JP6838398B2 - エチレン−ビニルエステル系共重合体ケン化物ペレットおよび、共役ポリエンおよび桂皮酸類を含有するエチレン−ビニルエステル系共重合体ケン化物ペレットの製造方法 - Google Patents

エチレン−ビニルエステル系共重合体ケン化物ペレットおよび、共役ポリエンおよび桂皮酸類を含有するエチレン−ビニルエステル系共重合体ケン化物ペレットの製造方法 Download PDF

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Description

本発明は、フィルム成形したときに、フィッシュアイの発生および臭気が少ないフィルムを提供できるエチレン−ビニルエステル系共重合体ケン化物(以下、「EVOH樹脂」と称することがある)のペレットに関し、さらに詳しくは、桂皮酸類を含有し、ペレット表面に存在する共役ポリエンの含有量を調整したEVOH樹脂ペレットおよびその製造方法に関する。
EVOH樹脂は、分子鎖に含まれる水酸基が強固に水素結合して結晶部を形成し、かかる結晶部が外部からの酸素の侵入を防止するため、酸素バリア性をはじめとして、優れたガスバリア性を示すものである。このような特性を生かして、EVOH樹脂は、食品包装材料、医薬品包装材料、工業薬品包装材料、農薬包装材料等のフィルムやシート、あるいはボトル等の包装容器等に成形されて利用されている。
EVOH樹脂の成形にあたっては、通常、溶融成形が行われ、フィルム状、シート状、ボトル状、カップ状、チューブ状、パイプ状等の形状に成形、加工されて、実用に供される。したがって、EVOH樹脂の成形性、加工性は重要である。
しかし、EVOH樹脂は分子内に比較的活性な水酸基を有するため、酸素がほとんど無い状態の押出成形機内部でも、高温溶融状態で酸化・架橋反応が起こり、熱劣化物を生じるおそれがある。そして、この熱劣化物は、フィッシュアイの原因となるゲル状塊を発生させるという不都合があることが知られている。
かかる不都合を改善するために、EVOH樹脂に共役ポリエンを含有させることで溶融成形によるゲル状塊等のフィッシュアイの発生を抑制したEVOH樹脂組成物が特許文献1に提案されている。
特許文献1では、酢酸ビニル系共重合体の製造方法において、酢酸ビニル等のモノマーを共重合した後、沸点20℃以上の共役ポリエンを添加し、さらには得られた酢酸ビニル系共重合体をケン化する方法を開示している。当該方法により製造されるEVOH樹脂組成物として、EVOH樹脂に沸点20℃以上の共役ポリエンを0.00002〜1重量%(0.2ppm〜10000ppm)、好ましくは0.0001〜0.2重量%(1ppm〜2000ppm)を含有する組成物であることが開示されている(段落0034)。
特許文献1では、ポリエン化合物が最終ケン化物に残存すると、臭気の発生、滲み出し等の原因となるため、包装容器等に用いられる観点からは、当該残存量が多すぎるのは望ましくないと説明されている。そして、ケン化後の水洗により洗浄除去されやすいポリエン化合物を用いることが好ましいと説明されている(段落0011)。
具体的には、酢酸ビニルをエチレン加圧下で重合させた後、共役ポリエンを添加し、エチレンの除去後、ケン化することによりEVOH樹脂を製造し、EVOH樹脂粒子を大量の水で洗浄して、目的とするEVOH樹脂粒子を得ている(実施例1)。
こうして得られたEVOH樹脂粒子を用いて作製したフィルムは、着色が少なく、100μm以上のゲル状塊の数は、100cm2あたり3〜10個であることが示されている(表1参照)。
また、特許文献2では、成形時のフィッシュアイが少なく、着色も抑制され、さらには臭気も抑制されたビニルアルコール系重合体の製造方法として、酢酸ビニル系化合物の重合後、蒸留塔で未反応の酢酸ビニルを除去した後、重合禁止剤として、N,N−ジアルキルヒドロキシルアミン、スチレン誘導体、ハイドロキノン誘導体、キノン誘導体、ピペリジン誘導体、共役ポリエンの少なくとも1種を供給することが提案されている。
さらに、特許文献3では、溶融成形のロングラン性に優れると共に、ストリーク、フィッシュアイ等の欠陥の発生及び着色が抑制され、外観性に優れる成形品を臭気の発生を抑制しつつ形成できる樹脂組成物として、EVOH樹脂に飽和ケトンを含有する樹脂組成物が提案されており、さらに共役ポリエンを含有する樹脂組成物が提案されている。
特開平9−71620号公報 特開2003−89706号公報 特開2015−71691号公報
近年、包装材料の外観および臭気に対する要求は益々厳しくなっており、溶融成形性を確保しつつ、さらなるフィッシュアイの改善が望まれている。特に、直径が200μm以下の微小なフィッシュアイの発生についても充分抑制することができ、かつ成形品から発生する臭気が充分に抑制することができるEVOH樹脂ペレットが求められるようになっている。
本発明は、以上のような事情に鑑みてなされたものであり、その目的とするところは、直径が200μm以下の微小なフィッシュアイの発生を極めて高いレベルで抑制できるとともに臭気の発生を抑えられるEVOH樹脂ペレットおよびその製造方法を提供することにある。
本発明者らは、共役ポリエンを含有させたEVOH樹脂ペレットについて、フィッシュアイの発生との関係を調べた。種々検討した結果、ペレット表層に所定量以上に共役ポリエンを存在させることで、フィッシュアイの発生を抑制できることを見出した。そのメカニズムについては明らかでないが、EVOH樹脂ペレットを押出機にて溶融させる際に、バレルやスクリュー等の高温の金属とペレットとの接触部分となるペレット表面に、共役ポリエンが所定量以上、存在することで、ペレット表面近傍で局所的に発生したラジカルをトラップし、フィッシュアイの発生を抑制できるためではないかと考えられる。
さらに本発明者らは、EVOH樹脂ペレット中に桂皮酸類を所定量含有させることで、成形品の臭気の発生が抑制できることを見出した。臭気抑制のメカニズムについては明らかではないが、桂皮酸類自体の沸点が比較的高く、それ自体が臭気の原因となりにくく、また、EVOH樹脂の熱分解によって生じた臭気成分と桂皮酸のなんらかの相互作用により、臭気成分の揮発を抑えたためではないかと考えられる。
すなわち、本発明は、共役ポリエンおよび桂皮酸類を含有するEVOH樹脂ペレット(以下、単に「共役ポリエンおよび桂皮酸類含有EVOH樹脂ペレット」と称する場合がある)であって、当該ペレット表層部の共役ポリエンの含有量が、当該ペレット重量あたり30ppb以上であり、上記ペレット全体の共役ポリエン全含有量に対する上記ペレット表層部の共役ポリエン含有量の重量比が、表層部共役ポリエン含有量/共役ポリエン全含有量=1.5×10 -5 以上であり、かつ桂皮酸類の含有量が当該ペレット重量あたり1〜500ppmであるEVOH樹脂ペレットを第1の要旨とする。
また、本発明は、共役ポリエンおよび桂皮酸類含有EVOH樹脂ペレットを製造する方法であって、EVOH樹脂のペレットと共役ポリエンを含有する処理液とを接触させる工程、EVOH樹脂のペレットと桂皮酸類とを接触させる工程を備える共役ポリエンおよび桂皮酸類含有EVOH樹脂ペレットの製造方法を第2の要旨とする。
本発明の共役ポリエンおよび桂皮酸類含有EVOH樹脂ペレットは、当該ペレット表層部の共役ポリエンの含有量が、当該ペレット重量あたり30ppb以上であり、上記ペレット全体の共役ポリエン全含有量に対する上記ペレット表層部の共役ポリエン含有量の重量比が、表層部共役ポリエン含有量/共役ポリエン全含有量=1.5×10 -5 以上であり、かつ桂皮酸類の含有量が当該ペレット重量あたり1〜500ppmであるため、臭気およびフィッシュアイの発生を抑制することができる。
また、本発明の共役ポリエンおよび桂皮酸類含有EVOH樹脂ペレット全体の共役ポリエン全含有量が、上記ペレット重量あたり0.1〜10000ppmであると、よりフィッシュアイの発生を抑制することができる。
そして、本発明の共役ポリエンが、ソルビン酸、ソルビン酸エステル、およびソルビン酸塩からなる群より選ばれる少なくとも1種であると、EVOH樹脂ペレット表面への付着量の調整が容易となる。
また、本発明の、EVOH樹脂のペレットと共役ポリエンを含有する処理液とを接触させる工程、EVOH樹脂のペレットと桂皮酸類とを接触させる工程を備える共役ポリエンおよび桂皮酸類含有EVOH樹脂ペレットの製造方法によると、従来の製造設備を利用して、共役ポリエンおよび桂皮酸類含有EVOH樹脂ペレットを製造することができる。
そして、本発明の製法において、上記EVOH樹脂のペレットが、EVOH樹脂のアルコール溶液または水/アルコール混合溶液を凝固してペレット化したものであると、ペレットを多孔質のEVOH樹脂ペレットとすることができる。
さらに、本発明の製法において、上記EVOH樹脂のペレットが、多孔質ペレットであると、効率的に共役ポリエンをEVOH樹脂のペレットの表層部に取り込ませることができる。
また、本発明の製法において、上記EVOH樹脂のケン化前の、エチレン−ビニルエステル系共重合体の製造工程において、重合禁止剤として共役ポリエンを配合する工程を備えると、フィッシュアイ等の発生を抑制することができる。
以下、本発明を詳細に説明するが、これらは望ましい実施態様の一例を示すものであり、これらの内容に特定されるものではない。
本発明の共役ポリエンおよび桂皮酸類含有EVOH樹脂ペレットは、当該ペレット表層部の共役ポリエン含有量が、当該ペレット重量あたり30ppb以上であり、上記ペレット全体の共役ポリエン全含有量に対する上記ペレット表層部の共役ポリエン含有量の重量比が、表層部共役ポリエン含有量/共役ポリエン全含有量=1.5×10 -5 以上であり、かつ桂皮酸類の含有量が当該ペレット重量あたり1〜500ppmである。
ここで、「ペレット表層部の共役ポリエン含有量」とは、共役ポリエンおよび桂皮酸類含有EVOH樹脂ペレット表層近くに存在している共役ポリエンの量をいい、具体的には、共役ポリエン含有EVOH樹脂ペレット20gを、蒸留水:メタノール=1:1(体積比)の混合液30mL中で10分間撹拌して得られる溶液について、液体クロマトグラフを用いて測定される共役ポリエン量を上記EVOH樹脂ペレット重量(20g)で除したものである。
また、本発明の「桂皮酸類の含有量」とは、共役ポリエンおよび桂皮酸類含有EVOH樹脂ペレットの表面、または内部、またはその両方に含有する桂皮酸類の量をいう。具体的には、上記EVOH樹脂ペレット表面に桂皮酸類を含有する場合は、上記EVOH樹脂ペレット表面への桂皮酸類の添加量を含有量としてもよく、上記EVOH樹脂ペレット内部に桂皮酸類を含有する場合は、例えば、上記EVOH樹脂ペレット1gを25℃の抽出液(桂皮酸の場合はメタノール)9mLに浸漬し、2時間超音波処理して得られた抽出液についてLC/MS/MS分析にて得られる値からペレット重量あたりの桂皮酸類の含有量に換算する等によって求めることができる。
以下、本発明の共役ポリエンおよび桂皮酸類含有EVOH樹脂ペレットの説明に先立って、各構成成分、および、共役ポリエンを含有させる前のEVOH樹脂ペレットの製造方法について説明する。
<EVOH樹脂>
本発明の共役ポリエンおよび桂皮酸類含有EVOH樹脂ペレットを構成するEVOH樹脂は、通常、エチレンとビニルエステルモノマーとの共重合体(エチレン−ビニルエステル系共重合体)をケン化させることにより得られる樹脂であり、非水溶性の熱可塑性樹脂である。
上記ビニルエステルモノマーとしては、市場からの入手のしやすさや製造時の不純物の処理効率がよい点から、代表的には酢酸ビニルが用いられる。他のビニルエステルモノマーとしては、例えば、ギ酸ビニル、プロピオン酸ビニル、バレリン酸ビニル、酪酸ビニル、イソ酪酸ビニル、ピバリン酸ビニル、カプリン酸ビニル、ラウリン酸ビニル、ステアン酸ビニル、バーサチック酸ビニル等の脂肪族ビニルエステル、安息香酸ビニル等の芳香族ビニルエステル等があげられ、通常炭素数3〜20、好ましくは炭素数4〜10、特に好ましくは炭素数4〜7の脂肪族ビニルエステルを用いることができる。これらは通常単独で用いるが、必要に応じて複数種を同時に用いてもよい。
上記エチレンおよび上記ビニルエステルモノマーは、通常はナフサ等の石油由来の原料が用いられているが、シェールガス等天然ガス由来の原料や、さとうきび、テンサイ、トウモロコシ、ジャガイモ等に含まれる糖、デンプン等の成分、またはイネ、麦、キビ、草植物等に含まれるセルロース等の成分から精製した植物由来の原料からのモノマーを用いてもよい。
本発明で用いられるEVOH樹脂には、本発明の効果を阻害しない範囲(例えば10モル%以下)で、以下に示すコモノマー(「その他のコモノマー」と称する)が共重合されていてもよい。
その他のコモノマーとしては、例えば、プロピレン、1−ブテン、イソブテン等のオレフィン類;3−ブテン−1−オール、3−ブテン−1,2−ジオール、4−ペンテン−1−オール、5−ヘキセン−1,2−ジオール等のヒドロキシ基含有α−オレフィン類やそのエステル化物、アシル化物等の誘導体;アクリル酸、メタクリル酸、クロトン酸、(無水)フタル酸、(無水)マレイン酸、(無水)イタコン酸等の不飽和酸類あるいはその塩あるいは炭素数1〜18のモノまたはジアルキルエステル類;アクリルアミド、炭素数1〜18のN−アルキルアクリルアミド、N,N−ジメチルアクリルアミド、2−アクリルアミドプロパンスルホン酸あるいはその塩、アクリルアミドプロピルジメチルアミンあるいはその酸塩あるいはその4級塩等のアクリルアミド類;メタアクリルアミド、炭素数1〜18のN−アルキルメタクリルアミド、N,N−ジメチルメタクリルアミド、2−メタクリルアミドプロパンスルホン酸あるいはその塩、メタクリルアミドプロピルジメチルアミンあるいはその酸塩あるいはその4級塩等のメタクリルアミド類;N−ビニルピロリドン、N−ビニルホルムアミド、N−ビニルアセトアミド等のN−ビニルアミド類;アクリルニトリル、メタクリルニトリル等のシアン化ビニル類;炭素数1〜18のアルキルビニルエーテル、ヒドロキシアルキルビニルエーテル、アルコキシアルキルビニルエーテル等のビニルエーテル類;塩化ビニル、塩化ビニリデン、フッ化ビニル、フッ化ビニリデン、臭化ビニル等のハロゲン化ビニル化合物類;トリメトキシビニルシラン等のビニルシラン類;酢酸アリル、塩化アリル等のハロゲン化アリル化合物類;アリルアルコール、ジメトキシアリルアルコール等のアリルアルコール類;トリメチル−(3−アクリルアミド−3−ジメチルプロピル)−アンモニウムクロリド、アクリルアミド−2−メチルプロパンスルホン酸等のコモノマーがあげられる。これらは単独でもしくは2種以上併せて用いることができる。
エチレンとビニルエステルモノマー、必要に応じて用いるその他のコモノマーの共重合は、公知の重合法、すなわち溶液重合、懸濁重合、乳化重合、バルク重合等により行うことができ、均一拡散の観点から、溶液重合が好ましく用いられる。また、重合方式は、連続式、回分式のいずれであってもよい。
上記溶液重合は、通常、重合缶にビニルエステルモノマー、溶媒および重合触媒を含有させた溶液を投入し、当該溶液を撹拌しながら、エチレンを圧入し加温して重合させることにより行う。エチレン圧は、通常20〜80kg/cm2程度である。
上記溶媒としては、アルコール類が好ましいが、その他エチレン、酢酸ビニルおよびエチレン−酢酸ビニル共重合体を溶解し得る有機溶剤(ジメチルスルホキシド等)を用いることができる。アルコール類としては、例えば、メタノール、エタノール、プロパノール、n−ブタノール、t−ブタノール等の炭素数1〜10の脂肪族アルコールを用いることができる。これらは単独でもしくは2種以上併せて用いることができる。これらのなかでも特にメタノールが好ましい。
溶液重合に使用する触媒としては、ラジカル開始剤であれば特に制限なく用いられるが、好ましくは2,2’−アゾビス−(2,4−ジメチルバレロニトリル)、2,2’−アゾビス−(2,4,4−トリメチルバレロニトリル)、2,2’−アゾビスイソブチロニトリル、2,2’−アゾビス−(4−メトキシ−2,4−ジメチルバレロニトリル)、2,2’−アゾビス−(2−メチルイソブチラート)等のアゾ化合物;t−ブチルパーオキシネオデカノエート、t−ブチルパーピバレート、t−ブチルパーオキシ−2−エチルヘキノエート等のアルキルパーエステル類;ビス−(4−t−ブチルシクロヘキシル)パーオキシ−ジカーボネート、ジシクロヘキシルパーオキシ−ジカーボネート、ビス(2−エチルヘキシル)ジ−sec−ブチルパーオキシ−ジカーボネート、ジイソプロピルパーオキシ−ジカーボネート等のパーオキシジカーボネート類;アセチルパーオキシド、ベンゾイルパーオキシド、ラウロイルパーオキシド、ジラウロイルパーオキシド、ジデカノイルパーオキシド、ジオクタノイルパーオキシド、ジプロピルパーオキシド等のパーオキシド類等のアゾニトリル系開始剤および有機過酸化物系開始剤等の開始剤を用いることができる。これらは単独でもしくは2種以上併せて用いることができる。ただし、半減期が短い触媒を用いる場合には、回分式における触媒の一括仕込みはできず、連続投入する必要がある。
重合温度は、通常20〜90℃、好ましくは40℃〜70℃である。重合時間は、通常2〜15時間、好ましくは3〜11時間である。連続式重合の場合には重合槽内の平均滞留時間が同程度の時間であることが好ましい。
溶液重合の場合、所定の重合率に達したら、重合を停止させる。重合率は、仕込みビニルエステルモノマーに対して、通常10〜90モル%、好ましくは30〜80モル%である。また、重合後の溶液中の樹脂分は、通常5〜85重量%、好ましくは20〜70重量%である。
重合の停止は、通常、重合禁止剤を添加することにより行われる。重合禁止剤としては、N,N−ジアルキルヒドロキシルアミン、スチレン誘導体、ハイドロキノン誘導体、キノン誘導体、ピペリジン誘導体、共役ポリエン等を用いることができる。これらは単独でもしくは2種以上併せて用いることができる。これらのうち、共役ポリエンが好ましく用いられる。共役ポリエンは、最終的に得ようとするペレットの表層部の含有量との関係で、残存していても、フィッシュアイ等の発生抑制に寄与することができるからである。
重合禁止剤として用いられる共役ポリエンとしては、後述のペレット表層部に含有させる共役ポリエンで列挙するような化合物を用いることができる。
共役ポリエンは、重合に用いた溶媒等に溶解させて共役ポリエン溶液として添加することが、均一拡散の観点から好ましい。
重合禁止剤として共役ポリエンを用いる場合、その添加量は、ビニルエステルモノマーの仕込み量100重量部に対して、通常0.0001〜3重量部、好ましくは0.0005〜1重量部、さらに好ましくは0.001〜0.5重量部である。
重合終了後、未反応のエチレンガス、未反応のビニルエステルモノマーを除去し、次いで、ケン化する。
上記未反応のエチレンガスは、例えば、蒸発除去等によって除去することができる。また、エチレン−酢酸ビニル共重合体溶液から未反応のビニルエステルモノマーを除去する方法としては、例えば、ラシヒリングを充填した塔の上部から該共重合体溶液を一定速度で連続的に供給し、塔下部よりメタノール等の有機溶剤蒸気を吹き込み塔頂部よりメタノール等の有機溶剤と未反応ビニルエステルモノマーとの混合蒸気を流出させ、塔底部より未反応ビニルエステルモノマーを除去したエチレン−ビニルエステル系共重合体溶液を取り出す方法等を採用することができる。
ケン化は、公知の方法により行うことができる。通常、上記未反応ビニルエステルモノマーを除去したエチレン−ビニルエステル系共重合体溶液に、アルカリ触媒を添加することによりケン化反応が開始する。ケン化の方式としては、連続式、回分式いずれも可能である。
ケン化用触媒であるアルカリ触媒としては、例えば、水酸化ナトリウム、水酸化カリウム、アルカリ金属アルコラート等が用いられる。
ケン化条件は、使用する触媒、エチレン−ビニルエステル系共重合体のエチレン含有率、所望のケン化度等により異なるが、例えば、回分式の場合の好適なケン化条件は次の通りである。
ケン化反応温度は30〜60℃、ケン化用触媒の使用量は通常0.001〜0.6当量(ビニルエステル基当り)が好ましい。ケン化時間は、ケン化条件、目的とするケン化度に依存するが、通常1〜6時間から選択される。
このようにしてEVOH樹脂溶液が得られる。EVOH樹脂溶液中のEVOH樹脂の含有率は、10〜50重量%程度とすることが好ましい。このEVOH樹脂溶液の溶媒としては、通常、メタノール等のアルコール、水/アルコール混合液が好ましく用いられる。
本発明で用いるEVOH樹脂は、さらに、ウレタン化、アセタール化、シアノエチル化、オキシアルキレン化等の「後変性」が施されていてもよい。
以上のようなEVOH樹脂は、エチレン由来の構造単位とビニルアルコール構造単位を主とし、必要に応じてケン化されずに残存した若干量のビニルエステル構造単位が通常含まれる。その他のコモノマーを共重合した場合、当該コモノマーに由来する構造単位が、さらに含まれる。
本発明で用いられるEVOH樹脂は、以下のような組成を有することが好ましい。
EVOH樹脂におけるエチレン構造単位の含有量は、ISO14663に基づいて測定した値で、通常20〜60モル%、好ましくは25〜50モル%である。かかる含有量が低すぎる場合は、高湿下のガスバリア性、溶融成形性が低下する傾向があり、逆に高すぎる場合は、ガスバリア性が低下する傾向がある。
EVOH樹脂におけるビニルエステル成分のケン化度は、JIS K6726(ただし、EVOH樹脂は水/メタノール溶媒に均一に溶解した溶液にて)に基づいて測定した値で、通常90〜100モル%、好ましくは95〜100モル%である。かかるケン化度が低すぎる場合にはガスバリア性、熱安定性、耐湿性等が低下する傾向がある。
<共役ポリエン>
本発明で用いられる共役ポリエンとは、炭素−炭素二重結合と炭素−炭素単結合が交互に繋がってなる構造であって、炭素−炭素二重結合の数が2個以上である、いわゆる共役二重結合を有する化合物である。共役ポリエンは、2個の炭素−炭素二重結合と1個の炭素−炭素単結合が交互に繋がってなる構造である共役ジエン、3個の炭素−炭素二重結合と2個の炭素−炭素単結合が交互に繋がってなる構造である共役トリエン、あるいはそれ以上の数の炭素−炭素二重結合と炭素−炭素単結合が交互に繋がってなる構造である共役ポリエンであってもよい。ただし、共役する炭素−炭素二重結合の数が8個以上になると共役ポリエン自身の色により成形物が着色する懸念があるので、共役する炭素−炭素二重結合の数が7個以下であるポリエンであることが好ましい。また、2個以上の炭素−炭素二重結合からなる上記共役二重結合が互いに共役せずに1分子中に複数組あってもよい。例えば、桐油のように共役トリエンが同一分子内に3個ある化合物も共役ポリエンに含まれる。
このような共役ポリエンとしては、例えば、イソプレン、2,3−ジメチル−1,3−ブタジエン、2,3−ジエチル−1,3−ブタジエン、2−t−ブチル−1,3−ブタジエン、1,3−ペンタジエン、2,3−ジメチル−1,3−ペンタジエン、2,4−ジメチル−1,3−ペンタジエン、3,4−ジメチル−1,3−ペンタジエン、3−エチル−1,3−ペンタジエン、2−メチル−1,3−ペンタジエン、3−メチル−1,3−ペンタジエン、4−メチル−1,3−ペンタジエン、1,3−ヘキサジエン、2,4−ヘキサジエン、2,5−ジメチル−2,4−ヘキサジエン、1,3−オクタジエン、1,3−シクロペンタジエン、1,3−シクロヘキサジエン、1−フェニル−1,3−ブタジエン、1,4−ジフェニル−1,3−ブタジエン、1−メトキシ−1,3−ブタジエン、2−メトキシ−1,3−ブタジエン、1−エトキシ−1,3−ブタジエン、2−エトキシ−1,3−ブタジエン、2−ニトロ−1,3−ブタジエン、クロロプレン、1−クロロ−1,3−ブタジエン、1−ブロモ−1,3−ブタジエン、2−ブロモ−1,3−ブタジエン、フルベン、トロポン、オシメン、フェランドレン、ミルセン、ファルネセン、センブレン、ソルビン酸、ソルビン酸エステル、ソルビン酸塩、アビエチン酸等の炭素−炭素二重結合2個の共役構造よりなる共役ジエン;1,3,5−ヘキサトリエン、2,4,6−オクタトリエン−1−カルボン酸、エレオステアリン酸、桐油、コレカルシフェロール等の炭素−炭素二重結合3個の共役構造からなる共役トリエン;シクロオクタテトラエン、2,4,6,8−デカテトラエン−1−カルボン酸、レチノール、レチノイン酸等の炭素−炭素二重結合4個以上の共役構造からなる共役ポリエン等があげられる。なお、1,3−ペンタジエン、ミルセン、ファルネセンのように、複数の立体異性体を有するものについては、そのいずれを用いてもよい。かかるポリエン化合物は2種類以上のものを併用することもできる。
これらのうち、ソルビン酸、ソルビン酸エステル、およびソルビン酸塩は、カルボキシル基を有しており、水との親和性が高いことから、EVOH樹脂ペレット表面への付着量の調整が容易となり、特に好ましい。
<桂皮酸類>
本発明のEVOH樹脂ペレットに含有させる桂皮酸類としては、桂皮酸に限らず、例えば、桂皮酸エステル、アルコキシ基を有する桂皮酸、桂皮酸アミド、桂皮酸塩等の桂皮酸誘導体があげられる。これらは単独でもしくは2種以上併せて用いることができる。これらのなかでも、桂皮酸が好ましい。複数種の桂皮酸類を用いた時の桂皮酸類の含有量は、全桂皮酸類を合計した含有量である。
<EVOH樹脂のペレットの製造>
EVOH樹脂からペレットを製造する方法としては、従来公知の方法を採用でき、例えば、
a)流動状のEVOH樹脂を押出機の吐出口から押出し、溶融状態でカットした後、冷却固化してペレットを作製するホットカット方式、
b)流動状のEVOH樹脂溶液を凝固浴中に押出し、冷却固化により得られたEVOH樹脂ストランドをカットするストランドカット方式、
等があげられ、なかでも、後述する多孔質ペレットが得られる点で、b)ストランドカット方式が好ましい。
上記a)ホットカット方式、b)ストランドカット方式のいずれであっても、ペレット原料として使用するEVOH樹脂としては、(α)上記EVOH樹脂の合成方法において、ケン化により得られたEVOH樹脂の溶液またはスラリーをそのまま、あるいは当該溶液またはスラリーの含水率を適宜調整した後のEVOH樹脂含水組成物;あるいは(β)EVOH樹脂のペレット(乾燥EVOH樹脂組成物ペレット)を溶融し、かかる溶融状態のEVOH樹脂を用いることができる。
押出機に投入するペレット原料としてEVOH樹脂含水組成物を用いる場合、EVOH樹脂含水組成物としては、EVOH樹脂100重量部に対し、アルコールを0〜10重量部、水を10〜500重量部含有するEVOH樹脂含水組成物が好ましい。EVOH樹脂の溶液またはスラリーを用いる場合、溶媒としてはアルコール、水/アルコール混合溶媒等が用いられる。これらのうち、水/アルコール混合溶媒が好ましい。上記アルコールとしては、例えば、メタノール、エタノール、プロパノール、n−ブタノール、t−ブタノール等の炭素数1〜10の脂肪族アルコールを用いることができ、特にメタノールが好ましい。また、水/アルコール混合重量比は、80/20〜5/95が好ましく、EVOH樹脂の濃度としては20〜60重量%が好ましい。
ペレット製造におけるEVOH樹脂含水組成物の含水率を調整する方法としては特に限定しないが、含水率を上げるためには、樹脂に水をスプレーする方法、樹脂を水中に浸漬させる方法、樹脂を水蒸気と接触させる方法等を採用できる。含水率を下げるためには、適宜乾燥すればよく、例えば流動式熱風乾燥機あるいは静置式熱風乾燥機を用いて乾燥することができる。
a)ホットカット方式
EVOH樹脂含水組成物をホットカット方式で製造するペレット原料として押出機に投入する場合、押出機内でのEVOH樹脂含水組成物の温度は、70〜170℃が好ましく、より好ましくは80〜170℃、さらに好ましくは90〜170℃である。EVOH樹脂含水組成物の温度が低すぎる場合は、EVOH樹脂が完全に溶融しない傾向があり、高すぎる場合は、EVOH樹脂が熱劣化を受けやすくなる傾向がある。乾燥EVOH樹脂組成物をペレット原料として使用する場合の押出機内でのEVOH樹脂組成物の温度は150〜300℃が好ましく、より好ましくは160〜280℃、さらに好ましくは170〜250℃である。なお、樹脂組成物の温度は、押出機シリンダーに設置した温度センサーにより押出機先端部吐出口付近で検出した温度をいう。
ダイスから押し出されるEVOH樹脂(含水)組成物、すなわち溶融状態にあるEVOH樹脂は、冷却固化する前にカットされる。ホットカット方式は、大気中でカット(空中ホットカット方式)、冷却水で満たされたカッター設置容器内に押出され冷却水中でカット(水中カット方式)のいずれでもよい。
水中カット方式における冷却水の温度は、溶融状態で押し出されたEVOH樹脂含水組成物が瞬時に固化(凝固)しない程度の温度であり、カット前に冷却水と接触する場合には、冷却水の温度は−20〜50℃とすることが好ましく、より好ましくは−5〜30℃である。
ただし、乾燥EVOH樹脂組成物を原料とする場合、EVOH樹脂含水組成物を原料として用いる場合よりも凝固しやすいことから、水中カット方式における冷却水の温度は、EVOH樹脂含水組成物を原料とする場合よりも高く、通常0〜90℃であり、好ましくは20〜70℃である。
冷却水は、水に限定しない。水/アルコール混合溶液;ベンゼン等の芳香族炭化水素類;アセトン、メチルエチルケトン等のケトン類;ジプロピルエーテル等のエーテル類;酢酸メチル、酢酸エチル、プロピオン酸メチル等の有機エステル類等も用いることができる。これらのうち、取扱い性が容易という点から、水、または水/アルコール混合溶液が用いられる。水/アルコール混合溶液において、水/アルコール(重量比)は通常90/10〜99/1である。なお、上記アルコールとしては、メタノール、エタノール、プロパノール等の低級アルコールを用いることができ、工業上、メタノールが好ましく用いられる。
b)ストランドカット方式
ストランドカット方式の場合、ペレット原料として、EVOH樹脂溶液、EVOH樹脂含水組成物、乾燥EVOH樹脂組成物を用いることができる。
ただし、EVOH樹脂溶液を凝固浴に押出す場合、EVOH樹脂溶液の温度は、通常、10〜100℃、凝固浴の温度は、押し出されたEVOH樹脂が冷却固化できる温度で、通常、−10〜40℃であり、滞留時間は、通常、10〜400秒間程度である。EVOH樹脂含水組成物をペレット原料として押出機に投入する場合も、凝固浴に押し出すEVOH樹脂含水組成物の温度は、通常、10〜100℃、凝固浴の温度は、通常、−10〜40℃であり、滞留時間は、通常、10〜400秒間程度である。乾燥EVOH樹脂組成物をペレット原料として押出機に投入する場合、凝固浴に乾燥EVOH樹脂組成物が押し出される温度は、通常、150〜300℃、凝固浴の温度は通常0〜90℃であり、滞留時間は2〜400秒間程度である。
凝固浴に用いる凝固液としては、上記a)ホットカット方式の冷却水と同様の溶液を採用することができる。
このようにして、EVOH樹脂ペレットが得られる。
以上のようなEVOH樹脂のペレットのうち、後述する共役ポリエンの含有処理の点から、多孔質のペレットを用いることが好ましい。多孔質のペレットは、上記b)ストランドカット方式において、EVOH樹脂のアルコールまたは水/アルコール溶液を凝固浴で凝固したストランドをカッティングすることで、得ることができる。EVOH樹脂のペレットが多孔質である場合、この孔内へ共役ポリエンが浸透することで、共役ポリエンをペレット中に保持しやすくなり、効率的に共役ポリエンをペレット表層部へ取り込ませることができる。すなわち、ここでいう多孔質構造の孔の大きさは、その孔内へ共役ポリエンが浸透できる範囲であればよく、特に制限されない。
本発明において、ペレットの形状は特に限定しない。球形、円柱形、立方体形、直方体形等のいずれの形状であってもよい。ペレット形状は、ペレット製造方法に依存する。ペレットサイズは、成形材料として用いる場合の利便性の観点から、径が通常1〜6mm、好ましくは2〜5mmであり、高さは通常1〜6mm、好ましくは2〜5mmである。
ペレット原料、すなわちEVOH樹脂溶液、適宜含水率等を調整したEVOH樹脂含水組成物のいずれにおいても、通常、ケン化時に用いられたアルカリ触媒、副生塩類、その他不純物等を含有している。このため、かかるEVOH樹脂溶液をペレット原料として作製したEVOH樹脂のペレットには、通常、上記不純物等が含有されている。したがって、このようにして得られる多孔質ペレットは、水洗処理に供してもよい。
水洗処理する場合、重合禁止剤として添加された共役ポリエンも除去されることになる。しかし、除去されやすさは共役ポリエンの極性等により異なり、一定量がEVOH樹脂中に残存することになる。
<共役ポリエンおよび桂皮酸類含有EVOH樹脂ペレットの製造>
本発明の共役ポリエンおよび桂皮酸類含有EVOH樹脂ペレットは、下記共役ポリエン含有EVOH樹脂ペレットの製造、および桂皮酸類含有EVOH樹脂ペレットの製造工程を経ることにより得ることができる。これらの工程は、どちらの工程を先に行ってもよく、また同時に行ってもよい。上記工程を同時に行う場合は、例えば、共役ポリエンと桂皮酸類が溶解した処理液を用いる等により行うことができる。
なかでも、作業効率の点から、共役ポリエン含有EVOH樹脂ペレットの製造、桂皮酸類含有EVOH樹脂ペレットの製造の工程順に行うことが好ましい。
<共役ポリエン含有EVOH樹脂ペレットの製造>
上記共役ポリエン含有EVOH樹脂ペレットは、前記EVOH樹脂のペレット表面に共役ポリエンを含有させることにより製造することができる。
共役ポリエンをEVOH樹脂のペレット表面に含有させる方法としては、例えば、予め作製したEVOH樹脂のペレットと共役ポリエンとを接触させる方法の他、EVOH樹脂のペレット製造段階で共役ポリエンを含有させる方法等を用いることができる。
上記EVOH樹脂のペレット製造段階で共役ポリエンを含有させる方法において、すでに述べたとおり、共役ポリエンは、重合禁止剤として用いることができることから、重合終了時に、重合禁止剤として共役ポリエンを添加することで、共役ポリエンを含有するEVOH樹脂のペレットを製造することができる。しかしながら、かかる方法で製造されるEVOH樹脂のペレットの場合、ペレット全体に共役ポリエンがほぼ均等に含有されるため、表層部における共役ポリエンの含有量が低くなる傾向にある。また、重合禁止剤として添加する共役ポリエン量を増大させると、ペレットの着色の原因ともなるため、ペレット製造後に水洗が必要となる場合もある。このため、EVOH樹脂のペレット製造段階でペレット表層部の共役ポリエン量を、フィッシュアイの発生抑制に効果的な量に調節することは一般に困難である。
したがって、EVOH樹脂のペレットの表層部に共役ポリエンを含有させるには、予め作製したEVOH樹脂のペレットと共役ポリエンとを接触させる方法が好ましい。
予め作成したEVOH樹脂のペレットと共役ポリエンとを接触させる方法としては、EVOH樹脂のペレットと共役ポリエンを含有する処理液(以下、「共役ポリエン含有処理液」と称することがある。)とを接触させる方法が好ましいが、他の接触方法として、共役ポリエンをEVOH樹脂のペレットに直接添加して混ぜ合わせる方法で接触させてもよい。
上記EVOH樹脂のペレットと共役ポリエン含有処理液とを接触させる方法としては、例えば、共役ポリエン含有処理液をEVOH樹脂のペレットに噴霧する方法;共役ポリエン含有処理液にEVOH樹脂のペレットを浸漬する方法;EVOH樹脂のペレットを共役ポリエン含有処理液で洗浄する方法;表面を特定の高温に調節したEVOH樹脂のペレットに溶媒に溶解させた共役ポリエンをスプレー等して溶液コーティングする方法等により実施することができる。これらのうち、共役ポリエン含有処理液に浸漬する方法や、共役ポリエン含有処理液で洗浄処理する方法が好ましく用いられる。
上記の製造方法、すなわち、EVOH樹脂のペレットを、共役ポリエン含有処理液と接触させることで、効果的にペレット表層部の共役ポリエン量を増大させることが可能となる。
EVOH樹脂のペレットを共役ポリエン含有処理液と接触させることによる、共役ポリエン含有処理は、表層部の共役ポリエン含有量を効率よく増大させることができるという以外に、さらに以下のような有利な点がある。すなわち、処理液の共役ポリエン濃度を調節することで、ペレット表層部の共役ポリエン含有量を高精度に調節することが可能である。
またさらに、EVOH樹脂のペレットを共役ポリエン含有処理液と接触させることによる、共役ポリエン含有処理は、他の好ましい添加剤、特に酢酸、酢酸塩、ホウ酸等のホウ素含有化合物の濃度調節処理を兼ねることもできる。具体的には、共役ポリエンとともに、酢酸、酢酸塩、ホウ酸等のホウ素含有化合物等の添加剤を含有する処理液を用いればよい。かかる方法により、他の添加成分と共役ポリエンとの含有比率を容易に調整することができる。
共役ポリエン含有処理液における共役ポリエンの濃度は、共役ポリエン含有処理液の重量あたり、通常0.01〜500ppm、好ましくは0.1〜50ppmである。かかる濃度が低すぎると、所定量の共役ポリエンを含有させることが困難となる傾向があり、高すぎると共役ポリエンの析出物がペレット表面に付着することにより、塊状の凝集物が成形フィルム中に発生するおそれがある。
共役ポリエンの水溶液との接触処理において、共役ポリエンの濃度、接触処理時間、接触処理温度、接触処理時の撹拌速度や処理されるEVOH樹脂のペレットの含水率等により、表層部における共役ポリエン含有量をコントロールすることが可能である。
共役ポリエンとの接触処理後、そのまま次の工程に供してもよいが、通常、ペレットを乾燥することが好ましい。かかる乾燥に際しては公知の方法を採用することができ、例えば、円筒・溝型撹拌乾燥器、円筒乾燥器、回転乾燥器、流動層乾燥器、振動流動層乾燥器、円錐回転型乾燥器等を用いた流動乾燥や回分式箱型乾燥器、バンド乾燥器、トンネル乾燥器、縦型サイロ乾燥器等を用いた静置乾燥等により乾燥すればよい。80〜150℃の窒素ガス等の気体を乾燥器内を通過させることで、効率よく乾燥させることができる。
以上のようにして共役ポリエン含有EVOH樹脂ペレットが得られる。
<桂皮酸類含有EVOH樹脂ペレットの製造>
上記桂皮酸類含有EVOH樹脂ペレットは、前記EVOH樹脂のペレットに桂皮酸類を含有させることにより製造することができる。
EVOH樹脂のペレットに桂皮酸類を含有させる方法としては、予め作製したEVOH樹脂のペレットと桂皮酸類とを接触させる方法が好ましいが、他の方法として、EVOH樹脂のペレット製造段階で桂皮酸類と接触させる方法により桂皮酸類を含有させてもよい。
上記予め作製したEVOH樹脂のペレットと桂皮酸類とを接触させる方法としては、例えば、桂皮酸類の溶液をEVOH樹脂のペレットに噴霧する方法;桂皮酸類の溶液にEVOH樹脂のペレットを浸漬する方法;桂皮酸類の溶液を撹拌しながら、EVOH樹脂のペレットを投入する方法;桂皮酸類の粉末をEVOH樹脂のペレットに直接添加して混ぜ合わせる方法等があげられる。これらのうち、桂皮酸類を効率よく含有させることができる点で、桂皮酸類の粉末をEVOH樹脂のペレットに直接添加して混ぜ合わせる方法が好ましく用いられる。
EVOH樹脂のペレットに含有される桂皮酸類量は、EVOH樹脂のペレット重量あたり、通常1〜500ppmであり、好ましくは10〜400ppm、特に好ましくは50〜350ppmである。桂皮酸類の含有量が少なすぎるとフィルムに焦げたような臭気が発生しやすい傾向があり、多すぎると逆に桂皮酸類の熱分解物から酸性の臭気が発生しやすい傾向がある。
上記工程により、桂皮酸類含有EVOH樹脂ペレットが得られる。
上記共役ポリエンを含有させる工程、および桂皮酸類を含有させる工程を経ることにより、本発明の共役ポリエンおよび桂皮酸類含有EVOH樹脂ペレットを得ることができる。
<共役ポリエンおよび桂皮酸類含有EVO樹脂ペレット>
本発明の共役ポリエンおよび桂皮酸類含有EVOH樹脂ペレット表層部の共役ポリエン含有量は、当該ペレット重量あたり30ppb以上、好ましくは34ppb以上、さらに好ましくは38ppb以上である。かかる共役ポリエンの含有量が少ないとフィッシュアイが多く発生する。なお、表層部の共役ポリエンの含有量の上限は、通常10000ppb(10ppm)、好ましくは8000ppb(8ppm)、特に好ましくは5000ppb(5ppm)である。
上記表層部の共役ポリエン含有量は、共役ポリエン含有EVOH樹脂ペレット20gを、水/メタノール=1/1(体積比)の混合液30mL中で10分間撹拌して得られる溶液について、液体クロマトグラフを用いて共役ポリエンの含有量を定量し、EVOH樹脂ペレットの重量(20g)で除することによって測定される。
上記測定方法により測定される共役ポリエン量は、先に記載したとおり、共役ポリエンおよび桂皮酸類含有EVOH樹脂ペレットの表層部に含有されている共役ポリエン量である。本発明者らは、上記EVOH樹脂ペレット表層部の共役ポリエンの含有量がフィッシュアイ発生の抑制に効果的であることを見出した。上記ペレット表層部の共役ポリエン含有量を当該ペレット重量あたり30ppb以上、好ましくは34ppb以上、さらに好ましくは38ppb以上とすることにより、直径200μm以下の微小なフィッシュアイ発生についても効果的に抑制することができる。
なお、本発明の共役ポリエンおよび桂皮酸類含有EVOH樹脂ペレットは、少なくとも上記測定方法で測定される上記ペレット表層部の共役ポリエンの存在量が当該ペレット重量あたり30ppb以上であればよい。かかる共役ポリエンおよび桂皮酸類含有EVOH樹脂ペレット内部には共役ポリエンがほとんど存在しない場合であってもよいし、当該ペレット内部にさらに多量の共役ポリエンが含有されている場合であってもよい。
例えば、重合禁止剤として共役ポリエンを添加した場合のように、ペレット製造原料(EVOH樹脂溶液またはEVOH樹脂含水組成物)に共役ポリエンが含有されていた場合、ペレット内部の共役ポリエンの含有量は高くなる傾向にある。
共役ポリエンおよび桂皮酸類含有EVOH樹脂ペレット内部にも共役ポリエンが含有されている場合、共役ポリエンの全含有量は、当該ペレット重量あたり、通常0.1〜10000ppm、より好ましくは0.1〜8000ppm、さらに好ましくは1〜5000ppm、特に好ましくは1〜2000ppmである。共役ポリエンの全含有量が少なすぎると、相対的にペレット表層部における共役ポリエンの含有量が少なくなり、フィッシュアイが増加する傾向にある。また、共役ポリエンの含有量が多くなりすぎると、共役ポリエン自身の色により成形物が着色するおそれがある。
上記「共役ポリエンの全含有量」とは、共役ポリエンおよび桂皮酸類含有EVOH樹脂ペレットが含有する共役ポリエンの含有量をいい、具体的には、かかるEVOH樹脂ペレットを粉砕した後、溶媒抽出を行い、抽出液中の共役ポリエンの量を、液体クロマトグラフを用いて測定される値から換算される量である。
共役ポリエンおよび桂皮酸類含有EVOH樹脂ペレット全体の共役ポリエン全含有量に対する、共役ポリエンおよび桂皮酸類含有EVOH樹脂ペレット表層部における共役ポリエンの含有量の重量比(表層部共役ポリエン含有量/共役ポリエン全含有量)は、1.5×10-5以上であり、好ましくは3×10-5以上、さらに好ましくは5×10-5以上である。当該ペレット全体の共役ポリエン全含有量に対する当該ペレット表層部における共役ポリエンの含有量の重量比が少なすぎると、フィッシュアイ発生の抑制効果が充分に得られない。なお、上限値は、通常1×10-2である。
また、共役ポリエンおよび桂皮酸類含有EVOH樹脂ペレットの桂皮酸類の含有量は、当該ペレット重量あたり、1〜500ppmであり、好ましくは10〜400ppm、特に好ましくは50〜350ppmである。桂皮酸類の含有量が少なすぎるとフィルムに焦げたような臭気が発生しやすく、多すぎると逆に桂皮酸類の熱分解物から酸性の臭気が発生しやすい。
上記「桂皮酸類の含有量」とは、共役ポリエンおよび桂皮酸類含有EVOH樹脂ペレットの表面、または内部、またはその両方に含有する桂皮酸類の量をいう。具体的には、上記EVOH樹脂ペレット表面に桂皮酸類を含有する場合は、上記EVOH樹脂ペレット表面への桂皮酸類の添加量を含有量としてもよく、上記EVOH樹脂ペレット内部に桂皮酸類を含有する場合はEVOH樹脂ペレット1gを25℃の抽出液(桂皮酸の場合はメタノール)9mLに浸漬し、2時間超音波処理して得られた抽出液についてLC/MS/MS分析にて得られる値からEVOH樹脂ペレット重量あたりの桂皮酸類含有量に換算する等によって求めることができる。
本発明の共役ポリエンおよび桂皮酸類含有EVOH樹脂ペレットの含水率は、通常0.01〜1重量%、好ましくは0.05〜0.5重量%である。含水率が少なすぎると水分子によるEVOH樹脂の可塑化が起こらず、押出成形時に上記EVOH樹脂ペレットが溶融しづらくなり、未溶融物の欠点が生じやすくなる傾向があり、多すぎると押出成形時に発泡現象が起こり、成形物の外観が悪化しやすくなる傾向がある。
また、共役ポリエンおよび桂皮酸類含有EVOH樹脂ペレットのメルトフローレート(MFR)(210℃、荷重2160g)は、通常0.5〜100g/10分であり、好ましくは1〜50g/10分、特に好ましくは2〜35g/10分である。かかるMFRが大きすぎる場合には、製膜性が不安定となる傾向があり、小さすぎる場合には粘度が高くなり過ぎて溶融押出しが困難となる傾向がある。
<その他の成分>
本発明の共役ポリエンおよび桂皮酸類含有EVOH樹脂ペレットには、必要に応じて、一般にEVOH樹脂に配合する配合剤、例えば、熱安定剤、酸化防止剤、帯電防止剤、着色剤、紫外線吸収剤、滑剤、可塑剤、光安定剤、界面活性剤、抗菌剤、乾燥剤、アンチブロッキング剤、難燃剤、架橋剤、硬化剤、発泡剤、結晶核剤、防曇剤、生分解用添加剤、シランカップリング剤、酸素吸収剤、充填剤、各種繊維等の補強材等が含有されていてもよい。特に、リン酸、ピロリン酸、亜リン酸、シュウ酸、コハク酸、アジピン酸、酒石酸、クエン酸、リン酸二水素ナトリウム、リン酸二水素カリウム、酢酸等の酸または多塩基酸の部分塩を含有してもよい。これらは単独でもしくは2種以上併せて用いることができる。
<用途>
本発明の共役ポリエンおよび桂皮酸類含有EVOH樹脂ペレットは、溶融成形法により、例えばフィルム、シート、カップやボトル等に成形することができる。かかる溶融成形方法としては、押出成形法(T−ダイ押出、インフレーション押出、ブロー成形、溶融紡糸、異型押出等)、射出成形法等があげられる。溶融成形温度は、通常150〜300℃の範囲から選ぶことが多い。また、フィルム、シート、繊維等を一軸または二軸延伸することも可能である。
本発明の共役ポリエンおよび桂皮酸類含有EVOH樹脂ペレットは、単独でそのまま溶融成形に供してもよいし、他の熱可塑性樹脂ペレットを適宜配合して溶融成形に供してもよい。また、共役ポリエンおよび桂皮酸類含有EVOH樹脂ペレットとして、2種類以上の共役ポリエンおよび桂皮酸類含有EVOH樹脂ペレットの混合物を用いてもよい。2種類以上の共役ポリエンおよび桂皮酸類含有EVOH樹脂ペレットの混合物とは、EVOH樹脂のエチレン含有率、ケン化度、MFR、構成が異なる種類のEVOH樹脂の混合物をいう。
他の熱可塑性樹脂としては、例えば、各種ポリオレフィン(例えば、ポリエチレン、ポリプロピレン、ポリ1−ブテン、ポリ4−メチル−1−ペンテン、エチレン−プロピレン共重合体、エチレンと炭素数4以上のα−オレフィンとの共重合体、ポリオレフィンと無水マレイン酸との共重合体、エチレン−酢酸ビニル共重合体、エチレン−アクリル酸エステル共重合体、またはこれらを不飽和カルボン酸またはその誘導体でグラフト変性した変性ポリオレフィン等)、各種ナイロン(例えば、ナイロン6、ナイロン66、ナイロン6/66共重合体等)、ポリ塩化ビニル、ポリ塩化ビニリデン、ポリエステル、ポリスチレン、ポリアクリロニトリル、ポリウレタン、ポリアセタールおよび変性ポリビニルアルコール樹脂等を用いることができる。
本発明により得られたEVOH樹脂フィルムまたはEVOH樹脂と他の熱可塑性樹脂を混合したEVOH樹脂組成物のフィルムは、他の熱可塑性樹脂フィルムと積層してもよいし、他の熱可塑性樹脂と共押出しして多層フィルムとしてもよい。また、該エチレン−酢酸ビニル共重合体ケン化物組成物を紙、プラスチックフィルムおよび金属箔等の基材フィルムに共押出しコートあるいは溶液コートすることも可能である。
このようにして得られたフィルム、シート、延伸フィルムからなる袋およびカップ、トレイ、チューブ、ボトル等からなる容器や蓋材は、着色が少なく、かつフィッシュアイ等がほとんどない外観に優れたものであることから、ガスバリア性を要しかつ外観に対する要求が厳しい、包装材料として好適に用いることができる。具体的には、一般的な食品の他、マヨネーズ、ドレッシング等の調味料、味噌等の発酵食品、サラダ油等の油脂食品、飲料、化粧品、医薬品等の各種の包装材料容器として有用である。
以下、実施例をあげて本発明をさらに具体的に説明するが、本発明はその要旨を超えない限り、以下の実施例に限定されるものではない。
なお、例中「部」とあるのは、重量基準を意味する。
まず実施例および比較例で用いるペレットの測定評価方法について説明する。
<測定評価方法>
(1)ペレットの共役ポリエン(ソルビン酸)全含有量
共役ポリエンおよび桂皮酸類含有EVOH樹脂ペレット中の共役ポリエンの含有量について、共役ポリエンを上記EVOH樹脂ペレット表面に直接添加する場合は添加量を含有量に算入することができるが、共役ポリエンが上記EVOH樹脂ペレットの内部に存在する場合は、以下の測定方法で共役ポリエンの含有量を定量した。
上記EVOH樹脂ペレットを凍結粉砕した粉末1gに対して、抽出溶媒(蒸留水:メタノール=1:1、体積比)8mLを添加した。この溶液を温度20℃、静置状態で超音波処理を1時間して、樹脂中のソルビン酸を抽出し、冷却後に抽出溶媒で10mLに定容した。この溶液をポアサイズ0.45μmのフィルターで濾過後、液体クロマトグラフ−紫外分光検出器で抽出溶液中のソルビン酸を定量した。
[HPLC測定条件]
LCシステム :Agilent1260/1290[Agilent Technologies社製]
検出器 :Agilent1260 infinity ダイオードアレイ検出器[Agilent Technologies社製]
カラム :Cadenza CD−C18(100×3.0mm、3μm)[Imtakt社製]
カラム温度 :40℃
移動相A :0.05%ギ酸含有 5%アセトニトリルの水溶液
移動相B :0.05%ギ酸含有 95%アセトニトリルの水溶液
タイムプログラム:0.0→5.0分 B%=30%
5.0→8.0分 B%=30%→50%
8.0→10.0分 B%=50%
10.0→13.0分 B%=50%→30%
13.0→15.0分 B%=30%
流量 :0.2mL/分
UV検出波長 :190〜400nm
定量波長 :262nm
なお、上記HPLC測定条件における「%」は、体積%を意味する。
(2)ペレット表層部の共役ポリエン(ソルビン酸)含有量
共役ポリエンおよび桂皮酸類含有EVOH樹脂ペレット20gを、抽出溶媒(蒸留水:メタノール=1:1、体積比)30mL中で10分間撹拌して抽出を実施した。得られた抽出液を2mLにまで濃縮した後、ポアサイズ0.45μmのフィルターで濾過した。得られた濾液を検液として使用し、液体クロマトグラフにより共役ポリエンを定量した。濾液中の共役ポリエン量を測定し、上記EVOH樹脂ペレット重量(20g)で除してペレット表層部の共役ポリエン含有量を求めた。液体クロマトグラの測定条件は上記のペレットの共役ポリエン全含有量の測定と同様の条件で行った。
(3)ペレットの桂皮酸類の含有量
共役ポリエンおよび桂皮酸類含有EVOH樹脂ペレット表面にのみ桂皮酸類を含有する場合は、上記EVOH樹脂ペレット表面への桂皮酸類の添加量を含有量とした。また、上記EVOH樹脂ペレット内部に桂皮酸類を含有する場合は、下記の方法により桂皮酸類含有量を算出した。なお、下記手順は桂皮酸類として桂皮酸を用いた場合を例にして記載するが、桂皮酸以外の桂皮酸塩等についても同様の手順にて行なわれる。
[標準溶液の調整]
桂皮酸(10.89mg)を10mLメスフラスコに秤量し、メタノールに溶解して10mL溶液とする(標準原液;1089μg/mL)。ついで、調整した標準原液をメタノールで希釈して、複数濃度(0.109μg/mL、0.218μg/mL、0.545μg/mL、1.09μg/mL、2.18μg/mL)の各混合標準溶液を調整する。これら混合標準溶液を用いてLC/MS/MS分析を実施し、検量線を作成する。
[試料溶液の調整]
(I)共役ポリエンおよび桂皮酸類含有EVOH樹脂ペレット(1g)を10mLメスフラスコに秤量後、メタノール9mLを加える。
(II)超音波処理を120分間実施後、室温(25℃)で放冷する。
(III)メタノールを加えて10mLに定容する(試料溶液(α))。
(IV)試料溶液(α)1mLを10mLメスフラスコに採取後、メタノールを加えて10mLに定容する(試料溶液(β))。
(V)試料溶液(α)あるいは試料溶液(β)をPTFEフィルタ(0.45μm)で濾過した液体を測定溶液としてLC/MS/MS分析に供する。
LC/MS/MS分析で検出されたピーク面積値と、標準溶液の検量線から桂皮酸の検出濃度を算出する。検出濃度からEVOH樹脂ペレット中の桂皮酸含有量を算出する。
[LC/MS/MS測定条件]
LCシステム: LC−20A[島津製作所社製]
質量分析計: API4000[AB/MDS Sciex]
分析カラム: Scherzo SM−C18 (3.0×75mm、3μm)
カラム温度: 45℃
移動相: A 10mmol/L 酢酸アンモニウムの水溶液
B メタノール
タイムプログラム: 0.0→5.0分 B%=30%→95%
5.0→10.0分 B%=95%
10.1→15.0分 B%=30%
流量: 0.4mL/分
切り替えバルブ: 2.0 to 6.0分: to MS
注入量: 5μL
イオン化: ESI法
検出: 負イオン検出(SRM法)
モニターイオン: Q1=147.0 → Q3=102.9(CE: −15eV)
なお、上記LC/MS/MS測定条件における「%」は、体積%を意味する。
(4)ペレットの含水率(重量%)
乾燥前のEVOH樹脂ペレットの重量と、温度150℃、5時間乾燥後のEVOH樹脂ペレットの重量から揮発分を求め、これをEVOH樹脂ペレットの含水率とした。具体的には、下記式により含水率が得られる。
含水率(重量%)=〔(乾燥前のEVOH樹脂ペレット重量−乾燥後のEVOH樹脂ペレット重量)/乾燥前のEVOH樹脂ペレット重量〕×100
(5)フィッシュアイ
共役ポリエン(および桂皮酸類)含有EVOH樹脂ペレットを用いて下記製膜条件で、製膜することにより厚み30μmの単層フィルムが得られた。
上記厚み30μmの単層フィルムについて、デジタル欠陥検査装置(マミヤオーピー社製、GX−70LT)を用いて、フィッシュアイを計測した。
フィッシュアイの計測は、単層フィルムの下面から光を当て、光透過しなかった部分(直径0.1〜0.2mm)をフィッシュアイ1個として、100cm2(サイズ:10cm×10cm)あたりのフィッシュアイ個数をカウントすることにより行った。
なお、計測時の読み取り速度:3m/分である。
[製膜条件]
押出機:直径(D)40mm、L/D=28
スクリュー:フルフライトタイプ圧縮比=2.5
スクリーンパック:60/90/60メッシュ
ダイ:幅450mm、コートハンガータイプ
設定温度:C1/C2/C3/C4/A/D=180/200/220/220/210/210℃
スクリュー回転数:40rpm
ロール温度:80℃
<共役ポリエンおよび桂皮酸類含有EVOH樹脂ペレットの製造>
[実施例1]
冷却コイルを備えた重合缶に酢酸ビニルを500部、メタノール100部、アセチルパーオキシド0.0585部(対酢酸ビニル)、クエン酸0.015部(対酢酸ビニル)を仕込み、重合缶内を、窒素ガスで一旦置換した後、次いでエチレンで置換して、エチレン圧が40kg/cm2となるまで圧入した。エチレン加圧下、撹拌しながら、67℃まで昇温することにより重合を開始した。重合開始から6時間後、重合率が60%に達した時点で、ソルビン酸0.0525部(対酢酸ビニル〔仕込量ベース〕)を添加した。これにより、エチレン含有率32.5モル%のエチレン−酢酸ビニル共重合体を得た。次いで、エチレン−酢酸ビニル共重合体を含有する反応液を蒸留塔に供給し、塔下部からメタノール蒸気を導入することで未反応酢酸ビニルを除去し、エチレン−酢酸ビニル共重合のメタノール溶液を得た。該エチレン−酢酸ビニル共重合体のメタノール溶液に、該共重合体中の残存酢酸基に対して、0.007当量の水酸化ナトリウムを含むメタノール溶液を供給することによりケン化を行い、EVOH樹脂のメタノール溶液(EVOH樹脂30重量%、メタノール70重量%)を得た。かかるEVOH樹脂のケン化度は99.7モル%であった。
得られたEVOH樹脂のメタノール溶液に水蒸気を吹き込むとともに、発生したメタノールの蒸気を系外に除くことで、EVOH樹脂40重量%の水/メタノール=40/60(重量比)の混合溶液を得た。このEVOH樹脂の水/メタノールの混合溶液を、冷水中にストランド状に押し出し、得られたストランド状物(含水多孔質体)をカッターで切断し、直径3.8mm、長さ4mmで、EVOH樹脂分35重量%の多孔質ペレットを得た。
この多孔質ペレット100部に対し酢酸ナトリウム0.1部/酢酸0.1部/ホウ酸0.003部(ホウ素換算)/ソルビン酸0.0008部を含有する洗浄用処理液300部(処理液中のソルビン酸濃度2.7ppmに該当)にて、当該多孔質ペレットを1時間洗浄した。当該洗浄処理を合計5回行った。次いで、得られた多孔質ペレットを、酸素濃度0.5体積%以下の窒素気流下で110℃で8時間乾燥を行い、EVOH樹脂あたり含水率0.15重量%/ナトリウム0.06重量%/ホウ酸0.015重量%(ホウ素換算)を含有するEVOH樹脂ペレットを得た。当該ペレットのMFRは3.8g/10分(210℃、荷重2160g)であった。得られたEVOH樹脂ペレット(共役ポリエン含有EVOH樹脂ペレット)について、上記評価方法に基づいて、共役ポリエン量を測定したところ、共役ポリエン全含有量は150ppm、表層部の共役ポリエン含有量は39ppbであった。
この共役ポリエン含有EVOH樹脂ペレットに対して、重量あたりで300ppmになるように桂皮酸をドライブレンドし、共役ポリエンならびに桂皮酸含有量を調整したEVOH樹脂ペレットを得た。
得られた共役ポリエンおよび桂皮酸含有EVOH樹脂ペレットを、単層Tダイ押出装置を用いて、最高温度220℃、スクリュー回転数40rpmで製膜し、厚み30μmの単層フィルムを製造した。この単層フィルムについて、上記方法によりフィッシュアイの発生個数および臭気について評価した。結果を表1に示す。
[比較例1,2,3]
桂皮酸の含有量、表層部のソルビン酸量が表1のようになる様に調整した以外は、実施例1の場合と同様にして、共役ポリエン(および桂皮酸類)含有EVOH樹脂ペレットを作製した。
次いで、このペレットを用いて、実施例1と同様にして単層フィルムを作製し、フィッシュアイの発生個数および臭気について評価した。結果を表1に示す。
Figure 0006838398
表1からわかるように、EVOH樹脂ペレット表層部の共役ポリエン含有量、すなわちソルビン酸含有量が当該ペレット重量あたり30ppb以上であり、かつ桂皮酸類の含有量が当該ペレット重量あたり10〜400ppmである実施例1では、臭気およびフィッシュアイの発生が抑制されていた。
一方、桂皮酸類を所定の含有範囲にない比較例1〜3は、臭気の抑制が不充分であった。
本発明の共役ポリエンおよび桂皮酸類含有EVOH樹脂ペレットは、臭気およびフィッシュアイの発生を防止できるので、フィルム外観に対する要求が厳しい包装材料として好適に用いることができる。また、本発明の製造方法によれば、ペレットの洗浄液の組成を変更するだけでよいので、既存の製造設備を利用して、本発明の共役ポリエンおよび桂皮酸類含有EVOH樹脂を製造することができる。

Claims (7)

  1. 共役ポリエンおよび桂皮酸類を含有するエチレン−ビニルエステル系共重合体ケン化物ペレットであって、当該ペレット表層部の共役ポリエンの含有量が、当該ペレット重量あたり30ppb以上であり、上記ペレット全体の共役ポリエン全含有量に対する上記ペレット表層部の共役ポリエン含有量の重量比が、表層部共役ポリエン含有量/共役ポリエン全含有量=1.5×10 -5 以上であり、かつ桂皮酸類の含有量が当該ペレット重量あたり1〜500ppmであることを特徴とするエチレン−ビニルエステル系共重合体ケン化物ペレット。
  2. 上記共役ポリエンおよび桂皮酸類を含有するエチレン−ビニルエステル系共重合体ケン化物ペレット全体の共役ポリエン全含有量が、上記ペレット重量あたり0.1〜10000ppmであることを特徴とする請求項1記載のエチレン−ビニルエステル系共重合体ケン化物ペレット。
  3. 上記共役ポリエンが、ソルビン酸、ソルビン酸エステル、およびソルビン酸塩からなる群より選ばれる少なくとも1種であることを特徴とする請求項1または2記載のエチレン−ビニルエステル系共重合体ケン化物ペレット。
  4. 請求項1〜のいずれか一項に記載の共役ポリエンおよび桂皮酸類を含有するエチレン−ビニルエステル系共重合体ケン化物ペレットを製造する方法であって、エチレン−ビニルエステル系共重合体ケン化物のペレットと共役ポリエンを含有する処理液とを接触させる工程、エチレン−ビニルエステル系共重合体ケン化物のペレットと桂皮酸類とを接触させる工程を備えることを特徴とする共役ポリエンおよび桂皮酸類を含有するエチレン−ビニルエステル系共重合体ケン化物ペレットの製造方法。
  5. 上記エチレン−ビニルエステル系共重合体ケン化物ペレットが、エチレン−ビニルエステル系共重合体ケン化物のアルコール溶液または水/アルコール混合溶液を凝固してペレット化したものであることを特徴とする請求項に記載の共役ポリエンおよび桂皮酸類を含有するエチレン−ビニルエステル系共重合体ケン化物ペレットの製造方法。
  6. 上記エチレン−ビニルエステル系共重合体ケン化物ペレットが、多孔質ペレットであることを特徴とする請求項または記載の共役ポリエンおよび桂皮酸類を含有するエチレン−ビニルエステル系共重合体ケン化物ペレットの製造方法。
  7. 上記エチレン−ビニルエステル系共重合体ケン化物のケン化前の、エチレン−ビニルエステル系共重合体の製造工程において、重合禁止剤として共役ポリエンを配合する工程を備えることを特徴とする請求項のいずれか一項に記載の共役ポリエンおよび桂皮酸類を含有するエチレン−ビニルエステル系共重合体ケン化物ペレットの製造方法。
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