JP2016221582A - 異常検出方法、および生産制御方法 - Google Patents

異常検出方法、および生産制御方法 Download PDF

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Abstract

【課題】製品生産に支障をきたす装置故障以前に、発生している異常やその兆候が製品要因かロボット装置側の装置要因かを切り分けることができ、特に装置異常の兆候を明確かつ確実に異常検出できるようにする。
【解決手段】部品の組み立て行うロボットアーム8の所定部位に働く負荷を検出する力覚センサ9の出力値を介してロボットアーム8の異常を検出する。異常検出方法は、制御装置20が組み付け精度の確認された確認用部品を用いて、力覚センサ9の出力を記録しつつ、ロボットアーム8に複数回の組み立て動作を行わせる第1の工程(A)と、制御装置20が、第1の工程で複数回の組み立て動作についてそれぞれ記録された力覚センサ9の出力変化の評価結果に基づき、ロボットアーム8の異常を検出する第2の工程(B)と、を含む。
【選択図】図1

Description

本発明は、ロボット装置の力センサの出力値を介して当該のロボット装置の異常を検出する異常検出方法、その異常検出方法を利用した生産制御方法、およびロボットシステムに関するものである。
近年のロボット技術の進歩に伴い、各種生産プラントにおいてロボット装置が多用されるようになってきた。近年の工業用の多関節ロボットは、力覚センサのような力センサを実装し、きめ細い組み立て負荷やトルク制御が可能になっており、また、利用できるハンドやグリッパなどの組み立て用のツール(エンドエフェクタ)も多種多様である。
このため、旧来は専用装置によって組み立てられていた製品についてもロボット装置によって組み立てできる製品が増えている。汎用的なロボット装置を利用することにより、製品の仕様変更や、モデルチェンジの際のコストの増大しがちな専用装置を用いる場合より生産プラント全体にかかるコストを低減し、また生産プラントをコンパクトにできる可能性がある。
ところで、近年では、生産対象である製品構成が複雑化しており、一方、ロボット装置では、そのような製品を扱うために必要な性能や仕様の高度化に伴い、装置構造や動作も非常に複雑になりつつある。そして、専用的な製造装置と同様、ロボット装置も装置の稼働により、色々な個所で様々な要因により機構に損傷や劣化を生じるが、これらの機構の損傷や劣化による異常を検出するのはそれ程容易ではない。
また、近年の生産プラント(生産装置)は生産性向上の要求レベルが高度化しており、無人化や無停止を実現するために装置性能と保全技術のさらなる向上が望まれている。
例えば、異常検出については、いわゆる事後保全を行うための技術と、予知(事前)保全を行うための技術が存在する。保全技術の整理は、欧州の既存規格を中心に国際標準化機構(ISO)で(例えばISO18435など)整理が進められている。
特に、ロボットシステムの保全については、異常傾向を収集分析して機構の問題個所がどこか想定するものや、異常時にその故障個所を特定するもの、また、故障個所に応じた保全方法を具体化する技術が知られている。ところが、ロボットシステムの保全に関しては、例えば致命的な問題が生じる前に、機構の特定部位の損傷や劣化の進行を特定する予知保全を具体例はあまり知られていない。
例えば、下記の特許文献1では、ロボットシステムにおいて、リトライの発生状況がオペレータに報告されずに放置され、重大故障に繋がる、として、異常時のデータを集計して異常発生回数の増加比率を算出する手法が提案されている。また、特許文献2のように、ユーザーの手を介さずに、複写機などの動作信号を自動取得し、この信号で装置故障のひき起こす原因分析に、確率を利用してモデル化し解析して故障診断を行うものがある。
特開平11−296224号公報 特開2005−309077号公報
ロボットアームには、その所定部位、例えばツールや特定の関節に働く負荷を検出する力センサが設けられることがある。上記のような予知的な保全技術において適用可能な異常検出方法として、ロボット装置の所定部位に働く負荷を検出する力センサの出力値を介してロボット装置の機構の異常を検出できる、と考えられる。
ロボット装置を用いた生産プラントの保全を効率的に、また確実に行うためには、製品生産に支障をきたすような障害が生じる前に、例えば製品の通常生産中に上記のような力センサを用いて、ロボット装置の異常(やその兆候)を検出することが考えられる。
ところが、上記のようにロボット装置に設けられた力センサを用いて、製品の通常生産中に異常な負荷値(あるいはトルク値)を検出できたとしても、厳密には、その値は組み立ての異常を示すものに過ぎない。例えば、ロボット装置の稼働中に生じる異常な負荷値は、(1)ワーク(部品)の寸法精度などの製品要因によって発生する場合と、(2)ロボット装置の機構の異常などの装置要因によって発生する場合、の両方が考えられる。
このため、ロボット装置を用いた生産プラントの保全を効率よく確実に行うためには、通常生産中に生じる異常な負荷値を検出した場合、上記の製品要因(1)、装置要因(2)を切り分けする必要がある。このような切り分けを行うことなく漫然とセンサ値を集計、記録しても、例えば、異常なセンサ値の原因が製品要因である場合に、無駄な動作確認作業や保守作業を実施してしまうような不都合を生じる可能性がある。
例えば、上記の特許文献1の技術では、組立のために必要なリトライが発生した際に、その回数をカウントしているだけで、製品要因と装置要因の原因の切り分けができない。また、特許文献2の技術では、故障しているまたは、故障を起こす可能性がある個所の候補を抽出しているに過ぎず、同様の問題がある。例えば、通常動作中の動作パラメータから故障診断を行うだけであり、特許文献2でロボット装置のワークに相当する対象物の紙のバラツキなどを想定していないために、製品要因と装置要因を切り分けることができない。
本発明の課題は、上記問題を解決し、製品生産に支障をきたす装置故障以前に、発生している異常やその兆候が製品要因かロボット装置側の装置要因かを切り分けることができ、特に装置異常の兆候を明確かつ確実に異常検出できるようにすることにある。さらには、異常検出の結果を的確にユーザに伝え、必要な保守ないし確認作業を行えるよう予知保全を実現し、生産システム(プラント)の保全性を向上させることにある。
上記課題を解決するため、本発明においては、部品の組み立てを行うロボット装置の所定部位に働く負荷を検出する力センサの出力値を介して前記ロボット装置の異常を検出する異常検出方法において、制御装置が、組み付け精度の確認された確認用部品を用いて、前記力センサの出力を記録しつつ、前記ロボット装置に複数回の組み立て動作を行わせる第1の工程と、前記制御装置が、前記第1の工程で前記複数回の組み立て動作についてそれぞれ記録された前記力センサの出力変化の評価結果に基づき、前記ロボット装置の異常を検出する第2の工程と、を含むことを特徴とする。
また、生産制御方法においては、前記制御装置が、前記力センサの出力を監視しつつ、デザインが同一であるが異なる個体の部品を前記ロボット装置に連続的に組み立てさせる通常生産工程と、前記制御装置が、前記通常生産工程における前記力センサの出力が正常範囲を逸脱した場合に、前記第1および第2の工程を実行して前記ロボット装置の動作確認を行う動作確認工程と、を含むことを特徴とする。
本発明によるロボットシステムの異常検出においては、組み付け精度の確認された確認用部品を用いて、力センサの出力を記録しつつ、ロボット装置に複数回の組み立て動作を行わせる(第1の工程)。そして、第1の工程で前記複数回の組み立て動作についてそれぞれ記録された前記力センサの出力変化の評価結果に基づき、ロボット装置の異常を検出する(第2の工程)。特に、組み付け精度の確認された確認用部品を用いることにより、部品の寸法や形状の精度などのいわゆる製品要因に起因する組み立て異常を除去した状態で、ロボット装置の機構の異常、即ち装置要因の有無を的確に評価することができる。上記の第1、第2の工程から成る異常検出は、ロボットシステムの動作確認工程として実施することができる。
例えば、本発明による生産制御においては、力センサの出力を監視しつつ、デザインが同一であるが異なる個体の部品を前記ロボット装置に連続的に組み立てさせる通常生産工程を実施する。そして、通常生産工程における前記力センサの出力が正常範囲を逸脱した場合に、前記第1および第2の工程を実行して前記ロボット装置の動作確認を行う動作確認工程を実施する。このため、生産サイクルの中で製品生産に支障をきたす装置故障以前に、発生している異常やその兆候が製品要因か装置要因かを切り分けて評価することができる。例えば、動作確認工程の結果に応じて装置異常の兆候を検出し、その結果をユーザ(管理者)に通知し、ロボット装置の機構の点検などを含む予知保全作業を実行させることができ、ロボットシステムの保全効率および生産効率を格段に向上することができる。
本発明を採用したロボットシステムを用いた生産制御手順を示し、(a)は通常生産モード、(b)は動作確認モードにおける制御手順をそれぞれ示したフローチャート図である。 本発明を採用したロボットシステムを用いた生産制御における信号分類と保全の対応を示した説明図である。 本発明を採用したロボットシステムを用いた生産制御における力センサ出力の一例を示した説明図である。 本発明を採用したロボットシステムを用いた生産制御における信号頻度の一例を示した説明図である。 本発明を採用したロボットシステムを用いた生産制御で組み立てられる製品および部品の一例を示した説明図である。 本発明を採用したロボットシステムを用いた生産制御で組み立てられる製品および分解状態の部品の一部を示した説明図である。 本発明を採用したロボットシステムを用いた生産制御における組み立て作業を示し、(a)は嵌合前、(b)は嵌合完了後をそれぞれ示した説明図である。 本発明を採用したロボットシステムを用いた生産制御における製品組み立ての様子を示した説明図である。 本発明を採用したロボットシステムを用いた生産制御における製品組み立ての事例を示した説明図である。 本発明を採用したロボットシステムにおいて力センサが検出する負荷の方向を示した説明図である。 本発明を採用したロボットシステムの構成を示したもので、(a)はロボット装置のハードウェア構成および制御系の機能ブロックを示した説明図、(b)は同制御系のブロック図である。
以下、添付図面に示す実施例を参照して本発明を実施するための形態につき説明する。なお、以下に示す実施例はあくまでも一例であり、例えば細部の構成については本発明の趣旨を逸脱しない範囲において当業者が適宜変更することができる。また、本実施形態で取り上げる数値は、参考数値であって、本発明を限定するものではない。
本実施例は、ロボット装置(ロボットアーム)、およびその制御装置から成るロボットシステムに関するものである。本実施例では、特に部品の組み立てを行うロボット装置の所定部位に配置された力センサの出力値を介してロボット装置の異常を検出する異常検出方法につき説明する。また、以下では、デザインが同一であるが異なる個体の部品を前記ロボット装置に繰り返し組み立てさせる製品の生産(通常生産工程)に利用する例についても示す。ここでデザインが同一な部品とは、同様の設計仕様に基づき、同様の外観、形状、または構造を備え、その寸法が特定の公差の範囲内に概ね含まれる部品を指す。一般的な例えば同一品種、型番の工業製品、大量生産品はほぼ全てこのデザインが同一な部品の範囲に含まれる。例えば、デザインが同一であるが異なる固体の部品とは、同じデザインの部品である、部品A、部品A、部品A・・・に関し、部品Aiに対する部品Ajなどを指す。
また、本実施例では、この通常生産工程において、力センサの出力が正常範囲を逸脱した場合に、上記の異常検出方法を利用してロボット装置の動作確認(動作確認工程)を行う生産制御方法についても説明する。
図11(a)は本実施例のロボットシステムのハードウェアおよびその制御装置20の機能ブロック図を示している。また、図11(b)は制御系の構成例を概略的に示している。
図11(a)の左上部には、ロボット装置のロボットアーム8の構成を模式的に示してある。ロボットアーム8は、例えばベース83上に、関節82、82…で支持されたリンク81、81…を配置して構成される。ロボットアーム8は、図11(a)の模式的な図示のように例えば6軸垂直多関節型のロボットアームであるが、本発明はこの構成に限定されるものではない。ロボットアーム8は例えばパラレル多関節構成のロボットアームなどから構成されていてもよい。
ロボットアーム8の先端部には、エンドエフェクタ(組立ツール)として例えばハンド10(あるいはグリッパ)が装着されている。ハンド10は不図示の駆動源により開閉駆動されるハンド爪11を有しており、ハンド爪11を介してワーク(1〜3)を把持して、特定の製品に組み立てることができる。
ロボットアーム8には、ワーク(1〜3)組み立てを行う際、ロボットアーム8の特定部位に働く力(負荷、ないし回転トルクなど)を検出する力センサを配置する。本実施例の異常検出方法においては、この力センサの出力値を介してロボット装置(ロボットアーム8)の異常、(ないしは製品の組立の異常)を検出する。ロボットアーム8上の力センサの配置位置は任意であるが、本実施例ではこの力センサとして力覚センサ9をハンド10の基部に配置している。
力覚センサ9は、例えば後述のワーク(1〜3)の組み立て作業において、ハンド10に働く力(負荷、ないし回転トルクなど)を検出することができる。力覚センサ9は、例えばロボットアーム8がハンド10を介してワーク(1〜3)を取り扱うとき、その反力としてハンド10に働く力(負荷、ないし回転トルクなど)を検出する。力覚センサ9は公知の構成部材、例えば上記の力によって弾性変形する弾性体と、その変形を検出する歪みゲージやエンコーダなどから構成することができる。
例えば、図10は、力覚センサ9がハンド10の基部において検出すべき力101、102、103、ないし回転トルク101R、102R、103Rの各アライメント方向を示している。同図において力101〜103は、X、Y、Zの3次元座標軸に沿った力(負荷)、101R〜103Rは、X、Y、Zの各軸廻りの回転トルクである。力覚センサ9は、例えばこれら全ての力(負荷)ないしトルクを検出する複数のセンサデバイスを設けて構成しても良い。しかしながら、最低限、特定の製品組み立てにおいて特に問題となる1軸、あるいは1軸廻りの力(負荷)ないしトルクを検出するセンサデバイスを配置すれば、下記の異常検出や生産制御を実施することができる。
図11(a)において、制御装置20は、例えば予め用意したロボット制御プログラム(あるいはロボット教示データ)に従い、ロボットアーム8の動作を制御する。例えば、制御装置20のロボット制御は、ワーク(1〜3)に対する組み立て作業を行い、ワーク(1〜3)から所期の製品を生産する生産制御方法を構成する。この生産制御過程において、制御装置20の制御に基づき、ロボットアーム8によりワーク(1〜3)は、部品の供給台として機能する固定台12から取り出され、組み立て台として機能する固定台13上で組み立てられ、製品を得る。固定台13上で組み上げられた製品は、例えば不図示のコンベアや他のロボット装置などの搬出手段によって順次搬出される。
デザインが同一品種の複数(多数)の製品の組み立ては、制御装置20が、デザインが同一であるが異なる個体の部品を、順次ロボットアーム8に繰り返し組み立てさせる通常生産工程によって行うことができる。
本実施例では、この通常生産工程において、ロボットアーム8の力覚センサ9の出力が正常範囲を逸脱した場合、制御装置20の制御によって後述の動作確認工程を実行し、ロボットアーム8の動作確認を行う動作確認工程を行う。
このような生産制御を行うための制御装置20の制御機能の一例は、図11(a)の下部の機能ブロック表示によって示されている。
制御装置20の制御機能は例えば次のような機能ブロック(21〜26)を含む。アーム制御部21、およびハンド制御部22は、通常生産工程、および後述の動作確認工程においてロボットアーム8およびハンド10の動作を制御する。
データ収集部25は、力覚センサ9の出力値を収集する例えばデータベース手段により構成される。データ収集部25は、後述のCPU201により実行されるデータベース管理ソフトウェアなどによって構成され、後述の外部記憶装置204やRAM203上に配置されたデータファイルやメモリをデータ記録のためのハードウェアとして用いる。
演算部24は、後述のCPU201の演算機能に相当し、例えばロボットアーム8の動作およびそれにより行われる生産制御を実行する。なお、本実施例では、後述の通常生産工程、および動作確認工程の切り換え制御は、演算部24の演算機能によって実現されるものとする。しかしながら、後述の通常生産工程、および動作確認工程の切り換え制御は、制御装置20より上位の生産管理端末(不図示)などによって実行されるものであってもよい。
情報出力部26は、主に通常生産工程において、力覚センサ9の出力が正常範囲(正常レベルN)からの逸脱、特に、警報(警告)レベルW、異常(エラー)レベルEに相当する出力値となった時に、通知情報を出力する制御(通知情報出力工程)を行う。ユーザ(管理者)に対するこれらの情報通知は、可視表示のための表示器、音声表示のための音声出力装置(スピーカや音声合成手段などを含む)などのハードウェア(いずれも不図示)を用いて行う。また、通知制御部23は、情報出力部26による情報通知の内容を決定する制御を行う。例えば、力覚センサ9の出力値が上記のレベル、範囲のいずれかによって、また実行中のロボット制御処理の内容などに応じて、情報出力部26で出力する通知情報を生成し、また、その通知出力のタイミングを決定する。
なお、以下では、上記の21〜26の各機能ブロックの抽象的な表現よりも、むしろ具体的な制御ハードウェアとして例えばCPU201の制御機能に直接言及しながら、本実施例の異常検出制御や生産制御につき説明するものとする。
制御装置20は、より具体的には、例えば図11(b)のように構成することができる。図11(b)の制御系は、汎用マイクロプロセッサなどから成るCPU201、ROM202、RAM203、外部記憶装置204、インターフェース207、208、ネットワークインターフェース206などから構成される。また、図11(b)の制御系には、RTC209(リアルタイムクロック)が設けられている。このRTC209は、後述の生産制御において、力覚センサ9の出力値レベルの頻度管理などを行うために用いることができる。
ROM202は、例えば後述するアクセス制御プログラムと制御データを格納するために用いられる。なお、ROM202に格納したアクセス制御プログラムと制御データを後から更新(アップデート)できるよう、そのための記憶領域はE(E)PROMなどの記憶デバイスによって構成されていてもよい。RAM203は、DRAM素子などから構成され、CPU201が各種の制御、処理を実行するためのワークエリアとして用いられる。後述のロボットアーム8の制御および生産制御(通常生産工程、および動作確認工程)に係る機能は、CPU201が本実施例のアクセス制御プログラムを実行することにより実現される。
外部記憶装置204は、例えばSSDやHDDのディスク装置で構成される。外部記憶装置204は、ロボット制御プログラムや教示点データ、あるいは後述するアクセス制御プログラムなどをファイル形式で格納することができる。なお、外部記憶装置204は、着脱式の各種光ディスクのような記録媒体、あるいは、着脱式のSSDやHDDのディスク装置、着脱式のフラッシュメモリから構成されていてもよい。このような各種の着脱式のコンピュータ読み取り可能な記録媒体は、例えば、本発明の一部を構成するアクセス制御プログラムをROM202(E(E)PROM領域)にインストールする、或はアップデートするのに用いることができる。この場合、各種の着脱式のコンピュータ読み取り可能な記録媒体は、本発明を構成する制御プログラムを格納しており、記録媒体それ自体も本発明を構成することになる。
CPU201は、ROM202(あるいは外部記憶装置204)に格納された生産制御制御プログラム、ロボット制御プログラム、ファームウェア、アクセス制御プログラムなどを実行する。これにより、例えば図11(a)に示した制御装置20の各機能ブロックが実現される。
また、図11(b)において、制御装置20には、インターフェース207、208が設けられている。例えばインターフェース208は、ロボットアーム8との通信制御に用いられる。CPU201は、インターフェース208を介して所定の信号形式によって制御信号を送信することにより、教示済みのロボットプログラムなどに応じたロボット動作をロボットアーム8に実行させることができる。また、インターフェース207は、不図示の教示用のロボット操作装置(ティーチングペンダントなど)などとの通信に用いられる。これらのインターフェース207、208は、上述のような任意の通信インターフェース(例えばパラレルないしシリアル通信インターフェース)により構成される。
ネットワークインターフェース(NIF)206は、他の制御端末(不図示)や、他のロボット制御装置、ネットワーク上のサーバなどと通信するために用いられる。このネットワークインターフェース206では、有線、無線接続によるネットワーク通信方式、例えば有線接続ではIEEE802.3、無線接続ではIEEE802.11、802.15のような通信方式を用いることができる。なお、ロボットアーム8やロボット操作装置(不図示)などとの通信は、全てネットワークインターフェース206を経由して行うようにしてもよい。
図5に、図11(a)、(b)のロボットシステムによって組み立てられる製品の一例を示す。図5は、組み立て後の状態を斜視図によって示している。図5の製品は下部から本体リング1、中間リング2、上部リング3のように組み付けられた円筒状の部材であり、例えばカメラの撮影レンズ(の一部)にこのような構造が用いられる。
図6は、図5の製品の組み立て構造の一例を示している。図6の右側には、中間リング2、上部リング3の部分の嵌合構造の一例が示されている。中間リング2の上面には、円筒状のボス51(凸部)が形成されている。一方、上部リング3の底面にはボス51に所定のクリアランスで嵌合可能な円形の穴41(凹部)が形成されている。ボス51および穴41の直径は、(ほぼ)同径の上部リング3および中間リング2より小さく形成されている。ボス51と中間リング2、および上部リング3と穴41は同軸関係であり、これにより上部リング3と中間リング2が同軸関係で嵌合され、一体に組み立てられる。図6では図示を省略しているが、中間リング2および下部の本体リング1の嵌合構造も上記同様に構成することができる。
なお、本体リング1、中間リング2、上部リング3を相互に固定するには、例えば別途ビス止めなどの固着手段を用いてもよい。ただし、本実施例で扱うロボット動作はボス51〜穴41のような嵌合構造の組み付け作業であって、本実施例は各部品(例えば上記の各リング)の固着手法によって限定されるものではない。
図6では、さらに中間リング2の上面、および上部リング3の下面の外周位置に位置決め用の凸、凹の嵌合構造を示してある。この位置決め用の凸、凹の嵌合構造は、例えば図示のような小径の円筒状のボス52、およびボス52と所定のクリアランスで嵌合可能な(丸)穴42によって構成される。このようなボス52と穴42による位置決め構造によって、上部リング3と中間リング2を所定の角度関係で結合することができる。なお、図6のような構造では、より詳細には、ボス51の全高はボス52よりも高く取られることが多い。
上述の図5、図6に示したような構造では、ボス52と穴42の係合構造がある場合もない場合も、まず図8のようにハンド爪11、11により上部リング3を把持し、中間リング2の直上から下降させて、まずボス51と穴41を係合させる。この組み立て作業において、制御装置20は予め教示済みのロボット制御(教示)データに基づきロボットアーム8を制御する。まず、制御装置20は、固定台12上の上部リング3をハンド10のハンド爪11により把持させ、続いて教示済みの軌道に沿って上部リング3を搬送し、固定台13上の本体リング1〜中間リング2の直上の位置に移動させる。その後、制御装置20は、上部リング3を下降させ、中間リング2および上部リング3の嵌合構造(図6のボス51および穴41)を嵌合させる。特にこの組み立て動作は、制御装置20が力覚センサ9の出力する負荷値を監視しながら実行させる。
ボス52と穴42の係合構造が設けられている場合は、この両者を係合させることにより、上部リング3と中間リング2が所期の組み付け状態で嵌合される。そのために、ボス51と穴41の係合をガイドとして利用してハンド爪11、11で把持した上部リング3をハンド10の中心軸(例えばハンド座標系のZ軸:図10に相当)廻りに回動させる。これにより、もしボス52と穴42がまだ係合していなければ、図7(a)−>図7(b)のように、上部リング3の回動に伴いボス52が上部リング3の外周下面に沿って滑動する。そして、最終的に穴42の位置と整合した時点で図7(b)のように穴42中にボス52が入り込んで所期の嵌合状態が形成される。
以上のような動作において、例えばボス51と穴41を係合させる段階で、これら部品の寸法や形状に精度が出ていない(製品要因)か、またはロボットアーム8の位置姿勢の制御に充分な精度が出ていない(装置要因)、といった問題があったとする。その場合、力覚センサ9で検出されるハンド10の中心軸(例えばハンド座標系のZ軸:図10に相当)に沿った方向の組み立て負荷は、正常な値(例えば後述の図3のL0)の範囲を逸脱することになる。
また、ボス52と穴42の係合構造が設けられている場合も、上記の製品要因ないし装置要因による精度不良が存在すれば、図7(a)〜(b)のように上部リング3を回動させる時にも力覚センサ9の出力値は正常範囲を逸脱する可能性がある。
例えば、図8のハンド爪11、11の把持部7、7は、繰り返し使用されることによって摩耗ないし変形といった経時変化を生じることがある。このような経時変化によって、例えば図7(a)〜(b)のように上部リング3を回動させる時にハンド爪11、11と上部リング3の間に滑りが生じる可能性がある。そして、この場合には、ハンド爪11、11に対する上部リング3の把持力が減少してハンド爪が空転や滑りを生じ、所期の上部リング3の回動が行われないためにボス52と穴42の係合がいつまでも完成しない状態となる可能性がある。その場合、力覚センサ9で検出されるハンド10の中心軸(例えばハンド座標系のZ軸:図10に相当)廻りの組み立て負荷は、正常な値(例えば後述の図3のL0)の範囲を逸脱する可能性がある。
図5〜図8に示したような簡略な嵌合構造においても、力覚センサ9を介して、組み付け動作が正常か否かを判断できる可能性がある。この力覚センサ9を介して検出される事象は、より詳細には、部品の寸法や形状に精度が出ていない(製品要因)か、またはロボットアーム8の位置姿勢の制御に充分な精度が出ていない(装置要因)か、のいずれかに起因する。これらの要因を弁別するため、本実施例では後述のような生産制御を行う。
なお、以下の制御例では、力覚センサ9で検出する負荷(力)は、図5〜図8で説明したようなハンド10の中心軸(例えばハンド座標系のZ軸:図10に相当)に沿った、あるいはその軸廻りの負荷(力)であるものとする。以下では、力覚センサ9で検出する負荷の方向などについては、制御の本質とは直接関係しないため、詳細についてはいちいち言及しない。しかしながら、以下の制御では、力覚センサ9で検出する負荷(力)は、図5〜図8によって例示したものとは異なる軸に沿った(あるいはその軸廻りの)負荷(力)であってもよい。
図11(a)において、固定台13には、本体リング1と中間リング2が組立てられた状態で載置されている。以下では、ロボットアーム8により、本体リング1〜中間リング2の上に、さらに固定台12から取り出した上部リング3を嵌合させて製品を組み立てる生産制御を例に説明する。ただし、本体リング1と中間リング2の組み立てにおいても、下記の上部リング3の組み付けと同様の制御を行うことができるのはいうまでもない。
この時、本体リング1、中間リング2、上部リング3の各部品(ワーク)が正常品である、例えば各部の寸法や形状が所期の精度範囲で正しく構成されており、ロボットアーム8の動作が正常な場合は力覚センサ9で検出される組立負荷も正常となる。
ところが、デザインが同一であるが異なる個体の部品(1〜3)を、順次ロボットアーム8に繰り返し組み立てさせる通常生産工程においては、時に正常品でない部品、例えば嵌合部位の寸法精度が所期の範囲から逸脱している部品が含まれている場合がある。また、ロボットアーム8(ロボット装置)の側でも、稼働に伴う経年劣化や損傷が生じる可能性があり、組み立て中の位置姿勢は例えば制御装置20が教示データによって指令した異なるものとなる可能性がある。そして、これらいずれの場合にも、組み立て異常が生じることになる。ここで、上記の組み立て異常の要因のうち、前者は製品(部品)要因、後者は装置要因である。
そして、上記の製品(部品)要因および装置要因のいずれの場合にも、組み立て異常が生じる。特に、力覚センサ9から検出される負荷値は、要因が上記のいずれであるかによって様相が異る場合もあるが、例えば正常品を正常な状態のロボットアーム8で扱った場合の正常範囲に収まらない異常な値となる。例えば、部品の寸法精度が正しくないか、ロボットアーム8の繰返し位置決め精度が劣化していれば、位置のズレが生じて、中間リング2と上部リング3の嵌合摩擦や抵抗が変化する。
制御装置20は、ロボットアーム8の動作中、力覚センサ9の出力を監視する。例えば、制御装置20は、ロボットアーム8の動作中に収集したセンサ出力やエンコーダ出力を外部記憶装置204やRAM203にログ領域として配置したデータ収集部25に記録する。このロギングは、教示点から教示点への移動ごとに、あるいはクロックパルスなどに同期した一定の時間間隔で行われる。このロギングされるデータには、力覚センサ9の出力する負荷値の他、ロボットアーム8の各部に配置された他のセンサ類や関節角度を検出するエンコーダなどの出力データも含まれる。
制御装置20は、特に力覚センサ9の出力する負荷(あるいはトルク)の信号レベル(負荷値)を例えば図2の表図に示すようなレベル区分によって評価することができる。図2では、正常レベルN、警報(警告)レベルW、異常(エラー)レベルEの3区分が用いられている。また、図2の右側にはそれぞれの信号分類(レベル範囲)において制御装置20が(の主導により)実施すべき保全処理の内容を記してある。
図2の信号分類(レベル範囲)に対する保全処理の割り当ては、正常レベルN(正常範囲)Nでは保全不要(特に保全を実施しない)、警報(警告)レベルWでは予知保全、異常(エラー)レベルEでは事後保全を割り当ててある。これらの保全内容は、例えば表示や音声出力によってユーザ(管理者)に報知することができる。また、これらの保全報知内容に応じて、下記のようにユーザ(管理者)が実施すべき保全作業は取扱説明書や管理規約に予め記載するなどしておく。
例えば上記のうち、事後保全(異常レベルE)は、負荷値から明瞭な組み立て失敗、あるいは機構や製品(部品)の破損を想定して、異常動作の「事後」に行う保全処理に相当する。事後保全(異常レベルE)が報知された場合、ユーザ(管理者)は、少なくとも製品(部品)およびロボットアーム8の状態を確認し、それら損傷などがあれば現場の片付けや清掃、を行い、さらに組み立て異常の原因の検証などを実行する。
警報(警告)レベルWでは、ユーザ(管理者)が予知保全作業を行うのを基本とする。例えば、警報(警告)レベルWの保全報知が生じた場合は、ユーザ(管理者)は必要に応じて目視などにより組み立て動作状況を確認すべきことを取扱説明書や管理規約に予め記載するなどしておくことができる。
しかしながら、後述の生産制御例においては、警報(警告)レベルWが生じた場合、その度合に応じて後述の動作確認モードを実行する。後述のように、動作確認モードは、予知保全、または事後保全のいずれを行うべきかをユーザに通知することができるよう構成されている。
また、後述の動作確認モードは、例えば1度でも警報(警告)レベルWが生じた場合に行うよう制御することができる。また、警報(警告)レベルWが生じた場合、データ収集部25に記録されているデータのその回数や頻度、分散や標準偏差(バラツキ)などの統計量に応じて、動作確認モード(後述)に移行するよう制御することもできる。
図3は、特定の部品の組み立てに関して力覚センサ9の出力値を評価するための正常レベルN、警報(警告)レベルW、異常(エラー)レベルEのレベル範囲の一例を模式的に示している。図3の縦軸は力覚センサ9の出力する負荷値、横軸は例えば時間軸を示している。
ここで、例えば最も単純な例として、力覚センサ9が図11(a)のZ軸(上下)方向の組み立て負荷を検出するものとする。この場合でも、例えばロボットアーム8によって把持した上部リング3を下降させ中間リング2に対して嵌合させる時、上記の製品(部品)要因ないし装置要因によって、力覚センサ9の検出する組み立て負荷は変動する。
正常レベルN、警報(警告)レベルW、異常(エラー)レベルEは、ロボットアーム8の構成、および組み立てられる製品(部品)に応じて各レベルを区分するしきい値を設定することによって予め決定しておく。この各信号レベルを区分するしきい値は、例えば外部記憶装置204やROM202に記録しておくことができる。例えば、予め正常品を用いて、正常な状態のロボットアーム8で組み立てを行った場合に得た正常負荷値L0の上下の適当なレベルにしきい値を配置して正常レベルNの範囲(正常範囲)を設定しておく。また、警報(警告)レベルWはその外側の範囲、さらにその外側の範囲に異常(エラー)レベルEの範囲をしきい値設定しておく。警報(警告)レベルWと異常(エラー)レベルEを区分するしきい値には、例えば、その値を超えるとロボットアーム8の機構や部品が損傷するような(あるいはそれに近い)負荷値を用いることができる。
図3では、事例C11、C12、C13の3つの事例を示してある。図中の各ドットは、力覚センサ9から出力された負荷値のプロットを示しており、ここでは各事例につき数個の製品の組み立て分に相当する力覚センサ9の出力値を図示してある。
事例C11の場合は、力覚センサ9の負荷値(負荷信号レベル)は、正常負荷値L0を中心に正常レベルNの範囲に収まっている。また、事例C12の場合は、力覚センサ9の負荷値(負荷信号レベル)は、警報(警告)レベルWの範囲内ではあるが、正常レベルNと、警報(警告)レベルWの範囲に広く分布している。また、事例C13の場合は、力覚センサ9の負荷値(負荷信号レベル)は、正常レベルNの範囲を外れ、警報(警告)レベルWの範囲内に分布している。図2の保全処理の割り当てによれば、図3の例では、事例C11では正常な組み立てが続いており、警報(警告)や異常(エラー)は報知されることなく生産処理が続行されることになる。
これに対して、事例C12、C13では、いずれの場合も警報(警告)の放置が行われる。特に事例C12は信号のバラツキが大きく、製品要因と装置要因の切り分けが必要な状態に相当すると考えられる。また、事例C13は信号の再現性は高いが警報領域であり、製品要因か装置要因かは不明だが何らかの調整や調査を必要とする状態と考えられる。なお、本実施例では、警報(警告)レベルの範囲は、組立自体はほぼ正常に終了する(できる)範囲内に設定しておくものとする。これにより、警報(警告)レベルの報知が行われていても、組み立てられた製品は順次、正常品(良品)として搬出させることができる。
そこで、本実施例では、例えば図1(a)、(b)に示すような生産制御を行う。図1(a)は、制御装置20が、構造が同一であるが異なる個体の部品(上記の1〜3)を順次ロボットアーム8(ロボット装置)に組み立てさせる通常生産(モード)工程の制御を示している。
また、図1(b) は、制御装置20が組み付け精度の確認された確認用部品を用いて、力覚センサ9の出力を記録しつつ、ロボットアーム8(ロボット装置)に複数回の組み立てを行わせる動作確認工程(モード)の制御を示している。図1(b)の動作確認工程(モード)では、確認用部品を用いた複数回の組み立て動作についてそれぞれ記録された力覚センサ9の出力変化の評価結果に基づき、ロボットアーム8(ロボット装置)の異常を検出する。
例えば、図1(a)の通常生産(モード)工程において、力覚センサ9の出力が正常範囲を逸脱した場合に図1(b)の動作確認工程(モード)に移行してロボットアーム8(ロボット装置)の異常検出を行うことができる。図1(b)の動作確認工程(モード)では、その結果に応じて、通常生産工程に復帰したり、予知保全、または事後保全のいずれを行うべきかをユーザに通知することができる。
図1(a)、(b)の制御手順は、例えば制御装置20のCPU201により実行される生産制御プログラムとして実装することができる。この生産制御プログラムは、ROM202(あるいは外部記憶装置204)に予め格納しておく。
ただし、図1(a)、(b)の制御手順は、制御装置20より上位の生産管理端末(不図示)などによって実行されるものであってもよい。その場合、上位の生産管理端末と制御装置20が、必要な情報をネットワークなどを介して送受信する。例えば、上位の生産管理端末で力覚センサ9の出力値を評価する場合には、当然ながら制御装置20から生産管理端末へ力覚センサ9の出力値を送信する。力覚センサ9の出力値の送受信を行う間隔などは任意である。生産管理端末と制御装置20で図1(a)、(b)の制御工程を実行する場合には、各工程の任意の部分は生産管理端末と制御装置20のいずれかによって実施される。以下では図1(a)、(b)の制御工程は、制御装置20のCPU201により実行されるものとして説明する。
図1(a)の通常生産モードの制御においては、制御装置20のCPU201は、予め用意した制御(教示)データ(不図示)に従ってロボットアーム8を動作させる。これにより上述の本体リング1、中間リング2、上部リング3などから製品を組み立てる。この通常生産工程で実際にロボットアーム8を制御する処理は公知と同様であるため、その詳細の図示は省略している。
この通常生産工程では、デザインが同一であるが異なる個体の部品(1〜3)を、順次ロボットアーム8に連続的に組み立てさせる。その際、CPU201は、力覚センサ9の出力する負荷値を組立時の組立負荷として取得する(ステップS1)。取得した力覚センサ9の出力する負荷値は、データ収集部25に例えば適当なリスト形式やデータベース形式のデータフォーマットにより集積する。
ステップS2において、CPU201は、組み立て中に収集した組立負荷情報に対して、下記のような統計処理を行う。ステップS3では、この統計処理の結果、力覚センサ9から組み立て中に収集した出力の変化を評価することができる。そして、力覚センサ9の出力変化の評価結果に応じて、必要であれば、ステップS4において図1(b)の動作確認(再現性確認)モードの処理を実施する。
具体的には、ステップS3の判定は、動作確認モード(工程)の処理を実施するかを、ステップS2の統計処理により、力覚センサ9の出力変化を評価し、その評価結果に応じて動作確認モード(工程)処理を実施するか、否かを決定するためのものである。
ここで、ステップS2の統計処理と、動作確認(再現性確認)モードに移行するための判定基準につき説明する。動作確認(再現性確認)モードに移行するために用いる統計量として、単純な例では、正常レベルN(正常範囲)からの逸脱、例えば警報(警告)レベルWが発生した回数や頻度を用いることが考えられる。
なお、この基準は、警報(警告)レベルW以上、即ち、警報(警告)レベルWまたは異常(エラー)レベルEが発生した回数や頻度、としても良い。しかしながら、本実施例では異常(エラー)レベルEが発生した場合には、ユーザが上記の事後保全作業を行うような作業規約やワークフローの設定を行うものとする。そして、動作確認(再現性確認)モードに移行する条件としては、例えば警報(警告)レベルWが発生した回数や頻度を用いる。
図4は、本ロボットシステムにおいて、1〜10周(サイクル、ないしはロット)の製品組立て(横軸)を実行した場合において、力覚センサ9の出力値に関して発生した信号頻度(縦軸)の分布を示している。図4では、正常レベルN、警報(警告)レベルW、異常(エラー)レベルEに分類された信号頻度(縦軸)の分布を示している。この例では、各周(サイクル)の組立において例えば500個の製品を組み立てており、正常レベルNはそれに相当する数(500)発生している。また、この例では警報(警告)レベルW、異常(エラー)レベルEは累積値を示しており、1〜10周(サイクル)へと進むに従い、発生数が増加している。
図4の例では、警報(警告)レベルWは3周ないし4周の組み立てにおいて1個、さらに5、6周、7、8周、9、10周の組み立てにおいてさらに1個ずつ発生して10周までに総計4個発生している。また、異常(エラー)レベルEは、3、4周、5、6周、7、8周、9、10周でそれぞれ1個ずつ発生している。
例えば、図4の様に継続した生産期間で、警報(警告)レベルWが発生したか、あるいは警報(警告)レベルWの発生が増加傾向を示した場合に図1(b)の動作確認(再現性確認)モードに移行することが考えられる。要は、正常範囲からの逸脱(傾向)が現れている場合に、動作確認(再現性確認)が実施されるようにステップS3の統計量判定を行えばよい。
例えば、動作確認(再現性確認)モードに移行する統計基準として最も単純かつ厳格なものは、警報(警告)レベルWが1度でも発生したら動作確認(再現性確認)モードに移行するものである。また、その類型として、2ないし数度程度連続して警報(警告)レベルWが発生したら動作確認(再現性確認)モードに移行する基準も考えられる。
また、動作確認(再現性確認)モードに移行する統計基準としては、警報(警告)レベルWの発生頻度を用いることもできる。例えば、1周(サイクル、ないそロット)の製品組み立て中、1(ないし2個〜数個)の警報(警告)レベルWが発生した場合に動作確認(再現性確認)モードに移行する、といった基準である。
あるいは、動作確認(再現性確認)モードに移行する統計基準として、力覚センサ9の出力信号値、または警報(警告)レベルWの分散や標準偏差(バラツキ)などの統計量を用いるようにしてもよい。このように分散や標準偏差(バラツキ)などの統計量を用いることにより、例えばまばらに発生していた警報(警告)レベルWが近接して発生するようになってきた、といった事象に応じて動作確認(再現性確認)モードに移行することができる。例えば、警報(警告)レベルWの標準偏差を利用する場合は、直近(数)100回程度の力覚センサ9の出力信号の標準偏差を閾値と比較して判断するような判定基準が考えられる。
以上のようにして、ステップS3において、CPU201が動作確認(再現性確認)モードに移行すべきと判定した場合にステップS4に移行し、図1(b)の動作確認(再現性確認)工程の制御を実施する。
警報(警告)レベルWの発生は、例えば上述の図3の事例C12やC13のような態様で発生する。上述のような適当な移行判定基準によって、事例C12やC13のような態様で警報(警告)レベルWが発生すると、図1(b)の動作確認(再現性確認)工程の制御を実施する。ここで、事例C12やC13のように警報(警告)レベルWが発生している場合、上述のようにいずれもその原因は、製品要因であるか装置要因であるかは特定できない。
そこで、図1(b)の動作確認(再現性確認)工程は、次のような第1の工程(図1(b)のA:ステップS5〜S7)および第2の工程(図1(b)のB:ステップS8〜S15)によって構成する。
このうち、第1の工程(図1(b)のA:ステップS5〜S7)では、制御装置20は、組み付け精度の確認された確認用部品を用いて、力覚センサ9の出力を記録しつつ、ロボットアーム8に複数回の組み立て動作を行わせる。
また、第2の工程(図1(b)のB:ステップS8〜S15)では、制御装置20は、第1の工程の複数回の組み立て動作についてそれぞれ記録された力覚センサ9の出力変化の評価結果に基づき、ロボットアーム8(ロボット装置)の異常を検出する。
特に、図1(b)のステップS7において、CPU201は、ロボットアーム8に組み付け精度の確認された確認用部品を用いて、力覚センサ9の出力を記録、監視しつつ、ロボットアーム8に複数(n)回の組み立て動作を行わせる。この確認用部品は、予め特別に選別し、確保しておいた特別な部品であってもよい。
しかしながら、本実施例では、ステップS7に先立つステップS5で、例えば通常ロットの部品(上述のリング(1〜3))で組み立てを行い、ステップS6でその際の力覚センサ9の出力が正常レベルN(正常範囲)にあるか否かを確認している。即ち、ステップS5およびS6は、例えば通常ロットの部品(上述のリング(1〜3))から、ステップS7以降の動作(再現性)確認に使用可能な確認用部品を選別する処理である。
このように、例えば通常ロットの部品から、動作(再現性)確認に使用可能な確認用部品を選別する方式によれば、特別な確認用部品(あるいは治具、ゲージなど)を確保しておく必要がない、という利点がある。例えば、ステップS7以降の動作(再現性)確認のための確認用部品(あるいは治具、ゲージなど)の準備や、精度検査に伴う生産停止が不要となる。しかも、通常ロットの部品から、動作(再現性)確認に使用可能な確認用部品を選別する方式によれば、後述の通りステップS7以降の動作(再現性)確認で正常組み立てが確認された製品は正常品(良品)として搬出(出荷)することもできる。
このように、特別な確認用部品(あるいは治具、ゲージなど)を用いなければ、コスト高になりがちな確認用部品(あるいは治具、ゲージなど)の必要数を削減できる。また、特別な確認用部品(あるいは治具、ゲージなど)と部品(ワーク)との表面性状差異による摩擦特性、重量差異による慣性差異に伴うロボットの静的、動的精度変化などの差異分析や検討作業も削減できる。また、確認用部品として保存しておくための保全在庫品の削減が可能である。そして、後述のように動作確認工程においては、ロボットアーム8の機構の状態に応じて警報(警告)レベルWや異常(エラー)レベルEを発生、通知できるため、予知保全と事後保全の切り分けが容易になり、保全作業のマニュアル化が容易となる。このため、保全作業全体が容易になり、保全スキル要員の確保が容易になり、保全の計画精度向上により生産停止リスクが大幅に低減する利点がある。以上のように、本実施例の生産制御によれば、生産ラインの運用コスト全体を低減できる利点がある。
なお、図1(b)は、ステップS6が否定された場合には、力覚センサ9の出力が正常範囲となるまで、単にステップS5にループするように図示してある。例えば警報(警告)レベルWの組み立ての場合はステップS5に繰り返しループする。図示のステップS5、S6のような手順でも、動作確認モードに移行するための警報(警告)レベルWの頻度やバラツキの基準を問題が軽微なうちに動作確認モードに移行するよう設定してあれば、大抵は確認用部品を選別することができると考えられる。しかし、この段階でも異常(エラー)レベルEが発生する確率は0とは言えない。
また、警報(警告)レベルWの発生によって、ステップS5への無限ループが生じる可能性もある。このため、ステップS6では力覚センサ9の出力レベルに応じて、後述のステップS12、S13と同様にユーザ(管理者)に対して、警報(警告)レベルW、ないし異常(エラー)レベルEの発生を通知するのが望ましい。ステップS6において、このような通知を行うことにより、ユーザ(管理者)は、ロボットシステムを停止させて予知保全作業を行う(警報(警告)レベルの場合)か、あるいは事後保全作業を行う(異常(エラー)レベルの場合)のかを判断することができる。
ここで、組み付け精度の確認された確認用部品を用いるのは、上記の製品要因、例えば部品の寸法精度などの条件を除去して、装置要因の問題の有無を確認するためである。即ち、ステップS7の確認用部品を用いた組み立ては、製品要因と装置要因と切り分けるためのものである。
なお、ステップS5、S6を実施せず、ステップS7で用いる確認用部品は、予め(例えばロボットアーム8で取り出して用いることができるような特定位置に)用意した特別な部品であってもよい。このように特別に用意する確認用部品としては、予め製品組立に関係のある部位の寸法や精度を測定した確認済みの部品が考えられる。より厳密には、さらに力覚センサ9によって正常範囲(正常レベルN)の負荷信号が得られたことを予め確認した部品を確認用部品として用いることが考えられる。
例えば、生産開始前に力覚センサ9の組立負荷を取得して、上述の正常レベルN、警報(警告)レベルW、異常(エラー)レベルEを区分するしきい値を決定する必要があるが、確認用部品はこの段階で得ることができる。この確認用部品ないしそれにより組み立てられた製品は、(問題のないロボットアーム8で組み立てれば)正常に組み立てできることが予め確認されたものであって、その意味では、この正常範囲内の組立品は「正常品」であると言える。
ステップS7でロボットアーム8に複数(n)回の組み立て動作を行わせる制御は、前述同様に力覚センサ9の出力を記録、監視しつつ行う。このステップS7は、第1の工程(図1(b)のA)の主要部を構成する。
続いて、ステップS8〜S15において、第2の工程(図1(b)のB)、即ち、第1の工程の複数(n)回の組み立て動作についてそれぞれ記録された力覚センサ9の出力変化を評価する。この出力変化の評価結果に基づき、ロボットアーム8(ロボット装置)の異常を検出することができる。
力覚センサ9の出力変化の評価は、例えばステップS8、S11のような判定ステップにより構成できる。ステップS8、S11では、上述の通り本ロボットシステムにおける当該の製品組み立てについて予め設定した正常レベルN、警報(警告)レベルW、異常(エラー)レベルEの信号分類を利用している。
例えば、ステップS8では、第1の工程の複数(n)回の組み立て動作についてそれぞれ記録された力覚センサ9の出力が(全て)正常レベルN(正常範囲)内か否かを判定している。ここで、ステップS8が肯定された場合には、ステップS7の確認用部品を用いた複数(n)回の組み立てが全て正常組み立てであったことが確認されたことになる。この場合は、正常組み立てが複数(n)回、再現できた、即ち、正常組み立ての再現性を確認できているため、ユーザ(管理者)にその旨を通知した上、ステップS10で図11(a)の通常生産工程に復帰する。この場合は、確認用部品を用いており、組み立ても正常であるから、ロボットアーム8にも製品要因に該当する問題が存在しないことが確認できているため、通常生産工程に復帰してよい。また、この場合は、動作確認に入る前に生じた(動作確認の契機となった)警報(警告)レベルWの信号レベルは、製品(部品)要因によって生じた、と考えることもできる。
ステップS8が否定されるのは、ステップS7の確認用部品を用いた複数(n)回の組み立てにおいて、警報(警告)レベルW以上の信号が力覚センサ9から出力された場合である。この場合はステップS11において、ステップS7の確認用部品を用いた複数(n)回の組み立てにおいて、記録された力覚センサ9の出力が(全て)警報(警告)レベルW内か否かを判定する。
ステップS11が肯定された場合には、ステップS7の確認用部品を用いた複数(n)回の組み立てにおいて、少なくとも1度以上、警報(警告)レベルW以上の信号が出力されていることになる。この場合、確認用部品を用いた複数(n)回の正常組み立ての再現性は確認できておらず、例えばロボットアーム8に装置要因の相当する問題が存在する可能性が高い。この場合は、複数(n)回の組み立てを通して、警報(警告)レベルW、即ち、ユーザによる予知保全(図2)を行うべき事象が発生していることが確認された考えることができる。
この場合には、ステップS12で、動作確認の結果が警報(警告)レベルW、即ち、ユーザによる予知保全(図2)を行うべき事象に相当する旨を通知する。その後、ステップS14において、ユーザによる予知保全作業を行わせることができる。このような警報(警告)レベルの通知によって、ユーザ(管理者)は、(致命的な)異常が発生する前に、適当な予知保全作業、即ち、定期保全時の確認調査、スキル要員の確保、損傷予想部品の手配などの準備をしかるべく実行することができる。
ステップS11が否定される場合は、ステップS7の確認用部品を用いた複数(n)回の組み立てにおいて、異常(エラー)レベルEの信号が(少なくとも1度)出力されたことを意味する。確認用部品を用いた複数(n)回の組み立てにおいて正常組み立ての再現性を確認できていないばかりか、深刻な組み立て異常が発生してしまったことになる。この場合は、ステップS13で組み立て異常の発生を通知する。この場合には、ステップS7で確認用部品を用いているため、ロボットアーム8の機構に問題がある、と考えてよい。そして、その後、ステップS15において、ユーザ(管理者)による事後保全作業が行われる。
図9は、図11(a)(通常生産工程:P)に続いて、図11(b)(動作確認工程:Q)を行った4つの事例C1〜C4を示している。図中の「○」、「△」、「×」はそれぞれ正常レベルN、警報(警告)レベルW、異常(エラー)レベルEの発生に相当する。同図の横方向は生産順序に相当し、1〜6の数字は例えば1製品の生産に相当する。
図9の4つの事例C1〜C4では、いずれも通常生産工程Pの3回目の生産で「△」(警報(警告)レベルW)が生じたことにより、動作確認工程Qが開始されている。以上では、警報(警告)レベルWの頻度やバラツキの評価により、動作確認工程Qを開始するよう説明したが、このように1回(例えば1回中で1回の頻度)の警報(警告)レベルWの発生に基き動作確認工程Qを開始するよう制御してもよい。
図9の動作確認工程Qでは、4回目、5回目、6回目の3回(n=3)、(同一の)確認用部品を用いた組み立てを行っている。この時用いる確認用部品に関しては、図9ではその詳細を省略しているが、前述のように予め選別した確認用部品を用いる場合と、例えば4回目の組み立てで正常組み立てと判断された部品(例えば事例C1とC2)を繰り返し用いる場合が考えられる。
事例C1では、動作確認工程Qが最後の6回目まで続けられている。特に事例C1では、力覚センサ9の出力値を介して4〜6回の全ての組み立てが正常であったことが確認されている。この場合には、寸法精度を確認済みの確認用部品を用いているため、装置要因に相当するロボットアーム8側の問題は認められなかった、と判断できる。同時に、この事例C1で、通常生産工程P(3回目)において発生した警告は、例えばたまたま寸法精度が適切ではない部品を用いること(製品要因)によって発生したものである、と判断できる。この場合は、動作確認工程Qの後、保全作業などを行うことなく、通常生産工程(P)に復帰してよい。
また、ここで通常のラインで流れてくる部品の組立時の力覚センサ9の出力値を介して確認用部品を選別する(図1(b)のステップS5〜S7)のような方式を用いるとする。その場合には、図9の動作確認工程Qで組み立てた製品は異常(エラー)レベルEを生じていない限り正常品(良品)としてラインから搬出してもよい。
事例C2、C3では「△」(警報(警告)レベルW)が生じている。事例C2では5回目でのみ、また、事例C3の場合は4回目と5回目で連続して「△」(警報(警告)レベルW)が生じている。「△」(警報(警告)レベルW)の発生は、ユーザ(管理者)に通知(図1(b)ステップS12)することができ、ユーザ(管理者)は、自己の判断によって本ロボットシステムの動作を停止させて上述の予知保全作業を行うか否かを決定してよい。ここでは、事例C2の場合、ユーザ(管理者)はロボットシステムの動作を停止させずに動作確認工程Qを最後まで実行させている。一方、事例C3は、4回目、5回目の生産で「△」(警報(警告)レベルW)が連続して起きているため、ユーザ(管理者)はロボットシステムの動作を停止させて、予知保全作業に移行すべき、と判断した例である。
事例C2、C3の場合は、確認用部品を用いても警報(警告)レベルWの組み立てとなっているため、ロボットアーム8の側の要因(装置要因)が疑われる。このため、ロボットシステムを停止させて、ロボットアーム8の点検やテスト動作を含む予知保全作業を行うことにより、ロボットシステムを速やかに正常な状態に復旧することができる。
事例C4の場合は、動作確認工程Qの初回、4回目の組み立てで異常(エラー)レベルEが発生している。この事例C4は、予め用意した確認用部品による組み立て、または確認用部品の選別(図1(b)ステップS5〜S6)において、異常(エラー)レベルEが発生していることを意味する。このため、ユーザ(管理者)は通知(図1(b)ステップS13)に応じて、事後保全作業を行うべく、動作確認工程Qを停止させている。
本実施例の生産制御(通常生産工程および動作確認工程)は、例えば図9のように利用することができる。本実施例における動作確認工程では、上述のように形状や寸法精度の確認された同一の確認用部品を用いて複数(n)回の組み立てを行う。そして、この動作確認工程では、ロボットアーム8の力覚センサ9の出力を介して組み立ての再現性を評価する。その結果、再現性が確認できなかった場合は、装置の繰返し性や再現性が機能低下していると判断して、この内容をユーザーに通知して予知保全を実施する。
例えば、経年変化によって、ロボットアーム8の繰返し位置決め精度は劣化する。これによってロボットアーム8の位置姿勢制御にズレが生じている場合には、上記のような中間リング2、上部リング3の部品では、嵌合摩擦や抵抗が変化し、当然ながら力覚センサ9の出力値が変化する。従って、通常生産工程、および動作確認工程において、力覚センサ9の出力値を正常品の閾値条件(例えば図3のL0)と比較することにより、該出力値が正常レベルN、警報(警告)レベルW、異常(エラー)レベルEのいずれに該当するかを判断できる。なお、この力覚センサ9の出力値の変化は、装置劣化や損傷の個所や程度により異なるが、図10に示したような座標軸に沿う、あるいはこれらの軸廻りのアライメント方向のいずれかにズレが生じていると推定できる。
そして、本実施例では、通常生産工程において、例えば、警報(警告)レベルWが生じた場合、その回数や統計量(頻度やバラツキ:分散、標準偏差など)に応じて動作確認工程に移行する。本実施例の動作確認工程では、形状や寸法精度の確認されたデザインの確認用部品を用いて複数(n)回の組み立てを行い、その際の組み立ての再現性を評価する。これにより、製品要因を切り離し、装置要因(のみ)を評価することができる。例えば、製品要因による警報信号出力の場合では、装置が正常であれば製品要因と特定できるが、製品要因と装置要因が重なる場合には、どちらに問題があるか切り分けが出来ないために装置異常の特定も出来ない。本実施例の動作確認工程では、製品要因を除外するために、形状や寸法精度の確認された同一の確認用部品を用いて複数(n)回の組み立てを行うため、製品要因を除外して装置要因の有無を確実に特定することができる。
1…本体リング、2…中間リング、3…上部リング、8…ロボットアーム、9…力覚センサ、10…ハンド、11…ハンド爪、12、13…固定台、20…制御部。

Claims (11)

  1. 部品の組み立て行うロボット装置の所定部位に働く負荷を検出する力センサの出力値を介して前記ロボット装置の異常を検出する異常検出方法において、
    制御装置が、組み付け精度の確認された確認用部品を用いて、前記力センサの出力を記録しつつ、前記ロボット装置に複数回の組み立て動作を行わせる第1の工程と、
    前記制御装置が、前記第1の工程で前記複数回の組み立て動作についてそれぞれ記録された前記力センサの出力変化の評価結果に基づき、前記ロボット装置の異常を検出する第2の工程と、
    を含むことを特徴とする異常検出方法。
  2. 請求項1に記載の異常検出方法において、前記確認用部品はデザインが同一の部品であることを特徴とする異常検出方法。
  3. 請求項2に記載の異常検出方法において、前記確認用部品は、前記制御装置が、前記ロボット装置に前記部品を組み立てさせ、その際、前記力センサの出力を介して正常な組み立てを確認した当該の部品であることを特徴とする異常検出方法。
  4. 請求項1から3のいずれか1項に記載の異常検出方法において、前記制御装置が、前記第2の工程において、前記第1の工程で記録した前記力センサの出力値が所定のしきい値を逸脱した頻度を介して前記力センサの出力変化を評価することを特徴とする異常検出方法。
  5. 請求項1から3のいずれか1項に記載の異常検出方法において、前記制御装置が、前記第2の工程において、前記第1の工程で記録した前記力センサの出力値の分散または標準偏差を介して前記力センサの出力変化を評価することを特徴とする異常検出方法。
  6. 請求項1から5のいずれか1項に記載の制御装置およびロボット装置を用いた生産制御方法において、
    前記制御装置が、前記力センサの出力を監視しつつ、デザインが同一であるが異なる個体の部品を前記ロボット装置に連続的に組み立てさせる通常生産工程と、
    前記制御装置が、前記通常生産工程における前記力センサの出力が正常範囲を逸脱した場合に、前記第1および第2の工程を実行して前記ロボット装置の動作確認を行う動作確認工程と、
    を含むことを特徴とする生産制御方法。
  7. 請求項6に記載の生産制御方法において、前記制御装置が、前記通常生産工程において前記力センサの出力が正常範囲を逸脱した場合にその旨の通知情報を出力する通知情報出力工程を含むことを特徴とする生産制御方法。
  8. 請求項6または7に記載の生産制御方法において、前記制御装置が、前記動作確認工程における前記ロボット装置の動作確認の結果を出力する情報出力工程を含むことを特徴とする生産制御方法。
  9. 請求項1から8のいずれか1項に記載の制御装置に前記第1および第2の工程を実行させるための制御プログラム。
  10. 請求項9に記載の制御プログラムを格納したことを特徴とするコンピュータ読み取り可能な記録媒体。
  11. 請求項1から4のいずれか1項に記載の制御装置およびロボット装置を備えたことを特徴とするロボットシステム。
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