以下、本発明の実施形態について、図面を参照して詳細に説明する。なお、第2実施形態以降の説明において、第1実施形態と共通する構成については同一の符号を付し、対応する構成については同一の規則性に従って符号を付し、適宜その説明を省略する。また、第2実施形態以降の説明において、第1実施形態と共通する作用、効果については、適宜その説明を省略する。
[第1実施形態]
図1は、本発明の第1実施形態に係るタンク装置3を備える便器装置1の模式図である。図2の(a)は、便器装置1における排水前の状態を示す模式図である。図2の(b)は、便器装置1における排水開始時の状態を示す模式図である。図2の(c)は、便器装置1における排水中であってサブタンク9の下端までサブタンク9外の水位が下がった状態を示す模式図である。図2の(d)は、便器装置1における排水中であってサブタンク9内の水位が下がっていく状態を示す模式図である。図3の(a)は、便器装置1における排水中であってサブタンク9内が空になった状態を示す模式図である。図3の(b)は、便器装置1における排水終了後の状態を示す模式図である。図3の(c)は、便器装置1における給水開始時の状態を示す模式図である。図3の(d)は、便器装置1における給水完了後の状態を示す模式図である。図4は、タンク装置3における排水開始からの時間と排水の流量との関係を示す吐水流量曲線図である。図5は、マリオットの瓶を説明するための模式図である。
図1に示すように、便器装置1は、便器2と、タンク装置3と、を備える。
便器2は、便器本体4と、この便器本体4の上部に便器本体4に対して開閉可能に取り付けられる便座(図示省略)及び便蓋5と、を含んで構成される。
タンク装置3は、給水経路6から供給される水を、便器本体4を洗浄する洗浄水として貯留する。このタンク装置3は、タンク7と、蓋部(図示省略)と、排水弁8と、玉鎖(図示省略)と、操作レバー(図示省略)と、フロート(図示省略)と、サブタンク9と、を備える。
タンク7は、底部10と、この底部10から起立する複数の側壁11と、を備え、上面が開口した箱状に形成される。
底部10には、タンク7に貯留された洗浄水を排出する排水口12が形成される。排水口12は、排水路となる排水管13を介して便器本体4に接続される。排水口12には、排水口12を開閉する排水弁8が配置される。
排水弁8は、頭部14と、ヒンジ15と、を備える。
頭部14は、排水口12の内径よりも一回り大きい外径で、ゴム等で平板形状に構成される。この頭部14は、排水口12の周縁にヒンジ15を介して取り付けられ、水平軸回りに回動するものであり、排水弁8が排水口12を閉じる場合に、排水口12を覆う。
この排水弁8は、玉鎖(図示省略)を介して操作レバー(図示省略)に接続されており、操作レバー(図示省略)の操作により、水平軸回りに回動することで排水口12を開閉する。
サブタンク9は、上面部16と、この上面部16に直交する複数の側壁17と、上面部16に設けられた逆止構造18と、を備え、下面に開口90を有する箱状に形成される。このサブタンク9は、タンク7の内寸よりも一回り小さい外寸を有しており、タンク7内に収容される。開口90は、タンク7の満水時の水面よりも下方に配置される。なお、サブタンク9は、タンク7の満水時の水面よりも上方には開口を有していない。
逆止構造18は、サブタンク9の上部に設けられた逆止弁であり、サブタンク9の外から内への空気の流入を規制する一方で、サブタンク9の内から外への空気の流出を許容する。
次に、図2及び図3を用いて、タンク装置3における給排水の流れを説明する。
図2の(a)に示すように、タンク装置3における排水前は、排水弁8が排水口12を閉じており、給水経路6を介して供給される洗浄水によって、タンク7及びサブタンク9は満水になっている。
タンク装置3における排水開始時は、操作レバー(図示省略)の操作によって排水弁8が排水口12を開く。排水口12が開かれることで、排水口12からの吐水が開始され、タンク7内の洗浄水が排水管13を介して便器本体4に排出(供給)される。
タンク装置3における排水中は、図2の(b)に示すように、まず、吸気のできないサブタンク9内の水位は低下せず、サブタンク9外の水位が低下する。この間、水頭圧は、サブタンク9外の水位に応じた圧となり、低下し続ける。
図2の(c)に示すように、サブタンク9外の水位がサブタンク9の下端に到達すると、この時の水頭圧は、サブタンク9の下端に到達したサブタンク9外の水位に応じた圧となる。
その後は、図2の(d)に示すように、サブタンク9の下端の外から内に空気が入り、サブタンク9内の水位が低下する。この間、水頭圧は、サブタンク9の下端に到達しているサブタンク9外の水位に応じた圧で一定に維持される。
しばらくすると、図3の(a)に示すように、サブタンク9が空になる。その後、図3の(b)に示すように、所定の水位に到達するまでタンク7内の水位が低下し、排水が終了する。この間、水頭圧は、タンク7内の水位に応じた圧となり、低下し続ける。
その後、給水経路6から水が供給されることで、タンク装置3の給水が開始され、図3の(c)に示すように、タンク7内の水位が上昇すると共に、逆止構造18によってサブタンク9の内から外への空気の流出が許容されるので、サブタンク9内の空気が逆止構造18を介してサブタンク9外に流出され、サブタンク9内の水位も上昇する。そして、図3の(d)に示すように、タンク装置3における給水が完了する。
次に、図4を用いて、タンク装置3における吐水流量の時刻歴を説明する。
図4中、横軸はタンク装置3における排水開始からの時間を表しており、縦軸は排水の流量を表している。この図4に示すように、タンク装置3における排水が開始されると、しばらくの間、吐水流量は一気に増大する。この間、吸気のできないサブタンク9内の水位は低下せず、サブタンク9外の水位が低下する(図2の(b)参照)。
そして、時間T1に達すると、サブタンク9外の水位がサブタンク9の下端に到達することで、サブタンク9の下端からサブタンク9の外から内に空気が入るので、その後は、サブタンク9内の水位が低下する(図2の(d)参照)。この間、サブタンク9外の水位は一定であるため水頭圧は一定に維持されるので、吐水流量も一定となる。
そして、時間T2に達すると、サブタンク9が空になることで、その後は、所定の水位に到達するまでタンク7内の水位が低下し、排水が終了する。この間、水頭圧は低下し続けるので、吐水流量も低下し続ける。
次に、図5を用いて、マリオットの瓶を説明する。
図5に示すマリオットの瓶とは、タンクに溜めた水を、水位が低下しても常に一定の流量で排出させる仕組みを採用した原理のことである。図5に示すように、マリオットの瓶20は、上方が開口した第1容器21と、下方に口が位置するように逆さまにした第2容器22と、を備える。
第1容器21は、側方に排出口23を有する。第1容器21は水で満たされ、第1容器21内の水面には、水の入った第2容器22の口が配置される。
以上のマリオットの瓶20は、水を張った第1容器21に、水を入れた第2容器22を逆さまにして突っ込んだ構造を有する。マリオットの瓶20における水頭圧は、第2容器22内の水位に関わらず、第1容器21における排出口23から、第1容器21の水面までになる。排出口23から第1容器21内の水が排出されると、第2容器22内の水が第1容器21に供給されるため、第1容器21の水位は変わらず、水頭圧は第2容器22が空になるまで一定となる。このマリオットの瓶の原理は、加湿器の給水構造やペットの水飲み器等に応用されている。
上述した通り、本実施形態に係るタンク装置3は、底部10に排水口12を有するタンク7と、このタンク7内に設けられ、タンク7の満水時の水面よりも下方に開口を有するサブタンク9と、を備える。そのため、マリオットの瓶の原理により、サブタンク9外の水位がサブタンク9の開口(本実施形態では下部に設けられた開口)まで低下してから、サブタンク9内が空になるまでの間、タンク7内の水に掛かる水頭圧が、サブタンク9の開口までの水頭圧で一定に保たれるので、その間、一定の流量で吐水することができる。これにより、洗浄能力を向上できる。
そして、タンク装置3は、サブタンク9の上部に、当該サブタンク9の外から内への空気の流を規制する逆止構造18を有するので、タンク7への給水時に逆止構造18からサブタンク9内の空気が抜けるため、特別な操作をせずに、サブタンク9内に給水することができる。
[第2実施形態]
図6の(a)は、上下方向に長いサブタンク26を備えるタンク装置25の模式図である。図6の(b)は、上下方向に短いサブタンク28を備えるタンク装置27の模式図である。図7の(a)は、本発明の第2実施形態に係るタンク装置29が備えるサブタンク30における上下方向に伸長させた状態を示す模式図である。図7の(b)は、サブタンク30における上下方向に収縮させた状態を示す模式図である。
本実施形態に係るタンク装置29は、サブタンク30が高さ方向に伸縮する点等が第1実施形態と相違する。
図6の(a)に示すように、第1実施形態と比較して上下方向に長く、下面に開口260を有するサブタンク26を備えるタンク装置25の場合、サブタンク26外の水位がサブタンク26の下端に到達することで、サブタンク26外の水位で一定に維持される水頭圧は、第1実施形態と比較して低く、一定に保たれる吐水流量は、第1実施形態と比較して少ない。
一方、図6の(b)に示すように、第1実施形態と比較して上下方向に短く、下面に開口280を有するサブタンク28を備えるタンク装置27の場合、サブタンク28外の水位がサブタンク28の下端に到達することで、サブタンク28外の水位で一定に維持される水頭圧は、第1実施形態と比較して高く、一定に保たれる吐水流量は、第1実施形態と比較して多い。
そこで、図7に示すタンク装置29は、サブタンク30を高さ方向に伸縮する構造とすることで、サブタンク30外の水位で一定に維持される水頭圧を設定可能とし、ひいては、一定に保たれる吐水流量を設定可能としている。
具体的に、タンク装置29が備えるサブタンク30は、サブタンク本体31と、サブタンク延長部32と、パッキン33と、逆止構造18と、を備える。
サブタンク本体31は、上面部34と、この上面部34に直交する複数の側壁35と、上面部34に設けられた逆止構造18と、を備え、下面に開口310を有する箱状に形成される。このサブタンク本体31は、タンク(図示省略)の内寸よりも一回り小さい外寸を有しており、タンク(図示省略)内に収容される。
サブタンク延長部32は、サブタンク本体31の側壁35に平行となる複数の側壁36を備え、上面及び下面が開口して下面に開口320を有する筒状に形成される。このサブタンク延長部32は、サブタンク本体31の内寸よりも一回り小さい外寸を有しており、上下方向にスライド可能にサブタンク本体31内に収容される。
パッキン33は、サブタンク本体31とサブタンク延長部32との間に介在することで、サブタンク本体31とサブタンク延長部32との隙間から洗浄水や空気が漏れることを防止する。
以上のタンク装置29は、サブタンク30が下方に有する開口(開口320)の高さ方向の位置が変更可能な構造を有する。そのため、当該開口の高さ方向の位置を、設定者が所望する位置に変更しておくことで、一定に保たれるタンク(図示省略)内の水に掛かる水頭圧を、所望の水頭圧に設定することができる。これにより、設定者が所望する一定の流量で吐水することができる。
すなわち、図7の(a)に示すように、サブタンク30が下方に有する開口の高さ方向の位置を、相対的に低い位置に設定しておくことで、一定に保たれるタンク(図示省略)内の水に掛かる水頭圧を、相対的に低い水頭圧に設定することができる。これにより、相対的に少ない一定の流量で吐水することができる。
一方、図7の(b)に示すように、サブタンク30が下方に有する開口の高さ方向の位置を、相対的に高い位置に設定しておくことで、一定に保たれるタンク(図示省略)内の水に掛かる水頭圧を、相対的に高い水頭圧に設定することができる。これにより、相対的に多い一定の流量で吐水することができる。
[第3実施形態]
図8の(a)は、本発明の第3実施形態に係るタンク装置37が備えるサブタンク38における上下方向に伸長させた状態を示す模式図である。図8の(b)は、サブタンク38における上下方向に収縮させた状態を示す模式図である。
本実施形態に係るタンク装置37は、サブタンク38が高さ方向に伸縮する点等が第1実施形態と相違する。
図8に示すタンク装置37は、サブタンク38を高さ方向に伸縮する構造とすることで、サブタンク38外の水位で一定に維持される水頭圧を設定可能とし、ひいては、一定に保たれる吐水流量を設定可能としている。
具体的に、タンク装置37が備えるサブタンク38は、上面部39と、この上面部39に直交する複数の側壁40と、側壁40の途中に設けられた伸縮可能な蛇腹部41と、逆止構造18と、を備え、下面に開口380を有する箱状に形成される。このサブタンク38は、タンク(図示省略)の内寸よりも一回り小さい外寸を有しており、タンク(図示省略)内に収容される。
以上のタンク装置37は、サブタンク38が下方に有する開口380の高さ方向の位置が変更可能な構造を有する。結果、当該開口380の高さ方向の位置を、設定者が所望する位置に変更しておくことで、一定に保たれるタンク(図示省略)内の水に掛かる水頭圧を、所望の水頭圧に設定することができる。これにより、設定者が所望する一定の流量で吐水することができる。
すなわち、図8の(a)に示すように、サブタンク38が下方に有する開口380の高さ方向の位置を、相対的に低い位置に設定しておくことで、一定に保たれるタンク(図示省略)内の水に掛かる水頭圧を、相対的に低い水頭圧に設定することができる。これにより、相対的に少ない一定の流量で吐水することができる。
一方、図8の(b)に示すように、サブタンク38が下方に有する開口380の高さ方向の位置を、相対的に高い位置に設定しておくことで、一定に保たれるタンク(図示省略)内の水に掛かる水頭圧を、相対的に高い水頭圧に設定することができる。これにより、相対的に多い一定の流量で吐水することができる。
[第4実施形態]
図9の(a)は、本発明の第4実施形態に係るタンク装置44を備える便器装置43における逆止構造46を閉じた状態を示す模式図である。図9の(b)は、タンク装置44における逆止構造46を開いた状態を示す模式図である。図10は、タンク装置44における排水開始からの時間と排水の流量との関係を示す吐水流量曲線図である。
本実施形態に係るタンク装置44は、逆止構造46の規制が解除可能な構造を有している点等が第1実施形態と相違する。
図9に示すように、便器装置43が備えるタンク装置44は、サブタンク45を備える。サブタンク45は、上面部16と、複数の側壁17と、上面部16に設けられた逆止構造46と、を備える。
逆止構造46は、サブタンク45の上部に設けられた逆止弁であり、サブタンク45の外から内への空気の流入を規制する一方で、サブタンク45の内から外への空気の流出を許容する。この逆止構造は、例えば電磁弁で構成されており、周知のセンサー又はスイッチ等の動作に伴って駆動することで、排水口12からの排水中に規制が解除可能となっている。
図9の(a)に示すように、逆止構造46の規制を解除していない場合、サブタンク45外の水位がサブタンク45の下端に到達すると、この時の水頭圧は、サブタンク45の下端に到達したサブタンク45外の水位となる。
一方、図9の(b)に示すように、サブタンク45外の水位がサブタンク45の下端に到達した場合に、逆止構造46の規制を解除すると、この時の水頭圧は、サブタンク45内の水面の水位となる。
次に、図10を用いて、タンク装置44における吐水流量の時刻歴の一例を説明する。
図10に示すように、タンク装置44における排水が開始されると、しばらくの間、吐水流量は一気に増大する。この間、吸気のできないサブタンク45内の水位は低下せず、サブタンク45外の水位が低下する。
そして、時間t1に達すると、サブタンク45外の水位がサブタンク45の下端に到達することで、サブタンク45の下端からサブタンク45の外から内に空気が入るので、その後はサブタンク45内の水位が低下する。この間、水頭圧は一定に維持されるので、吐水流量も一定となる。
そして、サブタンク45が空になる前に、時間t2において、逆止構造46の規制を解除することで、水頭圧が、サブタンク45の下端からサブタンク45内の水面の水位に上昇する。これにより、一時的に吐水流量が増大する。その後、時間t3でサブタンク45内の水が空になった後、所定の水位に到達するまでタンク7内の水位が低下し、排水が終了する。この間、水頭圧は低下し続けるので、吐水流量も低下し続ける。
このように、本実施形態に係るタンク装置44のサブタンク45が備える逆止構造46は、排水口12からの排水中に規制が解除可能な構造を有する。これにより、サブタンク45外の水位がサブタンク45の下方に有する開口450まで低下してから、サブタンク45内が空になるまでの間に、その規制を解除することで、一定に保たれていた水頭圧が一時的に増大するので、一時的に流量を増やすことができる。
[第5実施形態]
図11の(a)は、本発明の第5実施形態に係るタンク装置48を備える便器装置47における排水前の状態を示す模式図である。図11の(b)は、タンク装置48における排水終了後の状態を示す模式図である。図11の(c)は、タンク装置48における給水完了後の状態を示す模式図である。図11の(d)は、タンク装置48におけるサブタンク49を上下反転させた後の状態を示す模式図である。
本実施形態に係るタンク装置48は、サブタンク49が回転する点等が第1実施形態と相違する。
図11に示すように、タンク装置48は、サブタンク49と、モーター(図示省略)等を備える。
サブタンク49は、第1サブタンク50と、第2サブタンク51と、連結部材52等を備える。
第1サブタンク50は、水平面部53と、この水平面部53に直交する複数の側壁54と、を備え、下面又は上面が開口した箱状に形成される。この第1サブタンク50は、回転軸55を中心として、水平軸回りの方向に回転可能に、タンク7内に収容される。
第2サブタンク51は、水平面部56と、この水平面部56に直交する複数の側壁57と、を備え、上面又は下面が開口した箱状に形成される。この第2サブタンク51は、回転軸55を中心として、水平軸回りの方向に回転可能に、タンク7内に収容される。
連結部材52は、第1サブタンク50と第2サブタンク51とを相互に連結すると共に、水平軸回りに回転する回転軸55を有する。
以上のサブタンク49は、モーター(図示省略)の回転に伴って回転軸55が回転することにより、水平軸回りの方向に回転する。
モーター(図示省略)は、周知のセンサー、スイッチ又はタイマー等の動作に伴って駆動すると共に、周知のセンサー、スイッチ又はタイマー等の動作に伴って停止する。
次に、図11を用いて、タンク装置48における給排水の流れを説明する。
図11の(a)に示すように、タンク装置48における排水前は、排水弁8が排水口12を閉じており、給水経路6を介して供給される洗浄水によって、タンク7は満水になっている。
図11の(b)に示すように、タンク装置48における排水後は、第1サブタンク50及び第2サブタンク51のうち、下方に開口を有する方が空になる一方で、第1サブタンク50及び第2サブタンク51のうち、上方に開口を有する方に水が入ったままになる。
その後、給水経路6から水が供給されることで、図11の(c)に示すように、タンク7は満水になっている。ただし、第1サブタンク50及び第2サブタンク51のうち、下方に開口を有する方が空のままになる。
その後、図11の(d)に示すように、サブタンク49を回転して、第1サブタンク50と第2サブタンク51とを上下反転することで、第1サブタンク50及び第2サブタンク51のうち、下方に開口を有する方にも水が満たされる。
これにより、本実施形態によれば、上述の第1実施形態と同様の効果が奏される。
[第6実施形態]
図12の(a)は、本発明の第6実施形態に係るタンク装置60における排水前の状態を示す模式図である。図12の(b)は、タンク装置60における排水中の状態を示す模式図である。図13は、タンク装置60が備えるサブタンク61の外観斜視図である。
本実施形態に係るタンク装置60は、サブタンク61が、当該サブタンク61の下端よりも上方に開口610を有する点等が第1実施形態と相違する。
図12及び図13に示すように、タンク装置60は、サブタンク61等を備える。
サブタンク61は、矩形状の上面部16と、この上面部16に直交し相対的に縦に長い三枚の側壁62と、上面部16に直交し相対的に縦に短い一枚の側壁63と、上面部16に設けられた逆止構造18と、を備え、下面、及び側壁63における下方が開口して下方に開口610を有する箱状に形成される。このサブタンク61は、タンク7の内寸よりも一回り小さい寸法を有しており、タンク7内に収容される。
次に、図12を用いて、タンク装置60における排水の流れを説明する。
図12の(a)に示すように、タンク装置60における排水前は、排水弁8が排水口12を閉じており、給水経路6を介して供給される洗浄水によって、タンク7及びサブタンク61は満水になっている。
タンク装置60における排水中は、図12の(b)に示すように、サブタンク61外の水位が側壁63の下端に到達すると、側壁63の下端から、サブタンク61の外から内に空気が入り、サブタンク61内の水位が低下する。
本実施形態に係るタンク装置60は、サブタンク61が、当該サブタンク61の下端よりも上方である側壁63の下方に開口610を有する。これにより、側壁63の下端という限定された箇所からサブタンク61内へ空気が流入するため、例えば下面全体が開口して四方から空気が流入する場合と比べると、空気同士の干渉が少なくなり、振動や騒音を抑制することができる。また、複雑ではない構造であるため、振動や騒音の抑制を安易且つ安価に実現することができる。
[第7実施形態]
図14の(a)は、本発明の第7実施形態に係るタンク装置64における排水前の状態を示す模式図である。図14の(b)は、タンク装置64における排水中の状態を示す模式図である。図15は、タンク装置64が備えるサブタンク65の外観斜視図である。
本実施形態に係るタンク装置64は、サブタンク65が、当該サブタンク65の下端よりも上方に開口650を有する点等が第1実施形態と相違する。
図14及び図15に示すように、タンク装置64は、サブタンク65等を備える。
サブタンク65は、矩形状の上面部16と、この上面部16に直交し相対的に縦に長い一枚の側壁66と、上面部16に直交し側壁66と対向し相対的に縦に短い一枚の側壁67と、上面部16に直交し自身の下端が側壁66の下端と側壁67の下端を直線で結ぶ一対の側壁68と、上面部16に設けられた逆止構造18と、を備え、下方が開口して下方に開口650を有する箱状に形成される。このサブタンク65は、タンク7の内寸よりも一回り小さい寸法を有しており、タンク7内に収容される。
次に、図14を用いて、タンク装置64における排水の流れを説明する。
図14の(a)に示すように、タンク装置64における排水前は、排水弁8が排水口12を閉じており、給水経路6を介して供給される洗浄水によって、タンク7及びサブタンク65は満水になっている。
タンク装置64における排水中は、図14の(b)に示すように、サブタンク65外の水位が側壁67の下端に到達すると、側壁67の下端から、サブタンク65の外から内に空気が入り、サブタンク65内の水位が低下する。
以上のタンク装置64は、サブタンク65が、当該サブタンク65の下端よりも上方である側壁67の下方に開口650を有する。これにより、側壁67の下端という限定された箇所からサブタンク65内へ空気が流入するため、例えば下面全体が開口して四方から空気が流入する場合と比べると、空気同士の干渉が少なくなり、振動や騒音を抑制することができる。また、複雑ではない構造であるため、振動や騒音の抑制を安易且つ安価に実現することができる。
[第8実施形態]
図16の(a)は、本発明の第8実施形態に係るタンク装置70における排水前の状態を示す模式図である。図16の(b)は、タンク装置70における排水中の状態を示す模式図である。
本実施形態に係るタンク装置70は、サブタンク71が、当該サブタンク71の下端よりも上方に開口710を有する点と、サブタンク71が仕切り72を有する点等が第1実施形態と相違する。
図16に示すように、タンク装置70は、サブタンク71等を備える。
サブタンク71は、矩形状の上面部16と、この上面部16に直交する複数の側壁66,67,68,68と、側壁67と対向し側壁67の内側に流路を形成する仕切り72と、上面部16に設けられた逆止構造18と、を備え、下方が開口して下方に開口710を有する箱状に形成される。
仕切り72は、対向する一対の側壁68,68の下端から、上面部16よりも下方までの長さを有しており、側壁67との間に流路を形成すると共に上面部16との間に流路を形成する。
以上のサブタンク71は、タンク7の内寸よりも一回り小さい寸法を有しており、タンク7内に収容される。
次に、図16を用いて、タンク装置70における排水の流れを説明する。
図16の(a)に示すように、タンク装置70における排水前は、排水弁8が排水口12を閉じており、給水経路6を介して供給される洗浄水によって、タンク7及びサブタンク71は満水になっている。
タンク装置70における排水中は、図16の(b)に示すように、サブタンク71外の水位が側壁67の下端に到達すると、側壁67の下端から、サブタンク71の外から内に空気が入る。サブタンク71内に入った空気は、側壁67と仕切り72とで形成されている流路を通ってサブタンク71内における上方に溜まる。これにより、サブタンク71内の水位が低下する。
本実施形態に係るタンク装置70は、サブタンク71が、当該サブタンク71の下端よりも上方である側壁67の下方に開口710を有する。これにより、サブタンク71外の空気は、側壁67の下端という限定された箇所からサブタンク71内へ流入し、側壁67と仕切り72とで形成されている流路を通ってサブタンク71内における上方に溜まるので、空気同士の干渉がより少なくなり、振動や騒音をより抑制することができる。また、複雑ではない構造であるため、振動や騒音の抑制を安易且つ安価に実現することができる。
[第9実施形態]
図17は、本発明の第9実施形態に係るタンク装置74の模式図である。
本実施形態に係るタンク装置74は、サブタンク75が、当該サブタンク75の下端よりも上方に開口750を有する点と、サブタンク75が整流板76を有する点等が第1実施形態と相違する。
図17に示すように、タンク装置74は、サブタンク75等を備える。
サブタンク75は、矩形状の上面部16と、この上面部16に直交する複数の側壁62,63と、側壁63と対向し側壁63の内側に流路を形成する整流板76と、上面部16に設けられた逆止構造18と、を備え、下面、及び側壁63における下方が開口して下方に開口750を有する箱状に形成される。
整流板76は、サブタンク75の内側において、上面部16の下方まで延びている。より詳しくは、整流板76は、側壁63の下方に形成された開口750の近傍において、サブタンク75の下端から上面部16の下方まで上下方向に延びている。これにより、整流板76は、側壁63との間に流路を形成すると共に上面部16との間に流路を形成する。
以上のサブタンク75は、タンク7の内寸よりも一回り小さい寸法を有しており、タンク7内に収容される。
次に、図17を用いて、タンク装置74における排水の流れを説明する。
タンク装置74における排水中は、図17に示すように、サブタンク75外の水位が側壁63の下端に到達すると、側壁63の下端から、サブタンク75の外から内に空気が入る。サブタンク75内に入った空気は、側壁63と整流板76とで形成されている流路を通ってサブタンク75内における上方に溜まる。これにより、サブタンク75内の水位が低下する。
本実施形態に係るタンク装置74によれば、第7実施形態及び第8実施形態に係るタンク装置と同様の効果が奏される。
[第10実施形態]
図18は、本発明の第10実施形態に係るタンク装置78の模式図である。
本実施形態に係るタンク装置78は、サブタンク79が、当該サブタンク79の下端よりも上方に開口790を有する点と、サブタンク79が流路となる筒80を有する点等が第1実施形態と相違する。
図18に示すように、タンク装置78は、サブタンク79等を備える。
サブタンク79は、矩形状の上面部16と、この上面部16に直交する複数の側壁62,63と、側壁63の下端から当該サブタンク79内における上方を繋ぐ筒80と、上面部16に設けられた逆止構造18と、を備え、下面、及び側壁63における下方が開口した箱状に形成される。このサブタンク79は、タンク7の内寸よりも一回り小さい寸法を有しており、タンク7内に収容される。
次に、図18を用いて、タンク装置78における排水の流れを説明する。
タンク装置78における排水中は、図18に示すように、サブタンク79外の水位が側壁63の下端に到達すると、側壁63の下端から筒80に空気が入る。筒80に入った空気は、サブタンク79内に送られ、サブタンク79内における上方に溜まる。これにより、サブタンク79内の水位が低下する。
本実施形態に係るタンク装置78によれば、第7実施形態及び第8実施形態に係るタンク装置と同様の効果が奏される。
[第11実施形態]
図19は、本発明の第11実施形態に係るタンク装置100の模式図である。図20の(a)は、タンク装置100における排水前の状態を示す模式図である。図20の(b)は、タンク装置100における排水中であってサブタンク9内の水位が下がっていく状態を示す模式図である。図20の(c)は、タンク装置100における排水終了後の状態を示す模式図である。図20の(d)は、タンク装置100における給水完了後の状態を示す模式図である。
本実施形態に係るタンク装置100は、サブタンク9がボールタップ101のフロートを兼ねる点等が第1実施形態と相違する。
図19に示すように、タンク装置100は、給水経路であるボールタップ101から供給される水を、便器本体(図示省略)を洗浄する洗浄水として貯留する。このタンク装置100は、タンク7と、蓋部(図示省略)と、ボールタップ101と、玉鎖102と、操作レバー103と、フロート104と、筒材105と、Eリング106と、排水弁8と、サブタンク9と、を備える。
ボールタップ101は、給水弁107の開閉によって給水管108からのタンク7内への給水及び止水を制御する。このボールタップ101は、給水弁107と、給水管108と、連結部材109と、を備える。給水弁107は、連結部材109を介してサブタンク9に接続されており、サブタンク9がフロートとしてタンク7内の水位に基づいて昇降することにより開閉する。
サブタンク9は、タンク7内で浮力によって上下動可能に構成されている。このサブタンク9は、タンク7内の水位に基づいて昇降し、上昇して給水弁107を閉じる一方で下降して給水弁107を開く。なお、サブタンク9は、上面部16若しくは側壁17が中空に構成され、又はポリプロピレン(PP)等の低密度素材で構成され、浮力を受けやすいものであることが好ましい。
玉鎖102は、一端が操作レバー103に固定され、他端が排水弁8に固定されている。この玉鎖102には、上から順にフロート104及び筒材105がスライド可能に取り付けられていると共に、フロート104の上方にEリング106が固定されている。フロート104は、Eリング106よりも下方で玉鎖102に対してスライドし、タンク7内の水位が所定の高さまで低下した場合に、筒材105を下方に向けて押す。筒材105は、フロート104によって下方に押された場合に、排水弁8を下方に向けて押し、排水弁8を閉じる。
このようなタンク装置100は、玉鎖102に固定されているEリング106の位置に応じて、排水弁8を閉じる際のタンク7内の水位が設定されている。
排水弁8は、玉鎖102を介して操作レバー103に接続されており、操作レバー103の操作により、水平軸回りに回動することで排水口12を開く一方で、タンク7内の水位の低下により、水平軸回りに回動することで排水口12を閉じる。
次に、図20を用いて、タンク装置100における給排水の流れを説明する。
図20の(a)に示すように、タンク装置100における排水前は、排水弁8が排水口12を閉じており、ボールタップ101を介して供給されていた洗浄水によって、タンク7及びサブタンク9は満水になっている。この時、サブタンク9は、浮力によって上昇した高さに位置しており、給水弁107を閉じている。
タンク装置100における排水開始時は、操作レバー103の操作によって排水弁8が排水口12を開く。排水口12が開かれることで、排水口12からの吐水が開始され、タンク7内の洗浄水が排水管(図示省略)を介して便器本体(図示省略)に排出(供給)される。
タンク装置100における排水中は、まず、吸気のできないサブタンク9内の水位は低下せず、サブタンク9外の水位が低下する。その後は、図20の(b)に示すように、サブタンク9外の水位がサブタンク9の下端に到達すると、サブタンク9の下端の外から内に空気が入り、サブタンク9内の水位が低下する。この時、サブタンク9は、重力によって徐々に下降して、給水弁107を開く。これにより、ボールタップ101から水が供給されることになり、排水口12からの吐水と同時に、タンク装置100の給水が開始される。
しばらくすると、図20の(c)に示すように、サブタンク9が空になり、また、所定の水位に到達するまでタンク7内の水位が低下し、排水が終了する。この時、タンク装置100の給水は継続している。そして、図20の(d)に示すように、所定の水位に到達するまでタンク7内の水位が上昇し、タンク装置100における給水が完了する。この時、サブタンク9が浮力によって上昇し、給水弁107を閉じる。
以上のタンク装置100は、サブタンク9がタンク7内の水位に基づいて昇降し、上昇して給水弁107を閉じる一方で下降して給水弁107を開く。すなわち、サブタンク9がボールタップ101のフロートを兼ねる。結果、ボールタップ101の一連の動作に必要な部材数を減らすことができる。これにより、タンク7内の部材構造の簡易化が可能となる。
[第12実施形態]
図21は、本発明の第12実施形態に係るタンク装置110の模式図である。図22の(a)は、タンク装置110における給水開始時の状態を示す模式図である。図22の(b)は、タンク装置110における給水中であってサブタンク112の内から外への空気の流出を断続的に許容している状態を示す模式図である。図22の(c)は、タンク装置110における給水中であってサブタンク112の内から外への空気の流出を連続的に許容している状態を示す模式図である。図22の(d)は、タンク装置110における給水完了後の状態を示す模式図である。図23の(a)は、タンク装置110における排水前の状態を示す模式図である。図23の(b)は、タンク装置110における排水中であってサブタンク112の内外の水位が同時に下がっていく状態を示す模式図である。図23の(c)は、タンク装置110における排水中であってサブタンク112の下端までサブタンク112外の水位が下がった後にサブタンク112内の水位が下がっていく状態を示す模式図である。図24は、タンク装置110及び比較対象となるタンク装置における排水開始からの時間と排水の流量との関係を示す吐水流量曲線図である。
本実施形態に係るタンク装置110は、浮力で作動する逆止構造を有している点等が第1実施形態と相違する。
図21に示すように、タンク装置110は、ボールタップ111と、サブタンク112と、を備える。
ボールタップ111は、給水弁107と、給水管108と、連結部材109と、フロート113と、を備える。給水弁107は、連結部材109を介してフロート113に接続されており、フロート113がタンク7内の水位に基づいて昇降することにより開閉する。フロート113は、浮力の影響を受けやすい形状であることが好ましく、例えば有天井の筒型である。
サブタンク112は、上面部16と、複数の側壁17と、上面部16に設けられた逆止構造114と、を備える。
逆止構造114は、上面部16の通気孔160に設けられた逆止弁である弁体115を有しており、サブタンク112の外から内への空気の流入を規制する一方で、サブタンク112の内から外への空気の流出を許容する。
弁体115は、サブタンク112内の水位に基づいて昇降し、上昇して通気孔160を開く一方で、下降して通気孔160を閉じる。具体的に、弁体115は、蓋材116と、連結材117と、フロート材118と、パッキン119と、を備える。
蓋材116は、通気孔160に通されている連結材117を介してサブタンク112内のフロート材118に連結されており、フロート材118と一体となって昇降することで、サブタンク112の外から通気孔160を開閉する。フロート材118は、浮力の影響を受けやすい形状であることが好ましく、例えば有天井の筒型である。パッキン119は、蓋材116の下面に取り付けられており、蓋材116が通気孔160を閉じている際に、サブタンク112内の気密性を保つ。
次に、図22を用いて、タンク装置110における給排水の流れを説明する。
図22の(a)に示すように、タンク装置110における給水開始時は、弁体115が通気孔160を閉じている。
タンク装置110における給水が続くことで、図22の(b)に示すように、タンク7内及びサブタンク112内の水位が上昇する。この時、サブタンク112内の気圧が高まることで弁体115が上昇して通気孔160を開き、サブタンク112内の空気が通気孔160を介して外に流出する。結果、サブタンク112内の気圧が一時的に低くなるが、サブタンク112内の水位の上昇が続くことで、弁体115が同様の動作を繰り返し、サブタンク112の内から外への空気の流出を断続的に許容する。
タンク装置110における給水が更に続くことで、図22の(c)に示すように、サブタンク112内の水位が弁体115のフロート材118に浮力を及ぼす高さまで上昇する。この、弁体115が浮力で上昇して通気孔160を開き、サブタンク112内の空気が通気孔160を介して外に流出する。これにより、サブタンク112の内から外への空気の流出を連続的に許容する。そして、図22の(d)に示すように、タンク装置110における給水が完了する。
図23の(a)に示すように、タンク装置110における排水開始前は、サブタンク112内は満水の状態で、浮力が及んでいる弁体115は通気孔160を開いている。排水が開始されると、図23の(b)に示すように、タンク7内及びサブタンク112内の水位が低下する。弁体115に浮力が及ばなくなることで、弁体115が通気孔160を閉じる。これにより、吸気のできなくなったサブタンク112内の水位は低下せず、サブタンク112外の水位が低下することになる。
図23の(c)に示すように、サブタンク112外の水位がサブタンク112の下端に到達すると、サブタンク112の下端の外から内に空気が入り、サブタンク112内の水位が低下する。
次に、図24を用いて、タンク装置110における吐水流量の時刻歴を説明する。
図24中、横軸はタンク装置110及び比較対象となるタンク装置における排水開始からの時間を表しており、縦軸は排水の流量を表している。また、図24において、実線がタンク装置110における吐水流量を示し、破線が第1実施形態に係るタンク装置3の吐水流量を示し、一点鎖線が本発明を適用していない通常のタンク装置の吐水流量を示している。
図24の実線に示すように、タンク装置110における排水が開始されると、しばらくの間、吐水流量は一気に増大する。始めはサブタンク112内の水位も低下するが(図23の(a)参照)、弁体115が通気孔160を閉じてからは、吸気のできないサブタンク112内の水位は低下せず、サブタンク112外のみの水位が低下する(図23の(b)参照)。
そして、時間T1’に達すると、サブタンク112外の水位がサブタンク112の下端に到達することで、サブタンク112の下端からサブタンク112の外から内に空気が入るので、その後、サブタンク112内の水位が低下する(図23の(c)参照)。この間、サブタンク112外の水位は一定であるため水頭圧は一定に維持されるので、吐水流量も一定となる。
そして、時間T2’に達すると、サブタンク112が空になることで、その後、所定の水位に到達するまでタンク7内の水位が低下し、排水が終了する。この間、水頭圧は低下し続けるので、吐水流量も低下し続ける。
以上のタンク装置110は、逆止構造114が、サブタンク112内の水位に基づいて昇降し、上昇して通気孔160を開く一方で下降して通気孔160を閉じる弁体115を有する。結果、給水時には、サブタンク112内を確実に満水にすることができる。また、排水時には、吐水流量の制御が可能であり、排水開始初期に、大流量を長時間維持することができる。
[第13実施形態]
図25は、本発明の第13実施形態に係るタンク装置120の模式図である。
本実施形態に係るタンク装置120は、第12実施形態と同様、浮力で作動する逆止構造を有している点等が第1実施形態と相違する。
図25に示すように、タンク装置120は、サブタンク121を備える。サブタンク121は、上面部16と、複数の側壁17と、上面部16に設けられた逆止構造122と、を備える。
逆止構造122は、上面部16の通気孔160の下方に設けられた逆止弁である弁体123と、この弁体123をガイドする枠材124と、を有しており、サブタンク121の外から内への空気の流入を規制する一方で、サブタンク121の内から外への空気の流出を許容する。
弁体123は、浮力で浮くゴムボールからなり、サブタンク121内の水位に基づいて昇降する。枠材124は、弁体123を収容する有底の筒型であり、上面部16の下面に固定されている。この枠材124は、底部に、弁体123の径よりも小さい通気孔125を有しており、通気孔125は弁体123により開閉される。
弁体123は、通気孔125の上方でサブタンク121内の水位に基づいて昇降し、上昇して通気孔125を開く一方で、下降して通気孔125を閉じる。
本実施形態によれば、上述の第12実施形態と同様の効果が奏される。
[第14実施形態]
図26は、本発明の第14実施形態に係るタンク装置126の模式図である。図27の(a)は、タンク装置126における給水中の状態を示す模式図である。図27の(b)は、タンク装置126における給水完了後の状態を示す模式図である。図28の(a)は、タンク装置126における排水中であってサブタンク127の下端までサブタンク127外の水位が下がった状態を示す模式図である。図28の(b)は、タンク装置126における排水中であってサブタンク127内の水位が下がっていく過程でサブタンク127の外から内への空気の流入を規制している状態を示す模式図である。図28の(c)は、タンク装置126における排水中であってサブタンク127内の水位が下がっていく過程でサブタンク127の外から内への空気の流入を許容している状態を示す模式図である。図29は、タンク装置126及び比較対象となるタンク装置における排水開始時からの時間と排水の流量との関係を示す吐水流量曲線図である。
本実施形態に係るタンク装置126は、浮力で作動する逆止構造を有している点等が第1実施形態と相違する。
図26に示すように、タンク装置126は、サブタンク127を備える。サブタンク127は、上面部16と、複数の側壁17と、上面部16に設けられた逆止構造128と、を備える。
逆止構造128は、上面部16の通気孔160の下方に設けられた逆止弁である弁体123と、この弁体123をガイドする箱材(小タンク)129と、この箱材129の通水孔130に設けられた逆止弁である弁体(第2弁体)131と、を有しており、サブタンク127の外から内への空気の流入を規制する一方で、サブタンク127の内から外への空気の流出を許容する。
弁体123は、箱材129内の水位に基づいて昇降し、上昇して通気孔160を閉じる一方で、下降して通気孔160を開く。箱材129は、弁体123を収容する有底の筒型であり、上面部16との間に通水部136を設けるように上面部16の下面に固定されている。この箱材129は、底部に、通水孔130を有しており、通水孔130は弁体131により開閉される。
弁体131は、サブタンク127内で且つ箱材129外の水位に基づいて昇降し、上昇して通水孔130を閉じる一方で、下降して通水孔130を開く。具体的に、弁体131は、フロート材132と、連結材133と、フランジ材134と、パッキン135と、を備える。
フロート材132は、浮力の影響を受けやすい形状であることが好ましく、例えば有天井の筒型である。このフロート材132は、箱材129の下方に配置されており、通水孔130に通されている連結材133を介して箱材129内のフランジ材134に連結されている。また、フロート材132は、昇降することで、箱材129の下方から通水孔130を開閉する。
フランジ材134は、弁体131が通水孔130から脱落することを防止している。パッキン135は、フロート材132の上面に取り付けられており、フロート材132が通水孔130を閉じている際に、通水孔130から洗浄水が漏れることを防止している。
次に、図27を用いて、タンク装置126における給排水の流れを説明する。
図27の(a)に示すように、タンク装置126における給水中は、弁体123に浮力が及ばず、通気孔160が開いている。このため、サブタンク127内の水位も上昇する。サブタンク127内の水位が上昇して弁体131に浮力が及ぶことで、弁体131が上昇して通水孔130を閉じる。これにより、箱材129外の水位が上昇する一方で、通水孔130を介して箱材129内に洗浄水が流入することはない。
その後、図27の(b)に示すように、通水部136を介して洗浄水が箱材129内に流入することで、タンク装置126の給水が完了する。この時、弁体123に浮力が及ぶことで、弁体123が上昇して通気孔160を閉じる。
タンク装置126における排水中は、図28の(a)に示すように、まず、吸気のできないサブタンク127内の水位は低下せず、サブタンク127外の水位が低下する。その後、サブタンク127外の水位がサブタンク127の下端に到達すると、サブタンク127の下端の外から内に空気が入り、サブタンク127内の水位が低下する。
ただし、弁体131に浮力が及ぶ間は、弁体131が通水孔130を閉じており、箱材129内の水位は低下しない。この間、弁体123に浮力が及ぶため、弁体123が通気孔160を閉じており、水頭圧は、サブタンク127の下端に到達したサブタンク127外の水位に応じた圧で一定に維持される。
しばらくすると、図28の(b)に示すように、サブタンク127内の水位が低下した結果、弁体131に浮力が及ばなくなり、弁体131が通水孔130を開く。これにより、箱材129内の水位が低下する。その後、図28の(c)に示すように、弁体123に浮力が及ばなくなり、弁体123が通気孔160を開く。この時、サブタンク127内が大気圧になるため、水頭圧は、サブタンク127内の水位に応じた圧に上昇する。
次に、図29を用いて、タンク装置126における吐水流量の時刻歴を説明する。
図29中、横軸はタンク装置126及び比較対象となるタンク装置における排水開始からの時間を表しており、縦軸は排水の流量を表している。また、図29において、実線がタンク装置126における吐水流量を示し、破線が第1実施形態に係るタンク装置3の吐水流量を示し、一点鎖線が本発明を適用していない通常のタンク装置の吐水流量を示している。
図29の実線に示すように、タンク装置126における排水が開始されると、しばらくの間、吐水流量は一気に増大する。この間、吸気のできないサブタンク127内の水位は低下せず、サブタンク127外の水位が低下する(図28の(a)参照)。
そして、時間T1に達すると、サブタンク127外の水位がサブタンク127の下端に到達することで、サブタンク127の下端からサブタンク127の外から内に空気が入るので、その後は、サブタンク127内の水位が低下する(図28の(b)参照)。この間、サブタンク127外の水位は一定であるため水頭圧は一定に維持されるので、吐水流量も一定となる。
そして、時間T3に達すると、弁体123が通気孔160を開き、サブタンク127内が大気圧になるため(図28の(c)参照)、再び吐水流量は一気に増大する。その後は、所定の水位に到達するまでタンク7内の水位が低下し、排水が終了する。この間、水頭圧は低下し続けるので、吐水流量も低下し続ける。
以上のタンク装置126は、逆止構造128が、サブタンク127内において弁体123を収容するように設けられ、下部に通水孔130を有すると共に通水孔130よりも上方に通水部136を有する箱材129と、サブタンク127内で且つ箱材129外の水位に基づいて昇降し、上昇して通水孔130を閉じる一方で下降して通水孔130を開く弁体131と、を有し、弁体123は、箱材129内の水位に基づいて昇降する。
結果、給水時には、サブタンク127内を確実に満水にすることができる。また、排水時には、一定流量で排水している途中にサブタンク127内が大気開放されることにより、一定流量での排水が解除され、排水動作の後半に大流量の排水が可能となる。これにより、排水動作の後半に、排水トラップへの押込み力が強まり排出性能が向上する。
[第15実施形態]
図30の(a)は、排水終了のタイミングを説明するためのタンク装置138における排水開始時の状態を示す模式図である。図30の(b)は、タンク装置138におけるサブタンク9内の水位がサブタンク9の下端よりも上方の時に排水を終了させた状態を示す模式図である。図30の(c)は、タンク装置138におけるサブタンク9内の水位がサブタンク9の下端に達した時に排水を終了させた状態を示す模式図である。図30の(d)は、タンク装置138におけるタンク7内の水位がサブタンク9の下端よりも下方に達した時に排水を終了させた状態を示す模式図である。図31は、本発明の第15実施形態に係るタンク装置140の模式図である。
本実施形態に係るタンク装置140は、サブタンク9の下端より下方に設定された水位を検知することにより排水を終了することを具体的に開示している点等が第1実施形態と相違する。
図30の(a)に示すように、タンク装置138における排水開始時は、タンク7及びサブタンク9は満水になっており、操作レバー103の操作によって排水弁8が排水口12を開く。排水口12が開かれることで、排水口12からの吐水が開始され、タンク7内の洗浄水が排水管(図示省略)を介して便器本体(図示省略)に排出(供給)される。
タンク装置138における排水中は、まず、吸気のできないサブタンク9内の水位は低下せず、サブタンク9外の水位が低下する。その後は、サブタンク9外の水位がサブタンク9の下端に到達すると、サブタンク9の下端の外から内に空気が入り、サブタンク9内の水位が低下する。
例えば、図30の(b)に示すように、タンク装置138において、サブタンク9内の水位がサブタンク9の下端よりも上方の時は、サブタンク9の下端の外から内に流入する気泡により、サブタンク9内の水面が波立っている。この時に水位を検知して排水弁8で排水口12を閉じることは、水位検知の精度が悪く、排水毎の排出水量が大きくばらついてしまう。
同様に、図30の(c)に示すように、タンク装置138において、サブタンク9内の水位がサブタンク9の下端に達した時も、それまでにサブタンク9の下端の外から内に流入していた気泡により、サブタンク9内の水面が波立っている。この時に水位を検知して排水弁8で排水口12を閉じることは、水位検知の精度が悪く、排水毎の排出水量が大きくばらついてしまう。
一方で、図30の(d)に示すように、タンク装置138において、タンク7内の水位がサブタンク9の下端よりも下方に達した後は、水面は落ち着いて波立っていない。この時に水位を検知して排水弁8で排水口12を閉じることで、水位検知の精度を高め、排水毎の排出水量を一定に保つことができる。
図31に示すように、タンク装置140は、玉鎖102に固定されているEリング106の位置に応じて、排水弁8を閉じる際のタンク7内の水位が、サブタンク9の下端に有する開口90よりも下方に設定されている。
以上のタンク装置140は、フロート104、筒材105及びEリング106が弁制御手段として機能することで、タンク7内の水位が、サブタンク9の下端に有する開口90よりも下方に設定されている高さまで低下したことを検知して排水弁8で排水口12を閉じる。これにより、排水毎の排出水量のばらつきを抑制することができる。
[第16実施形態]
図32は、本発明の第16実施形態に係るタンク装置142の模式図である。図33の(a)は、タンク装置142における排水前の状態を示す模式図である。図33の(b)は、タンク装置142における排水中の状態を示す模式図である。図33の(c)は、タンク装置142における排水終了後の状態を示す模式図である。図33の(d)は、タンク装置142における給水完了後の状態を示す模式図である。
本実施形態に係るタンク装置142は、給水経路であるボールタップ111による給水を一時的に貯留することでタンク7への給水を遅延させるバッファタンク143を備える点等が第1実施形態と相違する。
図32に示すように、タンク装置142は、バッファタンク143と、遅延弁144と、連動手段(図示省略)と、を備える。
バッファタンク143は、ボールタップ111からタンク7に給水する経路に設けられて、ボールタップ111による給水を一時的に貯留する。このバッファタンク143は、その底部に、一時的に貯留した洗浄水をタンク7に供給する給水口145を有している。給水口145は、遅延弁144によって開閉される。
遅延弁144は、排水弁8による排水口12の開閉に連動して給水口145を開閉する。連動手段(図示省略)は、例えば、てこの原理を用いたリンク機構であり、排水弁8が排水口12を開いた時に遅延弁144で給水口145を閉じる一方で、排水弁8が排水口12を閉じた時に遅延弁144で給水口145を開く。
次に、図33を用いて、タンク装置142における給排水の流れを説明する。
図33の(a)に示すように、タンク装置142における排水前は、排水弁8が排水口12を閉じており、ボールタップ111を介して供給されていた洗浄水によって、タンク7及びサブタンク9は満水になっている。この時、フロート113は、浮力によって上昇した高さに位置しており、給水弁107を閉じている。
図33の(b)に示すように、タンク装置142における排水開始時は、操作レバー103の操作によって排水弁8が排水口12を開く。排水口12が開かれることで、排水口12からの吐水が開始され、タンク7内の洗浄水が排水管(図示省略)を介して便器本体(図示省略)に排出(供給)される。排水弁8が排水口12を開いた時に、連動手段(図示省略)によって遅延弁144が給水口145を閉じる。
タンク装置142における排水中は、まず、吸気のできないサブタンク9内の水位は低下せず、サブタンク9外の水位が低下する。その後は、サブタンク9外の水位がサブタンク9の下端に到達すると、サブタンク9の下端の外から内に空気が入り、サブタンク9内の水位が低下する。この時、フロート113は、重力によって下降して、給水弁107を開く。これにより、ボールタップ111から洗浄水が供給され、バッファタンク143に洗浄水が一時的に貯留される。
しばらくすると、サブタンク9が空になり、また、所定の水位に到達するまでタンク7内の水位が低下し、排水弁8が排水口12を閉じることで排水が終了する。図33の(c)に示すように、排水弁8が排水口12を閉じた時に、連動手段(図示省略)によって遅延弁144が給水口145を開く。給水口145が開かれることで、バッファタンク143に一時的に貯留されていた洗浄水がタンク7に供給される。
そして、図33の(d)に示すように、所定の水位に到達するまでタンク7内の水位が上昇し、タンク装置142における給水が完了する。この時、フロート113が浮力によって上昇し、給水弁107を閉じる。
以上のタンク装置142は、ボールタップ111からタンク7に供給する経路に設けられて、ボールタップ111による給水を一時的に貯留することでタンク7への給水を遅延させ、タンク7に給水する給水口145を有するバッファタンク143と、給水口145を開閉する遅延弁144と、排水弁8が排水口12を開いた時に遅延弁144で給水口145を閉じる一方で、排水弁8が排水口12を閉じた時に遅延弁144で給水口145を開く連動手段(図示省略)と、を備える。結果、排水時にタンク7に給水されないため、排水毎に同じ流量パターンで一定流量の吐水ができる。これにより、洗浄水量のばらつきを低減できる。
[第17実施形態]
図34は、本発明の第17実施形態に係るタンク装置147の模式図である。図35の(a)は、タンク装置147における排水前の状態を示す模式図である。図35の(b)は、タンク装置147における排水中の状態を示す模式図である。図35の(c)は、タンク装置147における給水中の状態を示す模式図である。図35の(d)は、タンク装置147における給水完了後の状態を示す模式図である。図36は、タンク装置147及び比較対象となるタンク装置における排水開始からの時間と排水の流量との関係を示す吐水流量曲線図である。
本実施形態に係るタンク装置147は、仕切り部材148によってマリオットの瓶の原理を作り出している点等が第1実施形態と相違する。
図34に示すように、タンク装置147は、仕切り部材148と、給水弁体149と、給気弁体150と、を備える。
仕切り部材148は、タンク7内を上下に仕切るようにタンク7内に設けられている。この仕切り部材148は、上位面部151と、この上位面部151に直交するように上端が連続する側壁部152と、この側壁部152の下端に直交するように連続する下位面部153と、上位面部151に設けられた逆止構造18と、を備える。
上位面部151は、ボールタップ111による給水をタンク7内の上方から下方へ導く給水開口154を有している。給水開口154は、給水弁体149によって開閉される。給水弁体149は、給水弁107の開閉動作と連動して給水開口154を開閉する。
下位面部153は、タンク7内の上方から下方へ給気する給気開口155を有している。給気開口155は、給水開口154よりも下方に位置し、給気弁体150によって開閉される。給気弁体150は、排水弁8の開閉動作と連動して給気開口155を開閉する。
次に、図35を用いて、タンク装置147における給排水の流れを説明する。
図35の(a)に示すように、タンク装置147における排水前は、排水弁8が排水口12を閉じており、ボールタップ111を介して供給されていた洗浄水によって、タンク7における仕切り部材148の下方は満水になっている。この時、給水弁体149が給水開口154を閉じていると共に、給気弁体150が給気開口155を閉じている。
図35の(b)に示すように、タンク装置147における排水開始時は、操作レバー103の操作によって排水弁8が排水口12を開く。排水口12が開かれることで、排水口12からの吐水が開始され、タンク7内の洗浄水が排水管(図示省略)を介して便器本体(図示省略)に排出(供給)される。排水弁8が排水口12を開いた時に、連動手段(図示省略)によって給気弁体150が給気開口155を開く。給気開口155を介して仕切り部材148の上方から下方に空気が入り、タンク7内の水位が低下する。
下位面部153よりも下方の所定の水位に到達するまでタンク7内の水位が低下し、排水弁8が排水口12を閉じることで排水が終了する。排水弁8が排水口12を閉じた時に、連動手段(図示省略)によって給気弁体150が給気開口155を閉じる。また、連動手段(図示省略)によって給水弁体149が給水開口154を開くと共に、給水弁107を開く。これにより、図35の(c)に示すように、ボールタップ111からタンク7内に洗浄水が供給される。
そして、図35の(d)に示すように、所定の水位に到達するまでタンク7の水位が上昇し、タンク装置147における給水が完了する。その後、給水弁体149が給水開口154を閉じる。
次に、図36を用いて、タンク装置147における吐水流量の時刻歴を説明する。
図36中、横軸はタンク装置147及び比較対象となるタンク装置における排水開始からの時間を表しており、縦軸は排水の流量を表している。また、図36において、実線がタンク装置147における吐水流量を示し、破線が第1実施形態に係るタンク装置3の吐水流量を示している。
図36の実線に示すように、タンク装置147における排水が開始されると、しばらくの間、吐水流量は一気に増大する。この間、給気開口155における水面が波立つことになるが、給気開口155における水面が安定する時間T4に達すると、給気開口155における水位が一定であるため水頭圧は一定に維持されるので、吐水流量も一定となる。
そして、時間T2に達すると、タンク7内の水位が下位面部153の高さに到達することで、その後、下位面部153よりも下方の所定の水位に到達するまでタンク7内の水位が低下し、排水が終了する。この間、水頭圧は低下し続けるので、吐水流量も低下し続ける。
以上のタンク装置147は、タンク7内を上下に仕切るようにタンク7内に設けられ、ボールタップ111による給水をタンク7内の上方から下方へ導く給水開口154、及び当該給水開口154よりも下方に位置し、タンク7内の上方から下方へ給気する給気開口155を有する仕切り部材148と、給水弁107の開閉動作と連動して給水開口154を開閉する給水弁体149と、排水弁8の開閉動作と連動して給気開口155を開閉する給気弁体150と、を備える。これにより、第1実施形態に係るタンク装置3と比較して、一定流量で吐水するまでの無駄水が無くなるため、洗浄水量を低減できる。
[第18実施形態]
図37は、本発明の第18実施形態に係るタンク装置170の外観斜視図である。図38は、タンク装置170の平面図である。
本実施形態に係るタンク装置170は、サブタンク171が平面視でC字型である点等が第1実施形態と相違する。
図37に示すように、タンク装置170は、サブタンク171と、複数の固定フック172と、を備える。
サブタンク171は、平面視でコの字型である上面部173と、この上面部173に直交する複数の側壁174と、上面部173に設けられた逆止構造18と、を備え、下面に開口175を有する形に形成される。このサブタンク171は、当該サブタンク171の外寸がタンク7の内寸よりも僅かに小さい大きさを有し、且つ、玉鎖102及びフロート113等を避ける形状を有しており、複数の固定フック172によってタンク7に吊り下げられるように固定されている。
以上のタンク装置170は、平面視でコの字型のサブタンク171を備えている。結果、サブタンク171の大容量化を可能にする。これにより、一定の流量で吐水する時間を長くすることができる。ひいては、洗浄能力を向上できる。
以上、本発明のタンク装置3,29,37,44,48,60,64,70,74,78,100,110,120,126,138,140,142,147,170の好ましい実施形態について説明したが、本発明は、上述した実施形態に制限されるものではなく、適宜変更が可能である。また、一の実施形態の構成の全体又は一部を、可能な範囲で他の実施形態へ適用することが可能である。
例えば、サブタンク61,65,71,75,79,171の下端よりも上方に開口を有する態様に代えて、サブタンクの下面に複数の開口を有するように構成してもよい。この態様の場合も、限定された箇所(複数の開口)からサブタンク内へ空気が流入するため、空気同士の干渉が少なくなり、振動や騒音を抑制することができる。また、複雑ではない構造であるため、振動や騒音の抑制を安易且つ安価に実現することができる。
あるいは、第14実施形態に係るタンク装置126において、弁体123に代えて、第12実施形態における弁体115を備えるように構成してもよい。
あるいは、第15実施形態に係るタンク装置140において、フロート104、筒材105及びEリング106を弁制御手段として機能させることに代えて、レーザー等のセンサーを用いることで、タンク7内の水位が、サブタンク9の下端に有する開口90よりも下方に設定されている高さまで低下したことを検知するように構成してもよい。
また、上記実施形態では、給水部をボールタップ101,111で構成したが、これに限定されない。例えば、給水部を電磁弁等で構成してもよい。
また、上記実施形態では、給水部としてのボールタップ101,111を仕切り部材148の上方に配置したが、これに限定されない。例えば、電磁弁等の給水部を、仕切り部材148の下方に配置してもよい。