JP6847740B2 - 合成樹脂製蓋部材の製造方法及び合成樹脂製蓋部材 - Google Patents

合成樹脂製蓋部材の製造方法及び合成樹脂製蓋部材 Download PDF

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本発明は、プルリングによる開封機構を備えた合成樹脂製蓋部材の製造方法及び合成樹脂製蓋部材に関する。
プルリングを備えた合成樹脂製蓋部材の典型例としては、醤油やソースや食用油等の液体調味料を収容した容器の口筒部に組み付き固定されて使用されている注出キャップや中栓体を挙げることができる。開封のためにプルリングを上方に引っ張って抜栓することにより、注出キャップや中栓体に設けられた閉塞板が破断線に沿って切り取られて開封されるというものである。
例えば、特許文献1は、本出願人が先に特許出願した技術であり、同文献には連結柱13の基端部の外周縁側直近に位置する破断線Lb部分において、積層するバリア性フィルム層15にシール壁6の下面側に達するスリットS1を破断線Lbに沿って貫通形成した実施例が記載されている。
また特許文献2には、射出成形時において、スコア成形部92aから下金型91の上面の間をポリエチレンが流れる際、急激に流路が狭くなることに起因する圧力と温度の上昇によってガスバリアフィルム8に破れを生じさせることで切断部83を形成する技術が記載されている。
特開2013−75684号公報 特開2008−297000号公報
特許文献1では、スリットS1が、インサート成形により中栓部101bを射出成形した後の後加工において、剃刀状の鋭利な刃先を用いてシール壁6の下面に積層されたバリア性フィルム層15に破断線Lbに沿って貫通形成するというものであるところ、バリア性フィルム層15は肉薄のフィルムで形成されているため、バリア性フィルム層15だけでなくその下の破断線Lbまでをも切断してしまう虞がある点で製造に困難を伴う可能性がある。
また特許文献2に記載の先行技術は、合成樹脂(ポリエチレン)の流れによってガスバリアフィルム8に切断部83が形成されるというものであることから、成形される切断部83の精度が低いという問題がある。さらには製造工程中において溶融樹脂の圧力や温度を高精度で制御する必要があることから、製造工程が複雑化しやすいという問題がある。
本発明は、上記従来のようなプルリングによる開封機構を有する蓋部材における問題点を解消すべく創案されたもので、製造工程を容易化することを可能とする合成樹脂製蓋部材の製造方法及び合成樹脂製蓋部材を創出することを課題とする。
上記技術的課題を解決する手段の内、本発明の第1の主たる手段は、
破断線に沿って破断可能な除去板部を有するシール壁の下面にバリア性フィルム層が積層される合成樹脂製蓋部材の製造方法であって、
層構造から成るバリア性フィルムの所定の位置に、予め破断線に沿って破断の起点となる開孔部を穿設すると共に所定の形状に打ち抜く工程と、
リア性フィルムを所定の金型内に位置決めしながらセットした後、金型内に溶融樹脂を注入してインサート成形することにより、シール壁の下面にバリア性フィルム層(15)が表出される状態に積層する工程、とを有すること特徴とする、と云うものである。
本発明の第1の主たる手段では、予め開孔部が形成されているバリア性フィルムを金型内にセットした状態でインサート成形することにより、連結柱の基端部の近傍に位置する破断線部分のバリア性フィルム層に開孔部が形成された合成樹脂製蓋部材の製造を容易化することを達成し得る。
また本発明の他の手段は、上記第1の主たる手段に、上記第1の主たる手段に、バリア性フィルムに位置合わせ部を形成する工程を有すると共に、該位置合わせ部を用いてバリア性フィルムを金型内の所定の位置に位置決めする工程を有する、との手段を加えたものである。
上記手段では、インサート成形において、バリア性フィルム層に形成されている開孔部を、連結柱の基端部の近傍に位置する破断線上に正確に形成することを達成し得る。
また本発明の第2の主たる手段は、容器の口筒部に組み付き固定されるキャップ本体と、肉薄状の破断線に沿って囲まれた領域内に除去板部を有してキャップ本体の底部を構成するシール壁と、除去板部の外周縁部を基端として上方に延びる連結柱を介して除去板部に接続されたプルリングと、シール壁の下面に積層されて破断線及び除去板部を含む領域を被覆する多層構造から成るバリア性フィルム層と、を有する合成樹脂製蓋部材であって、
連結柱の基端部の近傍に位置する破断線部分に、バリア性フィルム層を貫通する開孔部が破断線上の複数の位置に形成され、開孔部内にシール壁を形成する合成樹脂の一部が入り込んでいることを特徴とする、と云うものである。
本発明の第2の主たる手段では、シール壁によるバリア性の低下を効果的に抑制し得ると共に、開孔部に入り込んだ合成樹脂とバリア性フィルム層との密着性の向上を達成し得る。
また抜栓時における破断線に沿ったバリア性フィルム層の切れ易さを向上させることを達成し得る。
また本発明の他の手段は、上記第2の主たる手段に、バリア性フィルム層に、シール壁の下面における位置決めを行う位置合わせ部が設けられている、との手段を加えたものである。
上記手段では、バリア性フィルム層に形成されている開孔部を、連結柱の基端部の近傍に位置する破断線上に正確に形成し得る。
また本発明の他の手段は、上記手段に、開孔部が、破断線に沿って等間隔に形成されている、との手段を加えたものである。
上記手段では、シール壁を形成する合成樹脂とバリア性フィルム層との密着性が向上する箇所を等間隔に配置することが可能となることからにより、抜栓時におけるバリア性フィルム層の破断の容易化をより顕著なものとし得る。
また本発明の他の手段は、上記いずれかの手段に、バリア性フィルム層が複数の樹脂フィルムが積層されて形成されると共に、バリア性フィルム層がシール壁を形成する合成樹脂と同種の合成樹脂から成る樹脂フィルムを含むものである、との手段を加えたものである。
上記手段では、シール壁の下面側とバリア性フィルム層の密着性をさらに強化することができ、バリア性フィルム層のシール壁の下面側からの部分的な剥離を防ぐことが可能となり、剥離に起因するバリア性の低下や破断性の低下を防ぐことができる。例えば、シール壁がLDPE樹脂製の場合は、上層をLDPE樹脂とし、中間層をバリア性樹脂とし、下層をLDPE樹脂、と云うような積層フィルムとするのが好ましい。
本発明の合成樹脂製蓋部材の製造方法では、インサート成形の前段階において
バリア性フィルムに開孔部を形成し、その後にバリア性フィルムを金型内にセットしてインサート成形するようにしたことから、連結柱の基端部の近傍に位置する破断線部分のバリア性フィルム層に開孔部を備える合成樹脂製蓋部材を容易に製造することができる。
しかもインサート成形時に、シール壁を形成する合成樹脂が開孔部内に確実に入り込むことようになるため、シール壁とその下面に積層される多層構造のバリア性フィルムとの密着性を向上させた合成樹脂製蓋部材を得ることができる。
また本発明の合成樹脂製蓋部材にあっては、連結柱の基端部の近傍に位置する破断線部分においてバリア性フィルム層に開孔部が貫通形成されているので、この開孔部を起点として、破断線に沿ったバリア性フィルム層及びシール壁の破断をスムーズに進行させることができ、開封作業を確実に行うことが可能となる。
本発明の蓋部材の一実施例である注出キャップの開姿勢状態での縦断面図である。 図1の注出キャップの平面図である。 図1の注出キャップの底面図である。 図1中の、連結柱の基端部近傍を拡大して示す縦断面図である。 図4中のV部分をさらに拡大して示す縦断面図であり、Aは開孔部の第1実施例、Bは開孔部の第2実施例を示している。 バリア性フィルム層の他の実施例を拡大して示す底面図である。 開孔部の他の実施例を示す図5同様の縦断面図であり、Aは開孔部の第3実施例、Bは開孔部の第4実施例を示している。
以下、本発明の実施形態を、実施例に沿って図面を参照しながら説明する。
尚、図3に薄墨色で示す部分はシール壁の下面に積層されたバリア性フィルムである。
本発明の蓋部材の一実施例である注出キャップは、キャップ本体1と、このキャップ本体1にヒンジ9を介して連接される蓋体10を有して構成されている。
注出キャップ1は、ポリプロピレンなどの合成樹脂材料により、キャップ本体1、ヒンジ9及び蓋体10が一体的に射出成形された部材である。キャップ本体1は、図1に二点鎖線で示した容器31の口筒部32に外嵌係合する組付き筒2を有する。この組付き筒2には、上端縁から内鍔状の頂板2tを介して上端部をラッパ状に広げた注出筒4が起立設され、この注出筒4を下方に延長した頂板2tの内周端縁にはインナーリング3が垂下設されている。さらに注出筒4の内周面下端縁には斜め下方に延設された内鍔片5が突周設され、この内鍔片5には容器31の開口部を覆う平坦板状のシール壁6が設けられている。そして、図1に示すように、このキャップ本体1ではシール壁6がキャップ本体1の底壁6aを兼ねる構成となっている。
シール壁6には薄肉に形成した破断線Lbで囲むことで規定される除去板部12が設けられている。この除去板部12の外周縁部に端部(図1、2では除去板部12の右側端部)には、この端部を基端として上方に延びる連結柱13が起立設されている。連結柱13の上端にはプルリング14が連結されており、これらシール壁6に設けられた破断線Lb、除去板部12、連結柱13及びプルリング14によりこの注出キャップの開封機構が構成されている。
尚、キャップ本体1は、組付き筒2及び注出筒4を備える外装部とシール壁6、連結柱13及びプルリング14を備える中栓部とが別々に射出成形され、使用時に際して外装部と中栓部とが嵌合的に組み付けられる構成とすることも可能である。
また、シール壁6の下面側には、円盤状のバリア性フィルムをインサート材とするキャップ本体1の射出成形において、熱融着により積層されたバリア性フィルム層15が設けられている。このバリア性フィルム層15は、破断線Lb及びその内側の除去板部12を含む略全領域を被覆によりシールしている。図5A、Bの拡大図に示されように、バリア性フィルム層15は、中間層15bを上層15aと下層15cでサンドイッチ状に挟んだ三層から成る積層構造を有して形成されている。本実施例では、上層15a及び下層15cはキャップ本体1と同種の合成樹脂フィルム(LDPE樹脂フィルム)で形成され、中間層15bは高度な酸素バリア性を発揮するEVOH(エチレン−ビニルアルコール共重合体)樹脂フィルムで形成されている。
このようなバリア性フィルム層15は、インサート成形において、LDPE樹脂フィルムから成る上層15aが、同じくLDPE樹脂フィルムから成るキャップ本体1のシール壁6の下面に熱融着されることで積層されている。
また図5A、Bの第1実施例及び第2実施例に見られるように、破断線Lbは上面側の溝11tと下面側の溝11uを有してシール壁6を上下から挟むように形成されている。このように破断線Lbを形成することにより、プルリング14からの引張り力を、薄肉に形成された破断線Lb部分に、より集中して作用させることが可能とされている。
また、図5A、Bに示されるように、バリア性フィルム層15の破断線Lb上で且つ連結柱13の基端部の外周縁側直近の位置には、シール壁6の下面側に連通する開孔部S1が貫通形成されている。この開孔部S1はスリット又は小孔などで形成されており、上記した下面側の溝11uの底面に積層されたバリア性フィルム層15に貫通形成されている。図5Aの第1実施例では、開孔部S1はキャップ本体1を射出成形した時に合成樹脂の一部が入り込んでその全体が満たされた状態にある。あるいは図5Bに示す第2実施例では、開孔部S1の略半分の深さ位置まで合成樹脂が入り込んだ状態にある。
尚、図5A,Bの第1実施例及び第2実施例のいずれにおいても開孔部S1の断面形状は、上層15a側の幅寸法W1と下層15c側の幅寸法W2とが略同寸法(W1≒W2)で形成されており、上層15a側の幅寸法が下層15c側の幅寸法よりも大きい場合に比較し、バリア性フィルム層15は抜栓時において切れ易い状態にある。
次に、上記バリア性フィルム層15が積層されたキャップ本体1の製造方法につて説明する。
まずバリア性フィルムの所定の位置に、例えば鋭利な刃先を有する治具やレーザー加工を用いて、予め開孔部S1を穿設すると共に所定の形(本実施例では円盤状)に打ち抜く。尚、開孔部S1の穿設作業と型の打ち抜き作業の順序及びこれらを形成するための加工方法については特に限定されない。
次に、開孔部S1が形成されたバリア性フィルムを図示しない成形用金型内に位置決めしながらセットした後、成形金型内に溶融樹脂を注入してインサート成形することにより、シール壁6の下面にバリア性フィルムを熱融着により積層させる。この際、成形用金型内の保圧や成形時間等の成形条件によって図5Aの第1実施例に示すような開孔部S1の全体が合成樹脂で完全に満たされたキャップ本体1、あるいは図5Bの第2実施例に示すような合成樹脂が開孔部S1内の略半分の位置まで満たされたキャップ本体1が製造される。
またバリア性フィルムを打ち抜きする作業においては、図3に示すように、例えば切欠き状の凹部などから成る位置合わせ部S2をバリア性フィルムの一部に形成する工程を含める構成が好ましい。この構成では、バリア性フィルムを成形用金型内にセットする際に、位置合わせ部S2を金型内に設けた図示しない位置合わせ凸部に合わせることにより、バリア性フィルムに形成した開孔部S1を、破断線Lb上の連結柱13の基端部の外周縁側直近の位置に高精度に設けることが可能となる。
そして、上記説明した構成を有する本実施例の注出キャップでは、開封のためにプルリング14を上方に引っ張って抜栓すると、破断線Lbに沿ったシール壁6の破断とシール壁6の下面に積層されたバリア性フィルム層15の破断を同時に進行させることができ、除去板部12を除去する開封操作を簡単且つ確実に行うことが可能となる。
ここで、バリア性フィルム層15についてその破断の態様を観察すると、破断は、バリア性フィルム層15は延伸変形することなく開孔部S1を起点に引裂き状に開始されると共に破断線Lbに沿って円滑に進行し、開口縁部にバリ等の発生も生じないことから、内容液をスムーズに注出することが可能である。
また穿設後の開孔部S1は、その内面にバリア性フィルム層15を構成する上層15a、中間層15b及び下層15cの一部が夫々表出した状態にある。このため、図5Aに示す第1実施例では、インサート成形時に、縦軸方向から開孔部S1に入り込んだ溶融状態の合成樹脂(キャップ本体1を形成する合成樹脂)が、バリア性フィルム層15を構成する層のうち、同種の合成樹脂フィルムで形成された上層15a及び下層15cと積極的に熱融着して一体化した状態で硬化することから、バリア性フィルム層15とキャップ本体1の底壁6aであるシール壁6との密着性が強化された状態にある。また図5Bに示す第2実施例においては開孔部S1内の略半分の深さ位置まで溶融状態の合成樹脂が入り込むことから、開孔部S1内ではシール壁6と少なくとも上層15aとが積極的に熱融着して一体化した状態で硬化した状態にある。このため、第2実施例においてもバリア性フィルム層15とシール壁6との密着性が強化された状態にある。
その結果、プルリング14を上方に引っ張って抜栓した時には、除去板部12とその下面に位置するバリア性フィルム層15との剥離が抑制され、除去板部12を除去する開封操作を確実に行うことが可能となる。
ところで、図6に示すように、開孔部S1は破断線Lbに沿って複数の箇所に形成されていても良いし、あるいは開孔部S1を破断線Lbに沿って等間隔で間欠的に形成した構成であっても良い。さらには複数(例えば2、3個)の開孔部S1が等間隔で並ぶ一組の開孔群を、破断線Lbに沿って等間隔に配置される構成であっても良い。このように、除去板部12の外周の複数の位置に開孔部S1を配置することにより、除去板部12を除去する開封操作(抜栓時)におけるバリア性フィルム層15をより切れ易くすることができる。すなわち、射出成形時において溶融樹脂が複数の位置に設けられた開孔部S1に入り込むことになるため、除去板部12の外周に渡ってバリア性フィルム層15とシール壁6との密着性を高めることができることから、抜栓時におけるバリア性フィルム層15の切れ易さを向上させることが可能となる。特に、開孔部S1を破断線Lbに沿って等間隔で間欠的に形成した構成ではその効果が顕著である。
尚、開孔部S1の断面形状は上記第1実施例及び第2実施例以外の構成として、例えば図7Aの第3実施例又は図7Bの第4実施例に示すように、下層15c側の幅寸法W2を上層15a側の幅寸法W1よりも大きくした構成(W1<W2)であっても良い。下層15c側の幅寸法W2が上層15a側の幅寸法W1がよりも大きい構成から成る開孔部S1では、溶融樹脂が開孔部S1内においてクサビ状に硬化して抜け止め機能を有するようになることから、プルリング14を強く上方に引っ張って抜栓したとしても、除去板部12とその下面に積層されているバリア性フィルム層15との剥離をより効果的に防止することが可能となる。その結果、除去板部12を除去する開封操作をより確実に行うことができる。
以上、実施例に沿って本発明の合成樹脂製蓋部材の実施の形態、及びその作用効果を説明したが、本発明は上記実施例に限定されるものではない。
例えば、本発明の蓋部材は上記説明したような注出キャップに限定されることなく、一般的なキャップ体、中栓体、蓋体等、容器の開口部を密に覆う蓋部材とすることができる。
またバリア性フィルム層については、上記実施例では酸素バリア性を考慮して中間層15bにEVOH(エチレン−ビニルアルコール共重合体)樹脂層を有する三層構造の積層フィルムを採用したが、その他炭酸ガスバリア性、水分バリア性、有効成分の逃散抑止性等の使用目的を考慮して適宜選択することができ、例えば、ナイロン樹脂、ポリカーボネイト樹脂、エチレン酢酸ビニール共重合(EVA)樹脂、塩化ビニリデン樹脂、ポリエチレンテレフタレート樹脂、環状ポリオレフィン樹脂等の各種バリア性を有する合成樹脂からなるフィルムを使用することもできる。さらに、アルミラミネートフィルムも使用することもできる。
またバリア性フィルム層15は三層構造のフィルムに限られるのものではなく、その他の多層構造のフィルム又は単層フィルムとすることもできる。
さらに上記実施例では、開孔部S1の形成位置について、バリア性フィルム層15の破断線Lb上で且つ連結柱13の基端部の外周縁側直近の位置として説明したが、抜栓時におけるバリア性フィルムの破断が容易に行えるきっかけになる程度の位置であれば、連結柱13の基端部の外周縁側直近の位置に限定されるものではなく、その近傍の位置を含むものである。
本発明は、プルリングによる開封機構を備えた合成樹脂製蓋部材の分野における用途展開をさらに広い領域で図ることができる。
1 ;キャップ本体
2 ;組付き筒
2t;頂板
3 ;インナーリング
4 ;注出筒
5 ;内鍔片
6 ;シール壁
6a;底壁
9 ;ヒンジ
10 ;蓋体
11t;(上面側の)溝
11u;(下面側の)溝
12 ;除去板部
13 ;連結柱
14 ;プルリング
15 ;バリア性フィルム層
15a;上層
15b;中間層
15c;下層
Lb ;破断線
S1 ;開孔部
S2 ;位置合わせ部
31 ;容器
32 ;口筒部

Claims (7)

  1. 破断線(Lb)に沿って破断可能な除去板部(12)を有するシール壁(6)の下面にバリア性フィルム層(15)が積層される合成樹脂製蓋部材の製造方法であって、
    層構造から成るバリア性フィルムの所定の位置に予め前記破断線(Lb)に沿って破断の起点となる開孔部(S1)を穿設すると共に所定の形状に打ち抜く工程と、
    記バリア性フィルムを所定の金型内に位置決めしながらセットした後、前記金型内に溶融樹脂を注入してインサート成形することにより、前記シール壁(6)の下面にバリア性フィルム層(15)が表出される状態に積層すると共に、合成樹脂が前記開孔部(S1)の全体又は略半分の位置まで満たす工程、とを有すること特徴とする合成樹脂製蓋部材の製造方法。
  2. バリア性フィルムに位置合わせ部(S2)を形成する工程を有すると共に、該位置合わせ部(S2)を用いてバリア性フィルムを金型内の所定の位置に位置決めする工程を有する請求項1記載の合成樹脂製蓋部材の製造方法。
  3. 容器(31)の口筒部(32)に組み付き固定されるキャップ本体(1)と、肉薄状の破断線(Lb)に沿って囲まれた領域内に除去板部(12)を有して前記キャップ本体(1)の底部を構成するシール壁(6)と、前記除去板部(12)の外周縁部を基端として上方に延びる連結柱(13)を介して前記除去板部(12)に接続されたプルリング(14)と、前記シール壁(6)の下面に積層されて前記破断線(Lb)及び前記除去板部(12)を含む領域を被覆する多層構造から成るバリア性フィルム層(15)と、を有する合成樹脂製蓋部材であって、
    前記連結柱(13)の基端部の近傍に位置する破断線(Lb)部分に、前記バリア性フィルム層(15)を貫通する開孔部(S1)が前記破断線(Lb)上の複数の位置に形成され、前記開孔部(S1)内に前記シール壁(6)を形成する合成樹脂の一部が入り込んでいることを特徴とする合成樹脂製蓋部材。
  4. バリア性フィルム層(15)に、シール壁(6)の下面における位置決めを行う位置合わせ部(S2)が設けられている請求項3記載の合成樹脂製蓋部材。
  5. 開孔部(S1)内に入り込んだシール壁(6)を形成する合成樹脂が、バリア性フィルム層(15)を形成する合成樹脂層の一部と熱融着している請求項3又は4記載の合成樹脂製蓋部材。
  6. 開孔部(S1)が、破断線(Lb)に沿って等間隔に形成されている請求項3乃至5のいずれか一項に記載の合成樹脂製蓋部材。
  7. バリア性フィルム層(15)が複数の樹脂フィルムが積層されて形成されると共に、前記バリア性フィルム層(15)が前記シール壁(6)を形成する合成樹脂と同種の合成樹脂から成る樹脂フィルムを含むものである請求項3乃至6のいずれか一項に記載の合成樹脂製蓋部材。
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