JP6885155B2 - セメントクリンカの製造方法及びセメントの製造方法 - Google Patents

セメントクリンカの製造方法及びセメントの製造方法 Download PDF

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Description

本発明は、セメントクリンカの製造方法、セメントの製造方法及び有機汚泥及び硫黄含有廃棄物の処理方法に関する。
従来、廃石膏ボードは、埋め立て処理されているものが多いが、石膏ボードへのリサイクル、セメントへのリサイクルが望まれている。例えば、特許文献1では、破砕した廃石膏ボードをセメントの焼成工程に投入し、廃石膏ボードをセメントクリンカの原料として用いることが記載されている。
特開2003−137619号公報
本発明者らは、鋭意研究した結果、特許文献1に記載されているように、破砕した廃石膏ボードをセメントの焼成工程に投入した場合、キルンにおけるコーチングの生成や、コーチングに起因するキルン等の閉塞等の問題が生じることを見出した。本発明者らは、さらに鋭意研究の結果、キルンにおけるコーチングの生成が、廃石膏ボードに含まれる硫黄分に起因していること、硫黄分の濃度を低減した廃石膏ボードをセメントクリンカの焼成工程(セメントクリンカの製造工程)に投入することにより、コーチングの生成を抑制できることを見出し、本発明を成すに至った。
本発明の主な目的は、廃石膏ボード等の硫黄含有廃棄物を焼成工程に投入するセメントクリンカの製造方法において、コーチングの生成を抑制し得るセメントクリンカの製造方法を提供することにある。
本発明に係るセメントクリンカの製造方法は、セメントクリンカの原料を焼成することによりセメントクリンカを製造する焼成工程を備えるセメントクリンカの製造方法である。本発明に係るセメントクリンカの製造方法は、低減工程と、吸着工程とをさらに備える。低減工程では、硫黄含有廃棄物と、発酵により酸化硫黄から硫化水素を発生させる嫌気性菌を含む有機汚泥とを混合し、発酵させることにより、混合物に含まれている硫黄成分を低減すると共に、混合物の含水率を低減することにより低減混合物を得る。吸着工程では、低減工程において、発酵により発生した硫化水素を活性炭に吸着させることにより吸着活性炭を得る。低減混合物及び吸着活性炭を焼成工程に投入する。
本発明に係るセメントクリンカの製造方法では、低減工程において行われる嫌気性菌による発酵により、混合物の硫黄分が低減される。このため、焼成工程において、コーチングが生成することが抑制されている。よって、コーチングに起因するキルン等の閉塞等の問題が生じにくい。すなわち、コーチングの生成を抑制しつつ、硫黄含有廃棄物をセメントクリンカの製造に好適に使用できるため、硫黄含有廃棄物を好適に処理することができる。
さらに、低減工程における嫌気性菌による発酵により発酵熱が生成する。この発酵熱により混合物が乾燥する。このため、焼成工程に投入される混合物は、水分濃度の低減された混合物である。水分濃度の低減された混合物を焼成工程に投入することにより、混合物に含まれる水分を除去するために必要な熱量を低減することができ、混合物を燃料として好適に用いることができる。換言すれば、混合物からより多くの熱量を得ることができる。従って、焼成工程において必要となる燃料を低減することができる。
また、吸着活性炭を焼成工程に投入するため、吸着活性炭が焼成工程において燃料として機能する。従って、投入すべき燃料の量を低減することができる。
以上説明したように、本発明に係るセメントクリンカの製造方法では、硫黄含有廃棄物及び有機汚泥をキルン等の焼成装置に悪影響を及ぼすことなく好適に処理でき、かつ、少ない燃料で焼成工程を行うことができるのでセメントクリンカの製造コストを低減し得るという効果が得られる。
本発明に係るセメントクリンカの製造方法では、吸着活性炭に吸着した硫黄成分がセメントクリンカに取り込まれるように、吸着活性炭を焼成工程に投入することが好ましい。
本発明に係るセメントクリンカの製造方法では、吸着活性炭をキルンに投入することが好ましい。
本発明に係るセメントクリンカの製造方法では、吸着活性炭を、キルンのメインバーナ又は補助バーナを通してキルン内に投入することが好ましい。
本発明に係るセメントクリンカの製造方法では、吸着活性炭を、1400℃以上の雰囲気下に投入することが好ましい。
本発明に係るセメントクリンカの製造方法では、焼成工程において、プレヒータ、仮焼炉及びキルンの窯尻の少なくとも一カ所に低減混合物を投入することが好ましい。
本発明に係るセメントクリンカの製造方法では、嫌気性菌が、硫酸還元菌であることが好ましい。
本発明に係るセメントクリンカの製造方法では、低減工程において、硫黄含有廃棄物を破砕することにより硫黄含有廃棄物粉を作製し、硫黄含有廃棄物粉と有機汚泥とを混合し、発酵させることが好ましい。
本発明に係るセメントクリンカの製造方法では、硫黄含有廃棄物として、石膏ボード、建築混合廃棄物のふるい下残渣、酸性硫酸塩土壌及び硫酸ピッチからなる群から選択された少なくとも一種を用いることが好ましい。
本発明に係るセメントクリンカの製造方法では、有機汚泥が、下水汚泥を含むことが好ましい。
本発明に係るセメントクリンカの製造方法では、有機汚泥の含水率が40質量%以下となるまで低減工程を行うことが好ましい。
本発明に係るセメントクリンカの製造方法では、低減工程において、硫黄含有廃棄物及び有機汚泥とを、連続気泡が形成されないように堆積した状態で発酵させることが好ましい。
本発明に係るセメントの製造方法は、本発明に係るセメントクリンカの製造方法によりセメントクリンカを製造する工程と、セメントクリンカからセメントを製造する工程とを備える。
本発明に係る有機汚泥及び硫黄含有廃棄物の処理方法では、低減工程と、吸着工程とを備える。低減工程では、有機汚泥及び硫黄含有廃棄物の混合物を、発酵により酸化硫黄から硫化水素を発生させる嫌気性菌により発酵させ、硫黄含有廃棄物に含まれている硫黄成分を低減すると共に、有機汚泥の含水率を低減し、硫黄成分の含有量及び含水率が低い低減混合物を得る。吸着工程では、低減工程において、発酵により発生した硫化水素を活性炭に吸着させることにより吸着活性炭を得る。
本発明によれば、廃石膏ボード等の硫黄含有廃棄物を焼成工程に投入するセメントクリンカの製造方法において、コーチングの生成を抑制し得るセメントクリンカの製造方法を提供することができる。
本発明の一実施形態に係るセメントの製造装置の一部分の模式図である。
以下、本発明を実施した好ましい形態の一例について説明する。但し、下記の実施形態は、単なる例示である。本発明は、下記の実施形態に何ら限定されない。
図1は、本実施形態に係るセメントの製造装置1の一部分の模式図である。具体的には、図1には、セメントの製造装置1のうち、セメントクリンカの焼成装置10、発酵部20及び吸着部30が記載されている。
図1に示すように、焼成装置10には、原料が投入される。ここで、投入される原料は、セメントクリンカの原料と、後述する焼成において消費される燃料とを含むものとする。焼成装置10に投入される原料としては、例えば、有機汚泥等が挙げられる。
上記原料は、図示しない原料粉砕機(原料ミル)により粉砕、混合された後に、図1に示す焼成装置10に投入される。具体的には、上記原料は、焼成装置10のプレヒータ11に投入される。上記原料は、プレヒータ11により予熱される。なお、プレヒータ11は、例えば、サスペンションプレヒーターにより構成されていることが好ましい。上記原料の予熱効率を向上できるためである。
プレヒータ11には、仮焼炉12が接続されている。プレヒータ11において予熱された原料は、仮焼炉12に移送される。予熱された原料は、還元雰囲気に維持された仮焼炉12において熱分解される。
仮焼炉12は、ロータリーキルンなどのキルン13に接続されている。仮焼炉12において熱分解された原料は、キルン13の窯尻13aに投入される。投入された原料は、キルン13の窯前13bに設けられたメインバーナにより加熱され、セメントクリンカが生成する。
キルン13の窯前13bは、クリンカクーラー14に接続されている。キルン13において生成したセメントクリンカは、クリンカクーラー14において冷却され、冷却されたセメントクリンカがクリンカクーラー14から排出される。
なお、本発明において、焼成工程に用いる焼成装置は、キルンを備えていればよく、プレヒータや仮焼炉を必ずしも備えている必要はない。
製造されたセメントクリンカは、図示しない仕上げミルに接続されている。この仕上げミルにおいて、セメントクリンカと、セメントの硬化速度を調整する役割を果たす石膏や高炉スラグやフライアッシュ等と共に粉砕され、混合されることによりセメントが製造される。
図1に示すように、セメントの製造装置1には、発酵部20が設けられている。発酵部20には、硫黄含有廃棄物及び有機汚泥を含む混合物が供給される。
硫黄含有廃棄物の具体例としては、例えば、石膏ボード、建築混合廃棄物のふるい下残渣、酸性硫酸塩土壌、硫酸ピッチ等が挙げられる。なかでも、埋め立て処理等が困難である廃石膏ボードを発酵部20に供給することが好ましい。これらの硫黄含有廃棄物のうちの1種のみを発酵部20に供給してもよいし、複数種類の硫黄含有廃棄物を供給してもよい。
有機汚泥の具体例としては、例えば、下水汚泥、し尿系汚泥、食品排水汚泥、アオコ、底泥、食品加工残渣等が挙げられる。食品加工残渣の具体例としては、ビールかす、茶かす、畜産残渣等が挙げられる。後述の通り、本実施形態では、発酵乾燥を行うため、上記有機汚泥のなかでも、含水率が高い下水汚泥、し尿系汚泥、食品排水汚泥、アオコ、底泥等を発酵部20に供給することが好ましい。
なお、一般的に、下水汚泥の場合、含水率は、50質量%〜90質量%程度である。
有機汚泥は、発酵により酸化硫黄から硫化水素を発生させる嫌気性菌を含んでいる。例えば、このような嫌気性菌を含んでいる下水汚泥等をそのまま有機汚泥として用いることもできるし、このような嫌気性菌を含んでいない有機汚泥を用いる場合は、有機汚泥に対して発酵により酸化硫黄から硫化水素を発生させる嫌気性菌を混合して用いてもよい。嫌気性菌を添加する必要がないことから、有機汚泥として、嫌気性菌を含む下水汚泥を用いることがより好ましい。
発酵部20に供給される混合物には、硫黄含有廃棄物及び有機汚泥以外の原料又は燃料が含まれていてもよい。例えば、混合物には、生ゴミ、プラスチック等が含まれていてもよい。
発酵部20では、硫黄含有廃棄物及び有機汚泥を含む混合物を、発酵により酸化硫黄から硫化水素を発生させる嫌気性菌により発酵させる。これにより、混合物に含まれている硫黄成分を低減し、また、発酵に伴って生じる発酵熱により混合物を乾燥させ、混合物の含水率を低減することにより、低減混合物を得る(低減工程)。発酵部20において、硫黄成分含有量及び含水率が低減された低減混合物は、焼成工程に投入される。以下、硫黄成分含有量及び含水率が低減された混合物を、「低減混合物」と呼ぶことがある。
発酵に用いる菌としては、嫌気性菌を用いることが好ましい。発酵により酸化硫黄から硫化水素を発生させる嫌気性菌としては、硫酸還元菌等が挙げられる。硫酸還元菌としては、例えば、グラム陰性菌やグラム陽性菌等の真正細菌、古細菌等が挙げられる。硫酸還元菌の具体例としては、例えば、Desulfovibrio属、Desulfotomaculum属等が挙げられる。これらの嫌気性菌のうちの1種のみを用いてもよいし、複数種類を用いてもよい。
なお、好気性菌を用いて発酵を行うことも考えられる。しかしながら、好気性菌による発酵には酸素が必須となる。このため、好気性菌を用いて発酵を行うためには、硫黄含有廃棄物及び有機汚泥の堆積物内に酸素を導入する通気孔を形成したり、定期的に混合し、内部に酸素を導入したりする必要がある。従って、発酵工程が煩雑になる。
それに対して、本実施形態のように嫌気性菌を用いた場合は、酸素を必要としないため、酸素を導入するための通気孔を形成したり、定期的に攪拌したりする必要が必ずしもない。従って、嫌気性菌を用いることにより、発酵工程が煩雑になることを抑制することができ、かつ、高い発酵効率を実現することができる。
嫌気性菌による発酵効率を向上する観点からは、硫黄含有廃棄物等は、破砕されて粉末状にされており、十分に混合されていることが好ましい。そうすることにより、低減工程において、混合物を連続気泡が形成されないように堆積した状態で発酵させることができる。このため、堆積した混合物内に酸素が侵入することを抑制することができるため、嫌気性菌による発酵効率を向上することができる。硫黄含有廃棄物等を、最大粒子径が、50mm以下である粉末とすることが好ましく、30mm以下である粉末とすることがより好ましい。硫黄含有廃棄物の粒子径が大きいと、堆積物に通気経路が形成され、嫌気性菌による発酵効率が低下する虞があるためである。
本実施形態のセメントクリンカの製造方法では、低減工程において行われる嫌気性菌による発酵により、混合物の硫黄分が低減される。このため、焼成工程において、コーチングが生成することが抑制されている。よって、コーチングに起因するキルン13等の閉塞などの問題が生じにくい。すなわち、コーチングの生成を抑制しつつ、硫黄含有廃棄物をセメントクリンカの製造に好適に使用できるため、硫黄含有廃棄物を好適に処理することができる。
さらに、低減工程における嫌気性菌による発酵により発酵熱が生成する。この発酵熱により混合物が乾燥する。このため、焼成工程に投入される混合物は、水分濃度の低減された混合物である。水分濃度の低減された混合物を焼成工程に投入することにより、混合物に含まれる水分を除去するために必要な熱量を低減することができ、混合物を燃料として好適に用いることができる。換言すれば、混合物からより多くの熱量を得ることができる。従って、焼成工程において必要となる燃料を低減することができる。なお、混合物に含まれる水分を除去するために必要な熱量を十分に低減する観点からは、混合物の含水率を40質量%以下とすることが好ましく、30質量%以下とすることが好ましい。但し、混合物の含水率がより低くなるまで乾燥させようとするほど、混合物の乾燥に要する時間が長くなる。従って、セメントクリンカの製造効率を低下させない観点から、混合物の含水率は、20質量%以上であることが好ましい。
以上説明したように、本実施形態のセメントクリンカの製造方法では、硫黄含有廃棄物及び有機汚泥をキルン等の焼成装置に悪影響を及ぼすことなく好適に処理でき、かつ、少ない燃料で焼成工程を行うことができるのでセメントクリンカの製造コストを低減し得るという効果が得られる。
なお、発酵させる混合物には、例えば、含水率の高い生ゴミ等が含まれていてもよい。その場合であっても、発酵熱により混合物の含水率を効果的に低減できる。従って、混合物の水分除去に要する熱量を低減できる。
低減混合物の投入箇所は、特に限定されない。混合物は、例えば、プレヒータ11、仮焼炉12、キルン13のうちの少なくとも一カ所に投入することができる。なかでも、混合物を、プレヒータ11、仮焼炉12及びキルン13の窯尻13aのうちの少なくとも一カ所に投入することが好ましく、仮焼炉12に投入することがより好ましい。
ところで、本実施形態では、発酵により硫化水素を発生させる嫌気性菌を用いる。このため、発生した硫化水素をどのように処理するかが問題となる。
本実施形態では、低減工程において、発酵により発生した硫化水素を活性炭に吸着させることにより吸着活性炭を得る。具体的には、発酵部20に吸着部30が接続されている。吸着部30内には、活性炭が配されている。発酵部20からの排気ガスに含まれる硫化水素は、吸着部30内の活性炭に吸着され、吸着活性炭が生成する。吸着活性炭は、焼成工程に投入される。このため、硫化水素の処理に用いられた吸着活性炭が燃料として用いられる。よって、焼成工程に要する燃料の量を低減することができる。従って、セメントクリンカの製造コストを低減することができる。
吸着活性炭に吸着した硫黄成分がセメントクリンカに取り込まれるように、吸着活性炭を焼成工程に投入することが好ましい。この場合、発生した硫黄成分(酸化硫黄)が、セメントクリンカの原料に取り込まれるため、硫黄成分による焼成設備の損傷を抑制することができる。
吸着活性炭に吸着した硫黄成分がセメントクリンカの原料により取り込まれやすくするためには、吸着活性炭を、例えば、1400℃以上という高温雰囲気下に投入することが好ましい。具体的には、キルンに投入することが好ましく、特に、キルンのメインバーナ又は補助バーナを通してキルンに投入することが好ましい。補助バーナとは、メインバーナの近傍に設置される補助燃料投入用のバーナのことを指す。キルン、特にキルンのメインバーナ付近においては、雰囲気の酸素濃度が高いため、キルン、特にキルンのメインバーナに吸着活性炭を投入した場合は、活性炭に吸着していた硫黄成分が硫酸カルシウムとして存在し、酸化硫黄が発生しにくい。従って、焼成装置が酸化硫黄により損傷することをより効果的に抑制することができる。
1 :製造装置
10 :焼成装置
11 :プレヒータ
12 :仮焼炉
13 :キルン
13a :窯尻
13b :窯前
14 :クリンカクーラー
20 :発酵部
30 :吸着部

Claims (13)

  1. セメントクリンカの原料を焼成することによりセメントクリンカを製造する焼成工程を備えるセメントクリンカの製造方法であって、
    硫黄含有廃棄物と、発酵により酸化硫黄から硫化水素を発生させる嫌気性菌を含む有機汚泥とを混合し、発酵させることにより、前記混合物に含まれている硫黄成分を低減すると共に、前記混合物の含水率を低減することにより低減混合物を得る低減工程と、
    前記低減工程において、発酵により発生した硫化水素を活性炭に吸着させることにより吸着活性炭を得る吸着工程と、
    をさらに備え、
    前記低減混合物及び前記吸着活性炭を前記焼成工程に投入する、セメントクリンカの製造方法。
  2. 前記吸着活性炭に吸着した硫黄成分がセメントクリンカに取り込まれるように、前記吸着活性炭を前記焼成工程に投入する、請求項1に記載のセメントクリンカの製造方法。
  3. 前記吸着活性炭をキルンに投入する、請求項2に記載のセメントクリンカの製造方法。
  4. 前記吸着活性炭を、前記キルンのメインバーナ又は補助バーナに投入する、請求項3に記載のセメントクリンカの製造方法。
  5. 前記吸着性炭を、1400℃以上の雰囲気下に投入する、請求項2〜4のいずれか一項に記載のセメントクリンカの製造方法。
  6. 前記焼成工程において、プレヒータ、仮焼炉及びキルンの窯尻の少なくとも一カ所に前記低減混合物を投入する、請求項1〜5のいずれか一項に記載のセメントクリンカの製造方法。
  7. 前記嫌気性菌が、硫酸還元菌である、請求項1〜6のいずれか一項に記載のセメントクリンカの製造方法。
  8. 前記低減工程において、前記硫黄含有廃棄物を破砕することにより硫黄含有廃棄物粉を作製し、前記硫黄含有廃棄物粉と前記有機汚泥とを混合し、発酵させる、請求項1〜7のいずれか一項に記載のセメントクリンカの製造方法。
  9. 前記硫黄含有廃棄物として、石膏ボード、建築混合廃棄物のふるい下残渣、酸性硫酸塩土壌及び硫酸ピッチからなる群から選択された少なくとも一種を用いる、請求項1〜8のいずれか一項に記載のセメントクリンカの製造方法。
  10. 前記有機汚泥が、下水汚泥を含む、請求項1〜9のいずれか一項に記載のセメントクリンカの製造方法。
  11. 前記有機汚泥の含水率が40質量%以下となるまで前記低減工程を行う、請求項1〜10のいずれか一項に記載のセメントクリンカの製造方法。
  12. 前記低減工程において、前記硫黄含有廃棄物及び前記有機汚泥とを、連続気泡が形成されないように堆積した状態で発酵させる、請求項1〜11のいずれか一項に記載のセメントクリンカの製造方法。
  13. 請求項1〜12のいずれか一項に記載のセメントクリンカの製造方法によりセメントクリンカを製造する工程と、
    前記セメントクリンカからセメントを製造する工程と、
    を備える、セメントの製造方法
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