このように補助ヒータ145を取付けるのは、外管142内の温度が低下する場合があり、そのような場合に石油試料が析出し、固まるのを防ぐためである。
図4は、補助ヒータ145を外管142に取付ける前の状態の外管142を示しており、図4(a)はその平面図であり図4(b)はC−C断面図である。
受容器150は、外管142内で凝縮した石油試料の凝縮液を留出液として受容する。受容器150には目盛が付されており、留出液の容量を後述する留出液量測定器160による測定以外にも目視で確認することができる。
受容器設置室151は、受容器150を支持する支持板152を有している。受容器設置室151は、冷却媒体を入れた状態で受容器150を支持板152で支持することにより所定の位置に保持するとともに、受容器150内の留出液を冷却するようになっている。支持板152は、受容器150のサイズにあわせた支持板穴152aが設けられた板状の部材で受容器設置室151の下側部に設けられている。支持板152が、支持板穴152aで受容器150を支持することで、受用器150を水平面に対して10°程度の傾斜面に置いた場合でも、受容器150は倒れない構造となっている。冷却媒体として、例えば冷却水を用いるが必要とされる温度に応じ氷水、温水を用いても良い。受容器設置室151には、受容器設置室151内の温度を測定する温度測定体132が取り付けられており、測定された温度はCPU181に送信される。
冷却媒体供給装置170は、ペルチェ素子171により外管142を流れる一次冷却媒体を冷却する一次冷却媒体系統170aと、ペルチェ素子171が一次冷却媒体から奪った熱を大気に放熱する二次冷却媒体系統170bとを含んで構成されている。
一次冷却媒体系統170aは、一次冷却媒体を冷却するペルチェ素子171と、内管141を流れる石油試料の蒸気を冷却するために冷却された一次冷却媒体を流動させる外管142と、石油試料の蒸気を冷却して温度が上昇した一次冷却媒体に混入した気泡を除去する脱気器172と、脱気された一次冷却媒体をペルチェ素子171に供給する一次冷却媒体ポンプ173と、ペルチェ素子171で冷却された一次冷却媒体を外管142に供給する冷却媒体供給配管170a1と、外管142から排出される一次冷却媒体を回収する一次冷却媒体回収配管170a2と、を含んで構成されている。
二次冷却媒体系統170bは、一次冷却媒体を冷却するペルチェ素子171と、ペルチェ素子171が一次冷却媒体から奪った熱により加熱された二次冷却媒体を強制空冷する放熱器174と、空冷された二次冷却媒体を加圧する二次冷却媒体ポンプ175と、加圧された二次冷却媒体で受容器150の設置されている受容器設置室151を冷却する受容器設置室冷却器176と、受容器設置室151を冷却する受容器設置室冷却器176に二次冷却媒体を供給する二次冷却媒体受容器設置室冷却器供給配管170b1と、受容器設置室冷却器176から回収される二次冷却媒体をペルチェ素子171に供給する二次冷却媒体ペルチェ素子供給配管170b2と、を有して構成されている。
ペルチェ素子171は、並列に並んだ2つのペルチェ素子171aとペルチェ素子171bとで構成される。ペルチェ素子171aおよびペルチェ素子171bは、板状に形成され、一面側が吸熱すると共に、他面側が放熱する機能を有する素子である。より、具体的には、ペルチェ素子171aの一次冷却媒体系統170aを流れる側で吸熱を行い、二次冷却媒体系統170bを流れる側で放熱を行う。ペルチェ素子171bについても同様である。
放熱器174は、二次冷却媒体系統170bの一部を構成する冷却通路174aと、放熱ファン174bと、を有する。冷却通路174aはジグザグ状に形成されており、外表面にて熱を放出する。放熱ファン174bは、送風により冷却通路174aを流れる二次冷却媒体を空冷する。
留出液量測定器160は、受容器150に挿入された内管141の終端の直下方に配置される初留液滴検出器161と、受容器150の液面位置を測定する液面位置測定器162とから構成されている。
液面位置測定器162は、スクリューネジ棒の回転により2本のガイドレールに沿って上下に移動可能な発光素子と受光素子とを含み、液面が受光素子の中央で検出されるようにステッピングモータでスクリューネジ棒を回転させ、ステッピングモータを駆動するパルス数を計数することにより液面位置を測定する構成となっている。
受容器設置室冷却器176は、二次冷却媒体系統170bの一部を構成する冷却通路176aと、冷却ファン176bと、を有する。冷却通路176aはジグザグ状に形成されている。冷却ファン176bは、送風により受容器設置室151を冷却する。
制御装置180は、マイクロコンピュータシステムであり、プログラムによって処理を実行するCPU181と、プログラムおよび処理結果を記憶するROM186と、データを一時記憶するRAM187と、測温体130、初留液滴検出器161および液面位置測定器162が出力する測定信号を入力する入力インターフェイス183と、加熱器120、ペルチェ素子171に制御信号を出力する出力インターフェイス184と、各種周辺機器を接続する周辺機器インターフェイス185とを含む。
周辺機器としては、キーボード191、マウス192、ディスプレイ193、プリンタ194およびX−Yプロッタ195等が使用される。なお、周辺機器として専用の操作パネルを使用してもよい。
自動蒸留試験装置100を用いた試験方法の概要について、以下で説明する。
まず、自動蒸留試験装置100を所定の場所に設置し、蒸留フラスコ110に所定量の石油試料を採取する。ここでいう所定量とはJIS規格においては、100mlであるが、後述するように100mlよりも少ない量でもよい。
冷却媒体供給装置170にて氷水を循環させ始めるとともに、加熱器120による蒸留フラスコ110の加熱を開始する。初留液滴検出器161により初留が検出されたときの温度測定体130の示度を初留点として記録する。初留点から約10mlまでの留出分は、例えば、毎分2〜3mlの速度で,それ以後は、例えば、毎分4〜5mlの速度で留出するように加熱を調節し、留分5%ごとに温度計の示度を記録する。
温度計の示度が80〜90℃に達したら冷却媒体供給装置170の氷水を水道水に切り替えて循環させ、約200℃になったら温水に切り替え、蒸留を続ける。温度測定体130の示度が270℃に達したら直ちに受容器150を外し、加熱を止め、その後の留出油は別途のメスシリンダに受ける。先に取り外した受容器150は密栓して、12〜18℃における留出量及び水分量を記録する。
最終的に留出量(容量%)は以下の式(1)で求めることができる。
A=(D−w)/(M−w)×100 (1)
A:温度測定体130の示度が270℃に達するまでの留出量(ml)
D:受容器150中の全留出量(ml)
w:受容器150中の水分量(ml)
M:石油試料はかり採り量(ml)
また、留出温度と留出量(容量%)との関係をグラフ化することで蒸留曲線(TBPカーブ)を得ることができる。
次に本実施の形態に係る自動蒸留試験装置100の動作について説明する。
図5は、本実施の形態に係る自動蒸留試験装置100を使用した蒸留試験の手順を示すフローチャートであって、蒸留試験は試験準備工程、試験工程および試験結果処理工程の順に実施する。
図6は、制御装置180が試験準備工程において実行する試験準備ルーチンのフローチャートであって、制御装置180は、まず、試験者が試料名称を入力したか否か判断する(ステップS31)。制御装置180は、試料名称が入力されたと判断した場合はステップS32に進む。制御装置180は、試料名称が入力されてないと判断した場合は試料名称が入力されるまで待機する。
次に、制御装置180は、加熱量が設定されたか否か判断する(ステップS32)。制御装置180は、加熱量が設定されたと判断した場合はステップS33に進む。制御装置180は、加熱量が設定されてないと判断した場合は加熱量が設定されるまで待機する。
さらに、制御装置180は、終了条件が設定されたか否か判断する(ステップS33)。制御装置180は、終了条件が設定されたと判断した場合はステップS34に進む。制御装置180は、終了条件が設定されてないと判断した場合は終了条件が設定されるまで待機する。
次に、制御装置180は、試験者によりV・CHEK(Volume Check)が設定されたか否かを判定する(ステップS34)。石油試料量がJIS規定量(100ミリリットル)であるときには、V・CHEKは必要ないが、石油試料量を正確に調整することが困難である状況においてはV・CHEKを設定することが精度の高い試験を実施するうえで有利である。
制御装置180は、V・CHEKが設定されたと判定したときは、液面位置測定器162で測定された石油試料の試験前液面位置Lnを読込み(ステップS35)、ステップS36に進む。なお、制御装置180は、V・CHEKが設定されていないと判定したときは、直接ステップS36に進む。
ここで、V・CHEKとは、留出液量として液面位置測定器162により測定された留出液の液面位置を試験開始前液面位置Lnで正規化した正規化液面位置を用いる機能である。この機能を使用することにより、採取した石油試料の量測定から人為的な誤差を取り除くことが可能となり、試験精度を向上することができる。制御装置180は、本発明に係る結果出力手段を構成する。
さらに、石油試料量がJIS規定量よりも少量であっても、その量を100%として試験を実行することができるため、試験時間を短縮することができる。例えば、石油試料量が規定量の半分の50ミリリットルの場合には、試験時間を半分に短縮できる。
最後に、制御装置180は、試験の段階を示すフラグSTEPを初期値の"1"に設定(ステップS36)して試験準備ルーチンを終了する。
試験者は、受容器150中の試料を蒸留フラスコ110に移し、受容器150および蒸留フラスコ110を所定位置に設定する。
図7は、試験工程で制御装置180が実行する試験ルーチンのフローチャートであって、CPU181は、試験者が"スタートボタン"を押下した後、所定時間(例えば、100ミリ秒)ごとに発生する割り込み信号により試験ルーチンを開始する。
CPU181は、フラグSTEPの値を調べる(ステップS401)。
試験準備ルーチンによりフラグSTEPは"1"に初期化されているので、CPU181は加熱器120の加熱量を初期加熱に制御する(ステップS402)。なお、初期加熱は、最初の5分間の第1の初期加熱と5分経過後の第2の初期加熱の2段階に制御される。
フラグSTEPは"1"であるので、CPU181は初留液滴検出器161により初留が検出されたか否かを判定する(ステップS403)。
初留が検出されないときは、CPU181は試験ルーチンを終了し、次の実行割り込み信号を待機する。
CPU181は、ステップS403の処理において初留液滴検出器161により初留が検出されたと判定すると、温度測定体130によって測定される蒸留温度および液面位置測定器162によって測定される液面位置を読み取り(ステップS404)、フラグSTEPを"2"に設定して(ステップS405)試験ルーチンを終了し、次の実行割り込み信号を待機する。
試験ルーチンの次回の実行において、CPU181は、ステップS401においてフラグSTEPが"2"であると判定するので、温度測定体130によって測定される蒸留温度および液面位置測定器162によって測定される液面位置を読み取り(ステップS406)、中期加熱制御ルーチンを実行する(ステップS407)。なお、中期加熱制御ルーチンについては後述する。
次に、今回読み取られた液位を試験準備ルーチンで測定された基準液位Lnで除した正規化留出量が"残点5%"、即ち"95%"に到達したか否かを判定する(ステップS408)。
正規化蒸留量が"残点5%"に到達していないときは、CPU181は、試験ルーチンを終了し、次の実行割り込み信号を待機する。
CPU181は、ステップS408において正規化留出量が"残点5%"に到達したと判定したときは、フラグSTEPを"3"に設定して(ステップS409)、試験ルーチンを終了し、次の実行割り込み信号を待機する。
試験ルーチンの次回の実行において、CPU181は、ステップS401においてフラグSTEPが"3"であると判定するので、加熱器120の加熱量を終期加熱に制御し(ステップS410)、温度測定体130によって測定される蒸留温度および液面位置測定器162によって測定される液面位置を読み取る(ステップS411)。
次に、CPU181は、試験準備ルーチンで設定した終了条件が満たされたか否かを判定し(ステップS412)、終了条件が満たされていないときは試験ルーチンを終了し、次の実行割り込み信号を待機する。
CPU181は、終了条件が満たされたと判定したときには、加熱器120への通電を停止し(ステップS413)、試験を終了する。
図8は、CPU181がステップS407で実行する中期加熱制御ルーチンのフローチャートであって、単位時間当たりの留出量である留出率を算出する(ステップS51)。
次に、CPU181は、JISに規定されている留出率(4〜5%/分)と実際の留出率との偏差である留出率偏差を算出し(ステップS52)、この留出率偏差の関数として加熱器120の加熱量を算出し(ステップS53)、出力インターフェイス184を介して加熱器120に加熱量信号を出力する。すなわち、留出率偏差に応じた必要加熱量が予めROM186に記憶されており、CPU181は、必要な加熱を行うよう指令する。
なお、JISには、石油試料量は100ミリリットル、留出速度は毎分4〜5ミリリットルと規定されているが、本発明では石油試料量が100ミリリットルでない場合にもV・CHEK機能により試験は可能であるため、留出率を4〜5%/分に設定している。また、留出率が8〜9%/分となるように加熱量を増加すれば、試験時間をほぼ半分に短縮できることは明らかである。
なお、制御装置180は、"スタートボタン"が押下されるとペルチェ素子171、一次冷却媒体ポンプ173および二次冷却媒体ポンプ175への通電を開始し、試験終了後所定時間経過すると、ペルチェ素子171、一次冷却媒体ポンプ173および二次冷却媒体ポンプ175への通電を停止する制御も実行する。
CPU181は、試験終了と同時に試験結果処理ルーチンを実行し、所定の補正を実行した後に正規化蒸留量と温度との関係を表すグラフを、プリンタ194またはX−Yプロッタ195を使用して描画する。
図9は、外管142を流れる冷却媒体と受容器設置室151の蒸留中における温度制御を示すフローチャートである。フローチャート中に示す各温度は一例であり、他の温度を設定してもよい。蒸気温度の閾値等のデータはROM186に記憶されている。
CPU181は、蒸留フラスコ110内の石油試料の蒸留開始時の初期設定値として、温度測定体131で測定される外管142内の冷却媒体温度を0℃に、温度測定体132で測定される受容器設置室151内の温度を15℃に設定する(ステップS61)。次いで、CPU181は、温度測定体130で測定される石油試料の蒸気温度が80℃を超えるか否かを判断する。蒸気温度が80℃を超えない場合は石油試料の蒸留をそのまま継続する(ステップS62)。
CPU181は、蒸気温度が80℃を超えた場合、外管142内の冷却媒体温度を0℃から20℃に、受容器設置室151内の温度を15℃から20℃に設定を変更する(ステップS63)。
次いで、CPU181は、温度測定体130で測定される石油試料の蒸気温度が200℃を超えるか否かを判断する。蒸気温度が200℃を超えない場合は石油試料の蒸留をそのまま継続する(ステップS64)。
CPU181は、蒸気温度が200℃を超えた場合、外管142内の冷却媒体温度を20℃からT2℃に、受容器設置室151内の温度を20℃からT3℃に設定を変更する(ステップS65)。T2℃は最大で60℃であり、T3℃は最大で60℃である。
このように、蒸気温度に閾値を複数設け、蒸気温度が閾値を超えると、冷却媒体温度および受容器設置室151内温度を設定された各温度まで上昇させて、外管冷却媒体温度、受容器設置室温度を制御することで、外管142内での石油試料が析出されることを防止し、留出量を精度よく計測することができる。
以上のように、本実施の形態に係る自動蒸留試験装置100は、所定量の石油試料を収容する蒸留フラスコ110と、石油試料を加熱する加熱器120と、蒸留フラスコ110内で発生した石油試料の蒸気の温度を測定する温度測定体130と、蒸留フラスコ110の枝管110aに接続される内管141および内管141の周囲を覆う外管142から構成される外管142と、外管142の温度を調整する補助ヒータ145と、内管141で凝縮した凝縮液を留出液として受容する受容器150と、受容器150を所定の位置に保持するとともに、受容器150内の留出液を冷却する受容器設置室151と、受容器150に受容される留出液量を測定する留出液量測定器160と、外管142に冷却媒体を供給する冷却媒体供給装置170と、温度測定体130により測定された石油試料の蒸気温度および留出液量測定器160により測定された留出液量の読み取り、加熱器120の加熱量および冷却媒体の温度の調節、ならびに測定結果の表示を行う制御装置180と、を具備している。
上記構成により、本実施の形態に係る自動蒸留試験装置100は、外管142の外管142内を流れる冷却媒体の温度を補助ヒータ145にて適切な温度に暖めることができる。これにより、石油試料中のワックス分が過度に冷却されて析出してしまうことにより、正確に留出量を計測できない事態を防止できる。したがって、蒸留された石油試料を全て計測することで蒸留試験の信頼性を向上させることができる。
(第2の実施の形態)
上述のように、第1の実施の形態においては、石油試料を加熱器120により電気的に加熱する構成としたが、本実施の形態では加熱手段としてガスを用いて加熱する構成とした。同一の構成要素については、図1〜図9に示した第1の実施形態と同一の符号を用いて説明し、特に相違点について説明する。
本発明の第2の実施の形態に係る自動蒸留試験装置の実施形態の概略図を図10に示す。
本実施の形態に係る自動蒸留試験装置101は、所定量の石油試料を収容する蒸留フラスコ110と、石油試料を加熱するガスバーナ121と、蒸留フラスコ110内で発生した石油試料の蒸気の温度を測定する温度測定体130と、蒸留フラスコ110で蒸留した石油試料を凝縮液として受容する受容器150と、蒸留フラスコ110と受容器150とを連通する連結路を形成する連結内管143と、連結内管143の所望の位置に設けられ、前記石油試料の蒸気を凝縮する冷却器144と、冷却器144の温度を調整する補助ヒータ145と、受容器150を所定の位置に保持するとともに、受容器150内の留出液を冷却する受容器設置室151と、受容器150に受容される留出液量を測定する留出液量測定器160と、冷却器144に冷却媒体(氷水、温水を含む)を供給する冷却媒体供給装置170と、温度測定体130により測定された石油試料の蒸気温度および留出液量測定器160により測定された留出液量の読み取り、ガスバーナ121の加熱量および冷却媒体の温度の調節、ならびに測定結果の表示を行う制御装置180と、を具備する。
蒸留フラスコ110は、球部の肉厚が均一で、枝管110aの管軸は首管軸を通るようになっている。蒸留フラスコ110の材質は、例えば、ほうけい酸ガラス製又は石英製である。
フラスコ支え板112は、所定の厚さ(例えば、3〜7mm程度)の磁器板、その他の耐熱性の板で、所定の一辺の長さの正方形(例えば、約150mm)とし、その中心に所定の径の孔(例えば、直径約90mm)をあけ、蒸留フラスコ110を支える。
フラスコ支持台114は、所定の支環を風よけ107内部のスタンドに取り付けて上下に調整できるようにしたものであり、フラスコ支え板112を下から支える。
ガスバーナ121は、ガスホースより供給されるガスを燃焼させることで、蒸留フラスコ110内の石油試料を加熱するようになっている。ガスバーナ121は、熱量として60KJ/min程度以上を供給可能で、かつ、加熱を自由に加減可能である。
風よけ107は、直方体状の収容器であり蒸留フラスコ110やガスバーナ121等を収容するようになっている。風よけ107は、例えば、高さ650mm、幅200mm、奥行き280mm及び厚さ、7mm程度以上のものであるが、必ずしもこのサイズに限らない。風よけ107には、フラスコ110の枝管110aに適合するような長円形切込みを付け、正面にはガスバーナ121及びフラスコ支え板112を操作するための扉を付ける。
温度測定体130は、例えば、JIS規定によるガラス製水銀温度計である。特定条件下では,温度測定体130の球部は示度より高くなり、球部の温度がガラスの臨界域に近づく可能性があるので、加熱中に所定の温度を超えないよう留意する必要がある。
連結内管143は、枝管110aに接続され、蒸留フラスコ110で発生した石油試料の蒸気を受容器150へと輸送する経路となっている。冷却器144は、連結内管143の周囲を所定の長さだけ覆い、冷却媒体供給装置170より送られる冷却媒体を循環させるようになっている。冷却器144は、ガラス製である。冷却器144には、冷却器144内を流れる冷却媒体の温度を測定する温度測定体131が取り付けられている。冷却スタンド147は冷却器144を所定の角度で支持するようになっている。連結内管143は、本発明に係る連結管を構成する。冷却器144は本発明に係る凝縮手段を構成する。
図11は、補助ヒータ145を取付けた冷却器144を断熱材146で覆った状態を示す図であり、図11(a)自動蒸留試験装置101の使用状態におけるものの平面図、図11(b)がA−A断面図である。補助ヒータ145の外周には、補助ヒータ145により冷却器144に付与された熱が逃げないように断熱材146が巻かれている。補助ヒータ145は、本発明に係る温度調整手段を構成する。
図12(a)は、冷却器144を断熱材146で覆う前の状態を示す平面図であり、図12(b)はB−B断面図である。図12に示すように、補助ヒータ145は、冷却器144の所定の区間の外周に取付けられ、冷却器144の温度を調整するようになっている。このように補助ヒータ145を取付けるのは、冷却器144内の温度が低下する場合があり、そのような場合に石油試料が析出し、固まるのを防ぐためである。
図13は、補助ヒータ145を冷却器144に取付ける前の状態の冷却器144を示しており、図13(a)はその平面図であり図13(b)はC−C断面図である。
受容器150は、冷却器144内で凝縮した石油試料の凝縮液を留出液として受容する。受容器150には目盛が付されており、留出液の容量を後述する留出液量測定器160による測定以外にも目視で確認することができる。
受容器設置室151は、受容器150を支持する支持板152を有している。受容器設置室151は、冷却媒体を入れた状態で受容器150を支持板152で支持することにより所定の位置に保持するとともに、受容器150内の留出液を冷却するようになっている。支持板152は、受容器150のサイズにあわせた支持板穴152aが設けられた板状の部材で受容器設置室151の下側部に設けられている。支持板152が、支持板穴152aで受容器150を支持することで、受用器150を水平面に対して10°程度の傾斜面に置いた場合でも、受容器150は倒れない構造となっている。冷却媒体として、例えば冷却水を用いるが必要とされる温度に応じ氷水、温水を用いても良い。受容器設置室151には、受容器設置室151内の温度を測定する温度測定体132が取り付けられており、測定された温度はCPU181に送信される。
冷却媒体供給装置170は、ペルチェ素子171により冷却器144を流れる一次冷却媒体を冷却する一次冷却媒体系統170aと、ペルチェ素子171が一次冷却媒体から奪った熱を大気に放熱する二次冷却媒体系統170bとを含んで構成されている。
一次冷却媒体系統170aは、一次冷却媒体を冷却するペルチェ素子171と、連結内管143を流れる石油試料の蒸気を冷却するために冷却された一次冷却媒体を流動させる冷却器144と、石油試料の蒸気を冷却して温度が上昇した一次冷却媒体に混入した気泡を除去する脱気器172と、脱気された一次冷却媒体をペルチェ素子171に供給する一次冷却媒体ポンプ173と、ペルチェ素子171で冷却された一次冷却媒体を冷却器144に供給する冷却媒体供給配管170a1と、冷却器144から排出される一次冷却媒体を回収する一次冷却媒体回収配管170a2と、を含んで構成されている。
二次冷却媒体系統170bは、一次冷却媒体を冷却するペルチェ素子171と、ペルチェ素子171が一次冷却媒体から奪った熱により加熱された二次冷却媒体を強制空冷する放熱器174と、空冷された二次冷却媒体を加圧する二次冷却媒体ポンプ175と、加圧された二次冷却媒体で受容器150の設置されている受容器設置室を冷却する受容器設置室冷却器176と、受容器設置室151を冷却する受容器設置室冷却器176に二次冷却媒体を供給する二次冷却媒体受容器設置室冷却器供給配管170b1と、受容器設置室冷却器176から回収される二次冷却媒体をペルチェ素子171に供給する二次冷却媒体ペルチェ素子供給配管170b2と、を含んで構成されている。
ペルチェ素子171は、並列に並んだ2つのペルチェ素子171aとペルチェ素子171bとで構成される。ペルチェ素子171aおよびペルチェ素子171bは、板状に形成され、一面側が吸熱すると共に、他面側が放熱する機能を有する素子である。より、具体的には、ペルチェ素子171aの一次冷却媒体系統170aを流れる側で吸熱を行い、二次冷却媒体系統170bを流れる側で放熱を行う。ペルチェ素子171bについても同様である。
放熱器174は、二次冷却媒体系統170bの一部を構成する冷却通路174aと、放熱ファン174bと、を有する。冷却通路174aはジグザグ状に形成されており、外表面にて熱を放出する。放熱ファン174bは、送風により冷却通路174aを流れる二次冷却媒体を空冷する。
留出液量測定器160は、受容器150に挿入された冷却器144の連結内管143の終端の直下方に配置される初留液滴検出器161と、受容器150の液面位置を測定する液面位置測定器162とから構成されている。
液面位置測定器162は、スクリューネジ棒の回転により2本のガイドレールに沿って上下に移動可能な発光素子と受光素子とを含み、液面が受光素子の中央で検出されるようにステッピングモータでスクリューネジ棒を回転させ、ステッピングモータを駆動するパルス数を計数することにより液面位置を測定する構成となっている。
受容器設置室冷却器176は、二次冷却媒体系統170bの一部を構成する冷却通路176aと、冷却ファン176bと、を有する。冷却通路176aはジグザグ状に形成されている。冷却ファン176bは、送風により受容器設置室151を冷却する。
制御装置180は、マイクロコンピュータシステムであり、プログラムによって処理を実行するCPU181と、プログラムおよび処理結果を記憶するROM186と、データを一時記憶するRAM187と、測温体130、初留液滴検出器161および液面位置測定器162が出力する測定信号を入力する入力インターフェイス183と、加熱器120、ペルチェ素子171に制御信号を出力する出力インターフェイス184と、各種周辺機器を接続する周辺機器インターフェイス185とを含む。
周辺機器としては、キーボード191、マウス192、ディスプレイ193、プリンタ194およびX−Yプロッタ195等が使用される。なお、周辺機器として専用の操作パネルを使用してもよい。
本実施の形態に係る試験方法の概要および自動蒸留試験装置101の動作については図5〜図9に基づく第1の実施の形態と同様であり説明を省略する。
以上のように、本実施の形態に係る自動蒸留試験装置101は、所定量の石油試料を収容する蒸留フラスコ110と、石油試料を加熱するガスバーナ121と、蒸留フラスコ110内で発生した石油試料の蒸気の温度を測定する温度測定体130と、蒸留フラスコ110の枝管110aに接続される連結内管143および連結内管143の周囲を覆う冷却器144から構成される凝縮手段と、冷却器144の温度を調整する補助ヒータ145と、連結内管143で凝縮した凝縮液を留出液として受容する受容器150と、受容器150を所定の位置に保持するとともに、受容器150内の留出液を冷却する受容器設置室151と、受容器150に受容される留出液量を測定する留出液量測定器160と、冷却器144に冷却媒体(氷水、温水を含む)を供給する冷却媒体供給装置170と、温度測定体130により測定された石油試料の蒸気温度および留出液量測定器160により測定された留出液量の読み取り、ガスバーナ121の加熱量および冷却媒体の温度の調節、ならびに測定結果の表示を行う制御装置180と、を具備している。
上記構成により、本実施の形態に係る自動蒸留試験装置101は、冷却器144内を流れる冷却媒体の温度を補助ヒータ145にて適切な温度に暖めることができる。これにより、石油試料中のワックス分が過度に冷却されて析出してしまうことにより、正確に留出量を計測できない事態を防止できる。したがって、蒸留された石油試料を全て計測することで蒸留試験の信頼性を向上させることができる。
以上説明したように、本発明に係る自動蒸留試験装置は、凝縮手段を流れる冷却媒体を補助ヒータで暖めることで、石油試料の析出を防止し、蒸留試験の信頼性を向上させることができるという効果を有し、自動蒸留試験装置として有効である。
100、101 自動蒸留試験装置
106、107 風よけ
110 蒸留フラスコ
110a 枝管
111、112 フラスコ支え板
113、114 フラスコ支持台
120 加熱器
121 ガスバーナ
130、131、132 温度測定体
141 内管(連結管)
142 外管(凝縮手段)
143 連結内管(連結管)
144 冷却器(凝縮手段)
145 補助ヒータ(温度調整手段)
146 断熱材
147 冷却器スタンド
150 受容器
151 受容器設置室
160 留出液量測定器
161 初留液滴検出器
162 液面位置測定器
170 冷却媒体供給装置
170a 一次冷却媒体系統
170b 二次冷却媒体系統
171 ペルチェ素子
172 脱気器
173 一次冷却媒体ポンプ
174 放熱器
175 二次冷却媒体ポンプ
176 受容器設置室冷却器
180 制御装置
181 CPU(結果出力手段)
182 メモリ
183 入力インターフェイス
184 出力インターフェイス
185 周辺機器インターフェイス
191 キーボード
192 マウス
193 ディスプレイ
194 プリンタ
195 X−Yプロッタ

Claims (7)

  1. 所定量の石油試料を収容する蒸留フラスコと、
    前記蒸留フラスコ内の前記石油試料を加熱する加熱器と、
    前記蒸留フラスコで蒸留した前記石油試料を凝縮液として受容する受容器と、
    前記蒸留フラスコと前記受容器とを連通する連結路を形成する連結管と、
    前記連結管の所望の位置に設けられ、前記石油試料の蒸気を凝縮する凝縮手段と、
    前記凝縮手段を流れる一次冷却媒体を冷却する冷却手段と、
    前記凝縮手段を加熱することにより、前記凝縮手段を流れる前記一次冷却媒体の温度を調整する加熱手段と、を備え
    前記凝縮手段は、前記蒸留フラスコ内で発生した前記石油試料の蒸気を冷却する前記一次冷却媒体が流れる冷却通路を形成する冷却管を有し、前記冷却管は前記連結管の周囲を覆うように設けられ、
    前記加熱手段が前記冷却管の外周に設けられたことを特徴とする自動蒸留試験装置。
  2. 前記凝縮手段に前記一次冷却媒体を供給する一次冷却媒体系と、
    前記受容器に受容される留出液を冷却するための二次冷却媒体を供給する二次冷却媒体系と、をさらに備え、
    前記冷却手段は、前記一次冷却媒体を冷却し、前記一次冷却媒体から奪った熱で前記二次冷却媒体を加熱するペルチェ素子であることを特徴とする請求項1に記載の自動蒸留試験装置。
  3. 前記蒸留フラスコ内で発生した前記石油試料の蒸気の温度を測定する温度測定体と、
    前記受容器に受容される留出液量を測定する留出液量測定器と、をさらに備え、
    前記温度測定体により測定された前記石油試料の蒸気温度および前記留出液量測定器により測定された前記留出液量の測定結果の表示を行う制御装置を備えることを特徴とする請求項1または請求項2のいずれか1項に記載の自動蒸留試験装置。
  4. 前記制御装置は、前記測定した留出液量に基づいて、単位時間当たりの留出率を算出し、算出した前記留出率に基づいて、前記加熱器による加熱量を決定することを特徴とする請求項に記載の自動蒸留試験装置。
  5. 前記制御装置は、前記温度測定体で測定した前記石油試料の蒸気の温度に基づいて、前記凝縮手段を流れる前記一次冷却媒体の温度が所定の温度となるよう前記加熱手段による調整温度を決定することを特徴とする請求項3または請求項4のいずれか1項に記載の自動蒸留試験装置。
  6. 前記制御装置が、前記留出液の液面位置を試験開始前に前記受容器に採取された前記石油試料の液面位置である試験前液位で正規化した正規化液面位置を前記留出液量として用いる請求項3ないし請求項5のいずれか1項に記載の自動蒸留試験装置。
  7. 前記一次冷却媒体系が、前記ペルチェ素子で冷却された一次冷却媒体を前記冷却管に供給する冷却媒体供給配管と、前記外管から排出される一次冷却媒体を回収する一次冷却媒体回収配管と、前記冷却媒体回収配管で回収された一次冷却媒体を脱気する脱気器と、前記脱気器で脱気された一次冷却媒体を前記ペルチェ素子に供給する一次冷却媒体ポンプと、を含み、
    前記二次冷却媒体系が、前記受容器が設置される受容器設置室を冷却する受容器設置室冷却器に二次冷却媒体を供給する二次冷却媒体受容器設置室冷却器供給配管と、前記受容器設置室冷却器から回収される二次冷却媒体を前記ペルチェ素子に供給する二次冷却媒体ペルチェ素子供給配管と、前記ペルチェ素子から排出される二次冷却媒体が保有する熱を大気に放熱する放熱器と、前記放熱器により熱が放熱された二次冷却媒体を前記受容器設置室冷却器に供給する二次冷却媒体ポンプとを含むことを特徴とする請求項ないし請求項6のいずれか1項に記載の自動蒸留試験装置。
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