JP6838149B2 - マトリックス支援レーザ脱離/イオン化質量分析方法 - Google Patents

マトリックス支援レーザ脱離/イオン化質量分析方法 Download PDF

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Description

本発明はマトリックス支援レーザ脱離/イオン化質量分析方法に関する。
質量分析に使用されるイオン化法の一つとしてマトリックス支援レーザ脱離/イオン化(MALDI=Matrix Assisted Laser Desorption/Ionization、マルディ)法が知られている。マルディ法はレーザ光を試料に短時間照射して瞬間的に試料を気化させることにより、試料中の分析対象物質(analyte)の分子を分解することなくイオン化することである。
マルディ質量分析法では、一般的に分析対象物質の溶液をマトリックス溶液と混合した後、試料プレート上に塗布して、蒸発によって溶媒を除去することにより試料を製造する。この試料にレーザ光を照射すると、マトリックスがレーザ光のエネルギを吸収して、マトリックスの一部が急速に加熱され、分析対象物質とともに気化(脱離)してイオン化される。以後、電磁場内の電荷を帯びたイオンの運動を測定することにより、分析対象物質の分子量を測定する。
マルディ質量分析法は分析対象物質が断片化されず、正確な分子量の測定が可能であり、検出感度が良くて数フェムトモル水準の分析対象物質も検出可能であり、普通多電荷(multiple charge)ではなく単一の電荷のみを有するため質量スペクトルが簡単で分析が容易であり、分析対象物質とマトリックスを混合して試料プレートに分注した後、乾燥して分析可能であることにより試料の準備が簡単であり、分析時間が1分以内であって短く、迅速な分析が可能(大量高速分析可能)であり、緩衝溶液や塩などによる汚染の影響も少なく、機器の使用およびメンテナンスコストが安価であるというメリットがある。
これまでマルディ質量分析法は特に高分子化合物のイオン化に用いられてきたが、前述のメリットにより、最近、低分子化合物への活用要望が非常に高まっている。しかし、一般的にマルディ質量分析法においてマトリックスとして使用される物質は数百ダルトン(Da)程度の分子量を有する。これにより、マトリックスを用いてMALDI 質量分析を行う場合、質量スペクトル(mass spectrum)にはマトリックスから起因するイオンピークが低質量(m/z)領域に著しく観測される。分析対象物質が高分子化合物である場合には、このような低質量領域におけるマトリックスピークの存在は問題にならないが、分析対象物質の分子量が小さくなるほど、質量スペクトル上で目的とする低分子化合物由来のピークとマトリックスに起因するピークが極めて近接して混在するか、そのピークが互いに重なって、低分子量の分析対象物質の分析にはその限界がある。
このような限界を克服するために日本国登録特許第4918662号のように、有機マトリックスを無機マトリックスに代替しようとする研究、国際特許WO2013/008723号のように、新たなマトリックスを開発しようとする研究が行われている。しかし、無機マトリックスの場合、イオン化率が有機マトリックスに比べて著しく劣る限界があり、新たなマトリックスを開発するとしてもマトリックスに起因する妨害ピークが依然として存在するしかなく、多様な低分子化合物を正確かつ敏感に分析することにはその技術的限界がある。
日本国登録特許第4918662号 国際特許WO2013/008723号
本発明の目的は、低分子量化合物を精密に検出することができるマトリックス支援レーザ脱離イオン化質量分析方法を提供することにある。
また、本発明の目的は、低分子量化合物の種類とは関係なく、極めて多様な種類の化合物を精密に検出することができるマトリックス支援レーザ脱離イオン化質量分析方法を提供することにある。
また、本発明の目的は、マトリックスノイズ(noise)がなく、化合物の完全な質量スペクトルを得ることができるマトリックス支援レーザ脱離イオン化質量分析方法を提供することにある。
本発明によるマトリックス支援レーザ脱離イオン化(Matrix‐Assisted Laser Desorption Ionization)質量分析方法は、分析対象物質をマトリックス支援レーザ脱離イオン化させて質量スペクトルを得て、二つ以上の互いに異なるマトリックスそれぞれを用いて分析対象物質の質量スペクトルである検出スペクトルを得るステップと、各検出スペクトルにおいて該マトリックスのピークを除去してマトリックス‐除去スペクトルを収得した後、互いに異なるマトリックス別マトリックス‐除去スペクトルに基づいて分析対象物質の補正された質量スペクトルを得るステップと、を含む。
本発明による質量分析方法において、該マトリックスのピークを除去してマトリックス‐除去スペクトルを収得した後、互いに異なるマトリックス別マトリックス‐除去スペクトルに基づいて分析対象物質の補正された質量スペクトルを得ることにより、すなわち、同一の質量範囲のマトリックスを使用して同一の質量範囲に現れるピークを含む各検出スペクトルを使用することにより、低分子量化合物の質量分析スペクトルにおいてマトリックスピークにより精密性が低下するという問題を根本的に防止することができる効果がある。
本発明の一実施例による質量分析方法において、前記補正された質量スペクトルは二つ以上のマトリックス‐除去スペクトルに共通して存在するピークと一つのマトリックス‐除去スペクトルにのみ存在するピークとを併合(merge)して算出されることができる。
本発明の一実施例による質量分析方法はa)前記分析対象物質と第1マトリックスを含む第1試料にレーザを照射して第1検出スペクトルを得て、前記分析対象物質と第2マトリックスを含む第2試料にレーザを照射して第2検出スペクトルを得るステップと、b)前記第1検出スペクトルにおいて前記第1マトリックスのピークを除去して第1マトリックス‐除去スペクトルを得て、前記第2検出スペクトルにおいて前記第2マトリックスのピークを除去して第2マトリックス‐除去スペクトルを得るステップと、c)前記第1マトリックス‐除去スペクトルと前記第2マトリックス‐除去スペクトルに基づいて、前記分析対象物質の補正された質量スペクトルを得るステップと、を含むことができる。
本発明の一実施例による質量分析方法において、前記c)ステップは、前記第1マトリックス‐除去スペクトルと前記第2マトリックス‐除去スペクトルに共通して存在するピークである共通ピークと、前記第1マトリックス‐除去スペクトルと前記第2マトリックス‐除去スペクトルのうち一スペクトルにのみ存在するピークである補完ピークを併合(merge)するステップを含むことができる。
本発明の一実施例による質量分析方法において、前記併合時に、前記第1マトリックス‐除去スペクトルの共通ピークと前記第2マトリックス‐除去スペクトルの共通ピーク間の強度比を用いて、前記補完ピークの強度を補正するステップをさらに含むことができる。
本発明の一実施例による質量分析方法において、前記併合時に、前記共通ピークの各m/z(mass‐to‐charge ratio)別平均強度を算出して共通ピークスペクトルを得るステップと、前記共通ピークスペクトル上の一つのピークの強度を併合される補完ピークが属するマトリックス‐除去スペクトル上の前記一つのピークと同一のm/zにおける強度で割った比を前記補完ピークの強度と乗じて補完ピークの強度を補正するステップと、をさらに含むことができる。
本発明の一実施例による質量分析方法において、前記b)ステップはマトリックスピークの除去前、第1検出スペクトルおよび第2検出スペクトルをそれぞれ標準化するステップをさらに含み、前記標準化ステップは検出スペクトルに存在する各ピークの強度を、検出スペクトルに存在する各ピークの強度を累積した総強度で割って行われることができる。
本発明の一実施例による質量分析方法において、前記a)ステップの前、分析対象物質を含有せずに第1マトリックスを含有する第1基準試料および分析対象物質を含有せずに第2マトリックスを含有する第2基準試料それぞれにレーザを照射して、マトリックス別、マトリックス由来質量スペクトルを得るステップをさらに含むことができる。
本発明の一実施例による質量分析方法において、前記第1マトリックスのピークと前記第2マトリックスのピークにおいて、二つのマトリックス間の最隣接したピークのm/z差は1以上であってもよい。
本発明の一実施例による質量分析方法において、前記互いに異なるマトリックスはα‐cyano‐4‐hydroxycinnamic acid(CHCA)、2,5‐dihydroxybenzoic acid(DHB)、2‐(4‐hydroxyphenylazo)‐benzoic acid(HABA)、2‐mercaptobenzo‐thiazole(MBT)および3‐Hydroxypicolinic acid(3‐HPA)から選択される二つ以上の物質であってもよい。
本発明の一実施例による質量分析方法において、前記分析対象物質は1000ダルトン以下の化合物を含むことができる。
本発明の一実施例による質量分析方法はTOF(Time Of Flight)MS(Mass Spectrometer)、IT(Ion trap)MS、FT‐ICR(Fourier transform ion cyclotron resonance)MS、Quadrupole MSまたはOrbitrap MSを用いたものであってもよい。
本発明による質量分析方法は、互いに異なるマトリックスを使用して収得された質量スペクトルを相互補完することにより、分析対象物質の完全な質量スペクトルを得ることができることによって、低分子量の化合物を含有する分析対象物質を正確に分析することができるというメリットがあり、分析対象物質の種類に関係なく分析対象物質の完全な質量スペクトルが収得することができ、極めて多様な種類の物質を精密に分析することができるというメリットがある。また、本発明による質量分析方法は、マルディ質量分析法において有機マトリックスとして効果的に使用される従来のマトリックスを制約なく使用することができることによって、別途の分析プラットフォームの開発が不要であり、優れた脱離/イオン化率、安価の分析コスト、極めて簡単な試料(サンプル)の準備、優れた敏感度を有するというメリットがある。
本発明の実施例で測定された第1検出スペクトルを示した図である。 本発明の実施例で収得された第1マトリックス‐除去スペクトルを示した図である。 本発明の実施例で測定された第2検出スペクトルを示した図である。 本発明の実施例で収得された第2マトリックス‐除去スペクトルを示した図である。 本発明の実施例で収得された分析対象物質の完全な質量スペクトルである補正スペクトルを示した図である。
以下、添付した図面を参照して本発明の質量分析方法を詳細に説明する。 この時、使用される技術用語および科学用語において他の定義がなければ、本発明が属する技術分野において通常の知識を有する者が通常的に理解している意味を有し、下記の説明および添付図面において本発明の要旨を不明にすると判断される公知機能および構成に対する説明は省略する。
マトリックス支援レーザ脱離/イオン化(Matrix‐Assisted Laser Desorption/Ionization、以下、MALDI)質量分析方法において、マトリックス(有機マトリックス)由来のピークは質量スペクトル(mass spectrum)上m/z100〜400の低分子量領域に主に存在する。これにより、分子量1000ダルトン(dalton)以下、特に500ダルトン以下の低分子量物質を分析しようとする場合、マトリックス由来のピークと分析対象物質由来のピークが混在するだけでなく、そのピーク自体が重なって目的とする分析対象物質の分析が実質的に極めて難しいという限界がある。有機マトリックスに代わって無機マトリックスを使用する方法は、分析コストが高くて商用化の障害として作用しており、多様な種類の分析対象物質に対して分析記法も未だ確立されていない状態である。
ここに、本出願人はマルディ質量分析法において通常的に使用する有機マトリックスを用いて、分子量が1000ダルトン以下、より特徴的には分子量が500ダルトン以下の低分子量の化合物を含む分析対象物質の完全な質量スペクトルを得ることができる分析方法を提供しようとする。
本発明による分析方法は、マトリックス支援レーザ脱離/イオン化(Matrix‐Assisted Laser Desorption Ionization)法を用いた分析対象物の質量分析方法であり、特徴的には1000ダルトン以下の分子量を有する、より特徴的には500ダルトン以下の分子量を有する化合物を含む分析対象物質の質量分析方法である。本発明による分析方法は、分析対象物質をマトリックス支援レーザ脱離イオン化させて質量スペクトルを得て、二つ以上の互いに異なるマトリックスそれぞれを用いて分析対象物質の質量スペクトルである検出スペクトルを得るステップと、各検出スペクトルにおいて該マトリックスのピークを除去してマトリックス‐除去スペクトルを収得した後、互いに異なるマトリックス別マトリックス‐除去スペクトルに基づいて分析対象物質の補正された質量スペクトルを得るステップと、を含む。
前述のように、本発明による分析方法は、マトリックス自体の脱離/イオン化を可能な限り抑制するか、分析時の分析方法をより特化させて質量分析時の正確度と敏感度を向上させるものではなく、互いに異なるマトリックスを使用して収得された質量スペクトルを相互補完することにより、分析対象物質の完全な質量スペクトル(補定された質量スペクトル)を得ることができる。
本発明による分析方法は、すなわち、同一の質量範囲のマトリックスを使用して同一の質量範囲に現れるピークを含む各検出スペクトルを使用することにより、低分子量化合物の質量分析スペクトルにおいてマトリックスピークにより精密性が低下するという問題を根本的に防止することができる効果がある。具体的に、本発明による分析方法は、各検出スペクトルにおいて該マトリックスピークを除去してマトリックス‐除去スペクトルを収得し、前記マトリックスピークの除去により消失されたスペクトル情報を、各検出スペクトルの収得時に同一の質量範囲のマトリックスを使用することによって相互補完して補正された質量スペクトルを得ることにより、低分子化合物を分析することによって低分子化合物の質量分析スペクトルにおけるピークとマトリックス自体のピークが重なることによって低分子化合物の精密な質量分析が難しいという問題を解決することができる。
これにより、低分子量の分析対象物質を正確に分析し、分析対象物質の種類と関係なく分析対象物質の完全な質量スペクトルを収得することができながらも、マルディ質量分析法において有機マトリックスとして通常的に使用され、また、有用かつ効果的に使用されるマトリックスを制約なく使用することができ、従来有機マトリックスを用いたマルディ法の利点をそのまま有することができるというメリットがある。具体的には、従来有機マトリックスを用いたマルディ質量分析法が有する、優れた脱離/イオン化率、安価の分析コスト、極めて簡単な試料(サンプル)の準備、多様な物質の分析能などのメリットをそのまま保持することができる。
前述のように、本発明は通常のマルディ質量分析法において使用される如何なる有機マトリックスを使用しても構わなく、但し、検出スペクトルを収得する時、二つ以上、具体的には2〜5、より具体的には2〜3個の有機マトリックスを使用して各マトリックス別に分析対象物質の質量スペクトルを収得すればよい。
検出スペクトルを収得する時、使用されるマトリックスの数が増加するほど、より高い信頼性を有する分析対象物質自体の質量スペクトルを得ることができる。しかし、使用されるマトリックスが増加するほど物質の分析に所要されるコストおよび時間が増加して可能な限り2種のマトリックスを用いて分析を行うことが最も有利である。
このために、検出スペクトルを収得する時に使用されるマトリックスは、質量スペクトル基準マトリックス(マトリックス自体)から由来するピークが互いに異なる(重ならない)2種以上のマトリックスであることが有利である。ピークが重ならないマトリックスを使用する場合、たった2種のマトリックスでも分析対象物質の完全な質量スペクトルを得ることができる。また、マトリックス(マトリックス自体)から由来するピークのうち、互いに異なるマトリックス間最隣接したピークの質量(m/z)差が1以上、好ましくは5以上である、2種以上のマトリックスであることが有利である。マトリックス間に互いに異なるピークを有し、一方のマトリックスのピークと他方のマトリックスのピーク間の最も小さい質量(m/z)差が1以上、好ましくは5以上である場合、通常のマルディ質量分析法が有する分解能(resolution)内でマトリックス別に、マトリックスから由来するピークと分析対象物質から由来するピークの安定的な分離検出が可能であり、たった2種のマトリックスでも分析対象物質の完全な質量スペクトルを極めて正確かつ安定的に信頼度高く算出することができる。
互いに異なる質量スペクトルを有し、マトリックス別に最も隣接したピーク間の質量差が1以上、好ましくは5以上である有機マトリックスであれば、如何なる有機マトリックスのセット(set)であってもa)ステップに効果的に使用されることができる。具体的な一例として、 a)ステップに使用される有機マトリックスはα‐cyano‐4‐hydroxycinnamic acid(CHCA)、2,5‐dihydroxybenzoic acid(DHB)、2‐(4‐hydroxyphenylazo)‐benzoic acid(HABA)、2‐mercaptobenzo‐thiazole(MBT)および3‐Hydroxypicolinic acid(3‐HPA)から選択される二つ以上の物質であってもよい。より具体的な一例として、a)ステップに使用される有機マトリックスはα‐cyano‐4‐hydroxycinnamic acid(CHCA)、2,5‐dihydroxybenzoic acid(DHB)、2‐(4‐hydroxyphenylazo)‐benzoic acid(HABA)、2‐mercaptobenzo‐thiazole(MBT)および3‐Hydroxypicolinic acid(3‐HPA)から選択される二つの物質であってもよい。さらに具体的な一例として、A)ステップで使用される有機マトリックスのセット(一方のマトリックス/他方のマトリックス)はα‐cyano‐4‐hydroxycinnamic acid(CHCA)/2,5‐dihydroxybenzoic acid(DHB)であってもよいが、本発明がa)ステップに使用される有機マトリックスの特定の種類により限定されてはならないことは勿論である。
検出スペクトルを得た後、各検出スペクトルにおいて該マトリックスのピークを除去してマトリックス‐除去スペクトルを収得した後、互いに異なるマトリックス別マトリックス‐除去スペクトルに基づいて分析対象物質の補正された質量スペクトルを算出することができる。
この時、「該マトリックスピーク」は各検出スペクトルに使用されたマトリックスのピークを意味し、「マトリックスのピーク」は質量スペクトルにおいてマトリックスから由来したマトリックスイオンのピークを意味する。また、マトリックス‐除去スペクトルはマトリックスから由来したマトリックスイオンのピークと離隔(分離)して位置せず、マトリックスイオンのピークと連続したピーク(互いに双峰ピーク以上の多峰ピークの形態)として存在するピークも除去されたものであってもよい。
マトリックス‐除去スペクトルは、各検出スペクトルにおいて該マトリックスのピークが除去されることによって、分析対象物質から由来したイオンのピークが存在することができ、さらには分析対象物質から由来したイオンのピークのみが存在することができる(この時、back ground noiseが存在することができるのは勿論である)。 各マトリックス‐除去スペクトルはマトリックスのピークが除去されたことによって、それぞれ不完全な分析対象物質のピーク情報を有している。しかし、互いに異なる二つ以上のマトリックスにより互いに異なる二つ以上のマトリックス‐除去スペクトルが収得されることによって、二つ以上のマトリックス‐除去スペクトルを通じて完全な分析対象物質の質量スペクトルを算出することができる。すなわち、一つのマトリックス‐除去スペクトルに存在する不完全な情報を他のマトリックス‐除去スペクトルが有していることによって、互いに異なるマトリックス別マトリックス‐除去スペクトルを通じて1000ダルトン以下、より特徴的には500ダルトン以下の分子量を有する分析対象物質の完全な質量スペクトル(分析対象物質の補正された質量スペクトル)を算出することができ、高分子と類似した精密度に1000ダルトン以下、より特徴的には500ダルトン以下の分子量を有する分析対象物を検出(detection)および確認(verification)することができる。
具体的に、分析対象物質の補正された質量スペクトルは二つ以上のマトリックス‐除去スペクトルにおいて共通して存在するピークと一つのマトリックス‐除去スペクトルにのみ存在するピークを併合(merge)して算出されることができる。
併合時に、二つ以上の互いに異なるマトリックスそれぞれを用いて収得された質量スペクトルにおいて、一質量スペクトルを基準として、一質量スペクトルに他の質量スペクトルにのみ存在するピークが併合されることができる。これと異なって、互いに異なるマトリックスそれぞれを用いて収得された質量スペクトルから、共通して存在するピークが抽出され、各質量スペクトルにのみ存在するピークが抽出されて、抽出されたピーク間に併合されることができる。
より具体的に、本発明の一実施例による分析方法は、a)前記分析対象物質と第1マトリックスを含む第1試料にレーザを照射して第1検出スペクトルを得て、前記分析対象物質と第2マトリックスを含む第2試料にレーザを照射して第2検出スペクトルを得るステップと、b)前記第1検出スペクトルにおいて前記第1マトリックスのピークを除去して第1マトリックス‐除去スペクトルを得て、前記第2検出スペクトルにおいて前記第2マトリックスのピークを除去して第2マトリックス‐除去スペクトルを得るステップと、c)前記第1マトリックス‐除去スペクトルと前記第2マトリックス‐除去スペクトルに基づいて、前記分析対象物質の補正された質量スペクトルを得るステップと、を含むことができる。
すなわち、a)ステップは互いに異なる少なくとも二つ以上のマトリックス(第1マトリックスおよび第2マトリックス)それぞれを用いてマトリックス別質量スペクトルを測定するステップである。
a)ステップで、マトリックス別質量スペクトル(第1検出スペクトルまたは第2検出スペクトル)は、試料にレーザを照射して脱離イオン化されたイオンが検出器により検出されて収得されるスペクトルであって、検出イオンの強度を一軸とし、m/z(mass‐to‐charge ratio)を他の一軸として有する質量スペクトルであってもよい。これにより、a)ステップで収得されるマトリックス別質量スペクトル(第1検出スペクトルまたは第2検出スペクトル)はマトリックスから起因したピークと分析対象物質から起因したピークが共存するスペクトルを意味することができる。この時、マトリックス別質量スペクトル(第1検出スペクトルまたは第2検出スペクトル)はサビツキ・ゴーレーアルゴリズム(Savitsky‐Golay algorithm)などのように既知で、通常的に使用されるアルゴリズムを用いて平坦化されたものであってもよいことは勿論である。
第1試料と第2試料はそれぞれ単一のマルディ用試料プレート(plate)上に互いに離隔して位置するか、互いに異なるマルディ用試料プレートのそれぞれに位置することができる。また、第1試料と第2試料はそれぞれ有機マトリックスを用いたマルディ質量分析法において通常的に使用する方法を通じて準備されたものであってもよい。具体的な一例として、試料(第1試料または第2試料)はマトリックスと分析対象物質を含有する試料液を試料プレートに点滴した後、溶媒を揮発除去して製造されたものであってもよい。これと異なって、試料はマトリックスが既形成された試料プレートのマトリックス上部に分析対象物質を含有する溶液を点滴した後、溶媒を揮発除去して製造されたものであってもよい。しかし、前述のように、第1試料と第2試料は通常的に使用されるマルディ質量分析法の試料の製造方法で製造されたものであればよく、前述の具体例により限定されてはならないことは勿論である。
a)ステップのマトリックス別質量スペクトル(第1検出スペクトルまたは第2検出スペクトル)において、レーザの照射強度、照射されるレーザの波長、レーザの照射回数、パルス型レーザである場合、パルスの形態およびパルスの数、レーザの照射面積などを含むレーザの照射条件は互いに同一であっても構わなく、レーザの照射条件が互いに異なっていても構わない。これは、後述するように、c)ステップの併合時に、各マトリックス別質量スペクトル(第1検出スペクトルまたは第2検出スペクトル)を補正するステップを通じてマトリックス別物質特異性による質量スペクトル間の差とともに、レーザの照射条件により惹起される質量スペクトル間の差も補正することができるからである。但し、最終的に算出される質量スペクトル(c)ステップの質量スペクトル)の正確度をより向上させ、より簡単な補正で併合がなされるように、a)ステップで各試料別レーザ照射時のレーザの照射条件は互いに同一であることが有利である。この時、照射されるレーザはマトリックスが吸収する波長帯域のレーザであれば構わなく、通常のマルディ質量分析法において使用されるレーザであれば構わない。具体的かつ非限定的な一例として、照射されるレーザはUV(ultra violet)レーザまたはIR(infra red)レーザであってもよく、UVレーザはNレーザ、Nd/YAGレーザ、エキシマー(Eximer)レーザなどを含むことができ、UVレーザはCOレーザ、Er/YAGレーザなどを含むことができる。
a)ステップで、測定を通じてマトリックス別質量スペクトル(第1検出スペクトルまたは第2検出スペクトル)を収得した後、b)前記第1検出スペクトルにおいて前記第1マトリックスのピークを除去して第1マトリックス‐除去スペクトルを得て、前記第2検出スペクトルにおいて前記第2マトリックスのピークを除去して第2マトリックス‐除去スペクトルを得るステップが行われることができる。
これは、マトリックス別質量スペクトル(第1検出スペクトルまたは第2検出スペクトル)において各マトリックス自体から由来したイオンのm/zに該当するピークを除去することを意味する。すなわち、b)ステップは、第1検出スペクトルにおいて第1マトリックスから起因したイオンのm/zに該当するピークを除去して第1マトリックス‐除去スペクトルを算出し、第2検出スペクトルにおいて第2マトリックスから起因したイオンのm/zに該当するピークを除去して第2マトリックス‐除去スペクトルを算出するステップであってもよい。
この時、本発明は従来公知で、かつ従来使用される有機マトリックスを使用することによって、第1マトリックスまたは第1マトリックスから起因したイオンの質量は、既に公知の値であってもよい。これにより、b)ステップでマトリックス種類別に各マトリックスの質量スペクトル上ピークが現れるm/z値は既設定された値であってもよい。
これと異なって、各マトリックス別に、マトリックス自体の質量スペクトルを測定して、マトリックス種類別マトリックスから由来したイオンのm/zを検出し、マトリックス別質量スペクトル(第1検出スペクトルまたは第2検出スペクトル)において、検出されたマトリックス由来イオンのm/z値に該当するm/zに位置するピークを除去することにより、b)ステップが行われることができる。
詳細に、前記a)ステップの前、分析対象物質を含有せずに第1マトリックスを含有する第1基準試料および分析対象物質を含有せずに第2マトリックスを含有する第2基準試料それぞれにレーザを照射して、マトリックス別マトリックス由来質量スペクトルを得るステップがさらに行われることができる。具体的に、第1基準試料は分析対象物質を含有しないことを除いて第1試料と同一の試料であってもよく、第2基準試料も検出対象物質を含有しないことを除いて第2試料と同一の試料であってもよい。また、第1基準試料を用いてマトリックス由来質量スペクトルを収得するためのマルディ質量分析法の測定条件(レーザの照射条件など)は第1試料の測定条件と類似ないし同一であってもよく、第2基準試料を用いてマトリックス由来質量スペクトルを収得するためのマルディ測定条件(レーザの照射条件など)は第2試料の測定条件と類似ないし同一であってもよいが、これに限定されるものではない。
これにより、b)ステップでは、a)ステップの各検出スペクトルにおいて該マトリックスに起因したイオンのm/z値に該当するピークが除去されて、マトリックスによるピークが存在しないマトリックス‐除去スペクトルが収得されることができる。すなわち、マトリックス‐除去スペクトルは検出スペクトルに使用されたマトリックスから由来したピークが存在せず、マトリックスのピークと重なる分析対象物質のピークも存在しない、部分的な(不完全な)分析対象物質のピークが存在するスペクトルであってもよい。
詳細に、第1マトリックス‐除去スペクトルは第1マトリックスから由来したピークが除去され、第1マトリックスのピークと重なる分析対象物質のピーク情報も除去されて部分的な(不完全な)分析対象物質のピークに対する情報を有している。また、第2マトリックス‐除去スペクトルは第2マトリックスから由来したピークが除去され、第2マトリックスのピークと重なる分析対象物質のピーク情報も除去されて部分的な(不完全な)分析対象物質のピークに対する情報を有している。しかし、第1マトリックス‐除去スペクトルにおいて除去された分析対象物質のピーク(ピーク情報)は第2マトリックス‐除去スペクトルに存在し、第2マトリックス‐除去スペクトルから除去された分析対象物質のピーク(ピーク情報)は第1マトリックス‐除去スペクトルに存在することになる。これにより、c)ステップを通じて、第1マトリックス‐除去スペクトルと第2マトリックス‐除去スペクトルを用いて、分析対象物質の完全な質量スペクトルであり、かつマトリックスから自由な質量スペクトルである補正された質量スペクトルを得ることができる。
具体的に、前記c)ステップは、前記第1マトリックス‐除去スペクトルと前記第2マトリックス‐除去スペクトルに共通して存在するピークである共通ピークと、前記第1マトリックス‐除去スペクトルと前記第2マトリックス‐除去スペクトルのうち一スペクトルにのみ存在するピークである補完ピークを併合(merge)するステップを含むことができる。
すなわち、全てのマトリックス‐除去スペクトルに共通して存在するピーク情報(m/zおよび強度)を抽出し、マトリックス‐除去スペクトルのうち一つのマトリックス‐除去スペクトルにのみ存在するピーク情報(m/zおよび強度)を抽出した後、共通して存在する共通ピークと一スペクトルにのみ存在するピークである補完ピークを互いに併合することにより、完全な分析対象物質の質量スペクトルである補完スペクトルを算出することができる。
マトリックス‐除去スペクトル別にマトリックスが異なることによって、同一の分析対象物質であってもレーザ脱離/イオン化率が異なり得る。これにより、併合時に、マトリックスの相異性により生じる併合されるピーク別強度の差を補正する補正ステップがさらに行われた後、補正されたピークが互いに合わせられることができる。
具体的に、前記併合時に、前記第1マトリックス‐除去スペクトルの共通ピークと前記第2マトリックス‐除去スペクトルの共通ピーク間の強度比を用いて、前記補完ピークの強度を補正するステップが行われることができ、このような補正ステップが行われた後、共通ピークと補完ピークが互いに合わせられて補完スペクトルが算出されることができる。
一例として、共通ピークの一m/z値(m/z)に対して、第1マトリックス‐除去スペクトルにおける一m/z値(m/z)での強度と第2マトリックス‐除去スペクトルにおける一m/z値(m/z)での強度間の強度比を用いて、補完ピークの強度を補正することができる。
すなわち、一m/z値(m/z)において共通ピーク間の強度比=第1マトリックス‐除去スペクトル上m/zにおける強度(I1a)/第2マトリックス‐除去スペクトル上m/zにおける強度(I2a)とする場合、補完ピークが第1マトリックス‐除去スペクトルに属するピークである時、補完ピークは補完ピークのm/zは保持し、補完ピークの元強度(I)にI2a/I1aが乗じられた補完された強度に補正されて第2マトリックス‐除去スペクトルと合わせられることができる。他の一例として、一m/z値(m/z)において共通ピーク間の強度比=第1マトリックス‐除去スペクトル上m/zにおける強度(I1a)/第2マトリックス‐除去スペクトル上m/zにおける強度(I2a)とする場合、補完ピークが第2マトリックス‐除去スペクトルに属するピークである時、補完ピークは補完ピークのm/zは保持し、補完ピークの元強度(I)にI1a/I2aが乗じられた補完された強度に補正されて第1マトリックス‐除去スペクトルと合わさることができる。
この時、特別に限定されないが、補正の正確性を高める側面で、強度比の基準となる一m/z(m/z)はマトリックス‐除去スペクトルにおいて補完ピークに最も隣接した共通ピークの一質量であってもよい。しかし、本発明が、補正時に強度比の基準となる一m/zにより限定されるものではなく、各共通ピーク間の強度比の平均を用いて補完ピークの強度補正がなされることができるのは勿論であり、これもまた本発明の一変形例に属することは自明である。
前述の一例は、マトリックス‐除去スペクトルのうち、一スペクトルと補完ピークを併合して補完スペクトルを算出する例であるが、本発明がこれに限定されるものではない。
他の一例として、補完スペクトルは、ある一つのマトリックス‐除去スペクトルに基づいたものではなく、マトリックス‐除去スペクトルから共通ピークと補完ピークを別途に選別し、共通ピークと補完ピークそれぞれの強度を補完して合わせることにより収得されることができる。
共通ピークの強度補完は加重平均法(weight average method)を用いて行われることができ、補完ピークの強度補完は補完された共通ピークの強度と補完される前の共通ピーク(補完ピークが属するスペクトル上の該共通ピーク)の強度比を用いて補完されることができる。詳細に、併合時に、前記共通ピークの各m/z別平均強度を算出して共通ピークスペクトルを得るステップと、前記共通ピークスペクトル上の一つのピークの強度を併合される補完ピークが属するマトリックス‐除去スペクトル上の前記一つのピークと同一のm/zでの強度で割った比を前記補完ピークの強度と乗じて補完ピークの強度を補正するステップと、を含むことができる。すなわち、マトリックス‐除去スペクトルに共通して存在する共通ピーク(m/zおよび強度)を選別した後、共通ピークの各m/z値別の該m/z でのマトリックス‐除去スペクトルの平均強度(Iave) を算出して、共通ピークのm/zと平均強度(Iave)からなる共通ピークスペクトルを収得することができる。以後、補完ピークが属したマトリックス‐除去スペクトルが第1マトリックス‐除去スペクトルとするとき、共通ピークスペクトルにおいて一共通ピークのm/z(m/z)での強度(Iaveb)を第1マトリックス‐除去スペクトルにおいて同一の一m/z(m/z)での強度(I1b)で割った強度比(Iaveb/I1b)を補完ピークの強度(I)と乗じて補完ピークの強度を補正することができる。以後、強度が補正された補完ピークを共通ピークスペクトルと合わせることにより、分析対象物質の完全な質量スペクトルである補完スペクトルが得られることができる。この時、補完ピークが属したマトリックス‐除去スペクトルが第2マトリックス‐除去スペクトルである場合、共通ピークスペクトルにおいて一共通ピークのm/z(m/z)での強度(Iaveb)を第2マトリックス‐除去スペクトルにおいて同一の一m/z(m/z)での強度(I2b)で割った強度比(Iaveb/I2b)を補完ピークの強度(I)と乗ずることができるのは勿論である。
前述の補正は併合ステップで補正が行われる場合の一例を詳述したものであるが、これに限定されるものではない。二つ以上の有機マトリックスを用いた検出結果においてマトリックスから起因したシグナル(ピーク)を除去した後、互いに異なるマトリックスを使用することによって、マトリックスシグナルの除去により損失された分析対象物質の情報を他のマトリックスに存在する情報を用いて補完することにより、完全な分析対象物質の情報(質量スペクトル)を得るという本発明の思想によって、マトリックスの相異により現れる、同一分析対象物質の質量スペクトル別強度の差を補完して相殺させることができる、如何なる公知の補正方法を使用しても構わない。
具体的かつ非限定的な一例として、前述の補正ステップの遂行有無と関係なく、b)ステップのマトリックスピークの除去前、第1検出スペクトルおよび第2検出スペクトルをそれぞれ標準化するステップがさらに行われることができる。
詳細に、標準化ステップは検出スペクトルに存在する各ピークの強度を検出スペクトルに存在する各ピークの強度を累積した総強度で割って標準化することにより、検出スペクトル別マトリックスによる強度差を相殺することができる。
すなわち、a)ステップで収得される検出スペクトルに存在する各ピークの強度は累積合算した総強度で、該検出スペクトルに存在する各ピークの強度を割って標準化した後、b)ステップで標準化された検出スペクトルにおいてマトリックスから起因したピークを除去して標準化されたマトリックス‐除去スペクトルを得て、c)ステップで標準化されたマトリックス‐除去スペクトルから共通ピークと補完ピークを選別して併合することにより、分析対象物質の完全な質量スペクトルを算出することができる。
前述の本発明の一実施例による分析方法において、a)ステップの検出スペクトル、b)ステップで使用される除去対象であるマトリックスピークに該当するm/zまたはマトリックス由来質量スペクトル、および/またはc)ステップで抽出される共通ピークや補完ピークにおいて、各スペクトル(またはピーク)はマルディ質量分析法において既知であり、かつ使用される通常のソフトウェアを通じてノイズが除去されたスペクトルであってもよいことは勿論である。また、これと異なって、既設定された強度以上を有するピークのみを有効なデータとして、前述の本発明の一実施例による分析方法が行われることができるのは勿論である。
本発明の一実施例による分析方法において、質量分析(検出)はTOF(Time Of Flight)MS(Mass Spectrometer)、IT(Ion trap)MS、FT‐ICR(Fourier transform ion cyclotron resonance)MS、Quadrupole MSまたはOrbitrap MSにより行われることができる。この時、トフ型質量分析器には線形トフ(Linear TOF)またはリフレクトロントフ(Reflectron TOF)であってもよい。
本発明の一実施例による分析方法において、分析対象物質はイオン化質量を分析しようとする目的物質を意味し、本発明は1000ダルトン、より特徴的に500ダルトン以下の分子量を有する低分子量化合物を含む分析対象物質の検出により効果的である。具体的な一例として、分析対象物質は有機物、無機物、生化学物質またはこれらの複合物を含み、前記複合物は前記有機物、無機物および生化学物質から選択された二つ以上の物質が混合された混合物と前記有機物、無機物および生化学物質から選択された二つ以上の物質が化学的に結合(または反応した)結合物(反応物)を含むことができる。前記生化学物質は細胞構成物質、遺伝物質、炭素化合物、生物体の代謝、物質合成、物質輸送または信号伝達の過程に影響を与える有機物または薬物を含むことができ、生化学物質は生体から抽出および処理されたバイオサンプルを含むことができ、これと独立して生化学物質は疾病を検出するのに使用される指標物質(バイオマーカー)を含むことができる。詳細に、生化学物質は有機金属化合物、ペプチド、炭水化物、タンパク質、タンパク質複合体、脂質、代謝体、抗原、抗体、酵素、基質、アミノ酸、アプタマー(Aptamer)、糖、核酸、核酸の断片、PNA(Peptide Nucleic Acid)、細胞抽出物、疾病指標またはこれらの組み合わせ(混合された混合物または化学的に結合された結合物を含む)などを含むことができるが、これに限定されるものではない。
また、本発明は二つ以上の有機マトリックスを用いた検出結果においてマトリックスから起因したシグナル(ピーク)を除去した後、互いに異なるマトリックスを使用することにより、マトリックスシグナルの除去により損失された分析対象物質の情報を他のマトリックスに存在する情報を用いて補完することにより、完全な分析対象物質の情報(質量スペクトル)を得ることができる。これにより、分析対象物質が1種の物質に限定されず、1000ダルトン以下の分子量を有する化合物を含み、互いに異なる2種以上の物質が混在する分析対象物質も分析可能であり、実質的に分析対象物質の種類や分析対象物質をなす物質の数に制約を受けない。
(実施例1)
表1のような、新生児の代謝異常検査のためのバイオマーカー3種(表1でSとして表示)とバイオマーカー定量のために同位元素で標識されたアミノ酸9種(表1でIとして表示、NSK‐A‐Amino acid Reference Standard、Cambridge Isotope Lab)を分析対象物質として使用した。また、第1マトリックスとしてα‐cyano‐4‐hydroxycinnamic acid(以下、CHCA)、第2マトリックスとして2,5‐dihydroxybenzoic acid(以下、DHB)を使用しており、第1マトリックスと第2マトリックスそれぞれから生成されるイオン(マトリックスイオン)のm/zを表2に示した。
マトリックス溶液は0.05重量%のTFA(trifluoroacetic acid)を含有するアセトニトリル/水(1:1体積比)溶液を用いて、10mg/mlのCHCA、300nmol/mlのLeucine(S)、120nmol/mlのPhenylalaine(S)、67nmol/mlのMethionine(S)および300nmol/mlの同位元素で標識されたアミノ酸9種(NSK‐A‐Amino acid Reference Standard、Cambridge Isotope Lab)を含有する第1検出対象溶液を製造した。また、同一の0.05重量%のTFA(trifluoroacetic acid)を含有するアセトニトリル/水(1:1体積比)溶液を用いて、20mg/mlのDHB、300nmol/mlのLeucine(S)、120nmol/mlのPhenylalaine(S)、67nmol/mlのMethionine(S)および300nmol/mlの同位元素で標識されたアミノ酸9種(NSK‐A‐Amino acid Reference Standard、Cambridge Isotope Lab)を含有する第2検出対象溶液を製造した。
以後、ステンレススチールの試料プレートに第1検出対象溶液と第2検出対象溶液をそれぞれ1μlずつ分注し、乾燥して第1試料と第2試料を製造した後、各試料をマルディ‐トフ質量分析器(AXIMA LNR MALDI TOF Mass Spectrometer、Kratos Analytical)を用いて分析した。
図1は、CHCAマトリックスを含有する第1試料をマルディ‐トフ質量分析して得られた質量スペクトル(第1検出スペクトル)である。図2は、第1検出スペクトルにおいてCHCAマトリックスに該当する質量のピークが除去された質量スペクトルである第1マトリックス‐除去スペクトルを示した図である。図1および図2において青色で表示されたピークは同位元素で標識されたアミノ酸のピークであり、赤色で表示されたピークはバイオマーカーのピークであり、図1において黒色で表示されたピークはマトリックス(CHCA)によるピークである。
図3は、DHBマトリックスを含有する第2試料をマルディ−トフ質量分析して得られた質量スペクトル(第2検出スペクトル)である。図4は、第2検出スペクトルにおいてDHBマトリックスに該当する質量のピークが除去された質量スペクトルである第2マトリックス‐除去スペクトルを示した図である。図1および図2と同様に、図3および図4において青色で表示されたピークは同位元素で標識されたアミノ酸のピークであり、赤色で表示されたピークはバイオマーカーのピークであり、図3において黒色で表示されたピークはマトリックス(DHB)によるピークである。
図5は、図2の第1マトリックス‐除去スペクトルと図4の第2マトリックス‐除去スペクトルを併合し、第2マトリックス‐除去スペクトルにのみ存在するピークである補完ピーク(図4のPhe(I))を第1マトリックス‐除去スペクトルと合わせ、補完ピークと最隣接した共通ピークであるPhe(S)ピークの強度比を用いて、補完ピークの強度を補正(補完ピークの元強度×第1マトリックス‐除去スペクトルのPhe(S)強度/第2マトリックス‐除去スペクトルのPhe(S)強度)した後、合わせて算出された補正スペクトルである。図5から分かるように、3種のバイオマーカーおよび9種のアミノ酸が全て検出されて、検出対象物質の完全な質量スペクトルが算出されることが分かる。
以上のように本発明では、特定された事項と限定された実施例および図面により説明されたが、これは本発明のより全般的な理解を助けるために提供されたものだけであり、本発明は前記実施例に限定されるものではなく、本発明が属する分野において通常の知識を有する者であれば、このような記載から多様な修正および変形が可能である。
したがって、本発明の思想は説明された実施例に限られて定められてはならず、後述する特許請求の範囲だけでなく、本特許請求の範囲と均等または等価的変形がある全ては、本発明の思想の範囲に属すると理解すべきである。

Claims (11)

  1. 1000ダルトン以下の低分子量の化合物をマトリックス支援レーザ脱離イオン化させて質量スペクトルを得て、二つ以上の互いに異なるマトリックスそれぞれを用いて前記低分子量の化合物の質量スペクトルである検出スペクトルを得るステップと、各検出スペクトルにおいて該マトリックスピークを除去してマトリックス‐除去スペクトルを収得した後、互いに異なるマトリックス別マトリックス‐除去スペクトルに基づいて前記低分子量の化合物の補正された質量スペクトルを得るステップと、を含むマトリックス支援レーザ脱離イオン化(Matrix‐Assisted Laser Desorption Ionization)質量分析方法。
  2. 前記補正された質量スペクトルは二つ以上のマトリックス‐除去スペクトルにおいて共通して存在するピークと一つのマトリックス‐除去スペクトルにのみ存在するピークを併合(merge)して算出される、請求項1に記載のマトリックス支援レーザ脱離イオン化質量分析方法。
  3. a)前記低分子量の化合物と第1マトリックスを含む第1試料にレーザを照射して第1検出スペクトルを得て、前記低分子量の化合物と第2マトリックスを含む第2試料にレーザを照射して第2検出スペクトルを得るステップと、
    b)前記第1検出スペクトルにおいて前記第1マトリックスのピークを除去して第1マトリックス‐除去スペクトルを得て、前記第2検出スペクトルにおいて前記第2マトリックスのピークを除去して第2マトリックス‐除去スペクトルを得るステップと、
    c)前記第1マトリックス‐除去スペクトルと前記第2マトリックス‐除去スペクトルに基づいて、前記低分子量の化合物の補正された質量スペクトルを得るステップと、を含む、請求項1に記載のマトリックス支援レーザ脱離イオン化質量分析方法。
  4. 前記c)ステップは、
    前記第1マトリックス‐除去スペクトルと前記第2マトリックス‐除去スペクトルに共通して存在するピークである共通ピークと、前記第1マトリックス‐除去スペクトルと前記第2マトリックス‐除去スペクトルのうち一スペクトルにのみ存在するピークである補完ピークを併合(merge)するステップを含む、請求項3に記載のマトリックス支援レーザ脱離イオン化質量分析方法。
  5. 前記併合時に、前記第1マトリックス‐除去スペクトルの共通ピークと前記第2マトリックス‐除去スペクトルの共通ピーク間の強度比を用いて、前記補完ピークの強度を補正するステップをさらに含む、請求項4に記載のマトリックス支援レーザ脱離イオン化質量分析方法。
  6. 前記併合時に、前記共通ピークの各m/z別平均強度を算出して共通ピークスペクトルを得るステップと、
    前記共通ピークスペクトル上の一つのピークの強度を併合される補完ピークが属するマトリックス‐除去スペクトル上の前記一つのピークと同一のm/zでの強度で割った比を前記補完ピークの強度と乗じて補完ピークの強度を補正するステップと、をさらに含む、請求項4に記載のマトリックス支援レーザ脱離イオン化質量分析方法。
  7. 前記b)ステップはマトリックスピークの除去前、第1検出スペクトルおよび第2検出スペクトルをそれぞれ標準化するステップをさらに含み、
    前記標準化ステップは検出スペクトルに存在する各ピークの強度を検出スペクトルに存在する各ピークの強度を累積した総強度で割って行われる、請求項3に記載のマトリックス支援レーザ脱離イオン化質量分析方法。
  8. 前記a)ステップの前、前記低分子量の化合物を含有せずに第1マトリックスを含有する第1基準試料および前記低分子量の化合物を含有せずに第2マトリックスを含有する第2基準試料それぞれにレーザを照射して、マトリックス別、マトリックス由来質量スペクトルを得るステップをさらに含む、請求項3に記載のマトリックス支援レーザ脱離イオン化質量分析方法。
  9. 前記第1マトリックスのピークと前記第2マトリックスのピークにおいて、互いに異なるマトリックスに属するピークの質量(m/z)差のうち最も小さい質量(m/z)差は1以上である、請求項3に記載のマトリックス支援レーザ脱離イオン化質量分析方法。
  10. 前記互いに異なるマトリックスはα‐cyano‐4‐hydroxycinnamic acid(CHCA)、2,5‐dihydroxybenzoic acid(DHB)、2‐(4‐hydroxyphenylazo)‐benzoic acid(HABA)、2‐mercaptobenzo‐thiazole(MBT)および3‐Hydroxypicolinic acid(3‐HPA)から選択される二つ以上の物質である、請求項1に記載のマトリックス支援レーザ脱離イオン化質量分析方法。
  11. 前記マトリックス支援レーザ脱離イオン化(MALDI)質量分析はTOF(Time Of Flight)MS(Mass Spectrometer)、IT(Ion trap)MS、FT‐ICR(Fourier transform ion cyclotron resonance)MS、Quadrupole MSまたはOrbitrap MSを用いた、請求項1に記載のマトリックス支援レーザ脱離イオン化質量分析方法。
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