JP6839524B2 - 水上構造物における脚部の鋼管杭への支持構造及び支持方法 - Google Patents

水上構造物における脚部の鋼管杭への支持構造及び支持方法 Download PDF

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本発明は水上構造物を支持する中空断面形状の脚部を水底地盤に支持される鋼管杭に接合する前に、脚部の鉛直性を確保しながら、脚部を鋼管杭の天端上に支持させる脚部の鋼管杭への支持構造及び支持方法に関するものである。
洋上等の水上構造物を支持する中空断面形状の脚部を海底等の水底地盤に支持される鋼管杭にグラウト材の充填により接合する場合、脚部は鋼管杭の回りを包囲した状態で配置され、両者が重なった区間の鋼管杭の外周面と脚部の内周面との間にグラウト材が充填されることにより鋼管杭に接合される(特許文献1参照)。
特に脚部内周面の、鋼管杭の天端に対応した位置に固定されたブラケットを鋼管杭の天端上に載置することにより脚部を鋼管杭に支持させる方法(特許文献1)では、脚部はブラケットが鋼管杭の天端上に載置された時点で鋼管杭に支持されて安定し、この状態で脚部と鋼管杭間にグラウト材が充填される。ブラケットは脚部の周方向に間隔を置いて複数箇所に固定されるか、周方向に連続し、環状に閉じた形に形成される。
特開2012−77533号公報(段落0021〜0041、図2、図3)
しかしながら、水底地盤に先行して設置されている鋼管杭の軸線が鉛直方向に対して傾斜している場合、ブラケットを鋼管杭の天端上に単純に載置するのみでは鋼管杭の軸線の傾斜を修正して脚部を鋼管杭に支持させることができないため、脚部を水上で吊り支持したまま脚部の鉛直性を調整する作業が必要になる。
脚部の吊り下げ前に、水平に対して傾斜している鋼管杭の複数箇所の天端のレベルを計測する一方、この複数箇所の計測値の差に基づき、計測箇所毎に異なる高さのブラケットを製作し、この異なる高さの複数個のブラケットを脚部に固定した後に、脚部を鋼管杭上に吊り下げる方法も考えられるが、鋼管杭の設置後から脚部の設置までの期間が長引き、工期が長期化する難点がある。また設置済みの鋼管杭毎に異なる高さのブラケットを製作しなければならないため、ブラケットの製作効率が低下する。
本発明は上記背景より、脚部の内周面に固定されたブラケットを鋼管杭の天端上に載置することにより脚部を鋼管杭に支持させる方法において、鋼管杭の軸線が鉛直方向に対して傾斜している場合に、脚部の鋼管杭への載置時に現場での対応で脚部の鉛直性を確保することが可能な脚部の鋼管杭への支持構造及び支持方法を提案するものである。
請求項1に記載の発明の水上構造物における脚部の鋼管杭への支持構造は、水上構造物を支持する中空断面形状の脚部を、水底地盤に支持され、前記脚部の内径より小さい外径の鋼管杭の上方寄りの区間の周囲に配置し、前記脚部を前記鋼管杭の天端上に載置し、前記脚部の内周面と前記鋼管杭の外周面との間にグラウト材を充填し、前記脚部を前記鋼管杭に接合する方法において、前記脚部の鉛直性を確保しながら、前記脚部を前記鋼管杭の天端上に支持させる脚部の支持構造であり、
前記鋼管杭の天端に形成されたフランジ上の複数箇所に、周方向に間隔を置き、厚さの相違する調整材が、厚さ方向が前記鋼管杭の軸方向を向いて配置され、この全調整材上に前記脚部の前記軸方向中間部の内周面に固定されたブラケットが載置されており、
前記調整材は前記フランジ上に横溢した前記グラウト材中に埋設され、前記フランジに接合されていることを構成要件とする。
図1−(a)に示すように鋼管杭5の天端の内周側には脚部1内周面の、鋼管杭5天端に対応した位置に固定されたブラケット4を受けるフランジ51が形成され、このフランジ51の上面が鋼管杭5の天端面になる。フランジ51は鋼管杭5の半径方向に、脚部1のブラケット4が載置可能な幅を有する。脚部1の内周面に固定されるブラケット4は脚部1の周方向に間隔を置いて部分的に配置される場合と、周方向に連続し、環状に形成される場合があり、周方向に部分的に配置される場合には、周方向にある程度、連続した長さを有し、円弧状に形成される場合がある。
「調整材6の厚さ」は調整材6の高さでもある。水底地盤への設置状態で軸線が鉛直方向(鉛直線)に対して傾斜している鋼管杭5の天端面は図2に示すように水平面に対して傾斜している。このため、ブラケット4の高さが一定で、ブラケット4の下面(底面)が水平面上に位置している場合、ブラケット4を直接、鋼管杭5の天端面上に載置すれば、脚部1の軸線は鋼管杭5の軸線と平行になり、鉛直方向に対して傾斜した状態になる。
そこで、鋼管杭5の天端面上に載置された調整材6上にブラケット4を載置したときに、脚部1の軸線を鉛直方向に向けるには、ブラケット4の下面を実質的な水平面上に位置させる必要があり、それには複数個の全調整材6の上面が実質的な水平面上に位置している(同一水平面をなしている)必要がある。「実質的な水平面」とは、完全な水平面の他、ブラケット4を受ける上で許容される誤差の範囲を含む趣旨である。「水平面」は鉛直方向に垂直な平面を言う。
ブラケット4の下面を実質的な水平面上に確実に位置させるには、厳密には全調整材6を鋼管杭5の天端面上に載置したときに、全調整材6の上面に、鋼管杭5の天端面に生じている水平面に対する傾斜とは逆向きの傾斜が付くようにし(請求項2)、全調整材6の上面が水平面上に位置するように、全調整材6の上面を下面に対して傾斜させることが必要になる。
調整材6は厚さ方向が鋼管杭5の軸方向を向いて配置されることから、鋼管杭5の軸線が鉛直線に対して傾斜している場合に、全調整材6の厚さが一定であれば、鋼管杭5の天端面上に載置された調整材6の上面は水平面に対して傾斜した面になる。そこで、鋼管杭5の天端面上に載置されたときに、調整材6の上面が水平面に近い面をなすよう、前記のように調整材6の上面を下面に対して傾斜した面として形成することが本来、必要になる(請求項2)。
各調整材6の上面に、鋼管杭5の天端面に生じている水平面に対する傾斜とは逆向きの傾斜が付いていれば(請求項2)、全調整材6の上面が水平面上に位置するため、全調整材6上に脚部1のブラケット4が載置されたときに、ブラケット4の下面を実質的な水平面上に配置することができ、脚部1の軸線を鉛直方向に向けることができることによる。各調整材6の厚さ(高さ)は図2に示すように鋼管杭5天端面上の載置位置毎に異なる。「載置位置毎に調整材6の厚さが異なる」とは、水平面に対して傾斜が生じている鋼管杭5天端面全体の内、相対的に下方に位置する部分に載置される調整材6の厚さが大きく、相対的に上方に位置する部分に載置される調整材6の厚さが小さいことを言う。
「鋼管杭5の天端面に生じている水平面に対する傾斜とは逆向きの傾斜が付けられる」とは、鋼管杭5を軸線を通る鉛直断面で見たときに「鋼管杭5の天端面の、水平面に対する傾斜角度とは逆向きに傾斜する角度が調整材6の上面に付けられる」の意味である。このことは、図2に示すように鋼管杭5の天端面を相対的に最も低い側から最も高い側を見たときの水平面とのなす角度αと、鋼管杭5天端面上への設置前の調整材6の上面を最も高い側から最も低い側を見たときの水平面とのなす角度が等しくなるときの、調整材6の上面のことを言う。
「鋼管杭5天端面上への設置前の調整材6の上面を最も高い側から最も低い側を見たときの水平面とのなす角度」は「鋼管杭5天端面上への設置後の調整材6の下面を最も低い側から最も高い側を見たときの水平面とのなす角度」でもある。鋼管杭5の天端面に生じている水平面に対する傾斜角度αは鋼管杭5の複数箇所の天端のレベルの計測結果から判明する。
鋼管杭5の天端面の水平面とのなす角度αと調整材6の上面の水平面とのなす角度が等しくなるように各調整材6の上面と下面の少なくともいずれか一方を切削する等により各調整材6の高さ、あるいは傾斜状態を調整しておくことで、複数個の全調整材6の上面が水平面上に位置する状態になる。この結果、全調整材6の上面上に載るブラケット4の下面が全調整材6の上面の全面に接触する状態で全調整材6がブラケット4を支持することができ、脚部1の鉛直荷重が全調整材6に均等に分散して作用するため、いずれかの調整材6に集中して作用することがなくなり、ブラケット4と調整材6の損傷の可能性が低下する。
但し、複数個の調整材6を傾斜した鋼管杭5の天端面上に載置したときの調整材6の上面が水平面になるように予め上面か下面を傾斜させて調整材6を製作することには、高い精度が要求されるため、予定通りに調整材6を製作できないことも想定される。
そこで、複数個の調整材6を鋼管杭5の天端面上に周方向に間隔を置いて配置する場合、各調整材6の上面が完全な同一の水平面上に位置しなくても、ブラケット4が周方向に連続する場合にも後述のように3個の調整材6で支持されれば(請求項3)、ブラケット4は全調整材6に支持され、いずれかの調整材6に支持されない不安定な状態にはならないため、脚部1を安定させて鋼管杭5に支持させることは可能である。
この場合、全調整材6の上面の少なくとも一部が実質的な水平面上に位置するよう、ブラケット4の載置位置毎に異なる厚さ(高さ)の調整材6を配置することになる。全調整材6の上面が実質的な水平面上に配列することは、調整材6の上面を含む平面に垂直な方向を向く脚部1の軸線が鉛直方向を向くことを意味する。
「上面の少なくとも一部が実質的な水平面上に位置する」とは、全調整材6を傾斜した天端面上に載置したときに、全調整材6の上面の少なくとも一部が実質的な水平面上に配列することを言い、ブラケット4の下面が必ずしも調整材6の上面に面で接触するとは限らず、点か線で接触することもあることを言う。ブラケット4の下面が調整材6の上面に点か線で接触する場合にも、3個の調整材6が周方向に均等な間隔を置いて配置されれば、各調整材6が負担する鉛直荷重は等しくなる。
請求項1における「厚さの相違する(調整材)」とは、全調整材6が傾斜した鋼管杭5天端面上に載置されたときに、全調整材6の上面が実質的な水平面をなすように、または全調整材6の上面の少なくとも一部が実質的な水平面に接触するように各調整材6の厚さが相違することを言う。このことはまた、1枚、または1個の調整材6の厚さが前記のように鋼管杭5天端面上への載置位置毎に相違する場合と、図2に示すように複数枚の構成材61を積み重ねて1枚、または1個の調整材6を形成したときの厚さが鋼管杭5の天端面上への載置位置毎に相違する場合がある。前者の場合、調整材6は板状、またはブロック状をし、後者の場合、調整材6の構成材61が板状をする。調整材6の平面形状は任意であり、板状、環状等がある。なお、調整材6が複数枚の構成材61から構成される場合、上記「全調整材6の上面」は最上部の調整材構成材61の上面を言う。
「調整材6が、厚さ方向が鋼管杭5の軸方向を向いて配置され」とは、鋼管杭5の傾斜した天端面上に調整材6が厚さ方向に積まれることを言う。調整材6は鉛直方向に対して傾斜した鋼管杭5の軸線方向に積まれるが、各調整材6の厚さが載置位置毎に相違し、また上面と下面の少なくともいずれか一方が鋼管杭5の天端面に対して傾斜した面をなすことで、天端面上に載置されたときに、各調整材6の上面が実質的な水平面上に位置することになる。
以上のように複数個の調整材6を鋼管杭5の天端面上に載置する請求項1では、厚さの相違する複数個の調整材6を天端上の複数箇所に周方向に間隔を置いて配置することで、全調整材6の上面が実質的な水平面をなすように、または全調整材6の上面の少なくとも一部が実質的な水平面上に位置するようにブラケット4の載置位置毎に異なる高さの調整材6を鋼管杭5の天端面上に配置することができる。
結果として、鋼管杭5の天端面に生じている水平面に対する傾斜に拘わらず、ブラケット4の下面を実質的に水平面上に位置させることができるため、ブラケット4の下面に垂直な方向を向く脚部1の軸線を鉛直方向に向けることが可能になる。すなわち、鋼管杭5の軸線が鉛直方向に対して傾斜している場合に、脚部1の鋼管杭5への載置時に現場での対応により脚部1の鉛直性を確保することが可能である。
調整材6は少なくとも脚部1のブラケット4の固定位置に対応した位置にのみ、部分的に配置されればよいが(請求項1)、脚部1の吊り込み時の施工誤差に追従するために、鋼管杭5の周方向に余裕を持った長さを有することもある他、鋼管杭5の周方向に連続し、環状に周回する形態に形成されることもある(請求項4)。
調整材6がブラケット4の固定位置に対応した位置にのみ、部分的に配置される場合(請求項1)、厚さの最小の調整材6と最大の調整材6の厚さの差を抑える上では、鋼管杭5の天端上の、最も高い部分と最も低い部分を除く部分に配置されることが適切である。例えば鋼管杭5の天端面上の、最も高い部分と最も低い部分に調整材6を配置するとすれば、厚さの最小の調整材6と最大の調整材6の厚さの差が最大になるため、天端面上に載置した後の各調整材6の上面間に誤差が生じ易いことによる。また複数枚の構成材61を重ねて調整材6を形成する場合に、構成材61の枚数が多くなるため、構成材61がずれ易く、安定性が損なわれ易いこともある。
複数個の調整材6の配置箇所数は問われないが、全調整材6の上面上にブラケット4の下面が接触した状態にし、ブラケット4を安定させるには、前記したように調整材6の配置数は3個が適切である(請求項3)。例えばブラケット4が脚部1の周方向に連続した環状をし、ブラケット4を支持する調整材6が鋼管杭5の周方向に4個以上、配置されている場合、ブラケット4は3点で支持された状態で安定するため、全調整材6の上面の高さが鋼管杭5の傾斜に合わせた傾斜面になるように精度よく調整されていない限り、ブラケット4はいずれか1個の調整材6には支持されない状態になり、調整材6の配置が無駄になる可能性があることによる。
鋼管杭5の天端面上に部分的に配置される調整材6は天端面には溶接やボルトにより接合されるか、接着剤により仮止めされることもあるが、天端面との面接触による摩擦力により滑りを生じにくい状態にあれば、必ずしも天端面には接合、もしくは接着される必要はない。また図5−(c)に示すように調整材6上へのブラケット4の載置直後に脚部1内周面と鋼管杭5外周面との間に充填されるグラウト材7が鋼管杭5の天端面上に横溢し、調整材6がグラウト材7中に埋設される場合にも、調整材6は必ずしも天端面に接合等される必要はない。
整材6が鋼管杭5の天端面上に部分的に配置される場合(請求項1〜3)、天端に形成されたフランジ51上の複数箇所に、周方向に間隔を置き、厚さの相違する調整材6を、厚さ方向を鋼管杭5の軸方向に向けて配置し、全調整材6上に脚部1の軸方向中間部の内周面に固定されたブラケット4を載置することにより脚部1が鋼管杭5に支持される(請求項6)。脚部1の設置前に、脚部1の内径より小さい外径の鋼管杭5が水底地盤に支持され、鋼管杭5の上方寄りの区間の周囲に脚部1が配置される。脚部1が鋼管杭5の天端上に載置された後、脚部1の内周面と鋼管杭5の外周面との間にグラウト材7が充填され、調整材6がフランジ51上に横溢したグラウト材7中に埋設され、フランジ51に接合されることにより脚部1が鋼管杭5に接合される(請求項6)。
調整材8が鋼管杭5の周方向に環状に周回する形態に形成される場合(請求項4)、調整材8の高さが周方向に変化する。具体的には、傾斜が生じている鋼管杭5の天端に形成されたフランジ51上に調整材8が載置されたときに調整材8の上面の少なくとも一部が実質的な水平面をなすよう、調整材8の上面に、鋼管杭5天端面の、水平面に対する傾斜とは逆向きの傾斜が付けられる。この場合の「鋼管杭5の天端面とは逆向きの傾斜」も前記の通り、図2に示すように鋼管杭5の天端面を相対的に最も低い側から最も高い側を見たときの水平面とのなす角度αが、鋼管杭5天端面上への設置前の状態で、調整材8の最も高い側から最も低い側を見たときの水平面とのなす角度になることを言う。
具体的には図6−(a)に示すように鋼管杭5の天端面の全周の内、最も低い側から最も高い側へ向かう直線と水平面とのなす角度αと同じ角度が、設置前の調整材8の上面の最も高い側から低い側へ向かう直線と水平面との間に付けられる。環状に周回する調整材8も鋼管杭5の天端面には溶接やボルトにより接合、もしくは接着される
周回する調整材8の断面形状も任意であるが、天端面上への設置状態での安定性を確保する上では、鋼管杭5の天端面に重なって接合される円環状のフランジ81と、フランジ81上の幅方向外周側から立ち上がり、ブラケット4を受けるウェブ82の少なくとも2部分を有する断面形状に形成される(請求項5)。調整材8は全体的にも環状に形成される。この場合、ウェブ82の高さが周方向に変化し、ウェブ82の上面と水平面とのなす角度が、天端面の最も低い側から最も高い側へ向かう直線と水平面とのなす角度と等しくなるように調整される。
調整材8が周回する形態に形成される場合(請求項4)も、上記のように調整材8の上面が実質的な水平面をなすよう、調整材8の上面に鋼管杭5の天端面とは逆向きの傾斜が付けられることで、鋼管杭5の天端面に生じている水平面に対する傾斜に拘わらず、ブラケット4の下面を実質的に水平面上に位置させることができる。この結果、ブラケット4の下面に垂直な方向を向く脚部1の軸線を鉛直方向に向けることが可能になり、鋼管杭5の軸線が鉛直方向に対して傾斜している場合に、脚部1の鋼管杭5への載置時に現場での対応で脚部1の鉛直性を確保することが可能になる。
調整材8が周回する形態に形成される場合(請求項4、5)、鋼管杭5の天端に形成されたフランジ51上に、高さが周方向に変化し、鋼管杭5の天端に沿って周回する(環状の)調整材8を、高さ方向を鋼管杭5の軸方向に向けて配置し、調整材8上に脚部1の軸方向中間部の内周面に固定されたブラケット4を載置することにより脚部1が鋼管杭5に支持される(請求項7)。脚部1の設置前に、脚部1の内径より小さい外径の鋼管杭5が水底地盤に支持され、鋼管杭5の上方寄りの区間の周囲に脚部1が配置される。脚部1が鋼管杭5の天端上に載置された後、調整材8がフランジ51に接合された状態で脚部1の内周面と鋼管杭5の外周面との間にグラウト材7が充填されることにより脚部1が鋼管杭5に接合される(請求項4、7)。
請求項1では、厚さの相違する複数個の調整材を天端上の複数箇所に周方向に間隔を置いて配置することで、全調整材の上面が実質的な水平面をなすように、または全調整材の上面の少なくとも一部が実質的な水平面に接触するようにブラケットの載置位置毎に異なる高さの調整材を鋼管杭の天端面上に配置することができる。結果として、鋼管杭の天端面に生じている傾斜に拘わらず、ブラケットの下面を実質的に水平面上に位置させることができ、ブラケットの下面に垂直な方向を向く脚部の軸線を鉛直方向に向けることができるため、鋼管杭の軸線が鉛直方向に対して傾斜している場合に、脚部の鋼管杭への載置時に現場での対応で脚部の鉛直性を確保することが可能になる。
請求項4では、周回する調整材の上面が実質的な水平面をなすよう、調整材の上面に鋼管杭の天端面とは逆向きの傾斜が付けられることで、鋼管杭の天端面に生じている傾斜に拘わらず、ブラケットの下面を実質的に水平面上に位置させることができる。この結果、ブラケットの下面に垂直な方向を向く脚部の軸線を鉛直方向に向けることができるため、鋼管杭の軸線が鉛直方向に対して傾斜している場合に、脚部の鋼管杭への載置時に現場での対応で脚部の鉛直性を確保することが可能になる。
(a)は鋼管杭の天端面上に厚さの相違する複数個の調整材を配置した様子を示した縦断面図、(b)は(a)の全調整材上に脚部のブラケットを載置した様子を示した縦断面図である。 水平面に対して角度αの傾斜が生じた鋼管杭の天端面上に、調整材の上面が水平面をなすように複数個の調整材を配置した状況を示した縦断面図である。 (a)は図1に示す鋼管杭天端面上への調整材の設置に先立ち、鋼管杭を水底地盤中に打設するときに打撃力を受けるアダプタを鋼管杭の頂部上に接合したときの様子を示した縦断面図、(b)は(a)のアダプタを取り外したときの様子を示した縦断面図である。 鋼管杭の天端面上に3個の調整材を周方向に間隔を置き、均等に配置した様子を示した平面図である。 (a)〜(e)は鋼管杭上への脚部の載置後、脚部内周面と鋼管杭外周面との間に脚部の下端側からグラウト材の充填を開始した時点から、調整材をグラウト材中に埋設するまでの工程を示した縦断面図であり、(b)は脚部内周面と鋼管杭外周面との間にある水を排出する状況の例を示している。 (a)は図3−(b)に示す鋼管杭の天端面上に高さが周方向に変化する環状の調整材を配置し、接合した様子を示した縦断面図、(b)は(a)の調整材上に脚部のブラケットを載置した様子を示した縦断面図である。 (a)は鋼管杭上への脚部の載置後、脚部内周面と鋼管杭外周面との間に充填されたグラウト材がブラケットの位置に到達したときの様子を示した縦断面図、(b)はブラケットの空気抜き口から横溢したグラウト材を除去したときの様子を示した縦断面図である。 (a)は図7−(b)の平面図、(b)は(a)のx−x線断面図である。
図1−(b)は水上構造物を支持する中空断面形状の脚部1を、水底地盤に支持され、脚部1の内径より小さい外径の鋼管杭5の上方寄りの区間の周囲に配置し、脚部1の鉛直性を確保しながら、脚部1を鋼管杭5の天端上に載置し、支持させる脚部の支持構造の具体例を示す。脚部1は鋼管杭5の天端上に支持された状態で、脚部1内周面と鋼管杭5外周面との間の重複区間にグラウト材7が充填されることにより鋼管杭5に接合される。
鋼管杭5の頂部には図3−(a)に示すように水底地盤中への打設時にバイブロハンマーからの打撃を直接、受けることによる鋼管杭5頂部の損傷を防止するためのアダプタ52が接合されるが、鋼管杭5の天端にはアダプタ52を接合するための受け部となるフランジ51が形成される。フランジ51は例えば中心側が開放した円板状のプレートを鋼管杭5の頂部の内周面に溶接することにより形成される。鋼管杭5のフランジ51は鋼管杭5の径方向に、脚部1の内周面に固定されるブラケット4を支持する調整材6を安定させて載置するのに十分な幅を持つ。
アダプタ52は図3−(a)に示すようにフランジ51の上面に重なって着脱自在にボルト53等によって接合され、鋼管杭5の水底地盤中への打設終了後には(b)に示すようにアダプタ52はフランジ51から分離させられて取り外され、回収される。フランジ51は調整材6を支持するために残される。フランジ51に形成されるボルト53用の挿通孔51aはグラウト材7の充填に先駆けて閉塞されられるか、もしくはグラウト材7の充填時にグラウト材7が入り込み、閉塞させられる。
水底地盤に支持されたときの鋼管杭5の軸線は図1−(a)に示すように一点鎖線で示す鉛直線に対して少なからず傾斜しており、この鋼管杭5の傾斜を修正し、軸線を鉛直線に平行にして脚部1を鋼管杭5の天端面上に載置するための調整材6が鋼管杭5のフランジ51の上面上に載置される。フランジ51の上面が鋼管杭5の天端面である。図1−(a)、(b)中の一点鎖線は鋼管杭5の天端上の中心、または脚部1の中心を通る鉛直線を示す。軸線が鉛直線に対して傾斜している鋼管杭5の天端面は水平面に対して傾斜している。調整材6には防錆処理された鋼材、セラミック、硬質ゴム等が使用される。
この鋼管杭5の天端面に生じている水平面に対する傾斜を修正し、図1−(b)に示す脚部1の内周面に固定されたブラケット4を水平面上に載置する目的で、天端面上の複数箇所に調整材6が載置される。この関係で、鋼管杭5の周方向に分散し、部分的に配置される複数の調整材6の厚さは異なり、調整材6は図4に示すように鋼管杭5の天端上の複数箇所に周方向に間隔を置いて配置される。図1−(a)、(b)は図4の軸線(中心線)を通る縦断面を示す。(a)は脚部1がない状態、(b)は脚部1がある状態である。
厚さの相違する調整材6は、厚さ方向が鋼管杭5の軸方向を向いて配置され、この全調整材6上に脚部1の軸方向中間部の内周面に固定されたブラケット4が載置され、支持される。このとき、ブラケット4の下面が同一の水平面上に位置するよう、全調整材6の上面の少なくとも一部が同一の水平面上に位置するように調整される。調整材6の上面の少なくとも一部は調整材6の上面の全面であることもあり、その場合、ブラケット4の下面を調整材6の上面に面接触させるために、図2に示すように全調整材6の上面に、鋼管杭5の天端面に生じている水平面に対する傾斜αとは逆向きに傾斜する角度αが付けられた状態になる。
ブラケット4は脚部1の内周面に沿って周方向に連続し、環状に閉じた形に形成される場合と、調整材6と同様に周方向に不連続な形に形成され、部分的に配置される場合がある。いずれの場合も、ブラケット4の下面は調整材6上に載置されたときに水平面をなし、脚部1の軸線が鉛直線に平行になるよう、同一の水平面上に位置するように脚部1の内周面に溶接等により接合される。
例えば図2に示すように水底地盤への打設後の鋼管杭5の天端面に、水平面に対して角度αの傾斜が生じているとき、この天端面上に載置される調整材6は載置によって天端面の傾斜を打ち消し、調整材6の上面を水平面に修正する意味を持つため、基本的には全調整材6の上面を含む平面が水平面になるよう、全調整材6の上面には鋼管杭5の天端面に対して角度αの傾斜が付けられる。調整材6は下面において鋼管杭5天端面に接触するため、調整材6の上面の天端面に対する傾斜は調整材6の下面に対する傾斜でもあり、調整材6の上面は下面に対し、天端面の水平面に対する傾斜角度αと同じ角度が付けられる。
鋼管杭5の天端面に生じている水平面に対する傾斜角度αは打設後の鋼管杭5の天端面の複数箇所のレベルをレベル測定器により測定することにより判明し、この測定値に基づき、鋼管杭5の設置箇所付近に停泊する作業船等の船上等において調整材6の上面の下面に対する傾斜角度が調整(決定)され、調整材6が製作される。
但し、調整材6が図4に示すように天端面上の3箇所に分散して配置される場合には、脚部1のブラケット4が環状に閉じた形であるか否かに拘わらず、脚部1の載置時にブラケット4の下面が水平面をなすように調整された高さで製作された3個の調整材6に確実に支持されるため、必ずしも調整材6の上面が水平面である必要はなく、天端面の水平面に対する傾斜角度αと同一の角度をなしている必要もない。フランジ51上にグラウト材7が充填され、硬化した後には実質的にグラウト材7が脚部1上の荷重を負担するため、調整材6は少なくとも脚部1の設置時に一時的に脚部1を支持する役目を持てばよい。図4は鋼管杭5の天端面上に周方向に分散して3個の調整材6を配置した様子を示している。3個以上の調整材6の上面に接触し、支持されたときのブラケット4の下面(底面)は水平面をなすことが望ましいが、脚部1の設置上、支障のない誤差の範囲内では厳密な水平面をなさないことも許容される。
ブラケット4が4個以上の調整材6の上面に支持される場合に、全調整材6の上面が同一平面上、または同一面上に位置していない限り、いずれか1個の調整材6にはブラケット4の下面が接触しない状況になる。これに対し、平面は3個の点が特定されれば一義的に決まることから、ブラケット4が3個の調整材6に支持されれば、ブラケット4は3点で必ず支持される。この関係で、ブラケット4の下面は調整材6の上面には面接触する必要はなく、点接触すればよいため、調整材6の上面は必ずしも平面に形成されている必要はない。
調整材6が3個の場合を含め、複数の調整材6の配置位置での天端面のレベルが同一でない限り、複数個の調整材6の高さは天端面上の配置位置毎に相違し、天端面の内、相対的に低い側に配置される調整材6の高さは高く、高い側に配置される調整材6の高さは低いが、全調整材6の上面の少なくとも一部は原則として同一の水平面内に位置する。「全調整材6の上面の少なくとも一部」はブラケット4の下面が調整材6の上面に点接触する場合の点、もしくは線、または面を言う。
複数個の調整材6は図1に示すように各鋼管杭5の天端面の傾斜角度毎に、高さの異なる単体の調整材6として製作される場合と、図2に示すように調整材6が厚さ方向に分割された形の板状の構成材61を重ねることにより高さの異なる調整材6が形成される場合がある。調整材6が板状の構成材61から構成される場合、構成材61の重ね枚数を調整することにより配置位置毎の高さの調整材6が形成される。
図1−(b)は鋼管杭5の天端面上に載置された複数個の調整材6の上面上にブラケット4を載置したときの様子を示す。ここに示すように軸線が鉛直線に対して傾斜している鋼管杭5の天端面上に複数個の調整材6が配置され、調整材6の上面上にブラケット4が載置されることで、ブラケット4が閉じた形であるか否かに拘わらず、ブラケット4の下面は水平面をなし、脚部1の軸線は鉛直線に平行になる。ブラケット4は脚部1の内周面に沿い、環状に閉じた形をする場合と、周方向に間隔を置いて部分的に配置される場合がある。
図5−(a)〜(e)は鋼管杭5の天端面上へのブラケット4の載置による鋼管杭5上への脚部1の設置後の、脚部1の内周面と鋼管杭5の外周面との間に接合のためのグラウト材7を充填する作業手順を示す。
図1−(b)に示すように脚部1の鋼管杭5上への載置状態では、鋼管杭5の軸線が鉛直線に対して傾斜しているのに対し、調整材6上へのブラケット4の載置により脚部1の軸線は鉛直線に平行になっている。このため、図5−(a)に示すように脚部1の下端部寄りの部分の内周面と鋼管杭5の外周面との間の空隙は周方向の位置毎に相違し、天端面が高い側の鋼管杭5の外周面と脚部1の内周面との間の空隙は小さく、天端面が低い側の鋼管杭5の外周面と脚部1の内周面との間の空隙は大きい。
グラウト材7は脚部1の下端部寄りに形成された注入口1aに接続される注入管2を通じて脚部1と鋼管杭5との間の重複区間に充填される。なお、注入口1aから注入されたグラウト材7の脚部1の下方への漏れ出しを防止するために、鋼管杭5の外周面と脚部1の内周面のいずれか一方には、他方に密着するシール材3が固定されており、このシール材3の上にグラウト材7が鋼管杭5の天端側へ向かって充填される。注入口1aはグラウト材7の充填効率を高めながら、鋼管杭5の周方向に均等に充填されるよう、図4に示すように脚部1の周方向に複数箇所、形成される。
図5ではグラウト材7の充填に伴い、シール材3が下向きに変形し、グラウト材7が流出することを防止するために、シール材3が完全にグラウト材7中に埋設される深さまで先行してグラウト材7を充填している。この先行するグラウト材7が硬化し、シール材3の変形が生じなくなった後に後続のグラウト材7を充填し、グラウト材7の充填を先行する分と時間差を置いて充填される後続する分とに区分している。この後続のグラウト材7の充填に先立ち、図5−(b)に示すようにグラウト材7の希釈化による強度低下を回避する目的で、脚部1と鋼管杭5との間の重複区間に存在している水を予め排水(真空)ポンプにより排出することもある。
図1等では調整材6を鋼管杭5のフランジ51にボルト53等を用いて固定していないことから、調整材6をフランジ51に固定しながら、ブラケット4を調整材6に一体化させるために、図5ではグラウト材7を脚部1と鋼管杭5との間の重複区間からフランジ51上に横溢させ、(e)に示すように最終的にグラウト材7中に調整材6とブラケット4の下面部分と埋設している。脚部1と鋼管杭5との間からフランジ51上に横溢するグラウト材7をフランジ51上の内周面側で堰き止めるために、図1−(b)に示すようにフランジ51に、フランジ51上面から立ち上がる壁状の堰板54をフランジ51上面に沿い、環状に連続して固定している。堰板54には山形鋼やプレート等の形鋼が加工されて使用される。
ブラケット4は調整材6の上面上に載置される下部フランジ41と、下部フランジ41に溶接等により一体化し、脚部1の内周面に溶接等により固定されるウェブ42を有し、下部フランジ41が脚部1の内周面から脚部1の中心側へ、調整材6に支持されるに十分な距離、張り出す。図面ではウェブ42上にウェブ42を挟んで下部フランジ41と対になる上部フランジ43を接合している。
ブラケット4は前記のように脚部1の内周面に沿って環状に周回する場合と、周方向に間隔を置いて部分的に配置される場合がある。下部フランジ41の外周側の、脚部1内周面側には、図1−(b)に示すように脚部1内周面と鋼管杭5外周面との間から上昇してくるグラウト材7が押し上げる空気や気泡を閉じ込めることなく、鋼管杭5上へ排出させ、グラウト材7の充填が不完全(不良)になることを防止するための空気抜き口41aが形成されている。
図5−(c)はグラウト材7がブラケット4の下部フランジ41にまで上昇し、空気抜き口41aから横溢している状況を示している。ブラケット4の空気抜き口41aからグラウト材7が横溢し、堰板54との間に行き渡り、調整材6を埋設したところで、基本的にはグラウト材7の注入作業は終了する。
只、図5では鋼管杭5のフランジ51上に存在するグラウト材7が脚部1内周面と堰板54との間に挟まれることで、脚部1内周面と鋼管杭5外周面との間に充填されるグラウト材7より圧縮力の作用面積が小さい。このことから、脚部1内周面と堰板54との間に充填されたグラウト材71の圧縮力負担時の圧力が高まるため、このフランジ51上のグラウト材71の圧壊を防止する目的からは、特にフランジ51上のグラウト材71として、圧縮強度の高い、例えば圧縮強度が150Mpaを超える超高強度繊維補強コンクリートの充填が適する。
この場合、図5−(c)に示すようにグラウト材7がフランジ51上に溢れた後、フランジ51上のグラウト材7を流動性を有した状態で(d)に示すように除去(清掃)し、更にフランジ51上に(e)に示すように別の超高強度のグラウト材71が充填される。
図6−(a)は高さが鋼管杭5の周方向に変化し、鋼管杭5の天端に沿って周回する、環状に閉じた形の調整材8を、高さ方向を鋼管杭5の軸方向に向け、鋼管杭5の天端面上に配置した場合の例を示す。
環状に閉じた形の調整材8は予め環状に形成される場合と、調整材8が周方向に分割された形(円弧状)の複数個の構成材が周方向に突き合わせられて環状の形状に形成される場合がある。実際には現場(水中)での鋼管杭5のフランジ51への接合のし易さから、閉じた形の調整材8を周方向に3分割、または4分割等、複数個に分割した形の構成材をフランジ51に接合して閉じた形の調整材8が形成される。調整材8も防錆処理された鋼材、セラミック、硬質ゴム等から形成される。
環状の調整材8は鋼管杭5の天端に沿い、連続して周回することから、調整材8の高さは周方向に連続して変化するため、図6−(a)に示すように調整材8の上面には、図2に示す例の場合と同様に全体として鋼管杭5の天端面に生じている水平面に対する傾斜角度αとは逆向きに傾斜する角度が付けられる。
環状の調整材8も鉛直断面上は図1に示す形態のブロック状、あるいは中実断面形状に形成されることもあるが、図面では断面積、すなわち鋼材等の材料の節減のために、鋼管杭5のフランジ51の上面に重なるフランジ81とフランジ81の外周側から立ち上がるウェブ82からL形の断面形状に形成し、ウェブ82の上面においてブラケット4を受けるようにしている。この場合、ウェブ82の上面に傾斜角度が付けられる。この例ではフランジ81とウェブ82との間に、ウェブ82の変形を防止するためのリブ83を周方向に間隔を置いて突設している。
環状の調整材8は周方向に連続することから、ブラケット4が同様に環状に形成される場合、調整材8の上面、図面ではウェブ82の上面が正確な傾斜角度で傾斜していなければ、ブラケット4の下部フランジ41が調整材8の上面に面接触することができないことがあるため、ブラケット4は図1における調整材6のように脚部1の周方向に分散し、部分的に配置される形に形成されることもある。ブラケット4が周方向に分散する形に形成され、例えば周方向に3箇所、配置される場合、ブラケット4は周方向に連続している調整材8の上面に3点で接触し、支持され得るため、調整材8に支持された状態での安定性が高まる。
調整材8がフランジ81とウェブ82からなる図6に示す形状例の場合、調整材8はウェブ82の厚さ(肉厚)の範囲でブラケット4の下部フランジ41を支持するため、ブラケット4が周方向に連続する形状の場合に、ウェブ82の上面の傾斜が正確でない場合にも、下部フランジ41を点接触、または線接触で支持し易くなり、3点での接触による安定性を得易い。
例えば調整材8の上面が図1の例における調整材6のように、脚部1の半径方向にフランジ81の幅と同等の幅を持っているとすれば、調整材8の上面の面積が大きいため、ブラケット4の下部フランジ41の下面を調整材8の上面に支持させるときに、接触箇所数が多くなり易く、安定しにくくなる可能性がある。これに対し、図6の例では調整材8の上面がウェブ82の上面であることで、上面の面積が小さいため、ブラケット4の下面の接触箇所数が少なく、不安定になりにくいと言える。
図6に示す調整材8は鋼管杭5のフランジ51への接合状態ではフランジ51に沿って周回する環状であることから、図6−(a)ではアダプタ52をボルト53により固定していたフランジ51の挿通孔51aを利用し、調整材8のフランジ81を鋼管杭5のフランジ51にボルト53により接合している。調整材8のフランジ81のフランジ51への接合のために、必ずしもフランジ51の全挿通孔51aにボルト53を挿通させる必要はない。
図6−(b)は(a)に示す環状の調整材8の上面上にブラケット4の下部フランジ41を載置したときの様子を示すが、この例でもグラウト材7はブラケット4の位置まで充填されるため、ブラケット4の下部フランジ41には空気抜き口41aが形成される。
図7−(a)は脚部1内周面と鋼管杭5外周面間に充填されたグラウト材7がブラケット4の下部フランジ41にまで到達したときの状況を、(b)は空気抜き口41aから吐出したグラウト材7を除去したときの様子を示す。
この例では調整材8が鋼管杭5のフランジ51に固定されていることで、調整材8をグラウト材7中に埋設することは必要でないため、グラウト材7がブラケット4の空気抜き口41aから吐出した時点でグラウト材7の充填作業が終了する。グラウト材7は図5−(a)、(b)に示す例と同様に図8−(a)、(b)に示すように脚部1の注入口1aに接続される注入管2を通じて脚部1内周面と鋼管杭5外周面間に充填される。
図8−(a)は鋼管杭5のフランジ51上にブラケット4が載置され、グラウト材7の充填が終了した図7−(b)の平面を示す。図8−(b)は図7−(b)のときの鋼管杭5の全体(全長)の縦断面を示す。鋼管杭5の軸線は鉛直線に対して傾斜している。
1……脚部、1a……注入口、
2……注入管、
3……シール材、
4……ブラケット、41……下部フランジ、41a……空気抜き口、42……ウェブ、43……上部フランジ、
5……鋼管杭、51……フランジ、51a……挿通孔、52……アダプタ、53……ボルト、54……堰板、
6……調整材、61……構成材、
7……グラウト材、71……超高強度のグラウト材、
8……調整材(環状)、81……フランジ、82……ウェブ、83……リブ。

Claims (7)

  1. 水上構造物を支持する中空断面形状の脚部を、水底地盤に支持され、前記脚部の内径より小さい外径の鋼管杭の上方寄りの区間の周囲に配置し、前記脚部を前記鋼管杭の天端上に載置し、前記脚部の内周面と前記鋼管杭の外周面との間にグラウト材を充填し、前記脚部を前記鋼管杭に接合する方法において、前記脚部の鉛直性を確保しながら、前記脚部を前記鋼管杭の天端上に支持させる脚部の支持構造であり、
    前記鋼管杭の天端に形成されたフランジ上の複数箇所に、周方向に間隔を置き、厚さの相違する調整材が、厚さ方向が前記鋼管杭の軸方向を向いて配置され、この全調整材上に前記脚部の前記軸方向中間部の内周面に固定されたブラケットが載置されており、
    前記調整材は前記フランジ上に横溢した前記グラウト材中に埋設され、前記フランジに接合されていることを特徴とする水上構造物における脚部の鋼管杭への支持構造。
  2. 前記全調整材の上面に、前記鋼管杭の天端面に生じている水平面に対する傾斜とは逆向きの傾斜が付けられていることを特徴とする請求項1に記載の水上構造物における脚部の鋼管杭への支持構造。
  3. 前記鋼管杭の天端上に3個の厚さの相違する調整材が配置されていることを特徴とする請求項1、もしくは請求項2に記載の水上構造物における脚部の鋼管杭への支持構造。
  4. 水上構造物を支持する中空断面形状の脚部を、水底地盤に支持され、前記脚部の内径より小さい外径の鋼管杭の上方寄りの区間の周囲に配置し、前記脚部を前記鋼管杭の天端上に載置し、前記脚部の内周面と前記鋼管杭の外周面との間にグラウト材を充填し、前記脚部を前記鋼管杭に接合する方法において、前記脚部の鉛直性を確保しながら、前記脚部を前記鋼管杭の天端上に支持させる脚部の支持構造であり、
    前記鋼管杭の天端に形成されたフランジ上に、高さが周方向に変化し、前記鋼管杭の天端に沿って周回する調整材が、高さ方向が前記鋼管杭の軸方向を向いて配置され、この調整材上に前記脚部の前記軸方向中間部の内周面に固定されたブラケットが載置されており、
    前記調整材は前記フランジに接合されていることを特徴とする水上構造物における脚部の鋼管杭への支持構造。
  5. 前記調整材は前記鋼管杭の天端上に重なる円板状のフランジとこのフランジ上から立ち上がり、前記ブラケットを受けるウェブを持ち、このウェブの高さが周方向に変化していることを特徴とする請求項4に記載の水上構造物における脚部の鋼管杭への支持構造。
  6. 水上構造物を支持する中空断面形状の脚部を、水底地盤に支持され、前記脚部の内径より小さい外径の鋼管杭の上方寄りの区間の周囲に配置し、前記脚部を前記鋼管杭の天端上に載置し、前記脚部の内周面と前記鋼管杭の外周面との間にグラウト材を充填し、前記脚部を前記鋼管杭に接合する方法において、前記脚部の鉛直性を確保しながら、前記脚部を前記鋼管杭の天端上に支持させる脚部の支持方法であり、
    前記鋼管杭の天端に形成されたフランジ上の複数箇所に、周方向に間隔を置き、厚さの相違する調整材を、厚さ方向を前記鋼管杭の軸方向に向けて配置し、この全調整材上に前記脚部の前記軸方向中間部の内周面に固定されたブラケットを載置し、
    前記調整材を前記フランジ上に横溢させた前記グラウト材中に埋設し、前記フランジに接合することを特徴とする水上構造物における脚部の鋼管杭への支持方法。
  7. 水上構造物を支持する中空断面形状の脚部を、水底地盤に支持され、前記脚部の内径より小さい外径の鋼管杭の上方寄りの区間の周囲に配置し、前記脚部を前記鋼管杭の天端上に載置し、前記脚部の内周面と前記鋼管杭の外周面との間にグラウト材を充填し、前記脚部を前記鋼管杭に接合する方法において、前記脚部の鉛直性を確保しながら、前記脚部を前記鋼管杭の天端上に支持させる脚部の支持方法であり、
    前記鋼管杭の天端に形成されたフランジ上に、高さが周方向に変化し、前記鋼管杭の天端に沿って周回する調整材を、高さ方向を前記鋼管杭の軸方向に向けて配置し、この調整材上に前記脚部の前記軸方向中間部の内周面に固定されたブラケットを載置し、
    前記調整材を前記フランジに接合することを特徴とする水上構造物における脚部の鋼管杭への支持方法。
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