JP6847898B2 - 予防保全装置及び予防保全システム - Google Patents

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Description

本発明は、予防保全装置及び予防保全システムに関する。
従来、製造ラインの予防保全方法として、製造ラインに設置された複数のセンサの測定データと、製造ラインの状態と、の関係を学習する方法が知られている。この予防保全方法によれば、製造ラインの異常(故障、劣化、欠陥など)が測定データに影響する場合、測定データに基づいて当該異常を検出することができる。
特開平08−525543号公報
しかしながら、製造ラインの異常は、必ずしもセンサの測定データに影響するとは限らないため、上記従来の予防保全方法では、製造ラインの異常を検出できない場合があった。
本発明は、上記の課題に鑑みてなされたものであり、製造ラインの異常の検出精度を向上させることを目的とする。
一実施形態に係る予防保全装置は、製造ラインに設置された撮影装置により撮影された対象物の画像データに基づいて、前記対象物の状態を判定する状態判定部と、前記状態判定部の判定結果を示すデータと、ユーザにより登録された前記製造ラインの状態を示すデータと、が対応付けられた学習データに基づいて、前記製造ラインの状態を推定する推定モデルを生成するモデル生成部と、前記状態判定部による判定結果を示すデータと、前記推定モデルと、に基づいて、前記製造ラインの状態を推定する状態推定部と、を備える。
本発明の各実施形態によれば、製造ラインの異常の検出精度を向上させることができる。
予防保全システムの概略構成の一例を示す図。 予防保全装置のハードウェア構成の一例を示す図。 予防保全装置の機能構成の一例を示す図。 対象物データの一例を示す図。 学習データの一例を示す図。 測定データの一例を示す図。 学習データの生成方法の一例を示すフローチャート。 製造ラインの状態の推定方法の一例を示すフローチャート。
以下、本発明の各実施形態について、添付の図面を参照しながら説明する。なお、各実施形態に係る明細書及び図面の記載に関して、実質的に同一の機能構成を有する構成要素については、同一の符号を付することにより重畳した説明を省略する。
一実施形態に係る予防保全システム100について、図1〜図8を参照して説明する。本実施形態に係る予防保全システム100は、製造ラインの予防保全のためのシステムであり、製造ライン上を流れる対象物の画像データに基づいて、製造ラインの状態を推定する。
まず、予防保全システム100の概略構成について説明する。図1は、予防保全システム100の概略構成の一例を示す図である。図1の予防保全システム100は、製造ライン200に適用されている。製造ライン200は、コンベア4と、コンベア4上に設置された装置A〜Cと、を備える。コンベア4は、製造ライン200により製造される対象物Pを搬送する装置である。装置A〜Cは、製造工程又は検査工程である工程A〜Cをそれぞれ実施する装置である。対象物Pは、コンベア4により矢印Aの方向に搬送され、装置A〜Cにより工程A〜Cを順番に実施される。なお、製造ライン200の構成は図1の例に限られない。
図1の予防保全システム100は、予防保全装置1と、センサ2a〜2fと、撮影装置3と、を備える。以下、センサ2a〜2fを区別しない場合、センサ2と称する。他の構成についても同様である。
予防保全装置1は、対象物Pの画像データに基づいて、製造ライン200の状態を推定するコンピュータである。予防保全装置1は、PC(Personal Computer)、サーバ、ノートPC、又はタブレット端末であるが、これに限られない。予防保全装置1は、複数のコンピュータからなるシステムとして構成されてもよい。予防保全装置1について詳しくは後述する。
センサ2は、製造ラインの各部に設置されたセンサである。センサ2は、有線又は無線により、予防保全装置1に接続される。センサ2は、定期的に測定値を示す測定データを出力する。センサ2が出力した測定データは、予防保全装置1に入力される。センサ2は、加速度センサ、温度センサ、湿度センサ、荷重センサ、音センサ(マイク)、又はトルクセンサであるが、これに限られない。図1の例では、予防保全システム100は、6つのセンサ2を備え、センサ2a,2bが装置Aに設置され、センサ2c,2dが装置Bに設置され、センサ2e,2fが装置Cに設置されている。しかしながら、予防保全システム100が備えるセンサ2の数及び各センサ2の設置位置は、図1の例に限られない。例えば、センサ2は、コンベア4に設置されてもよいし、各装置に1つ又は3つ以上設置されてもよい。
撮影装置3は、対象物Pを撮影するデジタルカメラである。撮影装置3は、有線又は無線により予防保全装置1に接続される。撮影装置3は、定期的(例えば、1秒ごと)に、又は所定のタイミングで撮影を実行し、撮影により得られた画像データを出力してもよいし、継続的に動画を撮影し、撮影により得られた動画データ(画像データ)を出力してもよい。所定のタイミングは、例えば、対象物Pが撮影装置3による撮影位置に到着したタイミングである。対象物Pが撮影位置に到着したことを検出するセンサ(画像センサや赤外線センサなど)を製造ライン200に設け、対象物Pの到着をセンサが撮影装置3に通知することにより、撮影装置3は当該タイミングに撮影を実行することができる。撮影装置3の撮影により得られた画像データは、予防保全装置1に入力される。撮影装置3は、撮像素子としてCCDイメージセンサ又はCMOSイメージセンサを備えたデジタルカメラであるが、これに限られない。図1の例では、予防保全システム100は、装置Cの下流側に設置された1つの撮影装置3を備える。しかしながら、予防保全システム100が備える撮影装置3の数及び撮影装置3の設置位置は、図1の例に限られない。例えば、予防保全システム100は、2つ以上の撮影装置3を備えてもよいし、装置Cの上流側に設置されてもよい。
次に、予防保全装置1のハードウェア構成について説明する。図2は、予防保全装置1のハードウェア構成の一例を示す図である。図2の予防保全装置1は、CPU(Central Processing Unit)101と、ROM(Read Only Memory)102と、RAM(Random Access Memory)103と、HDD(Hard Disk Drive)104と、入力装置105と、表示装置106と、通信インタフェース107と、接続インタフェース108と、バス109と、を備える。
CPU101は、プログラムを実行することにより、予防保全装置1の各構成を制御し、予防保全装置1の機能を実現する。CPU101が実行するプログラムは、CD(Compact Disk)、DVD、フラッシュメモリなどの、コンピュータ読み取り可能な任意の記録媒体に記録され得る。
ROM102は、CPU101が実行するプログラムや各種のデータを記憶する。
RAM103は、CPU101に作業領域を提供する。
HDD104は、CPU101が実行するプログラムや各種のデータを記憶する。予防保全装置1は、HDD104と共に、又はHDD104の代わりにSSD(Solid State Drive)を備えてもよい。
入力装置105は、ユーザの操作に応じた情報を予防保全装置1に入力する。入力装置105は、タッチパッド、キーボード、マウス、又はハードウェアボタンであるが、これに限られない。
表示装置106は、ユーザの操作に応じた画面を表示する。表示装置106は、液晶ディスプレイ又は有機EL(Electro Luminescence)ディスプレイであるが、これに限られない。予防保全装置1は、タッチパッドと表示装置106が一体化されたタッチパネルを備えてもよい。
通信インタフェース107は、予防保全装置1をインターネットやLAN(Local Area Network)などのネットワークに接続する。予防保全装置1は、通信インタフェース107を介して、ネットワーク上の外部装置と通信する。
接続インタフェース108は、予防保全装置1をセンサ2及び撮影装置3に接続する。予防保全装置1は、接続インタフェース108を介して、センサ2及び撮影装置3と通信する。
バス109は、CPU101、ROM102、RAM103、HDD104、入力装置105、表示装置106、通信インタフェース107、及び接続インタフェース108を相互に接続する。
なお、図2の例では、予防保全装置1が1つのコンピュータにより構成される場合を想定しているが、上述の通り、予防保全装置1は、ネットワークを介して接続された複数のコンピュータからなるシステムとして構成されてもよい。
次に、予防保全装置1の機能構成について説明する。図3は、予防保全装置1の機能構成の一例を示す図である。図3の予防保全装置1は、対象物データ記憶部11と、状態判定部12と、学習データ記憶部13と、モデル生成部14と、モデル記憶部15と、状態推定部16と、を備える。対象物データ記憶部11、学習データ記憶部13、及びモデル記憶部15は、HDD104により構成される。状態判定部12、モデル生成部14、及び状態推定部16は、CPU101がプログラムを実行することにより実現される。
対象物データ記憶部11は、対象物データを記憶する。対象物データは、対象物Pに関するデータであり、対象物Pの製造ロットデータと、対象物Pの画像データと、対象物Pの判定結果データと、対象物Pに対応する測定データと、が対応づけられたデータである。対象物Pの製造ロットデータは、対象物Pの製造ロットを示すデータであり、ユーザ(製造ライン200の管理者など)により予防保全装置1に予め登録される。対象物Pの判定結果データは、状態判定部12による対象物Pの状態の判定結果を示すデータである。対象物Pに対応する測定データは、撮影装置3による対象物Pの撮影時を含む所定期間に、センサ2から入力された測定データである。
撮影装置3から対象物Pの画像データが予防保全装置1に入力されると、対象物データ記憶部11は、予め登録された対象物Pの製造ロットデータと、撮影装置3から入力された対象物Pの画像データと、状態判定部12から受け取った対象物Pの判定結果データと、対象物Pに対応する測定データと、を対応付けて記憶する。これにより、対象物データ記憶部11には、各対象物Pの対象物データが記憶される。なお、対象物データは、上記の例に限られない。対象物データは、対象物Pの種類、名称、属性、及び撮影日時などを示すデータを含んでもよい。
図4は、対象物データ記憶部11に記憶された対象物データの一例を示す図である。図4の対象物データは、製造ロットデータと、判定結果データと、画像データと、測定値1を示す測定データと、測定値2を示す測定データと、を含んでいる。例えば、1行目の対象物データの「製造ロット」は「L001」であり、「判定結果」は「異常なし」であり、「画像データ」は「img1」であり、「測定値1」は「X1,X2,・・・,Xp」であり、「測定値2」は「Y1,Y2,・・・,Yp」である。
対象物データ記憶部11に記憶された対象物Pの対象物データは、対象物Pについて事後的に調査するためのトレーサビリティ情報として利用することができる。例えば、状態判定部12が発見できなかった対象物Pの異常が後で発見された場合に、当該対象物Pの対象物データに基づいて、後で発見された異常の原因や、当該異常に対応する測定データ及び画像データの特徴を、事後的に調査することができる。
状態判定部12は、撮影装置3から入力された対象物Pの画像データに基づいて、対象物Pの状態を判定する。具体的には、状態判定部12は、対象物Pの状態として、対象物Pの異常の有無、種類、数、位置、大きさ、色むら、色違いなどを判定する。対象物Pの異常は、欠陥、傷、汚れ、異物(虫や破片など)の混入、変形、及び位置ずれの少なくとも1つを含む。状態判定部12は、パターンマッチングなどの周知の任意の方法により、対象物Pの状態を判定することができる。状態判定部12は、対象物Pの状態を判定すると、判定結果(対象物Pの状態)を示す判定結果データを、対象物データ記憶部11及び状態推定部16に渡す。また、状態判定部12は、対象物Pを「異常あり」と判定した場合、当該対象物Pの判定結果データを、学習データ記憶部13に渡す。なお、予防保全装置1及び製造ライン200の連携によって、状態判定部12により「異常あり」と判定された対象物Pは、製造ライン200を構成する装置(コンベア4など)により、製造ライン200から除去されるのが好ましい。
学習データ記憶部13は、学習データを記憶する。学習データは、対象物Pの製造ロットデータと、状態判定部12により「異常あり」と判定された対象物Pの判定結果データと、製造ライン200の状態を示す状態データと、対象物Pに対応する測定データと、が対応付けられたデータである。状態判定部12により対象物Pが「異常あり」と判定されると、製造ライン200のユーザは、対象物Pに異常が発生した原因を調査する。対象物Pの異常の原因が製造ライン200の異常(故障、劣化、又は欠陥)であった場合、ユーザは、製造ライン200の状態(異常の種類及び位置)を示す状態データを、対象物Pの製造ロットデータと対応付けて登録する。製造ライン200の異常は、故障、劣化、及び欠陥の少なくとも一方を含む。状態データは、異常の種類及び位置の少なくとも一方を示すデータである。学習データ記憶部13は、製造ライン200の状態データを登録されると、当該状態データを、製造ロットデータが対応する判定結果データと対応付けて記憶する。これにより、学習データ記憶部13には、状態判定部12により「異常あり」と判定された各対象物Pの学習データが記憶される。なお、学習データは、上記の例に限られない。学習データは、対象物Pの種類、名称、属性、及び撮影日時などを示すデータを含んでもよい。
図5は、学習データ記憶部13に記憶された学習データの一例を示す図である。図5の学習データは、製造ロットデータと、判定結果データと、状態データと、測定値1を示す測定データと、測定値2を示す測定データと、を含んでいる。例えば、1行目の学習データの「製造ロット」は「L001」であり、「判定結果」は「頂部に傷あり」であり、「製造ラインの状態」は「装置Aが故障」であり、「測定値1」は「X31,X32,・・・,Xs」であり、「測定値2」は「Y31,Y32,・・・,Ys」である。
モデル生成部14は、学習データ記憶部13に記憶された学習データに基づいて、対象物Pの状態と、センサ2の測定値と、製造ライン200の状態と、の関係を学習する。そして、モデル生成部14は、対象物Pの状態と、センサ2の測定値と、に基づいて、製造ライン200の状態を推定する推定モデルを生成する。推定モデルは、対象物Pの状態及びセンサ2の測定値に応じた製造ライン200の状態を出力する数理モデルであり、機械学習によりそのパラメータを最適化される。学習データは教師ありデータに相当する。モデル生成部14は、サポートベクターマシン、決定木、ランダムフォレスト、ニューラルネットワーク、ディープラーニング、及びk近傍法などの、周知の任意の機械学習方法を利用して推定モデルを生成することができる。
モデル記憶部15は、モデル生成部14が生成した推定モデルを記憶する。具体的には、モデル記憶部15は、予め登録された推定モデルの関数と、モデル生成部14により最適化された当該関数のパラメータ値と、を記憶する。
状態推定部16は、対象物Pの判定結果データと、センサ2から入力された測定データと、モデル記憶部15に記憶された推定モデルと、に基づいて、製造ライン200の状態を推定する。具体的には、状態推定部16は、製造ライン200の異常の有無、種類、及び位置の少なくとも1つを推定する。また、状態推定部16は、製造ライン200への異常の発生のおそれ(予兆)を推定してもよい。
測定データ記憶部17は、センサ2から定期的に入力される測定データを、センサ2ごとに測定日時を示すデータと対応付けて記憶する。
図6は、測定データ記憶部17に記憶された測定データの一例を示す図である。図6の例では、測定日時を示すデータと、測定値1を示す測定データと、測定値2を示す測定データと、が対応付けて記憶されている。例えば、「12:00:01」の「測定値1」及び「測定値2」は、それぞれ「X1」及び「Y1」である。対象物データ記憶部11、学習データ記憶部13、及び状態推定部16は、測定データ記憶部17から対象物Pに対応する測定データを取得する。
次に、学習データの生成方法について説明する。図7は、学習データの生成方法の一例を示すフローチャートである。以下では、撮影装置3が定期的に撮影を実行する、又は動画を撮影する場合を例に説明する。予防保全装置1は、撮影装置3から画像データを入力されるたびに図7の処理を実行する。
撮影装置3から画像データを入力されると、状態判定部12は、当該画像データに対象物Pの画像データが含まれるか確認する(ステップS101)。すなわち、撮影装置3が撮影した画像に対象物Pの画像が含まれるか確認する。状態判定部12は、パターンマッチングなどの周知の任意の方法により、対象物Pの画像を検出することができる。撮影装置3から入力された画像データに対象物Pの画像データが含まれない場合(ステップS101:NO)、予防保全装置1は処理を終了する。
一方、撮影装置3から入力された画像データに対象物Pの画像データが含まれる場合(ステップS101:YES)、状態判定部12は、対象物Pの画像データに基づいて、対象物Pの状態を判定する(ステップS102)。なお、対象物Pが撮影装置3による撮影位置に到着したタイミングで、撮影装置3が撮影を実行する場合には、画像データに対象物Pの画像データが必ず含まれるため、ステップS101の処理は省略してもよい。
状態判定部12は、対象物Pの状態を判定すると、対象物Pの判定結果データ及び画像データを対象物データ記憶部11に渡す。対象物データ記憶部11は、対象物Pの判定結果データ及び画像データを受け取ると、測定データ記憶部17から対象物Pに対応する測定データを取得する。そして、対象物データ記憶部11は、対象物Pの判定結果データ、画像データ、及び測定データを、予め登録された対象物Pの製造ロットデータと対応付けて記憶する。これにより、図4のような対象物Pの対象物データが対象物データ記憶部11に記憶される。状態判定部12が対象物Pを「異常なし」と判定した場合(ステップS103:NO)、予防保全装置1は処理を終了する。
一方、状態判定部12は、対象物Pを「異常あり」と判定した場合(ステップS103:YES)、対象物Pの判定結果データを学習データ記憶部13に渡す。学習データ記憶部13は、対象物Pの判定結果データを受け取ると、測定データ記憶部17から対象物Pに対応する測定データを取得する(ステップS104)。そして、学習データ記憶部13は、対象物Pの判定結果データ、及び測定データを、予め登録された対象物Pの製造ロットデータと対応付けて記憶する。これにより、対象物Pの学習データが生成される。この時点では、対象物Pの状態データは空値である。
その後、ユーザが、調査により判明した対象物Pの異常の原因(状態データ)を、製造ロットデータと対応付けて予防保全装置1に登録すると、学習データ記憶部13は、登録された状態データを取得する(ステップS105)。そして、学習データ記憶部13は、取得した状態データを、製造ロットデータが対応する学習データの状態データとして記憶する。これにより、図5のような対象物Pの学習データが学習データ記憶部13に記憶される。
以上の処理により、予防保全装置1は、「異常あり」と判定された対象物Pの判定結果データ、状態データ、及び測定データを対応付けた学習データを生成することができる。こうして生成された学習データを学習することにより、モデル生成部14は、製造ライン200の状態を推定する推定モデルを生成することができる。なお、モデル生成部14は、学習データが追加されるたびに推定モデルを生成してもよいし、ユーザからの要求に応じて推定モデルを生成してもよい。
次に、製造ライン200の状態の推定方法について説明する。図8は、製造ライン200の状態の推定方法の一例を示すフローチャートである。以下では、撮影装置3が定期的に撮影を実行する、又は動画を撮影する場合を例に説明する。予防保全装置1は、撮影装置3から画像データを入力されるたびに図8の処理を実行する。
撮影装置3から画像データを入力されると、状態判定部12は、当該画像データに対象物Pの画像データが含まれるか確認する(ステップS201)。すなわち、撮影装置3が撮影した画像に対象物Pの画像が含まれるか確認する。状態判定部12は、パターンマッチングなどの周知の任意の方法により、対象物Pの画像を検出することができる。撮影装置3から入力された画像データに対象物Pの画像データが含まれない場合(ステップS201:NO)、予防保全装置1は処理を終了する。
一方、撮影装置3から入力された画像データに対象物Pの画像データが含まれる場合(ステップS201:YES)、状態判定部12は、対象物Pの画像データに基づいて、対象物Pの状態を判定する(ステップS202)。なお、対象物Pが撮影装置3による撮影位置に到着したタイミングで、撮影装置3が撮影を実行する場合には、画像データに対象物Pの画像データが必ず含まれるため、ステップS201の処理は省略してもよい。
状態判定部12は、対象物Pの状態を判定すると、対象物Pの判定結果データ及び画像データを対象物データ記憶部11に渡す。対象物データ記憶部11は、対象物Pの判定結果データ及び画像データを受け取ると、測定データ記憶部17から対象物Pに対応する測定データを取得する。そして、対象物データ記憶部11は、対象物Pの判定結果データ、画像データ、及び測定データを、予め登録された対象物Pの製造ロットデータと対応付けて記憶する。これにより、図4のような対象物Pの対象物データが対象物データ記憶部11に記憶される。状態判定部12が対象物Pを「異常なし」と判定した場合(ステップS203:NO)、予防保全装置1は処理を終了する。
一方、状態判定部12は、対象物Pを「異常あり」と判定した場合(ステップS203:YES)、対象物Pの判定結果データを状態推定部16に渡す。状態推定部16は、対象物Pの判定結果データを受け取ると、測定データ記憶部17から対象物Pに対応する測定データを取得する(ステップS204)。また、状態判定部12は、モデル記憶部15から推定モデルを取得する(ステップS205)。
その後、状態推定部16は、測定データ、判定結果データ、及び推定モデルに基づいて、製造ライン200の状態を推定する(ステップS206)。これにより、「装置Aが故障」、「装置Bに欠陥」、「装置Cが劣化」といった推定結果が得られる。
以上の処理により、予防保全装置1は、「異常あり」と判定された対象物Pの判定結果データ及び対象物Pに対応する測定データに基づいて、製造ライン200の状態を推定することができる。状態推定部16は、推定結果を表示装置106に表示してもよいし、通信インタフェース107を介して外部装置に通知してもよい。
以上説明した通り、本実施形態によれば、予防保全装置1は、対象物Pの判定結果データ及び対象物Pに対応する測定データに基づいて、製造ライン200の状態を推定することができる。これにより、予防保全装置1は、センサ2の測定データに影響しない製造ライン200の異常が発生した場合であっても、当該異常の影響により、対象物Pに画像データから検出可能な異常が発生する場合には、製造ライン200の異常を検出することができる。したがって、測定データのみから製造ライン200の異常を検出する従来の予防保全装置に比べて、予防保全装置1は、製造ライン200の異常を精度よく検出することができる。結果として、ユーザによる製造ライン200のメンテナンス効率を向上させ、対象物Pの歩留まりを向上させたり、製造ライン200の寿命を長期化したりすることができる。
なお、以上では、判定結果データ及び測定データを併用して製造ライン200の異常を推定する場合を例に説明したが、予防保全装置1は、判定結果データのみを利用して製造ライン200の異常を推定してもよい。この場合、モデル生成部14が、学習データに基づいて、対象物Pの状態と、製造ライン200の状態と、の関係を学習し、推定モデルを生成し、状態推定部16が、当該推定モデルに基づいて、製造ライン200の状態を推定すればよい。このような構成により、予防保全装置1は、センサ2の測定データに影響しない製造ライン200の異常が発生した場合であっても、当該異常の影響により、対象物Pに画像データから検出可能な異常が発生する場合には、製造ライン200の異常を検出することができる。
以上、本発明の好ましい実施形態について詳説したが、本発明は、上述した実施形態に制限されることはなく、本発明の範囲を逸脱することなしに上述した実施形態に種々の変形及び置換を加えることができる。
1:予防保全装置
2:センサ
3:撮影装置
11:対象物データ記憶部
12:状態判定部
13:学習データ記憶部
14:モデル生成部
15:モデル記憶部
16:状態推定部
17:測定データ記憶部
100:予防保全システム
101:CPU
102:ROM
103:RAM
104:HDD
105:入力装置
106:表示装置
107:通信インタフェース
108:接続インタフェース
109:バス

Claims (4)

  1. 製造ラインに設置された撮影装置により撮影された対象物の画像データに基づいて、前記対象物の状態を判定する状態判定部と、
    前記状態判定部による判定結果を示すデータと、対象物の状態から製造ラインの異常の種類および位置の少なくとも一方を推定する推定モデルと、に基づいて、前記対象物が撮影されたときの製造ラインの異常の種類および位置の少なくとも一方を推定する状態推定部と、
    を備える予防保全装置。
  2. 前記状態推定部は、前記状態判定部による判定結果を示すデータおよび前記製造ラインに設置されたセンサの測定データと、対象物の状態および前記製造ラインに設置されたセンサの測定データから製造ラインの異常の種類および位置の少なくとも一方を推定する推定モデルと、に基づいて、前記対象物が撮影されたときの製造ラインの異常の種類および位置の少なくとも一方を推定する、請求項1に記載の予防保全装置。
  3. 前記対象物の画像データと、前記状態判定部による判定結果を示すデータと、前記製造ラインに設置されたセンサの測定データと、を対応付けて記憶する対象物データ記憶部を更に備える
    請求項1又は請求項2に記載の予防保全装置。
  4. 製造ラインに設置された撮影装置と、
    予防保全装置と、
    を備えた予防保全システムであって、
    前記予防保全装置は、
    製造ラインに設置された撮影装置により撮影された対象物の画像データに基づいて、前記対象物の状態を判定する状態判定部と、
    前記状態判定部による判定結果を示すデータと、対象物の状態から製造ラインの異常の種類および位置の少なくとも一方を推定する推定モデルと、に基づいて、前記対象物が撮影されたときの製造ラインの異常の種類および位置の少なくとも一方を推定する状態推定部と、
    を備える予防保全システム。
JP2018151733A 2018-08-10 2018-08-10 予防保全装置及び予防保全システム Active JP6847898B2 (ja)

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