JP6846023B2 - (z)−3:(e)−2−ヘキセナールイソメラーゼ - Google Patents

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Description

本発明は、(Z)−3−ヘキセナールを(E)−2−ヘキセナールに異性化(変換)するための酵素、この酵素を構成するポリペプチドをコードするポリヌクレオチド(又は遺伝子又はDNA)、このポリヌクレオチドを含むベクター、このベクターにより形質転換された形質転換体、及び前記酵素を含む飲食品(例えば、野菜ジュースなどの野菜含有飲食品)に関する。
植物からは緑の香り物質が大量に放出されている。このような物質は、植物の匂いを特徴付けるだけではなく、いくつかは生理活性を示すことが明らかにされてきており、植物生理学的にも重要な物質である。
なお、緑の香り物質は、炭素数6の直鎖不飽和炭化水素化合物のアルデヒド体、アルコール体などから成り立っており、葉緑体に含まれる脂肪酸の一種であるリノレン酸に由来し、いくつかの酵素が作用して生合成される。
このような香り物質の中でも、(Z)−3−ヘキセナール(シス−3−ヘキセナール)は、植物が傷害(切断等)を受けると大量に生成される、青臭さの原因となる匂い物質であり、植物由来の食味を損なう要因となっているが、効果的な除去法は知られていない。
なお、(Z)−3−ヘキセナールは、植物において、(E)−2−ヘキセナール(トランス−2−ヘキセナール)に異性化されることが知られている。例えば、非特許文献1には、シス−3−エナールをトランス−2−エナールに変換するイソメラーゼをキュウリ果実により抽出し、ゲル濾過法などにより部分精製し、この酵素の基質特異性を調べたところ、シス−3−ヘキセナールが適していたことが記載されている。
また、非特許文献2には、可溶性の(3Z):(2E)−エナールイソメラーゼが、(3Z)−ヘキセナールを対応する(3Z)−アルケナールに変換する経路が存在することが記載されている。
さらに、非特許文献3には、アルファルファの種が、3Z:2E−エナールイソメラーゼ活性を示したことが記載されている。
Phytochemistry (1979) 18, 401-404 Biochim Biophys Acta. (1996) 1303, 83-91. FEBS Letters (1999) 443, 201-204
本発明の目的は、(Z)−3−ヘキセナールを(E)−2−ヘキセナールに異性化できる新規な酵素、この酵素を得るためのポリヌクレオチド、ベクター及び形質転換体を提供することにある。
本発明の他の目的は、植物(野菜等)を含んでいても、植物由来の青臭さを抑制(又は消失)できる飲食品を提供することにある。
本発明者は、上記課題を解決するために鋭意研究を重ねた結果、パプリカ等の植物から(Z)−3−ヘキセナールを(E)−2−ヘキセナールに異性化できる酵素((Z)−3:(E)−2−ヘキセナールイソメラーゼ)を単離できること、また、この酵素が、新規なアミノ酸配列を有しており、補因子などの添加物がなくても、広いpH範囲で高活性を有する優れた酵素であることを見出し、本発明を完成した。すなわち本発明は、以下の各発明を包含する。
[1](Z)−3−ヘキセナールを(E)−2−ヘキセナールに異性化するための酵素であって、配列番号1〜5、35〜37のいずれかで示されるアミノ酸配列(A1)及び配列番号1で示されるアミノ酸配列の54番目に対応する位置のアミノ酸がヒスチジン、60番目に対応する位置のアミノ酸がリシン、128番目に対応する位置のアミノ酸がチロシンであり、かつアミノ酸配列に基づくタンパク質の立体構造において、前記ヒスチジン、リシンおよびチロシンが、酵素の活性中心に配置されるアミノ酸配列(A2)から選択されたアミノ酸配列(A)を含むポリペプチドで構成され、クピン・スーパーファミリーに属するタンパク質である酵素。
[2]アミノ酸配列(A2)が、配列番号1で示されるアミノ酸配列の39番目〜68番目のアミノ酸配列と50%以上の相同性を有する配列を含む前記[1]記載の酵素。
[3]前記ポリペプチドのアミノ酸数が300〜400である前記[1]又は[2]に記載の酵素。
[4]前記アミノ酸配列(A)からなるポリペプチドで構成された前記[1]〜[3]のいずれかに記載の酵素。
[5]前記[1]〜[4]のいずれかに記載の酵素を構成するポリペプチドをコードするポリヌクレオチド。
[6]下記(i)〜(iii)のいずれかの塩基配列を含む前記[5]記載のポリヌクレオチド:
(i)配列番号9〜13、39〜41のいずれかで示される塩基配列、
(ii)配列番号9〜13、39〜41のいずれかで示される塩基配列に対する相同性が90%以上である塩基配列、又は
(iii)配列番号9〜13、39〜41のいずれかにおいて1又は2〜20個の塩基が置換、欠失、挿入及び/又は付加された塩基配列。
[7]前記[5]又は[6]記載のポリヌクレオチドを含む組換えベクター。
[8]前記[7]記載の組換えベクターにより形質転換された形質転換体。
[9]前記[8]記載の形質転換体を培養し、培養物から前記[1]〜[4]のいずれかに記載の酵素を採取する方法。
[10]前記[1]〜[4]のいずれかに記載の酵素を含む飲食品。
なお、本明細書では、アミノ酸を1文字略号(アラニンを「A」、グリシンを「G」など)として記載する場合がある。
本発明では、(Z)−3−ヘキセナールを(E)−2−ヘキセナールに異性化できる新規な酵素(さらには、この酵素を得るためのポリヌクレオチド、ベクター及び形質転換体)を得ることができる。このような異性化酵素は、補因子などの添加物を共存させなくても、酵素活性を発揮できる。しかも、中性〜弱酸性といった広いpH範囲でも高活性を示す酵素であり、非常に有用性が高い。
また、本発明によれば、このような異性化酵素を、効率よく得ることができるポリヌクレオチド(さらにはベクター及び形質転換体)を提供することができる。
さらに、本発明の酵素は、上記のように高活性であり、植物に適用することで、植物由来の青臭さを抑制(又は消失)できる。特に、パプリカのような植物に含まれる成分であるため、安全に使用可能である。例えば、植物(野菜等)を含む飲食品(野菜ジュースなど)に当該酵素を含有させることで、植物を含んでいても、植物由来の青臭さを抑制(又は消失)できる。
なお、(Z)−3−ヘキセナールは青臭さの原因となる一方で、(E)−2−ヘキセナールは、甘い匂いを有している。そのため、本発明の酵素の使用により、青臭さを抑制(又は消失)しつつ、甘い匂いを付与することができる。
図1は、実施例1におけるクロマトグラフィー及びSDSPAGEの結果を示す図である。 図2は、CaHlのアミノ酸配列(配列番号1)である。 図3は、CaHI、SlHI1、SlHI3、StHI1、StHI2、SlHI2、AtHl1−like及びAtHl2−likeのそれぞれについて酵素活性の有無を確認したHPLCチャートである。 図4は、CaHI、SlHI1、SlHI3、StHI1、StHI2、SlHI2、AtHI1−like及びAtHI2−likeのアラインメントである。 図5は、配列番号1において54番目に位置するHをAに置換したアミノ酸配列からなる組換えタンパク質について、酵素活性の有無を確認したHPLCチャートである。 図6は、MsHl1、CsHl3及びOsHl1のそれぞれについて酵素活性の有無を確認したHPLCチャートである。 図7は、CaHI、SlHI1、SlHI3、StHI1、StHI2、MsHI1、CsHI3、OsHI1、SlHI2、CsHI−like、AtHI1−like及びAtHI2−likeのアラインメントである。 図8は、CaHIの立体構造である。 図9は、MsHl1、CsHl3及びOsHl1の立体構造中の活性中心付近の拡大図である。 図10は、配列番号1において128番目のチロシン及び60番目のリシンをそれぞれアラニンに置換した組換えタンパク質について、酵素活性の有無を確認したHPLCチャートである。 図11は、パプリカヘキセナールイソメラーゼ高発現遺伝子組換えトマトの葉の揮発性成分の(Z)―3−ヘキセナール及び(E)―2−ヘキセナールを測定したGC−MSチャートである。 図12は、パプリカヘキセナールイソメラーゼ高発現遺伝子組換えトマトの果実の揮発性成分の(Z)―3−ヘキセナール及び(E)―2−ヘキセナールを測定したGC−MSチャートである。 図13は、CaHIの立体構造中の活性中心付近の拡大図である。
[異性化酵素及び異性化酵素を含む飲食品]
本発明の酵素は、(Z)−3−ヘキセナールを(E)−2−ヘキセナールに異性化(又は変換)するための酵素(異性化酵素、イソメラーゼ)である。また、本発明の酵素は、クピン(cupin)・スーパーファミリーに属するタンパク質である。そして、このような酵素は、配列番号1〜5、35〜37のいずれかで示されるアミノ酸配列(A1)及び配列番号1で示されるアミノ酸配列の54番目に対応する位置のアミノ酸がヒスチジン、60番目に対応する位置のアミノ酸がリシン、128番目に対応する位置のアミノ酸がチロシンであり、かつアミノ酸配列に基づくタンパク質の立体構造において、前記ヒスチジン、リシンおよびチロシンが、酵素の活性中心に配置されるアミノ酸配列(A2)から選択されたアミノ酸配列(A)を含むポリペプチドで構成されている。
アミノ酸配列(A2)は、配列番号1で示されるアミノ酸配列の54番目、60番目及び128番目にそれぞれ相当する位置のアミノ酸がヒスチジン、リシン及びチロシンであることを要する。対応する位置は、配列アラインメントを利用して決定することができる。対応する位置は配列番号1の番号(54番目、60番目及び128番目)と同じである必要はなく、前後してもよい。例えば、配列番号1における54番目のヒスチジンに対応する位置のヒスチジン(以下、「H54」とも称する。)は、アミノ酸配列(A2)において54番目より小さい番号に位置してもよいし、大きい番号に位置してもよい。配列番号1における60番目のリシンに対応する位置のリジン(以下、「K60」とも称する。)及び128番目のチロシンに対応する位置のチロシン(以下、「Y128」とも称する。)も同様に、60番目および128番目よりそれそれ小さい番号に位置してもよいし、大きい番号に位置してもよい。また、例えば配列番号1においてH54とK60との間に存在するアミノ酸は5個であるが、アミノ酸配列(A2)においては4個以下でもよく、6個以上でもよい。
アミノ酸配列(A2)は、当該アミノ酸配列に基づくタンパク質の立体構造において、H54、K60及びY128が、酵素の活性中心に配置されることを要する。アミノ酸配列に基づくタンパク質の立体構造は、公知のソフトウェアやウェブサイトを利用することにより、作製することができ、作製された立体構造に基づいて、H54、K60及びY128が、酵素の活性中心に配置されるか否かを確認することができる。例えば、本発明者はSWISS−model(http://swissmodel.expasy.org)を使用しているが、これに限定されない。図13に、SWISS−model(http://swissmodel.expasy.org)を使用し、配列番号1に示されるアミノ酸配列に基づいて作製したパプリカヘキセナールイソメラーゼの立体構造中の活性中心付近の拡大図を示す。図13中、点線は直径約5Åの円を表し、3.8はH54と基質との距離を示してている。図13に示したように、パプリカヘキセナールイソメラーゼでは、H54、K60及びY128は近接して反応中心を形成し、この位置に基質である(Z)−3−ヘキセナール(図中3−ヘキセナール)が結合して、(E)−2−ヘキセナールへの変換反応が進行すると考えられる。したがって、アミノ酸配列(A2)においても、ヘキセナールイソメラーゼ活性を発現するために、当該アミノ酸配列に基づくタンパク質の立体構造において、H54、K60及びY128が、酵素の活性中心に配置される必要がある。これら3つのアミノ酸間の距離は特に限定されないが、約10Å以下であることが好ましく、約7Å以下であることがより好ましく、約5Å以下であることがさらに好ましい。また、これら3つのアミノ酸間の距離は2Å以上であることが好ましい。
アミノ酸配列(A2)は、配列番号1で示されるアミノ酸配列の39番目〜68番目のアミノ酸配列と50%以上の相同性を有する配列を含むことが好ましい。より好ましくは50%以上の相同性、さらに好ましくは65%以上の相同性を有する。この領域は配列番号1で示されるアミノ酸配列のH54の前後の配列であり、K60を含む配列である。この領域のアミノ酸配列の相同性が50%以上であれば、立体構造においてY128を含む活性中心が形成されていると推認することができる。
本発明の酵素は、上記H54、K60及びY128以外に、配列番号1で示されるアミノ酸配列の23番目、64番目、86番目、102番目、114番目、126番目および130番目から選択された1以上の対応する位置において、配列番号1と同じアミノ酸を有することが好ましい。具体的には、配列番号1で示されるアミノ酸配列の23番目はチロシン(Y23)、64番目はバリン(V64)、86番目はイソロイシン(I86)、102番目はトリプトファン(W102)、114番目はフェニルアラニン(F114)、126番目はフェニルアラニン(F126)、130番目はフェニルアラニン(F130)である。これらの中で、配列番号1と同じアミノ酸を有する位置の数は、1以上であればよく、好ましくは2以上、より好ましくは3以上、さらに好ましくは4以上である。
本発明の酵素は、クピン(cupin)・スーパーファミリーに属するタンパク質であるが、その中でも11Sグロブリン様タンパク質であることが好ましい。11Sグロブリン様タンパク質は、広く植物の種子中に分布し、貯蔵タンパク質の機能を有する11Sグロブリンと構造が類似しているタンパク質を意味する。また、本発明の酵素を構成するポリペプチドのアミノ酸数は特に限定されないが、約300〜約400アミノ酸であることが好ましく、約320〜約380アミノ酸であることがより好ましく、約330〜約370アミノ酸であることがさらに好ましい。
なお、本発明の酵素を構成するポリペプチドは、アミノ酸配列(A)のみからなるポリペプチドであってもよく、酵素活性を有する限り、さらに、他のアミノ酸(又はアミノ酸配列)を有していてもよい。
本発明の酵素は、前記の通り、(Z)−3−ヘキセナールを(E)−2−ヘキセナールに異性化するための酵素(異性化酵素)として使用できる。このような酵素は、補因子等の添加物がなくても、活性を有しており、活性なpHの範囲も広い。例えば、本発明の酵素は、pH2〜9、好ましくは3〜8.5、さらに好ましくは4〜8(例えば、4.5〜7.5)程度で酵素活性を発揮できる。
酵素の利用方法としては、特に限定されないが、例えば、飲食品に、本発明の酵素を含有させることで、植物由来の青臭さを抑制(又は消失)させることができる。
そのため、本発明には、前記酵素を含む飲食品も含まれる。飲食品としては、例えば、植物成分(植物由来成分)を含んでいればよく、加工食品、健康食品、飲料、調味料などが挙げられる。
また、本発明には、前記酵素を植物成分(植物由来成分)を含む飲食品に添加する工程を有する植物由来の青臭さを抑制する方法が含まれる。
飲食品において、酵素の含有量は、植物由来の成分の含有量等に応じて適宜選択できるが、例えば、50重量%以下、30重量%以下(例えば、20重量%以下)、10重量%以下(例えば、0.0001〜8重量%)、好ましくは5重量%以下(例えば、0.001〜3重量%)、さらに好ましくは2重量%以下(例えば、0.01〜1重量%)であってもよく、0.1〜30重量%(例えば、0.5〜25重量%、好ましくは1〜20重量%、さらに好ましくは2〜15重量%)程度であってもよい。
なお、飲食品を構成する植物由来成分は、本発明の酵素を含んでいてもよく、含んでいなくてもよい。本発明の酵素を含んでいる場合、上記割合は、元来、植物由来の成分に含まれる酵素を含まないものとする。
本発明の酵素は、植物(例えば、パプリカ、トマト、じゃがいもなどのナス科植物、アルファルファ等のマメ科植物、キュウリ等のウリ科植物、イネ等のイネ科植物)等から慣用の手法を用いて単離(精製)することで得てもよく、後述するように、酵素を構成するポリペプチドをコードするポリヌクレオチドを利用して得ることもできる。
[ポリヌクレオチド、ベクター及び形質転換体]
本発明のポリヌクレオチドは、前記ポリペプチド(又は前記アミノ酸配列(A))をコードするポリヌクレオチドである。このようなポリヌクレオチドは、前記酵素を生成するため、前記酵素を生成するための成分(酵素生成剤)ということもできる。
ポリヌクレオチドは、DNA(又はDNA断片又は遺伝子)であってもよく、RNAであってもよい。また、ポリヌクレオチドは、二本鎖(例えば、二本鎖DNA、二本鎖RNA、DNAとRNAとのハイブリッドなど)であってもよく、一本鎖であってもよい。なお、一本鎖は、センス鎖、アンチセンス鎖のいずれでもよい。
ポリヌクレオチドとしては、前記ポリペプチドをコードするものであれば特に限定されないが、例えば、配列番号1〜5のいずれかで示されるアミノ酸配列(A1)をコードする塩基配列(B1)、及びアミノ酸配列(A1)と類似するアミノ酸配列(A2)をコードする塩基配列(B2)から選択された塩基配列(B)を含むポリヌクレオチドが挙げられる。
塩基配列(B1)としては、例えば、配列番号9〜13、39〜41のいずれかで示される塩基配列が含まれる。なお、これらの塩基配列は、それぞれ順に、配列番号1、配列番号2、配列番号3、配列番号4、配列番号5、配列番号35、配列番号36及び配列番号37のアミノ酸配列に対応している。
また、塩基配列(B2)としては、例えば、塩基配列(B1)に対して高い相同性を有する塩基配列が挙げられる。このような塩基配列において、塩基配列(B1)に対する相同性は、アミノ酸配列(A)(又はポリペプチド)をコードできる限り限定されないが、60%以上の範囲から選択でき、例えば、70%以上、好ましくは80%以上、さらに好ましくは90%以上、特に95%以上であってもよく、さらに高い相同性(例えば、97%以上、好ましくは98%以上、さらに好ましくは99%以上)であってもよい。
さらに、塩基配列(B2)には、アミノ酸配列(A)(又はポリペプチド)をコードできる限り、塩基配列(B1)において、一部の塩基(塩基配列)が置換、欠失などにより改変した塩基配列も含まれる。
代表的な塩基配列(B)としては、(i)配列番号9〜13、39〜41のいずれかで示される塩基配列、(ii)配列番号9〜13、39〜41のいずれかで示される塩基配列に対する相同性が70%以上(好ましくは80%以上、特に90%以上)である塩基配列、(iii)配列番号9〜13、39〜41のいずれかにおいて1又は複数個の塩基(塩基配列)が置換、欠失、挿入及び/又は付加された塩基配列などが挙げられる。
塩基配列(iii)において、複数個としては、例えば、2〜30個(例えば、2〜25個)、好ましくは2〜20個(例えば、2〜15個)、さらに好ましくは2〜10個(例えば、2〜5個)程度であってもよい。
なお、本発明のポリヌクレオチドは、塩基配列(B)のみからなるポリヌクレオチドであってもよく、前記ポリペプチド(又はアミノ酸配列(A))をコードする限り、さらに、他の塩基(塩基配列)等を有していてもよい。
例えば、前記ポリヌクレオチドは、5’側又は3’側にタグ標識をコードするポリヌクレオチドに融合されていてもよい。また、非翻訳領域の配列、ベクター配列などの他の配列を含んでいてもよい。
本発明のポリヌクレオチドは、例えば、PCR法、化学合成法、ハイブリダイゼーション法などの慣用の方法により得ることができる。
また、本発明の組換えベクターは、前記ポリヌクレオチドを含む。このような組換えベクターは、宿主(宿主細胞)中で発現可能なベクターであれば特に限定されず、例えば、プラスミドベクターなどが挙げられる。
組換えベクターは、慣用の方法(例えば、プラスミド、ファージ、コスミドなどを用いる方法)により得ることができる。例えば、宿主(又は宿主細胞)の種類に応じて、本発明のポリヌクレオチドを発現できるプロモーター配列と、本発明のポリヌクレオチドをベクター(例えば、各種プラスミドなど)に組み込むことにより得ることができる。
また、本発明の形質転換体は、組換えベクターにより形質転換された構造を有している。このような形質転換体は、組換えベクターを、慣用の方法により宿主中に形質転換(及び形質導入)することに得ることができる。
宿主(又は宿主細胞)としては、目的とするポリヌクレオチドを発現できるものであれば特に限定されず、例えば、微生物、細菌(大腸菌など)、酵母、動物細胞などが挙げられる。
本発明では、このような形質転換体を培養し、培養物から前記酵素を採取(又は回収)することができる。すなわち、培養により、培養物中に前記酵素を生成(蓄積)させ、この培養物から前記酵素を採取(回収)できる。培養方法としては、特に限定されず、慣用の方法を利用できる。
培養に用いる培地としては、完全培地又は合成培地であってもよく、例えば、LB培地、M9培地などが挙げられる。培養条件(pH、培養温度、培養時間など)は、特に限定されず、適宜選択できる。
なお、酵素の採取は、慣用の方法(例えば、培養物を破砕処理する方法など)により得られた粗酵素を、各種クロマトグラフィーにて精製するなどして行うことができる。
本発明には、以下の各発明も含まれる。
<1>(Z)−3−ヘキセナールを(E)−2−ヘキセナールに異性化するための酵素であって、配列番号1〜5のいずれかで示されるアミノ酸配列(A1)及び配列番号1〜5のいずれかで示されるアミノ酸配列に対して60%以上の相同性を有し、かつ配列番号1で示されるアミノ酸配列の54番目に対応する位置のアミノ酸がヒスチジンであるアミノ酸配列(A2)から選択されたアミノ酸配列(A)を含むポリペプチドで構成された酵素。
<2>アミノ酸配列(A2)が、配列番号1で示されるアミノ酸配列の32番目に対応する位置のアミノ酸がバリン、54番目に対応する位置のアミノ酸がヒスチジン、167番目に対応する位置のアミノ酸がロイシン、177番目に対応する位置のアミノ酸がイソロイシン、239番目に対応する位置のアミノ酸がロイシン、262番目に対応する位置のアミノ酸がバリン、266番目に対応する位置のアミノ酸がロイシン、299番目に対応する位置のアミノ酸がイソロイシン、339番目に対応する位置のアミノ酸がプロリンである前記<1>に記載の酵素。
<3>アミノ酸配列(A2)が、配列番号1〜5のいずれかで示されるアミノ酸配列に対して、75%以上の相同性を有する前記<1>又は<2>に記載の酵素。
<4>アミノ酸配列(A)が、下記(i)〜(iii)のいずれかのアミノ酸配列である前記<1>〜<3>のいずれかに記載の酵素。
(i)配列番号1〜5のいずれかで示されるアミノ酸配列
(ii)配列番号1〜5のいずれかで示されるアミノ酸配列に対する相同性が75%以上であり、かつ配列番号1で示されるアミノ酸配列の32番目に対応する位置のアミノ酸がバリン、54番目に対応する位置のアミノ酸がヒスチジン、167番目に対応する位置のアミノ酸がロイシン、177番目に対応する位置のアミノ酸がイソロイシン、239番目に対応する位置のアミノ酸がロイシン、262番目に対応する位置のアミノ酸がバリン、266番目に対応する位置のアミノ酸がロイシン、299番目に対応する位置のアミノ酸がイソロイシン、339番目に対応する位置のアミノ酸がプロリンであるアミノ酸配列
(iii)配列番号1〜5のいずれかにおいて1又は複数個のアミノ酸が置換、欠失、挿入及び/又は付加され、かつ配列番号1で示されるアミノ酸配列の32番目に対応する位置のアミノ酸がバリン、54番目に対応する位置のアミノ酸がヒスチジン、167番目に対応する位置のアミノ酸がロイシン、177番目に対応する位置のアミノ酸がイソロイシン、239番目に対応する位置のアミノ酸がロイシン、262番目に対応する位置のアミノ酸がバリン、266番目に対応する位置のアミノ酸がロイシン、299番目に対応する位置のアミノ酸がイソロイシン、339番目に対応する位置のアミノ酸がプロリンであるアミノ酸配列
<5>前記<1>〜<4>のいずれかに記載のポリペプチドをコードするポリヌクレオチド。
<6>下記(i)〜(iii)のいずれかの塩基配列を含む前記<5>記載のポリヌクレオチド。
(i)配列番号9〜13のいずれかで示される塩基配列
(ii)配列番号9〜13のいずれかで示される塩基配列に対する相同性が90%以上である塩基配列
(iii)配列番号9〜13のいずれかにおいて1又は2〜20個の塩基が置換、欠失、挿入及び/又は付加された塩基配列
<7>前記<5>又は<6>に記載のポリヌクレオチドを含む組換えベクター。
<8>前記<7>に記載の組換えベクターにより形質転換された形質転換体。
<9>前記<8>に記載の形質転換体を培養し、培養物から前記<1>〜<4>のいずれかに記載の酵素を採取する方法。
<10>前記<1>〜<4>のいずれかに記載の酵素を含む飲食品。
なお、本発明は上述した各実施形態及び実施例に限定されるものではなく、種々の変更が可能であり、異なる実施形態にそれぞれ開示された技術的手段を適宜組み合わせて得られる実施形態についても本発明の技術的範囲に含まれる。また、本明細書中に記載された学術文献及び特許文献の全てが、本明細書中において参考として援用される。
以下、実施例により本発明を詳細に説明するが、本発明はこれらに限定されるものではない。
なお、実施例において、酵素活性は、次のようにして測定した。
[酵素活性の測定]
酵素溶液100μLを、395μLのHepes[4−(2−ヒドロキシエチル)−1−ピペラジンエタンスルホン酸]−KOH緩衝液(pH7.0、50mM)と、5μLの(Z)−3−ヘキセナール(ゼオン社、濃度1M)と混合し、任意時間(5〜30分間)、室温で反応させた。反応後、2,4−ジニトロフェニルヒドラジン(DNPH)のアセトニトリル溶液(25mM)25μLと、20μLのギ酸を加え、アルデヒド成分[(Z)−3−ヘキセナール(生成している場合にはさらに(E)−2−ヘキセナール)]をDNP誘導体化した。300μLのヘキサンを加えてよく撹拌してから静置した。ヘキサン層(上層)を回収し、遠心濃縮機によりヘキサンを除去した。残渣を200μLのアセトニトリルに溶解したものを、HPLCにより分析し、(E)−2−ヘキセナールの生成の有無を確認した。
[実施例1:パプリカからの酵素の精製・単離]
新鮮な赤パプリカから種子とワタを取り除き、良く水洗した果皮部のみを300gはかり取り、450mlのHepes−KOH緩衝液(pH7.0、50mM)とともにミキサーで破砕抽出した。二重のガーゼでろ過し残渣を取り除いた後、遠心分離器(RPR12−2、日立社製)にて、10,000rpmで10分間遠心分離した。
上清を回収し、30%飽和濃度となるように硫酸アンモニウムを加え、30%飽和硫酸アンモニウムを含む50mMリン酸カリウム緩衝液(pH7.0)で平衡化したフェニルセファロース(Phenyl−Sepharose、GEヘルスケア製)に全量供した。
非吸着物質を30%飽和硫酸アンモニウムを含む50mMリン酸カリウム緩衝液(pH7.0)で十分洗い流した後、50mMリン酸カリウム緩衝液(pH7.0)で吸着したタンパク質を溶出した。各溶出画分について酵素活性を測定し、活性のあった画分を集め、50mMリン酸カリウム緩衝液(pH7.0)で平衡化したハイドロキシアパタイトカラムに供した。
250mMリン酸カリウム緩衝液(pH7.0)でカラムを良く洗浄した後、1%(v/v)の非イオン系界面活性剤(Triton X−100)を含む250mMリン酸カリウム緩衝液(pH7.0)で、吸着タンパク質を溶出し、各画分の酵素活性を測定した。
活性画分を集め、その液量の9倍量の0.1%(w/v)β−D−ドデシルマルトシドを含む20mMのHepes−KOH緩衝液(pH7.0)を加えた後、同じ緩衝液で平衡化したMonoQ(2ml、GEヘルスケア製)カラムに吸着させた。吸着したタンパク質は、1MのNaCl、0.1%(w/v)β−D−ドデシルマルトシドを含む20mMのHepes−KOH緩衝液(pH7.0)で溶出し、各画分の酵素活性を測定した。
活性画分の液量の9倍量の0.1%(w/v)β−D−ドデシルマルトシドを含む20mMHepes−KOH緩衝液(pH7.0)を加えた後、0.1%(w/v)β−D−ドデシルマルトシドを含む20mMHepes−KOH緩衝液(pH7.0)で平衡化したMonoQ(SMART−SYSTEM、GEヘルスケア社製)に吸着させた。
吸着タンパク質は0Mから0.3MまでのNaClグラジエント溶出により分画した後、活性測定とSDS電気泳動を行うことにより、目的酵素が単一に精製されたことを確認した。結果を図1に示す。
[実施例2:精製タンパク質の断片化及び断片化ペプチドのアミノ酸配列の決定]
実施例1で得られた精製タンパク質を70%(v/v)ギ酸に溶解し、臭化シアン片を加え、暗所で一晩反応させた後、減圧乾固した。
回収後のペプチドは、15%ポリアクリルアミドゲル(ATTO社製)を用いたトリストリシン(Tris−Tricine)緩衝液系によるSDS電気泳動法で分離した後、Tris−アミノカプロン酸緩衝液系によるセミドライブロッティング法を用いてポリビニリデンジフルオリド(PVDF)膜に転写した。転写後、PVDFに転写された断片化ペプチドを45%メタノール、5%酢酸溶液に溶解した0.1%クーマシーブリリアントブルーR−250により染色した。
そして、PVDF膜に転写された断片化ペプチドの中から、強く染色された2つのペプチドを選択し、プロテインシーケンサーを用いてアミノ酸配列を決定した。すなわち、アルコールで洗浄したはさみで解析対象とするペプチドを切り出し、ピンセットを用いてプロテインシーケンサー(ABI、Procise 492モデル)のサンプルブロックにセットし、ABI社から提供されているプロトコルに従って解析した。結果を以下の表に示す。
Figure 0006846023
[実施例3:決定したアミノ酸配列の相同性検索]
実施例2で決定した2つのペプチドのアミノ酸配列に基づいて、Sol Genomics Network (http://solgenomics.net)のBLAST検索により、タンパク質をコードすると考えられる遺伝子を検索したところ、トマトの13S貯蔵タンパク質2との類似性が示されたCaHI(CA08g14620)が2つのアミノ酸配列を含むことがわかった。
図2にCaHIのアミノ酸配列(配列番号1)を示す。図2において、下線部は、実施例2で決定した2つのペプチドのアミノ酸配列である。
[実施例4:組換え酵素の作製]
植物由来の酵素を大腸菌で安定的に発現させるために、より低温で大腸菌を培養することが効果的であることが多い。そこで培養温度を低温にシフトさせることにより組換え酵素を発現させることが出来るコールドショック発現ベクターをベースとし、粘液細菌由来のProteinS(ProS)を可溶化タグとして利用する発現ベクターpCold ProS2を用いて組換え酵素の発現を行った。
組換え酵素作製に用いる鋳型cDNAはパプリカからRNeasy Plant Mini Kit(キアゲン社)を用いて得た全RNAからReverTra Ace kit(東洋紡社)により調製した。PCRはDNAポリメラーゼとしてExTaq(Takara)を用いた。pColdProS2に組み込めるように制限酵素認識部位配列を加えたプライマーを用いて、パプリカのcDNAを鋳型としPCRを行った。得られたPCR断片をBamHI、SalIで消化し、組換えpColdProS2プラスミドを構築した。なお、増幅反応に用いたプライマー配列は以下の通りである。
Figure 0006846023
構築したプラスミドはサブクローニング用大腸菌(DH−5α株)に形質転換後、抗生物質である50μg/mlのアンピシリンを含んだLB固体培地で培養し、生育した大腸菌から抽出したプラスミドについて制限酵素処理によるインサートチェックとDNA配列の確認を行い、目的の遺伝子(配列番号9)が導入されていることを確認した。
なお、DNA配列の決定はビッグダイ・ターミネーター・ヴァージョン3.1サイクル・シークエンシング・キット(ABI社製)を用いたサイクルシーケンシング反応により増幅したDNA断片を、ABI PRISM3130ジェネチックアナライザ(ABI社製)により解析することで行った。
大腸菌にはBL21(DE3)を用いた。プラスミド導入は、コンピテントセルに3μLのプラスミド溶液を添加し、氷上に30分放置後、42℃1分間のヒートショックを与えた。SOC培地を加え1時間培養後、50μg/mLのアンピシリンを含んだLB固体培地で培養し、組換え酵素発現用の大腸菌を得た。
組換え酵素発現用の大腸菌は5mlのLB液体培地に植菌し、37℃でOD値が0.5になるまで培養したのち、IPTGを終濃度0.5mMとなるよう加え、15℃で一晩培養した。培養終了後、5000gで15分遠心を行い、PBSを10mlで懸濁し3回洗浄を行った。ソニケーションによって菌体を破砕し、15000rpmで30分遠心分離後の上清を可溶性画分として酵素活性測定を行い、酵素活性を有することを確認した。
[実施例5:配列情報に基づく酵素活性の確認]
パプリカのヘキセナールイソメラーゼ遺伝子配列をもとにBLAST検索を行い、草本植物で相同性が高い遺伝子を選択し、配列情報を得た。
得られた配列情報は以下の通りである。
SlHI1:配列番号2で示されるアミノ酸配列、配列番号1で示されるアミノ酸配列に対する相同性79%、トマト由来、対応する遺伝子は配列番号10で示される塩基配列
SlHI3:配列番号3で示されるアミノ酸配列、配列番号1で示されるアミノ酸配列に対する相同性79%、トマト由来、対応する遺伝子は配列番号11で示される塩基配列
StHI1:配列番号4で示されるアミノ酸配列、配列番号1で示されるアミノ酸配列に対する相同性80%、じゃがいも由来、対応する遺伝子は配列番号12で示される塩基配列
StHI2:配列番号5で示されるアミノ酸配列、配列番号1で示されるアミノ酸配列に対する相同性81%、じゃがいも由来、対応する遺伝子は配列番号13で示される塩基配列
SlHI2:配列番号6で示されるアミノ酸配列、配列番号1で示されるアミノ酸配列に対する相同性71%、トマト由来、対応する遺伝子は配列番号14で示される塩基配列
AtHI1−like:配列番号7で示されるアミノ酸配列、配列番号1で示されるアミノ酸配列に対する相同性38%、シロイヌナズナ由来、対応する遺伝子は配列番号15で示される塩基配列
AtHI2−like:配列番号8で示されるアミノ酸配列、配列番号1で示されるアミノ酸配列に対する相同性38%、シロイヌナズナ由来、対応する遺伝子は配列番号16で示される塩基配列
そして、得られた配列情報に基づいて、実施例4と同様にして組換え酵素を得、酵素活性測定を行った。
なお、増幅反応に用いたプライマー配列は以下の通りである。
Figure 0006846023
CaHIを含めた各酵素について得られたHPLCチャートを図3に示す。
図3の結果から明らかなように、SlHI1、SlHI3、StHI1及びStHI2については、CaHIと同様に酵素活性があり、SlHI2、AtHI1−like及びAtHI2−likeについては酵素活性を確認できなかった。
また、図4に、CaHIを含めた上記アミノ酸配列のアラインメント(配列アラインメント)を示す。なお、図4において、「Sl1」は「SlHI1」、「Sl3」は「SlHI3」、「St1」は「StHI1」、「St2」は「StHI2」、「Sl2」は「SlHI2」を意味する。
また、「有」「無」は、酵素活性の有無を意味し、四角枠で囲った部分は、酵素活性を有するアミノ酸配列のみに共通するアミノ酸を示す。
[実施例6:酵素活性に関係するアミノ酸の探索]
CaHIのアミノ酸配列(配列番号1)において、酵素活性を有するアミノ酸配列のみに共通する54番目のヒスチジン(H54)をアラニン(A)に置換したアミノ酸配列からなる組換え酵素(CaHI H54A)を実施例4と同様にして作製し、その酵素活性を確認したところ、酵素活性が見られなかった。
なお、CaHIのアミノ酸配列において、54番目のヒスチジンをアラニンに変えるようなプライマーを設計し、PrimeSTARMutagenesis Basal Kitを用いて、CaHI−pColdベクターに点置換変異を導入した。
プライマー配列は以下の通りである。
Figure 0006846023
図5に、CaHI H54Aについて得られたHPLCチャートを示す。なお、図5には、比較のため、CaHIのHPLCチャートも合わせて示す。
この結果から明らかなように、CaHIのアミノ酸配列(配列番号1)において、54番目に位置するヒスチジンは、酵素活性に必須であることがわかった。
同様にして、CaHIのアミノ酸配列において、57番目のアスパラギン酸(D)、305番目のリシン(K)、及び343番目のリシン(K)について、それぞれ、アラニン(A)に置換した各アミノ酸配列からなる組換え酵素をそれぞれ作製して酵素活性を確認したところ、いずれも酵素活性を有することがわかった。
また、54番目のヒスチジン以外にも、活性を示すアミノ酸配列に共通して保存されているという分子系統学上の観点から、CaHIのアミノ酸配列の32番目のV(バリン)、167番目のL(ロイシン)、177番目のI(イソロイシン)、239番目のL(ロイシン)、262番目のV(バリン)、266番目のL(ロイシン)、299番目のI(イソロイシン)、339番目のP(プロリン)が、酵素活性に関係する可能性が示唆された。
[実施例7:官能評価]
小松菜の新鮮重量に対し2倍量の水を加えてミキサーにかけ、ジュースを得た。得られたジュースは、特有の青臭い香りを有し、強い青臭さを感じる味を有していた。
一方、得られたジュース(1g)に、実施例4で得られた酵素(0.1g)を添加して10分振とうした後、同様に評価したところ、香り・味とも、明らかに青臭さが抑制されていた。
なお、香り及び味の評価は、5人のパネリストが行い、いずれのパネリストも同じ評価であった。
[実施例8:ナス科以外の植物のヘキセナールイソメラーゼの探索]
ナス科以外の植物のヘキセナールイソメラーゼを見出すために、CaHIのアミノ酸配列(配列番号1)と相同性の高いアミノ酸配列を、アルファルファ、キュウリ及びイネのデータベースに登録されているアミノ酸配列から検索した。検索により相同性の高い上位に挙げられたアミノ酸配列(4〜6配列)をアライメントし、CaHIの54番目のヒスチジン(H54)に相当する位置のアミノ酸前後のアミノ酸配列が、CaHIのアミノ酸配列と相同性が高いアミノ酸配列を選択し、ヘキセナールイソメラーゼの有無を確認した。
選択した配列情報は以下の通りである。
MsHI1:配列番号35で示されるアミノ酸配列、配列番号1で示されるアミノ酸配列に対する相同性42%、アルファルファ由来、対応する遺伝子は配列番号39で示される塩基配列
CsHI3:配列番号36で示されるアミノ酸配列、配列番号1で示されるアミノ酸配列に対する相同性38%、キュウリ由来、対応する遺伝子は配列番号40で示される塩基配列
OsHI1:配列番号37で示されるアミノ酸配列、配列番号1で示されるアミノ酸配列に対する相同性33%、イネ由来、対応する遺伝子は配列番号41で示される塩基配列
CsHI−like:配列番号38で示されるアミノ酸配列、配列番号1で示されるアミノ酸配列に対する相同性40%、キュウリ由来、対応する遺伝子は配列番号42で示される塩基配列
選択したアミノ酸配列に基づいて、実施例4と同様にして各組換えタンパク質を作製しヘキセナールイソメラーゼ活性を測定した。なお、増幅反応に用いたプライマーは以下のとおりである。
Figure 0006846023
その結果、CaHIの54番目に相当する位置のアミノ酸がヒスチジン(H54)であるMsHl1、OsHl1及びCsHl3はヘキセナールイソメラーゼ活性を有していたが、CaHIの54番目に相当する位置のアミノ酸がアルギニンのCsHI−likeはヘキセナールイソメラーゼ活性を有しなかった。
MsHl1、OsHl1及びCsHl3のヘキセナールイソメラーゼ活性を測定した結果を図6に示す。(A)がMsHl1、(B)がCsHl3、(C)がOsHl1である。図中「empty」は、ヘキセナールイソメラーゼ遺伝子を挿入していないプラスミドで形質転換した大腸菌から調製した可溶性画分を用いた結果である。図6から明らかなように、MsHl1、OsHl1及びCsHl3のヘキセナールイソメラーゼ活性が確認できた。
[実施例9:酵素活性に必須のアミノ酸の特定]
9−1 アライメント
図4のアライメントに、実施例8で酵素活性を確認したMsHl1、CsHl3、OsHl1およびCsHI−likeの各アミノ酸配列を追加して再度アライメントを行った結果を、図7に示す。その結果、酵素活性を有するアミノ酸配列の全てに保存されているが、酵素活性がないアミノ酸配列には保存されていないアミノ酸として、CaHIのアミノ酸配列(配列番号1)の54番目のヒスチジン(H54)及び128番目のチロシン(Y128)が該当することが見出された。
9−2 ヘキセナールイソメラーゼの立体構造
(1)CaHIの立体構造
SWISS−model(http://swissmodel.expasy.org)を利用して、配列番号1に示されるアミノ酸配列に基づいてCaHIの立体構造を予測した。図8にCaHIの立体構造を示す。図8から明らかなように、H54とY128は非常に近接していることが明らかになった。
(2)MsHl1、CsHl3及びOsHl1の立体構造
MsHl1、CsHl3及びOsHl1についても、SWISS−model(http://swissmodel.expasy.org)を利用して、それぞれ配列番号35、36及び37に示されるアミノ酸配列に基づいて立体構造を予測した。図9にMsHl1、CsHl3及びOsHl1の立体構造中のH54及びY128の近傍の拡大図を示す。(A)がMsHl1、(B)がCsHl3、(C)がOsHl1であり、図中の点線は直径約5Åの円を表す。いずれの酵素もCaHIと同様に、H54とY128は近接していることが明らかになった。
(3)他の共通アミノ酸
CaHI、MsHl1、CsHl3及びOsHl1の立体構造解析から、いずれのヘキセナールイソメラーゼもH54とY128は近接していることが明らかになったことから、H54及びY128の近傍にさらに共通のアミノ酸が存在するか否かを確認したところ、いずれのヘキセナールイソメラーゼもH54及びY128の近傍にリシン(K)を有することが見出された。このリシンはCaHIのアミノ酸配列(配列番号1)の60番目リシン(K60)に相当するリシンであった(図7、図8、図9参照)。
9−3 アラニン置換による酵素活性の確認
実施例6において、CaHIの54番目のヒスチジンをアラニンに置換(H54A)した組換えタンパク質は酵素活性を持たないことが確認されている。そこで、CaHIの128番目のチロシン及び60番目のリシンをそれぞれアラニンに置換した組換えタンパク質(Y128A及びK60A)を、実施例6と同様の方法で作製し、これらの酵素活性を測定した。なお、変異導入に用いたプライマーは以下のとおりである。
Figure 0006846023
結果を図10に示す。なお、図10には、比較のため野生型CaHIのHPLCチャートも合わせて示す。図10から明らかなようにY128A及びK60Aはいずれも酵素活性を持っていなかった。この結果から、CaHIにおいてH54、K60及びY128は酵素活性に必須のアミノ酸であり、立体構造からこれら3つのアミノ酸の存在位置が活性中心であると考えられた。
[実施例10:パプリカヘキセナールイソメラーゼ高発現遺伝子組換えトマトの作製]
(1)パプリカヘキセナールイソメラーゼ(CaHI)高発現ベクターの構築
CaHIを高発現させるための発現ベクターとしてpRI101−ANベクター(TaKaRa社製)を用いた。PCRはDNAポリメラーゼとしてExTaq(Takara)を用いた。pRI101−ANベクターに組み込めるように制限酵素認識部位配列(下線)を加えたプライマーを用いて、実施例4で調製したパプリカのcDNAを鋳型としてPCRを行った。得られたPCR断片をNdeI、SalIで消化し、pRI101−ANベクターにCaHI遺伝子を導入したプラスミドを構築した。なお、増幅反応に用いたプライマー配列は以下の通りである。
Figure 0006846023
(2)形質転換トマトの作製
定法に従い、Agrobacterium tumefaciens C58株をCaHI遺伝子を導入したpRI101−ANベクターで形質転換した。トマトの系統は、micro TOMを用いた。トマトの子葉切片に形質転換アグロバクテリウムを感染させた。感染させた子葉切片を再分化させ、不定芽を誘導させた。これを培養し、発根させた後、ゲノムPCRを行い形質転換体であるかどうかを確認した。形質転換体の確認実験は、トマト葉を3mm角に切り取り、100μLのDNA抽出用緩衝液(100mM Tris塩酸、pH9.5、1M KCl、10mM EDTA)を加え、摩砕した。その後、10,000rpmで10分間遠心分離し、上清をDNA抽出液とした。このDNA抽出液を鋳型DNAとして、ゲノムPCR反応を行い、CaHIの増幅が確認できた個体を形質転換体とした。#8、#12、#28、#29、#37、#40の計6個体の形質転換体が得られた。ゲノムPCR反応に用いたプライマーは以下の通りである。
Figure 0006846023
(3)遺伝子組み換えトマトの葉における酵素活性の評価
得られた遺伝子組み換えトマトの葉を切り取り、重さを測定後、30個のステンレスビーズ(3mm)とともにガラスバイアルに入れた。密栓し、激しく撹拌して組織を破砕し、25℃で5分間静置した後に、1mLの飽和CaCl溶液を加えた。その後、固相抽出サンプリングファイバー(SPME)をガラスバイアル上部に挿し、25℃で30分間静置し、ファイバーに揮発性成分を吸着させた状態でGC―MS解析に供した。装置にはGCMS−QP5050(Shimadzu、Kyoto、Japan)を用い、Matsuiら(Matsui K.et al.,2012,PLoS ONE 7(4): e36433.doi:10.1371/journal.pone.0036433)に記載の条件で解析を実施した。
図11に、6個体の遺伝子組み換えトマトの葉の揮発性成分についてGC−MS解析した結果を示す。なお、図11には、比較のため、野生型(WT)トマトの葉の揮発成分、(E)―2−ヘキセナール標品及び(Z)―3−ヘキセナール標品の結果も合わせて示す。
図11から明らかなように、CaHIを高発現させた遺伝子組み換えトマトの葉では、(Z)―3−ヘキセナールが減少し、(E)―2−ヘキセナールが増加していることが示された。
(4)遺伝子組み換えトマトの果実における酵素活性の評価
得られた遺伝子組み換えトマトの果実(#28、#29、#37、#40)を5g量り取り、液体窒素により凍結後、乳鉢で粉砕した。冷やしたファルコンチューブにサンプルを移し、パラフィルムで密栓後、固相抽出サンプリングファイバー(SPME)を挿しこみ、60分間放置してファイバーに揮発性成分を吸着させた状態でGC−MS解析に供した。解析条件は、上記(3)と同じである。
図12に、4個体の遺伝子組み換えトマトの果実の揮発性成分についてGC−MS解析した結果を示す。なお、図12には、比較のため、野生型(WT)トマトの果実の揮発成分、(E)―2−ヘキセナール標品及び(Z)―3−ヘキセナール標品の結果も合わせて示す。
図12から明らかなように、CaHIを高発現させた遺伝子組み換えトマトの果実では、(Z)―3−ヘキセナールが減少し、(E)―2−ヘキセナールが増加していることが示された。
本発明の酵素は、(Z)−3−ヘキセナールを(E)−2−ヘキセナールに効率よく異性化する機能を有している。そのため、植物に適用することで、植物由来の青臭さを抑制又は消失させることができる。また、パプリカのような植物由来の酵素であるため、青臭さの抑制(又は消失又は消臭)成分として、野菜ジュースのような飲食品においても安全に使用できる。

Claims (11)

  1. (Z)−3−ヘキセナールを(E)−2−ヘキセナールに異性化するための組成物であって、以下:
    配列番号1〜5、35〜37のいずれかで示されるアミノ酸配列(A1)、及び
    配列番号9〜13、39〜41のいずれかで示される塩基配列に対する同一性が90%以上である塩基配列によりコードされるアミノ酸配列であって、前記アミノ酸配列を含むポリペプチドで構成される酵素が(Z)−3:(E)−2−ヘキセナールイソメラーゼ活性を有する、アミノ酸配列(A2)
    から選択されたアミノ酸配列(A)を含むポリペプチドで構成される酵素を含む、組成物。
  2. アミノ酸配列(A)が、アミノ酸配列(A1)である請求項1に記載の組成物。
  3. アミノ酸配列(A)が、アミノ酸配列(A2)であり、前記アミノ酸配列(A2)において、配列番号1で示されるアミノ酸配列の54番目に対応する位置のアミノ酸がヒスチジン、60番目に対応する位置のアミノ酸がリシン、128番目に対応する位置のアミノ酸がチロシンである請求項1に記載の組成物。
  4. 前記組成物が、食品組成物である、請求項1〜3のいずれかに記載の組成物。
  5. 前記組成物が、食品添加物である、請求項1〜3のいずれかに記載の組成物。
  6. 請求項1〜3のいずれかに記載の酵素を構成するポリペプチドをコードするポリヌクレオチドを含む組換えベクターにより形質転換された形質転換体を培養し、培養物から請求項1〜3のいずれかに記載の酵素を採取することを含む、請求項1〜3のいずれかに記載の組成物の製造方法。
  7. 請求項1〜3のいずれかに記載の酵素を用いて(Z)−3−ヘキセナールを(E)−2−ヘキセナールに異性化する方法。
  8. 請求項1〜3のいずれかに記載の酵素を構成するポリペプチドをコードするポリヌクレオチドを含む組換えベクターを含む、細胞に(Z)−3−ヘキセナールを(E)−2−ヘキセナールに異性化させる能力を付与するための組成物。
  9. 以下:
    配列番号4又は5で示されるアミノ酸配列、及び
    配列番号12又は13で示される塩基配列に対する同一性が98%以上である塩基配列によりコードされるアミノ酸配列であって、前記アミノ酸配列を含むポリペプチドで構成される酵素が(Z)−3:(E)−2−ヘキセナールイソメラーゼ活性を有する、アミノ酸配列
    から選択されたアミノ酸配列を含むポリペプチドで構成される酵素。
  10. 請求項9に記載の酵素を含む、組成物。
  11. 前記組成物が、食品組成物である、請求項10に記載の組成物。
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