JP6837468B2 - 縦軸ロータ - Google Patents

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Description

本発明は、回転性能に優れ、強風や強い水流にもブレードが破損しにくい、風水力用の縦軸ロータに関する。
縦長ブレードを備える風力発電装置は、例えば特許文献1に記載されている。その縦長ブレードは、単に平板を曲げただけのもので、縦軸周りに複数枚が固定されているものである。
特開2012−002069号
特許文献1に記載の縦長ブレードは、板状のものであり、かつ回転時におけるその内面は、上下の全長に亘って、一定の迎角とされている。
そのため、縦長ブレードの上部と下部を通過する気流は、コアンダ効果によって、縦長ブレードの中心方向へ集まろうとして、回転に資する力が無駄になる。
本発明は、このような欠点を改善し、軽量で高速回転をする風水力用の縦軸ロータを提供することを目的としている。
本発明は前記課題を解決するために、次のような技術的手段を講じた。
) 支柱上に固定された発電機の上部に回転可能に立設された縦主軸に1個の円盤状の中間取付部材が固定されており当該中間取付部材における放射方向へ突出する水平で複数の支持腕の各先端に、複数の揚力型の縦長ブレードの各ほぼ垂直な主部における高さの中間の内側面が固定され、かつ該各ほぼ垂直な主部の横断面におけるその前縁と後縁が、前記縦主軸を中心とする前記ほぼ垂直な主部の回転円弧T上に位置するように配置され、前記各ほぼ垂直な主部の上部にそれぞれ連続して形成される先端を縦軸方向へ弧曲する上内向弧曲部の先端部は、前記縦軸の上部にそれぞれ固定された取付部材にその先端部の前縁が、後縁よりも上向きに傾斜するように固定され、前記各ほぼ垂直な主部の下部にそれぞれ連続して形成された先端を縦軸方向へ弧曲する各下内向弧曲部の先端部は、前記発電機を支持する支柱の外周に水平に配置される環状取付部材にその先端部の前縁が後縁よりも下向きに傾斜するように一体に固定され、前記各縦長ブレードの弦長は上下に同長とし、
前記各上下の内向弧曲部は、前記各ほぼ垂直な主部との境界部分から各上下内向孤曲部の先端部へかけて、それぞれ縦主軸に近づくに従って、各ほぼ垂直な主部の回転方向に対して、各上下内向孤曲部における各前縁を後縁よりも次第に外側向き傾斜とし、前記各上下の内向弧曲部の先端面は、その先端面における前縁を、後縁よりも外向きに傾斜させてなることを特徴とする縦軸ロータ。
本発明によると、次のような効果が奏せられる。
前記(1)に記載の発明における縦軸ロータの縦長ブレードが長い時には、発電機の上方に縦主軸を長く突設しなければならない。
その場合には縦主軸の径を太くすると、発電機にかかる負担が大となるので、縦主軸の長さを短くして、縦長ブレードの下端部分を、発電機の位置よりも下位の支柱部分にしたもので、支柱の周囲に配置する環状取着部材に、下内向弧曲部の下端部を固定することによって、複数の縦長ブレードを一体化して、ぐらつきをなくすことが出来る。
上下の内向弧曲部の前縁は、ほぼ垂直な主部との境界から、上下の内向弧曲部の端部へかけて、迎角を次第に大としてあるので、上下の内向弧曲部では、その表面に沿ってコアンダ効果により高速となって、内側方向へ向いて通過することになり、その反作用で高速回転し、ブレード全体の速度を高速化させる。
本発明の風力用の縦軸ロータの実施例1の正面図である。 図1の平面図である。 本発明の縦軸ロータにおける縦長ブレードの正面図である。 図3におけるIV−IV線断面図である。 図3における右側面図である。 図3における左側面図である。 本発明の縦軸ロータにおける縦長ブレードの背面図である。 図7におけるVIII−VIII線断面図である。 図7におけるIX−IX線断面図である。 本発明の縦軸ロータの縦長ブレードの実施例2の正面図である。
本発明の一実施形態を、図面を参照して説明する。
図1において、縦軸ロータ1は、支柱2上に固定された発電機3を貫通して、回転可能に立設された縦主軸4に、複数(図では3枚)の揚力型の縦長ブレード5が配設されている。
各縦長ブレード5は、ほぼ垂直な主部5Aの上下部から、縦主軸4の方向へ長く弧曲する上内向弧曲部5Bと、下内向弧曲部5Cとから形成され、上内向弧曲部5Bは、縦主軸4の上端部に固定された取着部材6に固定され、主部5Aの左側面5G(内面)中間部を、縦主軸4に固定された中間取着部材7における、放射方向へ突出する支持腕7Aの先端部に固定されている。
下内向弧曲部5Cの先端部は、支柱2に接触しないように、支柱2の外面に配置された環状取着材8に固定されている。
支柱2の下部には、図示しない蓄電池が納められ、縦軸ロータ1及び太陽光発電パネル11で発電された電気を蓄電するようになっている。
符号9は制御盤、10は街灯、12は通信用アンテナであり、電線の引かれていない山間地や海浜、小島等に配設することにより、携帯電話などの基地局の役割を果たすことができる。
縦長ブレード5は、図3以下に詳細に示す。右側面5Fは、図5に示すように、弦長は上下に同じ長さであり、ほぼ垂直な主部5Aの横断面は図4に示すように、前縁5Dと後縁5Eは、縦主軸4を中心として回転する回転円弧T上になるように形成されている。
縦長ブレード5の上下の内向弧曲部5B、5Cの先端面5Hは、図3に示すように垂直であり、従って縦長ブレード5の左側面5G(回転時の内側面)は、図6に示すように、上下の内向弧曲部5B、5Cの先端面5Hが現れている。
この先端面5Hにおける、後縁5Eと前縁5Dを結ぶ迎角線Kは、水平に対して外向きに広がって迎角を示しており、この角度はブレードの厚さによって変化する。従って、この縦長ブレード5が回転すると、表面に沿って通過するコアンダ効果により、高速となって通過する流体は後縁5Eで内側に入り、縦長ブレード5を効率良く回転させる。
すなわち縦主軸4に近い部分は、遠心部におけるほぼ垂直な主部5Aよりも、回転速度は遅いのであるが、本願発明においては、上下の内向弧曲部5B、5Cは、ほぼ垂直な主部5Aよりも大きな迎角を持って、内側に流体を通過させることによって高速回転し、全体の回転速度を高めることが確認された。
図7は、図3における縦長ブレード5の背面図である。この図で明かなように、外見上では正面と変わらないが、図8、図9に断面を示すように、縦主軸4に近づくに従って、前縁5Dが外側へ傾斜して迎角を大きくしている。
ここにおいて、上下の内向弧曲部5B、5Cにおける左側面5Gは、水平線よりも内側へ入らないものとされる。
上下の内向弧曲部5B、5Cにおける内側基準線Sに対して、右側面5Gを通過する流体は、右側面の膨出が高いので、通過する流体のコアンダ効果による高速流は内側に入り、反作用で、縦長ブレード5は、回転方向に回転効率が高まる。
図10は、本願発明縦軸ロータの実施例2を示す正面図である。前例と同じ部材には、同じ符号を付して説明を省略する。図10における右側の縦長ブレード5が正面を示し、左側の縦長ブレード5は背面を示している。
この実施例2では、縦主軸4の長さが短いので、上部の取着部材6は、縦主軸4の上端に固定されていない。縦主軸4に固定された円盤状の中間取着部材7から放射方向へ突出する支持腕7Aの先端が、縦長ブレード5のほぼ垂直な主部5Aの内側面に固定されて、縦長ブレード5全体を支持している。
縦長ブレード5の横断面は、前例と同じく、上下の内向弧曲部5B、5Cの前縁は、ほぼ垂直な主部5Aよりも大な迎角を持っている。
これによって、回転に伴い、上下の内向弧曲部5B、5Cの内外側面に沿って通過する気流は、縦主軸4に近い位置で、上方向または下方向へ、コアンダ効果により高速化されて内側向きに通過し、その反作用として、縦軸ロータ1は低速風においても、効率良く回転する。
この発明にかかる縦軸ロータ及び縦長ブレードは、低風速でも、効率のよい回転をするので、風力発電装置に使用して、高い効果をあげることができ、また水力発電装置に効率良く利用することができる。
1.縦軸ロータ
2.支柱
3.発電機
4.縦主軸
4A.主部
4B.細軸
5.縦長ブレード
5A.ほぼ垂直な主部
5B.上内向弧曲部
5C.下内向弧曲部
5D.前縁(正面)
5E.後縁(背面)
5F.右側面
5G.左側面
5H.先端面
6.取着部材
7.中間取着部材
8.環状取着部材
9.制御盤
10.街灯
11.太陽光発電器
12.アンテナ
K.迎角
S.内側基準線
T.回転円弧

Claims (1)

  1. 支柱上に固定された発電機の上部に回転可能に立設された縦主軸に1個の円盤状の中間取付部材が固定されており当該中間取付部材における放射方向へ突出する水平で複数の支持腕の各先端に、複数の揚力型の縦長ブレードの各ほぼ垂直な主部における高さの中間の内側面が固定され、かつ該各ほぼ垂直な主部の横断面におけるその前縁と後縁が、前記縦主軸を中心とする前記ほぼ垂直な主部の回転円弧T上に位置するように配置され、前記各ほぼ垂直な主部の上部にそれぞれ連続して形成される先端を縦軸方向へ弧曲する上内向弧曲部の先端部は、前記縦軸の上部にそれぞれ固定された取付部材にその先端部の前縁が、後縁よりも上向きに傾斜するように固定され、前記各ほぼ垂直な主部の下部にそれぞれ連続して形成された先端を縦軸方向へ弧曲する各下内向弧曲部の先端部は、前記発電機を支持する支柱の外周に水平に配置される環状取付部材にその先端部の前縁が後縁よりも下向きに傾斜するように一体に固定され、前記各縦長ブレードの弦長は上下に同長とし、
    前記各上下の内向弧曲部は、前記各ほぼ垂直な主部との境界部分から各上下内向孤曲部の先端部へかけて、それぞれ縦主軸に近づくに従って、各ほぼ垂直な主部の回転方向に対して、各上下内向孤曲部における各前縁を後縁よりも次第に外側向き傾斜とし、前記各上下の内向弧曲部の先端面は、その先端面における前縁を、後縁よりも外向きに傾斜させてなることを特徴とする縦軸ロータ。
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