JP6845301B1 - 床版取替え構造および床版取替え方法 - Google Patents
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Abstract
Description
ここで、コンクリート床版が取り替えを要するほど傷んでいる橋梁の多くは交通量が多いケースであり、コンクリート床版を取り替える際に交通量を制限したり、交通止めを行う必要があった。そのため、コンクリートの床版の取り替える際の交通制限にかかる必要時間が短いことが求められており、その点で改善の余地があった。
また、鋼床版の横リブは床版支持ブラケットに載置して当該床版支持ブラケットに取り付けられているが、基本的にこの床版支持ブラケットは片持ち梁として主桁に取り付けられている。そのため、鋼床版の重量を支える床版支持ブラケットは大きな強度を有する必要がある。
また、主桁と前記鋼床版とが橋軸方向にせん断力を伝達するせん断力伝達部材によって結合されているので、主桁と鋼床版との間で橋軸方向にせん断力を確実に伝達することができ、確実に鋼床版と主桁が合成化された構造とすることができる。
また、この場合には、デッキプレートにおけるコンクリート床版残置部の上方に位置する部分が縦リブを介してせん断力伝達部材によって主桁ウエブに固定されているので、デッキプレートに生じるたわみを減少させることができ、舗装の損傷を抑制することで舗装の寿命を向上できる。
また、例えば板状部材をデッキプレートの上下に配置することにより増厚部を容易に設けることができるので、施工性の向上を図ることができる。なお、増厚した部分の板厚tは、上記補強間隔をbとすると、t≧0.037×bとなるように設定される。
また、デッキプレートの下面側に下カバープレートが配置されるため、デッキプレートの上面に敷設されるアスファルトの薄くなる部分を少なくすることができる。なお、下カバープレートも大縦リブ間隔をbとしたとき、板厚tがt≧0.037×bとなるように設定することがよい。
また、デッキプレートの下面側に下カバープレートが配置されるため、デッキプレートの上面に敷設されるアスファルトの薄くなる部分を少なくすることができる。
また、主桁と前記鋼床版とが橋軸方向にせん断力を伝達するせん断力伝達部材によって結合されているので、主桁と鋼床版との間で橋軸方向にせん断力を確実に伝達することができ、確実に鋼床版と主桁が合成化された構造とすることができる。
また、コンクリート床版残置部をハンチ高さの中で、主桁上フランジの添接板およびボルトに接触しない高さで水平方向にスタッドや鉄筋ごと切断することもできる。この場合、鉄筋コンクリート床版を橋軸方向、横軸方向と切断することとは独立して切断を行うことができるため、橋軸方向の切断回数を減少させることができる。
なお、この不定形材料には大きな強度を求める必要はない。そもそもコンクリート床版残置部も、十分な施工技術の無かった時代に打設されたコンクリートであり、さらに、長期間共用されていたことから、確実な設計が可能なだけの強度を保証することは困難であるため、そこに充填する不定形材料に大きな強度を求めなくてもよい。
図1及び図2に示すように、本第1実施形態による床版取替え構造は、橋梁10の主桁11に支持されて敷設されている鉄筋コンクリート床版14の一部を鋼床版30(図3(a)、(b)、及び図13(a)、(b)参照))に取り替える構造である。つまり、第1実施形態による床版取替え構造1(図4参照)は、橋幅方向(図1においてX方向)に隣り合う主桁11、11の間隔が3m程度あり、橋幅方向Xに鉄筋コンクリート床版14の一部を切断して、新設の鋼床版30に取り替える場合に適用される。
図1及び図2に示すように、橋梁(橋梁の構造)10は、主桁11、横桁12、対傾構13および鉄筋コンクリート床版14を備えている。
鋼床版30は、図3(a)、(b)に示すように、デッキプレート31と、デッキプレート31の下面31aに溶接等によって接合された複数の縦リブ32と、縦リブ32に直角に配置された横リブ33と、を備えている。デッキプレート31の上面31bには、予め舗装部34が施工されている。橋幅方向Xにおいてデッキプレート31の外周縁部31cは、舗装部34の外周縁部34aより外側に突出している。
具体的には、デッキプレート31の下面31aには、橋幅方向Xに延在する2つの横リブ33(33A,33B)が主桁11を挟んで溶接等によって接合されている。
なお、以下でいう右側とは、本明細書の表示面に向かって右側のことを意味する。左側についても同様である。
また、大縦リブ32Aは、主桁上フランジ11bとは反対側の面が、横リブ33Aの一端面と対向し、かつ大縦リブ32Aの延在方向と横リブ33Aの延在方向とが直交するように当該横リブ33Aの一端面に当接されたうえで、この横リブ33Aと溶接によって接合されている。さらに、大縦リブ32Aの一端部は、主桁上フランジ11bの下面よりも下方に延出していて、主桁ウエブ11aのウエブ面と対向した状態となっている。
橋梁の床版取替え構造は、鉄筋コンクリート床版14の少なくとも一部のうち、主桁11の主桁上フランジ11bの上面側に設けられている部分以外を除去して残置されてなるコンクリート床版残置部21と、鉄筋コンクリート床版14の少なくとも一部を、コンクリート床版残置部21を露出状態で除去してなるコンクリート除去領域Rに、コンクリート床版残置部21に被せるように配設された鋼床版30と、を備えている。
また、コンクリート除去領域Rには、一対の大縦リブ32A、32A同士の間においてモルタル等の充填材47(不定形材料)が充填されている。
なお、本実施形態では、主桁上フランジ11bの上面11cのコンクリート床版残置部21と、鋼床版30(対向する一対の大縦リブ32A、32Aと、デッキプレート31)と、によって囲まれる領域をコンクリート除去領域Rとする。コンクリート除去領域Rの内側に充填材47が充填される。
また、厚肉断面のウエブなども製作されるようになっており、この場合には1600mmの桁高で9mmの板厚とした場合のリブ取付部材の長さL1である224mmを、最低限の離間距離として設定する。よって、主桁上フランジ11bと主桁ウエブ11aとの間の応力を低減するには、長さL1として224mm以上の間隔を確保すれば適切であると言える。
また、座屈のことを考慮に入れると、道路橋示方書に記載されているように、主桁ウエブ11aに高強度鋼SBHSを使った場合の座屈耐力の低減が無いレベルの最大限の無補剛区間幅として、板厚の38倍を設定することが設計的にも適切な上限値である。
なお、第1せん断力伝達部材50は、SBHS鋼材以外でも、例えばSUSや鋳鉄によって形成してもよい。また、本実施の形態においては、第1せん断力伝達部材50はクランク状(断面略Z状)に成形されているが、主桁11と鋼床版30とを橋軸方向Zにせん断力を伝達可能に結合できれば、設計・施工上の必要に応じて別の形状を持ってもよい。第1せん断力伝達部材50はせん断力を伝達するのが役割であるので、設計的には必要な断面積を確保できていればよい。
また、連結板50cはその長辺の長さが第1固定板50aおよび第2固定板50bの長辺の長さと等しくなっており、連結板50cの一方の長辺部が第1固定板50aの下方の長辺部に連接され、連結板50cの他方の長辺部が第2固定板50bの上方の長辺部に連接されている。また、連結板50cの短辺の長さは、主桁上フランジ11bの幅方向の縁部と主桁ウエブ11aのウエブ面までの水平距離とほぼ等しくなっている。
なお、第1せん断力伝達部材50の橋軸方向Zの長さは適宜決定される。第1せん断力伝達部材50におけるせん断抵抗断面の総断面積が主桁ウエブ11aと同じ断面積を保有していれば、鋼床版30と主桁11との間でせん断力のやりとりを可能とし、結果として鋼床版30と主桁11を一体に挙動する合成化を可能とする。
また、固定プレート16aにはボルト孔16cが複数設けられ、連結プレート16bにはボルト孔16dが複数設けられている。
また、中央部の主桁ウエブ11aの反対側(左側の主桁11側)のウエブ面には、中央部の主桁11と左側の主桁11とに支持されて敷設されている鉄筋コンクリート床版14の一部を新設の鋼床版30に取り替える際に、同様にして横リブ取付部16を取り付ける。
なお、横リブ取付部16を主桁11に取り付けた後、図11に示すように、必要に応じて、上部交通の車線規制を行う(ステップS3)。車線規制を行う場合、路面の幅方向(橋幅方向X)の中央部に仮設ガード17を橋軸方向Zに所定間隔で立設する。図11は、右側の1車線を規制したものを示していて、仮設ガード17より左側が車両通行帯であり、右側が工事帯となっている。
これは例えば宮地エンジニアリング株式会社のM−SR工法のように、鉄筋コンクリート床版14と主桁上フランジ11bの上面11cとの間を狙って、主桁上フランジ11bと平行にワイヤーソーを水平に進行させて鉄筋コンクリート床版14を主桁上フランジ11bを切り離すことが行われている。この工法では、ワイヤーソーを主桁上フランジ11bに接触させられないために、このコンクリート除去領域Rにおいて主桁上フランジ11bの上面11c側にコンクリート床版残置部21が残置されることになる。
この際、上述したように主桁上フランジ11bの上面11c側に設けられているコンクリート床版残置部21以外の部分を除去して空間(コンクリート除去領域R)を形成する。本実施形態では、主桁11の主桁上フランジ11bの上面11c側に所定厚さのコンクリート床版残置部21を残置する。
なお、図6に示すように、主桁上フランジ11bの橋幅方向Xの端部と、この端部と対向している大縦リブ32A,32Aの橋幅方向Xの面との間には隙間があるので、この隙間にシール材36を嵌め込む。また、大縦リブ32A,32Aの主桁上フランジ11bと対向する面から、シール材36の下面と主桁上フランジ11bの下面とにわたって、コンクリート型枠、防水、防蝕のためのチタン箔37を貼り付ける。
そして、同軸に配置されているボルト孔42c,16d,42cおよびボルト孔42c,33g,42cにそれぞれ高力ボルト45を挿通したうえで、この高力ボルト45にナット45aを螺合して締め付けることによって、横リブ33Bを当該横リブ33Bの橋幅方向Xの端部33eにおいて、当該端部33eを直近の主桁ウエブ11aに摩擦接合により剛結合する。なお、図16では、高力ボルト45の図示を省略している。
このような充填材47の充填作業は、後述する鋼床版結合工程の後に行ってもよい。また、全体作業効率化のために、何パネル分かの鋼床版30の施工後にまとめて充填してもよい。鋼床版30に作用する死荷重および活荷重(交通荷重)は、設計的には横リブ33を通じて主桁ウエブ11aに伝達されるためである。
第1せん断力伝達部材50を、鋼床版30の下側に、連結板50cが水平に向き、かつ第1固定板50aおよび第2固定板50bが連結板50cから鉛直に突出した状態で配置する。そして、第1せん断力伝達部材50の第1固定板50aを鋼床版30の大縦リブ32Aに当接させたうえで、大縦リブ32Aに高力ボルト51によって結合し、第2固定板50bを主桁ウエブ11aに当接させたうえで、当該主桁ウエブ11aにボルト52によって結合する。また、第1せん断力伝達部材50の連結板50cは主桁上フランジ11bの下面側に、この主桁上フランジ11bと離間した状態で配置する。このようにして、主桁11と鋼床版30とを橋軸方向Zにせん断力を伝達する第1せん断力伝達部材50によって結合する。このとき、右側(ずれる側)の大縦リブ32Aと右側(ずれる側)の第1せん断力伝達部材50の第1固定板50aとの間にライナープレート60を介在させることで、主桁11に対する鋼床版30の橋幅方向Xの寸法誤差を吸収するようにしてもよい。
また、橋幅方向X及び橋軸方向Zにおいて、鋼床版30の外周縁部31cと鉄筋コンクリート床版14の橋軸方向Zおよび橋幅方向Xに沿う縁部(外周縁部32c)との間には隙間Sが設けられている。
また、主桁11と鋼床版30とが橋軸方向Zにせん断力を伝達するせん断力伝達部材50及び充填材47を介して結合されている。
2つめの鋼床版30の取り替えを行う場合、基本的に上述した工程を順次繰り返すことによって行う。ただし、各工程の詳細な説明は省略する。
まず、図20及び図21に示すように、工事帯において、先に取り換えた(新設した)鋼床版30と橋軸方向Zにおいて隣接する鉄筋コンクリート床版14の一部のうち、橋軸方向Zの所定の幅内において主桁上フランジ11bの上面側に設けられている部分以外を除去することで、鉄筋コンクリート床版14の一部にコンクリート除去領域Rを設けるとともに、当該コンクリート除去領域Rにおいて主桁上フランジ11bの上面側にコンクリート床版残置部21を残置する。また、主桁ウエブ11aの上部に横リブ取付部16を高力ボルトによってボルト結合する。
次に、鋼床版30の横リブ33を当該横リブ33の端部において、当該端部に直近の主桁ウエブ11aに、横リブ取付部16によって剛結合する。
また、この段階において、図23に示すように、隣り合う鋼床版30,30同士はパネル間継手35を使用して高力ボルト46によって接合する。このパネル間継手35は、2面せん断のボルト摩擦接合によって隣接する鋼床版30,30どうしを一体化するものである。このパネル間継手35によって、鋼床版30のデッキプレート31の橋軸方向Z(図24参照)および橋軸直角方向、さらに縦リブ32、大縦リブ32A(図24参照)のそれぞれが2面せん断のボルト摩擦接合によって接合される。なお、パネル間継手35を設ける場合には、先だって存在する仮止め板55が存在する場合には、その仮止め板55は撤去する。
図25では、一方側の車線において取り替えた鋼床版30が2枚記載されているが、実際は橋軸方向Zにおいて鋼床版30は所定数だけ連続して施工(新設)されている。
なお、他方側の車線において、鋼床版30を新設する場合、一方側の車線において、鋼床版30を新設した場合と同様にして鋼床版30を新設するので、以下ではその方法を簡単に説明する。
そして、他方側の車線について上部交通を規制(図示せず)した後、図25及び図26に示すように、他方側の車線の鉄筋コンクリート床版14の少なくとも一部のうち、主桁11の主桁上フランジ11bの上面側に設けられている部分以外を除去することで、鉄筋コンクリート床版14の少なくとも一部にコンクリート除去領域Rを設けるとともに、このコンクリート除去領域Rにおいて主桁上フランジ11bの上面側にコンクリート床版残置部21を残置する(鉄筋コンクリート床版除去工程)。
そして、橋梁において予定していた区間において鋼床版30の取り替えが終了することによって、工事全体を終了する。
また、鋼床版30に、この鋼床版30の高さを調整可能な高さ調整ボルト40がコンクリート床版残置部21に当接可能に螺合され、鋼床版配設工程の後に、高さ調整ボルト40を回すことによって、鋼床版30の高さを調整する。
さらに、鋼床版配設工程の後に、鋼床版30と主桁上フランジ11bとコンクリート床版残置部21との間に、充填材47を充填する。
横リブ33が主桁ウエブ11aに剛結合されることで、後孔方式であれば施工時の横リブ33の上下方向の位置調整を容易に行うことができる。もちろん、施工時の横リブ33の位置調整の必要性が小さいことがわかっていれば、先孔方式として工場等で孔を形成しておくことで、施工現場での施工時間・手間を削減することもできる。
また、コンクリート床版残置部21をハンチ高さの中で、主桁上フランジ11bの添接板およびボルトに接触しない高さで水平方向にスタッドや鉄筋ごと切断することもできる。この場合、鉄筋コンクリート床版を橋軸方向Z、橋幅方向X(横軸方向)と切断することとは独立して切断を行うことができるため、橋軸方向Zの切断回数を減少させることができる。
さらに、高さ調整ボルト40を回すことによって、鋼床版30の高さを調整できるので、鋼床版30の高さを、取り替えていない鉄筋コンクリート床版14や先に設置した鋼床版30の高さと等しくすることができる。つまり、現場において路面計画高を調整できる。
また、鋼床版30と、当該鋼床版30に隣り合う鉄筋コンクリート床版14との間に仮止め板55を架け渡し、この仮止め板55の上面側に、仮舗装部56が、鋼床版30の舗装部34および既設の鉄筋コンクリート床版14上の舗装部15とほぼ面一に施工されているので、既設の鉄筋コンクリート床版14の舗装部15と更新された(取り替えられた)鋼床版30の舗装部34を連続させることができる。このため、床版の取り替えの際に行っていた車線規制を解除して一時的に車両を走行させることができる。
また、スプライスプレート42のボルト孔42cの周囲における接合面に金属溶射(アルミニウム溶射)による摩擦面処理を施しているので、高力ボルト摩擦接合に必要な摩擦係数を確保し、高力ボルト45の本数を最小化することができる。
加えて、既設の鉄筋コンクリート床版14を、当該鉄筋コンクリート床版14より遥かに軽い鋼床版30に取り替えるので、鋼床版30を鉄筋コンクリート床版14より橋幅方向外側に突出させることできる、つまり、道路の路肩幅を大きくすることができる。
第2実施形態による床版取替え構造1Aは、図29乃至図31に示すように、橋梁10Bとして、第1実施形態の橋梁10の横リブ取付部16(図4参照)に代えて上下に複数(ここでは2つ)の横リブ取付部70を備え、上述したZ断面形状の第1せん断力伝達部材50に代えてU断面形状の第2せん断力伝達部材72を備えた構成となっている。
これら横リブ取付部70は、橋幅方向Xで主桁11の主桁ウエブ11aを挟んだ左右両側にスプライスプレート78を使用してボルト締結により固定されている。
第2実施形態の横リブ33は、符号33A、33Bの一般部と、横リブ取付部70と、に分割されている。
図33に示す第3実施形態による床版取替え構造1Bは、構造的に連続した横リブ38を設けた構成のものである。第3実施形態の横リブ38は、一般部38Aと、主桁取付け部38Bと、コンクリート除去領域Rに橋幅方向Xに延びる横リブ補強部38Cと、に分割されている。
ここで、第3実施形態による床版取替え構造1Bにおいても、図示は省略されているが、上述したせん断力伝達部材が配置されている。また、図33では、主桁上フランジ11b上のコンクリート床版残置部21が省略されている。
さらに、第3実施形態では、横リブ38に形成されたスリット38bに係合された大縦リブ32Aがスリット38bを介して横リブ38に対して全周溶接により接合されることにより、応力集中が溶接部で低減し、鋼床版30としての疲労強度を向上させることができる。
図38及び図39に示すように、第4実施形態による床版取替え構造1Cは、上述した第3実施形態の横リブ38の横リブ補強部38Cに代えてI形状フランジ8A(横リブ補強部、フランジ部材)を、一対の大縦リブ32A、32A同士の間のコンクリート除去領域Rに配設した構造となっている。I形状フランジ8Aは、断面視矩形で橋幅方向Xに沿って帯状に延びるフランジ本体81と、フランジ本体81の長さ方向の両端部81aのそれぞれから橋軸方向Zの両方に突出する接合片82と、を有している。第4実施形態でも、上記の第3実施形態と同様に主桁上フランジ11bの上面11cに所定の厚みで重なるようにコンクリート床版残置部21が残置されている。
ここで、第4実施形態による床版取替え構造1Cにおいても、図示は省略されているが、上述したせん断力伝達部材が配置されている。なお、図38及び図39では、コンクリート除去領域Rに充填される充填材(不定形材料)は省略されている。
次に、図40乃至図42に示す第5実施形態による床版取替え構造1Dは、上述した第3実施形態の橋軸方向Zに隣り合う横リブ38における横リブ補強部38C(第1横リブ補強部)同士の間に複数の横リブ補強板8B(横リブ補強部)を配置した構造となっている。すなわち、横リブ補強板8Bは、横リブ38の一般部38Aに対して橋幅方向Xに連続する位置に配置される横リブ補強部38Cとは橋軸方向Zに異なる位置に設けられている。横リブ補強部38Cと複数の横リブ補強板8Bは、橋軸方向Zに所定間隔をあけて配列されている。
ここで、第5実施形態による床版取替え構造1Dにおいても、図示は省略されているが、上述したせん断力伝達部材が配置されている。また、第5実施形態においても、主桁上フランジ11bの上面11cに所定の厚みで重なるようにコンクリート床版残置部21が残置されている。なお、図40乃至図42では、コンクリート床版残置部21ならびに、コンクリート除去領域Rに充填される充填材(不定形材料)は省略されている。
第5実施形態による床版取替え構造1Dでは、鉄筋コンクリート床版を鋼床版30に取り替える際に、鋼床版30を配置することで、デッキプレート31の下面31aで一対の大縦リブ32A、32A同士の間に設けられる横リブ38の横リブ補強部38C及び複数の横リブ補強板8Bがコンクリート床版残置部21の上方のコンクリート除去領域Rに配置され、コンクリート除去領域Rに充填される充填材に埋設される。
図43及び図44に示すように、第6実施形態による床版取替え構造1Eは、デッキプレート31におけるコンクリート床版残置部21の左右両側に位置する一対の大縦リブ32A、32A同士の間の位置で増厚した構成である。具体的には、デッキプレート31の上面31bに平板状の鋼板からなる上カバープレート39A(増厚部)を載置することで増厚した構成となっている。上カバープレート39Aは、橋幅方向Xの両端で溶接によりデッキプレート31の上面31bに固定されている。図43及び図44における符号W1のテーパ部分は溶接部を示している。
なお、上カバープレート39Aのデッキプレート31に対する固定手段としては、上述したような溶接に限定されることはなく複数のボルト(図示省略)の締結による固定手段を採用することも可能である。
ここで、増厚した上カバープレート39Aの板厚tは、上記補強間隔をbとすると、t≧0.037×bとなるように設定される。
また、上カバープレート39Aを設けることによる増厚に伴うテーパ区間の溶接部W1に対する影響を最小にすることができる。
図45及び図46に示すように、第1変形例は、上述した第6実施形態のデッキプレート31上に設けられる上カバープレート39Aを皿型高力ボルト390を使用してボルト締結により固定する構造となっている。上カバープレート39Aの橋幅方向Xの両側には、ボルト孔393(図46参照)が橋軸方向Zに間隔をあけて複数形成されている。デッキプレート31にもボルト孔393に対応する位置に複数のボルト孔31eが形成されている。上カバープレート39Aは、ボルト孔393、31eを上方から挿通させてデッキプレート31の下面31a側からナット394を螺合させることによってボルト締結されている。皿型高力ボルト390の頭面390aは、上カバープレート39Aの上面39aとほぼ面一となるように設けられている。
図47乃至図49に示すように、第7実施形態による床版取替え構造1Fは、上述した第2実施形態による第2せん断力伝達部材72に代えて、デッキプレート31と主桁11とを接続する一対のU断面形状の第3せん断力伝達部材75を設けた構成である。
このように第3せん断力伝達部材75を主桁11および鋼床版30の補助縦リブ32Bに固定することで、主桁11に対して鋼床版30が橋幅方向Xに位置ずれたときに、上述したライナープレート60、61等を用いて対応しやすくなる。
次に、図50乃至図52に示す第8実施形態による床版取替え構造1G、及び図53に示す変形例(第1変形例)による床版取替え構造1Hは、上述した第6実施形態の床版取替え構造1Eと同様に、デッキプレート31におけるコンクリート床版残置部21の左右両側に位置する大縦リブ32A、32A同士の間を増厚した構成である。
図50乃至図52に示す床版取替え構造1Gは、上記第6実施形態ではデッキプレート31の上面31bに上カバープレート39Aを配置した構成としているが、デッキプレート31の下面31aに平板状で鋼板からなる第1下カバープレート39Bを重ねた状態で配置されている。つまり、大縦リブ32A、32A間は、デッキプレート31と第1下カバープレート39Bとの2枚の板状部材が積層されている。
ここで、増厚した上カバープレート39Aの板厚tは、上記補強間隔をbとすると、t≧0.037×bとなるように設定される。
さらに、この場合には、デッキプレート31の下面31a側に第1下カバープレート39Bが配置されるため、デッキプレート31の上面31bに敷設されるアスファルトの薄くなる部分を少なくすることができる。
図53に示す第8実施形態の変形例(第2変形例)による床版取替え構造1Hは、上述した第6実施形態の第1下カバープレート39Bに代えて、下向きに開口するコ字状の板状部材からなる第2下カバープレート39C(増厚部)を大縦リブ32A、32A同士の間のデッキプレート31の下面31aに配置した構成のものである。
図54に示す第9実施形態による床版取替え構造1Iは、上述した第2実施形態による第2せん断力伝達部材72に代えて、鋼床版30と主桁11とを接続し、主桁11の両側に配置される一対のH断面形状の第4せん断力伝達部材76を設けた構成である。この第4せん断力伝達部材76としては、圧延H形鋼でも、ビルトアップ材でもよい。
また、第9実施形態では、第4せん断力伝達部材76の伝達効率を向上させ、せん断力伝達部材の重量を軽減することができる。
図55に示す第9実施形態の変形例(第3変形例)による床版取替え構造は、上述した第9実施形態の第4せん断力伝達部材76の一方のフランジ材761の形状を代えた第5せん断力伝達部材77を適用したものである。
第5せん断力伝達部材77は、主桁ウエブ11aと大縦リブ32Aとを接合している。第5せん断力伝達部材77は、内フランジ材771と、外フランジ材772と、ウエブ材773と、を備えている。内フランジ材771は、ウエブ材773に対して両側に延びている。外フランジ材772は、ウエブ材773に対して片側(上側)にのみ延びている。第5せん断力伝達部材77は、ウエブ材773を横向きにして配置され、一方の外フランジ材772が大縦リブ32Aの外面32bに重なって配置されて大縦リブ32Aにボルト締結により固定され、他方の内フランジ材771が主桁ウエブ11aにボルト締結により固定されている。
図56乃至図58に示すように、第10実施形態による床版取替え構造1Jは、横リブ38を配置する箇所におけるコンクリート床版残置部21を部分的(図56乃至図58の符号21b)に大きく除去し、一対の大縦リブ32A、32Aにおける大きめの除去部21bの両側に位置する部分を切り欠いた切欠開口部32aを形成した構成となっている。切欠開口部32aは、大縦リブ32Aの下端から半円状に切り欠いた形状をなしている。そして、切欠開口部32aを通じて前記除去部21bと大縦リブ32Aの外側とが連通している。
8A I形状フランジ(横リブ補強部、フランジ部材)
8B 横リブ補強板(横リブ補強部)
10 橋梁(橋梁の構造)
11 主桁
11a 主桁ウエブ
11b 主桁上フランジ
11c 上面
14 鉄筋コンクリート床版
16 横リブ取付部
21 コンクリート床版残置部
30 鋼床版
31 デッキプレート
31a 下面
31b 上面
32 縦リブ
32A 大縦リブ
33(33A,33B) 横リブ
34 舗装部
38 横リブ
38A 一般部
38B 主桁取付け部
38C 横リブ補強部
38b スリット
39A 上カバープレート(増厚部)
39B 第1下カバープレート(増厚部)
39C 第2下カバープレート(増厚部)
47 充填材(不定形材料)
50 第1せん断力伝達部材
72 第2せん断力伝達部材
75 第3せん断力伝達部材
75A 上取付片(第2片)
75B 下取付片(第1片)
76 第4せん断力伝達部材
77 第5せん断力伝達部材
390 皿型高力ボルト
391 横板部
392 縦板部
761 フランジ材
762 ウエブ材
771 内フランジ材
772 外フランジ材
773 ウエブ材
R コンクリート除去領域
X 橋幅方向
Z 橋軸方向
Claims (32)
- 橋梁の主桁に支持されて敷設されている鉄筋コンクリート床版の少なくも一部を鋼床版に取り替えてなる橋梁の床版取替え構造であって、
前記鉄筋コンクリート床版の少なくとも一部のうち、前記主桁の主桁上フランジの上面側に設けられている部分以外を除去して残置されてなるコンクリート床版残置部と、
前記鉄筋コンクリート床版の少なくとも一部を、前記コンクリート床版残置部を露出状態で除去してなるコンクリート除去領域に、前記コンクリート床版残置部に被せるように配設された鋼床版と、を備え、
前記鋼床版は、デッキプレートの下面側において橋幅方向に配設され、橋幅方向の一端面または両端面の少なくとも一部が直近の前記主桁の主桁ウエブのウエブ面と対向する構造的に連続した横リブを有し、前記横リブが当該横リブの橋幅方向の端部において、当該端部に直近の前記主桁ウエブに剛結合され、
前記主桁と前記鋼床版とが橋軸方向にせん断力を伝達するせん断力伝達部材によって結合され、
前記せん断力伝達部材は、橋軸方向に長尺で、かつ橋軸方向を含む平面を有する板状部材からなり、
前記せん断力伝達部材は、上下方向の一端が前記デッキプレートの下面に接合された縦リブに固定され、他端が前記主桁ウエブに固定されていることを特徴とする橋梁の床版取替え構造。 - 前記横リブは、一般部と、前記主桁ウエブに剛接合される主桁取付け部と、に分割されていることを特徴とする請求項1に記載の床版取替え構造。
- 前記横リブは、一般部と、前記主桁ウエブに剛接合される主桁取付け部と、前記コンクリート除去領域で橋幅方向に延びる横リブ補強部と、に分割されていることを特徴とする請求項1に記載の床版取替え構造。
- 前記鋼床版の前記デッキプレートの下面側に配設された縦リブのうち、橋幅方向で前記主桁上フランジを挟んだ両側に位置する一対の大縦リブが少なくとも横リブとの交差位置で他の前記縦リブより10%以上突出長が長くなるように形成されたことを特徴とする請求項1乃至3のいずれか1項に記載の床版取替え構造。
- 前記コンクリート床版残置部は、少なくとも被りコンクリートが除去された状態で残置されていることを特徴とする請求項1乃至4のいずれか1項に記載の床版取替え構造。
- 前記コンクリート除去領域に配設されている鋼床版に予め舗装部が施工され、前記鋼床版と、当該鋼床版に隣り合う前記鉄筋コンクリート床版との間に仮止め板が架け渡され、
前記仮止め板の上面側に、仮舗装部が前記舗装部および前記鉄筋コンクリート床版上の舗装部とほぼ面一に施工されていることを特徴とする請求項1乃至5のいずれか1項に記載の床版取替え構造。 - 前記主桁ウエブに前記横リブの横リブ取付部がボルト結合され、この横リブ取付部に前記横リブの端部がボルト結合されていることを特徴とする請求項1乃至6のいずれか1項に記載の床版取替え構造。
- 前記主桁上フランジと前記横リブ取付部との間の前記主桁ウエブの上下方向の長さは、前記主桁ウエブの224mm以上であることを特徴とする請求項7に記載の床版取替え構造。
- 前記横リブ取付部を複数備えることを特徴とする請求項7又は8に記載の床版取替え構造。
- 前記せん断力伝達部材は、
前記縦リブにボルト締結により固定された第1片と、
前記主桁ウエブにボルト締結により固定された第2片と、
前記第1片および前記第2片にそれぞれ連なる連結片と、
を備えることを特徴とする請求項1乃至9のいずれか1項に記載の床版取替え構造。 - 前記せん断力伝達部材は、前記第1片、前記第2片、及び前記連結片によってU断面形状に湾曲して形成され、両端部の前記第1片と前記第2片とを橋幅方向に向けた状態で配置され、前記第1片が前記主桁ウエブに固定され、前記第2片が前記縦リブに固定されていることを特徴とする請求項10に記載の床版取替え構造。
- 前記デッキプレートの下面には、前記主桁の上方で橋軸方向に延びる補助縦リブが設けられ、
前記せん断力伝達部材は、前記第1片、前記第2片、及び前記連結片によってU断面形状に湾曲して形成され、両端部の前記第1片と前記第2片とを上下方向に向けた状態で前記主桁の左右両側に回り込むように配置され、前記第1片が前記主桁ウエブに固定され、前記第2片が前記補助縦リブに固定されていることを特徴とする請求項10に記載の床版取替え構造。 - 前記鋼床版は、前記デッキプレートの下面側において、橋幅方向に配設された前記横リブと、橋軸方向に配設された縦リブと、を有し、
前記縦リブのうち、橋幅方向で前記主桁上フランジを挟んだ両側に位置する一対の大縦リブが他の前記縦リブより突出長が長くなるように形成され、
前記せん断力伝達部材は、一対のフランジ材とウエブ材とを備えてH断面形状に形成され、
前記ウエブ材を横向きにして配置され、一方の前記フランジ材が前記大縦リブにボルト締結により固定され、他方の前記フランジ材が前記主桁ウエブにボルト締結により固定されていることを特徴とする請求項1乃至9のいずれか1項に記載の床版取替え構造。 - 前記鋼床版は、前記デッキプレートの下面側において、橋幅方向に配設された前記横リブと、橋軸方向に配設された縦リブと、を有し、
前記縦リブのうち、橋幅方向で前記主桁上フランジを挟んだ両側に位置する一対の大縦リブが他の前記縦リブより突出長が長くなるように形成され、
前記せん断力伝達部材は、一対のフランジ材とウエブ材とを備えて形成され、
前記ウエブ材を横向きにして配置され、一方の前記フランジ材が前記ウエブ材から上方に延びて前記大縦リブにボルト締結により固定され、他方の前記フランジ材が前記主桁ウエブにボルト締結により固定されていることを特徴とする請求項1乃至9のいずれか1項に記載の床版取替え構造。 - 前記鋼床版は、前記デッキプレートの下面側において、橋幅方向に配設された前記横リブと、橋軸方向に配設された縦リブと、を有し、
前記縦リブのうち、橋幅方向で前記主桁上フランジを挟んだ両側に位置する一対の大縦リブが他の前記縦リブより突出長が長くなるように形成され、
前記横リブには、前記大縦リブが係合可能なスリットが形成され、
前記スリットに前記大縦リブが係合された状態で、前記大縦リブが前記横リブに対して全周溶接により接合されていることを特徴とする請求項1乃至14のいずれか1項に記載の床版取替え構造。 - 前記鋼床版は、前記デッキプレートの下面側において、橋幅方向に配設された前記横リブと、橋軸方向に配設された縦リブと、を有し、
前記縦リブのうち、橋幅方向で前記主桁上フランジを挟んだ両側に位置する一対の大縦リブが他の前記縦リブより突出長が長くなるように形成され、
前記横リブは、前記コンクリート除去領域で橋幅方向に延びる横リブ補強部を有することを特徴とする請求項1乃至14のいずれか1項に記載の床版取替え構造。 - 橋軸方向に隣り合う前記横リブ補強部同士の間には、橋幅方向に延びる横リブ補強板が設けられている横リブ補強板が設けられていることを特徴とする請求項16に記載の床版取替え構造。
- 前記横リブ補強部は、前記デッキプレートの下面における前記一対の大縦リブ同士の間には、橋幅方向に沿って延びるフランジ部材であり、
前記フランジ部材の両端が前記大縦リブにボルト接合されていることを特徴とする請求項16又は17に記載の床版取替え構造。 - 前記デッキプレートは、前記一対の大縦リブ同士の間の前記コンクリート除去領域に位置する部分が増厚された増厚部を有することを特徴とする請求項16乃至18のいずれか1項に記載の床版取替え構造。
- 増厚部は、前記デッキプレートの上面に配設される板状の上カバープレートであることを特徴とする請求項19に記載の床版取替え構造。
- 増厚部は、前記デッキプレートの下面に配設される板状の下カバープレートであることを特徴とする請求項19又は20に記載の床版取替え構造。
- 前記下カバープレートは、前記デッキプレートの下面に沿って配置される横板部と、横板部の橋幅方向の両端部から下方に延びる縦板部と、を有していることを特徴とする請求項21に記載の床版取替え構造。
- 前記増厚部は、前記デッキプレートに対して上方から皿型高力ボルトを使用してボルト接合されていることを特徴とする請求項19乃至22のいずれか1項に記載の床版取替え構造。
- 前記鋼床版は、前記デッキプレートの下面側において、橋幅方向に配設された前記横リブと、橋軸方向に配設された縦リブと、を有し、
前記縦リブのうち、橋幅方向で前記主桁上フランジを挟んだ両側に位置する一対の大縦リブが他の前記縦リブより突出長が長くなるように形成され、
前記大縦リブには、前記横リブを配置する箇所における前記コンクリート除去領域の両側に位置する一部分を切り欠いた切欠開口部が形成されていることを特徴とする請求項1乃至23のいずれか1項に記載の床版取替え構造。 - 橋梁の主桁に支持されて敷設されている鉄筋コンクリート床版の一部を鋼床版に取り替える橋梁の床版取替え方法であって、
前記鋼床版は、デッキプレートの下面側において橋幅方向に配設された横リブを有し、前記横リブの橋幅方向の一端面または両端面の少なくとも一部が直近の前記主桁の主桁ウエブのウエブ面と対向しており、
前記鉄筋コンクリート床版のうち、前記主桁の主桁上フランジの上面側に設けられている部分以外を除去することにより、コンクリート除去領域を設けるとともに前記主桁上フランジの上面側にコンクリート床版残置部を残置する鉄筋コンクリート床版除去工程と、
前記コンクリート除去領域に、鋼床版を前記コンクリート床版残置部に被せるように配設する鋼床版配設工程と、
前記横リブを当該横リブの端部において、当該端部に直近の前記主桁ウエブに剛結合する横リブ剛結合工程と、
前記主桁と前記鋼床版とを橋軸方向にせん断力を伝達するせん断力伝達部材によって結合し、前記せん断力伝達部材を、橋軸方向に長尺で、かつ橋軸方向を含む平面を有する板状部材とする鋼床版結合工程と、
を含み、
前記せん断力伝達部材は、上下方向の一端を前記デッキプレートの下面に接合された縦リブに固定し、他端を前記主桁ウエブに固定するようにしたことを特徴とする橋梁の床版取替え方法。 - 前記鉄筋コンクリート床版除去工程において、コンクリート床版残置部の上部の被りコンクリートを除去することを特徴とする請求項25に記載の橋梁の床版取替え方法。
- 前記鋼床版に、当該鋼床版の高さを調整可能な高さ調整ボルトが前記コンクリート床版残置部に当接可能に螺合され、
前記鋼床版配設工程の後に、前記高さ調整ボルトを回すことによって、前記鋼床版の高さを調整することを特徴とする請求項25又は26に記載の橋梁の床版取替え方法。 - 前記鋼床版配設工程の後に、前記鋼床版と前記主桁上フランジと前記コンクリート床版残置部との間に、不定形材料を充填することを特徴とする請求項25乃至27のいずれか1項に記載の橋梁の床版取替え方法。
- 前記コンクリート除去領域に配設されている鋼床版に舗装部が施工されており、
前記鋼床版配設工程の後に、前記鋼床版と、当該鋼床版に隣り合い、かつ当該鋼床版に取り替えられていない鉄筋コンクリート床版との間に仮止め板を架け渡し、
前記仮止め板の上面側に、前記舗装部および前記鉄筋コンクリート床版上の舗装部とほぼ面一に仮舗装部を施工することを特徴とする請求項25乃至28のいずれか1項に記載の橋梁の床版取替え方法。 - 前記主桁ウエブに横リブ取付部をボルト結合しておき、前記鋼床版配設工程の後に、前記横リブ取付部に前記横リブをボルト結合することを特徴とする請求項25乃至29のいずれか1項に記載の橋梁の床版取替え方法。
- 前記主桁上フランジと前記横リブ取付部との間の前記主桁ウエブの上下方向の長さは、前記主桁ウエブの224mm以上であることを特徴とする請求項30に記載の橋梁の床版取替え方法。
- 前記主桁ウエブに複数の前記横リブ取付部をボルト結合しておき、前記鋼床版配設工程の後に、前記複数の横リブ取付部に前記横リブをそれぞれボルト結合することを特徴とする請求項30又は31に記載の橋梁の床版取替え方法。
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