JP6848608B2 - セメントクリンカの製造方法、セメントの製造方法及び有機汚泥及び建設系廃プラスチックの処理方法 - Google Patents

セメントクリンカの製造方法、セメントの製造方法及び有機汚泥及び建設系廃プラスチックの処理方法 Download PDF

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Description

本発明は、セメントクリンカの製造方法、セメントの製造方法及び有機汚泥及び廃プラスチックの処理方法に関する。
従来、建設廃棄物等から排出される廃棄物として、建設系廃プラスチックが挙げられる。廃プラスチックの処理方法として、例えば、特許文献1には、廃プラスチックをセメントクリンカの焼成工程に投入することが記載されている。
特開2002−348154号公報
本発明者らは、鋭意研究した結果、建設系廃プラスチックをセメントの焼成工程に投入した場合、キルンのプレヒータにおけるコーチングの生成や、コーチングに起因するプレヒータ等の閉塞等の問題が生じることを見出した。本発明者らは、さらに鋭意研究の結果、キルンにおけるコーチングの生成が、建設系廃プラスチックに混入している硫黄分に起因していること、その硫黄分が建設系廃プラスチックに混入している廃石膏に由来していること、従って、混入している廃石膏における硫黄分の濃度を低減した建設系廃プラスチックをセメントクリンカの焼成工程(セメントクリンカの製造工程)に投入することにより、コーチングの生成を抑制できることを見出し、本発明を成すに至った。
本発明の主な目的は、建設系廃プラスチックを焼成工程に投入するセメントクリンカの製造方法において、コーチングの生成を抑制し得るセメントクリンカの製造方法を提供することにある。
本発明に係るセメントクリンカの製造方法は、セメントクリンカの原料を焼成することによりセメントクリンカを製造する焼成工程を備えるセメントクリンカの製造方法である。本発明に係るセメントクリンカの製造方法は、低減工程をさらに備える。低減工程では、建設系廃プラスチックと、発酵により酸化硫黄から硫化水素を発生させる嫌気性菌を含む有機汚泥とを混合し、発酵させることにより、混合物に含まれている硫黄成分を低減すると共に、混合物の含水率を低減する。低減工程において得られた混合物を焼成工程に投入する。
一般的に、建設現場において発生する建設系廃棄物から分離した建設系廃プラスチックには、石膏(廃石膏ボードやその破砕物)等が含まれる。このため、建設系廃プラスチックを焼成工程に投入すると、プラスチックと共に、硫黄分を含む廃石膏も投入することになる。よって、通常、建設系廃プラスチックと有機汚泥との混合物には硫黄分が含まれている。
本発明に係るセメントクリンカの製造方法では、低減工程において行われる嫌気性菌による発酵により、混合物の硫黄分が低減される。このため、焼成工程において、コーチングが生成することが抑制されている。よって、コーチングに起因するキルン等の閉塞等の問題が生じにくい。
また、建設系廃プラスチックに含まれるプラスチック類は、単位重量あたりの熱量が高い。このため、混合物から、より多くの熱量を得ることができる。従って、セメントクリンカの製造に必要な燃料を低減することができる。よって、セメントクリンカの製造コストを抑制し得る。特に、本発明においては、建設系廃プラスチックに含まれる硫黄分を低減できるため、発熱量の多い建設系廃プラスチックの使用量を多くすることができる。よって、セメントクリンカの製造に必要な燃料をさらに少なくし得る。従って、セメントクリンカの製造コストをさらに低減し得る。
さらに、低減工程において発酵熱が生成する。この発酵熱により混合物が乾燥する。このため、焼成工程に投入される混合物は、水分濃度の低減された混合物である。水分濃度の低減された混合物を焼成工程に投入することにより、混合物に含まれる水分を除去するために必要な熱量を低減することができ、混合物を燃料として好適に用いることができる。換言すれば、混合物からより多くの熱量を得ることができる。従って、焼成工程において必要となる燃料をより低減することができる。よって、セメントクリンカの製造コストをより低減し得る。
このように、本発明に係るセメントクリンカの製造方法では、建設系廃プラスチック及び有機汚泥をキルン等の焼成装置に悪影響を及ぼすことなく好適に処理でき、かつ、コーチングの生成を抑制しつつ、少ない燃料で焼成工程を行うことができるのでセメントクリンカの製造コストを低減し得る。
本発明に係るセメントクリンカの製造方法では、低減工程において、嫌気性菌による発酵の後に、好気性菌による混合物の発酵をさらに行うことが好ましい。
本発明に係るセメントクリンカの製造方法では、低減工程において、建設系廃プラスチックを破砕することによりフラフ状又は破片状の建設系廃プラスチックを作製し、フラフ状又は破片状の建設系廃プラスチックと有機汚泥とを混合し、発酵させることが好ましい。
本発明に係るセメントクリンカの製造方法では、焼成工程において、プレヒータ、仮焼炉及びキルンの窯尻の少なくとも一カ所に混合物を投入することが好ましい。
本発明に係るセメントクリンカの製造方法では、有機汚泥が、下水汚泥を含むことが好ましい。
本発明に係るセメントクリンカの製造方法では、混合物の含水率が40質量%以下となるまで低減工程を行うことが好ましい。
本発明に係るセメントクリンカの製造方法では、低減工程において、建設系廃プラスチック及び有機汚泥を、連続気泡が形成されないように堆積した状態で嫌気性菌を用いて発酵させることが好ましい。
本発明に係るセメントクリンカの製造方法では、建設系廃プラスチックが、石膏を含むことが好ましい。
本発明に係るセメントの製造方法は、本発明に係るセメントクリンカの製造方法によりセメントクリンカを製造する工程と、セメントクリンカからセメントを製造する工程とを備える。
本発明に係る有機汚泥及び建設系廃プラスチックの処理方法では、有機汚泥及び建設系廃プラスチックとの混合物を、発酵により酸化硫黄から硫化水素を発生させる嫌気性菌により発酵させ、建設系廃プラスチックに含まれている硫黄成分を低減すると共に、有機汚泥の含水率を低減し、硫黄成分の含有量及び含水率が低い混合物を得る。
本発明に係る有機汚泥及び建設系廃プラスチックの処理方法では、嫌気性菌による発酵の後に、好気性菌による混合物の発酵をさらに行うことが好ましい。
本発明によれば、建設系廃プラスチックを焼成工程に投入するセメントクリンカの製造方法において、コーチングの生成を抑制し得るセメントクリンカの製造方法を提供することができる。
本発明の一実施形態に係るセメントの製造装置の一部分の模式図である。
以下、本発明を実施した好ましい形態の一例について説明する。但し、下記の実施形態は、単なる例示である。本発明は、下記の実施形態に何ら限定されない。
図1は、本実施形態に係るセメントの製造装置1の一部分の模式図である。具体的には、図1には、セメントの製造装置1のうち、セメントクリンカの焼成装置10及び発酵部20が記載されている。
図1に示すように、焼成装置10には、原料が投入される。焼成装置10に投入される原料としては、例えば、石灰石、粘土、けい石、廃棄物系原料(例えば、有機汚泥等)等が挙げられる。セメント焼成燃料は、仮焼炉12、窯尻13aから投入される。セメント焼成燃料としては、例えば、有機汚泥等が挙げられる。
上記原料は、図示しない原料粉砕機(原料ミル)により粉砕、混合された後に、図1に示す焼成装置10に投入される。具体的には、上記原料は、焼成装置10のプレヒータ11に投入される。上記原料は、プレヒータ11により予熱される。なお、プレヒータ11は、例えば、サスペンションプレヒーターにより構成されていることが好ましい。上記原料の予熱効率を向上できるためである。
プレヒータ11には、さらに予熱効率を向上させるために仮焼炉12が接続されている。プレヒータ11において予熱された原料は、仮焼炉12に移送される。予熱された原料中の石灰石の大部分が脱炭酸される。
仮焼炉12は、ロータリーキルンなどのキルン13に接続されている。仮焼炉12において仮焼された原料は、キルン13の窯尻13aに投入される。投入された原料は、キルン13の窯前13bに設けられたメインバーナー(図示せず)により加熱され、セメントクリンカが生成する。
キルン13の窯前13bは、クリンカクーラー14に接続されている。キルン13において生成したセメントクリンカは、クリンカクーラー14において冷却され、冷却されたセメントクリンカがクリンカクーラー14から排出される。
なお、本発明において、焼成工程に用いる焼成装置は、キルンを備えていればよく、プレヒータや仮焼炉を必ずしも備えている必要はない。
製造されたセメントクリンカは、図示しない仕上げミルに接続されている。この仕上げミルにおいて、セメントクリンカと、セメントの硬化速度を調整する役割を果たす石膏や高炉スラグやフライアッシュ等と共に粉砕され、混合されることによりセメントが製造される。
図1に示すように、セメントの製造装置1には、発酵部20が設けられている。発酵部20には、建設系廃プラスチック及び有機汚泥を含む混合物が供給される。建設系廃プラスチックは、建設工事現場や建築物解体工事などで発生する建設系廃棄物からプラスチック類を選別して得られる。通常、建設系廃棄物からプラスチックのみを分離することは実際上困難であり、建設系廃プラスチックには、石膏(廃石膏ボードやその破砕物)等が混入している。
建設系廃プラスチックは、比表面積が大きくなるように破砕された状態で供給されることが好ましい。建設系廃プラスチックは、例えば、フラフ状又は破片状の破砕物として供給されることが好ましい。
建設系廃プラスチックと有機汚泥との混合方法に特に制限はなく、スクリューミキサ、パン型ミキサなどの各種混合機を使うこともできるし、ショベル等の重機を使って混合することもできる。
有機汚泥の具体例としては、例えば、下水汚泥、し尿系汚泥、工場排水汚泥、アオコ、底泥、食品加工残渣等が挙げられる。食品加工残渣の具体例としては、ビールかす、茶かす、畜産残渣等が挙げられる。後述の通り、本実施形態では、発酵乾燥を行うため、上記有機汚泥のなかでも、含水率が高い下水汚泥、し尿系汚泥、工場排水汚泥、アオコ、底泥等を発酵部20に供給することが好ましい。有機汚泥は、1種類でも、複数種類でも使用することができる。
有機汚泥は、菌の活動を促進する水分、有機分を含んでおり、酸化硫黄から硫化水素を発生させるには好適である。なお、一般的に、下水汚泥の場合、含水率は、50質量%〜90質量%程度である。
有機汚泥は、発酵により酸化硫黄から硫化水素を発生させる嫌気性菌を含んでいることが多い。例えば、このような嫌気性菌を含んでいる下水汚泥等をそのまま有機汚泥として用いることもできるし、このような嫌気性菌を含んでいない有機汚泥を用いる場合は、有機汚泥に対して発酵により酸化硫黄から硫化水素を発生させる嫌気性菌を混合して用いてもよい。嫌気性菌を添加する必要がないことから、有機汚泥として、嫌気性菌を含む下水汚泥を用いることがより好ましい。
発酵部20に供給される混合物には、建設系廃プラスチック及び有機汚泥以外の原料又は燃料が含まれていてもよい。例えば、混合物には、生ゴミ、木片等が含まれていてもよい。
有機汚泥と建設系廃プラスチックとの混合により混合物に空気が供給されるので、混合直後は好気性発酵が行われることがある。この時の発熱により、混合物は嫌気性発酵に適した温度(30℃〜40℃)になり、混合物の切り返しを止めることで空気が供給されなくなり嫌気性発酵が進むようになる。
発酵部20では、硫黄分を含む廃石膏ボードが混入した建設系廃プラスチック及び有機汚泥を含む混合物を、発酵により酸化硫黄から硫化水素を発生させる嫌気性菌により発酵させる。発生した硫化水素は揮発し、混合物から抜けていく。これにより、混合物に含まれている硫黄成分を低減し、また、発酵に伴って生じる発酵熱により混合物を乾燥させ、混合物の含水率を低減する(低減工程)。発酵部20において、硫黄成分含有量及び含水率が低減された混合物は、焼成工程に投入される。
発酵により酸化硫黄から硫化水素を発生させる嫌気性菌としては、硫酸還元菌等が挙げられる。硫酸還元菌としては、例えば、グラム陰性菌やグラム陽性菌等の真正細菌、古細菌等が挙げられる。硫酸還元菌の具体例としては、例えば、Desulfovibrio属、Desulfotomaculum属等が挙げられる。これらの嫌気性菌のうちの1種のみを用いてもよいし、複数種類を用いてもよい。
なお、好気性菌を用いて発酵を行うためには、酸素が必須となる。このため、好気性菌を用いて発酵を行うためには、建設系廃プラスチック及び有機汚泥の堆積物内に酸素を導入する通気孔を形成したり、定期的に混合し、内部に酸素を導入したりする必要がある。従って、発酵工程が煩雑になる。
それに対して、本実施形態のように嫌気性菌を用いた場合は、酸素を必要としないため、酸素を導入するための通気孔を形成したり、定期的に攪拌したりする必要が必ずしもない。従って、嫌気性菌を用いることにより、発酵工程が煩雑になることを抑制することができ、かつ、高い発酵効率を実現することができる。
嫌気性菌による発酵効率を向上する観点からは、建設系廃プラスチックは、破砕されて破片状にされることが好ましい。そうすることにより、低減工程において、混合物を連続気泡が形成されないように堆積した状態で発酵させることができる。このため、堆積した混合物内に酸素が侵入することを抑制することができるため、嫌気性菌による嫌気性発酵効率を向上することができる。建設系廃プラスチックを、最大粒子径が、50mm以下である破片状又はフラフ状の破砕物とすることが好ましく、30mm以下である破片状又はフラフ状の破砕物とすることがより好ましい。建設系廃プラスチックの粒子径が大きいと、堆積物に通気経路が形成され、嫌気性菌による発酵効率が低下する虞があるためである。また、建設系廃プラスチックの最大粒子径を小さくしておくことにより、焼成工程における燃焼効率が高まるため、より好ましい。同様の観点から、建設系廃プラスチックは、フラフ状であることがさらに好ましい。
上記の堆積した混合物は、頻繁に切り返さないことが好ましいが、硫化水素の揮発を促進するため、嫌気性菌の発酵効率が低減しない程度の混合物の切り返しを行っても良い。
本実施形態のセメントクリンカの製造方法では、低減工程において行われる発酵により、建設系廃プラスチックに混入していた廃石膏に含まれていた硫黄分や、有機汚泥に硫黄が含まれている場合にはその硫黄分が低減される。このため、焼成工程において、コーチングが生成することが抑制されている。よって、コーチングに起因するプレヒータ11等の閉塞などの問題が生じにくい。すなわち、コーチングの生成を抑制しつつ、建設系廃プラスチック及び有機汚泥を好適に処理することができる。
さらに、低減工程における菌による発酵により発酵熱が生成する。この発酵熱により混合物の水分が蒸発し、乾燥する。このため、焼成工程に投入される混合物は、水分濃度の低減された混合物である。水分濃度の低減された混合物を焼成工程に投入することにより、混合物に含まれる水分を除去するために必要な燃料を低減することができ、混合物を燃料として好適に用いることができる。換言すれば、混合物からより多くの熱量を得ることができる。
さらに、プラスチック類は、単位重量あたりの熱量が高い。このため、建設系廃プラスチックと有機汚泥との混合物から、より多くの熱量を得ることができる。従って、セメントの製造に必要な燃料を低減することができる。特に、本実施形態においては、建設系廃プラスチックに含まれる硫黄分を低減できるため、発熱量の多い建設系廃プラスチックの使用量を多くすることができる。よって、セメントクリンカの製造に必要な燃料をさらに少なくし得る。従って、セメントクリンカの製造コストをさらに低減し得る。
嫌気性発酵による発熱は好気性発酵に比べると少ないので、好気性発酵を利用することで混合物の乾燥をさらに促進することができる。すなわち、嫌気性発酵が終わる頃を見計らい、混合物を切り返して混合物に空気を供給することで好気性発酵を促進することで、混合物の乾燥をより速く行うことができる。混合物を切り返す際に、有機汚泥を加え混合することで好気性発酵による乾燥をより促進できる。
なお、混合物に含まれる水分を除去するために必要な熱量を十分に低減する観点からは、混合物の含水率を40質量%以下とすることが好ましく、30質量%以下とすることがより好ましい。但し、混合物の含水率がより低くなるまで乾燥させようとするほど、混合物の乾燥に要する時間が長くなる。従って、セメントクリンカの製造効率を低下させない観点から、混合物の含水率は、20質量%以上であることが好ましい。
以上説明したように、本実施形態に係るセメントクリンカの製造方法では、建設系廃プラスチック及び有機汚泥を、キルン等の焼成装置10に悪影響を及ぼすことなく好適に処理でき、かつ、コーチングの生成を抑制しつつ、少ない燃料で焼成工程を行うことができるのでセメントクリンカの製造コストを抑制し得る。
発酵させる混合物には、例えば、含水率の高い生ゴミ等が含まれていてもよい。その場合であっても、生ゴミの水分及び有機分により菌の活動が促進し、発酵熱により混合物の含水率を効果的に低減できる。従って、混合物の水分除去に要する熱量を低減できる。
発酵部20における発酵により発生した硫化水素は、キルンの燃焼ガスとして使用してもよいし、硫化水素を活性炭に吸着させることにより処理してもよい。
混合物の投入箇所は、特に限定されない。混合物は、例えば、プレヒータ11、仮焼炉12、キルン13のうちの少なくとも一カ所に投入することができる。なかでも、混合物を、プレヒータ11、仮焼炉12及びキルン13の窯尻13aのうちの少なくとも一カ所に投入することが好ましく、仮焼炉12に投入することがより好ましい。これは、混合物がセメント原料だけでなく、仮焼炉12における補助燃料として利用できるからである。
1 :製造装置
10 :焼成装置
11 :プレヒータ
12 :仮焼炉
13 :キルン
13a :窯尻
13b :窯前
14 :クリンカクーラー
20 :発酵部

Claims (11)

  1. セメントクリンカの原料を焼成することによりセメントクリンカを製造する焼成工程を備えるセメントクリンカの製造方法であって、
    建設系廃プラスチックと、発酵により酸化硫黄から硫化水素を発生させる嫌気性菌を含む有機汚泥とを混合し、発酵させることにより、前記混合物に含まれている硫黄成分を低減すると共に、前記混合物の含水率を低減する低減工程をさらに備え、
    前記低減工程において得られた混合物を前記焼成工程に投入する、セメントクリンカの製造方法。
  2. 前記低減工程において、前記嫌気性菌による発酵の後に、好気性菌による前記混合物の発酵をさらに行う、請求項1に記載のセメントクリンカの製造方法。
  3. 前記低減工程において、前記建設系廃プラスチックを破砕することによりフラフ状又は破片状の建設系廃プラスチックを作製し、前記フラフ状又は破片状の建設系廃プラスチックと前記有機汚泥とを混合し、発酵させる、請求項1又は2に記載のセメントクリンカの製造方法。
  4. 前記焼成工程において、プレヒータ、仮焼炉及びキルンの窯尻の少なくとも一カ所に前記混合物を投入する、請求項1〜3のいずれか一項に記載のセメントクリンカの製造方法。
  5. 前記有機汚泥が、下水汚泥を含む、請求項1〜4のいずれか一項に記載のセメントクリンカの製造方法。
  6. 前記混合物の含水率が40質量%以下となるまで前記低減工程を行う、請求項1〜5のいずれか一項に記載のセメントクリンカの製造方法。
  7. 前記低減工程において、前記建設系廃プラスチック及び前記有機汚泥とを、連続気泡が形成されないように堆積した状態で発酵させる、請求項1〜6のいずれか一項に記載のセメントクリンカの製造方法。
  8. 前記建設系廃プラスチックは、石膏を含む、請求項1〜7のいずれか一項に記載のセメントクリンカの製造方法。
  9. 請求項1〜8のいずれか一項に記載のセメントクリンカの製造方法によりセメントクリンカを製造する工程と、
    前記セメントクリンカからセメントを製造する工程と、
    を備える、セメントの製造方法。
  10. 有機汚泥及び建設系廃プラスチックの処理方法であって、
    有機汚泥及び建設系廃プラスチックの混合物を、発酵により酸化硫黄から硫化水素を発生させる嫌気性菌により発酵させ、前記建設系廃プラスチックに含まれている硫黄成分を低減すると共に、前記有機汚泥の含水率を低減し、硫黄成分の含有量及び含水率が低い混合物を得る、有機汚泥及び建設系廃プラスチックの処理方法。
  11. 前記嫌気性菌による発酵の後に、好気性菌による前記混合物の発酵をさらに行う、請求項10に記載の有機汚泥及び建設系廃プラスチックの処理方法。
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