JP7354832B2 - Maldi質量分析用測定試料調製方法、maldi質量分析用測定試料調製装置、及びmaldi質量分析用測定試料調製プログラム - Google Patents
Maldi質量分析用測定試料調製方法、maldi質量分析用測定試料調製装置、及びmaldi質量分析用測定試料調製プログラム Download PDFInfo
- Publication number
- JP7354832B2 JP7354832B2 JP2019232592A JP2019232592A JP7354832B2 JP 7354832 B2 JP7354832 B2 JP 7354832B2 JP 2019232592 A JP2019232592 A JP 2019232592A JP 2019232592 A JP2019232592 A JP 2019232592A JP 7354832 B2 JP7354832 B2 JP 7354832B2
- Authority
- JP
- Japan
- Prior art keywords
- mass spectrometry
- maldi mass
- matrix
- measurement sample
- laser beam
- Prior art date
- Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
- Active
Links
Images
Description
パルスレーザーとしては、紫外領域の波長を用いる場合が多く、マトリックスの光吸収特性に合わせた波長とするのが好ましい。また、マトリックスは、結晶性の有機低分子であり、試料との共結晶又は混合物とする必要があると言われている。この共結晶の均一さや混合の程度が、分析の感度や精度に影響を与えるものと考えられているため、試料に応じたマトリックスが開発されている。
MALDIとは、Matrix Assisted Laser Desorption/Ionizationの略であり、マトリックス支援レーザ脱離イオン化法といわれている質量分析の一手法である。
このMALDIを用いた質量分析(以下、「MALDI質量分析」と称する)では、イオン化を補助するための材料であるマトリックスを試料に付与した箇所にパルスレーザーを照射することで、マトリックスとともに試料をイオン化させて質量分析を行う。
このマトリックスは、試料において分析したい成分に応じて使い分けて用いられる。
なお、本発明のMALDI質量分析用測定試料調製方法は、従来の方法では作業者の技量に依存する場合が多いため、マトリックスの結晶径が不均一になりやすく定量性が低いことから、分析の感度や精度に影響を与えてしまう場合があるという知見に基づくものである。
本発明のMALDI質量分析用測定試料調製方法は、本発明のMALDI質量分析用測定試料調製方法に用いるMALDI質量分析用測定試料調製装置であって、基材の表面にレーザビームを照射する照射手段を有し、更に必要に応じてその他の手段を有する。
これにより、本発明のMALDI質量分析用測定試料調製方法は、試料が1つしかなくても、例えば、タンパク、脂質、ヌクレオチドなどの分析したいターゲットに適したマトリックスをそれぞれの所定位置に配することができる。このため、本発明のMALDI質量分析用測定試料調製方法は、1つの試料に対して分析したいターゲットが複数あっても、分析したいターゲットごとに高感度なイメージング質量分析を行うことができる。
マトリックスを表面に配した基材としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができる。なお、以下では、「マトリックスを表面に配した基材」を「マトリックスプレート」と称する。
マトリックスプレートは、マトリックスと、基材とを有する。
マトリックスとしては、試料の光分解及び熱分解を抑制し、かつ試料のフラグメンテンテーション(開裂)を抑制することができる材料であれば、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができる。
マトリックスとしては、公知のマトリックスが挙げられ、例えば、1,8-ジアミノナフタレン(1,8-Diaminonaphthalene)(1,8-DAN)、2,5-ジヒドロキシ安息香酸(2,5-Dihydroxybenzoic acid)(以下、「DHBA」と略記する場合がある)、1,8-アントラセンジカルボン酸ジメチルエステル(1,8-Anthracenedicarboxylic Acid Dimethyl ester)、ロイコキニザリン(Leucoquinizarin)、アントラロビン(Anthrarobin)、1,5-ジアミノナフタレン(1,5-Diaminonaphthalene)(1,5-DAN)、6-アザ-2-チオチミン(6-Aza-2-thiothymine)、1,5-ジアミノアントラキノン(1,5-Diaminoanthraquinone)、1,6-ジアミノピレン(1,6-Diaminopyrene)、3,6-ジアミノカルバゾール(3,6-Diaminocarbazole)、1,8-アントラセンジカルボン酸(1,8-Anthracenedicarboxylic Acid)、ノルハルマン(Norharmane)、1-ピレンプロピルアミンハイドロクロライド(1-Pyrenepropylamine hydrochloride)、9-アミノフルオレンハイドロクロライド(9-Aminofluorene Hydrochloride)、フェルラ酸(Ferulic acid)、ジトラノール(Dithranol)、2-(4-ヒドロキシフェニルアゾ)安息香酸(2-(4-Hydroxyphenylazo)benzoic acid)(HABA)、trans-2-[3-(4-tert-ブチルフェニル)-2-メチル-2-プロペニリデン]マロンニトリル(trans-2-[3-(4-tert-Butylphenyl)-2-methyl-2-propenylidene]malononitrile)(DCTB)、trans-4-フェニル-3-ブテン-2-オン(trans-4-Phenyl-3-buten-2-one)(TPBO)、trans-3-インドールアクリル酸(trans-3-Indoleacrylic acid)(IAA)、1,10-フェナントロリン(1,10-phenanthroline)、5-ニトロー1,10-フェナントロリン(5-Nitro-1,10-phenanthroline)、α-シアノ-4-ヒドロキシケイ皮酸(α-Cyano-4-hydroxycinnamic acid)(CHCA)、シナピン酸(Sinapic acid)(SA)、2,4,6-トリヒドロキシアセトフェノン(2,4,6-Trihydroxyacetophenone)(THAP)、3-ヒドロキシピコリン酸(3-Hydroxypicolinic acid)(HPA)、アントラニル酸(Anthranilic acid)、ニコチン酸(Nicotinicacid)、3-アミノキノリン(3-Aminoquinoline)、2-ヒドロキシ-5-メトキシ安息香酸(2-Hydroxy-5-methoxybenzoic acid)、2,5-ジメトキシ安息香酸(2,5-Dimethoxybenzoic acid)、4,7-フェナントロリン(4,7-Phenanthroline)、p-クマル酸(p-Coumaric acid)、1-イソキノリノール(1-Isoquinolinol)、2-ピコリン酸(2-Picolinic acid)、1-ピレンブタン酸ヒドラジド(1-Pyrenebutanoic acid, hydrazide)(PBH)、1-ピレンブタン酸(1-Pyrenebutyric acid)(PBA)、1-ピレンメチルアミンハイドロクロライド(1-Pyrenemethylamine hydrochloride)(PMA)、金、銀、白金(プラチナ)、コバルトなどが挙げられる。これらの中でも、針状に結晶化する性質を有するマトリックスが好ましく、例えば、2,5-ジヒドロキシ安息香酸(DHBA)が好ましい。
また、基材を含むマトリックスプレートから飛翔させる2種以上のマトリックスとしては、MALDI質量分析対象の試料において、互いに異なる所定位置に配させることが好ましい。これにより、1つの測定試料において2種以上のマトリックスを塗り分けることができ、1つの測定試料において2種以上のイメージング質量分析を行うことができる点で有利である。
基材としては、その形状、構造、大きさ、材質などについては特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができる。
表面粗さRaは、JIS B0601に従って測定することができ、例えば、共焦点式レーザ顕微鏡(株式会社キーエンス製)や触針式表面形状測定装置(Dektak150、ブルカー・エイエックスエス株式会社製)を用いて測定することができる。
マトリックスプレートの作製方法としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、例えば、以下のような粉体形成装置により結晶化したマトリックスをスライドガラス上に配してマトリックスプレートを作製する方法が挙げられる。
溶媒としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、例えば、TFA、TFA-アセトニトリル、THF、メタノールなどが挙げられる。
次に、調製したマトリックス溶液を図1A~図1Cで示す粉体形成装置1の原料収容器13に収容する。
図1Aに示す粉体形成装置1は、主に、液滴形成ユニット10及び乾燥捕集ユニット30を含む。液滴形成ユニット10は、吐出孔によって外部と連通する液噴射領域を有する液室であって所定の条件下のもとで液柱共鳴定在波が発生する液柱共鳴液室内のマトリックス溶液を液滴として吐出孔から噴射する液滴化手段である液滴吐出ヘッド11を複数配列されている。各液滴吐出ヘッド11の両側には液滴吐出ヘッド11から吐出したマトリックス溶液の液滴が乾燥捕集ユニット30側に流出されるように気流発生手段によって発生する気流が通る気流通路12が設けられている。また、液滴形成ユニット10は、マトリックス原料であるマトリックス溶液14を収容する原料収容器13と、原料収容器13に収容されているマトリックス溶液14を、液供給管16を通して液滴吐出ヘッド11内の後述する液共通供給路17に供給し、更に液戻り管22を通って原料収容器13に戻すために液供給管16内のマトリックス溶液14を圧送する液循環ポンプ15とを含む。更に、液滴吐出ヘッド11は、図1Bに示すように、液共通供給路17及び液柱共鳴液室18を含む。液柱共鳴液室18は、長手方向の両端の壁面のうち一方の壁面に設けられた液共通供給路17と連通されている。また、液柱共鳴液室18は、両端の壁面と連結する壁面のうち一つの壁面にマトリックス液滴21を吐出するマトリックス吐出孔19と、マトリックス吐出孔19と対向する壁面に設けられ、かつ液柱共鳴定在波を形成するために高周波振動を発生する振動発生手段20とを有している。なお、振動発生手段20には、高周波電源が接続されている。
マトリックスプレートにレーザビームを照射する方法(レーザビーム照射手段)としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、例えば、以下のようなレーザビーム照射手段により行われる方法が好ましい。
図2において、レーザビーム照射手段140は、基材201に担持されているマトリックス202に、レーザビームLを照射し、マトリックス202をレーザビームLのエネルギーにより飛翔させ、スライドガラス302上の試料切片301に付着させる。
レーザ光源141としては、例えば、固体レーザ、気体レーザ、半導体レーザなどが挙げられる。
ビーム径変更手段142としては、例えば、集光レンズなどである。
レーザビームLのビーム径としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができるが、5μm以上100μm以下が好ましい。レーザビームLのビーム径が好ましい範囲内であると、既存のMALDIのビーム径に対応したマトリックスの配置が可能となる点で有利である。
なお、トポロジカルチャージとは、レーザビームの円筒座標系における方位方向の周期的境界条件から現れる量子数を意味する。また、ビームウエストサイズとは、レーザビームにおけるビーム径の最小値を意味する。
なお、レーザビームにおけるトータルの回転モーメントをJとすると、J=L+Sと表すことができる。
ビーム波長変更手段143としては、例えば、KTP結晶、BBO結晶、LBO結晶、CLBO結晶などが挙げられる。
反射鏡146は、反射鏡駆動手段により図2中矢印Sで示す走査方向に可動し、レーザビームLを基材201が担持するマトリックス202の任意の位置に反射する。
一般的なレーザビームは、位相が揃っているため、図9Aに示すように平面状の等位相面(波面)を有している。レーザビームのポインティングベクトルの方向が平面状の等位相面の直交方向であることにより、レーザビームの照射方向と同じ方向となるため、レーザビームが光吸収材に照射された場合には、光吸収材に対して照射方向に力が作用する。しかし、レーザビームの断面における光強度分布が、図9Bに示すようにビームの中心が最も強い正規分布(ガウシアン分布)であるため、光吸収材が飛散しやすい。また、位相分布の観察を行うと図9Cに示すように位相差がないことが確認される。
これに対し、光渦レーザビームは、図10Aに示すように螺旋状の等位相面を有している。光渦レーザビームのポインティングベクトルの方向が螺旋状の等位相面に対して直交方向であるため、光渦レーザビームが光吸収材に照射された場合には、直交方向に力が作用する。このため、図10Bに示すように光強度分布がビームの中央が零となる凹んだドーナツ状の分布となり、光渦レーザビームを照射された光吸収材は、ドーナツ状のエネルギーを放射圧として印加される。すると、光渦レーザビームを照射された光吸収材は、光渦レーザビームの照射方向に沿って飛翔し、被付着物に飛散しにくい状態で付着する。また、位相分布の観察を行うと図10Cに示すように位相差が発生していることが確認される。
図11Aと図11Bとを比較すると、図11Aのほうが図11Bよりも光吸収材が飛散していることが確認できる。このことから、光渦レーザビームを照射された光吸収材は、ドーナツ状のエネルギーを放射圧として印加され、光渦レーザビームの照射方向に沿って飛翔し、被付着物に飛散しにくい状態で付着することがわかる。
干渉計測は、レーザビームプロファイラ(Spiricon社製レーザビームプロファイラ、浜松ホトニクス株式会社製レーザビームプロファイラなど)を用いて観察でき、干渉計測した結果の一例を図12A、図12Bに示す。
図12Aは、光渦レーザビームにおける干渉計測の結果の一例を示す説明図であり、図12Bは、中心に光強度0の点を有するレーザビームにおける干渉計測の結果の一例を示す説明図である。
光渦レーザビームを干渉計測すると、図12Aに示すように、エネルギー分布がドーナツ状であって、図9Cと同様に中心に光強度0の点を持つレーザビームであることが確認できる。
一方、中心に光強度0の点を有する一般的なレーザビームを干渉計測すると、図12Bに示すように、図12Aで示した光渦レーザビームの干渉計測と類似しているが、ドーナツ状部のエネルギー分布が一様ではないことから、光渦レーザビームとの差異が確認できる。
光渦レーザビームに変換するには、例えば、回折光学素子、マルチモードファイバ、液晶位相変調器などを用いることにより行うことができる。
MALDI質量分析用測定試料としては、MALDI質量分析対象の試料と、試料上に所定位置に配された2種以上のマトリックスとを有する限り、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができる。なお、MALDI質量分析する際には、MALDI質量分析用測定試料は、導電性の基板上に載置する必要がある。
MALDI質量分析対象の試料としては、MALDI質量分析で分析できる限り特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、例えば、凍結脳組織、動物全身切片、種子、印刷画像などが挙げられる。
本発明のMALDI質量分析方法は、本発明のMALDI質量分析用測定試料を用いてMALDI質量分析を行う限り、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができる。
MALDI質量分析方法としては、例えば、MALDI-TOF-MS(株式会社ブルカーダルトニクス製)により行うことができる。
本発明のMALDI質量分析用測定試料調製プログラムは、MALDI質量分析対象の試料の位置情報に基づき、MALDI質量分析用測定試料の調製に用いるマトリックスを表面に配した基材における、マトリックスが配された側とは反対側の基材の表面にレーザビームを照射することにより、マトリックスを基材から飛翔させ、MALDI質量分析対象の試料の所定位置に配させる処理をコンピュータに実行させる。
つまり、本発明のMALDI質量分析用測定試料調製プログラムは、ハードウェア資源としてのコンピュータ等を用いることにより、本発明のMALDI質量分析用測定試料調製方法を実行できる。また、本発明のMALDI質量分析用測定試料調製プログラムは、一又は複数のコンピュータやサーバの少なくともいずれかによって実行されてもよい。
図3Aに示すように、このMALDI質量分析用測定試料調製装置100は、マウス110と、CPU120と、ディスプレイ130と、レーザビーム照射手段140と、プレート交換機構150と、記憶手段160とを有する。CPU120は、各部と接続されている。
図3Bに示すように、このMALDI質量分析用測定試料調製装置100は、入力部110aと、制御部120aと、出力部130aと、照射部140aと、プレート交換部150aと、記憶部160aとを有する。制御部120aは、各部と接続されている。
照射データの受け付けは、例えば、ITOコートスライドガラス上に載置した測定試料を撮像した画像上に、マトリックスの種類と照射位置を入力するようにしてもよい。
なお、入力部110aは、ユーザからの他の入力を受け付ける。
以下では、図2に示したレーザビーム照射手段140により、パルス発振させた光渦レーザビームを2種のマトリックスA及びBにそれぞれ照射して、1つの試料切片に2種のマトリックスのドットを配するようにした実施例及び参考例について説明する。
[マトリックス溶液の調製]
まず、0.1容積%TFA(サーモフィッシャーサイエンティフィック社製)と0.1容積%TFA-アセトニトリル(サーモフィッシャーサイエンティフィック社製)を等量混合して溶媒とし、シナピン酸(Sinapic acid、マトリックスA)の飽和溶液をマトリックス溶液Aとして調製した。
次に、THF(東京化成工業株式会社製)を溶媒としたジトラノール(Dithranol、マトリックスB)10mg/mLをマトリックス溶液Bとして調製した。
調製したマトリックス溶液Aを、図1A~図1Cで示した粉体形成技術を用いて1次平均粒子径100μmのマトリックスAの粉体を形成し、基材としてのスライドガラス(S2441、スーパーフロスト ホワイト、松浪硝子工業株式会社製)の表面に平均厚みが100μmになるようにマトリックスAの粉体層を形成し、図4Aの写真に示したマトリックスプレートAを作製した。
マトリックス溶液Aをマトリックス溶液Bに代えた以外はマトリックスプレートAと同様に、1次平均粒子径20μmのマトリックスBの粉体を形成し、基材としてのスライドガラス(S2441、スーパーフロスト ホワイト、松浪硝子工業株式会社製)の表面に平均厚みが100μmになるようにマトリックスBの粉体層を形成し、図4Bの写真に示したマトリックスプレートBを作製した。
まず、試料としての凍結マウス脳組織(コスモバイオ株式会社から購入)をエッペンチューブに入れてマルチビーズショッカー(MB2000、安井器機株式会社製)で破砕用ビーズを入れて粉砕し、その後、液体窒素でエッペンチューブ全体を-196℃で冷却して再度粉砕した。
次に、エッペンチューブ内の破砕用ビーズを専用マグネットで取り除き、常温で融解した後に卓上遠心機(MCF-2360、株式会社LMS製)でスピンダウンし、液体窒素内で3時間静置して完全に再凍結させた。再凍結させた試料をクライオミクロトームにより切断して平均厚み10μmの試料切片を作製し、ITOコートスライドガラス(MASコート無、100Ω、松浪硝子工業株式会社製)上に図5で示すように載置した。
レーザビーム照射手段は、図2に示したレーザビーム照射手段140を用いた。
具体的には、レーザビーム源(YAG)は、YAG結晶を励起させてレーザ発振させるYAGレーザを用いた。このレーザビーム源を用いて、発生させたレーザビームにおける波長を1,064nm、ビーム径を1.25mm×1.23mm、パルス幅を2ナノ秒、パルス周波数を20Hzとした1パルスのレーザビームを発生させた。発生させた1パルスのレーザビームを、ビーム径変更部材としての集光レンズ(シグマ光機社製、YAGレーザ集光レンズ)に照射して、マトリックスに照射させたときのビーム径を80μm×80μmであるようにした。前記ビーム径変更部材を経た前記レーザビームを、前記ビーム波長変更素子として用いたLBO結晶(CESTEC社製)に照射して、前記波長が1,064nmから532nmに変更した後、さらにLBO結晶で1,064nmのレーザビームと532nmのレーザビームを使って、和周波数発生を行う波長変更手段を用いて355nmのレーザビームに変更した。次に、前記波長変更手段で変更したレーザビームを、螺旋位相板(ルミネックス社製、Vortexフェイズプレート)に通過させて光渦レーザビームに変換させた。次に、螺旋位相板により変換させた光渦レーザビームを、螺旋位相板の下流に配置されている1/4波長板(QWP;株式会社光学技研製)に通過させた。このとき、式(1)で表されるトータルの回転モーメントJが2であるように、螺旋位相板と1/4波長板の光学軸を+45°に設定した。変換させた光渦レーザビームを、エネルギー調整フィルタ(シグマ光機株式会社製、NDフィルタ)に通過させることにより、マトリックスに照射させたときのレーザ出力を調整し、50μJ/ドットとした。
まず、マトリックスプレートAに表面に形成したマトリックスAの粉体層をITOコートスライドガラス上の試料切片と対向させ、マトリックスプレートAの裏面からレーザビーム照射手段により光渦レーザビームを垂直に照射できるように設置した。なお、試料切片とマトリックスAの粉体層との間隙を500μmとした。
続いて、マトリックスプレートAからマトリックスプレートBに交換した後、図6Bに示すように、マトリックスプレートBの裏面から光渦レーザビームを垂直に照射して、マトリックスBの粉体をマトリックスプレートBから飛翔させ、マトリックスAが配されていない試料切片の所定位置に配させた。このように、MALDI質量分析用測定試料を作製した。図13Aは、実施例1における光渦レーザビームを用いたMALDI質量分析用測定試料の調製方法を示す概念図である。また、図13Bは、実施例1におけるMALDI質量分析用測定試料の調製方法を用いた結果を示す光学顕微鏡写真の2値化画像の一例を示す図である。図13A及び図13Bに示すように、光渦レーザビームを用いた場合には、マトリックスBをほぼ照射範囲と同等の範囲の面積で転写することができた。
2種のマトリックスの粉体を配したMALDI質量分析用測定試料をMALDI-TOF-MS(株式会社ブルカーダルトニクス製)を用いてMALDI質量分析を行った。
MALDI質量分析は、正イオン検出モードで、検出する質量電荷比(m/z)の範囲を250~600とし、直径約1mmのスポット内部に縦20点×横20点のデータ点を作成し取得したスペクトルを平均化した。
MALDI質量分析の結果として、マトリックスA(シナピン酸)を用いたスペクトルを図7Aに、マトリックスB(ジトラノール)を用いたスペクトルを図7Bに示す。
実施例1において、使用するレーザビーム源の波長を532nmに変更し、和周波数発生を行う波長変更手段を用いて355nmのレーザビームに変更した以外は、実施例1と同様にして、MALDI質量分析用測定試料の作製を行った。
その結果、実施例1における装置において、前記レーザビーム波長変更素子として用いたLBO結晶(CESTEC社製)により前記レーザビームの波長を1,064nmから532nmに変更する機構を省略し、実施例1と同様に試料の作製を行うことができた。
実施例1において、螺旋位相板(ルミネックス社製、Vortexフェイズプレート)に通過させずにガウスレーザビームを用いた以外は、実施例1と同様にしてMALDI質量分析用測定試料の作製を行った。
実施例1において、同一の試料切片ではなく別個の試料切片にそれぞれマトリックスプレートA及びBを用いてそれぞれMALDI質量分析用測定試料を作製した以外は、実施例1と同様にして、MALDI質量分析を行い、マトリックスA(シナピン酸)を用いたスペクトルを図8Aに示し、マトリックスB(ジトラノール)を用いたスペクトルを図8Bに示す。
図8A及び図8Bに示すように、実施例の図7A及び図7Bと同様の結果が得られた。つまり、本発明のMALDI質量分析方法では、1つの試料切片に2種以上のマトリックスを配することができるため、試料が1つしか存在せず、かつ2種以上のマトリックスでMALDI質量分析を行いたい場合であっても、各マトリックスによるMALDI質量分析結果をそれぞれ得ることができる。
<1> MALDI質量分析用測定試料の調製に用いるマトリックスを表面に配した基材における、前記マトリックスが配された側とは反対側の前記基材の表面にレーザビームを照射することにより、前記マトリックスを前記基材から飛翔させ、MALDI質量分析対象の試料の所定位置に配させることを特徴とするMALDI質量分析用測定試料調製方法である。
<2> 前記基材から飛翔させる前記マトリックスが2種以上である、前記<1>に記載のMALDI質量分析用測定試料調製方法である。
<3> 前記基材から飛翔させる2種以上の前記マトリックスが、前記MALDI質量分析対象の試料における、互いに異なる所定位置に配させる、前記<2>に記載のMALDI質量分析用測定試料調製方法である。
<4> 前記MALDI質量分析対象の試料の所定位置に対し、前記基材から前記マトリックスを複数回飛翔させて配させる、前記<1>から<3>のいずれかに記載のMALDI質量分析用測定試料調製方法である。
<5> 前記レーザビームが、光渦レーザビームである、前記<1>から<4>のいずれかに記載のMALDI質量分析用測定試料調製方法である。
<6> 前記レーザビームの照射径が5μm以上100μm以下である、前記<1>から<5>のいずれかに記載のMALDI質量分析用測定試料調製方法である。
<7> 前記基材の表面に配された前記マトリックスが、層状及びドット状の少なくともいずれかである、前記<1>から<6>のいずれかに記載のMALDI質量分析用測定試料調製方法である。
<8> 前記<1>から<7>のいずれかに記載のMALDI質量分析用測定試料調製方法に用いるMALDI質量分析用測定試料調製装置であって、
前記基材の表面にレーザビームを照射する照射手段を有することを特徴とするMALDI質量分析用測定試料調製装置である。
<9> MALDI質量分析対象の試料と、前記試料上に所定位置に配された2種以上のマトリックスとを有することを特徴とするMALDI質量分析用測定試料である。
<10> 前記<9>に記載のMALDI質量分析用測定試料を用いてMALDI質量分析を行うことを特徴とするMALDI質量分析方法である。
<11> MALDI質量分析対象の試料の位置情報に基づき、
MALDI質量分析用測定試料の調製に用いるマトリックスを表面に配した基材における、前記マトリックスが配された側とは反対側の前記基材の表面にレーザビームを照射することにより、前記マトリックスを前記基材から飛翔させ、MALDI質量分析対象の試料の所定位置に配させる処理をコンピュータに実行させることを特徴とするMALDI質量分析用測定試料調製プログラムである。
140 レーザビーム照射手段
200 マトリックスプレート
201 基材
202 マトリックス
301 試料切片(試料)
L レーザビーム
Claims (9)
- MALDI質量分析用測定試料の調製に用いるマトリックスを表面に配した基材における、前記マトリックスが配された側とは反対側の前記基材の表面にレーザビームを照射することにより、前記マトリックスを前記基材から飛翔させ、MALDI質量分析対象の試料の所定位置に配させることを特徴とするMALDI質量分析用測定試料調製方法。
- 前記基材から飛翔させる前記マトリックスが2種以上である、請求項1に記載のMALDI質量分析用測定試料調製方法。
- 前記基材から飛翔させる2種以上の前記マトリックスが、前記MALDI質量分析対象の試料における、互いに異なる所定位置に配させる、請求項2に記載のMALDI質量分析用測定試料調製方法。
- 前記MALDI質量分析対象の試料の所定位置に対し、前記基材から前記マトリックスを複数回飛翔させて配させる、請求項1から3のいずれかに記載のMALDI質量分析用測定試料調製方法。
- 前記レーザビームが、光渦レーザビームである、請求項1から4のいずれかに記載のMALDI質量分析用測定試料調製方法。
- 前記レーザビームの照射径が5μm以上100μm以下である、請求項1から5のいずれかに記載のMALDI質量分析用測定試料調製方法。
- 前記基材の表面に配された前記マトリックスが、層状及びドット状の少なくともいずれかである、請求項1から6のいずれかに記載のMALDI質量分析用測定試料調製方法。
- 請求項1から7のいずれかに記載のMALDI質量分析用測定試料調製方法に用いるMALDI質量分析用測定試料調製装置であって、
前記基材の表面にレーザビームを照射する照射手段を有することを特徴とするMALDI質量分析用測定試料調製装置。 - MALDI質量分析対象の試料の位置情報に基づき、
MALDI質量分析用測定試料の調製に用いるマトリックスを表面に配した基材における、前記マトリックスが配された側とは反対側の前記基材の表面にレーザビームを照射することにより、前記マトリックスを前記基材から飛翔させ、MALDI質量分析対象の試料の所定位置に配させる処理をコンピュータに実行させることを特徴とするMALDI質量分析用測定試料調製プログラム。
Priority Applications (3)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
US16/801,424 US11094517B2 (en) | 2019-03-20 | 2020-02-26 | Method and device for preparing measurement sample for MALDI mass spectrometry, measurement sample for MALDI mass spectrometry, MALDI mass spectrometry method, and non-transitory recording medium for preparing measurement sample for MALDI mass spectrometry |
EP20160243.0A EP3712922A1 (en) | 2019-03-20 | 2020-02-28 | Method, device and carrier medium for preparing measurement sample for maldi mass spectrometry, measurement sample for maldi mass spectrometry, and maldi mass spectrometry method |
CN202010195797.0A CN111721595A (zh) | 2019-03-20 | 2020-03-18 | Maldi质谱分析用测定试样制备方法及其装置 |
Applications Claiming Priority (2)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2019053592 | 2019-03-20 | ||
JP2019053592 | 2019-03-20 |
Publications (2)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JP2020160046A JP2020160046A (ja) | 2020-10-01 |
JP7354832B2 true JP7354832B2 (ja) | 2023-10-03 |
Family
ID=72643022
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP2019232592A Active JP7354832B2 (ja) | 2019-03-20 | 2019-12-24 | Maldi質量分析用測定試料調製方法、maldi質量分析用測定試料調製装置、及びmaldi質量分析用測定試料調製プログラム |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JP7354832B2 (ja) |
Families Citing this family (2)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
EP3886141A1 (en) | 2020-03-23 | 2021-09-29 | Ricoh Company, Ltd. | Method, device, and base for preparing measurement sample for maldi mass spectrometry |
US11532472B2 (en) | 2020-07-30 | 2022-12-20 | Ricoh Company, Ltd. | Mass spectrometry |
Citations (7)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JP2005513490A (ja) | 2001-12-11 | 2005-05-12 | アストラゼネカ アクティエボラーグ | 質量分析計のための標的プレート及び該標的プレートの使用 |
JP2009257844A (ja) | 2008-04-14 | 2009-11-05 | Shimadzu Corp | 混合液体マトリックスを用いたmaldi質量分析法 |
JP2013137294A (ja) | 2011-12-02 | 2013-07-11 | Shimadzu Corp | Maldi用試料作成装置および試料作成方法 |
US20150186754A1 (en) | 2012-07-18 | 2015-07-02 | Nederlandse Organisatie Voor Toegepast- Natuurwetenschappelijk Onderzoek Tno | Classification method for spectral data |
WO2016146255A1 (de) | 2015-03-16 | 2016-09-22 | Friedrich-Schiller-Universität Jena | Verfahren zur maldi-msi analytik von objekten, dafür geeignetes target sowie dessen herstellung |
JP2017181404A (ja) | 2016-03-31 | 2017-10-05 | 株式会社島津製作所 | 分析用試料の調製方法、maldi−ms用サンプルプレート、および分析方法 |
JP2019533160A (ja) | 2016-11-03 | 2019-11-14 | バイオニア コーポレーション | マトリックス支援レーザ脱離/イオン化質量分析方法 |
-
2019
- 2019-12-24 JP JP2019232592A patent/JP7354832B2/ja active Active
Patent Citations (7)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JP2005513490A (ja) | 2001-12-11 | 2005-05-12 | アストラゼネカ アクティエボラーグ | 質量分析計のための標的プレート及び該標的プレートの使用 |
JP2009257844A (ja) | 2008-04-14 | 2009-11-05 | Shimadzu Corp | 混合液体マトリックスを用いたmaldi質量分析法 |
JP2013137294A (ja) | 2011-12-02 | 2013-07-11 | Shimadzu Corp | Maldi用試料作成装置および試料作成方法 |
US20150186754A1 (en) | 2012-07-18 | 2015-07-02 | Nederlandse Organisatie Voor Toegepast- Natuurwetenschappelijk Onderzoek Tno | Classification method for spectral data |
WO2016146255A1 (de) | 2015-03-16 | 2016-09-22 | Friedrich-Schiller-Universität Jena | Verfahren zur maldi-msi analytik von objekten, dafür geeignetes target sowie dessen herstellung |
JP2017181404A (ja) | 2016-03-31 | 2017-10-05 | 株式会社島津製作所 | 分析用試料の調製方法、maldi−ms用サンプルプレート、および分析方法 |
JP2019533160A (ja) | 2016-11-03 | 2019-11-14 | バイオニア コーポレーション | マトリックス支援レーザ脱離/イオン化質量分析方法 |
Also Published As
Publication number | Publication date |
---|---|
JP2020160046A (ja) | 2020-10-01 |
Similar Documents
Publication | Publication Date | Title |
---|---|---|
Venter et al. | Droplet dynamics and ionization mechanisms in desorption electrospray ionization mass spectrometry | |
JP7354832B2 (ja) | Maldi質量分析用測定試料調製方法、maldi質量分析用測定試料調製装置、及びmaldi質量分析用測定試料調製プログラム | |
Shelley et al. | Laser ablation coupled to a flowing atmospheric pressure afterglow for ambient mass spectral imaging | |
Robichaud et al. | IR-MALDESI mass spectrometry imaging of biological tissue sections using ice as a matrix | |
Bouschen et al. | Matrix vapor deposition/recrystallization and dedicated spray preparation for high‐resolution scanning microprobe matrix‐assisted laser desorption/ionization imaging mass spectrometry (SMALDI‐MS) of tissue and single cells | |
US9721776B2 (en) | Sample preparation method and sample preparation device for MALDI including depositing matrix substance on sample substrate in two steps | |
US11094517B2 (en) | Method and device for preparing measurement sample for MALDI mass spectrometry, measurement sample for MALDI mass spectrometry, MALDI mass spectrometry method, and non-transitory recording medium for preparing measurement sample for MALDI mass spectrometry | |
Nemes et al. | Internal energy deposition and ion fragmentation in atmospheric-pressure mid-infrared laser ablation electrospray ionization | |
Salter et al. | Ambient surface mass spectrometry using plasma-assisted desorption ionization: effects and optimization of analytical parameters for signal intensities of molecules and polymers | |
Lai et al. | Nanosecond UV laser ablation of gold nanoparticles: Enhancement of ion desorption by thermal-driven desorption, vaporization, or phase explosion | |
Musapelo et al. | Particle formation in ambient MALDI plumes | |
Lu et al. | Soft picosecond infrared laser extraction of highly charged proteins and peptides from bulk liquid water for mass spectrometry | |
Bednařík et al. | MALDI MS imaging at acquisition rates exceeding 100 pixels per second | |
EP3886141A1 (en) | Method, device, and base for preparing measurement sample for maldi mass spectrometry | |
Musapelo et al. | Particle production in reflection and transmission mode laser ablation: implications for laserspray ionization | |
Spencer et al. | Gold nanoparticles as a matrix for visible-wavelength single-particle matrix-assisted laser desorption/ionization mass spectrometry of small biomolecules | |
Kolářová et al. | Use of flower‐like gold nanoparticles in time‐of‐flight mass spectrometry | |
Sirotkin et al. | Transfer of liquid cathode components to the gas phase and their effect on the parameters of the atmospheric pressure dc discharge | |
US7880139B2 (en) | Method and apparatus of uniform gas-phase molecular matrix deposition for imaging mass spectrometry | |
Knodel et al. | Standardization of Sandwich-Structured Cu–Glass Substrates Embedded in a Flexible Diode Laser–Plasma Interface for the Detection of Cholesterol | |
Lai et al. | Solid-phase thermodynamic interpretation of ion desorption in matrix-assisted laser desorption/ionization | |
Kratochvíl et al. | Gas aggregated Ag nanoparticles as the inorganic matrix for laser desorption/ionization mass spectrometry | |
EP3945543A2 (en) | Mass spectrometry | |
Steven et al. | Probing the relationship between detected ion intensity, laser fluence, and beam profile in thin film and tissue in MALDI MSI | |
JP2022027475A (ja) | 質量分析方法 |
Legal Events
Date | Code | Title | Description |
---|---|---|---|
RD03 | Notification of appointment of power of attorney |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A7423 Effective date: 20220601 |
|
A621 | Written request for application examination |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A621 Effective date: 20221017 |
|
A977 | Report on retrieval |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A971007 Effective date: 20230428 |
|
A131 | Notification of reasons for refusal |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131 Effective date: 20230509 |
|
A521 | Request for written amendment filed |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523 Effective date: 20230627 |
|
TRDD | Decision of grant or rejection written | ||
A01 | Written decision to grant a patent or to grant a registration (utility model) |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A01 Effective date: 20230822 |
|
A61 | First payment of annual fees (during grant procedure) |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A61 Effective date: 20230904 |
|
R151 | Written notification of patent or utility model registration |
Ref document number: 7354832 Country of ref document: JP Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R151 |