JP6848258B2 - ロール加工装置 - Google Patents
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Description
例えば、積層合成樹脂フィルムで形成される包装用パウチにおいて、商品名等の文字と共に種々の図柄、模様を配することにより、製品としての差別化を図り、商品価値を高めることが要求されている。このような要求を満足するために、印刷された文字や図柄、模様等を立体成形して際立たせることが行われている。また、包装用パウチにおいては、内容物を密封包装し、別の容器に移し替えて使用する注出口を、立体成形により両外側に張り出すようにして流路を確保することで移し替えを容易とするものが知られている
このような包装用パウチの立体成形は、上下に重ね合わせる2枚の積層合成樹脂フィルムのそれぞれに、熱プレス成形より張り出し部を成形した後、冷却し、外側に張り出した部分を重ね合わせて注出口を構成するようにしており、特許文献1には、積層フィルムを予熱した後プレス成形し、同時に型内で冷却することを特徴とする技術が開示され、特許文献2には、プラスチックフィルムを加熱した後、冷却しながら成形することを特徴とする技術が開示されている。
また、2枚の積層合成樹脂フィルムをそれぞれ立体成形した後に重ね合わせて周囲をヒートシールするなどで貼り合わせて包装用パウチを完成しなければならず、貼り合わせの際に前後・左右のずれが生じるとともに、プレス成形に伴う加工伸びによるずれが生じるという問題があり、また、ずれを見込んだマージンを設けるために注出口の大きさに比べて小さな張り出し部しか成形できないという問題があった。
この方法によれば、加熱や冷却の必要がなく、加工に要する電力などのエネルギを大幅に削減でき、加工時間を短縮して高速加工ができるとともに、重ね合わせた2枚の積層合成樹脂フィルムであっても圧縮成形部を外面側に張り出させることができ、簡単に立体成形することができる。
この場合、成形ロールの加工型部材とアンビルロールの間隔が変化し、フィルム状、あるいはシート状の被加工物が損傷したり、成形がうまく行われない虞があった。
また、成形時の振動が少なく、成形荷重も下げられるため、設備の小型化が可能となる。
さらに、調整機構によって高さを微調整可能であり、製品の変更や損耗等による加工型部材の交換の際の調整が容易で、さらに作業効率を向上することが可能である。
本請求項2に記載の構成によれば、成形ロールの軸方向の中間空隙部の上方と、アンビルロールの軸方向の中間部の下方との対向する位置に、上下から挟むように中間サポートロールとバックアップロールが設けられていることにより、荷重による成形ロールやアンビルロールの中間部の撓みに起因する間隔の拡がりが防止され、より一層、被加工物に対する損傷を防止するとともに、安定した成形を行うことができる。
本請求項4に記載の構成によれば、熱による影響の大きな位置にあるロールに冷却機構を設けることで、ロールの温度を一定に保つことができるため、成形荷重や加熱機構による熱の影響によって成形ロールの加工型部材とアンビルロールとの間隔が変化することを抑制し、被加工物の安定した成形が可能となる。
本実施形態では、成形ロール110は、加工型部材111を固定可能な軸方向の2つの中間領域と、軸方向両端側に円筒状のベアラー部114を有している。
円筒状のベアラー部114は、固定された加工型部材111の外径よりも大きな径、あるいは同径で、僅かに大きな径が好ましい。
なお、本実施形態において、加工型部材111は軸方向の2つの領域に周方向に2枚ずつ、計4枚固定されるように設計されているが、必要とする加工幅や加工長さに応じて、軸方向の領域の数、周方向の枚数は適宜設計可能である。
また、ベアラー部114は成形ロール110の軸方向両端側に配されているが、フィルム等の被加工物Fが通過しない領域であれば、成形ロール110の長さや径によってロールのセンター等にも配されてよい。
このように構成することにより、加工型部材111とアンビルロール120との間隔が均一で、被加工物Fに加工型部材111が均一に当たり、荷重による変化を抑制することができるため、被加工物Fに対する損傷を防止するとともに、安定した成形を行うことが可能であり、作業効率を向上させることができる。
また、成形時の振動が少なく、成形荷重も下げられるため、設備の小型化も可能となる。
なお、本実施形態においては、成形ロール110の軸方向両端側にベアラー部114を設けたが、アンビルロール120の軸方向両端側、あるいは成形ロール110およびアンビルロール120の両ロールの軸方向両端側にそれぞれベアラー部114を設けてもよい。
しかしながら、通常、成形ロールがエアーシリンダー等により固定的に装着されたアンビルロールに対して上下動され、成形ロール110の加工型部材111とアンビルロール120との間隔の調整の容易性から、成形ロール110の軸方向両端側にベアラー部114を設けることが好ましい。
そして、必要に応じて、成形ロール110の加工型部材111の調整を行って、アンビルロール120との間隔の調整も行われる。
さらに、成形ロール110やアンビルロール120の中間部の撓みを防止するため、アンビルロール120の軸方向の中間部の下方にもバックアップロール130が設けられ、対向する位置の成形ロール110の軸方向の中間部に設けた中間空隙部115の上方に中間サポートロール132が設けられている。
このことで、より荷重による変化を抑制することが可能となる。
また、本実施形態では、アンビルロール120の下方のバックアップロール130は、調整機構140によって高さを微調整可能であり、製品の変更や損耗等による加工型部材111の交換の際の調整が容易で、さらに作業効率を向上することが可能である。
さらに、成形荷重の低減、成形性の向上、及び圧縮して形成した立体成形部の高温条件下における成形高さの変化量の低減を図るため、図示しないがフィルムを加熱する加熱ユニットを成形ロール110より上流に設けてもよい。
また、成形荷重や加熱機構による熱の影響による成形ロール110の加工型部材111とアンビルロール120との間隔の変化を抑制し成形ロール110及びアンビルロール120の温度を一定に保ち、安定した成形を行うために、図2に示すように、冷却機構150を設けてもよい。
なお、本実施形態では、成形ロール110及びアンビルロール120にのみ冷却機構150を設けたものを図示しているが、バックアップロール130、中間サポートロール132を含めた全てのロールに冷却機構を設けてもよく、成形ロール110、アンビルロール120、バックアップロール130及び中間サポートロール132の全てのロールの内の特に熱による影響が懸念される一部のロールにのみ冷却機構を設けてもよい。
連続する被加工物Fは、フィードユニットによって成形ロール110とアンビルロール120との間に供給され、加工型部材111の圧縮部112がアンビルロール120に対向している時に、所定の形状の立体加工が施される。
制御ユニットは、成形ロール110の圧縮部112が、アンビルロール120に対向していない時に、被加工物Fの次の加工箇所に正確に圧縮部112が到達するように、成形ロール110の回転速度とフィードユニットの駆動速度を制御する。
なお、アンビルロール120は、歯車等で成形ロール110と同期して回転するが、別途、制御ユニットにより回転制御されてもよい。
また、フィードユニットは、被加工物Fを上下から挟む2つのローラ等、いかなる機構であってもよい。
さらに、検出手段は、印刷図柄やマークを光学的に読み取るものでもよく、物理的に接触するものや、超音波、赤外線、電磁気等を利用する等、いかなるものであってもよい。
そして、この圧縮部112による被加工物Fの立体加工の際に、荷重による成形ロール110とアンビルロール120の間隔の拡がりが、前述したバックアップロール130により防止され、また、成形ロール110やアンビルロール120の中間部の撓みに起因する間隔の拡がりが、前述した中間サポートロール132により防止される。
この間も、成形ロール110は同方向に回転を続けているが、次の圧縮部112がアンビルロール120に対向するまでの間に、検出手段により被加工物Fの表面の印刷図柄やマークを読み取って位置を検出し、被加工物Fの次に加工すべき位置に正確に圧縮部112が当たるように、フィードユニットの駆動を制御して、再び被加工物Fを供給方向に送る。
なお、成形ロール110は、軸方向に3列以上で被加工物Fから同外形、あるいは、異外形の立体加工を行うように加工型部材111を設けても良い。
この場合、アンビルロール120の軸方向の前記中間空隙部115に対応する下方の位置にバックアップロール130が設けられ、前述した中間サポートロール132は、成形ロール110の軸方向の加工型部材111が設けられていない中間空隙部115の上方に挟むように対向して設けられる。
110 ・・・ 成形ロール
111 ・・・ 加工型部材
112 ・・・ 圧縮部
114 ・・・ ベアラー部
115 ・・・ 中間空隙部
120 ・・・ アンビルロール
130 ・・・ バックアップロール
132 ・・・ 中間サポートロール
140 ・・・ 調整機構
150 ・・・ 冷却機構
F ・・・ 被加工物
Claims (5)
- 成形ロールと、前記成形ロールに対向して設けられたアンビルロールとを有するロール加工装置であって、
前記成形ロールが、被加工物に当接する加工型部材を有し、
前記成形ロールの軸方向両端側に円筒状のベアラー部が設けられ、
前記成形ロールとアンビルロールが、前記ベアラー部で当接するよう構成され、
前記ベアラー部の上方と、前記アンビルロールの両端部の下方を挟むように、それぞれ1対のバックアップロールが設けられ、
下方の前記バックアップロールに対応して、個別に独立して高さを微調整可能な調整機構が設けられていることを特徴とするロール加工装置。 - 前記成形ロールの軸方向の中間空隙部の上方に中間サポートロールが設けられ、
前記アンビルロールの軸方向の中間部の下方の前記中間サポートロールと対向する位置にバックアップロールが設けられていることを特徴とする請求項1に記載のロール加工装置。 - 前記成形ロールより上流に、被加工物を加熱する加熱機構を有することを特徴とする請求項1または2に記載のロール加工装置。
- 全ての前記ロールの内の一部のロール又は全部のロールが、冷却機構を有することを特徴とする請求項1乃至3のいずれかに記載のロール加工装置。
- 前記成形ロールの上流近傍に設けられ被加工物の表面の印刷図柄やマークを読み取って位置を検出する検出手段と、前記検出手段の検出信号に基づいて被加工物に正確な位置で立体加工を施す制御ユニットとを、さらに有することを特徴とする請求項1乃至4のいずれかに記載のロール加工装置。
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