本開示は、レーザ装置に関する。
近年、半導体露光装置(以下、「露光装置」という)においては、半導体集積回路の微細化および高集積化につれて、解像力の向上が要請されている。このため、露光用光源から放出される光の短波長化が進められている。一般的に、露光用光源には、従来の水銀ランプに代わってガスレーザ装置が用いられる。たとえば、露光用のガスレーザ装置としては、波長248nmの紫外線のレーザ光を出力するKrFエキシマレーザ装置、ならびに波長193nmの紫外線のレーザ光を出力するArFエキシマレーザ装置が用いられる。
次世代の露光技術としては、露光装置側の露光用レンズとウエハとの間が液体で満たされる液浸露光が実用化されている。この液浸露光では、露光用レンズとウエハとの間の屈折率が変化するため、露光用光源の見かけの波長が短波長化する。ArFエキシマレーザ装置を露光用光源として液侵露光が行われた場合、ウエハには水中における波長134nmの紫外光が照射される。この技術をArF液浸露光(又はArF液浸リソグラフィー)という。
KrFエキシマレーザ装置およびArFエキシマレーザ装置の自然発振幅は、約350〜400pmと広い。そのため、KrF及びArFレーザ光のような紫外線を透過する材料で投影レンズを構成すると、色収差が発生してしまう場合がある。その結果、解像力が低下し得る。そこで、ガスレーザ装置から出力されるレーザ光のスペクトル線幅を、色収差が無視できる程度となるまで狭帯域化する必要がある。そのため、ガスレーザ装置のレーザ共振器内には、スペクトル線幅を狭帯域化するために、狭帯域化素子(エタロン、グレーティング等)を有する狭帯域化モジュール(Line Narrow Module:LNM)が設けられる場合がある。以下では、スペクトル線幅が狭帯域化されるレーザ装置を狭帯域化レーザ装置という。
概要
本開示の第1のレーザ装置は、一対の電極を含み、一対の電極間に印加された印加電圧に応じたパルスエネルギを有するパルスレーザ光を、複数のパルス繰り返し周波数における各周波数で出射するレーザチャンバと、パルスレーザ光の光路上に設けられ、パルスレーザ光のパルスエネルギを検出するエネルギ検出器と、目標パルスエネルギとエネルギ検出器によって検出されたパルスエネルギとに基づいて、印加電圧を制御する電圧制御部と、目標パルスエネルギを、基準エネルギを変動中心として、複数のパルス繰り返し周波数のそれぞれに応じた変調周波数で周期的に変動させるパルスエネルギ制御部と、複数のパルス繰り返し周波数のそれぞれに対応する複数の制御ゲインを算出するゲイン算出部とを備え、ゲイン算出部は、目標パルスエネルギを変調周波数で周期的に変動させた場合におけるパルスエネルギの振幅成分と印加電圧の振幅成分とを算出し、パルスエネルギの振幅成分と印加電圧の振幅成分とに基づいて、複数の制御ゲインを算出する。
本開示の第2のレーザ装置は、一対の電極を含み、一対の電極間に印加された印加電圧に応じたパルスエネルギを有するパルスレーザ光を、複数のパルス繰り返し周波数における各周波数で出射するレーザチャンバと、パルスレーザ光の光路上に設けられ、パルスレーザ光のパルスエネルギを検出するエネルギ検出器と、目標パルスエネルギとエネルギ検出器によって検出されたパルスエネルギとに基づいて、印加電圧を制御する電圧制御部と、目標パルスエネルギを、基準エネルギを変動中心として、複数のパルス繰り返し周波数のそれぞれに応じた変調周波数で周期的に変動させるパルスエネルギ制御部と、複数の基準エネルギのそれぞれに対応する複数の制御ゲインを算出するゲイン算出部とを備え、パルスエネルギ制御部は、目標パルスエネルギを、複数の基準エネルギのそれぞれを変動中心として周期的に変動させ、ゲイン算出部は、目標パルスエネルギを複数の基準エネルギのそれぞれを変動中心として変調周波数で周期的に変動させた場合におけるパルスエネルギの振幅成分と印加電圧の振幅成分とを算出し、パルスエネルギの振幅成分と印加電圧の振幅成分とに基づいて、複数の制御ゲインを算出する。
本開示の第3のレーザ装置は、一対の電極を含み、一対の電極間に印加された印加電圧に応じたパルスエネルギを有するパルスレーザ光を、所定のパルス繰り返し周波数で出射するレーザチャンバと、パルスレーザ光の光路上に設けられ、パルスレーザ光のパルスエネルギを検出するエネルギ検出器と、目標パルスエネルギとエネルギ検出器によって検出されたパルスエネルギとに基づいて、印加電圧を制御する電圧制御部と、目標パルスエネルギを、複数の基準エネルギのそれぞれを変動中心として、所定の変調周波数で周期的に変動させるパルスエネルギ制御部と、複数の基準エネルギのそれぞれに対応する複数の制御ゲインを算出するゲイン算出部とを備え、ゲイン算出部は、目標パルスエネルギを複数の基準エネルギのそれぞれを変動中心として所定の変調周波数で周期的に変動させた場合におけるパルスエネルギの振幅成分と印加電圧の振幅成分とを算出し、パルスエネルギの振幅成分と印加電圧の振幅成分とに基づいて、複数の制御ゲインを算出する。
本開示の第4のレーザ装置は、一対の電極を含み、一対の電極間に印加された印加電圧に応じたパルスエネルギを有するパルスレーザ光を、所定のパルス繰り返し周波数で出射するレーザチャンバと、パルスレーザ光の光路上に設けられ、パルスレーザ光のパルスエネルギを検出するエネルギ検出器と、目標パルスエネルギとエネルギ検出器によって検出されたパルスエネルギとに基づいて、印加電圧を制御する電圧制御部と、目標パルスエネルギを、複数の基準エネルギのそれぞれを変動中心として、複数の基準エネルギのそれぞれに応じた変調周波数で周期的に変動させるパルスエネルギ制御部と、複数の基準エネルギのそれぞれに対応する複数の制御ゲインを算出するゲイン算出部とを備え、ゲイン算出部は、目標パルスエネルギを複数の基準エネルギのそれぞれを変動中心として変調周波数で周期的に変動させた場合におけるパルスエネルギの振幅成分と印加電圧の振幅成分とを算出し、パルスエネルギの振幅成分と印加電圧の振幅成分とに基づいて、複数の制御ゲインを算出する。
本開示のいくつかの実施形態を、単なる例として、添付の図面を参照して以下に説明する。
図1は、比較例1に係るレーザ装置の一構成例を概略的に示す。
図2は、比較例1に係るレーザ装置におけるレーザ制御部によるパルスエネルギの制御の流れの一例を示すフローチャートである。
図3は、比較例1に係るレーザ装置におけるレーザ制御部による制御ゲインの算出処理の流れの一例を示すフローチャートである。
図4は、図3の制御ゲインの算出処理におけるゲイン発振のサブルーチンの一例を示すフローチャートである。
図5は、比較例1に係るレーザ装置におけるパルス毎のパルスエネルギと充電電圧との計測値の第1の例を示す。
図6は、比較例1に係るレーザ装置における充電電圧の変化に対するパルスエネルギの変化の第1の例を示す。
図7は、比較例1に係るレーザ装置におけるパルス毎のパルスエネルギと充電電圧との計測値の第2の例を示す。
図8は、比較例1に係るレーザ装置における充電電圧の変化に対するパルスエネルギの変化の第2の例を示す。
図9は、比較例2に係るレーザ装置の一構成例を概略的に示す。
図10は、比較例2に係るレーザ装置におけるレーザ制御部による制御ゲインの算出処理の流れの一例を示すフローチャートである。
図11は、比較例2に係るレーザ装置におけるパルス毎のパルスエネルギと充電電圧との計測値の一例を示す。
図12は、図11におけるパルスエネルギと充電電圧とをスペクトル解析した結果の一例を示す。
図13は、比較例2に係るレーザ装置における充電電圧の変化に対するパルスエネルギの変化の第1の例を示す。
図14は、比較例2に係るレーザ装置における充電電圧の変化に対するパルスエネルギの変化の第2の例を示す。
図15は、実施形態1に係るレーザ装置におけるパルス毎のパルスエネルギと充電電圧との計測値の一例を示す。
図16は、図15におけるパルスエネルギと充電電圧とをスペクトル解析した結果の一例を示す。
図17は、実施形態1に係るレーザ装置におけるレーザ制御部による制御ゲインの算出処理の流れの一例を示すフローチャートである。
図18は、図17に続くフローチャートである。
図19は、図18に続くフローチャートである。
図20は、実施形態1に係るレーザ装置におけるレーザ制御部によるパルスエネルギの制御の流れの一例を示すフローチャートである。
図21は、実施形態2に係るレーザ装置におけるパルス毎のパルスエネルギと充電電圧との計測値の一例を示す。
図22は、図21におけるパルスエネルギと充電電圧とをスペクトル解析した結果の一例を示す。
図23は、実施形態2に係るレーザ装置におけるレーザ制御部による制御ゲインの算出処理の流れの一例を示すフローチャートである。
図24は、図23に続くフローチャートである。
図25は、図24に続くフローチャートである。
図26は、実施形態3に係るレーザ装置におけるパルス毎のパルスエネルギと充電電圧との計測値の一例を示す。
図27は、実施形態3に係るレーザ装置における単位時間毎のパルスエネルギと充電電圧との計測値の一例を示す。
図28は、図26におけるパルスエネルギと充電電圧とをスペクトル解析した結果の一例を示す。
図29は、実施形態3に係るレーザ装置におけるレーザ制御部による制御ゲインの算出処理の流れの一例を示すフローチャートである。
図30は、図29に続くフローチャートである。
図31は、図30に続くフローチャートである。
図32は、実施形態3に係るレーザ装置におけるレーザ制御部によるパルスエネルギの制御の流れの一例を示すフローチャートである。
図33は、実施形態4に係るレーザ装置におけるパルス毎のパルスエネルギと充電電圧との計測値の一例を示す。
図34は、実施形態4に係るレーザ装置における単位時間毎のパルスエネルギと充電電圧との計測値の一例を示す。
図35は、図33におけるパルスエネルギと充電電圧とをスペクトル解析した結果の一例を示す。
図36は、実施形態4に係るレーザ装置におけるレーザ制御部による制御ゲインの算出処理の流れの一例を示すフローチャートである。
図37は、図36に続くフローチャートである。
図38は、図37に続くフローチャートである。
図39は、図38に続くフローチャートである。
図40は、図39に続くフローチャートである。
図41は、図40に続くフローチャートである。
図42は、図41に続くフローチャートである。
図43は、図42に続くフローチャートである。
図44は、図43に続くフローチャートである。
図45は、実施形態4に係るレーザ装置におけるレーザ制御部によるパルスエネルギの制御の流れの一例を示すフローチャートである。
図46は、図45におけるステップS805AのサブルーチンAの一例を示すフローチャートである。
図47は、図45におけるステップS804AのサブルーチンBの一例を示すフローチャートである。
図48は、図45におけるステップS803AのサブルーチンCの一例を示すフローチャートである。
図49は、実施形態5に係るレーザ装置の一構成例を概略的に示す。
実施形態
<内容>
<1.比較例>(制御ゲインを用いたエネルギ制御を行うレーザ装置)
1.1 比較例1(図1〜図8)
1.1.1 比較例1の構成
1.1.2 比較例1の動作
1.1.3 比較例1の課題
1.2 比較例2(図9〜図14)
1.2.1 比較例2の構成
1.2.2 比較例2の動作
1.2.3 比較例2の課題
<2.実施形態1>(目標パルスエネルギの値に応じた複数の制御ゲインを用いるレーザ装置)(図15〜図20)
2.1 構成
2.2 動作
2.3 作用・効果
<3.実施形態2>(目標パルスエネルギの値と変調周波数の値とに応じた複数の制御ゲインを用いるレーザ装置)(図21〜図25)
3.1 構成
3.2 動作
3.3 作用・効果
<4.実施形態3>(パルス繰り返し周波数の値に応じた複数の制御ゲインを用いるレーザ装置)(図26〜図32)
4.1 構成
4.2 動作
4.3 作用・効果
<5.実施形態4>(目標パルスエネルギの値とパルス繰り返し周波数の値とに応じた複数の制御ゲインを用いるレーザ装置)(図33〜図48)
5.1 構成
5.2 動作
5.3 作用・効果
<6.実施形態5>(MOPOシステムを含むレーザ装置)
6.1 構成(図49)
6.2 動作
6.3 作用・効果
<7.その他>
以下、本開示の実施形態について、図面を参照しながら詳しく説明する。
以下に説明される実施形態は、本開示のいくつかの例を示すものであって、本開示の内容を限定するものではない。また、各実施形態で説明される構成及び動作の全てが本開示の構成及び動作として必須であるとは限らない。
なお、同一の構成要素には同一の参照符号を付して、重複する説明を省略する。
<1.比較例>(制御ゲインを用いたエネルギ制御を行うレーザ装置)
[1.1 比較例1]
[1.1.1 比較例1の構成]
図1は、本開示の実施形態に対する比較例1に係るレーザ装置101の一構成例を概略的に示している。
比較例1に係るレーザ装置101は、露光装置4に向けてパルスレーザ光Lpを出力するエキシマレーザ装置であってもよい。レーザ装置101は、レーザ制御部2と、レーザ発振器システム3と、レーザガス供給装置91と、レーザガス排気装置92とを備えている。
レーザ発振器システム3は、レーザ共振器と、レーザチャンバ20と、パルスパワーモジュール(PPM:Pulse Power Module)28と、パルスエネルギ検出器30と、充電器90とを含んでいてもよい。
レーザチャンバ20は、レーザ光を透過するウインドウ21,22と、一対の放電電極23,24と、電気絶縁部材25と、クロスフローファン(CFF)26と、モータ27と、圧力センサ34とを含んでいてもよい。レーザチャンバ20は、図示しない熱交換器を含んでいてもよい。
レーザチャンバ20は、一対の放電電極23,24間に印加された印加電圧に応じたパルスエネルギEを有するパルスレーザ光Lpを、設定された所定のパルス繰り返し周波数Rpで出射する。一対の放電電極23,24間に印加される印加電圧は、充電器90による充電電圧Vに応じた電圧であってもよい。
レーザ共振器は、出力結合器(OC:Output Coupler)としての出力結合ミラー35と、狭帯域化モジュール(LNM:Line Narrowing Module)10とを含んでいてもよい。レーザ共振器には、図示しない2つのスリットが設けられていてもよい。レーザ共振器の光路上に一対の放電電極23,24の放電領域が配置されるように、レーザチャンバ20が配置されてもよい。
狭帯域化モジュール10は、レーザ光のビームを拡大するプリズム12と、グレーティング11とを含んでいてもよい。プリズム12は、レーザチャンバ20から出力されたレーザ光のビームがプリズム12でビーム拡大されてグレーティング11に所定の角度で入射するように配置されてもよい。グレーティング11は、レーザ光の入射角度と回折角度とが略同じ角度となるリトロー配置であってももよい。
出力結合ミラー35は、レーザチャンバ20内で発生したレーザ光の一部を反射し、一部を透過する多層膜がコートされた部分反射ミラーであってもよい。
パルスエネルギ検出器30は、パルスレーザ光Lpの光路上に設けられ、パルスレーザ光LpのパルスエネルギEを検出する。パルスエネルギ検出器30は、ビームスプリッタ31と、集光レンズ32と、パルスエネルギEを検出する光センサ33とを含んでいてもよい。
ビームスプリッタ31は、出力結合ミラー35から出力されたパルスレーザ光Lpの光路上に配置されていてもよい。集光レンズ32は、ビームスプリッタ31で反射されたパルスレーザ光Lpの光路上に配置されていてもよい。光センサ33は、集光レンズ32の集光位置の近傍に配置されてもよい。
パルスパワーモジュール28は、一対の放電電極23,24を放電させるためのスイッチ29を含み、電気絶縁部材25を介して、一方の放電電極23と接続されていてもよい。他方の放電電極24は、接地されたレーザチャンバ20と接続されていてもよい。パルスパワーモジュール28は、図示しない充電コンデンサを含んでいてもよい。
充電器90とパルスパワーモジュール28は、パルスパワーモジュール28の図示しない充電コンデンサを充電するように、互いに電気的に接続されていてもよい。充電器90は、充電電圧Vを示すデータをレーザ制御部2から受信してもよい。充電電圧Vは、図示しない充電コンデンサを充電する電圧であってもよい。充電電圧Vは、パルスエネルギ検出器30によって計測されたパルスエネルギEに基づいて、レーザ制御部2によって制御されてもよい。充電電圧Vは、一対の放電電極23,24間に印加する印加電圧に対応した電圧であってもよい。
レーザ制御部2には、露光装置4の露光装置コントローラ5から発振トリガ信号Strと目標パルスエネルギEtとが入力されてもよい。レーザ制御部2とパルスパワーモジュール28は、発振トリガ信号Strに同期して、スイッチ29がオン/オフされるように互いに電気的に接続されていてもよい。
レーザ制御部2は、各種データを記憶する記憶部51を含んでいてもよい。記憶部51は、各種データとして、目標パルスエネルギEt、パルスエネルギ検出器30によって計測されたパルスエネルギEのデータ、充電電圧Vを示すデータ等を記憶してもよい。また、記憶部51は、パルスレーザ光Lpのエネルギ制御を行うための制御ゲインGcと、制御ゲインGcの算出に用いられるパルス繰り返し周波数Rp、及び発振パルス数Npのデータとを記憶してもよい。また、記憶部51は、制御ゲインGcの算出に用いられるその他の設定値等のデータを記憶してもよい。
レーザ制御部2は、目標パルスエネルギEtと、パルスエネルギ検出器30によって検出されたパルスエネルギEとに基づいて、一対の放電電極23,24間に印加する印加電圧を制御する電圧制御部であってもよい。
レーザ制御部2は、制御ゲインGcを算出するゲイン算出部であってもよい。レーザ制御部2は、制御ゲインGcを用いて充電電圧Vを制御することにより、レーザチャンバ20から出力されるパルスレーザ光Lpのエネルギ制御を行う。
レーザガス供給装置91は、レーザチャンバ20内にレーザガスを供給する図示しないガスボンベと、ガスボンベからのレーザガスの供給を制御する流量制御弁としての図示しない供給バルブとを含んでいてもよい。レーザガスは、例えば、レアガスとしてAr又はKrを含んでいてもよい。また、レーザガスは、例えば、ハロゲンガスとしてF2ガスを含んでいてもよい。また、レーザガスは、例えば、バッファガスとしてNe又はHeを含んでいてもよい。また、レーザガスは、それらのガスの混合ガスを含んでいてもよい。例えば、レーザガスは、Ar+Ne混合ガス、又はAr+Ne+F2混合ガスを含んでいてもよい。
レーザガス排気装置92は、レーザチャンバ20内のレーザガスを排気できるように構成されていてもよい。レーザガス排気装置92は、図示しない排気バルブと、図示しない排気ポンプとを含んでいてもよい。
[1.1.2 比較例1の動作]
レーザ制御部2は、露光装置4の露光装置コントローラ5から発振トリガ信号Strと目標パルスエネルギEtとを受信してもよい。レーザ制御部2は、目標パルスエネルギEtとなるように充電器90に充電電圧Vを設定してもよい。また、レーザ制御部2は、発振トリガ信号Strに同期させてパルスパワーモジュール28のスイッチ29を動作させてもよい。これにより、レーザチャンバ20において、一対の放電電極23,24間に充電電圧Vに応じた高電圧が印加され、一対の放電電極23,24間の放電領域においてレーザガスが絶縁破壊して、放電が生成され得る。その結果、レーザチャンバ20内においてレーザガスが励起され、レーザ共振器を構成する狭帯域化モジュール10と出力結合ミラー35との間でレーザ発振が起こり得る。出力結合ミラー35からは、狭帯域化モジュール10のプリズム12とグレーティング11とによって狭帯域化されたパルスレーザ光Lpが出力され得る。この際、レーザ共振器内の図示しない2つのスリットによってレーザ発振領域が制限され得る。
なお、レーザ装置101は必ずしも、狭帯域化レーザ装置でなく、自然発振光を出力するレーザ装置であってもよい。例えば、狭帯域化モジュール10の代わりに、高反射ミラーを配置してもよい。
出力結合ミラー35から出力されたパルスレーザ光Lpは、ビームスプリッタ31によって一部がパルスエネルギEを検出するためのサンプル光として、光センサ33に向けて反射され得る。パルスエネルギ検出器30は、検出したパルスエネルギEのデータを、レーザ制御部2に送信してもよい。一方、ビームスプリッタ31を透過したパルスレーザ光Lpは、露光装置4に入射し得る。
レーザ制御部2は、パルスレーザ光Lpが出力された場合の充電電圧VとパルスエネルギEとのデータを記憶部51に記憶してもよい。
レーザ制御部2は、目標パルスエネルギEtと実際に出力されたパルスエネルギEとの差ΔEに基づいて、目標パルスエネルギEtとなるように充電電圧Vをフィードバック制御してもよい。
レーザ制御部2は、充電電圧Vが許容範囲の最大値より高くなったら、レーザガス供給装置91を制御して、所定の圧力となるまでレーザガスをレーザチャンバ20内に供給してもよい。また、レーザ制御部2は、充電電圧Vが許容範囲の最小値より低くなったら、レーザガス排気装置92を制御して、所定の圧力となるまでレーザガスをレーザチャンバ20内から排気してもよい。
レーザ装置101は,制御権がレーザ装置101側にある状態で目標パルスエネルギEtを階段状に変化させたときの充電電圧VとパルスエネルギEとのデータを記憶部51に記憶してもよい。このときのパルスエネルギEと充電電圧Vとの関係ΔV/ΔEから、フィードバック制御で使用する制御ゲインGcをあらたに算出してもよい。
(比較例1におけるエネルギ制御の具体例)
放電励起式エキシマレーザの場合、充電電圧Vを高くすると、パルスエネルギEは高くなり、充電電圧Vを低くするとパルスエネルギEは小さくなる。この特性に従って、レーザ制御部2は、パルスレーザ光LpのパルスエネルギEが目標エネルギEtとなるように充電電圧Vを制御する。エネルギ制御で用いられる制御ゲインGcは、以下の式のように、レーザの特性で決定されるΔV/ΔEと係数Gsとの積で決定される。
Gc=Gs・ΔV/ΔE
係数Gsは、制御が発散しないように例えば,0.3以上、1以下の値が望ましい。制御ゲインGcは初期値をパラメータであらかじめ設定しておく。制御ゲインGcの初期値のパラメータの範囲は例えば0.1以上、2以下であってもよい。制御ゲインGcは、後述する図3に示すフローチャートに従って算出してもよい。
図2は、比較例1に係るレーザ装置101におけるレーザ制御部2によるパルスエネルギEの制御の流れの一例を示すフローチャートである。
まず、レーザ制御部2は、露光装置コントローラ5又は記憶部51から、目標パルスエネルギEtの読み込みを行う(ステップS101)。次に、レーザ制御部2は、レーザ発振したか否かを判断する(ステップS102)。レーザ制御部2は、レーザ発振していないと判断した場合(ステップS102;N)には、ステップS102の処理を繰り返す。
一方、レーザ発振したと判断した場合(ステップS102;Y)には、レーザ制御部2は、パルスエネルギ検出器30から、パルスエネルギEの値を読み込む(ステップS103)。
次に、レーザ制御部2は、パルスエネルギEと目標パルスエネルギEtとの比較を行う(ステップS104)。レーザ制御部2は、パルスエネルギEと目標パルスエネルギEtとが略同じと判断した場合(E=Et)には、現在の充電電圧Vのデータをそのまま充電電圧Vのデータとして(ステップS106)、記憶部51に書き込む(ステップS108)。
一方、レーザ制御部2は、パルスエネルギEが目標パルスエネルギEtよりも小さいと判断した場合(E<Et)には、以下の式のように、目標パルスエネルギEtとパルスエネルギEとの差(Et−E)に制御ゲインGcを乗じた値を充電電圧Vに加算し、あらたな充電電圧Vとして(ステップS105)、その充電電圧Vのデータを記憶部51に書き込む(ステップS108)。
V=V+(Et−E)・Gc
また、レーザ制御部2は、パルスエネルギEが目標パルスエネルギEtよりも大きいと判断した場合(E>Et)には、以下の式のように、パルスエネルギEと目標パルスエネルギEtとの差分(E−Et)に制御ゲインGcを乗じた値を充電電圧Vから減算し、あらたな充電電圧Vとして(ステップS107)、その充電電圧Vのデータを記憶部51に書き込む(ステップS108)。
V=V−(E−Et)・Gc
次に、レーザ制御部2は、充電電圧Vが所定の最大値Vmax以上になったか否かを判断する(ステップS109)。レーザ制御部2は、充電電圧Vが所定の最大値Vmax以上になっていないと判断した場合(ステップS109;N)には、ステップS101の処理に戻る。一方、充電電圧Vが所定の最大値Vmax以上になったと判断した場合(ステップS109;Y)には、エネルギ制御の処理を終了する。
(比較例1における制御ゲインの算出処理の具体例)
図3は、比較例1に係るレーザ装置101におけるレーザ制御部2による制御ゲインGcの算出処理の流れの一例を示すフローチャートである。
図3の処理は、例えば、露光装置4からの指示、レーザガスの交換後、又はレーザガスのガス圧調整後に行ってもよい。また、一定の期間毎に図3の処理を行ってもよい。
まず、レーザ制御部2は、露光装置コントローラ5又は記憶部51から、パルス繰り返し周波数Rpの読み込みを行う(ステップS201)。次に、レーザ制御部2は、露光装置コントローラ5又は記憶部51から、発振パルス数Npの読み込みを行う(ステップS202)。発振パルス数Npは、例えば2000パルス以上5000パルス以下が好ましい。
次に、レーザ制御部2は、目標パルスエネルギEtを基準エネルギEtaに設定する(ステップS203)。レーザ制御部2は、その設定した目標パルスエネルギEtを記憶部51に書き込む。次に、レーザ制御部2は、ゲイン発振の処理を行う(ステップS204)。ここでのゲイン発振の処理としては、後述する図4に示すサブルーチンに示す処理を行う。
次に、レーザ制御部2は、パルスのカウンタ値NをN+1に設定する(ステップS205)。
次に、レーザ制御部2は、パルスエネルギ検出器30から、パルスエネルギEの値を読み込み、記憶部51に、n番目のパルスのパルスエネルギEの値をEanとして書き込む(ステップS206)。
次に、レーザ制御部2は、充電器90に設定した充電電圧Vの値を記憶部51から読み込み、記憶部51に、n番目のパルスにおける充電電圧Vの値をVanとして書き込む(ステップS207)。
次に、レーザ制御部2は、パルスのカウンタ値Nが発振パルス数Npを超えたか否かを判断する(ステップS208)。レーザ制御部2は、パルスのカウンタ値Nが発振パルス数Npを超えていないと判断した場合(ステップS208;N)には、ステップS204の処理に戻る。
一方、パルスのカウンタ値Nが発振パルス数Npを超えたと判断した場合(ステップS208;Y)には、レーザ制御部2は、以下の式のように、目標パルスエネルギEtを基準エネルギEtaに設定した場合における平均パルスエネルギAve.Eaと平均充電電圧Ave.Vaとを計算する(ステップS209)。
Ave.Ea=ΣEan/Np
Ave.Va=ΣVan/Np
次に、レーザ制御部2は、パルスのカウンタ値Nを0に設定する(ステップS210)。次に、レーザ制御部2は、目標パルスエネルギEtを基準エネルギEtbに設定する(ステップS211)。レーザ制御部2は、その設定した目標パルスエネルギEtを記憶部51に書き込む。次に、レーザ制御部2は、ゲイン発振の処理を行う(ステップS212)。ここでのゲイン発振の処理としては、後述する図4に示すサブルーチンに示す処理を行う。
次に、レーザ制御部2は、パルスのカウンタ値NをN+1に設定する(ステップS213)。
次に、レーザ制御部2は、パルスエネルギ検出器30から、パルスエネルギEの値を読み込み、記憶部51に、n番目のパルスのパルスエネルギEの値をEbnとして書き込む(ステップS214)。
次に、レーザ制御部2は、充電器90に設定した充電電圧Vの値を記憶部51から読み込み、記憶部51に、n番目のパルスにおける充電電圧Vの値をVbnとして書き込む(ステップS215)。
次に、レーザ制御部2は、パルスのカウンタ値Nが発振パルス数Npを超えたか否かを判断する(ステップS216)。レーザ制御部2は、パルスのカウンタ値Nが発振パルス数Npを超えていないと判断した場合(ステップS216;N)には、ステップS212の処理に戻る。
一方、パルスのカウンタ値Nが発振パルス数Npを超えたと判断した場合(ステップS216;Y)には、レーザ制御部2は、以下の式のように、目標パルスエネルギEtを基準エネルギEtbに設定した場合における平均パルスエネルギAve.Ebと平均充電電圧Ave.Vbとを計算する(ステップS217)。
Ave.Eb=ΣEbn/Np
Ave.Vb=ΣVbn/Np
次に、レーザ制御部2は、パルスのカウンタ値Nを0に設定する(ステップS218)。
次に、レーザ制御部2は、以下の式のように、制御ゲインGcの値を計算し(ステップS219)、処理を終了する。
ΔV/ΔE=(Ave.Vb−Ave.Va)/(Ave.Eb−Ave.Ea)
Gc=Gs・ΔV/ΔE
図4は、図3の制御ゲインの算出処理におけるゲイン発振のサブルーチンの一例を示すフローチャートである。
まず、レーザ制御部2は、記憶部51から、目標パルスエネルギEtの読み込みを行う(ステップS301)。次に、レーザ制御部2は、レーザ発振したか否かを判断する(ステップS302)。レーザ制御部2は、レーザ発振していないと判断した場合(ステップS302;N)には、ステップS302の処理を繰り返す。
一方、レーザ発振したと判断した場合(ステップS302;Y)には、レーザ制御部2は、パルスエネルギ検出器30から、パルスエネルギEの値を読み込む(ステップS303)。
次に、レーザ制御部2は、パルスエネルギEと目標パルスエネルギEtとの比較を行う(ステップS304)。レーザ制御部2は、パルスエネルギEと目標パルスエネルギEtとが略同じと判断した場合(E=Et)には、現在の充電電圧Vのデータをそのまま充電電圧Vのデータとする(ステップS306)。
一方、レーザ制御部2は、パルスエネルギEが目標パルスエネルギEtよりも小さいと判断した場合(E<Et)には、以下の式のように、目標パルスエネルギEtとパルスエネルギEとの差(Et−E)に制御ゲインGcの初期値Gc0を乗じた値を充電電圧Vに加算し、あらたな充電電圧Vとする(ステップS305)。
V=V+(Et−E)・Gc0
また、レーザ制御部2は、パルスエネルギEが目標パルスエネルギEtよりも大きいと判断した場合(E>Et)には、以下の式のように、パルスエネルギEと目標パルスエネルギEtとの差分(E−Et)に制御ゲインGcの初期値Gc0を乗じた値を充電電圧Vから減算し、あらたな充電電圧Vとする(ステップS307)。
V=V−(E−Et)・Gc0
次に、レーザ制御部2は、充電電圧Vが所定の最大値Vmax以上になったか否かを判断する(ステップS308)。レーザ制御部2は、充電電圧Vが所定の最大値Vmax以上になっていないと判断した場合(ステップS308;N)には、その充電電圧Vのデータを記憶部51に書き込み(ステップS310)、ゲイン発振の処理を終了する。
一方、充電電圧Vが所定の最大値Vmax以上になったと判断した場合(ステップS308;Y)には、最大値Vmaxを充電電圧Vとして(ステップS309)、その充電電圧Vのデータを記憶部51に書き込み(ステップS310)、ゲイン発振の処理を終了する。
なお、制御ゲインGcの初期値Gc0は、例えば0.1以上、2以下の値であってもよい。制御ゲインGcを計算した後は、初期値Gc0をその計算した値(Gc0=Gc)にしてもよい。
図5は、比較例1に係るレーザ装置101におけるパルス毎のパルスエネルギEと充電電圧Vとの計測値の第1の例を示している。図6は、比較例1に係るレーザ装置101における充電電圧Vの変化に対するパルスエネルギEの変化の第1の例を示している。図5において、横軸はパルスレーザ光Lpのパルス番号、縦軸はパルスエネルギE(mJ)及び充電電圧V(kV)を示す。図6において、横軸は充電電圧V(kV)、縦軸はパルスエネルギE(mJ)を示す。
図5の例では、図3のステップS209で計算される平均パルスエネルギAve.Eaは9mJ、平均充電電圧Ave.Vaは19kVとなっている。また、図3のステップS217で計算される平均パルスエネルギAve.Ebは11mJ、平均充電電圧Ave.Vbは23kVとなっている。
図6における直線の傾きΔE/ΔVの逆数は、図3のステップS219で計算されるΔV/ΔEに相当する。図6に示したように、傾きΔE/ΔVと、実際の充電電圧VとパルスエネルギEとの関係曲線V−Eとには、ずれが生じ得る。また、傾きΔE/ΔVはパルスエネルギEのばらつきに応じて、変化し得る。このため、図3のステップS219で計算されるΔV/ΔEにもずれが生じ、制御ゲインGcの算出精度が悪くなり得る。
図7は、比較例1に係るレーザ装置101におけるパルス毎のパルスエネルギEと充電電圧Vとの計測値の第2の例を示している。図8は、比較例1に係るレーザ装置101における充電電圧Vの変化に対するパルスエネルギEの変化の第2の例を示している。図7において、横軸はパルスレーザ光Lpのパルス番号、縦軸はパルスエネルギE(mJ)及び充電電圧V(kV)を示す。図8において、横軸は充電電圧V(kV)、縦軸はパルスエネルギE(mJ)を示す。
比較例1に係るレーザ装置101において、例えば以下のように、目標パルスエネルギEtの値に応じた複数の制御ゲインGca,Gcbを算出してもよい。
Et≦10:Gca=Gs・ΔVa/ΔEa
Et>10:Gcb=Gs・ΔVb/ΔEb
例えば図7に示したように、レーザ装置101において、3段階に分けてゲイン発振を行い、平均パルスエネルギと平均充電電圧とをそれぞれ3つずつ計算するようにしてもよい。この場合、図8における直線の傾きΔEa/ΔVaの逆数(ΔVa/ΔEa)に基づいて制御ゲインGcaが計算され得る。また、図8における直線の傾きΔEb/ΔVbの逆数(ΔVb/ΔEb)に基づいて制御ゲインGcbが計算され得る。
[1.1.3 比較例1の課題]
以上のように、比較例1に係るレーザ装置101では、充電電圧VとパルスエネルギEとを階段状に変化させて、制御ゲインGcを算出する。この場合、パルスエネルギEのばらつきに応じて、算出精度が悪くなり得る。制御ゲインGcの算出精度を改善するために、制御ゲインGcを算出する際のパルス数を増やして平均化を実施すると、算出時間が増加し得る。このため、短時間で精度よく制御ゲインGcを算出することができる技術の開発が望まれる。
[1.2 比較例2]
[1.2.1 比較例2の構成]
図9は、比較例2に係るレーザ装置1の一構成例を概略的に示している。
比較例2に係るレーザ装置1は、比較例1に係るレーザ装置101におけるレーザ制御部2に、ファンクションジェネレータ52を追加した構成となっている。
後述するように、レーザ装置1では、レーザ制御部2が制御ゲインGcの算出処理を行う際に、ファンクションジェネレータ52によって、目標パルスエネルギEtを、所定の基準エネルギを変動中心として、変調周波数Fmで周期的に変動させる処理を行う。
ファンクションジェネレータ52の機能は、ハードウエハで実現してもよいし、ファンクションジェネレータ52の機能に相当するプログラムをレーザ制御部2が実行することにより実現してもよい。
その他の構成は、比較例1に係るレーザ装置101と略同様であってもよい。
[1.2.2 比較例2の動作]
レーザ装置1では,制御権がレーザ装置1側にある状態で目標パルスエネルギEtを変調周波数Fmで周期的に変動させたときのパルスエネルギEと充電電圧Vとのデータを記憶部51に記憶する。レーザ装置1では,記憶されたパルスエネルギEと充電電圧Vとのデータ列に対してスペクトル解析を行う。ここで,スペクトル解析はフーリエ解析,離散的フーリエ解析,又は高速フーリエ解析などを用いてもよい。レーザ装置1では,変調周波数FmのパルスエネルギEの振幅成分Ieと、充電電圧Vの振幅成分Ivとを算出する。レーザ装置1では,このときの振幅成分Ieと振幅成分Ivとの関係Iv/Ieに基づいて、制御ゲインGcを算出する。以下、図10を参照して、具体的な算出処理を説明する。
(比較例2における制御ゲインの算出処理の具体例)
図10は、比較例2に係るレーザ装置1におけるレーザ制御部2による制御ゲインGcの算出処理の流れの一例を示すフローチャートである。
図10の処理は、例えば、露光装置4からの指示、レーザガスの交換後、又はレーザガスのガス圧調整後に行ってもよい。また、一定の期間毎に図10の処理を行ってもよい。
まず、レーザ制御部2は、露光装置コントローラ5又は記憶部51から、パルス繰り返し周波数Rpの読み込みを行う(ステップS401)。次に、レーザ制御部2は、露光装置コントローラ5又は記憶部51から、発振パルス数Npの読み込みを行う(ステップS402)。発振パルス数Npは、例えば400パルス以上1500パルス以下が好ましい。発振パルス数Npは、512パルス、1024パルスなど、2の累乗がより好ましい。
次に、レーザ制御部2は、目標パルスエネルギEtを基準エネルギEtaに設定する(ステップS403)。レーザ制御部2は、その設定した目標パルスエネルギEtを記憶部51に書き込む。
次に、レーザ制御部2は、ファンクションジェネレータ52によって、以下の式のように、目標パルスエネルギEtを、基準エネルギEtaを変動中心として、周期的に変動させる(ステップS404)。Fmaは、目標パルスエネルギEtの変調周波数である。Rp/Fmaは整数が望ましい。Rp/Fmaの範囲は4以上、10以下が望ましい。振幅ΔIeの範囲は0.5mJ以上、2mJ以下が望ましい。振幅ΔIeは、基準エネルギEtaに対する比率で決定してもよい。例えば、ΔIe=Eta・(5%〜10%)としてもよい。
Et=Eta+ΔIe・sin(N・2・π・Fma/Rp)
次に、レーザ制御部2は、ゲイン発振の処理を行う(ステップS405)。ここでのゲイン発振の処理は、例えば図4に示すサブルーチンと略同様であってもよい。
次に、レーザ制御部2は、パルスのカウンタ値NをN+1に設定する(ステップS406)。
次に、レーザ制御部2は、パルスエネルギ検出器30から、パルスエネルギEの値を読み込み、記憶部51に、n番目のパルスのパルスエネルギEの値をEanとして書き込む(ステップS407)。
次に、レーザ制御部2は、充電器90に設定した充電電圧Vの値を記憶部51から読み込み、記憶部51に、n番目のパルスにおける充電電圧Vの値をVanとして書き込む(ステップS408)。
次に、レーザ制御部2は、パルスのカウンタ値Nが発振パルス数Npを超えたか否かを判断する(ステップS409)。レーザ制御部2は、パルスのカウンタ値Nが発振パルス数Npを超えていないと判断した場合(ステップS409;N)には、ステップS404の処理に戻る。
一方、パルスのカウンタ値Nが発振パルス数Npを超えたと判断した場合(ステップS409;Y)には、レーザ制御部2は、記憶されたパルスエネルギEと充電電圧Vとのデータ列に対して、スペクトル解析を実行し、パルスエネルギEの変調周波数Fmaにおける振幅成分Ieaと、充電電圧Vの変調周波数Fmaにおける振幅成分Ivaとを求める(ステップS410)。スペクトル解析は、フーリエ変換、離散フーリエ変換、又は高速フーリエ変換などを用いてもよい。
次に、レーザ制御部2は、パルスのカウンタ値Nを0に設定する(ステップS411)。
次に、レーザ制御部2は、以下の式のように、制御ゲインGcの値を計算し(ステップS412)、処理を終了する。係数Gsは、制御が発散しないように例えば,0.3以上、1以下の値が望ましい。
Gc=Gs・ΔV/ΔE=Gs・Iva/Iea
図11は、比較例2に係るレーザ装置1におけるパルス毎のパルスエネルギEと充電電圧Vとの計測値の一例を示している。図12は、図11におけるパルスエネルギEと充電電圧Vとをスペクトル解析した結果の一例を示している。図11において、横軸はパルスレーザ光Lpのパルス番号、縦軸はパルスエネルギE(mJ)、又は充電電圧V(kV)を示す。比較例2では、パルス繰り返し周波数Rpは一定なので、図11の横軸は時間に相当する。図12において、横軸は周波数(Hz)、縦軸は振幅値を示す。
図10のステップS410でのスペクトル解析の処理により、例えば図12に示したような振幅成分Iea,Ivaが求められる。
その他の動作は、比較例1に係るレーザ装置101と略同様であってもよい。
[1.2.3 比較例2の課題]
図13は、比較例2に係るレーザ装置1における充電電圧Vの変化に対するパルスエネルギEの変化の第1の例を示している。図14は、比較例2に係るレーザ装置1における充電電圧Vの変化に対するパルスエネルギEの変化の第2の例を示している。図13及び図14において、横軸は充電電圧V(kV)、縦軸はパルスエネルギE(mJ)を示す。図14には、パルス繰り返し周波数Rp=4000Hz発振時の特性と、Rp=6000Hz発振時の特性とを示す。
図13及び図14における直線の傾きΔE/ΔVの逆数は、図10のステップS412で計算される制御ゲインGcにおけるIva/Ieaに相当する。
図13に示したように、パルスエネルギEの値によって傾きΔE/ΔVが異なるので、ある1つの目標パルスエネルギEtに基づいて制御ゲインGcを算出した場合、エネルギ制御の精度が悪くなり得る。このため、目標パルスエネルギEtの値に応じた複数の制御ゲインGcを算出することが望ましい。
また、図13に示したように、パルス繰り返し周波数Rpの値によって,傾きΔE/ΔVが異なるので、ある1つのパルス繰り返し周波数Rpに基づいて制御ゲインGcを算出した場合、エネルギ制御の精度が悪くなり得る。このため、複数のパルス繰り返し周波数Rpの値に応じた複数の制御ゲインGcを算出することが望ましい。
<2.実施形態1>(目標パルスエネルギの値に応じた複数の制御ゲインを用いるレーザ装置)
次に、本開示の実施形態1に係るレーザ装置について説明する。なお、以下では上記比較例に係るレーザ装置の構成要素と略同じ部分については、同一符号を付し、適宜説明を省略する。
[2.1 構成]
実施形態1に係るレーザ装置は、上記比較例2に係るレーザ装置1と略同様に、比較例1に係るレーザ装置101におけるレーザ制御部2に、ファンクションジェネレータ52を追加した構成であってもよい。
実施形態1に係るレーザ装置は、上記比較例2に係るレーザ装置1に対して、レーザ制御部2によるエネルギ制御の処理と、制御ゲインGcの算出処理とが異なっている。
実施形態1に係るレーザ装置では、レーザ制御部2は、目標パルスエネルギEtを、複数の基準エネルギのそれぞれを変動中心として、所定の変調周波数で周期的に変動させるパルスエネルギ制御部であってもよい。複数の基準エネルギは、例えばEta,Etb,Etcであってもよい。所定の変調周波数は例えばFmaであってもよい。
また、レーザ制御部2は、複数の基準エネルギのそれぞれに対応する複数の制御ゲイン、例えばGca,Gcb,Gccを算出するゲイン算出部であってもよい。
ゲイン算出部としてのレーザ制御部2は、目標パルスエネルギEtを複数の基準エネルギのそれぞれを変動中心として所定の変調周波数で周期的に変動させた場合におけるパルスエネルギEの振幅成分を算出してもよい。また、レーザ制御部2は、目標パルスエネルギEtを複数の基準エネルギのそれぞれを変動中心として所定の変調周波数で周期的に変動させた場合における一対の放電電極23,24間に印加する印加電圧に対応する充電電圧Vの振幅成分を算出してもよい。算出されるパルスエネルギEの振幅成分は、例えばIea,Ieb,Iecであってもよい。算出される充電電圧Vの振幅成分は、例えばIva,Ivb,Ivcであってもよい。そして、レーザ制御部2は、パルスエネルギEの振幅成分と充電電圧Vの振幅成分とに基づいて、複数の制御ゲインを算出してもよい。
また、レーザ制御部2は、目標パルスエネルギEt、及びパルスエネルギ検出器30によって検出されたパルスエネルギEに加えてさらに、複数の制御ゲインに基づいて、一対の放電電極23,24間に印加する印加電圧に対応する充電電圧Vを制御する電圧制御部であってもよい。
その他の構成は、上記比較例に係るレーザ装置と略同様であってもよい。
[2.2 動作]
レーザ制御部2は、目標パルスエネルギEtを、複数の基準エネルギEta,Etb,Etcのそれぞれを変動中心として、所定の変調周波数Fmaで周期的に変動させることにより、複数の制御ゲインGca,Gcb,Gccを算出してもよい。これにより、例えば以下のように、制御ゲインGcとして、目標パルスエネルギEtの値に応じた複数の制御ゲインGca,Gcb,Gccを算出してもよい。例えば基準エネルギEtaに基づいて制御ゲインGcaを算出してもよい。例えば基準エネルギEtbに基づいて制御ゲインGcbを算出してもよい。例えば基準エネルギEtcに基づいて制御ゲインGccを算出してもよい。各基準エネルギEta,Etb,Etcの大小関係は、Eta<Etb<Etcであってもよい。なお、以下に示す目標パルスエネルギEtの設定値は一例であり、以下に示す値に限定されない。
Et≦9.5:Gca=Gs・Iva/Iea
9.5<Et≦10.5:Gcb=Gs・Ivb/Ieb
10.5<Et:Gcc=Gs・Ivc/Iec
(実施形態1における制御ゲインの算出処理の具体例)
図15は、実施形態1に係るレーザ装置におけるパルス毎のパルスエネルギEと充電電圧Vとの計測値の一例を示している。図16は、図15におけるパルスエネルギEと充電電圧Vとをスペクトル解析した結果の一例を示している。図15において、横軸はパルスレーザ光Lpのパルス番号、縦軸はパルスエネルギE(mJ)、又は充電電圧V(kV)を示す。実施形態1では、パルス繰り返し周波数Rpは一定なので、図15の横軸は時間に相当する。図16において、横軸は周波数(Hz)、縦軸は振幅値を示す。
図17は、実施形態1に係るレーザ装置におけるレーザ制御部2による制御ゲインGcの算出処理の流れの一例を示すフローチャートを示している。図18は、図17に続くフローチャートである。図19は、図18に続くフローチャートである。
図17〜図19の処理では、スペクトル解析により、例えば図16に示したようなパルスエネルギEの振幅成分Ie(Iea,Ieb,Iec)と、充電電圧Vの振幅成分Iv(Iva,Ivb,Ivc)とを算出してもよい。
図17〜図19の処理は、例えば、露光装置4からの指示、レーザガスの交換後、又はレーザガスのガス圧調整後に行ってもよい。また、一定の期間毎に処理を行ってもよい。
図17に示したように、まず、レーザ制御部2は、露光装置コントローラ5又は記憶部51から、パルス繰り返し周波数Rpの読み込みを行う(ステップS401A)。次に、レーザ制御部2は、露光装置コントローラ5又は記憶部51から、発振パルス数Npの読み込みを行う(ステップS402A)。発振パルス数Npは、例えば400パルス以上1500パルス以下が好ましい。発振パルス数Npは、512パルス、1024パルスなど、2の累乗がより好ましい。
次に、レーザ制御部2は、目標パルスエネルギEtを基準エネルギEtaに設定する(ステップS403A)。レーザ制御部2は、その設定した目標パルスエネルギEtを記憶部51に書き込む。
次に、レーザ制御部2は、ファンクションジェネレータ52によって、以下の式のように、目標パルスエネルギEtを、基準エネルギEtaを変動中心として、周期的に変動させる(ステップS404A)。Fmaは、目標パルスエネルギEtの変調周波数である。Rp/Fmaは整数が望ましい。Rp/Fmaの範囲は4以上、10以下が望ましい。振幅ΔIeの範囲は0.5mJ以上、2mJ以下が望ましい。振幅ΔIeは、基準エネルギEtaに対する比率で決定してもよい。例えば、ΔIe=Eta・(5%〜10%)としてもよい。Rpは例えば6000Hzであってもよい。Fmaは例えば1200Hzであってもよい。
Et=Eta+ΔIe・sin(N・2・π・Fma/Rp)
次に、レーザ制御部2は、ゲイン発振の処理を行う(ステップS405A)。ここでのゲイン発振の処理は、例えば図4に示すサブルーチンと略同様であってもよい。
次に、レーザ制御部2は、パルスのカウンタ値NをN+1に設定する(ステップS406A)。
次に、レーザ制御部2は、パルスエネルギ検出器30から、パルスエネルギEの値を読み込み、記憶部51に、n番目のパルスのパルスエネルギEの値をEanとして書き込む(ステップS407A)。
次に、レーザ制御部2は、充電器90に設定した充電電圧Vの値を記憶部51から読み込み、記憶部51に、n番目のパルスにおける充電電圧Vの値をVanとして書き込む(ステップS408A)。
次に、レーザ制御部2は、パルスのカウンタ値Nが発振パルス数Npを超えたか否かを判断する(ステップS409A)。レーザ制御部2は、パルスのカウンタ値Nが発振パルス数Npを超えていないと判断した場合(ステップS409A;N)には、ステップS404Aの処理に戻る。
一方、パルスのカウンタ値Nが発振パルス数Npを超えたと判断した場合(ステップS409A;Y)には、レーザ制御部2は、記憶されたパルスエネルギEと充電電圧Vとのデータ列に対して、スペクトル解析を実行し、パルスエネルギEの変調周波数Fmaにおける振幅成分Ieaと、充電電圧Vの変調周波数Fmaにおける振幅成分Ivaとを求める(ステップS410A)。スペクトル解析は、フーリエ変換、離散フーリエ変換、又は高速フーリエ変換などを用いてもよい。
次に、レーザ制御部2は、パルスのカウンタ値Nを0に設定する(ステップS411A)。
次に、レーザ制御部2は、以下の式のように、制御ゲインGcの値Gcaを計算し(ステップS412A)、図18の処理に進む。係数Gsは、制御が発散しないように例えば,0.3以上、1以下の値が望ましい。
Gca=Gs・ΔV/ΔE=Gs・Iva/Iea
図18の処理では、まず、レーザ制御部2は、露光装置コントローラ5又は記憶部51から、パルス繰り返し周波数Rpの読み込みを行う(ステップS401B)。次に、レーザ制御部2は、露光装置コントローラ5又は記憶部51から、発振パルス数Npの読み込みを行う(ステップS402B)。発振パルス数Npは、例えば400パルス以上1500パルス以下が好ましい。発振パルス数Npは、512パルス、1024パルスなど、2の累乗がより好ましい。
次に、レーザ制御部2は、目標パルスエネルギEtを基準エネルギEtbに設定する(ステップS403B)。レーザ制御部2は、その設定した目標パルスエネルギEtを記憶部51に書き込む。
次に、レーザ制御部2は、ファンクションジェネレータ52によって、以下の式のように、目標パルスエネルギEtを、基準エネルギEtbを変動中心として、周期的に変動させる(ステップS404B)。Fmaは、目標パルスエネルギEtの変調周波数である。Rp/Fmaは整数が望ましい。Rp/Fmaの範囲は4以上、10以下が望ましい。振幅ΔIeの範囲は0.5mJ以上、2mJ以下が望ましい。振幅ΔIeは、基準エネルギEtbに対する比率で決定してもよい。例えば、ΔIe=Etb・(5%〜10%)としてもよい。Rpは例えば6000Hzであってもよい。Fmaは例えば1200Hzであってもよい。
Et=Etb+ΔIe・sin(N・2・π・Fma/Rp)
次に、レーザ制御部2は、ゲイン発振の処理を行う(ステップS405B)。ここでのゲイン発振の処理は、例えば図4に示すサブルーチンと略同様であってもよい。
次に、レーザ制御部2は、パルスのカウンタ値NをN+1に設定する(ステップS406B)。
次に、レーザ制御部2は、パルスエネルギ検出器30から、パルスエネルギEの値を読み込み、記憶部51に、n番目のパルスのパルスエネルギEの値をEbnとして書き込む(ステップS407B)。
次に、レーザ制御部2は、充電器90に設定した充電電圧Vの値を記憶部51から読み込み、記憶部51に、n番目のパルスにおける充電電圧Vの値をVbnとして書き込む(ステップS408B)。
次に、レーザ制御部2は、パルスのカウンタ値Nが発振パルス数Npを超えたか否かを判断する(ステップS409B)。レーザ制御部2は、パルスのカウンタ値Nが発振パルス数Npを超えていないと判断した場合(ステップS409B;N)には、ステップS404Bの処理に戻る。
一方、パルスのカウンタ値Nが発振パルス数Npを超えたと判断した場合(ステップS409B;Y)には、レーザ制御部2は、記憶されたパルスエネルギEと充電電圧Vとのデータ列に対して、スペクトル解析を実行し、パルスエネルギEの変調周波数Fmaにおける振幅成分Iebと、充電電圧Vの変調周波数Fmaにおける振幅成分Ivbとを求める(ステップS410B)。スペクトル解析は、フーリエ変換、離散フーリエ変換、又は高速フーリエ変換などを用いてもよい。
次に、レーザ制御部2は、パルスのカウンタ値Nを0に設定する(ステップS411B)。
次に、レーザ制御部2は、以下の式のように、制御ゲインGcの値Gcbを計算し(ステップS412B)、図19の処理に進む。係数Gsは、制御が発散しないように例えば,0.3以上、1以下の値が望ましい。
Gcb=Gs・ΔV/ΔE=Gs・Ivb/Ieb
図19の処理では、まず、レーザ制御部2は、露光装置コントローラ5又は記憶部51から、パルス繰り返し周波数Rpの読み込みを行う(ステップS401C)。次に、レーザ制御部2は、露光装置コントローラ5又は記憶部51から、発振パルス数Npの読み込みを行う(ステップS402C)。発振パルス数Npは、例えば400パルス以上1500パルス以下が好ましい。発振パルス数Npは、512パルス、1024パルスなど、2の累乗がより好ましい。
次に、レーザ制御部2は、目標パルスエネルギEtを基準エネルギEtcに設定する(ステップS403C)。レーザ制御部2は、その設定した目標パルスエネルギEtを記憶部51に書き込む。
次に、レーザ制御部2は、ファンクションジェネレータ52によって、以下の式のように、目標パルスエネルギEtを、基準エネルギEtcを変動中心として、周期的に変動させる(ステップS404C)。Fmaは、目標パルスエネルギEtの変調周波数である。Rp/Fmaは整数が望ましい。Rp/Fmaの範囲は4以上、10以下が望ましい。振幅ΔIeの範囲は0.5mJ以上、2mJ以下が望ましい。振幅ΔIeは、基準エネルギEtcに対する比率で決定してもよい。例えば、ΔIe=Etc・(5%〜10%)としてもよい。Rpは例えば6000Hzであってもよい。Fmaは例えば1200Hzであってもよい。
Et=Etc+ΔIe・sin(N・2・π・Fma/Rp)
次に、レーザ制御部2は、ゲイン発振の処理を行う(ステップS405C)。ここでのゲイン発振の処理は、例えば図4に示すサブルーチンと略同様であってもよい。
次に、レーザ制御部2は、パルスのカウンタ値NをN+1に設定する(ステップS406C)。
次に、レーザ制御部2は、パルスエネルギ検出器30から、パルスエネルギEの値を読み込み、記憶部51に、n番目のパルスのパルスエネルギEの値をEcnとして書き込む(ステップS407C)。
次に、レーザ制御部2は、充電器90に設定した充電電圧Vの値を記憶部51から読み込み、記憶部51に、n番目のパルスにおける充電電圧Vの値をVcnとして書き込む(ステップS408C)。
次に、レーザ制御部2は、パルスのカウンタ値Nが発振パルス数Npを超えたか否かを判断する(ステップS409C)。レーザ制御部2は、パルスのカウンタ値Nが発振パルス数Npを超えていないと判断した場合(ステップS409C;N)には、ステップS404Cの処理に戻る。
一方、パルスのカウンタ値Nが発振パルス数Npを超えたと判断した場合(ステップS409C;Y)には、レーザ制御部2は、記憶されたパルスエネルギEと充電電圧Vとのデータ列に対して、スペクトル解析を実行し、パルスエネルギEの変調周波数Fmaにおける振幅成分Iecと、充電電圧Vの変調周波数Fmaにおける振幅成分Ivcとを求める(ステップS410C)。スペクトル解析は、フーリエ変換、離散フーリエ変換、又は高速フーリエ変換などを用いてもよい。
次に、レーザ制御部2は、パルスのカウンタ値Nを0に設定する(ステップS411C)。
次に、レーザ制御部2は、以下の式のように、制御ゲインGcの値Gccを計算し(ステップS412C)、処理を終了する。係数Gsは、制御が発散しないように例えば,0.3以上、1以下の値が望ましい。
Gcc=Gs・ΔV/ΔE=Gs・Ivc/Iec
(実施形態1におけるエネルギ制御の具体例)
図20は、実施形態1に係るレーザ装置におけるレーザ制御部2によるパルスエネルギEの制御の流れの一例を示すフローチャートである。
まず、レーザ制御部2は、露光装置コントローラ5又は記憶部51から、目標パルスエネルギEtの読み込みを行う(ステップS501)。
次に、レーザ制御部2は、目標パルスエネルギEtが複数の制御ゲインGca,Gcb,Gccのいずれに対応するか判断する(ステップS502)。制御ゲインGca,Gcb,Gccは、上述の図17〜図19に示すフローチャートに従って算出してもよい。
レーザ制御部2は、目標パルスエネルギEtが所定の値以下の場合、例えばEt≦(Eta+Etb)/2であると判断した場合には、制御ゲインGcの値をGcaとする(ステップS503)。
レーザ制御部2は、目標パルスエネルギEtが所定の範囲の場合、例えば(Eta+Etb)/2<Et≦(Etb+Etc)/2であると判断した場合には、制御ゲインGcの値をGcbとする(ステップS504)。
レーザ制御部2は、目標パルスエネルギEtが所定の値を超えた場合、例えば(Etb+Etc)/2<Etであると判断した場合には、制御ゲインGcの値をGccとする(ステップS505)。
次に、レーザ制御部2は、レーザ発振したか否かを判断する(ステップS506)。レーザ制御部2は、レーザ発振していないと判断した場合(ステップS506;N)には、ステップS506の処理を繰り返す。
一方、レーザ発振したと判断した場合(ステップS506;Y)には、レーザ制御部2は、パルスエネルギ検出器30から、パルスエネルギEの値を読み込む(ステップS507)。
次に、レーザ制御部2は、パルスエネルギEと目標パルスエネルギEtとの比較を行う(ステップS508)。レーザ制御部2は、パルスエネルギEと目標パルスエネルギEtとが略同じと判断した場合(E=Et)には、現在の充電電圧Vのデータをそのまま充電電圧Vのデータとして(ステップS510)、記憶部51に書き込む(ステップS512)。
一方、レーザ制御部2は、パルスエネルギEが目標パルスエネルギEtよりも小さいと判断した場合(E<Et)には、以下の式のように、目標パルスエネルギEtとパルスエネルギEとの差(Et−E)に制御ゲインGcを乗じた値を充電電圧Vに加算し、あらたな充電電圧Vとして(ステップS509)、その充電電圧Vのデータを記憶部51に書き込む(ステップS512)。
V=V+(Et−E)・Gc
また、レーザ制御部2は、パルスエネルギEが目標パルスエネルギEtよりも大きいと判断した場合(E>Et)には、以下の式のように、パルスエネルギEと目標パルスエネルギEtとの差分(E−Et)に制御ゲインGcを乗じた値を充電電圧Vから減算し、あらたな充電電圧Vとして(ステップS511)、その充電電圧Vのデータを記憶部51に書き込む(ステップS513)。
V=V−(E−Et)・Gc
次に、レーザ制御部2は、充電電圧Vが所定の最大値Vmax以上になったか否かを判断する(ステップS513)。レーザ制御部2は、充電電圧Vが所定の最大値Vmax以上になっていないと判断した場合(ステップS513;N)には、ステップS501の処理に戻る。一方、充電電圧Vが所定の最大値Vmax以上になったと判断した場合(ステップS513;Y)には、エネルギ制御の処理を終了する。
その他の動作は、上記比較例に係るレーザ装置と略同様であってもよい。
[2.3 作用・効果]
実施形態1のレーザ装置によれば、目標パルスエネルギEtの値に応じた複数の制御ゲインGca,Gcb,Gccを算出するようにしたので、目標パルスエネルギEtを変更した場合におけるパルスエネルギEの制御の精度が改善され得る。
なお、以上の実施形態1の説明では、レーザ制御部2が、3つの制御ゲインGca,Gcb,Gccを算出し、それら3つの制御ゲインGca,Gcb,Gccに基づいて、エネルギ制御を行う例を述べたが、制御ゲインGcを算出する数は3つに限らず、2又は4以上の数であってもよい。レーザ制御部2は、2又は4以上の制御ゲインGcに基づいて、エネルギ制御を行ってもよい。
<3.実施形態2>(目標パルスエネルギの値と変調周波数の値とに応じた複数の制御ゲインを用いるレーザ装置)
次に、本開示の実施形態2に係るレーザ装置について説明する。なお、以下では上記比較例、又は実施形態1に係るレーザ装置の構成要素と略同じ部分については、同一符号を付し、適宜説明を省略する。
[3.1 構成]
実施形態2に係るレーザ装置は、上記比較例2に係るレーザ装置1と略同様に、比較例1に係るレーザ装置101におけるレーザ制御部2に、ファンクションジェネレータ52を追加した構成であってもよい。
実施形態2に係るレーザ装置は、上記比較例2に係るレーザ装置1に対して、レーザ制御部2によるエネルギ制御の処理と、制御ゲインGcの算出処理とが異なっている。
実施形態2に係るレーザ装置では、レーザ制御部2は、目標パルスエネルギEtを、複数の基準エネルギのそれぞれを変動中心として、複数の基準エネルギのそれぞれに応じた変調周波数で周期的に変動させるパルスエネルギ制御部であってもよい。複数の基準エネルギは、例えばEta,Etb,Etcであってもよい。複数の基準エネルギのそれぞれに応じた変調周波数は、例えばFma,Fmb,Fmcであってもよい。
また、レーザ制御部2は、複数の基準エネルギのそれぞれに対応する複数の制御ゲイン、例えばGca,Gcb,Gccを算出するゲイン算出部であってもよい。
ゲイン算出部としてのレーザ制御部2は、目標パルスエネルギEtを複数の基準エネルギのそれぞれを変動中心として、複数の基準エネルギのそれぞれに応じた変調周波数で周期的に変動させた場合におけるパルスエネルギEの振幅成分を算出してもよい。また、レーザ制御部2は、目標パルスエネルギEtを複数の基準エネルギのそれぞれを変動中心として、複数の基準エネルギのそれぞれに応じた変調周波数で周期的に変動させた場合における一対の放電電極23,24間に印加する印加電圧に対応する充電電圧Vの振幅成分を算出してもよい。算出されるパルスエネルギEの振幅成分は、例えばIea,Ieb,Iecであってもよい。算出される充電電圧Vの振幅成分は、例えばIva,Ivb,Ivcであってもよい。そして、レーザ制御部2は、パルスエネルギEの振幅成分と充電電圧Vの振幅成分とに基づいて、複数の制御ゲインを算出してもよい。
その他の構成は、上記比較例、又は実施形態1に係るレーザ装置と略同様であってもよい。
[3.2 動作]
レーザ制御部2は、目標パルスエネルギEtを、複数の基準エネルギEta,Etb,Etcのそれぞれを変動中心として、複数の基準エネルギEta,Etb,Etcのそれぞれに応じた変調周波数Fma,Fmb,Fmcで周期的に変動させることにより、複数の制御ゲインGca,Gcb,Gccを算出してもよい。これにより、例えば以下のように、制御ゲインGcとして、目標パルスエネルギEtの値と変調周波数の値とに応じた複数の制御ゲインGca,Gcb,Gccを算出してもよい。例えば基準エネルギEtaと変調周波数Fmaとに基づいて制御ゲインGcaを算出してもよい。例えば基準エネルギEtbと変調周波数Fmbとに基づいて制御ゲインGcbを算出してもよい。例えば基準エネルギEtcと変調周波数Fmcとに基づいて制御ゲインGccを算出してもよい。各基準エネルギEta,Etb,Etcの大小関係は、Eta<Etb<Etcであってもよい。各変調周波数Fma,Fmb,Fmcの大小関係は、Fma>Fmb>Fmcであってもよい。なお、以下に示す目標パルスエネルギEtの設定値は一例であり、以下に示す値に限定されない。
Et≦9.5:Gca=Gs・Iva/Iea
9.5<Et≦10.5:Gcb=Gs・Ivb/Ieb
10.5<Et:Gcc=Gs・Ivc/Iec
(実施形態2における制御ゲインの算出処理の具体例)
図21は、本開示の実施形態2に係るレーザ装置におけるパルス毎のパルスエネルギEと充電電圧Vとの計測値の一例を示している。図22は、図21におけるパルスエネルギEと充電電圧Vとをスペクトル解析した結果の一例を示している。図21において、横軸はパルスレーザ光Lpのパルス番号、縦軸はパルスエネルギE(mJ)、又は充電電圧V(kV)を示す。実施形態2では、パルス繰り返し周波数Rpは一定なので、図21の横軸は時間に相当する。図22において、横軸は周波数(Hz)、縦軸は振幅値を示す。
図23は、実施形態2に係るレーザ装置におけるレーザ制御部2による制御ゲインGcの算出処理の流れの一例を示すフローチャートを示している。図24は、図23に続くフローチャートである。図25は、図24に続くフローチャートである。
図23〜図25の処理では、スペクトル解析により、例えば図22に示したようなパルスエネルギEの振幅成分Ie(Iea,Ieb,Iec)と、充電電圧Vの振幅成分Iv(Iva,Ivb,Ivc)とを算出してもよい。
図23〜図25の処理は、例えば、露光装置4からの指示、レーザガスの交換後、又はレーザガスのガス圧調整後に行ってもよい。また、一定の期間毎に処理を行ってもよい。
図23に示したように、まず、レーザ制御部2は、露光装置コントローラ5又は記憶部51から、パルス繰り返し周波数Rpの読み込みを行う(ステップS601A)。次に、レーザ制御部2は、露光装置コントローラ5又は記憶部51から、発振パルス数Np=Npaの読み込みを行う(ステップS602A)。発振パルス数Npaは、例えば400パルス以上1500パルス以下が好ましい。発振パルス数Npaは、512パルス、1024パルスなど、2の累乗がより好ましい。
次に、レーザ制御部2は、目標パルスエネルギEtを基準エネルギEtaに設定する(ステップS603A)。レーザ制御部2は、その設定した目標パルスエネルギEtを記憶部51に書き込む。
次に、レーザ制御部2は、ファンクションジェネレータ52によって、以下の式のように、目標パルスエネルギEtを、基準エネルギEtaを変動中心として、周期的に変動させる(ステップS604A)。Fmaは、基準エネルギEtaに対応する目標パルスエネルギEtの変調周波数である。Rp/Fmaは整数が望ましい。Rp/Fmaの範囲は4以上、10以下が望ましい。振幅ΔIeの範囲は0.5mJ以上、2mJ以下が望ましい。振幅ΔIeは、基準エネルギEtaに対する比率で決定してもよい。例えば、ΔIe=Eta・(5%〜10%)としてもよい。Rpは例えば6000Hzであってもよい。Fmaは例えば1200Hzであってもよい。
Et=Eta+ΔIe・sin(N・2・π・Fma/Rp)
次に、レーザ制御部2は、ゲイン発振の処理を行う(ステップS605A)。ここでのゲイン発振の処理は、例えば図4に示すサブルーチンと略同様であってもよい。
次に、レーザ制御部2は、パルスのカウンタ値NをN+1に設定する(ステップS606A)。
次に、レーザ制御部2は、パルスエネルギ検出器30から、パルスエネルギEの値を読み込み、記憶部51に、n番目のパルスのパルスエネルギEの値をEanとして書き込む(ステップS607A)。
次に、レーザ制御部2は、充電器90に設定した充電電圧Vの値を記憶部51から読み込み、記憶部51に、n番目のパルスにおける充電電圧Vの値をVanとして書き込む(ステップS608A)。
次に、レーザ制御部2は、パルスのカウンタ値Nが発振パルス数Np=Npaを超えたか否かを判断する(ステップS609A)。レーザ制御部2は、パルスのカウンタ値Nが発振パルス数Np=Npaを超えていないと判断した場合(ステップS609A;N)には、ステップS604Aの処理に戻る。
一方、パルスのカウンタ値Nが発振パルス数Np=Npaを超えたと判断した場合(ステップS609A;Y)には、レーザ制御部2は、図24の処理に進む。
図24の処理では、まず、レーザ制御部2は、露光装置コントローラ5又は記憶部51から、パルス繰り返し周波数Rpの読み込みを行う(ステップS601B)。次に、レーザ制御部2は、露光装置コントローラ5又は記憶部51から、発振パルス数Np=Npbの読み込みを行う(ステップS602B)。発振パルス数Npbは、例えば400パルス以上1500パルス以下が好ましい。発振パルス数Npbは、512パルス、1024パルスなど、2の累乗がより好ましい。
次に、レーザ制御部2は、目標パルスエネルギEtを基準エネルギEtbに設定する(ステップS603B)。レーザ制御部2は、その設定した目標パルスエネルギEtを記憶部51に書き込む。
次に、レーザ制御部2は、ファンクションジェネレータ52によって、以下の式のように、目標パルスエネルギEtを、基準エネルギEtbを変動中心として、周期的に変動させる(ステップS604B)。Fmbは、基準エネルギEtbに対応する目標パルスエネルギEtの変調周波数である。Rp/Fmbは整数が望ましい。Rp/Fmbの範囲は4以上、10以下が望ましい。振幅ΔIeの範囲は0.5mJ以上、2mJ以下が望ましい。振幅ΔIeは、基準エネルギEtbに対する比率で決定してもよい。例えば、ΔIe=Etb・(5%〜10%)としてもよい。Rpは例えば6000Hzであってもよい。Fmbは例えば1000Hzであってもよい。
Et=Etb+ΔIe・sin(N・2・π・Fmb/Rp)
次に、レーザ制御部2は、ゲイン発振の処理を行う(ステップS605B)。ここでのゲイン発振の処理は、例えば図4に示すサブルーチンと略同様であってもよい。
次に、レーザ制御部2は、パルスのカウンタ値NをN+1に設定する(ステップS606B)。
次に、レーザ制御部2は、パルスエネルギ検出器30から、パルスエネルギEの値を読み込み、記憶部51に、n番目のパルスのパルスエネルギEの値をEbnとして書き込む(ステップS607B)。
次に、レーザ制御部2は、充電器90に設定した充電電圧Vの値を記憶部51から読み込み、記憶部51に、n番目のパルスにおける充電電圧Vの値をVbnとして書き込む(ステップS608B)。
次に、レーザ制御部2は、パルスのカウンタ値Nが発振パルス数Np=Npbを超えたか否かを判断する(ステップS609B)。レーザ制御部2は、パルスのカウンタ値Nが発振パルス数Np=Npbを超えていないと判断した場合(ステップS609B;N)には、ステップS604Bの処理に戻る。
一方、パルスのカウンタ値Nが発振パルス数Np=Npbを超えたと判断した場合(ステップS609B;Y)には、レーザ制御部2は、図25の処理に進む。
図25の処理では、まず、レーザ制御部2は、露光装置コントローラ5又は記憶部51から、パルス繰り返し周波数Rpの読み込みを行う(ステップS601C)。次に、レーザ制御部2は、露光装置コントローラ5又は記憶部51から、発振パルス数Np=Npcの読み込みを行う(ステップS602C)。発振パルス数Npcは、例えば400パルス以上1500パルス以下が好ましい。発振パルス数Npcは、512パルス、1024パルスなど、2の累乗がより好ましい。
次に、レーザ制御部2は、目標パルスエネルギEtを基準エネルギEtcに設定する(ステップS603C)。レーザ制御部2は、その設定した目標パルスエネルギEtを記憶部51に書き込む。
次に、レーザ制御部2は、ファンクションジェネレータ52によって、以下の式のように、目標パルスエネルギEtを、基準エネルギEtcを変動中心として、周期的に変動させる(ステップS604C)。Fmcは、基準エネルギEtcに対応する目標パルスエネルギEtの変調周波数である。Rp/Fmcは整数が望ましい。Rp/Fmcの範囲は4以上、10以下が望ましい。振幅ΔIeの範囲は0.5mJ以上、2mJ以下が望ましい。振幅ΔIeは、基準エネルギEtcに対する比率で決定してもよい。例えば、ΔIe=Etc・(5%〜10%)としてもよい。Rpは例えば6000Hzであってもよい。Fmcは例えば600Hzであってもよい。
Et=Etc+ΔIe・sin(N・2・π・Fmc/Rp)
次に、レーザ制御部2は、ゲイン発振の処理を行う(ステップS605C)。ここでのゲイン発振の処理は、例えば図4に示すサブルーチンと略同様であってもよい。
次に、レーザ制御部2は、パルスのカウンタ値NをN+1に設定する(ステップS606C)。
次に、レーザ制御部2は、パルスエネルギ検出器30から、パルスエネルギEの値を読み込み、記憶部51に、n番目のパルスのパルスエネルギEの値をEcnとして書き込む(ステップS607C)。
次に、レーザ制御部2は、充電器90に設定した充電電圧Vの値を記憶部51から読み込み、記憶部51に、n番目のパルスにおける充電電圧Vの値をVcnとして書き込む(ステップS608C)。
次に、レーザ制御部2は、パルスのカウンタ値Nが発振パルス数Np=Npcを超えたか否かを判断する(ステップS609C)。レーザ制御部2は、パルスのカウンタ値Nが発振パルス数Np=Npcを超えていないと判断した場合(ステップS609C;N)には、ステップS604Cの処理に戻る。
一方、パルスのカウンタ値Nが発振パルス数Np=Npcを超えたと判断した場合(ステップS609C;Y)には、レーザ制御部2は、記憶されたパルスエネルギEと充電電圧Vとのデータ列に対して、スペクトル解析を実行し、複数の変調周波数Fma,Fmb,FmcにおけるそれぞれのパルスエネルギEの振幅成分Iea,Ieb,Iecと、複数の変調周波数Fma,Fmb,Fmcにおけるそれぞれの充電電圧Vの振幅成分Iva,Ivb,Ivcとをまとめて求める(ステップS610C)。スペクトル解析は、フーリエ変換、離散フーリエ変換、又は高速フーリエ変換などを用いてもよい。
次に、レーザ制御部2は、パルスのカウンタ値Nを0に設定する(ステップS611C)。
次に、レーザ制御部2は、以下の式のように、複数の制御ゲインGcの値Gca,Gcb,Gccをまとめて計算し(ステップS612C)、処理を終了する。係数Gsは、制御が発散しないように例えば,0.3以上、1以下の値が望ましい。
Gca=Gs・ΔV/ΔE=Gs・Iva/Iea
Gcb=Gs・ΔV/ΔE=Gs・Ivb/Ieb
Gcc=Gs・ΔV/ΔE=Gs・Ivc/Iec
(実施形態2におけるエネルギ制御の具体例)
実施形態2におけるエネルギ制御は、図20に示した制御と略同様であってもよい。図20の制御を行うに際し、制御ゲインGca,Gcb,Gccを、上述の図23〜図25に示すフローチャートに従って算出してもよい。
その他の動作は、上記比較例、又は実施形態1に係るレーザ装置と略同様であってもよい。
[3.3 作用・効果]
実施形態2のレーザ装置によれば、目標パルスエネルギEtの値に応じた複数の制御ゲインGca,Gcb,Gccを算出するようにしたので、目標パルスエネルギEtを変更した場合におけるパルスエネルギEの制御の精度が改善され得る。この際、目標パルスエネルギEtの値を変えた際のパルスエネルギEの振幅成分Ieと充電電圧Vの振幅成分Ivとを、最後にまとめてスペクトル解析を行うことで求めることができるので、複数の制御ゲインGca,Gcb,Gccを算出するのに要する処理時間を短縮し得る。
なお、以上の実施形態2の説明では、レーザ制御部2が、3つの制御ゲインGca,Gcb,Gccを算出し、それら3つの制御ゲインGca,Gcb,Gccに基づいて、エネルギ制御を行う例を述べたが、制御ゲインGcを算出する数は3つに限らず、2又は4以上の数であってもよい。レーザ制御部2は、2又は4以上の制御ゲインGcに基づいて、エネルギ制御を行ってもよい。
その他の作用・効果は、上記比較例、又は実施形態1に係るレーザ装置と略同様であってもよい。
<4.実施形態3>(パルス繰り返し周波数の値に応じた複数の制御ゲインを用いるレーザ装置)
次に、本開示の実施形態3に係るレーザ装置について説明する。なお、以下では上記比較例、実施形態1、又は実施形態2に係るレーザ装置の構成要素と略同じ部分については、同一符号を付し、適宜説明を省略する。
[4.1 構成]
実施形態3に係るレーザ装置は、上記比較例2に係るレーザ装置1と略同様に、比較例1に係るレーザ装置101におけるレーザ制御部2に、ファンクションジェネレータ52を追加した構成であってもよい。
実施形態3に係るレーザ装置は、上記比較例2に係るレーザ装置1に対して、レーザ制御部2によるエネルギ制御の処理と、制御ゲインGcの算出処理とが異なっている。
実施形態3に係るレーザ装置では、レーザ制御部2は、目標パルスエネルギEtを、所定の基準エネルギを変動中心として、複数のパルス繰り返し周波数のそれぞれに応じた変調周波数で周期的に変動させるパルスエネルギ制御部であってもよい。所定の基準エネルギは、例えばEtaであってもよい。複数のパルス繰り返し周波数は、例えばRpa,Rpb,Rpcであってもよい。複数のパルス繰り返し周波数のそれぞれに応じた変調周波数は、例えばFma,Fmb,Fmcであってもよい。
また、レーザ制御部2は、複数のパルス繰り返し周波数のそれぞれに対応する複数の制御ゲイン、例えばGca,Gcb,Gccを算出するゲイン算出部であってもよい。
ゲイン算出部としてのレーザ制御部2は、目標パルスエネルギEtを所定の基準エネルギを変動中心として、複数のパルス繰り返し周波数のそれぞれに応じた変調周波数で周期的に変動させた場合におけるパルスエネルギEの振幅成分を算出してもよい。また、レーザ制御部2は、目標パルスエネルギEtを所定の基準エネルギを変動中心として、複数のパルス繰り返し周波数のそれぞれに応じた変調周波数で周期的に変動させた場合における一対の放電電極23,24間に印加する印加電圧に対応する充電電圧Vの振幅成分を算出してもよい。算出されるパルスエネルギEの振幅成分は、例えばIea,Ieb,Iecであってもよい。算出される充電電圧Vの振幅成分は、例えばIva,Ivb,Ivcであってもよい。そして、レーザ制御部2は、パルスエネルギEの振幅成分と充電電圧Vの振幅成分とに基づいて、複数の制御ゲインを算出してもよい。
レーザチャンバ20は、一対の放電電極23,24間に印加された印加電圧に応じたパルスエネルギEを有するパルスレーザ光Lpを、複数のパルス繰り返し周波数における各周波数で出射してもよい。
その他の構成は、上記比較例、実施形態1、又は実施形態2に係るレーザ装置と略同様であってもよい。
[4.2 動作]
レーザ制御部2は、目標パルスエネルギEtを、所定の基準エネルギEtaを変動中心として、複数のパルス繰り返し周波数Rpa,Rpb,Rpcのそれぞれに応じた変調周波数Fma,Fmb,Fmcで周期的に変動させることにより、複数の制御ゲインGca,Gcb,Gccを算出してもよい。これにより、例えば以下のように、制御ゲインGcとして、複数のパルス繰り返し周波数Rpa,Rpb,Rpcに応じた複数の制御ゲインGca,Gcb,Gccを算出してもよい。例えばパルス繰り返し周波数Rpaに応じた変調周波数をFmaとし、パルス繰り返し周波数Rpbに応じた変調周波数をFmbとし、パルス繰り返し周波数Rpcに応じた変調周波数をFmcとしてもよい。各変調周波数Fma,Fmb,Fmcの大小関係は、Fma>Fmb>Fmcであってもよい。各パルス繰り返し周波数Rpa,Rpb,Rpcの大小関係は、Rpa>Rpb>Rpcであってもよい。パルス繰り返し周波数Rpaは、例えば6000Hzであってもよい。パルス繰り返し周波数Rpbは、例えば5000Hzであってもよい。パルス繰り返し周波数Rpcは、例えば3000Hzであってもよい。なお、ここで挙げた複数のパルス繰り返し周波数Rpa,Rpb,Rpcの値は一例であり、これらの値に限定されない。
Rpa:Gca=Gs・Iva/Iea
Rpb:Gcb=Gs・Ivb/Ieb
Rpc:Gcc=Gs・Ivc/Iec
(実施形態3における制御ゲインの算出処理の具体例)
図26は、本開示の実施形態3に係るレーザ装置におけるパルス毎のパルスエネルギEと充電電圧Vとの計測値の一例を示している。図27は、実施形態3に係るレーザ装置における単位時間毎のパルスエネルギEと充電電圧Vとの計測値の一例を示す。図28は、図26におけるパルスエネルギEと充電電圧Vとをスペクトル解析した結果の一例を示している。図26において、横軸はパルスレーザ光Lpのパルス番号、縦軸はパルスエネルギE(mJ)、又は充電電圧V(kV)を示す。図27は、図26の横軸を時間に換算した計測値を示している。図28において、横軸は周波数(Hz)、縦軸は振幅値を示す。
図29は、実施形態3に係るレーザ装置におけるレーザ制御部2による制御ゲインGcの算出処理の流れの一例を示すフローチャートを示している。図30は、図29に続くフローチャートである。図31は、図30に続くフローチャートである。
図29〜図31の処理では、スペクトル解析により、例えば図28に示したようなパルスエネルギEの振幅成分Ie(Iea,Ieb,Iec)と、充電電圧Vの振幅成分Iv(Iva,Ivb,Ivc)とを算出してもよい。
図29〜図31の処理は、例えば、露光装置4からの指示、レーザガスの交換後、又はレーザガスのガス圧調整後に行ってもよい。また、一定の期間毎に処理を行ってもよい。
図29に示したように、まず、レーザ制御部2は、露光装置コントローラ5又は記憶部51から、パルス繰り返し周波数Rp=Rpaの読み込みを行う(ステップS701A)。次に、レーザ制御部2は、露光装置コントローラ5又は記憶部51から、発振パルス数Npの読み込みを行う(ステップS702A)。発振パルス数Npは、例えば400パルス以上1500パルス以下が好ましい。発振パルス数Npは、512パルス、1024パルスなど、2の累乗がより好ましい。
次に、レーザ制御部2は、目標パルスエネルギEtを基準エネルギEtaに設定する(ステップS703A)。レーザ制御部2は、その設定した目標パルスエネルギEtを記憶部51に書き込む。
次に、レーザ制御部2は、ファンクションジェネレータ52によって、以下の式のように、目標パルスエネルギEtを、基準エネルギEtaを変動中心として、周期的に変動させる(ステップS704A)。Fmaは、パルス繰り返し周波数Rpaに対応する目標パルスエネルギEtの変調周波数である。Rpa/Fmaは整数が望ましい。Rpa/Fmaの範囲は4以上、10以下が望ましい。振幅ΔIeの範囲は0.5mJ以上、2mJ以下が望ましい。振幅ΔIeは、基準エネルギEtaに対する比率で決定してもよい。例えば、ΔIe=Eta・(5%〜10%)としてもよい。Rpaは例えば6000Hzであってもよい。Fmaは例えば1200Hzであってもよい。
Et=Eta+ΔIe・sin(N・2・π・Fma/Rpa)
次に、レーザ制御部2は、ゲイン発振の処理を行う(ステップS705A)。ここでのゲイン発振の処理は、例えば図4に示すサブルーチンと略同様であってもよい。
次に、レーザ制御部2は、パルスのカウンタ値NをN+1に設定する(ステップS706A)。
次に、レーザ制御部2は、パルスエネルギ検出器30から、パルスエネルギEの値を読み込み、記憶部51に、n番目のパルスのパルスエネルギEの値をEanとして書き込む(ステップS707A)。
次に、レーザ制御部2は、充電器90に設定した充電電圧Vの値を記憶部51から読み込み、記憶部51に、n番目のパルスにおける充電電圧Vの値をVanとして書き込む(ステップS708A)。
次に、レーザ制御部2は、パルスのカウンタ値Nが発振パルス数Npを超えたか否かを判断する(ステップS709A)。レーザ制御部2は、パルスのカウンタ値Nが発振パルス数Npを超えていないと判断した場合(ステップS709A;N)には、ステップS704Aの処理に戻る。
一方、パルスのカウンタ値Nが発振パルス数Npを超えたと判断した場合(ステップS709A;Y)には、レーザ制御部2は、記憶されたパルスエネルギEと充電電圧Vとのデータ列に対して、スペクトル解析を実行し、パルスエネルギEの変調周波数Fmaにおける振幅成分Ieaと、充電電圧Vの変調周波数Fmaにおける振幅成分Ivaとを求める(ステップS710A)。スペクトル解析は、フーリエ変換、離散フーリエ変換、又は高速フーリエ変換などを用いてもよい。
次に、レーザ制御部2は、パルスのカウンタ値Nを0に設定する(ステップS711A)。
次に、レーザ制御部2は、以下の式のように、制御ゲインGcの値Gcaを計算し(ステップS712A)、図30の処理に進む。係数Gsは、制御が発散しないように例えば,0.3以上、1以下の値が望ましい。
Gca=Gs・ΔV/ΔE=Gs・Iva/Iea
図30の処理では、まず、レーザ制御部2は、露光装置コントローラ5又は記憶部51から、パルス繰り返し周波数Rp=Rpbの読み込みを行う(ステップS701B)。次に、レーザ制御部2は、露光装置コントローラ5又は記憶部51から、発振パルス数Npの読み込みを行う(ステップS702B)。発振パルス数Npは、例えば400パルス以上1500パルス以下が好ましい。発振パルス数Npは、512パルス、1024パルスなど、2の累乗がより好ましい。
次に、レーザ制御部2は、目標パルスエネルギEtを基準エネルギEtaに設定する(ステップS703B)。レーザ制御部2は、その設定した目標パルスエネルギEtを記憶部51に書き込む。
次に、レーザ制御部2は、ファンクションジェネレータ52によって、以下の式のように、目標パルスエネルギEtを、基準エネルギEtaを変動中心として、周期的に変動させる(ステップS704B)。Fmbは、パルス繰り返し周波数Rpbに対応する目標パルスエネルギEtの変調周波数である。Rpb/Fmbは整数が望ましい。Rpb/Fmbの範囲は4以上、10以下が望ましい。振幅ΔIeの範囲は0.5mJ以上、2mJ以下が望ましい。振幅ΔIeは、基準エネルギEtaに対する比率で決定してもよい。例えば、ΔIe=Eta・(5%〜10%)としてもよい。Rpbは例えば5000Hzであってもよい。Fmbは例えば1000Hzであってもよい。
Et=Eta+ΔIe・sin(N・2・π・Fmb/Rpb)
次に、レーザ制御部2は、ゲイン発振の処理を行う(ステップS705B)。ここでのゲイン発振の処理は、例えば図4に示すサブルーチンと略同様であってもよい。
次に、レーザ制御部2は、パルスのカウンタ値NをN+1に設定する(ステップS706B)。
次に、レーザ制御部2は、パルスエネルギ検出器30から、パルスエネルギEの値を読み込み、記憶部51に、n番目のパルスのパルスエネルギEの値をEbnとして書き込む(ステップS707B)。
次に、レーザ制御部2は、充電器90に設定した充電電圧Vの値を記憶部51から読み込み、記憶部51に、n番目のパルスにおける充電電圧Vの値をVbnとして書き込む(ステップS708B)。
次に、レーザ制御部2は、パルスのカウンタ値Nが発振パルス数Npを超えたか否かを判断する(ステップS709B)。レーザ制御部2は、パルスのカウンタ値Nが発振パルス数Npを超えていないと判断した場合(ステップS709B;N)には、ステップS704Bの処理に戻る。
一方、パルスのカウンタ値Nが発振パルス数Npを超えたと判断した場合(ステップS709B;Y)には、レーザ制御部2は、記憶されたパルスエネルギEと充電電圧Vとのデータ列に対して、スペクトル解析を実行し、パルスエネルギEの変調周波数Fmbにおける振幅成分Iebと、充電電圧Vの変調周波数Fmbにおける振幅成分Ivbとを求める(ステップS710B)。スペクトル解析は、フーリエ変換、離散フーリエ変換、又は高速フーリエ変換などを用いてもよい。
次に、レーザ制御部2は、パルスのカウンタ値Nを0に設定する(ステップS711B)。
次に、レーザ制御部2は、以下の式のように、制御ゲインGcの値Gcbを計算し(ステップS712B)、図31の処理に進む。係数Gsは、制御が発散しないように例えば,0.3以上、1以下の値が望ましい。
Gcb=Gs・ΔV/ΔE=Gs・Ivb/Ieb
図31の処理では、まず、レーザ制御部2は、露光装置コントローラ5又は記憶部51から、パルス繰り返し周波数Rp=Rpcの読み込みを行う(ステップS701C)。次に、レーザ制御部2は、露光装置コントローラ5又は記憶部51から、発振パルス数Npの読み込みを行う(ステップS702C)。発振パルス数Npは、例えば400パルス以上1500パルス以下が好ましい。発振パルス数Npは、512パルス、1024パルスなど、2の累乗がより好ましい。
次に、レーザ制御部2は、目標パルスエネルギEtを基準エネルギEtaに設定する(ステップS703C)。レーザ制御部2は、その設定した目標パルスエネルギEtを記憶部51に書き込む。
次に、レーザ制御部2は、ファンクションジェネレータ52によって、以下の式のように、目標パルスエネルギEtを、基準エネルギEtaを変動中心として、周期的に変動させる(ステップS704C)。Fmcは、パルス繰り返し周波数Rpcに対応する目標パルスエネルギEtの変調周波数である。Rpc/Fmcは整数が望ましい。Rpc/Fmcの範囲は4以上、10以下が望ましい。振幅ΔIeの範囲は0.5mJ以上、2mJ以下が望ましい。振幅ΔIeは、基準エネルギEtaに対する比率で決定してもよい。例えば、ΔIe=Eta・(5%〜10%)としてもよい。Rpcは例えば3000Hzであってもよい。Fmcは例えば600Hzであってもよい。
Et=Eta+ΔIe・sin(N・2・π・Fmc/Rpc)
次に、レーザ制御部2は、ゲイン発振の処理を行う(ステップS705C)。ここでのゲイン発振の処理は、例えば図4に示すサブルーチンと略同様であってもよい。
次に、レーザ制御部2は、パルスのカウンタ値NをN+1に設定する(ステップS706C)。
次に、レーザ制御部2は、パルスエネルギ検出器30から、パルスエネルギEの値を読み込み、記憶部51に、n番目のパルスのパルスエネルギEの値をEcnとして書き込む(ステップS707C)。
次に、レーザ制御部2は、充電器90に設定した充電電圧Vの値を記憶部51から読み込み、記憶部51に、n番目のパルスにおける充電電圧Vの値をVcnとして書き込む(ステップS708C)。
次に、レーザ制御部2は、パルスのカウンタ値Nが発振パルス数Npを超えたか否かを判断する(ステップS709C)。レーザ制御部2は、パルスのカウンタ値Nが発振パルス数Npを超えていないと判断した場合(ステップS709C;N)には、ステップS704Cの処理に戻る。
一方、パルスのカウンタ値Nが発振パルス数Npを超えたと判断した場合(ステップS709C;Y)には、レーザ制御部2は、記憶されたパルスエネルギEと充電電圧Vとのデータ列に対して、スペクトル解析を実行し、パルスエネルギEの変調周波数Fmcにおける振幅成分Iecと、充電電圧Vの変調周波数Fmcにおける振幅成分Ivcとを求める(ステップS710C)。スペクトル解析は、フーリエ変換、離散フーリエ変換、又は高速フーリエ変換などを用いてもよい。
次に、レーザ制御部2は、パルスのカウンタ値Nを0に設定する(ステップS711C)。
次に、レーザ制御部2は、以下の式のように、制御ゲインGcの値Gccを計算し(ステップS712C)、処理を終了する。係数Gsは、制御が発散しないように例えば,0.3以上、1以下の値が望ましい。
Gcc=Gs・ΔV/ΔE=Gs・Ivc/Iec
(実施形態3におけるエネルギ制御の具体例)
図32は、実施形態3に係るレーザ装置におけるレーザ制御部2によるパルスエネルギの制御の流れの一例を示すフローチャートを示している。
まず、レーザ制御部2は、露光装置コントローラ5又は記憶部51から、パルス繰り返し周波数Rpの読み込みを行う(ステップS800)。
次に、レーザ制御部2は、露光装置コントローラ5又は記憶部51から、目標パルスエネルギEtの読み込みを行う(ステップS801)。
次に、レーザ制御部2は、パルス繰り返し周波数Rpが複数の制御ゲインGca,Gcb,Gccのいずれに対応するか判断する(ステップS802)。制御ゲインGca,Gcb,Gccは、上述の図29〜図31に示すフローチャートに従って算出してもよい。
レーザ制御部2は、パルス繰り返し周波数Rpが所定の値を超えた場合、例えば(Rpb+Rpa)/2<Rpであると判断した場合には、制御ゲインGcの値をGcaとする(ステップS803)。
レーザ制御部2は、パルス繰り返し周波数Rpが所定の範囲の場合、例えば(Rpc+Rpb)/2<Rp≦(Rpb+Rpa)/2であると判断した場合には、制御ゲインGcの値をGcbとする(ステップS804)。
レーザ制御部2は、パルス繰り返し周波数Rpが所定の値以下の場合、例えばRp≦(Rpc+Rpb)/2であると判断した場合には、制御ゲインGcの値をGccとする(ステップS805)。
次に、レーザ制御部2は、レーザ発振したか否かを判断する(ステップS806)。レーザ制御部2は、レーザ発振していないと判断した場合(ステップS806;N)には、ステップS806の処理を繰り返す。
一方、レーザ発振したと判断した場合(ステップS806;Y)には、レーザ制御部2は、パルスエネルギ検出器30から、パルスエネルギEの値を読み込む(ステップS807)。
次に、レーザ制御部2は、パルスエネルギEと目標パルスエネルギEtとの比較を行う(ステップS808)。レーザ制御部2は、パルスエネルギEと目標パルスエネルギEtとが略同じと判断した場合(E=Et)には、現在の充電電圧Vのデータをそのまま充電電圧Vのデータとして(ステップS810)、記憶部51に書き込む(ステップS812)。
一方、レーザ制御部2は、パルスエネルギEが目標パルスエネルギEtよりも小さいと判断した場合(E<Et)には、以下の式のように、目標パルスエネルギEtとパルスエネルギEとの差(Et−E)に制御ゲインGcを乗じた値を充電電圧Vに加算し、あらたな充電電圧Vとして(ステップS809)、その充電電圧Vのデータを記憶部51に書き込む(ステップS812)。
V=V+(Et−E)・Gc
また、レーザ制御部2は、パルスエネルギEが目標パルスエネルギEtよりも大きいと判断した場合(E>Et)には、以下の式のように、パルスエネルギEと目標パルスエネルギEtとの差分(E−Et)に制御ゲインGcを乗じた値を充電電圧Vから減算し、あらたな充電電圧Vとして(ステップS811)、その充電電圧Vのデータを記憶部51に書き込む(ステップS813)。
V=V−(E−Et)・Gc
次に、レーザ制御部2は、充電電圧Vが所定の最大値Vmax以上になったか否かを判断する(ステップS813)。レーザ制御部2は、充電電圧Vが所定の最大値Vmax以上になっていないと判断した場合(ステップS813;N)には、ステップS800の処理に戻る。一方、充電電圧Vが所定の最大値Vmax以上になったと判断した場合(ステップS813;Y)には、エネルギ制御の処理を終了する。
その他の動作は、上記比較例、実施形態1、又は実施形態2に係るレーザ装置と略同様であってもよい。
[4.3 作用・効果]
実施形態3のレーザ装置によれば、複数のパルス繰り返し周波数Rpa,Rpb,Rpcに応じた複数の制御ゲインGca,Gcb,Gccを算出するようにしたので、パルス繰り返し周波数Rpを変更した場合におけるパルスエネルギEの制御の精度が改善され得る。
なお、以上の実施形態3の説明では、レーザ制御部2が、3つのパルス繰り返し周波数Rpa,Rpb,Rpcに基づいて、3つの制御ゲインGca,Gcb,Gccを算出する例を述べたが、パルス繰り返し周波数Rpの数は、2又は4以上の数であってもよい。算出する制御ゲインGcの数は、それら複数のパルス繰り返し周波数Rpの数に応じて2又は4以上の数であってもよい。レーザ制御部2は、2又は4以上の制御ゲインGcに基づいて、エネルギ制御を行ってもよい。
その他の作用・効果は、上記比較例、実施形態1、又は実施形態2に係るレーザ装置と略同様であってもよい。
<5.実施形態4>(目標パルスエネルギの値とパルス繰り返し周波数の値とに応じた複数の制御ゲインを用いるレーザ装置)
次に、本開示の実施形態4に係るレーザ装置について説明する。なお、以下では上記比較例、実施形態1、実施形態2、又は実施形態3に係るレーザ装置の構成要素と略同じ部分については、同一符号を付し、適宜説明を省略する。
[5.1 構成]
実施形態4に係るレーザ装置は、上記比較例2に係るレーザ装置1と略同様に、比較例1に係るレーザ装置101におけるレーザ制御部2に、ファンクションジェネレータ52を追加した構成であってもよい。
実施形態4に係るレーザ装置は、上記比較例2に係るレーザ装置1に対して、レーザ制御部2によるエネルギ制御の処理と、制御ゲインGcの算出処理とが異なっている。
実施形態4に係るレーザ装置では、レーザ制御部2は、目標パルスエネルギEtを、複数の基準エネルギのそれぞれを変動中心として、複数のパルス繰り返し周波数のそれぞれに応じた変調周波数で周期的に変動させるパルスエネルギ制御部であってもよい。複数の基準エネルギは、例えばEta,Etb,Etcであってもよい。複数のパルス繰り返し周波数は、例えばRpa,Rpb,Rpcであってもよい。複数のパルス繰り返し周波数のそれぞれに応じた変調周波数は、例えばFma,Fmb,Fmcであってもよい。
また、レーザ制御部2は、複数の基準エネルギのそれぞれと複数のパルス繰り返し周波数のそれぞれとに対応する複数の制御ゲイン、例えばGcaa,Gcba,Gcca,Gcab,Gcbb,Gccb,Gcac,Gcbc,Gcccを算出するゲイン算出部であってもよい。
ゲイン算出部としてのレーザ制御部2は、目標パルスエネルギEtを複数の基準エネルギのそれぞれを変動中心として、複数のパルス繰り返し周波数のそれぞれに応じた変調周波数で周期的に変動させた場合におけるパルスエネルギEの振幅成分を算出してもよい。また、レーザ制御部2は、目標パルスエネルギEtを複数の基準エネルギのそれぞれを変動中心として、複数のパルス繰り返し周波数のそれぞれに応じた変調周波数で周期的に変動させた場合における一対の放電電極23,24間に印加する印加電圧に対応する充電電圧Vの振幅成分を算出してもよい。算出されるパルスエネルギEの振幅成分は、例えばIeaa,Ieab,Ieac,Ieba,Iebb,Iebc,Ieca,Iecb,Ieccであってもよい。算出される充電電圧Vの振幅成分は、例えばIvaa,Ivab,Ivac,Ivba,Ivbb,Ivbc,Ivca,Ivcb,Ivccであってもよい。そして、レーザ制御部2は、パルスエネルギEの振幅成分と充電電圧Vの振幅成分とに基づいて、複数の制御ゲインを算出してもよい。
レーザチャンバ20は、一対の放電電極23,24間に印加された印加電圧に応じたパルスエネルギEを有するパルスレーザ光Lpを、複数のパルス繰り返し周波数における各周波数で出射してもよい。
その他の構成は、上記比較例、実施形態1、実施形態2、又は実施形態3に係るレーザ装置と略同様であってもよい。
[5.2 動作]
レーザ制御部2は、目標パルスエネルギEtを、複数の基準エネルギEta,Etb,Etcのそれぞれを変動中心として、複数のパルス繰り返し周波数Rpa,Rpb,Rpcのそれぞれに応じた変調周波数Fma,Fmb,Fmcで周期的に変動させることにより、複数の制御ゲインGcaa,Gcba,Gcca,Gcab,Gcbb,Gccb,Gcac,Gcbc,Gcccを算出してもよい。これにより、例えば以下のように、制御ゲインGcとして、目標パルスエネルギEtの値とパルス繰り返し周波数の値とに応じた複数の制御ゲインGcaa,Gcba,Gcca,Gcab,Gcbb,Gccb,Gcac,Gcbc,Gcccを算出してもよい。例えば基準エネルギEtaに基づいて制御ゲインGcaa,Gcba,Gccaを算出してもよい。例えば基準エネルギEtbに基づいて制御ゲインGcab,Gcbb,Gccbを算出してもよい。例えば基準エネルギEtcに基づいて制御ゲインGcac,Gcbc,Gcccを算出してもよい。各基準エネルギEta,Etb,Etcの大小関係は、Eta<Etb<Etcであってもよい。また、例えばパルス繰り返し周波数Rpaに応じた変調周波数をFmaとし、パルス繰り返し周波数Rpbに応じた変調周波数をFmbとし、パルス繰り返し周波数Rpcに応じた変調周波数をFmcとしてもよい。各変調周波数Fma,Fmb,Fmcの大小関係は、Fma>Fmb>Fmcであってもよい。各パルス繰り返し周波数Rpa,Rpb,Rpcの大小関係は、Rpa>Rpb>Rpcであってもよい。パルス繰り返し周波数Rpaは、例えば6000Hzであってもよい。パルス繰り返し周波数Rpbは、例えば5000Hzであってもよい。パルス繰り返し周波数Rpcは、例えば3000Hzであってもよい。なお、ここで挙げた複数のパルス繰り返し周波数Rpa,Rpb,Rpcの値は一例であり、これらの値に限定されない。また、以下に示す目標パルスエネルギEtの設定値は一例であり、以下に示す値に限定されない。
Rpa,Et≦9.5:Gcaa=Gs・Ivaa/Ieaa
Rpb,Et≦9.5:Gcba=Gs・Ivba/Ieba
Rpc,Et≦9.5:Gcca=Gs・Ivca/Ieca
Rpa,9.5<Et≦10.5:Gcab=Gs・Ivab/Ieab
Rpb,9.5<Et≦10.5:Gcbb=Gs・Ivbb/Iebb
Rpc,9.5<Et≦10.5:Gccb=Gs・Ivcb/Iecb
Rpa,10.5<Et:Gcac=Gs・Ivac/Ieac
Rpb,10.5<Et:Gcbc=Gs・Ivbc/Iebc
Rpc,10.5<Et:Gccc=Gs・Ivcc/Iecc
(実施形態4における制御ゲインの算出処理の具体例)
図33は、本開示の実施形態4に係るレーザ装置におけるパルス毎のパルスエネルギEと充電電圧Vとの計測値の一例を示している。図34は、実施形態4に係るレーザ装置における単位時間毎のパルスエネルギEと充電電圧Vとの計測値の一例を示す。図35は、図33におけるパルスエネルギEと充電電圧Vとをスペクトル解析した結果の一例を示している。図33において、横軸はパルスレーザ光Lpのパルス番号、縦軸はパルスエネルギE(mJ)、又は充電電圧V(kV)を示す。図34は、図33の横軸を時間に換算した計測値を示している。図35において、横軸は周波数(Hz)、縦軸は振幅値を示す。
図36は、実施形態4に係るレーザ装置におけるレーザ制御部による制御ゲインの算出処理の流れの一例を示すフローチャートを示している。図37は、図36に続くフローチャートである。図38は、図37に続くフローチャートである。図39は、図38に続くフローチャートである。図40は、図39に続くフローチャートである。図41は、図40に続くフローチャートである。図42は、図41に続くフローチャートである。図43は、図42に続くフローチャートである。図44は、図43に続くフローチャートである。
図36〜図44の処理では、スペクトル解析により、例えば図35に示したようなパルスエネルギEの振幅成分Ie(Ieaa,Ieab,Ieac,Ieba,Iebb,Iebc,Ieca,Iecb,Iecc)と、充電電圧Vの振幅成分Iv(Ivaa,Ivab,Ivac,Ivba,Ivbb,Ivbc,Ivca,Ivcb,Ivcc)とを算出してもよい。
図36〜図44の処理は、例えば、露光装置4からの指示、レーザガスの交換後、又はレーザガスのガス圧調整後に行ってもよい。また、一定の期間毎に処理を行ってもよい。
図36に示したように、まず、レーザ制御部2は、露光装置コントローラ5又は記憶部51から、パルス繰り返し周波数Rp=Rpaの読み込みを行う(ステップS901A)。次に、レーザ制御部2は、露光装置コントローラ5又は記憶部51から、発振パルス数Npの読み込みを行う(ステップS902A)。発振パルス数Npは、例えば400パルス以上1500パルス以下が好ましい。発振パルス数Npは、512パルス、1024パルスなど、2の累乗がより好ましい。
次に、レーザ制御部2は、目標パルスエネルギEtを基準エネルギEtaに設定する(ステップS903A)。レーザ制御部2は、その設定した目標パルスエネルギEtを記憶部51に書き込む。
次に、レーザ制御部2は、ファンクションジェネレータ52によって、以下の式のように、目標パルスエネルギEtを、基準エネルギEtaを変動中心として、周期的に変動させる(ステップS904A)。Fmaは、パルス繰り返し周波数Rpaに対応する目標パルスエネルギEtの変調周波数である。Rpa/Fmaは整数が望ましい。Rpa/Fmaの範囲は4以上、10以下が望ましい。振幅ΔIeの範囲は0.5mJ以上、2mJ以下が望ましい。振幅ΔIeは、基準エネルギEtaに対する比率で決定してもよい。例えば、ΔIe=Eta・(5%〜10%)としてもよい。Rpaは例えば6000Hzであってもよい。Fmaは例えば1200Hzであってもよい。
Et=Eta+ΔIe・sin(N・2・π・Fma/Rpa)
次に、レーザ制御部2は、ゲイン発振の処理を行う(ステップS905A)。ここでのゲイン発振の処理は、例えば図4に示すサブルーチンと略同様であってもよい。
次に、レーザ制御部2は、パルスのカウンタ値NをN+1に設定する(ステップS906A)。
次に、レーザ制御部2は、パルスエネルギ検出器30から、パルスエネルギEの値を読み込み、記憶部51に、n番目のパルスのパルスエネルギEの値をEanとして書き込む(ステップS907A)。
次に、レーザ制御部2は、充電器90に設定した充電電圧Vの値を記憶部51から読み込み、記憶部51に、n番目のパルスにおける充電電圧Vの値をVanとして書き込む(ステップS908A)。
次に、レーザ制御部2は、パルスのカウンタ値Nが発振パルス数Npを超えたか否かを判断する(ステップS909A)。レーザ制御部2は、パルスのカウンタ値Nが発振パルス数Npを超えていないと判断した場合(ステップS909A;N)には、ステップS904Aの処理に戻る。
一方、パルスのカウンタ値Nが発振パルス数Npを超えたと判断した場合(ステップS909A;Y)には、レーザ制御部2は、記憶されたパルスエネルギEと充電電圧Vとのデータ列に対して、スペクトル解析を実行し、パルスエネルギEの変調周波数Fmaにおける振幅成分Ieaaと、充電電圧Vの変調周波数Fmaにおける振幅成分Ivaaとを求める(ステップS910A)。スペクトル解析は、フーリエ変換、離散フーリエ変換、又は高速フーリエ変換などを用いてもよい。
次に、レーザ制御部2は、パルスのカウンタ値Nを0に設定する(ステップS911A)。
次に、レーザ制御部2は、以下の式のように、制御ゲインGcの値Gcaaを計算し(ステップS912A)、図37の処理に進む。係数Gsは、制御が発散しないように例えば,0.3以上、1以下の値が望ましい。
Gcaa=Gs・ΔV/ΔE=Gs・Ivaa/Ieaa
図37の処理では、まず、レーザ制御部2は、露光装置コントローラ5又は記憶部51から、パルス繰り返し周波数Rp=Rpaの読み込みを行う(ステップS901B)。次に、レーザ制御部2は、露光装置コントローラ5又は記憶部51から、発振パルス数Npの読み込みを行う(ステップS902B)。発振パルス数Npは、例えば400パルス以上1500パルス以下が好ましい。発振パルス数Npは、512パルス、1024パルスなど、2の累乗がより好ましい。
次に、レーザ制御部2は、目標パルスエネルギEtを基準エネルギEtbに設定する(ステップS903B)。レーザ制御部2は、その設定した目標パルスエネルギEtを記憶部51に書き込む。
次に、レーザ制御部2は、ファンクションジェネレータ52によって、以下の式のように、目標パルスエネルギEtを、基準エネルギEtbを変動中心として、周期的に変動させる(ステップS904B)。Fmaは、パルス繰り返し周波数Rpaに対応する目標パルスエネルギEtの変調周波数である。Rpa/Fmaは整数が望ましい。Rpa/Fmaの範囲は4以上、10以下が望ましい。振幅ΔIeの範囲は0.5mJ以上、2mJ以下が望ましい。振幅ΔIeは、基準エネルギEtbに対する比率で決定してもよい。例えば、ΔIe=Etb・(5%〜10%)としてもよい。Rpaは例えば6000Hzであってもよい。Fmaは例えば1200Hzであってもよい。
Et=Etb+ΔIe・sin(N・2・π・Fma/Rpa)
次に、レーザ制御部2は、ゲイン発振の処理を行う(ステップS905B)。ここでのゲイン発振の処理は、例えば図4に示すサブルーチンと略同様であってもよい。
次に、レーザ制御部2は、パルスのカウンタ値NをN+1に設定する(ステップS906B)。
次に、レーザ制御部2は、パルスエネルギ検出器30から、パルスエネルギEの値を読み込み、記憶部51に、n番目のパルスのパルスエネルギEの値をEbnとして書き込む(ステップS907B)。
次に、レーザ制御部2は、充電器90に設定した充電電圧Vの値を記憶部51から読み込み、記憶部51に、n番目のパルスにおける充電電圧Vの値をVbnとして書き込む(ステップS908B)。
次に、レーザ制御部2は、パルスのカウンタ値Nが発振パルス数Npを超えたか否かを判断する(ステップS909B)。レーザ制御部2は、パルスのカウンタ値Nが発振パルス数Npを超えていないと判断した場合(ステップS909B;N)には、ステップS904Bの処理に戻る。
一方、パルスのカウンタ値Nが発振パルス数Npを超えたと判断した場合(ステップS909B;Y)には、レーザ制御部2は、記憶されたパルスエネルギEと充電電圧Vとのデータ列に対して、スペクトル解析を実行し、パルスエネルギEの変調周波数Fmaにおける振幅成分Ieabと、充電電圧Vの変調周波数Fmaにおける振幅成分Ivabとを求める(ステップS910B)。スペクトル解析は、フーリエ変換、離散フーリエ変換、又は高速フーリエ変換などを用いてもよい。
次に、レーザ制御部2は、パルスのカウンタ値Nを0に設定する(ステップS911B)。
次に、レーザ制御部2は、以下の式のように、制御ゲインGcの値Gcabを計算し(ステップS912B)、図38の処理に進む。係数Gsは、制御が発散しないように例えば,0.3以上、1以下の値が望ましい。
Gcab=Gs・ΔV/ΔE=Gs・Ivab/Ieab
図38の処理では、まず、レーザ制御部2は、露光装置コントローラ5又は記憶部51から、パルス繰り返し周波数Rp=Rpaの読み込みを行う(ステップS901C)。次に、レーザ制御部2は、露光装置コントローラ5又は記憶部51から、発振パルス数Npの読み込みを行う(ステップS902C)。発振パルス数Npは、例えば400パルス以上1500パルス以下が好ましい。発振パルス数Npは、512パルス、1024パルスなど、2の累乗がより好ましい。
次に、レーザ制御部2は、目標パルスエネルギEtを基準エネルギEtcに設定する(ステップS903C)。レーザ制御部2は、その設定した目標パルスエネルギEtを記憶部51に書き込む。
次に、レーザ制御部2は、ファンクションジェネレータ52によって、以下の式のように、目標パルスエネルギEtを、基準エネルギEtcを変動中心として、周期的に変動させる(ステップS904C)。Fmaは、パルス繰り返し周波数Rpaに対応する目標パルスエネルギEtの変調周波数である。Rpa/Fmaは整数が望ましい。Rpa/Fmaの範囲は4以上、10以下が望ましい。振幅ΔIeの範囲は0.5mJ以上、2mJ以下が望ましい。振幅ΔIeは、基準エネルギEtcに対する比率で決定してもよい。例えば、ΔIe=Etc・(5%〜10%)としてもよい。Rpaは例えば6000Hzであってもよい。Fmaは例えば1200Hzであってもよい。
Et=Etc+ΔIe・sin(N・2・π・Fmc/Rpc)
次に、レーザ制御部2は、ゲイン発振の処理を行う(ステップS905C)。ここでのゲイン発振の処理は、例えば図4に示すサブルーチンと略同様であってもよい。
次に、レーザ制御部2は、パルスのカウンタ値NをN+1に設定する(ステップS906C)。
次に、レーザ制御部2は、パルスエネルギ検出器30から、パルスエネルギEの値を読み込み、記憶部51に、n番目のパルスのパルスエネルギEの値をEcnとして書き込む(ステップS907C)。
次に、レーザ制御部2は、充電器90に設定した充電電圧Vの値を記憶部51から読み込み、記憶部51に、n番目のパルスにおける充電電圧Vの値をVcnとして書き込む(ステップS908C)。
次に、レーザ制御部2は、パルスのカウンタ値Nが発振パルス数Npを超えたか否かを判断する(ステップS909C)。レーザ制御部2は、パルスのカウンタ値Nが発振パルス数Npを超えていないと判断した場合(ステップS909C;N)には、ステップS904Cの処理に戻る。
一方、パルスのカウンタ値Nが発振パルス数Npを超えたと判断した場合(ステップS909C;Y)には、レーザ制御部2は、記憶されたパルスエネルギEと充電電圧Vとのデータ列に対して、スペクトル解析を実行し、パルスエネルギEの変調周波数Fmaにおける振幅成分Ieacと、充電電圧Vの変調周波数Fmaにおける振幅成分Ivacとを求める(ステップS910C)。スペクトル解析は、フーリエ変換、離散フーリエ変換、又は高速フーリエ変換などを用いてもよい。
次に、レーザ制御部2は、パルスのカウンタ値Nを0に設定する(ステップS911C)。
次に、レーザ制御部2は、以下の式のように、制御ゲインGcの値Gcacを計算し(ステップS912C)、図39の処理に進む。係数Gsは、制御が発散しないように例えば,0.3以上、1以下の値が望ましい。
Gcac=Gs・ΔV/ΔE=Gs・Ivac/Ieac
図39の処理では、まず、レーザ制御部2は、露光装置コントローラ5又は記憶部51から、パルス繰り返し周波数Rp=Rpbの読み込みを行う(ステップS901D)。次に、レーザ制御部2は、露光装置コントローラ5又は記憶部51から、発振パルス数Npの読み込みを行う(ステップS902D)。発振パルス数Npは、例えば400パルス以上1500パルス以下が好ましい。発振パルス数Npは、512パルス、1024パルスなど、2の累乗がより好ましい。
次に、レーザ制御部2は、目標パルスエネルギEtを基準エネルギEtaに設定する(ステップS903D)。レーザ制御部2は、その設定した目標パルスエネルギEtを記憶部51に書き込む。
次に、レーザ制御部2は、ファンクションジェネレータ52によって、以下の式のように、目標パルスエネルギEtを、基準エネルギEtaを変動中心として、周期的に変動させる(ステップS904D)。Fmbは、パルス繰り返し周波数Rpbに対応する目標パルスエネルギEtの変調周波数である。Rpb/Fmbは整数が望ましい。Rpb/Fmbの範囲は4以上、10以下が望ましい。振幅ΔIeの範囲は0.5mJ以上、2mJ以下が望ましい。振幅ΔIeは、基準エネルギEtaに対する比率で決定してもよい。例えば、ΔIe=Eta・(5%〜10%)としてもよい。Rpbは例えば5000Hzであってもよい。Fmbは例えば1000Hzであってもよい。
Et=Eta+ΔIe・sin(N・2・π・Fmb/Rpb)
次に、レーザ制御部2は、ゲイン発振の処理を行う(ステップS905D)。ここでのゲイン発振の処理は、例えば図4に示すサブルーチンと略同様であってもよい。
次に、レーザ制御部2は、パルスのカウンタ値NをN+1に設定する(ステップS906D)。
次に、レーザ制御部2は、パルスエネルギ検出器30から、パルスエネルギEの値を読み込み、記憶部51に、n番目のパルスのパルスエネルギEの値をEanとして書き込む(ステップS907D)。
次に、レーザ制御部2は、充電器90に設定した充電電圧Vの値を記憶部51から読み込み、記憶部51に、n番目のパルスにおける充電電圧Vの値をVanとして書き込む(ステップS908D)。
次に、レーザ制御部2は、パルスのカウンタ値Nが発振パルス数Npを超えたか否かを判断する(ステップS909D)。レーザ制御部2は、パルスのカウンタ値Nが発振パルス数Npを超えていないと判断した場合(ステップS909D;N)には、ステップS904Dの処理に戻る。
一方、パルスのカウンタ値Nが発振パルス数Npを超えたと判断した場合(ステップS909D;Y)には、レーザ制御部2は、記憶されたパルスエネルギEと充電電圧Vとのデータ列に対して、スペクトル解析を実行し、パルスエネルギEの変調周波数Fmbにおける振幅成分Iebaと、充電電圧Vの変調周波数Fmbにおける振幅成分Ivbaとを求める(ステップS910D)。スペクトル解析は、フーリエ変換、離散フーリエ変換、又は高速フーリエ変換などを用いてもよい。
次に、レーザ制御部2は、パルスのカウンタ値Nを0に設定する(ステップS911D)。
次に、レーザ制御部2は、以下の式のように、制御ゲインGcの値Gcbaを計算し(ステップS912D)、図40の処理に進む。係数Gsは、制御が発散しないように例えば,0.3以上、1以下の値が望ましい。
Gcba=Gs・ΔV/ΔE=Gs・Ivba/Ieba
図40の処理では、まず、レーザ制御部2は、露光装置コントローラ5又は記憶部51から、パルス繰り返し周波数Rp=Rpbの読み込みを行う(ステップS901E)。次に、レーザ制御部2は、露光装置コントローラ5又は記憶部51から、発振パルス数Npの読み込みを行う(ステップS902E)。発振パルス数Npは、例えば400パルス以上1500パルス以下が好ましい。発振パルス数Npは、512パルス、1024パルスなど、2の累乗がより好ましい。
次に、レーザ制御部2は、目標パルスエネルギEtを基準エネルギEtbに設定する(ステップS903E)。レーザ制御部2は、その設定した目標パルスエネルギEtを記憶部51に書き込む。
次に、レーザ制御部2は、ファンクションジェネレータ52によって、以下の式のように、目標パルスエネルギEtを、基準エネルギEtbを変動中心として、周期的に変動させる(ステップS904E)。Fmbは、パルス繰り返し周波数Rpbに対応する目標パルスエネルギEtの変調周波数である。Fmbは、パルス繰り返し周波数Rpbに対応する目標パルスエネルギEtの変調周波数である。Rpb/Fmbは整数が望ましい。Rpb/Fmbの範囲は4以上、10以下が望ましい。振幅ΔIeの範囲は0.5mJ以上、2mJ以下が望ましい。振幅ΔIeは、基準エネルギEtbに対する比率で決定してもよい。例えば、ΔIe=Etb・(5%〜10%)としてもよい。Rpbは例えば5000Hzであってもよい。Fmbは例えば1000Hzであってもよい。
Et=Etb+ΔIe・sin(N・2・π・Fmb/Rpb)
次に、レーザ制御部2は、ゲイン発振の処理を行う(ステップS905E)。ここでのゲイン発振の処理は、例えば図4に示すサブルーチンと略同様であってもよい。
次に、レーザ制御部2は、パルスのカウンタ値NをN+1に設定する(ステップS906E)。
次に、レーザ制御部2は、パルスエネルギ検出器30から、パルスエネルギEの値を読み込み、記憶部51に、n番目のパルスのパルスエネルギEの値をEbnとして書き込む(ステップS907E)。
次に、レーザ制御部2は、充電器90に設定した充電電圧Vの値を記憶部51から読み込み、記憶部51に、n番目のパルスにおける充電電圧Vの値をVbnとして書き込む(ステップS908E)。
次に、レーザ制御部2は、パルスのカウンタ値Nが発振パルス数Npを超えたか否かを判断する(ステップS909E)。レーザ制御部2は、パルスのカウンタ値Nが発振パルス数Npを超えていないと判断した場合(ステップS909E;N)には、ステップS904Eの処理に戻る。
一方、パルスのカウンタ値Nが発振パルス数Npを超えたと判断した場合(ステップS909E;Y)には、レーザ制御部2は、記憶されたパルスエネルギEと充電電圧Vとのデータ列に対して、スペクトル解析を実行し、パルスエネルギEの変調周波数Fmbにおける振幅成分Iebbと、充電電圧Vの変調周波数Fmbにおける振幅成分Ivbbとを求める(ステップS910E)。スペクトル解析は、フーリエ変換、離散フーリエ変換、又は高速フーリエ変換などを用いてもよい。
次に、レーザ制御部2は、パルスのカウンタ値Nを0に設定する(ステップS911E)。
次に、レーザ制御部2は、以下の式のように、制御ゲインGcの値Gcbbを計算し(ステップS912E)、図41の処理に進む。係数Gsは、制御が発散しないように例えば,0.3以上、1以下の値が望ましい。
Gcbb=Gs・ΔV/ΔE=Gs・Ivbb/Iebb
図41の処理では、まず、レーザ制御部2は、露光装置コントローラ5又は記憶部51から、パルス繰り返し周波数Rp=Rpbの読み込みを行う(ステップS901F)。次に、レーザ制御部2は、露光装置コントローラ5又は記憶部51から、発振パルス数Npの読み込みを行う(ステップS902F)。発振パルス数Npは、例えば400パルス以上1500パルス以下が好ましい。発振パルス数Npは、512パルス、1024パルスなど、2の累乗がより好ましい。
次に、レーザ制御部2は、目標パルスエネルギEtを基準エネルギEtcに設定する(ステップS903F)。レーザ制御部2は、その設定した目標パルスエネルギEtを記憶部51に書き込む。
次に、レーザ制御部2は、ファンクションジェネレータ52によって、以下の式のように、目標パルスエネルギEtを、基準エネルギEtcを変動中心として、周期的に変動させる(ステップS904F)。Fmbは、パルス繰り返し周波数Rpbに対応する目標パルスエネルギEtの変調周波数である。Rpb/Fmbは整数が望ましい。Rpb/Fmbの範囲は4以上、10以下が望ましい。振幅ΔIeの範囲は0.5mJ以上、2mJ以下が望ましい。振幅ΔIeは、基準エネルギEtcに対する比率で決定してもよい。例えば、ΔIe=Etc・(5%〜10%)としてもよい。Rpbは例えば5000Hzであってもよい。Fmbは例えば1000Hzであってもよい。
Et=Etc+ΔIe・sin(N・2・π・Fmb/Rpb)
次に、レーザ制御部2は、ゲイン発振の処理を行う(ステップS905F)。ここでのゲイン発振の処理は、例えば図4に示すサブルーチンと略同様であってもよい。
次に、レーザ制御部2は、パルスのカウンタ値NをN+1に設定する(ステップS906F)。
次に、レーザ制御部2は、パルスエネルギ検出器30から、パルスエネルギEの値を読み込み、記憶部51に、n番目のパルスのパルスエネルギEの値をEcnとして書き込む(ステップS907F)。
次に、レーザ制御部2は、充電器90に設定した充電電圧Vの値を記憶部51から読み込み、記憶部51に、n番目のパルスにおける充電電圧Vの値をVcnとして書き込む(ステップS908F)。
次に、レーザ制御部2は、パルスのカウンタ値Nが発振パルス数Npを超えたか否かを判断する(ステップS909F)。レーザ制御部2は、パルスのカウンタ値Nが発振パルス数Npを超えていないと判断した場合(ステップS909F;N)には、ステップS904Fの処理に戻る。
一方、パルスのカウンタ値Nが発振パルス数Npを超えたと判断した場合(ステップS909F;Y)には、レーザ制御部2は、記憶されたパルスエネルギEと充電電圧Vとのデータ列に対して、スペクトル解析を実行し、パルスエネルギEの変調周波数Fmbにおける振幅成分Iebcと、充電電圧Vの変調周波数Fmcにおける振幅成分Ivbcとを求める(ステップS910F)。スペクトル解析は、フーリエ変換、離散フーリエ変換、又は高速フーリエ変換などを用いてもよい。
次に、レーザ制御部2は、パルスのカウンタ値Nを0に設定する(ステップS911F)。
次に、レーザ制御部2は、以下の式のように、制御ゲインGcの値Gcbcを計算し(ステップS912F)、図42の処理に進む。係数Gsは、制御が発散しないように例えば,0.3以上、1以下の値が望ましい。
Gcbc=Gs・ΔV/ΔE=Gs・Ivbc/Iebc
図42の処理では、まず、レーザ制御部2は、露光装置コントローラ5又は記憶部51から、パルス繰り返し周波数Rp=Rpcの読み込みを行う(ステップS901G)。次に、レーザ制御部2は、露光装置コントローラ5又は記憶部51から、発振パルス数Npの読み込みを行う(ステップS902G)。発振パルス数Npは、例えば400パルス以上1500パルス以下が好ましい。発振パルス数Npは、512パルス、1024パルスなど、2の累乗がより好ましい。
次に、レーザ制御部2は、目標パルスエネルギEtを基準エネルギEtaに設定する(ステップS903G)。レーザ制御部2は、その設定した目標パルスエネルギEtを記憶部51に書き込む。
次に、レーザ制御部2は、ファンクションジェネレータ52によって、以下の式のように、目標パルスエネルギEtを、基準エネルギEtaを変動中心として、周期的に変動させる(ステップS904G)。Fmcは、パルス繰り返し周波数Rpcに対応する目標パルスエネルギEtの変調周波数である。Rpc/Fmcは整数が望ましい。Rpc/Fmcの範囲は4以上、10以下が望ましい。振幅ΔIeの範囲は0.5mJ以上、2mJ以下が望ましい。振幅ΔIeは、基準エネルギEtaに対する比率で決定してもよい。例えば、ΔIe=Eta・(5%〜10%)としてもよい。Rpcは例えば3000Hzであってもよい。Fmcは例えば600Hzであってもよい。
Et=Eta+ΔIe・sin(N・2・π・Fmc/Rpc)
次に、レーザ制御部2は、ゲイン発振の処理を行う(ステップS905G)。ここでのゲイン発振の処理は、例えば図4に示すサブルーチンと略同様であってもよい。
次に、レーザ制御部2は、パルスのカウンタ値NをN+1に設定する(ステップS906G)。
次に、レーザ制御部2は、パルスエネルギ検出器30から、パルスエネルギEの値を読み込み、記憶部51に、n番目のパルスのパルスエネルギEの値をEanとして書き込む(ステップS907G)。
次に、レーザ制御部2は、充電器90に設定した充電電圧Vの値を記憶部51から読み込み、記憶部51に、n番目のパルスにおける充電電圧Vの値をVanとして書き込む(ステップS908G)。
次に、レーザ制御部2は、パルスのカウンタ値Nが発振パルス数Npを超えたか否かを判断する(ステップS909G)。レーザ制御部2は、パルスのカウンタ値Nが発振パルス数Npを超えていないと判断した場合(ステップS909G;N)には、ステップS904Gの処理に戻る。
一方、パルスのカウンタ値Nが発振パルス数Npを超えたと判断した場合(ステップS909G;Y)には、レーザ制御部2は、記憶されたパルスエネルギEと充電電圧Vとのデータ列に対して、スペクトル解析を実行し、パルスエネルギEの変調周波数Fmcにおける振幅成分Iecaと、充電電圧Vの変調周波数Fmcにおける振幅成分Ivcaとを求める(ステップS910G)。スペクトル解析は、フーリエ変換、離散フーリエ変換、又は高速フーリエ変換などを用いてもよい。
次に、レーザ制御部2は、パルスのカウンタ値Nを0に設定する(ステップS911G)。
次に、レーザ制御部2は、以下の式のように、制御ゲインGcの値Gccaを計算し(ステップS912G)、図43の処理に進む。係数Gsは、制御が発散しないように例えば,0.3以上、1以下の値が望ましい。
Gcca=Gs・ΔV/ΔE=Gs・Ivca/Ieca
図43の処理では、まず、レーザ制御部2は、露光装置コントローラ5又は記憶部51から、パルス繰り返し周波数Rp=Rpcの読み込みを行う(ステップS901H)。次に、レーザ制御部2は、露光装置コントローラ5又は記憶部51から、発振パルス数Npの読み込みを行う(ステップS902H)。発振パルス数Npは、例えば400パルス以上1500パルス以下が好ましい。発振パルス数Npは、512パルス、1024パルスなど、2の累乗がより好ましい。
次に、レーザ制御部2は、目標パルスエネルギEtを基準エネルギEtbに設定する(ステップS903H)。レーザ制御部2は、その設定した目標パルスエネルギEtを記憶部51に書き込む。
次に、レーザ制御部2は、ファンクションジェネレータ52によって、以下の式のように、目標パルスエネルギEtを、基準エネルギEtbを変動中心として、周期的に変動させる(ステップS904H)。Fmcは、パルス繰り返し周波数Rpcに対応する目標パルスエネルギEtの変調周波数である。Rpc/Fmcは整数が望ましい。Rpc/Fmcの範囲は4以上、10以下が望ましい。振幅ΔIeの範囲は0.5mJ以上、2mJ以下が望ましい。振幅ΔIeは、基準エネルギEtbに対する比率で決定してもよい。例えば、ΔIe=Etb・(5%〜10%)としてもよい。Rpcは例えば3000Hzであってもよい。Fmcは例えば600Hzであってもよい。
Et=Etb+ΔIe・sin(N・2・π・Fmc/Rpc)
次に、レーザ制御部2は、ゲイン発振の処理を行う(ステップS905H)。ここでのゲイン発振の処理は、例えば図4に示すサブルーチンと略同様であってもよい。
次に、レーザ制御部2は、パルスのカウンタ値NをN+1に設定する(ステップS906H)。
次に、レーザ制御部2は、パルスエネルギ検出器30から、パルスエネルギEの値を読み込み、記憶部51に、n番目のパルスのパルスエネルギEの値をEbnとして書き込む(ステップS907H)。
次に、レーザ制御部2は、充電器90に設定した充電電圧Vの値を記憶部51から読み込み、記憶部51に、n番目のパルスにおける充電電圧Vの値をVbnとして書き込む(ステップS908H)。
次に、レーザ制御部2は、パルスのカウンタ値Nが発振パルス数Npを超えたか否かを判断する(ステップS909H)。レーザ制御部2は、パルスのカウンタ値Nが発振パルス数Npを超えていないと判断した場合(ステップS909H;N)には、ステップS904Hの処理に戻る。
一方、パルスのカウンタ値Nが発振パルス数Npを超えたと判断した場合(ステップS909H;Y)には、レーザ制御部2は、記憶されたパルスエネルギEと充電電圧Vとのデータ列に対して、スペクトル解析を実行し、パルスエネルギEの変調周波数Fmcにおける振幅成分Iecbと、充電電圧Vの変調周波数Fmcにおける振幅成分Ivcbとを求める(ステップS910H)。スペクトル解析は、フーリエ変換、離散フーリエ変換、又は高速フーリエ変換などを用いてもよい。
次に、レーザ制御部2は、パルスのカウンタ値Nを0に設定する(ステップS911H)。
次に、レーザ制御部2は、以下の式のように、制御ゲインGcの値Gcbを計算し(ステップS912H)、図44の処理に進む。係数Gsは、制御が発散しないように例えば,0.3以上、1以下の値が望ましい。
Gccb=Gs・ΔV/ΔE=Gs・Ivcb/Iecb
図44の処理では、まず、レーザ制御部2は、露光装置コントローラ5又は記憶部51から、パルス繰り返し周波数Rp=Rpcの読み込みを行う(ステップS901I)。次に、レーザ制御部2は、露光装置コントローラ5又は記憶部51から、発振パルス数Npの読み込みを行う(ステップS902I)。発振パルス数Npは、例えば400パルス以上1500パルス以下が好ましい。発振パルス数Npは、512パルス、1024パルスなど、2の累乗がより好ましい。
次に、レーザ制御部2は、目標パルスエネルギEtを基準エネルギEtcに設定する(ステップS903I)。レーザ制御部2は、その設定した目標パルスエネルギEtを記憶部51に書き込む。
次に、レーザ制御部2は、ファンクションジェネレータ52によって、以下の式のように、目標パルスエネルギEtを、基準エネルギEtcを変動中心として、周期的に変動させる(ステップS904I)。Fmcは、パルス繰り返し周波数Rpcに対応する目標パルスエネルギEtの変調周波数である。Rpc/Fmcは整数が望ましい。Rpc/Fmcの範囲は4以上、10以下が望ましい。振幅ΔIeの範囲は0.5mJ以上、2mJ以下が望ましい。振幅ΔIeは、基準エネルギEtcに対する比率で決定してもよい。例えば、ΔIe=Etc・(5%〜10%)としてもよい。Rpcは例えば3000Hzであってもよい。Fmcは例えば600Hzであってもよい。
Et=Etc+ΔIe・sin(N・2・π・Fmc/Rpc)
次に、レーザ制御部2は、ゲイン発振の処理を行う(ステップS905I)。ここでのゲイン発振の処理は、例えば図4に示すサブルーチンと略同様であってもよい。
次に、レーザ制御部2は、パルスのカウンタ値NをN+1に設定する(ステップS906I)。
次に、レーザ制御部2は、パルスエネルギ検出器30から、パルスエネルギEの値を読み込み、記憶部51に、n番目のパルスのパルスエネルギEの値をEcnとして書き込む(ステップS907I)。
次に、レーザ制御部2は、充電器90に設定した充電電圧Vの値を記憶部51から読み込み、記憶部51に、n番目のパルスにおける充電電圧Vの値をVcnとして書き込む(ステップS908I)。
次に、レーザ制御部2は、パルスのカウンタ値Nが発振パルス数Npを超えたか否かを判断する(ステップS909I)。レーザ制御部2は、パルスのカウンタ値Nが発振パルス数Npを超えていないと判断した場合(ステップS909I;N)には、ステップS904Iの処理に戻る。
一方、パルスのカウンタ値Nが発振パルス数Npを超えたと判断した場合(ステップS909I;Y)には、レーザ制御部2は、記憶されたパルスエネルギEと充電電圧Vとのデータ列に対して、スペクトル解析を実行し、パルスエネルギEの変調周波数Fmcにおける振幅成分Ieccと、充電電圧Vの変調周波数Fmcにおける振幅成分Ivccとを求める(ステップS910I)。スペクトル解析は、フーリエ変換、離散フーリエ変換、又は高速フーリエ変換などを用いてもよい。
次に、レーザ制御部2は、パルスのカウンタ値Nを0に設定する(ステップS911I)。
次に、レーザ制御部2は、以下の式のように、制御ゲインGcの値Gcccを計算し(ステップS912I)、処理を終了する。係数Gsは、制御が発散しないように例えば,0.3以上、1以下の値が望ましい。
Gccc=Gs・ΔV/ΔE=Gs・Ivcc/Iecc
(実施形態4におけるエネルギ制御の具体例)
図45は、実施形態4に係るレーザ装置におけるレーザ制御部2によるパルスエネルギEの制御の流れの一例を示すフローチャートを示している。図46は、図45におけるステップS805AのサブルーチンAの一例を示している。図47は、図45におけるステップS804AのサブルーチンBの一例を示している。図48は、図45におけるステップS803AのサブルーチンCの一例を示している。
まず、レーザ制御部2は、露光装置コントローラ5又は記憶部51から、パルス繰り返し周波数Rpの読み込みを行う(ステップS800A)。
次に、レーザ制御部2は、露光装置コントローラ5又は記憶部51から、目標パルスエネルギEtの読み込みを行う(ステップS801A)。
次に、レーザ制御部2は、パルス繰り返し周波数Rpの値を判断する(ステップS802A)。
レーザ制御部2は、パルス繰り返し周波数Rpが所定の値を超えた場合、例えば(Rpb+Rpa)/2<Rpであると判断した場合には、図48のサブルーチンCの処理を行う(ステップS803A)。
レーザ制御部2は、パルス繰り返し周波数Rpが所定の範囲の場合、例えば(Rpc+Rpb)/2<Rp≦(Rpb+Rpa)/2であると判断した場合には、図47のサブルーチンBの処理を行う(ステップS804A)。
レーザ制御部2は、パルス繰り返し周波数Rpが所定の値以下の場合、例えばRp≦(Rpc+Rpb)/2であると判断した場合には、図46のサブルーチンAの処理を行う(ステップS805A)。
次に、レーザ制御部2は、レーザ発振したか否かを判断する(ステップS806A)。レーザ制御部2は、レーザ発振していないと判断した場合(ステップS806A;N)には、ステップS806Aの処理を繰り返す。
一方、レーザ発振したと判断した場合(ステップS806A;Y)には、レーザ制御部2は、パルスエネルギ検出器30から、パルスエネルギEの値を読み込む(ステップS807A)。
次に、レーザ制御部2は、パルスエネルギEと目標パルスエネルギEtとの比較を行う(ステップS808A)。レーザ制御部2は、パルスエネルギEと目標パルスエネルギEtとが略同じと判断した場合(E=Et)には、現在の充電電圧Vのデータをそのまま充電電圧Vのデータとして(ステップS810A)、記憶部51に書き込む(ステップS812A)。
一方、レーザ制御部2は、パルスエネルギEが目標パルスエネルギEtよりも小さいと判断した場合(E<Et)には、以下の式のように、目標パルスエネルギEtとパルスエネルギEとの差(Et−E)に制御ゲインGcを乗じた値を充電電圧Vに加算し、あらたな充電電圧Vとして(ステップS809A)、その充電電圧Vのデータを記憶部51に書き込む(ステップS812A)。
V=V+(Et−E)・Gc
また、レーザ制御部2は、パルスエネルギEが目標パルスエネルギEtよりも大きいと判断した場合(E>Et)には、以下の式のように、パルスエネルギEと目標パルスエネルギEtとの差分(E−Et)に制御ゲインGcを乗じた値を充電電圧Vから減算し、あらたな充電電圧Vとして(ステップS811A)、その充電電圧Vのデータを記憶部51に書き込む(ステップS813A)。
V=V−(E−Et)・Gc
次に、レーザ制御部2は、充電電圧Vが所定の最大値Vmax以上になったか否かを判断する(ステップS813A)。レーザ制御部2は、充電電圧Vが所定の最大値Vmax以上になっていないと判断した場合(ステップS813A;N)には、ステップS800Aの処理に戻る。一方、充電電圧Vが所定の最大値Vmax以上になったと判断した場合(ステップS813A;Y)には、エネルギ制御の処理を終了する。
図46は、図45におけるステップS805AのサブルーチンAの一例を示している。
サブルーチンAでは、まず、レーザ制御部2は、目標パルスエネルギEtが複数の制御ゲインGcaa,Gcab,Gcacのいずれに対応するか判断する(ステップS10A)。制御ゲインGcaa,Gcab,Gcacは、上述の図36〜図38に示すフローチャートに従って算出してもよい。
レーザ制御部2は、目標パルスエネルギEtが所定の値以下の場合、例えばEt≦(Eta+Etb)/2であると判断した場合には、制御ゲインGcの値をGcaaとする(ステップS11A)。
レーザ制御部2は、目標パルスエネルギEtが所定の範囲の場合、例えば(Eta+Etb)/2<Et≦(Etb+Etc)/2であると判断した場合には、制御ゲインGcの値をGcabとする(ステップS12A)。
レーザ制御部2は、目標パルスエネルギEtが所定の値を超えた場合、例えば(Etb+Etc)/2<Etであると判断した場合には、制御ゲインGcの値をGcacとする(ステップS13A)。
図47は、図45におけるステップS804AのサブルーチンBの一例を示している。
サブルーチンBでは、まず、レーザ制御部2は、目標パルスエネルギEtが複数の制御ゲインGcba,Gcbb,Gcbcのいずれに対応するか判断する(ステップS10B)。
制御ゲインGcba,Gcbb,Gcbcは、上述の図39〜図41に示すフローチャートに従って算出してもよい。
レーザ制御部2は、目標パルスエネルギEtが所定の値以下の場合、例えばEt≦(Eta+Etb)/2であると判断した場合には、制御ゲインGcの値をGcbaとする(ステップS11B)。
レーザ制御部2は、目標パルスエネルギEtが所定の範囲の場合、例えば(Eta+Etb)/2<Et≦(Etb+Etc)/2であると判断した場合には、制御ゲインGcの値をGcbbとする(ステップS12B)。
レーザ制御部2は、目標パルスエネルギEtが所定の値を超えた場合、例えば(Etb+Etc)/2<Etであると判断した場合には、制御ゲインGcの値をGcbcとする(ステップS13B)。
図48は、図45におけるステップS803AのサブルーチンCの一例を示している。
サブルーチンCでは、まず、レーザ制御部2は、目標パルスエネルギEtが複数の制御ゲインGcca,Gccb,Gcccのいずれに対応するか判断する(ステップS10C)。制御ゲインGcca,Gccb,Gcccは、上述の図42〜図44に示すフローチャートに従って算出してもよい。
レーザ制御部2は、目標パルスエネルギEtが所定の値以下の場合、例えばEt≦(Eta+Etb)/2であると判断した場合には、制御ゲインGcの値をGccaとする(ステップS11C)。
レーザ制御部2は、目標パルスエネルギEtが所定の範囲の場合、例えば(Eta+Etb)/2<Et≦(Etb+Etc)/2であると判断した場合には、制御ゲインGcの値をGccbとする(ステップS12C)。
レーザ制御部2は、目標パルスエネルギEtが所定の値を超えた場合、例えば(Etb+Etc)/2<Etであると判断した場合には、制御ゲインGcの値をGcccとする(ステップS13C)。
その他の動作は、上記比較例、実施形態1、実施形態2、又は実施形態3に係るレーザ装置と略同様であってもよい。
[5.3 作用・効果]
実施形態4のレーザ装置によれば、制御ゲインGcを、複数のパルス繰り返し周波数Rpa,Rpb,Rpcと目標パルスエネルギEtの値とに応じて複数、算出するようにしたので、パルス繰り返し周波数Rpと目標パルスエネルギEtとを変更した場合におけるパルスエネルギEの制御の精度が改善され得る。
なお、以上の実施形態4の説明では、レーザ制御部2が、3つのパルス繰り返し周波数Rpa,Rpb,Rpcと3つの基準エネルギEta,Etb,Etcとに基づいて、9つの制御ゲインGcを算出する例を述べたが、パルス繰り返し周波数Rp及び基準エネルギEtの数はそれぞれ、2又は4以上の数であってもよい。算出する制御ゲインGcの数は、それらパルス繰り返し周波数Rp及び基準エネルギEtの数に応じて9以外の数であってもよい。
その他の作用・効果は、上記比較例、実施形態1、実施形態2、又は実施形態3に係るレーザ装置と略同様であってもよい。
<6.実施形態5>(MOPOシステムを含むレーザ装置)
次に、本開示の実施形態5に係るレーザ装置について説明する。なお、以下では上記比較例、実施形態1、実施形態2、実施形態3、又は実施形態4に係るレーザ装置の構成要素と略同じ部分については、同一符号を付し、適宜説明を省略する。
[6.1 構成]
上記比較例及び、実施形態1〜4では、シングルチャンバ方式のレーザ装置を例に説明したが、実施形態1〜4の技術は、シングルチャンバ方式以外のレーザ装置にも適用し得る。例えば、実施形態1〜4の技術は、マスタオシレータ(MO)と増幅器とを含むレーザシステムに適用し得る。例えば、マスタオシレータと、増幅器としてのパワーオシレータ(PO)とを含むMOPOシステムに適用してもよい。
図49は、本開示の実施形態5に係るレーザ装置1Aの一構成例を概略的に示している。
実施形態5に係るレーザ装置1Aは、マスタオシレータ6と、パワーオシレータ7とを含んでいる。マスタオシレータ6は、レーザ光の波長やスペクトル線幅等の光品位を決定する。パワーオシレータ7は、マスタオシレータ6から出力されたパルスレーザ光Lpを増幅する。パワーオシレータ7は、増幅したパルスレーザ光Lpを露光装置4に向けて出力する。
マスタオシレータ6とパワーオシレータ7との間には、マスタオシレータ6から出力されたパルスレーザ光Lpをパワーオシレータ7に導くための光学系として、反射ミラー37,38が配置されていてもよい。
マスタオシレータ6は、比較例2に係るレーザ装置1と略同様に、レーザ共振器と、レーザチャンバ20と、パルスパワーモジュール28と、パルスエネルギ検出器30とを備えていてもよい。
パワーオシレータ7は、レーザチャンバ20Aと、パルスパワーモジュール28Aと、パルスエネルギ検出器30Aと、出力結合器としての出力結合ミラー35Aと、部分反射ミラー36とを備えていてもよい。
レーザチャンバ20Aは、レーザチャンバ20と略同様に、レーザ光を透過するウインドウ21A,22Aと、一対の放電電極23A,24Aと、圧力センサ34Aとを含んでいてもよい。
レーザチャンバ20Aは、レーザチャンバ20と略同様に、図示しないクロスフローファン、モータ、及び熱交換器等を含んでいてもよい。
レーザチャンバ20Aは、一対の放電電極23A,24Aの間に印加された印加電圧に応じたパルスエネルギEを有するパルスレーザ光Lpを、設定された所定のパルス繰り返し周波数Rpで出射する。一対の放電電極23A,24Aの間に印加される印加電圧は、充電器90による充電電圧Vに応じた電圧であってもよい。
出力結合ミラー35Aと部分反射ミラー36とにはそれぞれ、パルスレーザ光Lpの一部を反射し、一部を透過する多層膜がコートされていてもよい。出力結合ミラー35Aと部分反射ミラー36とによって、パワーオシレータ7のレーザ共振器が構成されてもよい。レーザ共振器の光路上に一対の放電電極23A,24Aの放電領域が配置されるように、レーザチャンバ20Aが配置されてもよい。
パルスエネルギ検出器30Aは、出力結合ミラー35Aから出力されたパルスレーザ光Lpの光路上に設けられ、パルスレーザ光LpのパルスエネルギEを検出する。パルスエネルギ検出器30Aは、ビームスプリッタ31Aと、集光レンズ32Aと、パルスエネルギEを検出する光センサ33Aとを含んでいてもよい。
ビームスプリッタ31Aは、出力結合ミラー35Aから出力されたパルスレーザ光Lpの光路上に配置されていてもよい。集光レンズ32Aは、ビームスプリッタ31Aで反射されたパルスレーザ光Lpの光路上に配置されていてもよい。光センサ33Aは、集光レンズ32Aの集光位置の近傍に配置されてもよい。
パルスパワーモジュール28Aは、一対の放電電極23A,24Aを放電させるためのスイッチ29Aを含み、図示しない電気絶縁部材を介して、一方の放電電極23Aと接続されていてもよい。他方の放電電極24Aは、接地されたレーザチャンバ20Aと接続されていてもよい。パルスパワーモジュール28Aは、図示しない充電コンデンサを含んでいてもよい。
充電器90とパルスパワーモジュール28Aは、パルスパワーモジュール28Aの図示しない充電コンデンサを充電するように、互いに電気的に接続されていてもよい。充電器90は、充電電圧Vを示すデータをレーザ制御部2から受信してもよい。充電電圧Vは、図示しない充電コンデンサを充電する電圧であってもよい。充電電圧Vは、パルスエネルギ検出器30Aによって計測されたパルスエネルギEに基づいて、レーザ制御部2によって制御されてもよい。充電電圧Vは、一対の放電電極23A,24Aの間に印加する印加電圧に対応した電圧であってもよい。
レーザ制御部2には、露光装置4の露光装置コントローラ5から発振トリガ信号Strと目標パルスエネルギEtとが入力されてもよい。レーザ制御部2とパルスパワーモジュール28Aは、発振トリガ信号Strに同期して、スイッチ29Aがオン/オフされるように互いに電気的に接続されていてもよい。
レーザ制御部2は、目標パルスエネルギEtと、マスタオシレータ6のパルスエネルギ検出器30によって検出されたパルスエネルギEとに基づいて、マスタオシレータ6における一対の放電電極23,24間に印加する印加電圧を制御する電圧制御部であってもよい。また、レーザ制御部2は、目標パルスエネルギEtと、パルスエネルギ検出器30によって検出されたパルスエネルギEとに基づいて、パワーオシレータ7のパルスエネルギ検出器30Aによって検出されたパルスエネルギEとに基づいて、パワーオシレータ7における一対の放電電極23A,24Aの間に印加する印加電圧を制御する電圧制御部であってもよい。
レーザ制御部2は、マスタオシレータ6とパワーオシレータ7とのそれぞれにおける制御ゲインGcを算出するゲイン算出部であってもよい。レーザ制御部2は、マスタオシレータ6とパワーオシレータ7とのそれぞれに対して、それぞれの制御ゲインGcを用いて充電電圧Vを制御することにより、マスタオシレータ6とパワーオシレータ7とのそれぞれから出力されるパルスレーザ光Lpのエネルギ制御を行う。
レーザガス供給装置91は、レーザチャンバ20とレーザチャンバ20Aとのそれぞれの内部にレーザガスを供給する図示しないガスボンベと、ガスボンベからのレーザガスの供給を制御する流量制御弁としての図示しない供給バルブとを含んでいてもよい。
レーザガス排気装置92は、レーザチャンバ20とレーザチャンバ20Aとのそれぞれの内部のレーザガスを排気できるように構成されていてもよい。レーザガス排気装置92は、図示しない排気バルブと、図示しない排気ポンプとを含んでいてもよい。
その他の構成は、上記比較例、実施形態1、実施形態2、実施形態3、又は実施形態4に係るレーザ装置と略同様であってもよい。
[6.2 動作]
マスタオシレータ6とパワーオシレータ7とのそれぞれについて、上記実施形態1、実施形態2、実施形態3、又は実施形態4に係るレーザ装置と略同様にして制御ゲインGcを算出してもよい。マスタオシレータ6とパワーオシレータ7とのそれぞれについて算出された制御ゲインGcに基づいて、マスタオシレータ6とパワーオシレータ7とのそれぞれについて、上記実施形態1、実施形態2、実施形態3、又は実施形態4に係るレーザ装置と略同様にしてエネルギ制御を実施してもよい。
その他の動作は、上記比較例、実施形態1、実施形態2、実施形態3、又は実施形態4に係るレーザ装置と略同様であってもよい。
[6.3 作用・効果]
実施形態5のレーザ装置によれば、マスタオシレータと増幅器とを含むレーザシステムにおいて、マスタオシレータと増幅器とのそれぞれにおけるパルスエネルギEの制御の精度が改善され得る。
その他の作用・効果は、上記比較例、実施形態1、実施形態2、実施形態3、又は実施形態4に係るレーザ装置と略同様であってもよい。
<7.その他>
上記の説明は、制限ではなく単なる例示を意図している。従って、添付の特許請求の範囲を逸脱することなく本開示の実施形態に変更を加えることができることは、当業者には明らかであろう。
本明細書及び添付の特許請求の範囲全体で使用される用語は、「限定的でない」用語と解釈されるべきである。例えば、「含む」又は「含まれる」という用語は、「含まれるものとして記載されたものに限定されない」と解釈されるべきである。「有する」という用語は、「有するものとして記載されたものに限定されない」と解釈されるべきである。また、本明細書、及び添付の特許請求の範囲に記載される不定冠詞「1つの」は、「少なくとも1つ」又は「1又はそれ以上」を意味すると解釈されるべきである。