JP6847596B2 - セメント用添加剤 - Google Patents
セメント用添加剤 Download PDFInfo
- Publication number
- JP6847596B2 JP6847596B2 JP2016120934A JP2016120934A JP6847596B2 JP 6847596 B2 JP6847596 B2 JP 6847596B2 JP 2016120934 A JP2016120934 A JP 2016120934A JP 2016120934 A JP2016120934 A JP 2016120934A JP 6847596 B2 JP6847596 B2 JP 6847596B2
- Authority
- JP
- Japan
- Prior art keywords
- cement
- mass
- acid
- additive
- derived
- Prior art date
- Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
- Active
Links
Landscapes
- Curing Cements, Concrete, And Artificial Stone (AREA)
- Addition Polymer Or Copolymer, Post-Treatments, Or Chemical Modifications (AREA)
- Macromonomer-Based Addition Polymer (AREA)
Description
以下に本発明を詳述する。
なお、以下において記載する本発明の個々の好ましい形態を2つ以上組み合わせたものもまた、本発明の好ましい形態である。
本発明の添加剤は、このような重合体を含むことにより、鉱化剤及び/又は融剤由来成分を含むセメントに使用された場合に、優れたセメント分散性能を発揮する。
式(1)におけるR1、R2、R3及び(CHR4)yに含まれる炭素原子の数の合計が2以上であるエーテル系の単量体の不飽和カルボン酸系単量体との重合性は、上記炭素原子数の合計が1以下の単量体よりも良好であり、重合反応により得られた重合体の組成や分子量制御が容易であり、かつ、重合体の収率も向上する利点がある。
ここで、鉱化剤及び/又は融剤由来成分を含むセメントとは、セメント原料に鉱化剤及び/又は融剤を添加して焼成されたセメントである。そして原料に添加された鉱化剤及び/又は融剤は、焼成工程等において、酸化等の反応等により鉱化剤及び/又は融剤に含まれる化合物等の構成元素の一部が他の元素に置換される等、鉱化剤及び/又は融剤の形態が変化する場合があり、上記鉱化剤及び/又は融剤由来成分とは、セメント原料に添加されたときの鉱化剤及び/又は融剤に含まれる化合物又はイオンの状態のものと、焼成工程等を経ることにより鉱化剤及び/又は融剤の形態が変化したものとを含む成分を意味する。
上記鉱化剤の形態が変化したものとしては、鉱化剤由来の成分を含むものであれば特に制限されない。
上記融剤として好ましくはCaO、MgO等のアルカリ土類金属の酸化物;遷移金属の酸化物;Fe2O3、Al2O3;アルカリ土類金属の硫酸塩であり、より好ましくはCaSO4、MgSO4である。
上記融剤の形態が変化したものとしては、融剤由来の成分を含むものであれば特に制限されない。
上記塩としては、アルカリ金属塩が好ましく、より好ましくは、ナトリウム塩である。
上記炭素数1〜30のアミンとしては、メチルアミン、ジメチルアミン、エチルアミン、ジエチルアミン、プロピルアミン、ジプロピルアミン、ブチルアミン、ジブチルアミン、イソプロピルアミン、ジイソプロピルアミン等の脂肪族アミン類を挙げることができる。
上記式(1)中、yは、0〜4の数を表す。yは、好ましくは、0〜3であり、より好ましくは1〜2である。yが0のとき、R1、R2及びR3のうち、少なくとも2つがメチル基であり、好ましくはR1、R2のいずれか及びR3がメチル基である。yが1のとき、R1、R2、R3及びR4のうち、少なくとも1つがメチル基であることが好ましく、より好ましくはR3がメチル基である。yが2以上とき、R1、R2、R3及びR4は、水素原子及びメチル基のいずれでもよいが、好ましくはR3がメチル基、R4が水素原子あるいはメチル基である。
上記式(1)中、AOで表されるオキシアルキレン基は、アルキレンオキシド付加物であり、このようなアルキレンオキシドとしては、エチレンオキシド、プロピレンオキシド、ブチレンオキシド、イソブチレンオキシド、1−ブテンオキシド、2−ブテンオキシド、スチレンオキシド等の炭素数2〜8のアルキレンオキシドが挙げられる。より好ましくは、エチレンオキシド、プロピレンオキシド、ブチレンオキシド等の炭素数2〜4のアルキレンオキシドであり、更に好ましくは、エチレンオキシド、プロピレンオキシドである。
また、上記ポリアルキレングリコールが、エチレンオキシド、プロピレンオキシド、ブチレンオキシド、スチレンオキシド等の中から選ばれる任意の2種類以上のアルキレンオキシド付加物である場合、ランダム付加、ブロック付加、交互付加等のいずれの形態であってもよい。尚、親水性と疎水性とのバランス確保のため、ポリアルキレングリコール中のオキシアルキレン基として、オキシエチレン基を必須成分として有することが好ましく、50モル%以上がオキシエチレン基であることがより好ましく、90モル%以上がオキシエチレン基であることが更に好ましい。
ビニルアルコール、アリルアルコール等の炭素数2〜3の不飽和アルコールにアルキレンオキサイドを1〜300モル付加させた化合物及びこれらの末端疎水変性物;ヒドロキシブチルビニルエーテル等のヒドロキシアルキルビニルエーテルにアルキレンオキサイドを1〜300モル付加させた化合物及びこれらの末端疎水変性物;エチレングリコール(メタ)アクリレート、ジエチレングリコール(メタ)アクリレート等の(ポリ)アルキレングリコール(メタ)アクリレート;エチレングリコールメトキシ(メタ)アクリレート、ジエチレングリコールメトキシ(メタ)アクリレート等のアルキレングリコールの付加モル数1〜300のアルコキシ(ポリ)アルキレングリコール(メタ)アクリレート;ヒドロキシエチル(メタ)アクリレート、ヒドロキシプロピル(メタ)アクリレート等のヒドロキシアルキル(メタ)アクリレート類;メチル(メタ)アクリレート、グリシジル(メタ)アクリレート等の不飽和モノカルボン酸類と炭素原子数1〜30のアルコールとのエステル類;(無水)マレイン酸、フマル酸、イタコン酸等の不飽和ジカルボン酸類と炭素原子数1〜30のアルコールとのジエステル類;上記不飽和ジカルボン酸類と炭素原子数1〜30のアミンとのジアミド類;上記アルコールやアミンに炭素原子数2〜18のアルキレンオキシドを1〜500モル付加させたアルキル(ポリ)アルキレングリコールと上記不飽和ジカルボン酸類とのジエステル類;上記不飽和ジカルボン酸類と炭素原子数2〜18のグリコール又はこれらのグリコールの付加モル数2〜500のポリアルキレングリコールとジエステル類;(ポリ)エチレングリコールジ(メタ)アクリレート、(ポリ)プロピレングリコールジ(メタ)アクリレート等の(ポリ)アルキレングリコールジ(メタ)アクリレート類;ヘキサンジオールジ(メタ)アクリレート、トリメチロールプロパントリ(メタ)アクリレート等の多官能(メタ)アクリレート類。ポリエチレングリコールジマレート等の(ポリ)アルキレングリコールジマレート類;ビニルスルホネート、(メタ)アリルスルホネート、2−メチルプロパンスルホン酸(メタ)アクリルアミド、スチレンスルホン酸等の不飽和スルホン酸(塩)類;メチル(メタ)アクリルアミド等の不飽和モノカルボン酸類と炭素原子数1〜30のアミンとのアミド類;スチレン、α−メチルスチレン、ビニルトルエン等のビニル芳香族類;1,4−ブタンジオールモノ(メタ)アクリレート等のアルカンジオールモノ(メタ)アクリレート類;ブタジエン、イソプレン等のジエン類;(メタ)アクリル(アルキル)アミド、N−メチロール(メタ)アクリルアミド、N,N−ジメチル(メタ)アクリルアミド等の不飽和アミド類;(メタ)アクリロニトリル等の不飽和シアン類;酢酸ビニル等の不飽和エステル類;(メタ)アクリル酸アミノエチル、(メタ)アクリル酸ジメチルアミノエチル、ビニルピリジン等の不飽和アミン類;ジビニルベンゼン等のジビニル芳香族類;(メタ)アリルアルコール、グリシジル(メタ)アリルエーテル等のアリル類;(メトキシ)ポリエチレングリコールモノビニルエーテル、(メトキシ)ポリエチレングリコールモノ(メタ)アリルエーテル等のビニルエーテルあるいは(メタ)アリルエーテル類。
上記構造単位(a)の割合としてより好ましくは全構造単位100質量%に対して1〜50質量%であり、更に好ましくは2〜45質量%であり、一層好ましくは3〜40質量%であり、より一層好ましくは4〜40質量%であり、特に好ましくは5〜40質量%であり、最も好ましくは6〜40質量%である。
なお、構造単位(a)のカルボキシル基が塩型である場合、その質量は、対応する酸型の構造単位として質量を計算するものとする。例えば(メタ)アクリル酸ナトリウム由来の構造であれば、(メタ)アクリル酸由来の構造として質量割合を計算する。後述するその他の単量体も同様に単量体が塩型である場合には、酸型の単量体として質量を計算する。
上記重合体の重量平均分子量は、ゲルパーミエーションクロマトグラフィー(GPC)により、後述する実施例に記載の条件で測定することができる。
本発明の添加剤に含まれる重合体の製造は特に制限されないが、単量体成分を重合することにより製造することができ、単量体成分の具体例及び好ましい例は、上述のとおりである。また、単量体成分100質量%に対する単量体(A)、(B)及び(E)の含有割合は、上述の全構造単位100質量%に対する構造単位(a)、(b)及び(e)の割合と同様である。
また、共重合体の分子量調整のためには、単量体(e)として、(メタ)アリルスルホン酸(塩)類等の連鎖移動性の高い単量体を用いることも有効である。
また、低級アルコール、芳香族若しくは脂肪族炭化水素、エステル化合物又はケトン化合物を溶媒とする溶液重合を行う場合、又は、塊状重合を行う場合には、ベンゾイルパーオキシド、ラウロイルパーオキシド、ナトリウムパーオキシド等のパーオキシド;t−ブチルハイドロパーオキシド、クメンハイドロパーオキシド等のハイドロパーオキシド;アゾビスイソブチロニトリル等のアゾ化合物等がラジカル重合開始剤として用いられる。この際アミン化合物等の促進剤を併用することもできる。更に、水−低級アルコール混合溶媒を用いる場合には、上記の種々のラジカル重合開始剤又はラジカル重合開始剤と促進剤の組み合わせの中から適宜選択して用いることができる。
上記併用する公知のセメント分散剤としては、例えば、ナフタレンスルホン酸ホルムアルデヒド縮合物等のポリアルキルアリールスルホン酸塩系;メラミンスルホン酸ホルムアルデヒド縮合物等のメラミンホルマリン樹脂スルホン酸塩系;アミノアリールスルホン酸−フェノール−ホルムアルデヒド縮合物等の芳香族アミノスルホン酸塩系;リグニンスルホン酸塩、変成リグニンスルホン酸塩等のリグニンスルホン酸塩系;ポリスチレンスルホン酸塩系等の分子中にスルホン酸基を有する各種スルホン酸系分散剤;特公昭59−18338号公報、特開平7−223852号公報に記載の如くポリアルキレングリコールモノ(メタ)アクリル酸エステル系単量体、(メタ)アクリル酸系単量体、及び、これらの単量体と共重合可能な単量体から得られる共重合体;特開平10−236858号公報、特開2001−220417号公報、特開2002−121055号公報、特開2002−121056号公報に記載の如く不飽和(ポリ)アルキレングリコールエーテル系単量体、マレイン酸系単量体又は(メタ)アクリル酸系単量体から得られる共重合体等の分子中に(ポリ)オキシアルキレン基とカルボキシル基とを有する各種ポリカルボン酸系分散剤;特開2006−52381号公報に記載の如く(アルコキシ)ポリアルキレングリコールモノ(メタ)アクリレート、リン酸モノエステル系単量体、およびリン酸ジエステル系単量体から得られる共重合体等の分子中に(ポリ)オキシアルキレン基とリン酸基とを有する各種リン酸系分散剤等が挙げられる。
本発明はまた、鉱化剤及び/又は融剤由来成分含有セメント用添加剤と、鉱化剤及び/又は融剤由来成分含有セメントとを含むセメント組成物でもある。
上記鉱化剤及び融剤は上述のとおりである。
上記セメント組成物に含まれる鉱化剤及び融剤由来成分の合計の割合は、特に制限されないが、セメント重量100質量%に対して、0.01〜20質量%であることが好ましい。より好ましくは0.1〜10質量%であり、更に好ましくは0.2〜5質量%である。
これら公知のセメント添加剤(材)は単独で用いてもよく、2種以上を併用してもよい。
上記骨材としては、砂利、砕石、水砕スラグ、再生骨材等以外に、珪石質、粘土質、ジルコン質、ハイアルミナ質、炭化珪素質、黒鉛質、クロム質、クロマグ質、マグネシア質等の耐火骨材が使用可能である。
重合体の重量平均分子量の測定は、下記条件で、GPC(ゲルパーミエーションクロマトグラフィー)を用いて行った。
装置:Waters社製、Waters Alliance(2695)
解析ソフト:Waters社製、Empowerプロフェッショナル+GPCオプション
使用カラム:東ソー社製、TSK guard column SWXL+TSKgelG4000SWXL+G3000SWXL+G2000SWXL
検出器:示差屈折率計(RI)検出器(Waters社製、Waters 2414)
溶離液:水10999g及びアセトニトリル6001gの混合溶媒に酢酸ナトリウム三水和物115.6gを溶解し、更に酢酸でpH6.0に調整した溶液
較正曲線作成用標準物質:ポリエチレングリコール[ピークトップ分子量(Mp)300000、200000、107000、50000、27700、11840、6450、1470]
較正曲線:上記ポリエチレングリコールのMp値と溶出時間とを基礎にして3次式で作成流量:1.0mL/min
カラム温度:40℃
測定時間:45分
試料液注入量:100μL(試料濃度0.5質量%の溶離液調製溶液)
温度計、攪拌機、滴下装置、窒素導入管及び還流冷却器を備えたガラス製反応容器に、イオン交換水100.2g、メタリルアルコールに平均50モルのエチレンオキシドを付加した不飽和ポリアルキレングリコールエーテル190.2g 、アクリル酸0.35gを仕込み、撹拌下で反応容器内を窒素置換し、窒素雰囲気下で58℃ まで昇温した。反応容器内を58℃に保った状態で、2%過酸化水素水溶液10.5gを添加した。反応容器内を58℃に維持した状態で、アクリル酸15.8gとイオン交換水22.4gからなるアクリル酸水溶液を3時間かけて滴下し、それと同時に、イオン交換水36.93gにL−アスコルビン酸0.27g および3−メルカプトプロピオン酸0.65gを溶解させた水溶液を3.5時間かけて滴下した。その後、2時間引き続いて58℃に温度を維持した後、重合反応を完結させた。冷却後、水酸化ナトリウム水溶液を加えて、pH=6、重量平均分子量が50000の本発明の共重合体(1)の水溶液を得た。
温度計、攪拌機、滴下装置、窒素導入管及び還流冷却器を備えたガラス製反応容器に、イオン交換水100.2g、メタリルアルコールに平均50モルのエチレンオキシドを付加した不飽和ポリアルキレングリコールエーテル184.6g 、アクリル酸0.35gを仕込み、撹拌下で反応容器内を窒素置換し、窒素雰囲気下で58℃ まで昇温した。反応容器内を58℃に保った状態で、2%過酸化水素水溶液13.0gを添加した。反応容器内を58℃に維持した状態で、アクリル酸21.4gとイオン交換水22.4gからなるアクリル酸水溶液を3時間かけて滴下し、それと同時に、イオン交換水36.93gにL−アスコルビン酸0.34g および3−メルカプトプロピオン酸1.0gを溶解させた水溶液を3.5時間かけて滴下した。その後、2時間引き続いて58℃に温度を維持した後、重合反応を完結させた。冷却後、水酸化ナトリウム水溶液を加えて、pH=6、重量平均分子量が48000の本発明の共重合体(2)の水溶液を得た。
温度計、攪拌機、滴下装置、窒素導入管及び還流冷却器を備えたガラス製反応容器に、イオン交換水100.2g、メタリルアルコールに平均150モルのエチレンオキシドを付加した不飽和ポリアルキレングリコールエーテル198.0g 、アクリル酸0.35gを仕込み、撹拌下で反応容器内を窒素置換し、窒素雰囲気下で58℃ まで昇温した。反応容器内を58℃に保った状態で、2%過酸化水素水溶液5.0gを添加した。反応容器内を58℃に維持した状態で、アクリル酸8.0gとイオン交換水22.4gからなるアクリル酸水溶液を3時間かけて滴下し、それと同時に、イオン交換水36.93gにL−アスコルビン酸0.13g および3−メルカプトプロピオン酸0.6gを溶解させた水溶液を3.5時間かけて滴下した。その後、2時間引き続いて58℃に温度を維持した後、重合反応を完結させた。冷却後、水酸化ナトリウム水溶液を加えて、pH=6、重量平均分子量が50000の本発明の共重合体(3)の水溶液を得た。
温度計、攪拌機、滴下装置、窒素導入管及び還流冷却器を備えたガラス製反応容器に、イオン交換水100.2g、メタリルアルコールに平均150モルのエチレンオキシドを付加した不飽和ポリアルキレングリコールエーテル190.2g 、アクリル酸0.35gを仕込み、撹拌下で反応容器内を窒素置換し、窒素雰囲気下で58℃ まで昇温した。反応容器内を58℃に保った状態で、2%過酸化水素水溶液8.6gを添加した。反応容器内を58℃に維持した状態で、アクリル酸15.0gとイオン交換水22.4gからなるアクリル酸水溶液を3時間かけて滴下し、それと同時に、イオン交換水36.93gにL−アスコルビン酸0.22g および3−メルカプトプロピオン酸1.28gを溶解させた水溶液を3.5時間かけて滴下した。その後、2時間引き続いて58℃に温度を維持した後、重合反応を完結させた。冷却後、水酸化ナトリウム水溶液を加えて、pH=6、重量平均分子量が48000の本発明の共重合体(4)の水溶液を得た。
温度計、攪拌機、滴下ロート、窒素導入管及び還流冷却器を備えたガラス製反応容器に、イオン交換水76.91g、および3−メチル−3−ブテン−1−オールにエチレンオキシドを平均50モル付加した不飽和ポリアルキレングリコールエーテル149.28gを仕込み、攪拌下に反応容器内を窒素置換し、窒素雰囲気下で60℃ まで加熱した。内温が60℃ で安定したところで、過酸化水素0.23g及び水11.71gを含む過酸化水素水溶液を添加した。次いで、アクリル酸20.17gを3時間かけて滴下し、同時に水40.74gにL−アスコルビン酸0.3g及び3−メルカプトプロピオン酸0.79gを溶解させた水溶液を3.5時間かけて滴下した。その後、1時間引き続いて60℃ に温度を維持し、重合反応を完結させた。冷却後、水酸化ナトリウム水溶液を加えて、pH=6、重量平均分子量が35000の本発明の共重合体(5)の水溶液を得た。
温度計、攪拌機、滴下装置、窒素導入管及び還流冷却器を備えたガラス製反応容器に、イオン交換水281g、3−メチル−3−ブテン−1−オールに平均50モルのエチレンオキシドを付加した不飽和ポリアルキレングリコールエーテル956g 、アクリル酸1.3gを仕込み、撹拌下で反応容器内を窒素置換し、窒素雰囲気下で58℃ まで昇温した。反応容器内を58℃に保った状態で、30%過酸化水素水溶液5.3gを添加した。反応容器内を58℃に維持した状態で、アクリル酸65.3g、アクリル酸2−ヒドロキシエチル115.9gとイオン交換水425.1gからなる酸水溶液を3時間かけて滴下し、それと同時に、イオン交換水136.8gにL−アスコルビン酸2.06g および3−メルカプトプロピオン酸11.18gを溶解させた水溶液を3.5時間かけて滴下した。その後、2時間引き続いて58℃に温度を維持した後、重合反応を完結させた。冷却後、水酸化ナトリウム水溶液を加えて、pH=6、重量平均分子量が28000の本発明の共重合体(6)の水溶液を得た。
温度計、攪拌機、窒素導入管及び還流冷却器を備えたガラス製反応容器に、イオン交換水20g、アリルアルコールに平均35モルのエチレンオキシドを付加した不飽和ポリアルキレングリコールエーテル16g 、マレイン酸1.2gを仕込み、撹拌下で反応容器内を窒素置換し、窒素雰囲気下で75℃ まで昇温した。反応容器内を75℃に保った状態で、5%過硫酸アンモニウム水溶液3.2gを添加した。さらに反応容器内を75℃に保った状態で、4時間後に5%過硫酸アンモニウム水溶液3.2gを添加した。その後、4時間引き続いて75℃に温度を維持した後、重合反応を完結させた。冷却後、水酸化ナトリウム水溶液を加えて、pH=7、重量平均分子量が8600の比較共重合体(1)の水溶液を得た。
本発明の共重合体(1)〜(6)の基本性能を観るために、以下の通り、モルタル配合・調製を行い、それぞれ合成したセメント用添加剤を添加したモルタルのフロー値と空気量を測定した。モルタル試験は温度が20℃±1℃、相対湿度が60%±10%の環境下で行った。
モルタル配合はC/S/W=500/1350/225(g)とした。
但し、
C:普通ポルトランドセメント(太平洋セメント社製)
S:セメント強さ試験用標準砂(セメント協会製)
W:セメント用添加剤(本発明の共重合体)(1)〜(6)又は比較共重合体(1)、消泡剤のイオン交換水溶液、5%フッ化カリウム水溶液及び純水
Wとして表1に示した添加量のセメント用添加剤(1)〜(6)又は比較共重合体(1)を量り取り、消泡剤MA−404を有姿でセメント用添加剤の固形分に対して40質量%加え、イオン交換水を加えたのち、さらに必要量の5%フッ化カリウム水溶液を加え、所定量として、充分に均一溶解させた。
表1において各成分の添加量はセメント質量に対する各成分の固形分の質量%で表されている。
モルタルの調製は以下の手順で行った。
ホバート型モルタルミキサー(型番N−50;ホバート社製)にステンレス製ビーター(撹拌羽根)を取り付け、C、Wを投入し、1速で30秒間混練した。更に1速で混練しながら、Sを30秒かけて投入した。S投入終了後、2速で30秒間混練した後、ミキサーを停止し、15秒間モルタルの掻き落しを行い、その後、75秒間静置した。静置後、更に60秒間2速で混練を行い、モルタルを調製した。
なお、モルタル試験はフッ化カリウム0.3質量%(対セメント)、1.0質量%(対セメント)をセメントに添加した際にフロー値210mmを示す重合体の添加量を実験により求めて比較した(表1)。重合体の添加量が少ないほうが分散性に優れていることを示す。
0打フロー値の測定は以下の手順で行った。
モルタルを混練容器からポリエチレン製1L容器に移し、スパチュラで20回撹拌した後、直ちにフロー測定板(SUS製30cm×30cm)に置かれたミニスランプコーン(マイクロコンクリートスランプコーン、JIS-A-1171に記載)(上端内径50mm、下端内系100mm、高さ150mm)に半量詰めて15回つき棒で突き、更にモルタルをミニスランプコーンの摺り切りいっぱいまで詰めて15回つき棒で突き、最後に不足分を補い、ミニスランプコーンの表面をならした。その後、直ちにミニスランプコーンを垂直に引き上げ、広がったモルタルの直径を2箇所(最も長い部分の直径(長径)及び前記長径に対して90度をなす部分の直径)測定し、その平均値を0打フロー値とした。
モルタル空気量の測定はJIS−A−1128(2005年改正)の方法により行った。モルタルを500mlのガラス製メスシリンダーに約200ml詰め径8mmの丸棒で突き、手で軽く振動させて粗い気泡を抜いた。更にモルタルを約200ml加えて同様に気泡抜いた後、モルタルの体積と質量を測り、各材料の密度から空気量を計算した。
表1より、上記共重合体を用いて調製したモルタルが210mmを示す共重合体の添加量はR1、R2、R3及び(CHR4)yの炭素数の合計が1の比較共重合体よりも、R1、R2、R3及び(CHR4)yの炭素数の合計が2−3の本発明の共重合体の方が少量でよいことがわかる。
Claims (4)
- 鉱化剤由来成分をセメント重量100質量%に対して0.01〜5質量%含むセメントに用いられる添加剤であって、
該添加剤は、不飽和カルボン酸系単量体(A)由来の構造単位(a)と下記式(1);
該重合体は、重量平均分子量が35000〜200000であり、
該鉱化剤は、KF、CaF 2 、NaF、BaF 2 、MgF 2 、Na 2 SiF 6 、MgSiF 6 からなる群より選択される少なくとも1種であることを特徴とする鉱化剤由来成分含有セメント用添加剤。 - 前記重合体は、構造単位(a)の割合が全構造単位100質量%に対して1〜99質量%であることを特徴とする請求項1に記載の鉱化剤由来成分含有セメント用添加剤。
- 請求項1又は2に記載の鉱化剤由来成分含有セメント用添加剤と、鉱化剤由来成分含有セメントとを含むことを特徴とするセメント組成物。
- 請求項3に記載のセメント組成物と骨材とを含むことを特徴とするモルタル又はコンクリート組成物。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2016120934A JP6847596B2 (ja) | 2016-06-17 | 2016-06-17 | セメント用添加剤 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2016120934A JP6847596B2 (ja) | 2016-06-17 | 2016-06-17 | セメント用添加剤 |
Publications (2)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JP2017222553A JP2017222553A (ja) | 2017-12-21 |
JP6847596B2 true JP6847596B2 (ja) | 2021-03-24 |
Family
ID=60685937
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP2016120934A Active JP6847596B2 (ja) | 2016-06-17 | 2016-06-17 | セメント用添加剤 |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JP6847596B2 (ja) |
Family Cites Families (6)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JP2007091580A (ja) * | 2005-09-01 | 2007-04-12 | Sumitomo Osaka Cement Co Ltd | 超速硬性セメント組成物及び超速硬性セメント組成物用分散剤 |
JP5598674B2 (ja) * | 2010-03-12 | 2014-10-01 | 三菱マテリアル株式会社 | セメントクリンカー焼成物の製造方法 |
JP6012139B2 (ja) * | 2011-02-14 | 2016-10-25 | 株式会社日本触媒 | セメント混和剤及びセメント組成物 |
JP6020785B2 (ja) * | 2011-12-26 | 2016-11-02 | 三菱マテリアル株式会社 | セメントクリンカ製造システム |
JP6188412B2 (ja) * | 2013-05-10 | 2017-08-30 | 株式会社日本触媒 | 共重合体とその用途 |
JP2015187054A (ja) * | 2014-03-27 | 2015-10-29 | 株式会社日本触媒 | セメント分散剤組成物およびセメント組成物 |
-
2016
- 2016-06-17 JP JP2016120934A patent/JP6847596B2/ja active Active
Also Published As
Publication number | Publication date |
---|---|
JP2017222553A (ja) | 2017-12-21 |
Similar Documents
Publication | Publication Date | Title |
---|---|---|
JP6188412B2 (ja) | 共重合体とその用途 | |
WO2011034142A1 (ja) | セメント混和剤、セメント組成物及びセメント混和剤用ポリカルボン酸系共重合体 | |
JP6514806B2 (ja) | セメント組成物 | |
JP6857500B2 (ja) | セメント用添加剤およびセメント組成物 | |
JP6864478B2 (ja) | セメント混和剤およびセメント組成物 | |
JP2015187054A (ja) | セメント分散剤組成物およびセメント組成物 | |
JP2011079721A (ja) | 早期強度用セメント混和剤 | |
JP6386281B2 (ja) | セメント分散剤およびセメント組成物 | |
JP2020023422A (ja) | 再生骨材含有セメント組成物用添加剤 | |
JP6249630B2 (ja) | 共重合体とその用途 | |
JP6715599B2 (ja) | セメント分散性向上助剤およびセメント組成物 | |
JP6864479B2 (ja) | セメント混和剤およびセメント組成物 | |
JP2016056082A (ja) | セメント分散剤組成物およびセメント組成物 | |
JP6847596B2 (ja) | セメント用添加剤 | |
JP6860386B2 (ja) | セメント用添加剤 | |
JP2014125509A (ja) | 共重合体およびその用途 | |
JP6042203B2 (ja) | 共重合体並びにその用途 | |
JP7320433B2 (ja) | 重合体及びセメント混和剤 | |
JP6581369B2 (ja) | 水硬性組成物、フライアッシュ含有水硬性組成物の初期強度向上方法、および、フライアッシュ含有水硬性組成物用添加剤 | |
JP6826860B2 (ja) | 非水硬性粉体含有組成物用添加剤およびコンクリート組成物 | |
JP6433316B2 (ja) | 新規ポリカルボン酸系共重合体およびセメント分散剤、並びにセメント組成物 | |
JP6871741B2 (ja) | セメント分散性向上助剤およびセメント組成物 | |
JP6912879B2 (ja) | 非水硬性粉体含有組成物用添加剤およびコンクリート組成物 | |
JP7090504B2 (ja) | 再生骨材含有セメント組成物用添加剤 | |
JP2016130199A (ja) | セメント分散剤用共重合体、セメント分散剤組成物、およびセメント組成物 |
Legal Events
Date | Code | Title | Description |
---|---|---|---|
A621 | Written request for application examination |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A621 Effective date: 20190306 |
|
A977 | Report on retrieval |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A971007 Effective date: 20200116 |
|
A131 | Notification of reasons for refusal |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131 Effective date: 20200128 |
|
A521 | Request for written amendment filed |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523 Effective date: 20200326 |
|
A131 | Notification of reasons for refusal |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131 Effective date: 20200714 |
|
A521 | Request for written amendment filed |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523 Effective date: 20200907 |
|
TRDD | Decision of grant or rejection written | ||
A01 | Written decision to grant a patent or to grant a registration (utility model) |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A01 Effective date: 20210216 |
|
A61 | First payment of annual fees (during grant procedure) |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A61 Effective date: 20210303 |
|
R150 | Certificate of patent or registration of utility model |
Ref document number: 6847596 Country of ref document: JP Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R150 |