JP6846089B2 - 電力変換装置 - Google Patents

電力変換装置 Download PDF

Info

Publication number
JP6846089B2
JP6846089B2 JP2017222815A JP2017222815A JP6846089B2 JP 6846089 B2 JP6846089 B2 JP 6846089B2 JP 2017222815 A JP2017222815 A JP 2017222815A JP 2017222815 A JP2017222815 A JP 2017222815A JP 6846089 B2 JP6846089 B2 JP 6846089B2
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
voltage
circuit
power
phase
command value
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Active
Application number
JP2017222815A
Other languages
English (en)
Other versions
JP2019097260A (ja
Inventor
裕史 慶本
裕史 慶本
功太郎 田中
功太郎 田中
展大 増渕
展大 増渕
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Toshiba Mitsubishi Electric Industrial Systems Corp
Original Assignee
Toshiba Mitsubishi Electric Industrial Systems Corp
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Toshiba Mitsubishi Electric Industrial Systems Corp filed Critical Toshiba Mitsubishi Electric Industrial Systems Corp
Priority to JP2017222815A priority Critical patent/JP6846089B2/ja
Publication of JP2019097260A publication Critical patent/JP2019097260A/ja
Application granted granted Critical
Publication of JP6846089B2 publication Critical patent/JP6846089B2/ja
Active legal-status Critical Current
Anticipated expiration legal-status Critical

Links

Images

Description

本発明の実施形態は、応答特性が改善された直流電圧制御部を含む電力変換装置に関する。
直流を交流に変換し、あるいは、交流を直流に変換する電力変換装置がある。このような電力変換装置において、直流電圧を制御する場合に、電力変換器の出力電力の周期的変動により直流部に一時的にエネルギーを蓄えたり、放出したりする必要がある場合がある。このような時、制御対象の直流電圧にリプルが重畳することがある。
電力変換装置の外部の擾乱に対する応答性能を向上させる場合には、フィードバック系のゲインを上げる必要がある。しかし、フィードバックする直流電圧の検出値にはリプルが重畳されているため、フィードバック系のゲインを上げると、リプル分も増幅してしまい、必要なゲインを設定することが困難である。
また、直流電圧の検出値に重畳されたリプルをフィルタ等によって除去しようとすると、リプルの周波数が低い場合には、フィルタの時定数が大きくなり、フィードバック系の応答速度が低下する。
特開平11−150955号公報
実施形態は、直流電圧の検出値にリプルが重畳された場合でも、擾乱に対して十分な応答速度を有する直流電圧制御部を含む電力変換装置を提供する。
実施形態に係る電力変換装置は、第1交流回路と前記第1交流回路に供給しまたは前記第1交流回路から供給される瞬時有効電力に応じたリプルを含む直流電圧を供給する直流電圧源との間に接続された第1電力変換器と、前記第1電力変換器に対して前記第1交流回路と前記直流電圧源との間の変換動作を制御する制御装置と、を備える。前記制御装置は、前記直流電圧の検出値と、前記直流電圧の目標値である直流電圧指令値との偏差を生成し、前記偏差にもとづいて、前記直流電圧を制御するための直流電圧制御出力を出力する直流電圧制御部を含む。前記直流電圧制御部は、前記瞬時有効電力にもとづいて前記リプルを相殺する交流成分を含む前記直流電圧指令値を生成する。前記第1交流回路は、単相の交流回路である。前記直流電圧制御部は、前記第1交流回路に供給し、または前記第1交流回路から供給される電力のための指令値に比例し、前記第1交流回路の周波数の2倍の周波数成分を含む前記直流電圧指令値を生成する。
本実施形態では、直流電圧源は、第1交流回路に供給しまたは前記第1交流回路から供給される瞬時有効電力に応じたリプルを含んでいる。直流電圧制御部は、その瞬時有効電力にもとづいて、直流電圧源に重畳したリプルを相殺する直流電圧指令値を生成し、直流電圧源の直流電圧との偏差をとるので、偏差からリプル分が除去される。そのため、フィードバックのゲインを大きくすることができ、擾乱に対して十分な応答速度を実現することができる。
第1の実施形態に係る電力変換装置の直流電圧制御部を例示するブロック図である。 第1の実施形態に係る電力変換装置の直流電圧制御部のうちのリプル電圧演算部を例示するブロック図である。 第1の実施形態に係る電力変換装置を例示するブロック図である。 比較例の電力変換装置の直流電圧制御部を例示するブロック図である。 第2の実施形態に係る電力変換装置を例示するブロック図である。 第2の実施形態に係る電力変換装置の直流電圧制御部の一部を例示するブロック図である。 第3の実施形態に係る電力変換装置を例示するブロック図である。 第3の実施形態の電力変換装置の直流電圧制御部のうちのリプル電圧演算部を例示するブロック図である。 第4の実施形態に係る電力変換装置を例示するブロック図である。 図10(a)および図10(b)は、本実施形態の電力変換装置の動作原理を説明するための概念図である。
以下、図面を参照しつつ、本発明の実施形態について説明する。
なお、図面は模式的または概念的なものであり、各部分の厚みと幅との関係、部分間の大きさの比率などは、必ずしも現実のものと同一とは限らない。また、同じ部分を表す場合であっても、図面により互いの寸法や比率が異なって表される場合もある。
なお、本願明細書と各図において、既出の図に関して前述したものと同様の要素には、同一の符号を付して詳細な説明を適宜省略する。
(第1の実施形態)
図1は、本実施形態に係る電力変換装置の直流電圧制御部を例示するブロック図である。
図1に示すように、直流電圧制御部40は、リプル電圧演算部41と、加算器46と、加減算器47と、PI制御器48と、を含む。
リプル電圧演算部41の出力は、加算器46の一方の入力に接続されている。リプル電圧演算部41は、直流リプル電圧ΔV(t)を加算器46に供給する。加算器46の他方の入力には、一定の直流電圧指令値Vdcが入力される。加算器46は、交流分を含む新たな電圧指令値Vdc(t)を加減算器47の減算入力に供給する。加減算器47の加算入力には、制御する対象の直流電圧の検出値Vdcが入力される。直流電圧制御部40に入力された検出値Vdcは、リプル電圧演算部41が出力する直流電圧指令値Vdcとの偏差ΔVdcをPI制御器48によって比例積分制御して、制御量として直流電圧制御出力Vdc1を出力する。PI制御器48は、比例制御のためのゲインkpと積分制御のためのゲインkiとを有する。これらゲインは、たとえばあらかじめ設定されている。
新たな電圧指令値Vdc(t)は、検出値Vdcのリプル分を相殺する交流成分を有する。そのため、PI制御器48に入力される偏差ΔVdcは、リプル分が相殺されて、ほぼ直流となる。PI制御器48では、リプル分を考慮することなく、偏差ΔVdcを増幅すればよいので、ゲインkpを十分に大きくすることができる。
制御装置30は、直流電圧制御部40と、三相二相変換器31と、dq変換器32と、補償電流指令値演算器33と、加算器34と、電流制御器35と、逆dq変換器36と、二相三相変換器37と、を含む。
直流電圧制御部40から出力される直流電圧制御出力Vdc1は、加算器34によって、補償電流指令値演算器33から出力される有効電流成分指令値Idrefに加算されて電流制御器35に供給される。
なお、有効電流または有効電流成分とは、電力変換装置で変換して出力する交流電圧、あるいは電力変換装置に入力する交流電圧と同位相の交流電流または交流電流成分をいうものとする。また、無効電流または無効電流成分とは、電力変換装置で変換して出力する交流電圧、あるいは電力変換装置に入力する交流電圧に直交する位相を有する交流電流または交流電流成分をいうものとする。
交流回路に対して適切な有効電流成分あるいは無効電流成分を供給すると、交流回路側の電圧を維持したり、逆相電力を消去したり、負荷機器の電力変動を打ち消したりすることができる。このような動作を、以下において補償動作と呼ぶ。補償動作実現のための電流成分を補償電流と呼ぶ。
三相二相変換器31は、電力変換器から出力される変換器出力電流を入力し、三相の電流成分を直交座標変換して二相の電流成分とする。
dq変換器32は、変換器出力電流の二相の電流成分を回転座標変換して有効電流成分Iおよび無効電流成分Iを出力する。
補償電流指令値演算器33は、補償動作のために必要な系統電流や電圧信号を入力して、有効電流成分指令値Idrefおよび無効電流成分指令値Iqrefを生成する。
変換器出力電流に対応する有効電流成分Iおよび無効電流成分Iは、電流制御器35に供給される。生成された有効電流成分指令値Idrefおよび無効電流成分指令値Iqrefも、電流制御器35に供給される。電流制御器35は、有効電流成分Iおよび無効電流成分Iが、有効電流成分指令値Idrefおよび無効電流成分指令値Iqrefに追従するように、たとえばPI制御等を行う。
逆dq変換器36は、電流制御器35が出力した有効電流成分および無効電流成分にそれぞれ対応した制御量を入力して、逆dq変換を行う。
二相三相変換器37は、逆dq変換器36から出力を三相の電圧指令値に変換して出力する。出力された電圧指令値は、図示しない後段のPWM制御器等によってPWM信号に変換される。
図2は、本実施形態に係る電力変換装置の直流電圧制御部のうちのリプル電圧演算部を例示するブロック図である。
リプル電圧演算部41は、瞬時有効電力P(t)から直流分を除いたΔP(t)を用い、線形近似することによって、直流リプル電圧ΔV(t)を計算する。直流リプル電圧ΔV(t)は、以下の式(1)によって求めることができる。ここでの瞬時有効電力P(t)は、電流指令値、または、電力指令値、あるいはそれらに類する制御指令値から理想的な値として理論計算により計算することができる。
Figure 0006846089
ここで、Cは、直流電圧を供給するためのコンデンサの静電容量、コンデンサが供給する直流電圧Vは、定格直流電圧(=1.0[pu])を表している。
電力変換装置が出力し、あるいは電力変換装置に入力する交流電圧および交流電流は検出器によって検出される。瞬時有効電力P(t)は、検出された交流電圧および交流電流にもとづいて、逐次計算される。
図2には、式(1)の演算を実行するリプル電圧演算部41の具体的な構成例がブロック線図として示されている。
図2に示すように、リプル電圧演算部41は、直流分除去回路42と、積分器43と、係数器44と、リミッタ45と、を含む。直流分除去回路42、積分器43、係数器44およびリミッタ45は、たとえばこの順で縦続接続されている。
直流分除去回路42は、瞬時有効電力P(t)を入力して、直流分を遮断し、交流成分を抽出する。直流分除去回路42は、たとえばローパスフィルタである。
積分器43は、瞬時有効電力P(t)から直流成分を除去したΔP(t)を積分して出力する。ΔP(t)の積分値は、係数器44によって、あらかじめ設定された定数(1/(C・V))を乗じて、リミッタ45を介して直流リプル電圧ΔV(t)として出力される。
図3は、本実施形態に係る電力変換装置を例示するブロック図である。
図3に示すように、本実施形態の電力変換装置10は、電力変換器20と、制御装置30と、を備える。この例では、電力変換装置10は、無効電力補償装置である。電力変換装置10は、電力系統に接続される。電力系統は、三相の交流電源1である。電力系統は、たとえば周波数が50Hzまたは60Hzの商用電源である。電力系統は、三相に限らず、単相であってもよい。電力系統には、負荷60が接続されている。電力変換装置10は、電力系統から見た場合に、負荷60と並列に接続されている。
なお、後述するように、電力変換装置10に接続される交流電源1は、電力系統に限らず、他の交流電源であってもよいし、交流負荷であってもよく、これらが複合した交流回路であってよい。
電力変換装置10は、電力変換器20に設けられたコンデンサ22の両端の直流電圧Vdcを電圧検出器24によって検出し、負荷60に流れる電流や電圧を検出して、補償すべき無効電流を電力系統である交流電源1に注入する。コンデンサ22は、この例では、直流電圧源として機能する。
制御装置30は、負荷60の回路に設けられた電流検出器26および電圧検出器28によって、それぞれ検出された系統電流の検出値isu,isv,iswおよび系統電圧の検出値vsu,vsv,vswを入力する。制御装置30は、電力変換器20が出力する出力電流iou,iov,iowをたとえば電力変換器20内の電流検出回路によって検出して入力する。制御装置30は、コンデンサ22の両端の直流電圧Vdcを電圧検出器24によって検出して入力する。
制御装置30は、系統電流の検出値isu,isv,isw、系統電圧の検出値vsu,vsv,vsw、電力変換器20の出力電流iou,iov,iowおよび直流電圧Vdcにもとづいて生成された電圧指令値(図1)にしたがってゲート駆動信号Vgを生成して、電力変換器20に供給する。
制御装置30は、たとえば各相の出力電流iou,iov,iowおよび交流電源1の各相の電圧の検出値vsu,vsv,vswにもとづいて、瞬時有効電力P(t)を計算し、計算した瞬時有効電力P(t)を直流電圧制御部40のリプル電圧演算部41に供給する。リプル電圧演算部41は、瞬時有効電力P(t)にもとづいて、直流リプル電圧ΔV(t)を生成する。
電力変換装置は、無効電力補償装置に限らない。誘導電動機のような交流負荷に交流電力を供給するインバータ装置であってもよく、交流電圧を直流電圧に変換するコンバータ装置であってもよい。後に詳述するように、インバータ装置およびコンバータ装置が1台から複数台混在する複合システムであってもよい。
本実施形態の電力変換装置10の動作について図1および図4を用いて説明する。
図4は、比較例の電力変換装置の直流電圧制御部を例示するブロック図である。
まず、比較例の場合について説明する。図4に示すように、比較例の電力変換装置の制御装置130は、直流電圧制御部140を含む。比較例の制御装置130において、本実施形態の制御装置30との相違点は、直流電圧制御部40の構成の相違であり、他の構成要素については同じである。
直流電圧制御部140に入力される直流電圧Vdcは、リプル分を含んでいる。電力変換器20は、コンデンサ22によって供給される直流電圧Vdcによって動作するインバータ回路を有している。そのため、直流電圧Vdcは、交流電圧および交流電流の出力に応じて影響を受ける。つまり、リプル分は、電力変換器20の補償動作による瞬時的な電力の出し入れにともなって生じ得る。
一方、直流電圧指令値Vdcは、一定値が設定される。設定される一定値は、たとえば定格値1.0[pu]である。直流電圧制御部140では、リプルを含む直流電圧Vdcが入力されるので、PI制御器48に入力される直流電圧の偏差ΔVdc(t)はリプル分を含んでいる。
外部擾乱のような大振幅の電圧変動に対して、直流電圧制御の応答速度を高めるためには、PI制御器48のゲインkpを大きな値に設定する必要がある。しかし、比較例の場合には、ゲインkpを大きくすると、偏差ΔVdc(t)のリプル分も増幅してしまう。そのため、ゲインkpを大きくすることが制限される。結果として、ゲインkpを低くせざるを得ず、外部擾乱に対して追従するように十分な応答を実現することが困難である。
本実施形態の電力変換装置10では、直流電圧制御部40は、リプル電圧演算部41を含む。リプル電圧演算部41は、直流リプル電圧ΔV(t)を出力する。直流リプル電圧ΔV(t)は、上述した式(1)で近似されるように、電力変換装置10が出力する瞬時有効電力P(t)にもとづいて計算される。式(1)で求められた直流リプル電圧ΔV(t)は、直流電圧指令値Vdcに加算されて、新たな直流電圧指令値Vdc(t)となる。
瞬時有効電力P(t)の交流成分ΔP(t)の積分値は、直流電圧Vdcに重畳されるリプル分に同期した位相を有し、リプル分にほぼ比例する交流信号となる。式(1)にもとづいて演算することによって、新たな直流電圧指令値Vdc(t)は、直流電圧の検出値Vdcとほぼ同一の交流成分を含むようにできる。そのため、新たな直流電圧指令値Vdc(t)と検出された直流電圧Vdcとの偏差ΔVdcからは、リプル分は相殺される。したがって、PI制御器には、リプル分をほとんど含まない偏差ΔVdcが入力されるので、リプル分を考慮せずにゲインkpを大きくすることができる。
本実施形態の電力変換装置10の効果について説明する。
本実施形態の電力変換装置10では、制御装置30の直流電圧制御部40がリプル電圧演算部41を有している。リプル電圧演算部41には、あらかじめ設定されている瞬時有効電力P(t)を入力することによって、コンデンサ22の両端に発生するリプル分に相当する直流リプル電圧ΔV(t)を生成することができる。直流リプル電圧ΔV(t)は、コンデンサ22の両端に発生するリプル分にほぼ等しいので、直流電圧制御部40において、フィードバックすべき直流電圧の指令値との偏差ΔVdcは、リプル分を含まないようにすることができる。
フィードバックに関する偏差ΔVdcがリプル分を含まないので、フィードバックゲインとしてのPI制御器のゲインkpを十分に大きくすることができる。PI制御器のゲインkpを十分に大きくすることによって、直流電圧制御部40は、外部の擾乱に対して高速に応答することが可能になる。
(第2の実施形態)
単相交流回路の場合には、瞬時有効電力P’(t)を、dq変換後の有効電流成分指令値Idref’および無効電流成分指令値Iqref’を用いて表し、これにもとづいて、直流リプル電圧ΔV’(t)を生成することができる。
図5は、本実施形態に係る電力変換装置を例示するブロック図である。
図5に示すように、電力変換装置210は、電力変換器220と、制御装置230と、を備える。電力変換装置210は、単相の交流回路201に接続される。
電力変換装置210は、電力変換器220に設けられたコンデンサ222の両端の直流電圧Vdcを電圧検出器224によって検出し、交流回路201に流れる電流や電圧を検出して、出力すべき交流電流を交流回路201に供給する。
電力変換器220は、直流電圧から単相交流電圧への変換を行う単相インバータを含む。制御装置230は、直流電圧Vdc、出力電流および出力電圧を入力して電力変換器220の単相インバータのスイッチング素子を駆動する駆動信号を生成し、電力変換器220に供給する。
単相インバータの有効電流成分指令値Idref’および無効電流成分指令値Iqref’が与えられた場合には、瞬時有効電力P’(t)は、理論的に以下のように計算することができる。
Figure 0006846089
ここで、V’は系統(交流回路201)電圧の振幅であり、θ(t)は系統の同期位相信号である。
式(2)において、V’・Idref’は、リプル分には寄与しない有効電力の直流分である。V’・Idref’は、出力すべき有効電力を表し、V’・Iqref’は、出力すべき無効電力を表している。そのため、V’・Idref’を出力有効電力指令値相当の信号に、V’・Iqref’を出力無効電力指令値相当の信号にそれぞれ置き換えても同等である。V’に代えて、電力変換器220へ制御装置が出力する、図1においては二相三相変換器37の出力の電圧指令値の波高値相当の信号を用いてもよい。
上述より、直流分を除いた瞬時有効電力ΔP’(t)は以下のように表すことができる。
Figure 0006846089
式(3)を積分することによって、以下の式(4)を得る。
Figure 0006846089
ここで、ω0は基準角周波数、つまり、交流回路201の角周波数であり、θ(t)=ω・t+θs(θsは交流回路201の初期位相であり、定数である。)である。
式(4)を式(1)に代入して、以下の式(5)を得る。
Figure 0006846089
式(5)より、直流リプル電圧ΔV’(t)は、与えられた定数等を用いて計算される。式(5)では、積分演算が不要であるため、計算をより単純化することが可能であり、演算量を低減し、演算速度を向上させることができる。
図6は、本実施形態に係る電力変換装置の直流電圧制御部の一部を例示するブロック図である。
図6に示すように、本実施形態では、直流電圧制御部のリプル電圧演算部241は、式(5)に応じた演算器を含んでいる。すなわち、リプル電圧演算部241は、係数器242,249〜251と、三角関数演算器243,244と、乗算器245,246,248と、加算器247と、リミッタ252と、を含む。
係数器242は、係数“2.0”に設定されている。係数器242には、系統同期位相信号θ(t)が入力される。係数器242は、系統同期位相信号θ(t)を2倍にして、三角関数演算器243,244に入力する。三角関数演算器243は、2倍とされた系統同期位相信号θ(t)を入力して、正弦関数(sin)を演算する。三角関数演算器244は、2倍とされた系統同期位相信号θ(t)を入力して、余弦関数(cos)を演算する。三角関数演算器243,244の出力は、乗算器245,246によって、有効電流成分指令値Idref’および無効電流成分指令値Iqref’にそれぞれ乗じられる。乗算された結果は、加算器247によって加算される。さらに、加算された結果は、乗算器248によって系統電圧振幅V’に乗じられる。
乗算器248の出力は、係数器249〜251によって、所定の係数が乗じられる。この例では、係数器249は、電力変換器220の容量に応じた係数P[VA]を有する。係数器250は、係数として、1/(2・ω・V)を有する。係数器251は、これまでに演算された直流リプル電圧の出力振幅を、定格直流電圧Vで規格化するために、係数として、1/Vが設定されている。係数器249,251に設定される係数は、制御装置230の単位系等に応じて任意に設定される。
なお、リプル電圧演算部241の構成は、上述のブロック線図に限らず、式(5)を実現する他の構成であってもよい。
本実施形態では、積分演算を不要とすることができ、演算を単純化することによって、構成を簡素にすることができる。
(第3の実施形態)
図7は、本実施形態に係る電力変換装置を例示するブロック図である。
図7に示すように、本実施形態の電力変換装置310は、電力変換器320a〜320cと、制御装置330と、を備える。電力変換装置310では、直流電圧を共通にする複数の電力変換器320a〜320cが設けられる。各電力変換器320a〜320cは、単相の交流電源301a〜301cにそれぞれ接続される。交流電源301a,301b,301cは、振幅VAS,VBS,VCSと位相θ(t),θ(t),θ(t)とをそれぞれ有する。各電力変換器320a〜320cは、コンデンサ322に接続されている。つまり、各電力変換器320a〜320cは、コンデンサ322の直流電圧Vdcを介して、相互に接続されている。制御装置330は、直流電圧Vdc、各電力変換器320a〜320cを入力し、あるいは出力する交流電流および交流電圧を入力して、各電力変換器320a〜320cが単相インバータ回路を駆動するための駆動信号を生成し、これらに供給する。
図8は、本実施形態の電力変換装置の直流電圧制御部のうちのリプル電圧演算部を例示するブロック図である。
図8に示すように、直流電圧制御部341は、複数の演算部341a〜341cと、加算器353a〜353cと、係数器249〜251と、リミッタ252と、を含む。各演算部341a〜341cの構成は、それぞれ同じであり、式(5)のV’以下の項について演算器で表現したものである。各演算部341a〜341cのそれぞれの構成は、図6の構成と同じである。つまり、本実施形態では、直流リプル電圧ΔV’’(t)は、以下の式(6)のように表すことができる。
Figure 0006846089
ここで、式(6)において各定数および変数は、以下のとおりである。
Figure 0006846089
ここで、IAdref〜ICdrefは、それぞれ電力変換器320a〜320cの有効電流成分指令値である。IAqref〜ICqrefは、それぞれ電力変換器320a〜320cの無効電流成分指令値である。
図8の例では、各演算部341a〜341cの出力を、加算器353a〜353cによってすべて加算する。加算された結果は、図6の場合と同じ係数器249〜251によって所定の係数が乗じられる。
このように、直流電圧を共有し、それぞれが単相インバータからなる電力変換器320a〜320cの直流電圧制御のための直流リプル電圧ΔV’(t)は、それぞれの電力変換器320a〜320cに対応するリプル分の加算値にもとづいて計算することができる。電力変換器320a〜320cが単相インバータであれば、積分計算を行うことなく、上述の近似式によって、直流リプル電圧ΔV’(t)を生成して、適切なリプル分を含む直流電圧指令値を生成することができる。
(第4の実施形態)
図9は、本実施形態に係る電力変換装置を例示するブロック図である。
図9に示すように、電力変換装置410は、電力変換器420と、制御装置430と、を備える。交流電源1は、三相交流電源である。この例の電力変換装置410は、直流電圧検出器424を介して検出されるコンデンサ422の直流電圧Vdcを交流電圧に変換するインバータ装置である。交流電圧を直流電圧に変換するコンバータ装置であってもよいし、図3の例のように、無効電力補償装置であってもよい。
図10(a)および図10(b)は、本実施形態の電力変換装置の動作原理を説明するための概念図である。
図10(a)では、制御装置が三相二相変換器451を有していることを示している。三相二相変換器451は、三相の交流電源1を入力して、直交座標変換を行って、互いに直交する電圧ベクトルを有する2つの交流電圧Vα,Vβをそれぞれ有する単相の交流電源452a,452bに分解する。
図10(b)には、三相の交流電源1と直流電圧を有するコンデンサ422との間に接続された電力変換装置410は、直流リンクであるコンデンサ422を介して接続された電力変換器420a,420bを備える電力変換装置と等価であることが示されている。つまり、三相交流電源に接続されるインバータ装置では、三相二相変換を行うことで、仮想的な単相の電力変換器2つに分解して制御することができる。そのため、本発明の第3の実施形態における内容を適用することができる。
具体的には、電力変換装置410直流電圧制御は、上述の第3の実施形態の場合における、2つの電力変換器の直流電圧制御を行う場合に相当する。つまり、式(6)において、VCS,ICrefを0にした場合に相当する。
このように、本実施形態では、単相交流の場合に限らず、三相交流に接続される電力変換装置の場合であっても、式(6)にしたがって、直流リプル電圧ΔV’’(t)を計算して、直流電圧指令値Vdcと加算して、新たな直流電圧指令値とすることによって、直流電圧Vdcのリプル分を相殺して、直流分の偏差にもとづいて、PI制御を行い、直流電圧制御出力Vdc1を生成することができる。したがって、PI制御のゲインを十分に大きくすることができ、外部擾乱に対する応答性能を向上させることができる。
以上説明した実施形態によれば、直流電圧の検出値にリプルが重畳された場合でも、擾乱に対して十分な応答速度を有する直流電圧制御部を含む電力変換装置を実現することができる。
以上、本発明のいくつかの実施形態を説明したが、これらの実施形態は、例として提示したものであり、発明の範囲を限定することは意図していない。これら新規な実施形態は、その他のさまざまな形態で実施されることが可能であり、発明の要旨を逸脱しない範囲で、種々の省略、置き換え、変更を行うことができる。これら実施形態やその変形は、発明の範囲や要旨に含まれるとともに、特許請求の範囲に記載された発明およびその等価物の範囲に含まれる。また、前述の各実施形態は、相互に組み合わせて実施することができる。
1 交流電源、10,210,310,410 電力変換装置、20,220,320a〜320c,420 電力変換器、22,222,322,422 コンデンサ、24,224,324,424 電圧検出器、30,230,330,430 制御装置、40,140 直流電圧制御部、41,241,341 リプル電圧演算部、42 直流分除去回路、43 積分回路、44 係数器、45 リミッタ、46 加算器、47 加減算器、48 PI制御器、60 負荷、201 交流回路、301a〜301c,452a,452b 交流電源、420a,420b 三相二相変換による仮想的な電力変換器、451 三相二相変換器

Claims (3)

  1. 第1交流回路と前記第1交流回路に供給しまたは前記第1交流回路から供給される瞬時有効電力に応じたリプルを含む直流電圧を供給する直流電圧源との間に接続された第1電力変換器と、
    前記第1電力変換器に対して前記第1交流回路と前記直流電圧源との間の変換動作を制御する制御装置と、
    を備え、
    前記制御装置は、前記直流電圧の検出値と、前記直流電圧の目標値である直流電圧指令値との偏差を生成し、前記偏差にもとづいて、前記直流電圧を制御するための直流電圧制御出力を出力する直流電圧制御部を含み、
    前記直流電圧制御部は、前記瞬時有効電力にもとづいて前記リプルを相殺する交流成分を含む前記直流電圧指令値を生成し、
    前記第1交流回路は、単相の交流回路であり、
    前記直流電圧制御部は、前記第1交流回路に供給し、または前記第1交流回路から供給される電力のための指令値に比例し、前記第1交流回路の周波数の2倍の周波数成分を含む前記直流電圧指令値を生成する電力変換装置。
  2. 前記第1電力変換器と前記直流電圧源を共通にし、前記第1交流回路とは異なる単相の交流回路である第2交流回路に接続された第2電力変換器をさらに備え、
    前記直流電圧制御部は、前記第2交流回路に供給し、または前記第2交流回路から供給される電力のための指令値に比例し、前記第2交流回路の周波数の2倍の周波数成分をさらに含む前記直流電圧指令値を生成する請求項記載の電力変換装置。
  3. 第1交流回路と前記第1交流回路に供給しまたは前記第1交流回路から供給される瞬時有効電力に応じたリプルを含む直流電圧を供給する直流電圧源との間に接続された第1電力変換器と、
    前記第1電力変換器に対して前記第1交流回路と前記直流電圧源との間の変換動作を制御する制御装置と、
    を備え、
    前記制御装置は、前記直流電圧の検出値と、前記直流電圧の目標値である直流電圧指令値との偏差を生成し、前記偏差にもとづいて、前記直流電圧を制御するための直流電圧制御出力を出力する直流電圧制御部を含み、
    前記直流電圧制御部は、前記瞬時有効電力にもとづいて前記リプルを相殺する交流成分を含む前記直流電圧指令値を生成し、
    前記第1交流回路は、三相の交流回路であり、
    前記制御装置は、前記第1交流回路の各相の交流電圧を、2つの直交するベクトルをそれぞれ有する第1単相交流電圧源および第2単相交流電圧源に変換し、
    前記直流電圧制御部は、
    前記第1単相交流電圧源に供給し、または前記第1単相交流電圧源から供給される電力のための指令値に比例し、前記第1単相交流電圧源の周波数の2倍の周波数成分と、
    前記第2単相交流電圧源に供給し、または前記第2単相交流電圧源から供給される電力のための指令値に比例し、前記第2単相交流電圧源の周波数の2倍の周波数成分と、を含む前記直流電圧指令値を生成する電力変換装置。
JP2017222815A 2017-11-20 2017-11-20 電力変換装置 Active JP6846089B2 (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2017222815A JP6846089B2 (ja) 2017-11-20 2017-11-20 電力変換装置

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2017222815A JP6846089B2 (ja) 2017-11-20 2017-11-20 電力変換装置

Publications (2)

Publication Number Publication Date
JP2019097260A JP2019097260A (ja) 2019-06-20
JP6846089B2 true JP6846089B2 (ja) 2021-03-24

Family

ID=66973225

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP2017222815A Active JP6846089B2 (ja) 2017-11-20 2017-11-20 電力変換装置

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JP6846089B2 (ja)

Family Cites Families (3)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JPH07336892A (ja) * 1994-06-01 1995-12-22 Hitachi Ltd 自励式直流送電設備の制御方法および制御装置
JP5703151B2 (ja) * 2011-07-13 2015-04-15 株式会社日立製作所 電力変換装置の制御装置
JP2017046501A (ja) * 2015-08-27 2017-03-02 パナソニックIpマネジメント株式会社 電力変換装置

Also Published As

Publication number Publication date
JP2019097260A (ja) 2019-06-20

Similar Documents

Publication Publication Date Title
JP4649252B2 (ja) 電力変換装置
KR100934311B1 (ko) 인버터 장치
JP3411462B2 (ja) 電力変換器の制御装置
JP4717114B2 (ja) 電力変換器の制御装置
AU2017336039B2 (en) Control device for active filter
JP6730946B2 (ja) 電力変換器の制御装置
CN111149287A (zh) 功率转换装置
KR20130078380A (ko) 회생형 고압 인버터의 제어장치
WO2007119855A1 (ja) 電力変換装置およびその制御方法
WO2016114330A1 (ja) 5レベル電力変換器および制御方法
WO2020261751A1 (ja) 電力変換装置
JP6846089B2 (ja) 電力変換装置
JP4971758B2 (ja) 電力変換装置
JP6834018B2 (ja) 電力変換装置
JP5833524B2 (ja) 電力変換装置および電力変換装置の制御装置
JP5928216B2 (ja) インバータ制御装置
CN113939993B (zh) 电力转换装置
JP2019140743A (ja) 電力変換装置
JP5622030B2 (ja) 電力変換システム
US11482963B2 (en) Inverter control device
JP6146511B2 (ja) インバータ制御装置
JP5658342B2 (ja) 電力変換装置
JPS6051339B2 (ja) 電力調整装置
JP2003284383A (ja) モーター制御装置
JPH0720370B2 (ja) 電力変換器の制御回路

Legal Events

Date Code Title Description
A621 Written request for application examination

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A621

Effective date: 20191210

A977 Report on retrieval

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A971007

Effective date: 20200925

A131 Notification of reasons for refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131

Effective date: 20201030

A521 Request for written amendment filed

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523

Effective date: 20201216

TRDD Decision of grant or rejection written
A01 Written decision to grant a patent or to grant a registration (utility model)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A01

Effective date: 20210226

A61 First payment of annual fees (during grant procedure)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A61

Effective date: 20210226

R150 Certificate of patent or registration of utility model

Ref document number: 6846089

Country of ref document: JP

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R150

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250