JP6847772B2 - 車両用動力伝達装置 - Google Patents

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Description

本発明は、クランク式の車両用動力伝達装置に関し、そのうち特に駆動力を伝達するコネクティングロッドを往復運動させる偏心ディスクの構造に関する。
クランク式の車両用動力伝達装置の偏心体構成部材(偏心ディスク)を二つの半円状の偏心体構成部材半部に分割し、それら二つの偏心体構成部材半部を2本のボルトで一体に締結して組み立てるものが、下記特許文献1により公知である。
また入力軸に偏心状態で固設した偏心カムの外周に偏心状態で相対回転可能に嵌合する偏心ディスクを備えるクランク式の車両用動力伝達装置において、偏心ディスクの反偏心側から径方向外側にバランスウエイトを突設し、偏心ディスクの重心位置を偏心カムの中心に一致させることで、偏心カムに対して偏心ディスクを相対回転させて変速比を変更しても、入力軸の軸線から偏心ディスクの重心までの偏心量が変化しないようにして入力軸の振動を抑制するものが、下記特許文献2により公知である。
特表2011−518290号公報 WO2013/008624号公報
しかしながら、上記特許文献1に記載されたものは、偏心体構成部材(偏心ディスク)の重心位置を調整して振動の発生を防止するという技術思想を備えていない。また上記特許文献2に記載されたものは、偏心ディスクからバランスウエイトを径方向外側に突出させて重心位置を調整するので、偏心ディスクの重量や外径の増加を招く問題がある。
本発明は前述の事情に鑑みてなされたもので、クランク式の動力伝達装置の偏心ディスクの重心位置をバランスウエイトを必要とせずに調整可能にすることを目的とする。
上記目的を達成するために、請求項1に記載された発明によれば、駆動源に接続された入力軸の外周に偏心状態で固設された偏心カムと、前記偏心カムの外周に偏心状態で相対回転可能に支持された偏心ディスクと、前記入力軸の内部に同軸に嵌合する変速軸と、前記変速軸に固設されたピニオンと、前記偏心ディスクに形成されて前記ピニオンに合するリングギヤと、出力軸の外周に設けられたワンウェイクラッチと、前記偏心ディスクおよび前記ワンウェイクラッチに両端を接続されて往復運動するコネクティングロッドとを備え、前記入力軸の回転を前記コネクティングロッドおよび前記ワンウェイクラッチを介して前記出力軸に間欠的に伝達するとともに、前記変速軸により前記偏心カムまわりに前記偏心ディスクを回転させて前記入力軸の軸線に対する前記偏心ディスクの偏心量を変化させて変速比を変更する車両用動力伝達装置であって、前記偏心ディスクは、偏心側に位置する第1部分と反偏心側に位置する第2部分とからなり、前記第2部分と前記第1部分に接続する前記リングギヤの一部とを、前記第1部分の材料に対して高比重・高強度の材料で構成したことを特徴とする車両用動力伝達装置が提案される。
また請求項2に記載された発明によれば、請求項1の構成に加えて、前記第1部分の材料はアルミニウム系材料であり、前記第2部分および前記リングギヤの一部の材料は鉄系材料であることを特徴とする車両用動力伝達装置が提案される。
また請求項3に記載された発明によれば、請求項1または請求項2の構成に加えて、前記第1部分および前記第2部分はボルトにより一体に締結され、前記ボルトの頭部は、前記第1部分の外周面を切り欠いた凹部と該第1部分の外周面に嵌合するベアリングのインナーレースとの間に形成される空間に配置されることを特徴とする車両用動力伝達装置が提案される。
また請求項4に記載された発明によれば、請求項1または請求項2の構成に加えて、前記第2部分および前記リングギヤの一部は前記第1部分に鋳込まれていることを特徴とする車両用動力伝達装置が提案される。
また請求項5に記載された発明によれば、請求項1〜請求項4の何れか1項の構成に加えて、前記第1部分は肉抜き孔を備えることを特徴とする車両用動力伝達装置が提案される。
なお、実施の形態のボールベアリング22は本発明のベアリングに対応し、実施の形態のエンジンEは本発明の駆動源に対応する。
請求項1の構成によれば、偏心ディスクが入力軸と一体に偏心回転すると、偏心ディスクに一端を接続されたコネクティングロッドが往復運動し、コネクティングロッドが一方向に運動するとワンウェイクラッチが係合し、コネクティングロッドが他方向に運動するとワンウェイクラッチが係合解除することで、入力軸の回転が変速されて出力軸に伝達される。変速軸によりピニオンおよびリングギヤを介して偏心ディスクの偏心量を変化させると、コネクティングロッドの往復ストロークが変化して動力伝達装置の変速比が変更される。
偏心ディスクは、偏心側に位置する第1部分と反偏心側に位置する第2部分とからなり、第2部分と第1部分に接続するリングギヤの一部とを、第1部分の材料に対して高比重・高強度の材料で構成したので、特別のバランスウエイトを設けることなく偏心ディスクの重心位置をリングギヤの中心側に調整し、偏心ディスクの軽量化および小型化を図りながら振動の発生を防止することができ、しかも第1部分および第2部分の両方に跨がるリングギヤの全体を高比重・高強度の材料で構成して強度を確保することができる。
また請求項2に記載された発明によれば、請求項1の構成に加えて、第1部分の材料はアルミニウム系材料であり、第2部分およびリングギヤの一部の材料は鉄系材料であるので、偏心ディスクの重心位置の調整を容易にしながらリングギヤの強度を確保することができる。
また請求項3の構成によれば、第1部分および第2部分はボルトにより一体に締結されるので、第1部分および第2部分を分解して偏心カムに対する組み付けを容易化することができ、しかもボルトの頭部は、第1部分の外周面を切り欠いた凹部と該第1部分の外周面に嵌合するベアリングのインナーレースとの間に形成される空間に配置されるので、ボルトの頭部がベアリングのインナーレースと干渉するのを回避しながら第1部分および第2部分を締結できるだけでなく、凹部により第1部分を軽量化して偏心ディスクの重心位置を容易に調整できる。
また請求項4の構成によれば、第2部分およびリングギヤの一部は第1部分に鋳込まれているので、ボルトのような締結部材を必要とせずに第1部分および第2部分を強固に一体化することができる。
また請求項5の構成によれば、第1部分は肉抜き孔を備えるので、第1部分を軽量化して偏心ディスクの重心位置を容易に調整できるだけでなく、偏心ディスクの総重量を削減することができる。
無段変速機の縦断面図である。(第1の実施の形態) 図1の2−2線断面図である。(第1の実施の形態) 偏心ディスクの単品図である。(第1の実施の形態) 偏心ディスクの偏心量と変速比との関係を示す図である。(第1の実施の形態) 偏心ディスクの単品図である。(第2の実施の形態)
第1の実施の形態
以下、図1〜図4に基づいて本発明の第1の実施の形態を説明する。
図1および図2に示すように、自動車用のクランク式の無段変速機Tの支持フレーム11に入力軸12および出力軸13が相互に平行に支持されており、エンジンEに接続された入力軸12の回転が8個の伝達ユニット14…、出力軸13および図示せぬディファレンシャルギヤを介して図示せぬ駆動輪に伝達される。
8個の伝達ユニット14…の構造は実質的に同一構造であるため、以下、一つの伝達ユニット14を代表として構造を説明する。
中空に形成された入力軸12の内部に軸線Lを共有する変速軸15が配置されており、この変速軸15の外周に10個のニードルベアリング16…を介して軸線L方向に9分割された偏心カム17…が回転自在に支持される。8個の伝達ユニット14…の合計9個の偏心カム17…は図示せぬ複数本のボルトで一体に結合されており、それら9個の偏心カム17…の内周部分が実質的に入力軸12を構成する。
隣接する一対の偏心カム17,17は、入力軸12の軸線Lに対して距離dだけ偏心した中心O1を有する一対の円形のカム部17a,17aと、カム部17a,17aの径方向内側に形成された断面三日月状のガイド部17bとを備える。入力軸12と軸線Lを共有する変速軸15の外周には8個のピニオン18…が一体に形成されており、各ピニオン18は偏心カム17,17の断面三日月状のガイド部17bの切欠き部17cに収納される。各伝達ユニット14の偏心カム17,17のカム部17a,17aの位相は相互に45゜ずつずれている。
図2および図3に示すように、偏心カム17,17のカム部17a,17aの外周面には、円板状の偏心ディスク19の軸線L方向両端面に形成された一対の偏心凹部19a,19aが、一対のニードルベアリング20,20を介して回転自在に支持される。偏心ディスク19の中心O2に対して偏心凹部19a,19aの中心O1(つまり偏心カム17,17のカム部17a,17aの中心O1)は距離dだけずれている。すなわち、入力軸12の軸線Lおよび偏心カム17,17のカム部17a,17aの中心O1間の距離dと、偏心カム17,17のカム部17a,17aの中心O1および偏心ディスク19の中心O2間の距離dとは同一である。
偏心ディスク19の一対の偏心凹部19a,19aの底部間を連通させるように形成されたリングギヤ19bの歯先が、偏心カム17,17のガイド部17bの外周面に摺動可能に当接する。そして入力軸12の開口12a(図2参照)から露出する変速軸15のピニオン18が、偏心ディスク19のリングギヤ19bに噛合する。そして偏心ディスク19の外周にはコネクティングロッド21の大端部21aがボールベアリング22を介して支持される。
図1および図2に示すように、出力軸13の外周に設けられたワンウェイクラッチ23は、コネクティングロッド21の小端部21bにピン24を介して連結されたリング状の揺動リンク25と、揺動リンク25の内周に固定されたリング状のアウター部材26と、アウター部材26の内部に配置されて出力軸13に固定されたリング状のインナー部材27と、アウター部材26の内周面とインナー部材27の外周面との間に形成された楔状の空間に配置されて複数個のスプリング28…で付勢された複数個のローラ29…とを備える。
そして入力軸12のエンジンEと反対側の軸端には、入力軸12に対して変速軸15を相対回転させることで、偏心ディスク19の偏心量εを増減して無段変速機Tの変速比を変更する変速アクチュエータ30が設けられる。
図1に示すように、8個の伝達ユニット14…を支持する支持フレーム11は、軸線L方向中央に位置する中央フレーム31と、軸線L方向両側に位置する一対の側方フレーム32,33とからなり、中央フレーム31とエンジンE側に位置する一方の側方フレーム32との間に4個の伝達ユニット14…が配置され、中央フレーム31と反エンジンE側に位置する他方の側方フレーム33との間に4個の伝達ユニット14…が配置される。
中央フレーム31は鉄製の板状部材であり、その長手方向両側の入力軸12側および出力軸13側に形成された2個のベアリング支持孔31a,31bを備える。
エンジンE側に位置する側方フレーム32は基本的にアルミニウム合金で籠状に形成された鋳造部材であり、中央部に鉄製の板状部材であるベアリングホルダ38が鋳込みにより埋設される。ベアリングホルダ38の入力軸12側および出力軸13側には、それぞれベアリング支持孔38a,38bが形成される。
反エンジンE側に位置する側方フレーム33も基本的にアルミニウム合金で籠状に形成された鋳造部材であり、その中央に鉄製の板状部材であるベアリングホルダ39が鋳込みにより埋設される。反エンジンE側に位置する側方フレーム33およびベアリングホルダ39の構造は、上述したエンジンE側に位置する側方フレーム32側およびベアリングホルダ38に対して面対称な構造であるため、その重複する説明は省略する。
入力軸12の軸線L方向中央部に固定された偏心カム17は、中央フレーム31のベアリング支持孔31aに中央部支持ベアリング34を介して支持されるとともに、入力軸12の軸線L方向両端部は、一対の側方フレーム32,33のベアリングホルダ38,39のベアリング支持孔38a,39aにそれぞれ軸端部支持ベアリング36,36を介して支持される。同様に、出力軸13の軸線L方向中央部は、中央フレーム31のベアリング支持孔31bに中央部支持ベアリング35を介して支持されるとともに、出力軸13の軸線L方向両端部は、一対の側方フレーム32,33のベアリングホルダ38,39のベアリング支持孔38b,39bにそれぞれ軸端部支持ベアリング37,37を介して支持される。
そして中央フレーム31および一対の側方フレーム32,33をボルト40…で一体に締結してサブアセンブリが組み立てられ、このサブアセンブリが中央フレーム31を貫通するボルト41…でミッションケース42の内部に締結される。
次に、無段変速機Tの一つの伝達ユニット14の作用を説明する。
図2および図4(A)〜図4(D)から明らかなように、入力軸12の軸線Lに対して偏心ディスク19の中心O2が偏心しているとき、エンジンEによって入力軸12が回転するとコネクティングロッド21の大端部21aが軸線Lまわりに偏心回転することで、コネクティングロッド21が往復運動する。
その結果、コネクティングロッド21が往復運動する過程で図中左側に引かれると、揺動リンク25と共にアウター部材26が図2において反時計方向に揺動し、スプリング28…に付勢されたローラ29…がアウター部材26およびインナー部材27間の楔状の空間に噛み込み、アウター部材26およびインナー部材27がローラ29…を介して結合されることで、ワンウェイクラッチ23が係合してコネクティングロッド21の動きが出力軸13に伝達される。逆にコネクティングロッド21が往復運動する過程で図中右側に押されると、揺動リンク25と共にアウター部材26が図2において時計方向に揺動し、ローラ29…がスプリング28…を圧縮しながらアウター部材26およびインナー部材27間の楔状の空間から押し出され、アウター部材26およびインナー部材27が相互にスリップすることで、ワンウェイクラッチ23が係合解除してコネクティングロッド21の動きが出力軸13に伝達されなくなる。
このようにして、入力軸12が1回転する間に、入力軸12の回転が所定時間だけ出力軸13に伝達されるため、入力軸12が連続回転すると出力軸13は間欠回転する。8個の伝達ユニット14…の偏心ディスク19…の偏心量εは全て同一であるが、偏心方向の位相が相互に45°ずつずれているため、8個の伝達ユニット14…が入力軸12の回転を交互に出力軸13に伝達することで、出力軸13は連続的に回転する。
このとき、偏心ディスク19の偏心量εが大きいほど、コネクティングロッド21の往復ストロークが大きくなって出力軸13の1回の回転角が増加し、無段変速機Tの変速比が小さくなる。逆に、偏心ディスク19の偏心量εが小さいほど、コネクティングロッド21の往復ストロークが小さくなって出力軸13の1回の回転角が減少し、無段変速機Tの変速比が大きくなる。そして偏心ディスク19の偏心量εがゼロになると、入力軸12が回転してもコネクティングロッド21が移動を停止するために出力軸13は回転せず、無段変速機Tの変速比が最大(無限大)になる。
入力軸12に対して変速軸15が相対回転しないとき、つまり入力軸12および変速軸15が同一速度で回転するとき、無段変速機Tの変速比は一定に維持される。変速アクチュエータ30により入力軸12に対して変速軸15を相対回転させると、各伝達ユニット14のピニオン18にリングギヤ19bを噛合させた偏心ディスク19の偏心凹部19a,19aが、入力軸12と一体の偏心カム17,17のカム部17a,17aに案内されて回転し、入力軸12の軸線Lに対する偏心ディスク19の中心O2の偏心量εが変化する。
図4(A)は変速比が最小の状態(変速比:TD)を示すもので、このとき入力軸12の軸線Lに対する偏心ディスク19の中心O2の偏心量εは、入力軸12の軸線Lから偏心カム17,17の中心O1までの距離dと、偏心カム17,17の中心O1から偏心ディスク19の中心O2までの距離dとの和である2dに等しい最大値になる。入力軸12に対して変速軸15が相対回転すると、入力軸12と一体の偏心カム17,17に対して偏心ディスク19が相対回転することで、図4(B)および図4(C)に示すように、入力軸12の軸線Lに対する偏心ディスク19の中心O2の偏心量εは最大値の2dから次第に減少して変速比が増加する。入力軸12に対して変速軸15が更に相対回転すると、入力軸12と一体の偏心カム17,17に対して偏心ディスク19が更に相対回転することで、図4(D)に示すように、ついには入力軸12の軸線Lに偏心ディスク19の中心O2が重なり合って偏心量εがゼロになり、変速比が最大(無限大)の状態(変速比:UD)になって出力軸13に対する動力伝達が遮断される。
次に、図3に基づいて偏心ディスク19の構造を詳細に説明する。
偏心ディスク19は、リングギヤ19bの中心O1(つまり偏心カム17の中心O1)を通り、かつリングギヤ19bの中心O1および偏心ディスク19の中心O2を結ぶ直線L2に対して直交する直線L3において2分割されている。2分割された偏心ディスク19の偏心側、つまり中心O2側の部分は比較的に大型の第1部分51を構成し、2分割された偏心ディスク19の反偏心側、つまり中心O2とは反対側の部分は比較的に小型の第2部分52を構成する。第1部分51は、比較的に低比重・低強度のアルミニウム系材料製であり、第2部分52は、比較的に高比重・高強度の鉄系材料製である。また偏心ディスク19のリングギヤ19bは、その反偏心側の半周部分が第1部分51に形成され、その偏心側の半周部分が別部材であるリングギヤの一部53により構成されており、リングギヤの一部53も第2部分52と同じ高比重・高強度の鉄系材料製である。第1部分51には、2個の円形の肉抜き孔51a,51aが形成される。
第1部分51の外周面には略三角形状に切欠かれた2個の凹部51b,51bが形成されており、これら2個の凹部51b,51bから直線L2と平行に2本の軸孔51c,51cが第2部分52に向かって形成される。また第2部分52には第1部分の軸孔51c,51cと同軸上に延びる2本の雌ねじ孔52a,52aが形成される。そして2本のボルト54,54の軸部54a,54aが第1部分51の軸孔51c,51cを貫通して第2部分52の雌ねじ孔52a,52aに螺合することで、第1部分51および第2部分52が一体に結合される。
偏心ディスク19の外周にコネクティングロッド21の大端部21aを支持するボールベアリング22は、偏心ディスク19の外周に圧入されるインナーレース22aを備える、偏心ディスク19の第1部分51の2個の凹部51b,51bとボールベアリング22bのインナーレース22aとの間には空間αが形成されており、これらの空間αに2本のボルト54,54の頭部54b,54bが収納される。
本実施の形態の偏心ディスク19は、低比重のアルミニウム系材料よりなる偏心側の第1部分51と、高比重の鉄系材料よりなる反偏心側の第2部分52を結合して構成されるので、入力軸12に複数の偏心カム17…が一体化されている場合であっても、偏心ディスク19…を偏心カム17…の外周に支障なく組み付けることができ、しかも偏心ディスク19の反偏心側から特別のバランスウエイトを突出させて寸法を大型化することなく、またバランスウエイトにより偏心ディスク19の重量を増加させることなく、偏心ディスク19の重心位置Gを偏心ディスク19の中心O2側から第2部分52側に移動させ、リングギヤ19bの中心(偏心カム17の中心)O1に一致させることができる。
図4(A)は、入力軸12の軸線Lに対する偏心ディスク19の中心O2の偏心量εが最大値2dになった最小変速比の状態(変速比:TD)を示すもので、入力軸12の軸線Lに対する偏心カム17の中心O1の偏心方向(図中上向き)と、偏心カム17の中心O1に対する偏心ディスク19の中心O2の偏心方向(図中上向き)とが同一方向になっている。このとき、偏心ディスク19の重心位置Gは、偏心カム17の中心O1に一致している。
図4(D)は、入力軸12の軸線Lに対する偏心ディスク19の中心O2の偏心量εが最小値ゼロになった最大変速比の状態(変速比:UD)を示すもので、入力軸12の軸線Lに対する偏心カム17の中心O1の偏心方向(図中右向き)と、偏心カム17の中心O1に対する偏心ディスク19の中心O2の偏心方向(図中左向き)とが逆方向になっている。このとき、偏心ディスク19の重心位置Gは、偏心カム17の中心O1に一致している。
つまり、本実施の形態によれば、偏心ディスク19の重心位置Gは偏心カム17の中心O1に一致しているため、変速比の変更に伴って偏心カム17の中心O1まわりに偏心ディスク19が偏心回転しても、その偏心ディスク19の重心位置Gは常に偏心カム17の中心O1上に存在し、入力軸12の軸線Lと偏心ディスク19の重心位置Gとの距離は一定値dから変化することはない。
もしも変速比の変更に伴って入力軸12の軸線Lから偏心ディスク19の重心位置Gまでの距離が変化すると仮定すると、入力軸12まわりの偏心ディスク19の慣性二次モーメントが前記距離の増加に応じて増加し、前記距離の減少に応じて減少するため、変速比の変更に伴って入力軸12の回転負荷が変動して振動が発生する可能性がある。しかしながら本実施の形態によれば、変速比を変更しても入力軸12まわりの偏心ディスク19の慣性二次モーメントが変化しないため、入力軸12の振動を最小限に抑えることができる。
また偏心ディスク19は偏心カム17に相対回転自在に支持されているため、仮に偏心ディスク19の重心位置Gが偏心カム17の中心O1に一致していないとすると、入力軸12の回転数が増加あるいは減少したときに、偏心ディスク19は慣性力で偏心カム17まわりに相対回転しようとし、そのモーメントが偏心ディスク19のリングギヤ19bからピニオン18を介して変速アクチュエータ30に伝達されるため、変速アクチュエータ30に不要なトルクが作用して変速制御の精度を低下させる可能性がある。
しかしながら、本実施の形態によれば、偏心ディスク19の重心位置Gが偏心カム17の中心O1に一致しているため、入力軸12の回転数が増加あるいは減少しても、偏心ディスク19が慣性力で偏心カム17まわりに相対回転しようとするモーメントは発生せず、これにより変速アクチュエータ30に不要なトルクが作用するのを防止して変速制御の精度を確保することができる。
また比較的に低強度のアルミニウム系材料製の第1部分51に直接リングギヤ19bを形成すると、リングギヤ19bの強度不足で耐久性が不足する問題があるが、リングギヤの一部53を鉄系材料で構成したことにより、リングギヤ19b全体を鉄系材料製として耐久性を確保することができる。このとき、第1部分51に円形の肉抜き孔51a,51aを形成したので、肉抜き孔51a,51aの大きさや数を変更するだけで重心位置Gを容易に調整することができる。
また偏心ディスク19の外周面にボールベアリング22のインナーレース22aを圧入したときに凹部51b,51bにより形成される空間αに、第1部分51および第2部分52を一体に締結するボルト54,54の頭部54b,54bを収納したので、ボルト54,54の頭部54b,54bとの干渉によりボールベアリング22のインナーレース22aの圧入が阻害されることがない。しかも第1部分51に凹部51b,51bを形成したことにより、第1部分51の外周部の重量を削減して重心位置Gの調整を一層容易にすることができる。
第2の実施の形態
次に、図5に基づいて本発明の第2の実施の形態を説明する。
第2の実施の形態は、アルミニウム系材料製の第1部分51の内部に鉄系材料製の第2部分52を鋳込んで一体化したものである。このとき、第1の実施の形態の鉄系材料製のリングギヤの一部53に相当する部分は、第2の実施の形態では予め第2部分52と一体に形成される。また第2部分52の両側面を第1部分51を延長した薄肉部51d,51dで覆うことにより、第1の実施の形態のボルト54,54を必要とせずに第1部分51および第2部分52を強固に一体化することができる。
この第2の実施の形態によっても、バランスウエイトを必要とせずに、偏心ディスク19の重心位置Gを偏心ディスク19の中心O2側から第2部分52側に移動させ、リングギヤ19bの中心(偏心カム17の中心)O1に一致させることができる。
以上、本発明の実施の形態を説明したが、本発明はその要旨を逸脱しない範囲で種々の設計変更を行うことが可能である。
例えば、実施の形態では偏心ディスク19の重心位置Gをリングギヤ19bの中心O1に一致させているが、リングギヤ19bの中心O1に近づけるだけでも良い。
また実施の形態では第1部分51をアルミニウム系材料で構成し、第2部分52を鉄系材料で構成しているが、本発明はそれらの材料に限定されるものではない。
また本発明の駆動源は実施の形態のエンジンEに限定されず、電動モータ等の他の駆動源であっても良い。
12 入力軸
13 出力軸
15 変速軸
17 偏心カム
18 ピニオン
19 偏心ディスク
19b リングギヤ
21 コネクティングロッド
22 ボールベアリング(ベアリング)
22a インナーレース
23 ワンウェイクラッチ
51 第1部分
51a 肉抜き孔
51b 凹部
52 第2部分
53 リングギヤの一部
54 ボルト
54b 頭部
E エンジン(駆動源)
L 入力軸の軸線
α 空間
ε 偏心部材の偏心量

Claims (5)

  1. 駆動源(E)に接続された入力軸(12)の外周に偏心状態で固設された偏心カム(17)と、
    前記偏心カム(17)の外周に偏心状態で相対回転可能に支持された偏心ディスク(19)と、
    前記入力軸(12)の内部に同軸に嵌合する変速軸(15)と、
    前記変速軸(15)に固設されたピニオン(18)と、
    前記偏心ディスク(19)に形成されて前記ピニオン(18)に合するリングギヤ(19b)と、
    出力軸(13)の外周に設けられたワンウェイクラッチ(23)と、
    前記偏心ディスク(19)および前記ワンウェイクラッチ(23)に両端を接続されて往復運動するコネクティングロッド(21)とを備え、
    前記入力軸(12)の回転を前記コネクティングロッド(21)および前記ワンウェイクラッチ(23)を介して前記出力軸(13)に間欠的に伝達するとともに、前記変速軸(15)により前記偏心カム(17)まわりに前記偏心ディスク(19)を回転させて前記入力軸(12)の軸線(L)に対する前記偏心ディスク(19)の偏心量(ε)を変化させて変速比を変更する車両用動力伝達装置であって、
    前記偏心ディスク(19)は、偏心側に位置する第1部分(51)と反偏心側に位置する第2部分(52)とからなり、前記第2部分(52)と前記第1部分(51)に接続する前記リングギヤの一部(53)とを、前記第1部分(51)の材料に対して高比重・高強度の材料で構成したことを特徴とする車両用動力伝達装置。
  2. 前記第1部分(51)の材料はアルミニウム系材料であり、前記第2部分(52)および前記リングギヤの一部(53)の材料は鉄系材料であることを特徴とする、請求項1に記載の車両用動力伝達装置。
  3. 前記第1部分(51)および前記第2部分(52)はボルト(54)により一体に締結され、前記ボルト(54)の頭部(54b)は、前記第1部分(51)の外周面を切り欠いた凹部(51b)と該第1部分(51)の外周面に嵌合するベアリング(22)のインナーレース(22a)との間に形成される空間(α)に配置されることを特徴とする、請求項1または請求項2に記載の車両用動力伝達装置。
  4. 前記第2部分(52)および前記リングギヤの一部(53)は前記第1部分(51)に鋳込まれていることを特徴とする、請求項1または請求項2に記載の車両用動力伝達装置。
  5. 前記第1部分(51)は肉抜き孔(51a)を備えることを特徴とする、請求項1〜請求項4の何れか1項に記載の車両用動力伝達装置。
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