JP6842660B2 - 基材、塗布方法及び塗布装置 - Google Patents
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Description
前記のようなスリットコータの中でも、毛細管現象(表面張力)によって塗布液をスリットから引き出すことで基材に塗布液を塗布する塗布装置が知られている(例えば特許文献1)。この塗布装置では、図13に示すように、スリット98から吐出させる塗布液が基材90に接触することで、塗布器99の先端97と基材90との間に塗布液のビード96が形成され、更に、前記相対移動に伴って、毛細管現象によってスリット98から塗布液が引き出され、基材90に塗布液が塗布される。このような形態の塗布はキャピラリ塗布と呼ばれる。
これは次の理由による。すなわち、最初に塗布器99から塗布液が吐出されると基材90上に液付き領域Nが形成される。この形成された液付き領域Nから、塗布器99の進行方向前方に位置する親液部K1に対しては塗布液が引き出され塗膜が形成されるが、液付き領域Nを横方向に超えて位置する親液部K1には、液付き領域Nを超えた親液領域K1の間に撥液部K2が存在しているため、その撥液部K2でビードが途切れ、塗膜が形成されない現象が生じる。
そこで、本発明は、前記のような基材であっても、横方向両側の範囲に存在する親液部に対しても塗布液を広げて塗布することを目的とする。
この基材によれば、被塗布領域の縁領域に形成されている液付き拡幅領域に塗布液のビードが形成され、基材と塗布器とを縦方向に相対移動させて塗布を進めることで、横方向両側の範囲に存在する親液部に対しても塗布液を広げて塗布することが可能となる。なお、前記「塗布の対象とされない領域」は、撥液部としたり、親液部よりも凹んだ部分としたりすることができる。
この塗布方法によれば、基材の横方向両側の範囲に存在する親液部に対して塗布液を広げて塗布することが可能となる。
この塗布装置によれば、基材の横方向両側の範囲に存在する親液部に対しても塗布液を広げて塗布することが可能となる。
図1は、塗布装置(スリットコータ)5の全体構成を説明する概略図である。この塗布装置5は、基材7に対して塗布液を供給して基材7の表面に対して部分的にかつ一括して塗膜を形成するための装置である。基材7は、ロールトゥロールで送られる帯状の薄い部材であってもよいが、本実施形態では、枚葉状の薄い部材(基板)としている。なお、基材7を枚葉状とする場合、その輪郭形状は、後にも例示するが、円形であってもよく、矩形であってもよく、又は、その他の形状であってもよい。
塗布装置5は、塗布器10の他に、基材7と塗布器10とを相対的に移動させる移動手段20と、塗布器10に塗布液を供給可能とする供給手段40とを備えている。本実施形態の供給手段40は、後にも説明するが、塗布器10内の塗布液の圧力を調整する圧力付与手段としての機能も備えている。更に、塗布装置5は、各種制御を行うコンピュータからなる制御装置50と、塗布器10内の塗布液の圧力を計測するための圧力センサ60とを備えている。
また、本実施形態では、基材7に対して開口11から塗布液が下向きに吐出される。後述する塗布動作の際、溜め部13、スリット12は、塗布液で満たされた状態(つまり、充満状態)となる。
移動手段20は、装置基台6に設けられているレール21、このレール21に沿って水平方向に移動する可動ブロック22、及び、可動ブロック22を移動させるリニアアクチュエータ23を備えている。そして、塗布器10は可動ブロック22に搭載されている。この移動手段20により、固定状態にあるステージ9上の基材7に対して、塗布器10が水平方向に移動可能となる。なお、移動手段20は、塗布器10と基材7とを、前記一方向(スリット12の長手方向)に交差(直交)する方向に相対移動させる構成であればよく、図示しないが、固定状態にある塗布器10に対してステージ9(基材7)を移動させる構成であってもよい。また、移動手段20は、塗布器10を上下方向に移動させる昇降アクチュエータ24を備えている。これにより、基材7に対する塗布器10(開口11)の高さを変更することが可能である。移動手段20は、制御装置50によって制御され、所定の速度(具体的には一定速度)で塗布器10を水平方向に移動させることができる。
圧力調整器42は、レギュレータからなり、タンク41の塗布液に作用させる圧力を変化させる。圧力調整器42は、制御装置50によって制御され、タンク41の塗布液の圧力(内圧)を調整する。タンク41と塗布器10とは配管82を通じて接続されていることから、タンク41の塗布液の圧力を調整することで、塗布器10(溜め部13)の塗布液の圧力を所定の値に調整する(つまり制御する)ことができる。例えば、タンク41の塗布液の圧力(ゲージ圧)を負圧に調整することで、塗布器10(溜め部13)の塗布液の圧力(ゲージ圧)を負圧にする。
そして、後の塗布方法でも説明するが、前記移動手段20によって基材7と塗布器10とを、両者の隙間を一定に保ちつつ、相対移動させる際に、供給手段40は、塗布器10内の塗布液の圧力を調整する構成となっている。なお、本実施形態では、塗布動作の際、塗布器10内の塗布液の圧力は一定値に保たれるように調整される。この調整は、圧力センサ60の検出結果に基づいて行われる。
図2に示すように、基材7の被塗布領域8には、前記のとおり親液部K1と撥液部K2とが形成されている。更に説明すると、被塗布領域8には、塗布の対象となる複数の親液部K1が相互離れて縦方向及び横方向に広がって形成されており、親液部K1の間が塗布の対象とされない撥液部K2となっている。本実施形態では、複数の親液部K1が格子状に配置されているが、千鳥状となっていてもよく、また、雑然と配置されていてもよい。そして、被塗布領域8の縁領域Eに、親液性を有している液付き拡幅領域K3が形成されている。図2に示す基材7では、液付き拡幅領域K3は連続した環状に形成されている。親液部K1と液付き拡幅領域K3とで親液度は同じである。親液部K1と液付き拡幅領域K3とは離れて被塗布領域8に形成されている。
ここで、液付き拡幅領域K3とは、液付き領域を拡幅するための親液領域である。すなわち、塗布動作を開始する際に基材7に塗布液を吐出してビードを形成するが、このビードが形成された基材7に吐出された塗布領域が液付き領域であり、液付き拡幅領域K3は、その液付き領域を横方向に拡幅するための領域のことである。
図8の基材7では、液付き拡幅領域K3は半円形状を有している。
図9の基材7では、液付き拡幅領域K3は全体として円弧形状を有しているが、周方向に沿って間欠的となっている。
図10の基材7では、液付き拡幅領域K3は円弧形状を有しているが、周方向長さが半円よりも短く、液付き拡幅領域K3は横方向両側に離れて形成されており、これらの間に複数の親液部K1が介在している。つまり、被塗布領域8の縁領域Eに、二つの液付き拡幅領域K3と複数の親液部K1とが形成されている。
図11の基材7は矩形であり、被塗布領域8も矩形である。液付き拡幅領域K3は被塗布領域8の縁領域Eにおいて全周にわたって形成されている。液付き拡幅領域K3も矩形枠状となっている。
図12に示す基材7は多角形(凹多角形)であり、被塗布領域8も多角形(凹多角形)である。液付き拡幅領域K3は、被塗布領域8の縁領域Eの一部に形成されている。なお、図12に示す基材7は多角形(凹多角形)であり、これに対応して被塗布領域8も多角形(凹多角形)であるが、それ以外として、基材7は矩形であり、その上面に図12に示すような多角形(凹多角形)の被塗布領域8が設けられていてもよい。このように、本発明では、基材7の輪郭形状と被塗布領域8の輪郭形状とは異なっていてもよい。
図1に示す塗布装置5によって行われる塗布方法について説明する。
ステージ9上に載せた例えば図2に示す基材7に対して塗布器10の先端面18を接近させ、移動手段20によって塗布器10を移動させながら、この基材7に対して塗布液の塗布を行うが、この移動開始の前に、供給手段40は事前処理を行う。つまり、塗布装置5が行う塗布動作には、事前処理と、この事前処理の後に続けて行われる実塗布処理とが含まれる。
供給手段40は、塗布器10内の塗布液(溜め部13の塗布液)を正圧にした後、塗布器10内の塗布液(溜め部13の塗布液)を負圧にすることで、スリット12の塗布液2aを更に塗布器10内の溜め部13に引く力F1を生じさせるが、この引く力F1が、スリット12の塗布液2aを開口11(のエッジ)において表面張力により保持させる力(合力)F2と、バランスするように、塗布器10内の塗布液の圧力を調整する(事前処理)。
図6(A)に示すように、被塗布領域8の縁領域に形成されている液付き拡幅領域K3を塗布開始位置とする。すなわち、この塗布開始位置で基材7上に液付き領域が形成される。液付き領域には液付き拡幅領域K3が含まれるため、先端面18に形成されている液だまり2の塗布液は、液付き拡幅領域K3に接触する。この状態で塗布器10を移動させると、液付き拡幅領域K3は親液性を有することから、液付き拡幅領域K3に接触している塗布器10外の塗布液の表面張力が、塗布器10内での前記引く力F1よりも大きくなる。これはスリット12が開口する先端面18と基材7との間における塗布液の毛細管現象による。このため、前記バランスが崩れ、スリット12から液付き拡幅領域K3へ塗布液が引き出され、液付き拡幅領域K3に対して塗布される。
これは、塗布器10の先端面18で液だまり2の塗布液を保持する力(保持力)が、撥液部K2に塗布液が付着しようとする力(付着力)よりも大きいことに依る。本実施形態では、撥液部K2は高い撥液性を有していることから、前記付着力は負の値(斥力)となる。また、前記保持力には、先端面18における塗布液の表面張力の他に、前記引く力F1が含まれる。
しかし、本実施形態では、塗布器10内の塗布液の圧力が所定の値(前記バランスをとる値)に調整されていることから、このような塗布不良を防ぐことが可能となる。
また、これとは反対に、前記引く力F1が前記保持させる力F2よりも弱くなりすぎると、親液部K1への塗布液の供給が過多となってしまう。
一方向に細長い開口11に対向して、図4(B)に示すように基材7が存在する部分であってかつその基材7の親液部K1(液付き拡幅領域K3)に対しては、塗布液が塗布器10から供給される。これに対して、開口11に対向して、基材7が存在する部分であっても撥液部K2に対しては、塗布液が供給されず、また、図4(C)に示すように基材7の無い部分では塗布液の吐出がされない。なお、このように、撥液部K2に対して塗布液が供給されない場合であっても、また、図4(C)に示すように基材7の無い部分に対して塗布液の吐出がされない場合であっても、先端面18には液だまり2が形成された状態にある。
本実施形態の塗布動作は、下向きに開口するスリット12が形成されている塗布器10内の塗布液の圧力を、前記のように負圧に調整することで行われるため、例えば図2に示す基材7を塗布の対象とした場合、親液部K1(及び液付き拡幅領域K3)に対して塗布がされ、撥液部K2に対しては塗布がされず、また、余剰となる塗布液を塗布器10内に引き込むことができ、塗布液を無駄にすることがない。つまり、基材7の不要箇所(撥液部K2)に塗布液を与えず、塗布液の使用効率(歩留まり)の低下を防ぐことができる。
〔調整圧力〕:親液部K1上の液だまり2の塗布液はこの親液部K1に残留させ、かつ、撥液部K2上の液だまり2の塗布液は先端17にそのまま留まらせる圧力
そして、前記塗布動作の際、溜め部13の負圧によりスリット12の塗布液2aを更に塗布器10内に引く力F1が、スリット12の塗布液2aを開口11において表面張力により保持させる力F2と、バランスする圧力に、供給手段40が塗布器10内の塗布液(溜め部13の塗布液)の圧力を調整する。これにより、塗布器10の先端17において、スリット12の塗布液2aとこの先端17に付着する塗布液2bとが連続した状態で、液だまり2が形成される。
図14に示す従来例では、基材90と塗布器99とを縦方向に相対移動させると、基材90の一番目の列L1に含まれる(四つの)親液部K1が先ず塗布される。キャピラリ塗布の場合、前記相対移動が継続することで、二番目の列L2以降では、一番目の列L1と同数である中央の親液部K1に対して塗布は可能であるが、その横方向両側の範囲Q1,Q2に存在する親液部K1には、撥液部K2が介在することで塗布がされない。
これに対して、図2に示す基材7の場合、被塗布領域8の縁領域Eに、親液性を有している横方向に広い液付き拡幅領域K3が形成されている。このため、図2に示す状態から、基材7と塗布器10との相対移動が開始されると、液付き拡幅領域K3のうち、縦方向一方側(図2では下側)の部分領域P0に、先ず塗布液のビードが形成され(図6(A)参照)、部分領域P0に液付き領域が形成される。そして、基材7と塗布器10とを縦方向に相対移動させると、一番目の列L1に含まれる横方向中央の(四つの)親液部K1の塗布が行われる(図6(D)参照)。更に、この一番目の列L1の塗布の際、図2において、液付き拡幅領域K3の内の列L1に含まれる親液部K1の横方向隣りの部分領域P1にもビードが形成されて塗布が行われる。
相対移動が更に継続され、三番目の列L3では、横方向中央の(四つの)親液部K1はもちろん、ビードが形成された前記部分領域P2の縦方向に隣りの親液部K1−3にもビードが形成されて塗布が行われる。
このように、一番目の列L1の親液部K1、二番目の列L2の親液部K1、三番目の列L3の親液部K1・・・と塗布を進めると共に、液付き拡幅領域K3のうち、各列Ln(n=1,2,3・・・)の横方向両側における部分領域Pn(n=1,2,3・・・)にもビードが形成され続けるため、この部分領域Pnの塗布方向下流側に位置する親液部K1への塗布が可能となる。この結果、横方向両側の範囲Q1,Q2に存在する親液部K1に対しても塗布液を広げて塗布することが可能となる。
これに対して、図10に示す基材7の場合、被塗布領域8の縁領域Eには、液付き拡幅領域K3の他に、塗布の対象とする親液部K1も形成されていることから、前記塗布開始位置は、前記縁領域Eのうち親液性を有している親液部K1(及び液付き拡幅領域K3の一部)を含む領域となる。
前記各基材7では、塗布の対象となる領域(特定領域)を親液部K1とし、塗布の対象としない領域(非特定領域)を撥液部K2とする場合について説明したが、図7(A)に示すように、前記特定領域(親液部K1)は非特定領域K4と比べて塗布器10の先端17に近い位置にある領域であってもよい。そして、塗布動作の際、親液部K1は、塗布器10の先端面18に形成される液だまり2の一部と接触可能となる位置にあるが、非特定領域K4は、前記液だまり2と非接触となる位置にある(図7(C)参照)。つまり、親液部K1は、基材7のうちの凸となる部分(凸部)の表面であり、非特定領域K4は、凹となる部分(凹部)の表面である。これら表面の高さ寸法の差は、例えば500マイクロメートルである。なお、この基材7の場合、非特定領域K4は撥液性を有していなくて良く、親液性とすることができる。そして、非特定領域K4に対して塗布器10の先端17の液だまり2が非接触となる位置関係で、塗布器10と基材7とを離して相対移動させる。なお、このような凹凸を有する基材7を平面から見ると、前記各形態の基材7と同様であり、凹凸を有する基材7の場合においても、液付き拡幅領域K3が形成されている。液付き拡幅領域K3は、親液性を有しており、親液部K1と同じ平面上に形成されている。つまり、液付き拡幅領域K3も凸となる部分の表面となる。
図7(A)に示すように、基材7の液付き拡幅領域K3上を先端面18が通過する際、この先端面18に形成されている液だまり2の塗布液は、液付き拡幅領域K3に接触する。すると、液付き拡幅領域K3は親液性を有することから、液付き拡幅領域K3に接触している塗布器10外の塗布液の表面張力が、塗布器10内での前記引く力F1よりも大きくなる。これはスリット12が開口する先端面18と基材7との間における塗布液の毛細管現象による。このため、前記バランスが崩れ、スリット12から液付き拡幅領域K3へ塗布液が引き出され、液付き拡幅領域K3に対して塗布される。
本発明の基材7の用途として、例えば半導体ウエハ(シリコンウエハ)や電極基板等が挙げられるが、その他様々な用途に用いることが可能である。
また、前記のような塗布方法は、三次元集積回路の製造方法にも適用可能である。すなわち、三次元集積回路の製造では、基板やチップを積層状に組み立てるが、この際、基板やチップの位置決め及び仮接着が必要となり、この位置決め及び仮接着が、基板やチップ間の隙間に存在する水の吸着力によって行われている。そこで、基板やチップ等の基材に前記のような位置決め及び仮接着用の水を塗布するために、前記塗布方法を用いることができる。この場合、塗布液は水である。なお、三次元集積回路の製造方法への適用は一例であり、他の用途にも当然用いることができる。
今回開示した実施形態はすべての点で例示であって制限的なものではない。本発明の権利範囲は、上述の実施形態に限定されるものではなく、特許請求の範囲に記載された構成と均等の範囲内でのすべての変更が含まれる。
前記実施形態では、複数の親液部K1が整然と並んで縦方向及び横方向に広がって形成されている場合について説明したが、これ以外に、複数の親液部K1が雑然とした配置で縦方向及び横方向に広がって形成されていてもよい。
また、前記実施形態では、塗布器10の開口11から塗布液が吐出される方向は、下向きであるが、これに限らず、斜め下向きであってもよく、また、横向き(水平方向向き)、上向き、斜め上向きとする場合もある。
10:塗布器 11:開口 12:スリット
20:移動手段 40:供給手段 B1:幅
B2:間隔 E:縁領域 K1:親液部
K2:撥液部 K3:液付き拡幅領域 K9:欠損部
M:幅
Claims (7)
- 複数の親液部が相互に離れて縦方向及び横方向に形成され、当該親液部の間が塗布の対象とされない領域に形成された被塗布領域を有する基材であって、
前記被塗布領域の縁領域に、親液性を有し塗布液の液付きを促す液付き拡幅領域が少なくとも横方向に広がって形成されていて、
前記液付き拡幅領域は、前記親液部の全てを囲むように前記縁領域の全周に連続する環状となって形成されている、基材。 - 複数の親液部が相互に離れて縦方向及び横方向に形成され、当該親液部の間が塗布の対象とされない領域に形成された被塗布領域を有する基材であって、
前記被塗布領域の縁領域に、親液性を有し塗布液の液付きを促す液付き拡幅領域が少なくとも横方向に広がって形成されていて、
前記液付き拡幅領域は、横方向に間欠的となって広がって設けられており、当該液付き拡幅領域の欠損部の横方向の幅は、横方向に隣り合う前記親液部の間隔よりも狭い、基材。 - 複数の親液部が相互に離れて縦方向及び横方向に形成され、当該親液部の間が塗布の対象とされない領域に形成された被塗布領域を有する基材であって、
前記被塗布領域の縁領域に、親液性を有し塗布液の液付きを促す液付き拡幅領域が少なくとも横方向に広がって形成されていて、
塗布液の塗布領域を横方向に拡幅するための領域である前記液付き拡幅領域は、一つの前記親液部よりも横方向に広く形成されている、基材。 - 前記被塗布領域は、前記親液部の横方向の分布が縦方向の一方側から他方側に向かって拡大している拡大領域を有しており、
前記液付き拡幅領域は、前記縁領域において、前記拡大領域の横方向の幅以上の範囲に形成されている、請求項1〜3のいずれか一項に記載の基材。 - 一方向に長いスリットが先端で開口し当該開口から塗布液を吐出可能とする塗布器を用いて、請求項1〜4のいずれか一項に記載の基材に対して塗布を行う方法であって、
前記基材の前記被塗布領域と前記塗布器の前記開口とを接近させた状態とし、
前記被塗布領域の前記縁領域を塗布開始位置として、前記開口と前記被塗布領域との間に塗布液のビードを形成すると共に、前記基材の縦方向を相対移動の方向として前記塗布器との間で相対移動させる、塗布方法。 - 前記塗布開始位置を、前記縁領域のうち親液性を有している領域とする、請求項5に記載の塗布方法。
- 一方向に長いスリットが先端で開口し当該開口から塗布液を吐出可能とする塗布器と、
前記塗布器と請求項1〜4のいずれか一項に記載の基材とを相対移動させる移動手段と、
前記塗布器に塗布液を供給可能とする供給手段と、を備え、
前記基材の縦方向を前記塗布器との間の相対移動の方向とする塗布装置。
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