JP6845204B2 - ノウハウ作成装置、ノウハウ作成方法及びノウハウ作成プログラム - Google Patents
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Description
また、特許文献1では、プラントで発生する各種事象に対して、熟練者のノウハウに基づいた対応を行うためのプラントの運転システムが提案されている。このシステムでは、人手で作られた熟練者の行動記録が用いられる。
このため、取得された膨大な時系列データの中から必要なデータを特定し、必要な情報を適切に整理することは難しく、作業者による分析のばらつきも大きかった。
図1は、本実施形態に係るエッジサーバ1(データ作成装置、ノウハウ作成装置)の機能構成を示す図である。
エッジサーバ1は、工場内で利用される様々な機器2と通信接続された情報処理装置である。
機器2は、例えば、工作機械、ロボット、射出成形機等の産業機械、搬送車又はコンベア等の周辺機器、作業者が入力を行うタブレット端末又は携帯電話機等の携帯端末を含み、エッジサーバ1は、機器2それぞれと通信するためのインタフェースを備える。
また、エッジサーバ1には、例えば、人の動きを監視するセンサ又はカメラ等が機器2として接続されてもよい。
制御部10は、後述するイベントデータ22の作成及び利用に関する機能部として収集部11、変換部12、再生部13(表示部)及び通信部14と、ノウハウ情報の作成及び利用に関する機能部として抽出部15、作成部16及び出力部17とを備える。
時系列データ21は、一定の周期で機器2のそれぞれからポーリングにより取得されてもよいし、個別の周期で取得されてもよい。あるいは、特定のイベントの発生に応じて不定期に機器2からデータが送信されてもよい。
また、機器2がイーサネット(登録商標)等の統一規格に準拠している場合、収集部11は、ソフトウェアにより所定のデータフォーマットで時系列データ21を収集できる。通信インタフェースは有線には限られず、例えば無線LANによりエッジサーバ1と機器2とが接続されてもよい。
時系列データ21は、機器2の種類に応じて項目が異なるが、例えば、図2のように、複数の項目の値が所定のサンプリング周期毎に取得され、順次記録されていく。
この例では、1秒周期で、キー情報となる作業者ID及び装置番号と共に、各種の値が記録されている。
保存ルール23は、時系列データ21に含まれる項目のいずれか、あるいは複数の組み合わせが所定の値になったことをイベントとして、このイベント毎に、保存対象とする関連データの項目を定める。
また、保存ルール23は、イベント毎に、関連データそれぞれを抽出する期間を定める。
さらに、位置情報及びサーボ負荷情報については、イベントの発生1秒前から3秒後までのデータが保存される。
もちろん運転モードが自動に切り替わったことに加え、操作盤のAボタンが押されたことを組み合わせてイベントとしてもよい。
変換部12は、例えば、図3の保存ルール23を用いて、図2の時系列データにおける「サンプリング3」で運転モードが半自動から自動に切り替わったことをイベントとして検出する。
続いて、変換部12は、保存ルール23に従って、「サンプリング3」に含まれる関連データを抽出する。このとき、位置情報及びサーボ負荷情報については、1秒前の「サンプリング2」から3秒後の「サンプリング6」までの期間のデータが抽出される。
ステップS1において、収集部11は、機器2のそれぞれから所定の周期で時系列データ21を収集し、記憶部20に蓄積する。
ステップS3において、変換部12は、保存ルール23に従って、特定したイベントの関連データを、所定の期間にわたって抽出する。
ステップS4において、変換部12は、イベント毎に抽出した関連データをイベントに対応付けてイベントデータ22を作成し、記憶部に記憶する。
この例では、イベント検出期間として、2016年1月20日13時から15時までが指定されている。さらに、機器2を識別する装置番号1001が指定されている。
再生ボタンAが押下されることにより、再生部13は、指定された期間に指定された機器2で発生したイベントを抽出し、イベントが発生した項目毎にデータ値をグラフ表示する。このとき、各グラフの時間軸は同一であり、各項目の値が同期して表示がされる。
なお、サーボ負荷は、予防保全の観点から、例えば負荷が50%を超えた場合をイベント(異常)とし、正常と異常との2値で表現されている。
また、運転モード、アラーム、サーボ負荷等の表示対象の項目は選択可能であってよい。
また、通信部14は、イベントデータ22に関連した、例えばイベントに付随する問題、対処方法等の情報を外部に問い合わせ、受信した情報をイベントデータ22に対応付けて記憶部20に格納してもよい。
次に、ノウハウ情報の作成及び利用に関する機能部である抽出部15、作成部16及び出力部17について説明する。
このとき、抽出部15は、機器2の稼働時間に含まれる複数種類の工程のそれぞれに対して、工程毎の期間に含まれるイベントデータ22をそれぞれ抽出する。
工程とは、例えば、試作工程、段取り工程、量産工程、検査工程等である。
抽出部15は、特定のイベントの発生を条件に、これらの工程の開始及び終了を判定してもよい。例えば、自動運転の開始、及び終了(手動又は半自動運転の開始)が量産工程の開始及び終了とみなされる。また、例えば、段取り開始及び終了の入力操作がイベントとして検出されてもよい。
このとき、作成部16は、工程毎及び作業者毎に特徴データを作成し、記憶部20に記憶する。これにより、作業者により異なるイベント発生時の作業の特徴がノウハウ情報として蓄積される。
出力部17は、作業者に対して予め付与された熟練度情報に基づいて、特徴データを順位付けて出力してもよい。これにより、熟練度の高い作業者の操作手順が容易に参照可能となる。なお、熟練度は、例えば、経験年数又は過去の研修履歴等から評価される。
また、出力部17は、作業時間に基づいて、特徴データを順位付けて出力してもよい。これにより、作業時間の短い効率的な操作手順が容易に参照可能となる。
検索されたイベントが発生した当時の作業者の特徴データは、出力部17により、熟練度の高い順、又は作業時間の短い順等で出力され、新たなイベントに対する対処を支援するためのノウハウ情報となる。
このとき、熟練度の高い作業者の特徴データと、熟練度の低い作業者の特徴データとを比較可能な表示態様が採用されてもよい。あるいは、作業時間が短い作業者の特徴データと、作業時間が長い作業者の特徴データとを比較可能な表示態様が採用されてもよい。
ステップS11において、抽出部15は、記憶部20から作業者毎にイベントデータ22を抽出する。
ステップS12において、抽出部15は、複数の工程それぞれの開始及び終了を判定してイベントデータ22を工程毎に分類する。
ステップS14において、出力部17は、特徴データを、作業者の熟練度又は作業時間等により順位付けて整形し、ノウハウ情報として出力する。
[試作工程]
試作工程では、設計公差に収まる加工ができること、及び量産時に安定した加工ができるプログラム及び加工条件を作成することが重要な目的となる。
段取り工程では、作業者及び製品別に段取り時間の集計ができ、この段取り時間が特徴データとして抽出される。また、段取り工程では、様々な操作ボタンが利用される。このため、ボタンの利用頻度から次のように特徴データを抽出できる。
ここでは、X軸、Y軸、Z軸及びスピンドル(主軸)があるマシニングセンタを例に説明する。
1)ワークの取り付けでは、作業者は、X軸及びY軸でテーブルを動かし、ワークが固定できる位置でテーブルを停止させ、ワークをテーブルに取り受けて固定する。
この作業からは、X軸及びY軸でのテーブルの移動時間、移動距離及び移動オーバライド等の情報を取得可能であり、これらの情報を整理することで、ワーク取り付け時のテーブルの動かし方の特徴データを抽出することができる。
工具マガジンには工具確認スイッチが設けられているため、工具の脱着が判別される。したがって、工具番号等から、工具別の脱着時間の特徴データを抽出することができる。
この作業からは、Z軸の移動時間、移動距離及び移動オーバライド等の情報を取得可能であり、これらの情報を整理することで、ワーク取り付け時のZ軸の動かし方の特徴データを抽出することができる。また、Z軸の上下回数から、高さ方向の動かし方の特徴データを抽出することができる。
この作業からは、クーラント液のON/OFFの回数、及びクーラント液の流量設定等の、クーラント調整の特徴データを抽出することができる。
操作ボタンの履歴には、プログラムの呼び出し方、プログラムのチェックの仕方等が記憶される。したがって、この履歴から呼び出し手順の特徴、及びチェック方法の特徴等を抽出することができる。
なお、各作業の手順は、タブレット端末等に段取り工程のガイダンスとして示し、作業の開始及び終了を作業者に入力させることで、各作業の切り替え時期が明確になる。
量産工程の開始は自動運転の立ち上がりイベントにより、量産工程の終了はメインプログラムの終了イベントにより判別される。また、量産工程の開始及び終了のタイミングは、タブレット端末等から作業者が入力した時点をイベントとして判別することもできる。
一般に、自動運転中は、作業者が関与することはないが、次のような要因で自動運転が停止した場合、作業者が復旧作業をして量産工程を続ける。自動運転を中断する主な要因としては、例えば、周辺機器等のインタフェースを司る信号線の断線アラーム、安全ドアが閉まっていることを確認するスイッチの故障アラーム、切削液の流量不足による冷却不足又は切削屑のつまり等がある。
例えば、前述の図6の例では、量産工程中にサーボの負荷異常のイベントが発生し、最終的にはアラームが発生して機械が停止している。
このように、イベントデータ22からは、各工程での様々なイベント毎に、作業者の個人差が抽出され、蓄積される。
検査工程では、検出不良となる要因がいくつかある。その1つは検査の段取りの問題で、検査するワークを正しく検査装置にかけなかった場合、又は検査方法の手順を間違った場合等である。これらの要因は、検査器に設けられている操作ボタンの操作回数及び操作順、実際の測定値、測定のやり直し回数等を作業者毎に分析することで特徴データを抽出することができる。
次に、エッジサーバ1に蓄積されるデータを用いたアプリケーション・プログラムのテスト及びデバッグを行うための装置について説明する。
デバッグ装置3は、エッジサーバ1と通信可能な情報処理装置であり、制御部30と記憶部40とを備え、さらに、各種の入出力デバイス及び通信インタフェースを備える。制御部30は、記憶部40に記憶された所定のソフトウェアを実行することで、本実施形態の各機能を実現する。
具体的には、制御部10は、ソフトウェアにより実現される機能部として、受信部31と、格納部32とを備える。
これにより、エッジサーバ1の本番環境と同一のデータを用いて、テスト及びデバッグの作業が可能となる。
したがって、エッジサーバ1は、予め定めた規則に従って、イベントの関連データのみからなるイベントデータ22を作成するので、機器2に特定のイベントが発生した際の稼働状況を整理した情報を蓄積できる。
この結果、工場内に周期データしか得られない古い機器2が含まれる場合であっても、一定品質のイベントデータ22が自動的に作成される。
したがって、エッジサーバ1は、作業者毎のイベント発生時の作業内容の特徴を、機器2に特定のイベントが発生した際の稼働状況に関するノウハウ情報として蓄積できる。
エッジサーバ1は、特定のイベントの発生を条件に各工程の開始及び終了を判定するので、工程の区分けが自動化され、利便性が向上する。
エッジサーバ1は、作業時間に基づいて特徴データを順位付けるので、効率の良い操作手順等、作業時間を指標とした有用なノウハウ情報を提供できる。
3 デバッグ装置
10 制御部
11 収集部
12 変換部
13 再生部
14 通信部
15 抽出部
16 作成部
17 出力部
20 記憶部
21 時系列データ
22 イベントデータ
23 保存ルール
30 制御部
31 受信部
32 格納部
40 記憶部
Claims (6)
- 機器から収集された時系列データに含まれる項目のいずれか、あるいは複数の組み合わせの値に関するイベントに対して、作業者の識別情報を含む当該イベント毎の関連データを対応付けたイベントデータを記憶する記憶部と、
前記作業者毎に、前記機器の稼働時間のうち、所定の期間に含まれる当該作業者に紐付く前記イベントデータを抽出する抽出部と、
前記作業者毎に抽出された前記イベントデータに基づいて、前記作業者毎の操作手順及び作業時間に関する特徴データを作成する作成部と、
前記作業者に予め付与された熟練度情報に基づいて、前記特徴データを順位付けて出力する出力部と、を備えるノウハウ作成装置。 - 前記抽出部は、前記機器の稼働時間に含まれる複数種類の工程のそれぞれに対して、当該工程毎の期間に含まれるイベントデータをそれぞれ抽出し、
前記作成部は、前記工程毎、及び前記作業者毎に、前記特徴データを作成する請求項1に記載のノウハウ作成装置。 - 前記抽出部は、特定の前記イベントの発生を条件に前記工程の開始及び終了を判定する請求項2に記載のノウハウ作成装置。
- 前記出力部は、前記作業時間に基づいて、前記特徴データを順位付けて出力する請求項1から請求項3のいずれかに記載のノウハウ作成装置。
- 機器から収集された時系列データに含まれる項目のいずれか、あるいは複数の組み合わせの値に関するイベントに対して、作業者の識別情報を含む当該イベント毎の関連データを対応付けたイベントデータの中から、前記作業者毎に、前記機器の稼働時間のうち、所定の期間に含まれる当該作業者に紐付く前記イベントデータを抽出する抽出ステップと、
前記作業者毎に抽出された前記イベントデータに基づいて、前記作業者毎の操作手順及び作業時間に関する特徴データを作成する作成ステップと、
前記作業者に予め付与された熟練度情報に基づいて、前記特徴データを順位付けて出力する出力ステップと、をコンピュータが実行するノウハウ作成方法。 - 請求項1から請求項4のいずれかに記載のノウハウ作成装置としてコンピュータを機能させるためのノウハウ作成プログラム。
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