JP6846386B2 - エンジン - Google Patents

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Description

本開示は、エンジンに関する。
舶用のエンジンでは、クロスヘッド型が用いられることがある。例えば、特許文献1に記載のエンジンでは、クロスヘッド内に油圧ピストンが配され、油圧ピストンが油圧によって作動することで、ピストンの上死点位置および下死点位置が移動する。これにより、エンジンの幾何的な圧縮比が可変される。
特開2014−020375号公報
ところで、クロスヘッド型のエンジンでは、シリンダライナの下部に掃気ポートが設けられている。クロスヘッド型のエンジンでは、ピストンが下死点位置近傍に移動した際に、掃気ポートを介してシリンダライナ内に活性ガスが導入される。
しかしながら、特許文献1に記載のエンジンでは、ピストンの下死点位置がより下方に移動された場合、ピストンが下死点位置に到達しても、掃気ポートがピストンによって塞がれてしまうおそれがある。
そこで、シリンダライナを、上部ライナと、掃気ポートが形成された下部ライナとに分割し、ピストンの下死点位置に応じて下部ライナを軸方向に移動させることが考えられる。
この場合、上部ライナと下部ライナとの間に隙間が形成されることになるため、隙間にピストンリングが到達したときに、ピストンリングが径方向に広がる。ピストンリングが径方向に広がると、ピストンリングが隙間を通過する際に、上部ライナまたは下部ライナと、ピストンリングとが接触することになる。
そして、ピストンリングが接触することによる衝撃が大きいと、上部ライナ、下部ライナおよびピストンリングが損傷するおそれがある。
本開示は、このような課題に鑑み、シリンダライナおよびピストンリングの損傷を低減することが可能なエンジンを提供することを目的としている。
上記課題を解決するために、本開示の一態様に係るエンジンは、ピストンが摺動可能な上部ライナと、掃気ポートが形成され、ピストンが摺動可能であり、上部ライナにおけるピストンの下死点側に接続される下部ライナと、上部ライナの下端に設けられ、下死点側に突出した複数の上部突出部、および、上部突出部の間に設けられた複数の上部溝部が形成された上部連結部と、下部ライナの上端に設けられ、上部突出部が挿入される複数の下部溝部と、上部溝部に挿入される複数の下部突出部が形成された下部連結部と、を備え、複数の上部突出部は、上部ライナの軸方向において異なる2以上の高さに形成され、複数の下部突出部は、下部ライナの軸方向において異なる2以上の高さに形成される。
上部突出部および下部突出部は、軸方向に延在するとよい。
上部突出部および下部突出部は、上部ライナおよび下部ライナの周方向に複数個に分割した範囲ごとに、軸方向の高さが異なるとよい。
上部突出部および下部突出部は、上部ライナおよび下部ライナの周方向に複数個に分割した範囲ごとに、軸方向の高さが交互に異なるとよい。
本開示のエンジンによれば、シリンダライナおよびピストンリングの損傷を低減することが可能となる。
エンジンの全体構成を示す説明図である。 ピストンロッドとクロスヘッドピンとの連結部分を抽出した抽出図である。 エンジンの機能ブロック図である。 上部ライナおよび下部ライナの構成を説明する図である。 ピストンが上部連結部および下部連結部を移動する際の様子を説明する図である。
以下に添付図面を参照しながら、本開示の実施形態について詳細に説明する。実施形態に示す寸法、材料、その他具体的な数値等は、理解を容易とするための例示にすぎず、特に断る場合を除き、本開示を限定するものではない。なお、本明細書および図面において、実質的に同一の機能、構成を有する要素については、同一の符号を付することにより重複説明を省略する。また本開示に直接関係のない要素は図示を省略する。
図1は、エンジン1の全体構成を示す説明図である。なお、以下では、ピストン5が下死点から上死点側に向かう方向を上方向とし、ピストン5が上死点から下死点に向かう方向を下方向として説明する。また、シリンダライナ3の軸方向、径方向および周方向を、単に、軸方向、径方向および周方向と称する。
図1に示すように、エンジン1は、シリンダライナ3が設けられる。シリンダライナ3は、上部ライナ100および下部ライナ200により構成される。上部ライナ100および下部ライナ200は、略円筒形状に形成されており、内径が同一である。上部ライナ100および下部ライナ200は、同一軸上に配置されている。上部ライナ100は、不図示のシリンダブロックに固定されている。下部ライナ200は、アクチュエータ300によって軸方向に移動可能に支持されている。上部ライナ100の下端(図1中の下端)と、下部ライナ200の上端とは、下部ライナ200が軸方向に移動可能に連結されている。シリンダライナ3(上部ライナ100および下部ライナ200)は、内部にピストン5が摺動可能に配置される。なお、上部ライナ100および下部ライナ200の詳細については後述する。
ピストン5は、シリンダライナ3内を往復移動する。ピストン5の外周面5aには、外周溝5bが形成される。外周溝5bには、ピストンリング5cが取り付けられる。ピストンリング5cの外径は、シリンダライナ3の内径より大きく形成されている。ピストンリング5cは、シリンダライナ3内に挿入される際に、径方向内側に縮ませながら挿入される。したがって、ピストンリング5cは、シリンダライナ3内において径方向外側に拡がろうとする力(弾性力)が常にかかっている。なお、ピストンリング5c、外周溝5bが一組設けられる場合について説明した。しかし、ピストンリング5c、外周溝5bより下死点位置側に、1または複数のピストンリング、外周溝がさらに設けられてもよい。
ピストン5には、ピストンロッド7の一端が取り付けられている。ピストンロッド7の他端には、クロスヘッド9のクロスヘッドピン11が連結される。クロスヘッド9は、ガイドシュー9aにより、図1中、左右方向(ピストン5のストローク方向に垂直な方向)の移動が規制される。クロスヘッド9は、ガイドシュー9aがガイドされて、ピストン5と一体に往復移動する。
クロスヘッドピン11は、連接棒13の一端に設けられたクロスヘッド軸受15に回転可能に軸支されている。クロスヘッドピン11は、連接棒13の一端を支持している。ピストンロッド7の他端と連接棒13の一端は、クロスヘッド9を介して接続される。
連接棒13の他端には、クランクシャフト17のクランクピン17aが連結される。クランクピン17aは、連接棒13の他端に設けられたすべり軸受19に回転可能に軸支されている。ピストン5と一体に連接棒13が往復移動すると、クランクシャフト17が回転する。
シリンダライナ3の上端には、シリンダカバー21が設けられる。シリンダカバー21には、排気弁箱23が挿通される。排気弁箱23の一端は、ピストン5に臨んでいる。排気弁箱23の一端には、排気ポート23aが開口する。排気ポート23aは、燃焼室25に開口する。燃焼室25は、シリンダカバー21とシリンダライナ3とピストン5に囲繞されて形成される。
燃焼室25には、排気弁27の弁体が位置する。排気弁27のロッド部には、排気弁駆動装置29が取り付けられる。排気弁駆動装置29は、排気弁箱23に配される。排気弁駆動装置29は、排気弁27をピストン5のストローク方向に移動させる。
排気弁27がピストン5側に移動して開弁すると、燃焼室25内で生じた燃焼後の排気ガスが、排気ポート23aから排気される。排気後、排気弁27が排気弁箱23側に移動して、排気ポート23aが閉弁される。
排気管31は、排気弁箱23および過給機Tに取り付けられる。排気管31の内部は、排気ポート23aおよび過給機Tのタービン(不図示)に連通する。排気ポート23aから排気された排気ガスは、排気管31を通って過給機Tのタービンに供給された後、外部に排気される。
また、過給機Tのコンプレッサ(不図示)によって、活性ガスが加圧される。ここで、活性ガスは、例えば、空気である。加圧された活性ガスは、掃気溜33において、冷却器35によって冷却される。シリンダライナ3の下端は、シリンダジャケット37で囲繞される。シリンダジャケット37の内部には、掃気室39が形成される。冷却後の活性ガスは、掃気室39に圧入される。
シリンダライナ3の下部ライナ200には、掃気ポート3aが形成されている。掃気ポート3aは、シリンダライナ3の内周面から外周面まで貫通する孔である。掃気ポート3aは、シリンダライナ3の周方向に離隔して複数設けられている。ピストン5が掃気ポート3aより下死点側に移動すると、掃気室39とシリンダライナ3内の差圧によって、掃気ポート3aからシリンダライナ3内に活性ガスが吸入される。
また、シリンダカバー21には、燃料噴射弁41が設けられる。燃料噴射弁41の先端は燃焼室25側に向けられる。燃料噴射弁41は、燃焼室25に液体燃料(燃料油)を噴出する。液体燃料が燃焼し、その膨張圧によってピストン5が往復移動する。
図2は、ピストンロッド7とクロスヘッドピン11との連結部分を抽出した抽出図である。図2に示すように、クロスヘッドピン11には、ピストン5側の外周面に平面部11aが形成される。平面部11aは、ピストン5のストローク方向に対して、大凡垂直な方向に延在する。
クロスヘッドピン11には、ピン穴11bが形成される。ピン穴11bは、平面部11aに開口する。ピン穴11bは、平面部11aからストローク方向に沿ってクランクシャフト17側(図2中、下側)に延在する。
クロスヘッドピン11の平面部11aには、カバー部材43が設けられる。カバー部材43は、締結部材45によってクロスヘッドピン11の平面部11aに取り付けられる。カバー部材43は、ピン穴11bを覆う。カバー部材43には、ストローク方向に貫通するカバー孔43aが設けられる。
ピストンロッド7は、端部7aおよび軸部7bを有する。端部7aの外径は、軸部7bの外径よりも大きい。端部7aは、ピストンロッド7の他端(下端)に形成される。端部7aは、クロスヘッドピン11のピン穴11bに挿通される。軸部7bは、端部7aよりピストンロッド7の一端側(上端側)に形成される。軸部7bは、カバー部材43のカバー孔43aに挿通される。
ピン穴11bは、端部7aによってストローク方向に仕切られる。端部7aによって仕切られたピン穴11bの下方向側の空間は、油圧室47になる。油圧室47は、ピン穴11bおよび端部7aに囲繞されて形成される。
油圧室47の一面を形成するピン穴11bの底面には、油路49の一端が開口する。油路49の他端は、クロスヘッドピン11の外部に開口する。油路49の他端には、油圧配管51が接続される。油圧配管51には、油圧センサSa(検出部)が設けられる。油圧センサSaによって油圧配管51に連通する油圧室47の油圧が検出される。
油圧配管51には、油圧ポンプ53が連通する。油圧配管51には、逆止弁55が設けられる。逆止弁55は、油路49側から油圧ポンプ53側への作動油の流れを抑制する。油圧ポンプ53は、油圧配管51および油路49を介して油圧室47に作動油を圧入する。
また、油圧配管51には、油路49と逆止弁55の間に分岐配管57が接続される。分岐配管57には、切換弁59が設けられる。切換弁59は、例えば、電磁弁である。油圧ポンプ53の作動中、切換弁59は閉弁される。油圧ポンプ53の停止中、切換弁59が開弁すると、油圧室47から分岐配管57側に作動油が排出される。分岐配管57は、油圧配管51の反対側に不図示のオイルタンクが連通される。排出された作動油は、オイルタンクに貯留される。オイルタンクは、油圧ポンプ53に作動油を供給する。
ピストンロッド7の端部7aは、油圧室47の作動油の油量に応じて、ストローク方向にピン穴11bの内周面を摺動する。その結果、ピストンロッド7がストローク方向に移動する。ピストン5は、ピストンロッド7と一体に移動する。こうして、ピストン5の上死点位置および下死点位置が可変となる。
図3は、エンジン1の機能ブロック図である。図3では、主にピストン5の上死点位置および下死点位置の制御と、下部ライナ200の移動制御に関する構成を示す。図3に示すように、エンジン1は、制御装置61を備える。制御装置61は、例えば、ECU(Engine Control Unit)で構成される。制御装置61は、中央処理装置(CPU)、プログラム等が格納されたROM、ワークエリアとしてのRAM等で構成され、エンジン1全体を制御する。また、制御装置61は、圧縮比制御部63および移動制御部65として機能する。
圧縮比制御部63は、油圧ポンプ53および切換弁59を制御して、ピストン5の上死点位置および下死点位置を移動させる。こうして、圧縮比制御部63は、エンジン1の幾何的な圧縮比を制御する。
移動制御部65は、圧縮比制御部63により移動されたピストン5の下死点位置に応じて、アクチュエータ300を駆動させ、下部ライナ200の位置を移動させる。具体的には、移動制御部65は、ピストン5が下死点位置に移動した際に、下部ライナ200に形成された掃気ポート3aの全てがピストン5よりも上方に位置するように、下部ライナ200を移動させる。例えば、移動制御部65は、ピストン5の下死点位置が軸方向(ストローク方向)上方に移動されると、ピストン5が移動された距離だけ下部ライナ200を軸方向上方に移動させる。
これにより、ピストン5の下死点位置によらず、ピストン5が下死点位置に移動した際に掃気ポート3aがピストン5により塞がれることを防止することができる。したがって、掃気室39から活性ガスがシリンダライナ3内に吸入される際に、活性ガスの吸入量を確保することができる。
図4は、上部ライナ100および下部ライナ200の構成を説明する図である。図4に示すように、上部ライナ100は、上部本体部102および上部連結部104が一体形成されている。上部本体部102は、略円筒形状に形成されている。上部本体部102の下端には、上部連結部104が設けられている。
上部連結部104は、上部本体部102の内壁面102aから径方向外側に向かって外壁面102bに到達しない厚みを有している。また、上部連結部104の内壁面は、上部本体部102の内壁面102aと面一に形成されている。つまり、上部連結部104は、上部本体部102の肉厚よりも薄く形成されている。
上部連結部104は、基礎部106、複数の上部突出部108、および、複数の上部溝部110が設けられている。基礎部106は、円筒形状に形成され、上部本体部102に接続されている。上部突出部108は、基礎部106の下端から、軸方向下方に突出している。換言すれば、上部突出部108は、基礎部106の下端から、軸方向に沿って延在している。上部突出部108は、周方向に等間隔に離隔して配置されている。隣接する上部突出部108同士の間には、軸方向に沿って上部溝部110が形成される。なお、上部突出部108および上部溝部110の数は、複数であればいくつであってもよい。ただし、上部突出部108および上部溝部110は、多く設けられている方がよく、例えば30個設けられる。
ここで、上部突出部108は、周方向に四等分された範囲ごとに、軸方向に異なる位置に設けられている。具体的には、四等分したいずれかの1つの範囲に属する上部突出部108と、1つの範囲に対して点対称の範囲に属する上部突出部108とは、基礎部106に直接接続されている。なお、これらの上部突出部108を、上部高突出部108aと称する。また、上部高突出部108aに挟まれた上部溝部110を、上部高溝部110aと称する。
一方、上部突出部108のうち、上部高突出部108aが属する範囲に隣接する範囲に属する上部突出部108は、基礎部106から軸方向下方に延在した延長部112を介して、基礎部106に接続されている。なお、これらの上部突出部108を、上部低突出部108bと称する。また、上部低突出部108bに挟まれた上部溝部110を、上部低溝部110bと称する。
つまり、上部連結部104は、上部高突出部108aと上部低突出部108bとが周方向に90°ごとに交互に配置されている。なお、上部高突出部108aと上部低突出部108bは、軸方向の長さ、周方向の幅、および、径方向の厚さが同一寸法に形成されている。同様に、上部高溝部110aと上部低溝部110bは、軸方向の長さ、周方向の幅、および、径方向の厚さが同一寸法に形成されている。
下部ライナ200の上端は、下部連結部202が形成されている。下部連結部202は、掃気ポート3aよりも軸方向上方に設けられている。
下部連結部202は、下部ライナ200の上端部のうち、内壁面200a側を切削することにより形成される。下部連結部202は、基礎溝部204、複数の下部突出部206、および、複数の下部溝部208により構成される。
基礎溝部204は、下部ライナ200の上端を、内壁面200a側から、上部連結部104の径方向の厚さと同一の厚さ分だけ、径方向外側に切削することにより形成される。また、基礎溝部204は、下部ライナ200の上端からの軸方向の長さが、上部ライナ100の基礎部106の軸方向の長さと同一長さに形成されている。
下部溝部208は、周方向に離隔して複数形成されており、その数は、上部連結部104の上部突出部108と同数である。下部溝部208は、基礎溝部204と径方向の厚さが同一であり、基礎溝部204と連続するようにして形成される。下部溝部208は、上部連結部104の上部突出部108が挿入可能に形成されている。つまり、下部溝部208は、上部突出部108の軸方向の長さ、周方向の幅、および、径方向の厚みと同一寸法となるように形成されている。下部溝部208は、軸方向に沿って延在している。
下部突出部206は、下部ライナ200から下部溝部208が切削されることにより形成される。したがって、下部突出部206は、下部溝部208の底面に対して、軸方向上方に突出するように形成される。下部突出部206は、隣接する下部溝部208同士の間にそれぞれ設けられる。下部突出部206は、上部連結部104の上部溝部110に挿入可能に形成されている。つまり、下部突出部206は、上部溝部110の軸方向の長さ、周方向の幅、および、径方向の厚みと同一寸法となるように形成されている。下部突出部206は、軸方向に沿って延在している。また、下部突出部206の内壁面は、下部ライナ200の内壁面200aと面一に形成されている。
ここで、上部連結部104と同様に、下部溝部208は、周方向に四等分された範囲ごとに、軸方向に異なる位置に設けられている。具体的には、四等分した1つの範囲に属する下部溝部208と、1つの範囲に対して点対称の範囲に属する下部溝部208とは、基礎溝部204に連続している。なお、これらの下部溝部208を、下部高溝部208aと称する。また、下部高溝部208aに挟まれた下部突出部206を、下部高突出部206aと称する。
一方、下部溝部208のうち、下部高溝部208aが属する範囲に隣接する範囲に属する下部溝部208は、下部ライナ200の軸方向に延在した延長部210を介して基礎溝部204に接続されている。なお、これらの下部溝部208を、下部低溝部208bと称する。また、下部低溝部208bに挟まれた下部突出部206を、下部低突出部206bと称する。
つまり、下部連結部202は、下部高溝部208aと下部低溝部208bとが周方向に90°ごとに交互に配置されている。なお、下部高溝部208aと下部低溝部208bは、軸方向の長さ、周方向の幅、および、径方向の厚さが同一寸法に形成されている。同様に、下部高突出部206aと下部低突出部206bは、軸方向の長さ、周方向の幅、および、径方向の厚さが同一寸法に形成されている。
このような構成でなるシリンダライナ3は、上部ライナ100と下部ライナ200とが、上部連結部104および下部連結部202により連結される。具体的には、上部連結部104の上部高突出部108aが、下部連結部202の下部高溝部208aに挿入される。また、上部連結部104の上部低突出部108bが、下部連結部202の下部低溝部208bに挿入される。また、下部連結部202の下部高突出部206aが、上部連結部104の上部高溝部110aに挿入される。また、下部連結部202の下部低突出部206bが、上部連結部104の上部低溝部110bに挿入される。
そして、下部ライナ200が上部ライナ100に対して相対的に移動すると、上部連結部104の上部高突出部108aが、下部連結部202の下部高溝部208a内で摺動する。また、上部連結部104の上部低突出部108bが、下部連結部202の下部低溝部208b内で摺動する。また、下部連結部202の下部高突出部206aが、上部連結部104の上部高溝部110a内で摺動する。また、下部連結部202の下部低突出部206bが、上部連結部104の上部低溝部110b内で摺動する。
つまり、上部連結部104の上部高突出部108aの下面と、下部連結部202の下部高溝部208aの底面との間隔が変化する。同様に、上部連結部104の上部低突出部108bの下面と、下部連結部202の下部低溝部208bの底面との間隔も変化する。また、下部連結部202の下部高突出部206aの上面と、上部連結部104の上部高溝部110aの底面との間隔も変化する。また、下部連結部202の下部低突出部206bの上面と、上部連結部104の上部低溝部110bの底面との間隔も変化する。
図5は、ピストン5が上部連結部104および下部連結部202を移動する際の様子を説明する図である。なお、図5において、ピストン5を境にして図中左側に、上部低突出部108bおよび下部低溝部208bを示し、ピストン5を境にして図中右側に、上部高突出部108aおよび下部高溝部208aを示す。
上記したように、下部ライナ200は、ピストン5の下死点位置に応じて、軸方向に移動する。そして、例えば下部ライナ200が上部ライナ100から離隔した位置に移動すると、図5に示すように、上部ライナ100の上部突出部108の下面と下部ライナ200の下部溝部208の底面との間に隙間Cが形成される。
この隙間Cは、下部ライナ200の位置によって軸方向の長さが異なる。そして、隙間Cは、ピストンリング5cの軸方向の長さよりも大きな空間が形成される場合もある。
このとき、ピストン5が移動してピストンリング5cが隙間Cに到達すると、ピストンリング5cは、径方向に拡がる。ただし、上部連結部104および下部連結部202には、周方向において等間隔に上部突出部108および下部突出部206が設けられている。これにより、ピストンリング5cは、上部突出部108および下部突出部206に当接して径方向への広がりが抑制される。
しかしながら、ピストンリング5cが隙間Cの位置に差し掛かると、少なからず、ピストンリング5cは、径方向へ拡がろうとする。そのため、ピストン5が上死点位置に向かっている場合には、ピストンリング5cは、上部突出部108の下面、および、上部溝部110の底面に接触する可能性がある。また、ピストン5が下死点位置に向かっている場合には、ピストンリング5cは、下部突出部206の上面、および、下部溝部208の底面に接触する可能性がある。
ピストンリング5cが、上部突出部108、上部溝部110、下部突出部206、および、下部溝部208に接触する際の衝撃が大きいと、上部突出部108、上部溝部110、下部突出部206、下部溝部208、および、ピストンリング5cが損傷する可能性がある。
そこで、本実施形態では、上部連結部104の上部突出部108および上部溝部110が軸方向に異なる位置に設けられている。同様に、下部連結部202の下部突出部206および下部溝部208も、軸方向に異なる位置に設けられている。
このようにすることで、図5に示すように、上部低突出部108bおよび下部低溝部208bとの間に形成される隙間C1と、上部高突出部108aおよび下部高溝部208aとの間に形成される隙間C2との軸方向の位置を異ならせることができる。
これにより、ピストンリング5cは、隙間C1に到達した際には隙間C2に到達していない。ピストンリング5cが隙間C1を通過する際に、上部低突出部108bの下面に接触しても、上部高突出部108aの下面に接触することがない。そのため、ピストンリング5cと、上部連結部104および下部連結部202との接触のタイミングがずれ、衝撃が低減される。かくして、エンジン1では、上部ライナ100、下部ライナ200およびピストンリング5cの損傷が抑制される。
以上、添付図面を参照しながら一実施形態について説明したが、本開示は上記実施形態に限定されないことは言うまでもない。当業者であれば、特許請求の範囲に記載された範疇において、各種の変更例または修正例に想到し得ることは明らかであり、それらについても当然に本開示の技術的範囲に属するものと了解される。
例えば、上述した実施形態では、上部突出部108および下部突出部206が軸方向に延在する形状に形成されている場合について説明した。しかしながら、上部突出部108および下部突出部206は、他の形状であってもよい。例えば、上部突出部108および下部突出部206は、三角形や、湾曲した形状(サインカーブ等)であってもよい。
また、上述した実施形態では、周方向に4分割した範囲ごとに、例えば、上部高突出部108aおよび上部低突出部108bが設けられているようにした。しかしながら、上部高突出部108aおよび上部低突出部108bは、周方向に偶数個に分割した範囲ごとに交互に設けられていればよく、その分割数は4つに限らない。
また、上述した実施形態では、例えば、上部高突出部108aおよび上部低突出部108bが軸方向の異なる位置に設けられているようにした。つまり、上部突出部108は、軸方向に2つの異なる位置に設けられているようにした。しかしながら、上部突出部108は、軸方向の異なる2以上の高さにそれぞれ設けられるようにしてもよい。
本開示は、エンジンに利用することができる。
1 エンジン
3a 掃気ポート
5 ピストン
100 上部ライナ
104 上部連結部
108 上部突出部
110 上部溝部
200 下部ライナ
202 下部連結部
206 下部突出部
208 下部溝部

Claims (4)

  1. ピストンが摺動可能な上部ライナと、
    掃気ポートが形成され、前記ピストンが摺動可能であり、前記上部ライナにおける前記ピストンの下死点側に接続される下部ライナと、
    前記上部ライナの下端に設けられ、前記下死点側に突出した複数の上部突出部、および、前記上部突出部の間に設けられた複数の上部溝部が形成された上部連結部と、
    前記下部ライナの上端に設けられ、前記上部突出部が挿入される複数の下部溝部と、前記上部溝部に挿入される複数の下部突出部が形成された下部連結部と、
    を備え、
    複数の前記上部突出部は、前記上部ライナの軸方向において異なる2以上の高さに形成され、
    複数の前記下部突出部は、前記下部ライナの軸方向において異なる2以上の高さに形成されるエンジン。
  2. 前記上部突出部および前記下部突出部は、
    前記軸方向に延在する請求項1に記載のエンジン。
  3. 前記上部突出部および前記下部突出部は、
    前記上部ライナおよび前記下部ライナの周方向に複数個に分割した範囲ごとに、前記軸方向の高さが異なる請求項1または2に記載のエンジン。
  4. 前記上部突出部および前記下部突出部は、
    前記上部ライナおよび前記下部ライナの周方向に複数個に分割した範囲ごとに、前記軸方向の高さが交互に異なる請求項3に記載のエンジン。
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