JP6847167B2 - クリップガイド押込治具、及びクリップガイド押込方法 - Google Patents

クリップガイド押込治具、及びクリップガイド押込方法 Download PDF

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Description

本開示は、乗客コンベアの手摺ガイドレールへクリップガイドを装着する際に用いるクリップガイド押込治具に関する。また、本開示は、手摺ガイドレールにクリップガイドを装着する際に用いるクリップガイド押込方法に関する。
エスカレーターは、階段状をなして移動するステップと同期してその両側の欄干部上を移動する移動手摺を有している。移動手摺は、下りエスカレーターでは下層階の乗降口、上りエスカレーターでは上層階の乗降口において、Uターンするように移動方向を反転してからトラスの手摺入込口内へと進入していく。更には、特許文献1に記載されているように、最近のエスカレーターには、手摺入込口に、安全装置であるハンドガードスイッチ(HGS)が設けられている。
ハンドガードスイッチ装置は、トラスの手摺入込口と移動手摺との間の隙間に移動手摺の移動によって幼児等の手が引きずり込まれるのを防止する。詳しくは、ハンドガードスイッチ装置は、ゴム製のブーツ、付勢部材、及び検出スイッチを備える。ゴム製のブーツは、摺入込口において移動手摺を若干の隙間を空けて覆うと共に、トラス端面から外側に例えば数センチメートル程度突出する。また、付勢部材は、ブーツをトラス内側から付勢して所定位置に保持し、検出スイッチは、乗降口付近にいる子供(特に幼児)の手がブーツ端面にぶつかってブーツがトラス内側に移動したことを検出する。ハンドガードスイッチ装置は、検出スイッチでブーツが移動したことを検出したとき、エスカレーターの運転を非常停止させることで手摺入込口への乗客の手の引き込みを防止する。
また、無端状をなす移動手摺は、金属板で形成された手摺ガイドレールによってガイドされながらエスカレーターの上層階と下層階との間を周回移動し、移動手摺は、例えばウレタンゴム製の移動手摺の内面を有する。よって、移動手摺の内面が手摺ガイドレールの縁部に摺接して磨耗や損傷しないように、手摺ガイドレールの縁部を、略U字状の断面形状を有する樹脂製のクリップガイドで覆って、移動手摺の内面と手摺ガイドレールの縁部とが接触しないようにしていることがある。しかし、この場合においても、クリップガイドの外表面に対する移動手摺の摺接に起因して、クリップガイドが徐々に磨耗するため、クリップガイドは、消耗品として所定のタイミングで新品に交換する必要がある。
特開2011−116518号公報
手摺ガイドレールは、ステップの両側に下層階から上層階にかけて延伸し、上下層階の各乗降口においては手摺入り込み部からトラス内の所定位置まで入り込む。エスカレーターが新設される際、クリップガイドは、ハンドガードスイッチ装置を手摺入込口に装着する前では、露出した手摺ガイドレールの縁部に側方から容易に嵌め込むことができる。
しかし、既設のエスカレーターにおいてクリップガイドを交換する際には、エスカレーターのトラス外に位置する手摺ガイドレール部分については、移動手摺を取り外すことで手摺ガイドレールを露出させてクリップガイドを容易に交換できるのに対し、手摺入込口からトラス内に延びる手摺ガイドレール部分については、それを覆う移動手摺と、さらにその外側を覆って設けられたハンドガイドスイッチ装置のブーツの存在により、トラスの一部とハンドガイドスイッチ装置を分解せずに手摺ガイドレールを露出させることができず、それらの分解によりクリップガイドを取り付ける場合には、分解作業に相当の工数及び時間を要する。
そのため、通常、トラス内に入り込んだ手摺ガイドレールの部分に取り付けられたクリップガイドの交換は、移動手摺においてトラス外に位置する部分を手摺ガイドレールから取り外した状態、より詳しくは、移動手摺を手摺入込口のところまで手摺ガイドレールから取り外した状態で、乗降口において古いクリップガイドを引き抜いた後、新品のクリップガイドの端部を手摺ガイドレールの縁部に嵌め込んだ状態で、手摺ガイドレールと移動手摺との間の隙間にクリップガイドを押し込むことで実行する。
しかしながら、この方法でも、クリップガイドにおける手摺ガイドレールの嵌合部と、手摺ガイドレールとの間に摩擦抵抗があるため、嵌合部をスライドさせるのに強い力が必要になる。また、クリップガイドは細くて掴み難く、更には柔軟な素材で形成されているので、クリップガイドに効率的に力を伝え難く、クリップガイドを手で送り込むのが難しい。また、クリップガイドの嵌合部の交差により、押込みが極めて困難な場合もある。
更には、1ヶ所の手摺入込口における1本のクリップガイドの押込みにも結構な時間と労力を要するが、手摺ガイドレールは、左右両側に2つのガイドレール部を有し、それに加えて、手摺入込口は、上下層階の各乗降口の両側に4ヶ所存在する。よって、クリップガイドの押込作業を1基のエスカレーターにつき合計8回行わなければならず、クリップガイドの交換にかなりの時間および労力が必要になる。
そこで、本開示の目的は、クリップガイドの取り換えの労力を低減できるクリップガイド押込治具及び方法を提供することにある。
上記課題を解決するため、本開示に係るクリップガイド押込治具は、乗客コンベアの手摺ガイドレールへクリップガイドを装着する際に用いられるクリップガイド押込治具であって、前記クリップガイドの一部を少なくとも一部に収容するクリップガイド収容溝を有する本体と、前記本体において前記クリップガイド収容溝の形成側とは反対側の裏側外面部に接続され、手で握ることができる把持部を含む取手と、前記クリップガイド収容溝の内面に固定されると共に前記クリップガイドの一部を前記クリップガイド収容溝の幅方向に挟持する挟持部を含み、弾性を有する弾性部と、を備える。
本開示のクリップガイド押込治具を用いたクリップガイドの取り換えは、例えば次のように実行される。詳しくは、先ず、移動手摺においてトラス外に位置する部分を手摺ガイドレールから取り外した状態、より詳しくは、移動手摺を手摺入込口のところまで手摺ガイドレールから取り外した状態で、乗降口において古いクリップガイドを引き抜く。
次に、新しいクリップガイドの先端部を、ブーツの端面周辺の手が届く手摺ガイドレールの一部分に、手や既存の専用工具で嵌め込む。この嵌め込みは、例えば、ブーツから5〜15cm離れた箇所まで実行される。その後、移動手摺において手摺ガイドレールから外れている部分における先端側の一部を、クリップガイドにおいて手摺ガイドレールに嵌合している嵌合部の先端側を覆うように手摺ガイドレールに嵌め込む。
続いて、本開示のクリップガイド押込治具(以下、単に治具と述べる)の挟持部で、クリップガイドにおける嵌合部の一部を少なくとも含む部分を挟持する。なお、この挟持を行う際、治具の挟持部で、クリップガイドの嵌合部の先端側とは反対側の端部を挟持すると共に、挟持部の延在方向の全ての部分で嵌合部を挟持しないようにすると、以下で説明するクリップガイドの一回の押し込み量(ストローク)を長くできると共に、治具を移動させる際に生じるクリップガイドと手摺ガイドレールとの摩擦力も小さくでき、治具を移動させ易くなって好ましい。
続いて、人が治具の取手を持って治具をクリップガイドにおける嵌合部存在側の先端側に押し出して、クリップガイドの嵌合部の先端側をトラスの内側方向に押し込む。治具が、移動手摺において手摺ガイドレールに嵌合している箇所の周辺まで移動して、治具を移動させにくくなると、治具を一旦、クリップガイドから取り外す。
その後、クリップガイドにおける手摺ガイドレールに嵌合していない箇所におけるブーツの端面の周辺部分を手や既存治具で手摺ガイドレールの一部分に嵌め込む。この嵌め込みは、例えば、ブーツから5〜15cm離れた箇所まで実行される。続いて、治具の挟持部で、クリップガイドにおいて新たに嵌め込んだ嵌合部の先端側とは反対側の端部を挟持し、治具をクリップガイドにおける嵌合部存在側の先端側に押し出して、クリップガイドの嵌合部の先端側をトラスの内側方向に押し込む。この治具の取り付け、治具の押し出し、クリップガイドの一部の手摺ガイドレールへの手や既存治具による嵌め込み、及び再度の治具の取り付けで構成される一連の動作を複数回繰り返す。クリップガイドの先端がストッパに接触すると、クリップガイド押込作業を終了する。
本開示の治具によれば、弾性を有してクリップガイドの一部をクリップガイド収容溝の幅方向に挟持する挟持部を含んでいるので、治具とクリップガイドの静止摩擦力を大きくでき、クリップガイドを治具に堅固に一時固定できる。また、治具が把持部を含む取手を有するので、取手を用いて力を効率的に治具に付与することができ、治具を所望の方向に容易に移動させることができる。したがって、クリップガイドの一部を治具の挟持部に挟持させた後、人が取手を使ってクリップガイドを押込側に動かすだけで、クリップガイドの押込を容易に実行できる。よって、クリップガイドのブーツの奥側への押込動作を効率的かつ容易に実行でき、クリップガイドの取り換えの労力を低減できる。更には、本開示の治具を用いれば、クリップガイドの嵌合部の交差により、クリップガイドの嵌合部の素手によるブーツ奥側への押込みが極めて困難な場合でも、クリップガイドの押込みを実行できる。その結果、従来このような場合に行われてきた分解作業を行う必要がないので、そのような場合に、クリップガイドの交換作業の労力を各段に低減できる。
また、本開示において、前記挟持部が、その挟持部の間に存在する隙間の前記幅方向の長さが前記クリップガイド収容溝の深さ方向の底側に行くにしたがって徐々に小さくなる内面部を含んでもよい。
上記構成によれば、長尺状のクリップガイドの幅方向の一方側を上記内面部の深さ方向の底側に押し込むだけで、クリップガイドの延在方向の一部を、挟持部に容易かつ堅固に挟持させることができる。
また、本開示において、前記本体及び前記取手が、金属で形成され、前記本体が、直線に略平行に延在し、前記把持部が、前記本体に略平行に延在してもよい。
治具の本体及び把持部が略平行な状態で直線状に延在している場合、力を本体の延在方向に効率的に伝え易く、かつ、本体がある程度の剛性及び重さを持っていることで、クリップガイドに大きな力を効率的に付与し易い。
上記構成によれば、本体及び取手が金属で形成され、本体及び把持部が直線状かつ略平行に延在しているので、クリップガイドに大きな押出力を容易に付与でき、クリップガイドの嵌合部を手摺ガイドレールのストッパ側に容易に押し込むことができる。
また、本開示において、前記クリップガイド収容溝が、前記本体の長手方向の一端から他端まで延在し、前記挟持部が、前記長手方向に延在して、前記挟持部の前記長手方向の両端が、前記長手方向に開口してもよい。
上記構成によれば、クリップガイド収容溝が、本体の長手方向の一端から他端まで延在しており、治具を形成し易い。また、クリップガイド収容溝が、本体の長手方向の一端から他端まで延在し、更に、挟持部が、長手方向に延在して、挟持部の長手方向の両端が、長手方向に開口しているので、クリップガイドを挟持部に挟持させる際に可能なクリップガイドの姿勢の自由度を大きくできる。よって、クリップガイドを容易かつ円滑に挟持部に挟持させ易い。
また、本開示において、前記本体及び前記取手が金属で形成される一方、前記弾性部がゴムで形成され、前記本体が、前記クリップガイド収容溝の深さ方向の底面を画定する底板部を有し、前記取手が、前記把持部の前記延在方向の第1端部と前記底板部における前記クリップガイド収容溝側とは反対側の裏面の第1箇所とを接続する第1接続部と、前記把持部の前記延在方向の第2端部と前記裏面の第2箇所とを接続する第2接続部とを有してもよい。
上記構成によれば、把持部の両側に把持部の端部と本体とを接続する接続部を有し、この二つの接続部を滑り止めとして用いることができる。したがって、人が取手をしっかり握ることができ、取手に大きな力を安定的に付与することができる。
また、本開示において、前記挟持部の少なくとも一方が、前記深さ方向に湾曲すると共に前記長手方向に延在する凹面を含んでもよい。
上記構成によれば、クリップガイドの開口側とは反対側に存在する湾曲部を挟持部で円滑かつ確実に挟持し易い。
また、本開示に係るクリップガイド押込方法は、乗客コンベアのクリップガイドの延在方向の一部の凹部を手摺ガイドレールの縁部に嵌合させる嵌合ステップと、前記クリップガイドにおいて前記縁部に嵌合している嵌合部の一部を少なくとも含む部分を、その凹部の開口側を請求項1乃至4のいずれか1つに記載のクリップガイド押込治具の前記クリップガイド収容溝の開口側に向けた状態で、前記挟持部に挟持させる挟持ステップと、前記嵌合ステップ及び前記挟持ステップの後、前記取手に力を付与することで前記クリップガイド押込治具を前記クリップガイドにおける前記嵌合部側の先端側に押し出すことで、前記嵌合部を押し出し方向に押し込む嵌合部押込ステップと、を含む。
本開示によれば、クリップガイドの押込動作を効率的かつ容易に実行でき、クリップガイドの取り換えの労力を低減できる。また、特に、クリップガイドの嵌合部の交差により、素手による押込みが極めて困難な場合でも、クリップガイドの押込みを実行できる。よって、従来このような場合に行われてきた分解作業を行う必要がないので、そのような場合に、クリップガイドの交換作業の労力を各段に低減できる。
また、本開示において、前記挟持ステップにおいて、前記クリップガイドの一部を前記挟持部における延在方向の一部のみに挟持させてもよい。
上記構成によれば、治具を移動させる際に生じるクリップガイドと手摺ガイドレールとの摩擦力を低減でき、治具を移動させ易い。よって、クリップガイドの押し込む動作を円滑に実行できる。
本開示に係るクリップガイド押込治具及び方法によれば、クリップガイドの取り換えの労力を低減できる。
本発明の一実施形態であるクリップガイド押込治具が用いられるエスカレーターの乗降口を示す図である。 上記エスカレーターの乗降口の側面図である。 図1のB−B線拡大断面図である。 クリップガイドの一部の斜視図である。 クリップガイド押込治具を上方から見たときの平面図である。 クリップガイド押込治具を図5に矢印Cで示す後側から見たときの背面図である。 クリップガイド押込治具を図5に矢印Dで示す後側から見たときの側面図である。 クリップガイドを挟んだ状態のクリップガイド押込治具における図7に対応する側面図であり、クリップガイドのみ断面で示す一部断面を含む側面図である。 クリップガイド押込治具を用いたクリップガイドの交換方法について説明する図である。 クリップガイド押込治具を用いたクリップガイドの交換方法について説明する図である。 クリップガイド押込治具を用いたクリップガイドの交換方法について説明する図である。 クリップガイド押込治具を用いたクリップガイドの交換方法について説明する図である。 変形例のクリップガイド押込治具における図7に対応する側面図である。 他の変形例のクリップガイド押込治具における図7に対応する側面図である。 別の変形例のクリップガイド押込治具における図7に対応する側面図である。 更なる変形性のクリップガイド押込治具における図7に対応する側面図である。
以下に、本開示に係る実施の形態について添付図面を参照しながら詳細に説明する。なお、以下において複数の実施形態や変形例などが含まれる場合、それらの特徴部分を適宜に組み合わせて新たな実施形態を構築することは当初から想定されている。また、以下の実施例では、図面において同一構成に同一符号を付し、重複する説明を省略する。また、複数の図面には、模式図が含まれ、異なる図間において、各部材における、縦、横、高さ等の寸法比は、必ずしも一致しない。また、以下で説明される構成要素のうち、最上位概念を示す独立請求項に記載されていない構成要素については、任意の構成要素であり、必須の構成要素ではない。また、本明細書で、「略」という文言を用いた場合、「大雑把に言って」という文言と同じ意味合いで用いており、「略」の要件は、人がだいたいそのように見えれば満たされる。また、以下の説明では、乗客コンベアが、エスカレーターである場合について説明を行うが、乗客コンベアは、動く歩道(移動歩道)でもよく、本開示のクリップガイド押込治具及び方法は、動く歩道に適用されてもよい。
図1は、本開示の一実施形態であるクリップガイド押込治具が用いられるエスカレーター1の乗降口12を示す図であり、図2は、図1のエスカレーター1の乗降口12の側面図である。
エスカレーター1は、上層階と下層階との間で乗客を搬送する又は移動させる周知構成のものであり、階段状に連なって移動する多数のステップ14と、ステップ14の両側にステップ移動方向に延伸して立設される欄干部16と、欄干部16上に固定された手摺ガイドレール30(図3参照)によってガイドされながらステップ14の移動に同期して移動する無端状の移動手摺18とを備える。移動手摺18は、例えばウレタンゴムで形成される。なお、本実施例では、エスカレーター1が、ステップ14および移動手摺18が矢印A方向に移動する下りエスカレーターとして運転されている場合について説明する。しかし、エスカレーター1は、ステップ14および移動手摺18が矢印A方向とは逆方向に移動する上りエスカレーターとして運転されていてもよい。
図2に示すように、エスカレーター1の下層階側の乗降口12において、移動手摺18は、Uターン領域18aを有し、移動手摺18は、このUターン領域18aにおいて移動方向を反転させ、トラス20に形成される手摺入込口21からトラス20内へと進入していく。それから、無端状の移動手摺18は、トラス20内を上層階側に向かって移動し、上層階側の乗降口においてトラス20から出た後、上記と同様にUターン領域を介して移動方向を反転させて再び矢印A方向へと移動する。このようにして移動手摺18は、下層階と上層階との間で周回移動する。
図2に示すように、移動手摺18がトラス20内に進入する手摺入込口21には、ハンドガードスイッチ装置のブーツ22が設けられている。ブーツ22は、略C字状横断面を有する移動手摺18と同様に略C字状の横断面を有する。ブーツ22は、移動手摺18の外側を若干の隙間(例えば1〜2mm程度)を空けて覆うとともにトラス20の端面から外側に例えば数センチメートル程度突出して配置される。このブーツ22の外側端面に子供(特に幼児)の手等が当たってブーツ22がトラス20の内側へ移動したことがマイクロスイッチ等により検出されると、エスカレーター1の運転を非常停止させる制御が行われるようになっている。
図1及び図2に示すように、エスカレーター1の乗降口12の床部15には、例えばステンレス等の金属からなる長方形状の平板で構成される床板32が設置されている。床板32は、両側の移動手摺18の間隔に略等しい幅を有しており、トラス20に設けられる支持部材(図示せず)上に載置または固定されて設置される。図1に示すように、床板32のステップ14側の縁部には、コムプレート34が連設されている。コムプレート34には、ステップ14の踏板上に形成される多数のクリートに対して若干の隙間を空けた状態で噛合するコム36が固定されている。
図3は、図1のB−B線拡大断面図である。図3に示すように、手摺ガイドレール30は、金属板を曲げ加工して形成されることができ、U字状の断面を有する中央部38と、中央部38の一端部から外側方に張り出したガイドレール部40と、中央部38の他端部から外側方に張り出したガイドレール部42とを有する。各ガイドレール部40,42の縁部には、クリップガイド44が嵌め込まれる。
クリップガイド44は、断面がU字状のU字状部分45を有する。このU字状部分45は湾曲部を構成する。U字状部分45は、ガイドレール部40,42の縁部に嵌め込まれ、その縁部を覆う。より詳しくは、クリップガイド44は、例えばプラスチックを押出し成形することによって細長く連続する部材として形成されたものを、適当な長さに切断して形成される。また、図4に示すように、クリップガイド44は、第1片部46及び第2片部47を有し、第1片部46と第2片部47がU字状部分45で連結され、その結果、第1片部46と第2片部47との間に凹部48が形成される。この凹部48をガイドレール部40,42にその先端側から嵌め込むことで、クリップガイド44がガイドレール部40,42に装着される。ガイドレール部40,42の先端部は、手摺ガイドレール30の縁部を構成する。
図3に示すように、手摺ガイドレール30の外側には、略C字状断面を有する移動手摺18が配置される。移動手摺18は、手摺ガイドレール30に沿って移動する際、その内面がクリップガイド44の外面上を摺接する。また、移動手摺18のさらに外側には、略C字状の端面形状をなすブーツ22が移動手摺18との間に若干の隙間を空けて、かつ、奥行き方向に移動可能に設けられている。
第2片部47は、ガイドレール部40,42における中央部38側とは反対側に配置され、ガイドレール部40,42の外面を覆う外側被覆部47aと、外側被覆部47aからU字状の中央部38の内面に沿うように延在するレール係止部47bを含む。U字状部分45が、ガイドレール部40,42の縁部に嵌め込まれ、レール係止部47bが、中央部38の内面に係止されることにより、クリップガイド44が、手摺ガイドレール30に位置決めされ、手摺ガイドレール30から離脱不可能になる。
続いて、図5〜8を参照して、本実施形態のクリップガイド押込治具(以下、単に治具という)50について説明する。図5は、治具50を上方から見たときの平面図であり、図6は、治具50を図5に矢印Cで示す後側から見たときの背面図である。また、図7は、クリップガイド押込治具を図5に矢印Dで示す後側から見たときの側面図であり、図8は、クリップガイド44を挟んだ状態の治具50における図7に対応する側面図であり、クリップガイド44のみ断面で示す一部断面を含む側面図である。
図5に示すように、治具50は、本体51と、取手52を有し、本体51は、直線に平行な一方向に延在する略長い形状を有する。また、図7に示すように、本体51は、その長手方向の一端から他端まで延在するクリップガイド収容溝53を有する。また、図6に示すように、取手52は、本体51における幅方向のクリップガイド収容溝53の形成側とは反対側の裏側外面部57に接続され、長手方向に略平行に延在する把持部58を有する。本体51、及び取手52は、金属で形成される。取手52は、本体51と一体に形成されてもよく、本体51の裏側外面部57に溶接等により接合されてもよい。
図7に示すように、本体51は、クリップガイド収容溝53の深さ方向の底面を画定する底板部60を有する。また、図5に示すように、取手52は、把持部58の延在方向の第1端部58aと底板部60におけるクリップガイド収容溝53側とは反対側の裏面63の第1箇所63aとを接続する第1接続部65と、把持部58の延在方向の第2端部58bと裏面63の第2箇所63bとを接続する第2接続部67とを有する。
より詳しくは、本実施例では、図7に示すように、本体51は、底板部60に加えて、第1側板部68と、第2側板部69を備える。第1側板部68と第2側板部69は、互いに略平行に延在してクリップガイド収容溝53の幅方向に間隔をおいて対向する。また、底板部60は、第1側板部68に略直交し、第1側板部68のクリップガイド収容溝53の深さ方向の底側の端部と第2側板部69のクリップガイド収容溝53の深さ方向の底側の端部とを連結する。図6に示すように、取手52は、底板部60におけるクリップガイド収容溝53側とは反対側の裏面に接続される。
図7に示すように、治具50は、更に、弾性を有する弾性部55を備える。弾性部55は、例えば、ゴムで形成され、クリップガイド収容溝53の内面に固着されて図7の紙面に垂直な本体51の長手方向に延在する。図8に示すように、クリップガイド収容溝53は、クリップガイド44の延在方向の一部における幅方向の少なくとも一部を、少なくとも一部に収容する。弾性部55は、クリップガイド44をクリップガイド収容溝53の幅方向に挟持する挟持部55a,55bを含む。
挟持部55a,55bは、治具50の延在方向の一端から他端まで存在してもよく、本体51の延在方向に関して、治具50の一部のみに存在して治具50の延在方向に延在してもよい。挟持部55a,55bは、その隙間の幅方向の長さがクリップガイド収容溝53の深さ方向の底側に行くにしたがって徐々に小さくなる内面部70を有する。これにより、クリップガイド44を、クリップガイド収容溝53の開口側からクリップガイド収容溝53に円滑に挿入でき、挟持部55a,55bで堅固に挟持できる。
更には、挟持部55の一方55bが、深さ方向に湾曲すると共に長手方向に延在する凹面71を含み、クリップガイド44は、U字状部分45の外面の一部が凹面71に接触することで凹面71に摩擦力で係止される。この構成を採用することで、クリップガイド44をクリップガイド収容溝53の開口側からクリップガイド収容溝53に更に円滑に挿入できる。また、クリップガイド44を、弾性部55に更に円滑に係止させ易く、かつ、弾性部55からの離脱も円滑に実行し易い。なお、挟持部55の一方55bが、深さ方向に湾曲すると共に長手方向に延在する凹面71を含む場合について説明した。しかし、挟持部の両方が、深さ方向に湾曲すると共に長手方向に延在する凹面を含んでもよく、挟持部の両方が、そのような凹面を有さなくてもよい。
本実施例のように、凹面71の曲率が、クリップガイド44のU字状部分45の外面の曲率よりも小さな曲率を有している状態で、U字状部分45が弾性部55の弾性力に抗してクリップガイド収容溝53の深さ側に押し込まれると、クリップガイド収容溝53の延在方向であるスライド方向に強い摩擦力を発生させることができる。よって、クリップガイド44が治具50に対してすべりを生じることがなく、治具50でクリップガイド44を強く前側に押し出すことができる。
なお、図7に矢印Eで示す挟持部55a,55bの内面で画定されるクリップガイド挟持溝74の開口の幅が、外力を受けていない状態のクリップガイド44の最大厚さに略等しくてもよい。また、矢印Fで示すクリップガイド挟持溝74の開口から5mm深さの地点でのクリップガイド挟持溝74の幅が、外力を受けていない状態のクリップガイド44の最大厚さよりも0.5mm以上1.5mm以下小さくてもよく、例えば、クリップガイド44の最大厚さよりも1.0mm小さくてもよい。クリップガイド44の最大厚さが、これらの寸法要件を満たせば、クリップガイド44をクリップガイド挟持溝74に円滑に挟持させ易いと共に、クリップガイド挟持溝74からのクリップガイド44の離脱も円滑に実行できて好ましい。
次に、図9乃至図12を用いて、治具50を用いたクリップガイド44の交換方法について説明する。治具50は、クリップガイド44の交換時に、エスカレーター1の乗降口に位置する手摺入込口21において手摺ガイドレール30と移動手摺18との間の隙間に手摺ガイドレール30の縁部を覆うクリップガイド44を押し込むために用いられることができる。より詳しく説明すると、まず、クリップガイド44の交換を行う作業者は、ハンドガードスイッチ装置のブーツ22の端面近傍位置まで、適当な又は専用工具を用いて移動手摺18(図1参照)を手摺ガイドレール30から取り外した後、乗降口において古いクリップガイドを引き抜いて、手摺ガイドレール30から引き離す。
次に、図9に示すように、新しいクリップガイド44の先端部を、ブーツの端面周辺の手が届く手摺ガイドレール30の一部分に、手や既存の専用工具で嵌め込む。この嵌め込みは、例えば、ブーツから5〜15cm離れた箇所まで実行される。また、その後、図10に示すように、移動手摺18において手摺ガイドレールから外れている部分18aにおける先端側の一部を、クリップガイド44において手摺ガイドレール30(図9参照)に嵌合している嵌合部78の先端側を覆うように手摺ガイドレール30に嵌め込む。移動手摺18でクリップガイド44の嵌合部78の先端側を覆うことで、クリップガイド44を移動手摺18と手摺ガイドレール30の間に押し込むことが可能になる。
続いて、図11に示すように、治具50の挟持部55a,55b(図7参照)で、クリップガイド44における嵌合部78の一部を少なくとも含む部分を挟持する。なお、この挟持を行う際、治具50の挟持部55a,55bで、クリップガイド44の嵌合部78の先端側とは反対側の端部を挟持すると共に、挟持部55a,55bの延在方向の全ての部分で嵌合部78を挟持しないようにすると、以下で説明するクリップガイドの一回の押し込み量(ストローク)を長くできると共に、治具50を移動させる際に生じるクリップガイド44と手摺ガイドレール30との摩擦力も小さくでき、治具50を移動させ易くなって好ましい。
続いて、人が治具50の取手52を持って治具50をクリップガイド44における嵌合部78存在側の先端側に押し出して、クリップガイド44の嵌合部78の先端側をトラスの内側方向に押し込む。治具50が、移動手摺18において手摺ガイドレール30(図9参照)に嵌合している箇所の周辺まで移動して、治具50を移動させにくくなると、治具50を一旦、クリップガイド44から取り外す。
その後、クリップガイド44における手摺ガイドレール30に嵌合していない箇所におけるブーツの端面の周辺部分を手や既存治具で手摺ガイドレール30の一部分に嵌め込む。この嵌め込みは、例えば、ブーツから5〜15cm離れた箇所まで実行される。続いて、治具50の挟持部55a,55bで、クリップガイド44において新たに嵌め込んだ嵌合部の先端側とは反対側の端部を挟持し、治具50をクリップガイド44における嵌合部存在側の先端側に押し出して、クリップガイド44の嵌合部の先端側をトラスの内側方向に押し込む。
この治具50の取り付け、治具50の押し出し、クリップガイド44の一部の手摺ガイドレール30への手や既存治具による嵌め込み、及び再度の治具50の取り付けで構成される一連の動作を、クリップガイド44の嵌合部78が手摺ガイドレール30の先端部に存在するストッパ(図示せず)に到達するまで複数回繰り返す。このようにして、手摺入込口21からトラス内に延びる手摺ガイドレール部分についてのクリップガイド44の押込作業を完了する。この押込作業は、図12、すなわち、治具50の取り付け動作が完了した瞬間を上から見たときの模式平面図に示すように、同じ手摺ガイドレール30のもう一方のガイドレール部42についても実行され、同様に、1基のエスカレーター1について8ヶ所で同様に実行される。なお、図12に示す状態から、治具50は、矢印Gに示す方向に押し出されることになるが、クリップガイド44の嵌合部78の一部を、挟持部55a,55b(図7参照)における延在方向の全てでなくて一部のみに挟持させている状態では、図12に示すように、治具50の長手方向が、手摺ガイドレール30の延在方向に対して傾斜することになる。この場合、上述のように、治具50を移動させる際に生じるクリップガイド44と手摺ガイドレール30との摩擦力を小さくでき、治具50を移動させ易い。なお、図12に示す挟持状態とは異なり、クリップガイド44の嵌合部78の一部を、挟持部55a,55b(図7参照)における延在方向の全てに挟持させている状態で治具50を矢印Gに示す方向に押し出してもよい。その後、移動手摺18におけるトラス外に位置する部分を外した状態で、エスカレーター1のトラス外に位置する手摺ガイドレール部分にクリップガイド44を手や専用工具で嵌め込んで装着することで、手摺ガイドレール30に対するクリップガイド44の装着が完了する。
以上、本開示に係る治具50は、エスカレーター1の手摺ガイドレール30へクリップガイド44を装着する際に用いられる。また、治具50は、クリップガイド44の一部を少なくとも一部に収容するクリップガイド収容溝53を有する本体51と、本体51においてクリップガイド収容溝53の形成側とは反対側の裏側外面部57に接続され、手で握ることができる把持部58を含む取手52を備える。また、治具50は、弾性を有する弾性部55を備え、弾性部55は、クリップガイド収容溝53の内面に固定されると共にクリップガイド44の一部をクリップガイド収容溝53の幅方向に挟持する挟持部55a,55bを含む。
したがって、弾性を有してクリップガイド44の一部をクリップガイド収容溝53の幅方向に挟持する挟持部55a,55bを含んでいるので、治具50とクリップガイド44の静止摩擦力を大きくでき、クリップガイド44を治具50に堅固に一時固定できる。また、治具50が把持部58を含む取手52を有するので、取手52を用いて力を効率的に治具50に付与することができ、治具50を所望の方向に容易に移動させることができる。したがって、クリップガイド44の一部を治具50の挟持部55a,55bに挟持させた後、人が取手52を使ってクリップガイド44を押込側に動かすだけで、クリップガイド44の先端側の嵌合部78をブーツ22の奥側に容易に移動させることができる。よって、クリップガイド44のブーツの奥側への押込動作を効率的かつ容易に実行でき、クリップガイドの取り換えの労力を低減できる。更には、本開示の治具50を用いれば、クリップガイド44の嵌合部の交差により、素手による嵌合部78のブーツ奥側への押込みが極めて困難な場合でも、クリップガイド44の押込みを実行できる。その結果、従来このような場合に行われてきた分解作業を行う必要がないので、そのような場合に、クリップガイド44の交換作業の労力を各段に低減できる。
また、挟持部55a,55bが、その挟持部55a,55bの間に存在する隙間の幅方向の長さがクリップガイド収容溝53の深さ方向の底側に行くにしたがって徐々に小さくなる内面部70を含んでもよい。
本構成によれば、長尺状のクリップガイド44の幅方向の一方側を内面部70の深さ方向の底側に押し込むだけで、クリップガイド44の延在方向の一部を、挟持部55a,55bに容易かつ堅固に挟持させることができる。
また、本体51及び取手52が、金属で形成され、本体51が、直線に略平行に延在し、把持部58が、本体51に略平行に延在してもよい。
治具50の本体51及び把持部58が略平行な状態で直線状に延在している場合、力を本体51の延在方向に効率的に伝え易く、かつ、本体51がある程度の剛性及び重さを持っていることで、クリップガイド44に大きな力を効率的に付与し易い。
上記構成によれば、本体51及び取手52が金属で形成され、本体51及び把持部58が直線かつ略平行に延在しているので、クリップガイド44に大きな押出力を容易に付与でき、クリップガイド44の嵌合部78を手摺ガイドレール30のストッパ側に容易に押し込むことができる。
なお、本開示の治具では、本体は、必ずしも直線状に延在している必要はなく、把持部も、本体と略平行に延在している必要はない。
また、図7に示すように、クリップガイド収容溝53が、本体51の長手方向の一端から他端まで延在し、挟持部55a,55bが、その長手方向に延在して、挟持部55a,55bの長手方向の両端が、長手方向に開口してもよい。
上記構成によれば、クリップガイド収容溝53が、本体51の長手方向の一端から他端まで延在しており、治具50を形成し易い。また、クリップガイド収容溝53が、本体51の長手方向の一端から他端まで延在し、更に、挟持部55a,55bが、長手方向に延在して、挟持部55a,55bの長手方向の両端が、長手方向に開口しているので、クリップガイド44を挟持部55a,55bに挟持させる際に可能なクリップガイド44の姿勢の自由度を大きくできる。よって、クリップガイド44を容易かつ円滑に挟持部55a,55bに挟持させ易い。
なお、本開示の治具では、クリップガイド収容溝は、本体の長手方向の一端から他端まで延在している必要はない。例えば、本開示の治具では、クリップガイド収容溝の一端又は両端に、クリップガイド収容溝がその延在方向の外部に開口するのを防ぐ封鎖部が設けられていてもよく、クリップガイド収容溝が、本体の長手方向の一端から他端まで延在していなくてもよい。また、挟持部も、その長手方向に延在して、挟持部の長手方向の両端が、長手方向に開口していなくてもよい。
また、本体51及び取手52が金属で形成される一方、弾性部55がゴムで形成されてもよく、本体51が、クリップガイド収容溝53の深さ方向の底面を画定する底板部60を有してもよい。また、取手52が、把持部58の延在方向の第1端部58aと底板部60におけるクリップガイド収容溝53側とは反対側の裏面63の第1箇所63aとを接続する第1接続部65と、把持部の58の延在方向の第2端部58bと裏面63の第2箇所63bとを接続する第2接続部67とを有してもよい。
本構成によれば、把持部58の両側にその端部58a,58bと本体51とを接続する接続部65,67を有し、この二つの接続部65,67を滑り止めとして用いることができる。したがって、人が取手52をしっかり握ることができ、取手52に大きな力を安定的に付与することができる。
また、挟持部55a,55bの少なくとも一方が、深さ方向に湾曲すると共に長手方向に延在する凹面71を含んでもよい。
本構成によれば、クリップガイド44の開口側とは反対側に存在するU字状部分45を挟持部55a,55bで円滑かつ確実に挟持し易い。
また、本開示に係るクリップガイド押込方法は、エスカレーター1のクリップガイド44の延在方向の一部の凹部を手摺ガイドレール30の縁部に嵌合させる嵌合ステップを含む。また、本開示に係るクリップガイド押込方法は、クリップガイド44において上記縁部に嵌合している嵌合部78の一部を少なくとも含む部分を、その凹部の開口側を治具50のクリップガイド収容溝53の開口側に向けた状態で、挟持部55a,55bに挟持させる挟持ステップを含む。また、本開示に係るクリップガイド押込方法は、嵌合ステップ及び挟持ステップの後、取手52に力を付与することで治具50をクリップガイド44における嵌合部78側の先端側に押し出すことで、嵌合部78を押し出し方向に押し込む嵌合部押込ステップを含む。なお、嵌合ステップと、挟持ステップは、どちらを先に実行してもよく、同時に実行される期間を含んでもよい。
本開示によれば、クリップガイド44の押込動作を効率的かつ容易に実行でき、クリップガイド44の取り換えの労力を低減できる。また、特に、クリップガイド44の嵌合部78の交差により、素手による押込みが極めて困難な場合でも、クリップガイド44の押込みを実行できる。よって、従来このような場合に行われてきた分解作業を行う必要がないので、そのような場合に、クリップガイドの交換作業の労力を各段に低減できる。
また、挟持ステップにおいて、クリップガイド44の一部を挟持部55a,55bにおける延在方向の一部のみに挟持させてもよい。
本構成によれば、治具50を移動させる際に生じるクリップガイド44と手摺ガイドレール30との摩擦力を低減でき、治具50を移動させ易い。よって、クリップガイド44の押し込む動作を円滑に実行できる。
尚、本開示に係る治具は、上述した形態のものに限定されず、種々の変更や改良が可能である。
例えば、上記実施形態では、本体51及び取手52が金属で形成される一方、弾性部55がゴムで形成される場合について説明した。しかし、本体及び取手は、常温(20℃±15℃(5〜35℃)においてゴムよりも硬い熱可塑性樹脂や熱硬化性樹脂で構成されてもよい。また、弾性部は、ゴム以外の材料、例えば、弾性を有するエポキシ樹脂や弾性を有するシリコン樹脂等で構成されてもよい。
また、図7に示すように、挟持部55a,55bの幅方向の寸法が、クリップガイド挟持溝74の深さ方向の底側に行くにしたがって徐々に小さくなる場合について説明した。また、挟持部55a,55bの内面が、深さ方向に湾曲すると共に長手方向に延在する凹面71を有する場合について説明した。
しかし、図13、すなわち、変形例の治具150における図7に対応する側面図に示すように、挟持部155a,155bの内面は、湾曲面を有さなくてもよい。そして、矢印Hで示す挟持部155a,155bの幅方向の寸法が、クリップガイド挟持溝174の深さ方向の底側に行くにしたがって徐々に小さくなってもよい。
又は、図14、すなわち、他の変形例の治具250における図7に対応する側面図に示すように、矢印Iで示す挟持部255a,255bの幅方向の寸法が、クリップガイド挟持溝274の深さ方向で変化せずに一定でもよく、クリップガイド44の最大厚さよりも短くてもよい。そして、挟持部255a,255bの幅方向の寸法を拡大するように、クリップガイド44をクリップガイド挟持溝274に押し込むことで、クリップガイド44(図14では図示せず)を挟持部255a,255bに静止摩擦力で係止してもよい。
また、本体51が、底板部60、第1側板部68、及び第2側板部69を備え、第1側板部68と第2側板部69は、互いに略平行に延在し、底板部60が、第1側板部68及び第2側板部69の一方側端部同士を連結し、第1側板部68に直交する場合について説目した。
しかし、図15、すなわち、別の変形例の治具350における図7に対応する側面図に示すように、本体351が、断面略U字形状を有してもよく、断面において内面359がV字形状になるように弾性部355を本体351の内面に固着してもよい。
又は、図16、すなわち、更なる変形性の治具450における図7に対応する側面図に示すように、本体451が、断面略U字形状を有してもよく、断面において内面459がU字形状になるように断面U字状の弾性部455を本体451の内面に沿うように固着してもよい。
要は、本開示の治具は、クリップガイドの一部を少なくとも一部に収容するクリップガイド収容溝を有する本体と、本体においてクリップガイド収容溝の形成側とは反対側の裏側外面部に接続され、手で握ることができる把持部を含む取手と、クリップガイド収容溝の内面に固定されると共にクリップガイドの一部をクリップガイド収容溝の幅方向に挟持する挟持部を含み、弾性を有する弾性部と、を備えれば、如何なる構造を有してもよい。
1 エスカレーター、 18 移動手摺、 30 手摺ガイドレール、 40,42 ガイドレール部、 44 クリップガイド、 45 U字状部分、 48 凹部、 50,150,250,350,450 治具、 51,351,451 本体、 52 取手、 53 クリップガイド収容溝、 55,355,455 弾性部、 55a,55b,155a,155b,255a,255b 挟持部、 57 裏側外面部、 58 把持部、 58a 第1端部、 58b 第2端部、 60 底板部、 63 裏面、 65 第1接続部、 67 第2接続部、 70 内面部、 71 凹面、 78 嵌合部、 359,459 内面。

Claims (8)

  1. 乗客コンベアの手摺ガイドレールへクリップガイドを装着する際に用いられるクリップガイド押込治具であって、
    前記クリップガイドの一部を少なくとも一部に収容するクリップガイド収容溝を有する本体と、
    前記本体において前記クリップガイド収容溝の形成側とは反対側の裏側外面部に接続され、手で握ることができる把持部を含む取手と、
    前記クリップガイド収容溝の内面に固定されると共に前記クリップガイドの一部を前記クリップガイド収容溝の幅方向に挟持する挟持部を含み、弾性を有する弾性部と、
    を備えるクリップガイド押込治具。
  2. 前記挟持部が、その挟持部の間に存在する隙間の前記幅方向の長さが前記クリップガイド収容溝の深さ方向の底側に行くにしたがって徐々に小さくなる内面部を含む、請求項1に記載のクリップガイド押込治具。
  3. 前記本体及び前記取手が、金属で形成され、
    前記本体が、直線に略平行に延在し、
    前記把持部が、前記本体に略平行に延在する、請求項1又は2に記載のクリップガイド押込治具。
  4. 前記クリップガイド収容溝が、前記本体の長手方向の一端から他端まで延在し、
    前記挟持部が、前記長手方向に延在して、前記挟持部の前記長手方向の両端が、前記長手方向に開口している、請求項3に記載のクリップガイド押込治具。
  5. 前記本体及び前記取手が金属で形成される一方、前記弾性部がゴムで形成され、
    前記本体が、前記クリップガイド収容溝の深さ方向の底面を画定する底板部を有し、
    前記取手が、前記把持部の前記延在方向の第1端部と前記底板部における前記クリップガイド収容溝側とは反対側の裏面の第1箇所とを接続する第1接続部と、前記把持部の前記延在方向の第2端部と前記裏面の第2箇所とを接続する第2接続部とを有する、請求項1乃至3のいずれか1つに記載のクリップガイド押込治具。
  6. 前記挟持部の少なくとも一方が、前記深さ方向に湾曲すると共に前記長手方向に延在する凹面を含む、請求項1乃至4のいずれか1つに記載のクリップガイド押込治具。
  7. 乗客コンベアのクリップガイドの延在方向の一部の凹部を手摺ガイドレールの縁部に嵌合させる嵌合ステップと、
    前記クリップガイドにおいて前記縁部に嵌合している嵌合部の一部を少なくとも含む部分を、その凹部の開口側を請求項1乃至4のいずれか1つに記載のクリップガイド押込治具の前記クリップガイド収容溝の開口側に向けた状態で、前記挟持部に挟持させる挟持ステップと、
    前記嵌合ステップ及び前記挟持ステップの後、前記取手に力を付与することで前記クリップガイド押込治具を前記クリップガイドにおける前記嵌合部側の先端側に押し出すことで、前記嵌合部を押し出し方向に押し込む嵌合部押込ステップと、
    を含む、クリップガイド押込方法。
  8. 前記挟持ステップにおいて、前記クリップガイドの一部を前記挟持部における延在方向の一部のみに挟持させる、請求項7に記載のクリップガイド押込方法。
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