JP6841475B2 - 餅割り器 - Google Patents

餅割り器 Download PDF

Info

Publication number
JP6841475B2
JP6841475B2 JP2019094790A JP2019094790A JP6841475B2 JP 6841475 B2 JP6841475 B2 JP 6841475B2 JP 2019094790 A JP2019094790 A JP 2019094790A JP 2019094790 A JP2019094790 A JP 2019094790A JP 6841475 B2 JP6841475 B2 JP 6841475B2
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
rice cake
blade
opening
cracker
internal space
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Active
Application number
JP2019094790A
Other languages
English (en)
Other versions
JP2020188879A (ja
Inventor
大山 剛
剛 大山
Original Assignee
株式会社曙産業
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by 株式会社曙産業 filed Critical 株式会社曙産業
Priority to JP2019094790A priority Critical patent/JP6841475B2/ja
Publication of JP2020188879A publication Critical patent/JP2020188879A/ja
Application granted granted Critical
Publication of JP6841475B2 publication Critical patent/JP6841475B2/ja
Active legal-status Critical Current
Anticipated expiration legal-status Critical

Links

Landscapes

  • Food-Manufacturing Devices (AREA)

Description

本発明は、一般家庭において、通常の包丁類や調理器具では切断することが困難な硬い切餅を容易にブロック状又はサイコロ状の塊に分割可能な餅割り器に関する。
切餅等の餅は、これを食す際に喉に詰まり易い食品であり、正月時のめでたい時期でも餅の喉詰まりによる死亡事故も報告されている。特に、お年寄りや子供においては、その危険性が高いため、一般家庭では、餅を食べる前に、定形サイズより小さく切り分けるなどの措置が取られることが多い。なお、食べやすいサイズとしては、定形サイズ(通常、約7cm×約4cm×約1.5cm)の切餅を、2cm角程度のブロック状又はサイコロ状の塊片に分割できるのが望ましい。
ところで、一般家庭にて従来の台所用品を用いて、切餅のように食材の中でも硬い材料を、より小さく切断したり、分割したりすることは容易ではない。また、餅の切断には、強い力が掛かるため、その作業は非常に危険である。
例えば、特許文献1及び2は、支軸が設けられた固定板に対して当該支軸によって回転可能な刃体を取り付けた切断具(裁断機に近い器具)である。これらの器具は、通常大型となり、扱いにくい。また、これらの従来器具は、主に伸し餅を切断して切餅を1つずつ切り出すための器具であって、定形サイズの切餅から、一度に、多数のブロック状又はサイコロ状の塊片に分割するための調理器具ではない。これらの従来の切断具を用いてこの目的を達成するためには、複数回の切断作業とそのための時間が必要となるし、毎回の切断作業も安全であるとは言い切れない。
また、本願出願人は台所用品メーカーであり、今までに、切餅等の切断・粉砕に適した独特な調理器具(例えば、特許文献3,4)を提案している。しかしながら、特許文献3,4に開示の調理器具も、定形サイズの切餅から、一度に、多数のブロック状又はサイコロ状の塊片に分割することはできない。
特開2000−190285号公報 実開昭60−142094号公報 登録実用新案第3218367号公報 登録実用新案第3217658号公報
本発明は、このような実情に鑑みて提案されたものであり、一般家庭等において、定形サイズの切餅から、一度に、複数のブロック状又はサイコロ状の塊片に分割することができる餅割り器を提供することを目的とする。
すなわち、本発明は、例えば、次の構成・特徴を採用するものである。
(態様1)
定形サイズの餅を挟持可能な第1・第2部材を備えた餅割り器であって、
第1部材には、前記餅を出し入れ可能な第1開口部と、第1部材に入れられた前記餅の移動を拘束する第1拘束部と、第1開口部に向かって延びかつ第1拘束部内に載置された前記餅を2つ以上の塊片になるよう切込み可能な第1刃と、が設けられ、
第2部材には、前記餅を出し入れ可能な第2開口部と、第2部材に入れられた前記餅の移動を拘束する第2拘束部と、第2開口部に向かって延びかつ第2拘束部内に載置された前記餅を2つ以上の塊片になるよう切込み可能な第2刃と、が設けられ、
第2刃は、第1刃に対応する位置に第1刃に対応する数だけ第2部材に設置されており、
第1開口部と第2開口部とを対向させながら第1・第2部材で前記餅を挟持し、前記餅に対して両側から第1・第2部材を押し付けると、第1・第2刃は前記餅の内部に切込みを入れながら、互いの刃の先端同士が近づくことになり、
第1部材には、前記餅割り器に収容されかつ前記切込みの入った前記餅の一部を露出可能な第1貫通孔が少なくとも1つ設けられ、かつ、
第2部材には、前記餅割り器に収容されかつ前記切込みの入った前記餅の一部を露出可能な第2貫通孔が少なくとも1つ設けられており、
第1貫通孔又は第2貫通孔に挿通して前記餅を第1開口部又は第2開口部から押出し可能な押出体が設けられた除去促進部材をさらに備えること
を特徴とする餅割り器。
(態様2)
第1貫通孔は、第1部材に複数形成され、
第2貫通孔は、第1貫通孔と同数に、同形状に、かつ対応する位置となるように第2部材に形成され、かつ、
前記押出体は、第1貫通孔又は第2貫通孔の各孔に挿通できるよう複数形成され、
前記除去促進部材は、前記押出体を垂直に立設・保持する基板をさらに備えること
を特徴とする態様1に記載の餅割り器。
(態様3)
第1刃及び第2刃は、前記餅割り器に収容された前記餅の厚みの半分に到達する長さを有すること
を特徴とする態様1又は2に記載の餅割り器。
(態様4)
第1刃は、複数の刃からなる第1刃列であり、各刃は第1内部空間を分割する仮想線上に離間しながら配置され、かつ、
第2刃は、複数の刃からなる第2刃列であり、各刃は第2内部空間を分割する仮想線上に離間しながら配置されていること
を特徴とする態様1〜3のいずれかに記載の餅割り器。
(態様5)
第1刃又は第2刃は、先端から基端に向かって末広がりとなる槍先形状を成すこと
を特徴とする態様1〜4のいずれかに記載の餅割り器。
(態様6)
第1拘束部は、第1開口部から前記餅を収容可能な第1内部空間と、第1内部空間を区画する第1枠と、第1開口部の反対側に設けられかつ第1内部空間の一面を閉ざすように延びた第1板と、を備え、
第2拘束部は、第2開口部から前記餅を収容可能な第2内部空間と、第2内部空間を区画する第2枠と、第2開口部の反対側に設けられかつ第2内部空間の一面を閉ざすように延びた第2板と、を備え、
第1・第2枠の一方は、前記餅を挟持する際に、他方を収容可能であること
を特徴とする態様1〜5のいずれかに記載の餅割り器
本発明の餅割り器によれば、上記構成を有するため、一般家庭等において、定形サイズの切餅から、一度に複数のブロック状又はサイコロ状の塊片に分割することができる。
なお、本調理器具の操作は、例えば、第1・第2部材による一度の餅への押圧で、多数の塊片に分割するための切込みを餅に入れることができるため、非常に簡便である。
また、第1・第2部材の内部に第1・第2刃が設けられているが、餅への押圧作業では互いに餅に切れ込みを入れるように餅内部に向かって進むだけであり、餅割り器の外部へ露出することも無いため、本発明の調理器具の操作は非常に安全である。従って、子供やお年寄りでも簡単かつ安全に本発明の調理器具を取り扱うことができるのである。
また、本発明の好適な形態の餅割り器では、第1・第2部材には、上記構成の第1・第2貫通孔が設けられているため、餅割り器に収容された餅又は塊片を容易に取り出すことができる。また、第1・第2貫通孔に挿通可能な押出体を有した除去促進部材を併せて採用することで、餅又は塊片を更に容易に取り出すことが可能となる。
ある方向から観察した餅割り器(実施例)の分解斜視図である。 別の方向から観察した餅割り器(実施例)の分解斜視図である。 第1部材と第2部材とで餅を収容した状態を示す斜視図、平面図、及び断面図である。 除去促進部材により第1・第2部材に収容された餅を取り出すことができることを説明した図である。 第1・第2部材の平面図及び底面図である。 第1・第2刃や第1・第2貫通孔の変形例を示した図である。 本発明の餅割り器の使用方法を説明した図(写真)である。 本発明の餅割り器の使用方法を説明した図(写真)である。
以下、本発明を図面に示す実施例に基づき説明するが、本発明は、下記の具体的な実施例に何等限定されるものではない。なお、各図において同一又は対応する要素には同一符号を用いる。
(本発明の餅割り器の説明に供する図)
本発明の実施例について、図1〜図8を参照しながら以下に説明する。ここで、図1は、ある方向(斜め上方)から観察した餅割り器100の分解斜視図である。図1には、加工対象の餅4、並びに、加工後に得られる切込み43入りの餅4や塊片5も示す。図2は、別の方向(斜め下方)から観察した餅割り器100の分解斜視図である。図3は、第1部材1と第2部材2とで餅4を収容した状態を示す(a)斜視図、(b)平面図、(c)A−A断面図、(d)B−B断面図、(e)第1刃16の拡大図及び(f)第2刃26の拡大図を示す。図4(a)〜(f)は、除去促進部材3を使用することにより、第1部材1及び第2部材2に収容された餅4を取り出すことができることを説明した図である。図5は、第1部材1の(a)平面図及び(b)底面図、並びに、第2部材2の(c)平面図及び(d)底面図である。図6(a)〜(c)は、第1・第2刃16,26や第1・第2貫通孔17,27の変形例を示した図である。図7及び図8は餅割り器100の使用方法を説明した図(写真)である。
(加工対象である餅)
以下の実施例では、加工対象の餅4は、定形サイズ(通常、約7cm×約4cm×約1.5cm)の矩形の切餅4の使用を前提とするが、後述する本発明の餅割り器100を構成する各部材の寸法・形状を、収容すべき餅の寸法・形状に適合するように変更することにより、定形サイズの切餅以外の餅(例えば、定形外の切餅や丸餅)などを使用することも可能である。
(餅割り器の主要構成部材)
本発明の餅割り器100は、第1部材1と、この第1部材1に対応した寸法及び形状を有した第2部材2と、を備える。第1・第2部材1,2は、図1に示すように、餅4の両側41,42(表面及び裏面)に上下から押し付け、第1・第2部材1,2に設けられた第1・第2刃16,26の各刃を餅4に突き刺すことによって、この餅4に切込み43を入れながら、この餅4を第1・第2枠13,23内に完全に収容することができる。
(除去促進部材)
また、本発明の餅割り器100は、第1・第2部材1,2に収容された餅4を第1・第2部材1,2から容易に取り出せるように、後述の押出体31が設けられた除去促進部材3をさらに備えるようにしてもよい。なお、これらの構成部材1〜3は、軽量化や生産性向上等の観点から、樹脂製のものが好ましいが、樹脂以外の材質(例えば、金属、ガラス、木材、陶器)のものを使用してもよい。
(第1部材の構造)
第1部材1は、図1,2に示すように、第1部材1には、餅4を出し入れ可能な第1開口部11と、第1部材1に入れられた餅4の移動を制限(拘束)する第1拘束部と、第1開口部11に向かって延びかつ第1拘束部内に載置された餅4を2つ以上の塊片5になるよう切込み可能な第1刃16と、が設けられる。
ここで、第1拘束部は、図示のように、第1開口部11から餅4を収容可能な第1内部空間12と、第1内部空間12を区画する第1枠13と、第1開口部11の反対側に設けられかつ第1内部空間12の一面を閉ざすように延びた第1板14と、を備えるようにしてもよい。但し、第1部材1内での餅4の移動が制限できれば、この例示の構成に限定されない。例えば、餅4の四方を囲む第1枠13に代えて、餅4の一部(三方又は二方)を囲む枠体(図示せず)を採用してもよい。なお、第1板14の左右には、第1枠13よりも外側に延びた掴み部15を設けてもよく、これにより、餅割り器100の操作の際に第1部材1を掴み易くなる。
(第2部材の構造)
また、第2部材2も、第1部材1と同様の構造を有する。第2部材2には、餅4を出し入れ可能な第2開口部21と、第2部材2に入れられた餅4の移動を制限(拘束)する第2拘束部と、第2開口部21に向かって延びかつ第2拘束部内に載置された餅4を2つ以上の塊片5になるよう切込み可能な第2刃26と、が設けられる。
ここで、第1部材1の第1拘束部の好適な上記構成と同様に、第2拘束部は、第2開口部21から餅4を収容可能な第2内部空間22と、第2内部空間22を区画する第2枠23と、第2開口部21の反対側に設けられかつ第2内部空間22の一面を閉ざすように延びた第2板24と、を備えるようにしてもよい。なお、第1・第2枠13,23の一方(図示の例では、第1枠13)は、餅4を挟持する際に、他方(図示の例では、第2枠23)を収容可能であることが好ましい。つまり、第1枠13が第2枠23より大きいため、第2枠23は入れ子状に収容される。
但し、この例示の構成に限定されず、例えば、餅4の四方を囲む第2枠23に代えて、餅4の一部(三方又は二方)を囲む枠体(図示せず)を採用してもよい。例えば、前述の第1枠13が餅4の上下(例えば、図5(b)の上下方向)の二側面の移動を拘束し、第2枠23が左右(例えば、図5(c)の左右方向)の二側面の移動を拘束するようにしてもよい。
また、第2板24の左右にも、第1板14の場合と同様に、第2枠23よりも外側に延びた掴み部25を設けてもよく、これにより、餅割り器100の操作の際に第2部材2を掴み易くなる。
(第1部材内の第1刃)
第1部材1には、好ましくは、第1板14の一面(つまり内壁)から第1内部空間12に向かって垂直に延び、第1内部空間12に載置された餅4を2つ以上の塊片5になるよう切込み可能な第1刃16が少なくとも1つ設けられる。
(第2部材内の第2刃)
第2部材2には、好ましくは、第2板24の内壁から第2内部空間22に向かって垂直に延び、第2内部空間22に載置された餅4を2つ以上の塊片5になるよう切込み可能な第2刃26が少なくとも1つ設けられる。ここで、第2刃26は、第1刃16に対応する位置に第1刃16に対応する数だけ第2部材2に設置されていることに留意されたい(図3〜図5参照)。
(餅の挟持・収容・分割可能な構造)
第1開口部11と第2開口部21とを対向させながら第1・第2部材1,2で餅4を挟持し、この餅4に対してその両側41,42から餅4の内部に向けて、第1・第2刃16,26を更に押し付けると、餅4は第1・第2内部空間12,22に収容されるようになる。この際に、第1・第2刃16,26は、餅4を突き刺し、餅4の内部に切込み43を入れながら、第1・第2刃16,26の先端16e1,26e1が互いに近づくように構成されている。
(塊片の取得)
以上のような構成により、餅割り器100に餅4が収容されると同時に、この餅4には、複数の塊片5に区画・形成するための切込み43が入れられるようになる。その後、この餅4から第1・第2部材1,2を取り外すと、切込み43の入った餅4全体、若しくは、切込み43によって分割された個々の塊片5を得ることができるようになる。
以上説明した必須構成で本発明の餅割り(餅4から複数の塊片5への分割)を達成することができるが、実際には餅4は特有の粘りと脆さを有するため、餅割り器100内に上述のように収容して切込み43を入れた餅4は餅割り器100から取り出しづらい場合がある。このような事態に対処できるように、餅割り器100は以下の構成をさらに備えることが好ましい。
(貫通孔の形成)
第1部材1(好適には、その第1板14)には、第1内部空間12に収容されかつ切込み43の入った餅4の塊片5の一部を露出する第1貫通孔17が少なくとも1つ(図示の例では全部で8個)設けられることが好ましい。同様に、第2部材2(好適には、その第2板24には、第2内部空間22に収容されかつ切込み43の入った餅4の塊片5の一部を露出する第2貫通孔27が少なくとも1つ(図示の例では、同様に全部で8個)設けられていることが好ましい。
(除去促進部材の押出体)
このような構成の第1・第2貫通孔17,27のいずれかに、除去促進部材3の押出体31を挿入していけば、第1・第2刃16,26に突き刺さった状態でかつ粘りのある餅4を第1・第2開口部11,21のいずれかから外側へ押し出すことできるようになる。なお、除去促進部材3の使用が好ましいが、例えば、指や、箸やフォーク等の市販の調理道具で、第1・第2貫通孔17,27を挿入していくことでも、餅4の押出しが可能であろう。以上のように、塊片5が繋がった状態の餅4、或いは、分離された状態の複数の塊片5を餅割り器100から容易に取出し可能である。
(第1・第2貫通孔の好適な形態)
本発明の好適な形態では、第1貫通孔17は、第1板14に複数(図示の例では8個)形成されている。第2貫通孔27は、第1貫通孔17と同数(図示の例では8個)に、同形状に、かつ対応する位置となるように第2板24に形成されている(図5などを参照)。
この第1・第2貫通孔17,27の寸法・配列に対応するように、押出体31も、第1貫通孔17又は第2貫通孔27の各孔に挿通できるよう複数(図示では8個)形成されている。加えて、除去促進部材3には基板32を設けて、互いに同じ高さ(さらに、第1・第2刃16,26の高さ以上の高さ)を有した押出体31を垂直に立設・保持するようにすることが好ましい。これにより、除去促進部材3の一度の押出操作により、餅4の全体を、又は、全ての塊片5をまとめて、均等の押出力かつ同一の押出長さで押し出すことができ、ひいては、第1・第2部材1,2から取り出すことできるようになる。
また、除去促進部材3にも、第1・第2部材1,2に設けられた掴み部15,25の形状・寸法に対応するように左右に延びた掴み部33が形成されることが好ましい。これにより、除去促進部材3の押出体31と、第1・第2部材1,2の第1・第2貫通孔17,27と、の位置合わせが容易となるばかりか、各貫通孔17,27に各押出体31を挿入し、餅4を押し出す際にも力が入り易い。これにより、餅4に突き刺さった第1・第2刃16,26と、餅4と、を一気に引き離すことができる。
上述の好適な形態の第1・第2貫通孔17,27を第1・第2部材1,2に形成し、かつ、第1・第2貫通孔17,27の寸法・配列に適合した押出体31を除去促進部材3に一体的に形成することで、餅割り器100に収容された餅4又は塊片5をいとも簡単に餅割り器100から取り出すことができるようになる。
なお、複数の押出体31でもって同時に餅4を餅割り器100から押し出すと、餅4の特有の粘性のため、餅4のまま(個々の塊片5に分離されずに幾つか又は全ての塊片5が繋がったままの状態)で押し出される場合もありえよう。しかしながら、餅割り器100から取り出された餅4には、第1・第2刃16,26によって、個々の塊片5に分割するための切込み43が確実に刻設されることになる。
そして、餅4は、通常、粘性とともに特有の脆さも有するため、切込み43入りの餅4を手で持ってこれを折ろう(曲げよう)とする力を与えると、餅4は、切込み43付近に沿っていとも簡単に分割されていき、ブロック状又はサイコロ状の塊片5が得られることになる(図1、図4(f)及び図7(f)を参照)。
(第1・第2刃の好適な長さ)
第1刃16及び第2刃27は、図3(c)及び(d)に示すように、餅割り器100に収容された餅4の厚みの略半分に到達する長さL,Lを有することが好ましく、刃先同士が接触しない程度の隙間G(0.5mm〜2mm程度)を有することがさらに好ましい。これにより、餅割り器100に収容された餅4の断面から見ると、第1刃16は、餅4の略上半分の厚さまで餅4内部に突き刺さる。一方、第2刃26は、餅4の略下半分の厚さまで餅4内部に突き刺さる。
これにより、第1・第2刃16,26によって餅4の両側(表裏)41,42に付与された切込み43の長さが等しくなり、塊片5の分離が促進する。これに対して、第1・第2刃16,26の一方の長さ(例えば、L)が他方の長さ(例えば、L)より顕著に長くなると、一方の刃が、他方の刃に比べて、餅4を突き刺す力や切込み43の長さに顕著な差(偏り)が生じ、塊片5の望ましい分離状態が得られなくなる場合がある。
また、上下に等しい長さの切込み43を入れた餅4であれば、その後、手で割る作業が必要となった場合でも、切込み43を基点に、餅4の中央の高さ(略半分の厚み)位置からすっぱりと餅4が分割され、各々、綺麗に整った形状を成す塊片5が得られるようになる。つまり、上記好適な形態の第1・第2刃16,26を有した餅割り器100を使用すれば、餅4が、いびつに割れるような不具合を減らすことができる。
また、第1刃16は、図5(b)に示すように、複数の刃からなる第1刃列16A〜16Dであり、かつ、各刃列16A〜16Dを構成する各刃は第1内部空間12を分割する仮想線(図示せず)上に離間しながら配置されることが好ましい。同様に、第2刃26も、複数の刃からなる第2刃列26A〜26Dであり、かつ、各刃列26A〜26Dを構成する各刃は第2内部空間22を分割する仮想線(図示せず)上に離間しながら配置されていることが好ましい。また、第1・第2刃16,26は、図3(e)及び(f)に示すように、先端16e1,26e1から基端16e2,26e2に向かって末広がりとなる槍先形状を成すことが好ましい。
このような構成の第1・第2刃16,26であれば、各刃の先端16e1,26e1が局所的に餅4にくい込むようになるため、餅4を収容してこれに切込み43を入れる際に、餅4の両側41,42に対して第1・第2部材1,2を押圧する力を格段に減らすことができる。従って、子供やお年寄りでも、本発明の餅割り器100を使って、餅4を簡単に割ることができるようになる。
(第1・第2刃の変形例)
以上、第1・第2刃16,26の好適な形態を説明したが、図6(a)〜(c)に示した変形形態の第1・第2刃16,26でも餅4を割って個々の塊片5を得ることができる。図6(a)〜(c)は、各変形例の餅割り器100A〜100Cの平面図及びA−A断面図を示す。
例えば、図6(a)の餅割り器100Aに示すように、第1・第2部材1,2の第1・第2内部空間12,22を2分割するように、第1・第2刃16,26を一枚ずつ設けてもよい。この例では、1個の餅4から2個の塊片5が得られることになる。なお、この第1・第2刃16,26は、上述の好適な槍先状では無くてもよく、例えば、図示のように長さ方向(分割線)に沿って同じ切断高さを有した通常の平刃であってもよい。
また、図6(b)に示す餅割り器100Bは、図6(a)と同様の構造を有した第1・第2刃16,26を示すが、第1・第2部材1,2の第1・第2枠13,23の対角線上に第1・第2刃16,26を一枚ずつ設けたものである。これにより、三角柱状の餅片5が得られることになる。なお、第1・第2貫通孔17,27は、それぞれ1つだけしか設けられていないが、第1・第2刃16,26で分割される塊片5のどちらも押し出すことが可能である。
また、図6(c)に示す餅割り器100Cは、図6(a)の変形形態、図6(b)の変形形態と組み合わせたような形態である。第1・第2刃16,26は、それぞれ3個あり、第1・第2枠13,23を縦横に横断する方向又は対角線上に設けられている。これらの構造によって、四角柱状の塊片5と三角柱状の塊片5との両方が同時に得られることになる。
なお、図6(c)に示す第1・第2刃16,26では、同形状の刃が長さ方向に連続した鋸形状を成すが、これに限定されない。また、図6(c)に示す第1・第2貫通孔17,27は、各形状の塊片5に対応するように、三角形及び矩形の孔形状を有するが、塊片5が困難なく押し出すことが出来れば、これらの孔形状に限定されない。
(餅割り器の使用方法)
図7及び図8は、本発明の餅割り器100の使用方法の各段階を説明した写真である。本発明の餅割り器100の使い方は極めて簡単である。
先ず、第1・第2開口部11,21を対向させながら、第1・第2部材1,2で切餅4を挟み込み、第1・第2枠13,23内に切餅4が完全に収容されるように、切餅4の上下から第1部材1と第2部材2とを近づける(図7(a)参照)。この際、組み付いた第1・第2部材1,2の一方の側を下に向けてテーブル面上に載置し、上側に載置される他方の部材の上側に手を置き、下側に押し込むようにしてもよい。
この押し込み操作により、第1板14から突出した第1刃16の各刃が切餅4の表面41から上半分の厚さ程度まで突き刺さる。同時に、第2板24から突出した第2刃26の各刃が切餅4の裏面42から下半分の厚さ近くまで突き刺さる(図7(b)参照)。
第1・第2刃16,26が突き刺さった状態の切餅4を収容した第1・第2部材1,2は、切餅4の特有の粘りにより、通常、組み付いた状態のままになり、分離されにくい。
そこで、除去促進部材3の押出体31を、例えば、第1部材1の第1貫通孔17に挿入していけば、切餅4の上半分が第1部材1の外方(下方)へ押し出されるため、切餅4及びこれを収容した第2部材2は第1部材1から分離される(図7(c)並びに図4(a)(b)参照)。
次に、除去促進部材3を第1部材1から分離し、第2部材2を持ち上げ、その下側に除去促進部材3を配置する(図8(a)参照)。その状態で、除去促進部材3の押出体31を、第2部材2の第2貫通孔27に挿入していけば、切餅4の下半分が第2部材2の外方(上方)へ押し出されるため、切餅4は第2部材2からも分離される(図8(b)並びに図4(c)(d)参照)。
この段階までくると、餅4の切込み43の入った切餅4又は個々の塊片5が、第1・第2部材1,2から取り外されることになる(図8(c)参照)。
なお、切餅4が個々の塊片5に分離されずに一体のままであれば、手で切餅4を折るような力を与えれば、切込み43間の連結部分は既に脆くなっているため、切餅4は切込み43に沿って簡単に割れ、個々の塊片5が得られるようになる(図8(c)参照)。
本発明の餅割り器によれば、上記構成を有するため、一般家庭等において、定形サイズの切餅から、一度に複数のブロック状又はサイコロ状の塊片に分割することができる。
なお、本調理器具の操作は、例えば、第1・第2部材による一度の餅への押圧で、多数の塊片に分割する切込みを餅に入れることができるため、非常に簡便である。
また、第1・第2部材の内部に第1・第2刃が設けられているが、餅への押圧作業では互いに餅に切れ込みを入れるように餅内部に向かって進むだけであり、餅割り器の外部へ露出することも無いため、本発明の調理器具の操作は非常に安全である。従って、子供やお年寄りでも簡単かつ安全に本発明の調理器具を取り扱うことができるのである。
また、本発明の好適な形態の餅割り器では、第1・第2部材の第1・第2板には、上記構成の第1・第2貫通孔が設けられているため、餅割り器に収容された餅又は塊片を容易に取り出すことができる。また、第1・第2貫通孔に挿通可能な押出体を有した除去促進部材を併せて採用することで、餅又は塊片を更に容易に取り出すことが可能となる。
このように、本発明の餅割り器は、産業上の利用価値及び産業上の利用可能性が非常に高い。
1 第1部材
2 第2部材
3 除去促進部材
4 餅(切餅)
11 第1部材の第1開口部
12 第1部材の第1内部空間
13 第1部材の第1枠
14 第1部材の第1板
15 第1部材の掴み部
16 第1部材の第1刃
16A〜16D 第1刃を構成する第1刃列
16e1,16e2 第1刃の各刃の先端,基端
17 第1部材の第1貫通孔
21 第2部材の第2開口部
22 第2部材の第2内部空間
23 第2部材の第2枠
24 第2部材の第2板
25 第2部材の掴み部
26 第2部材の第2刃
26A〜26D 第2刃を構成する第2刃列
26e1,26e2 第2刃の各刃の先端,基端
27 第2部材の第2貫通孔
31 除去促進部材の押出体
32 除去促進部材の基板
33 除去促進部材の掴み部
41,42 餅の両側(表面,裏面)
43 餅に入れられた切込み
100,100A〜C 餅割り器
G 第1刃の先端と第2刃の先端との隙間
,L 第1刃・第2刃の長さ

Claims (6)

  1. 定形サイズの餅を挟持可能な第1・第2部材を備えた餅割り器であって、
    第1部材には、前記餅を出し入れ可能な第1開口部と、第1部材に入れられた前記餅の移動を拘束する第1拘束部と、第1開口部に向かって延びかつ第1拘束部内に載置された前記餅を2つ以上の塊片になるよう切込み可能な第1刃と、が設けられ、
    第2部材には、前記餅を出し入れ可能な第2開口部と、第2部材に入れられた前記餅の移動を拘束する第2拘束部と、第2開口部に向かって延びかつ第2拘束部内に載置された前記餅を2つ以上の塊片になるよう切込み可能な第2刃と、が設けられ、
    第2刃は、第1刃に対応する位置に第1刃に対応する数だけ第2部材に設置されており、
    第1開口部と第2開口部とを対向させながら第1・第2部材で前記餅を挟持し、前記餅に対して両側から第1・第2部材を押し付けると、第1・第2刃は前記餅の内部に切込みを入れながら、互いの刃の先端同士が近づくことになり、
    第1部材には、前記餅割り器に収容されかつ前記切込みの入った前記餅の一部を露出可能な第1貫通孔が少なくとも1つ設けられ、かつ、
    第2部材には、前記餅割り器に収容されかつ前記切込みの入った前記餅の一部を露出可能な第2貫通孔が少なくとも1つ設けられており、
    第1貫通孔又は第2貫通孔に挿通して前記餅を第1開口部又は第2開口部から押出し可能な押出体が設けられた除去促進部材をさらに備えること
    を特徴とする餅割り器。
  2. 第1貫通孔は、第1部材に複数形成され、
    第2貫通孔は、第1貫通孔と同数に、同形状に、かつ対応する位置となるように第2部材に形成され、かつ、
    前記押出体は、第1貫通孔又は第2貫通孔の各孔に挿通できるよう複数形成され、
    前記除去促進部材は、前記押出体を垂直に立設・保持する基板をさらに備えること
    を特徴とする請求項1に記載の餅割り器。
  3. 第1刃及び第2刃は、前記餅割り器に収容された前記餅の厚みの半分に到達する長さを有すること
    を特徴とする請求項1又は2に記載の餅割り器。
  4. 第1刃は、複数の刃からなる第1刃列であり、各刃は第1内部空間を分割する仮想線上に離間しながら配置され、かつ、
    第2刃は、複数の刃からなる第2刃列であり、各刃は第2内部空間を分割する仮想線上に離間しながら配置されていること
    を特徴とする請求項1〜3のいずれかに記載の餅割り器。
  5. 第1刃又は第2刃は、先端から基端に向かって末広がりとなる槍先形状を成すこと
    を特徴とする請求項1〜4のいずれかに記載の餅割り器。
  6. 第1拘束部は、第1開口部から前記餅を収容可能な第1内部空間と、第1内部空間を区画する第1枠と、第1開口部の反対側に設けられかつ第1内部空間の一面を閉ざすように延びた第1板と、を備え、
    第2拘束部は、第2開口部から前記餅を収容可能な第2内部空間と、第2内部空間を区画する第2枠と、第2開口部の反対側に設けられかつ第2内部空間の一面を閉ざすように延びた第2板と、を備え、
    第1・第2枠の一方は、前記餅を挟持する際に、他方を収容可能であること
    を特徴とする請求項1〜5のいずれかに記載の餅割り器。
JP2019094790A 2019-05-20 2019-05-20 餅割り器 Active JP6841475B2 (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2019094790A JP6841475B2 (ja) 2019-05-20 2019-05-20 餅割り器

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2019094790A JP6841475B2 (ja) 2019-05-20 2019-05-20 餅割り器

Publications (2)

Publication Number Publication Date
JP2020188879A JP2020188879A (ja) 2020-11-26
JP6841475B2 true JP6841475B2 (ja) 2021-03-10

Family

ID=73453042

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP2019094790A Active JP6841475B2 (ja) 2019-05-20 2019-05-20 餅割り器

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JP6841475B2 (ja)

Also Published As

Publication number Publication date
JP2020188879A (ja) 2020-11-26

Similar Documents

Publication Publication Date Title
JP4230771B2 (ja) 野菜及び果物用切刻器具
JP5296708B2 (ja) 野菜及び果物スライサー並びにスライスするための方法
US8631583B2 (en) Bagel slicer
CN103302686A (zh) 一种切芋头机
CN202528235U (zh) 一种切芋头机
JP6841475B2 (ja) 餅割り器
US20140033544A1 (en) Fruit Cutter
EP1401309B1 (en) A garlic cutter
CN105559642A (zh) 一种多功能刨丝机
JP7320247B2 (ja) 多用途ハサミ
CA2749523A1 (en) V-blade grater
JP4669078B1 (ja) 野菜おろし器とおろし補助板フック
JP2009296892A (ja) 海苔シートの打ち抜き装置
CA2980843A1 (en) Vegetable stick maker
KR20130135673A (ko) 복층구조 칼 및 칼 세트
US11059192B1 (en) Cutting device with additional elements
KR101115946B1 (ko) 붙음 방지 칼
KR102094080B1 (ko) 마늘 세절기 및 마늘 세절기에 적합하게 적용될 수 있는 칼날 설치구조
CN205704366U (zh) 旋转切割工具
WO2020261726A1 (ja) フォーク機能を有する摂食用具
CN105193316B (zh) 一种大批量切菜案板
JP3065101U (ja) 調理器
JP6831941B1 (ja) 食品潰し具
WO2010095228A1 (ja) 野菜を押し切りする手動刃物
KR200277268Y1 (ko) 과채 세절용 강판

Legal Events

Date Code Title Description
A621 Written request for application examination

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A621

Effective date: 20201202

A871 Explanation of circumstances concerning accelerated examination

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A871

Effective date: 20201202

A975 Report on accelerated examination

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A971005

Effective date: 20201218

A131 Notification of reasons for refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131

Effective date: 20210113

A521 Request for written amendment filed

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523

Effective date: 20210114

TRDD Decision of grant or rejection written
A01 Written decision to grant a patent or to grant a registration (utility model)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A01

Effective date: 20210209

A61 First payment of annual fees (during grant procedure)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A61

Effective date: 20210209

R150 Certificate of patent or registration of utility model

Ref document number: 6841475

Country of ref document: JP

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R150

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250