JP6836339B2 - 可変風量装置 - Google Patents
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Description
しかしながら、上述したような従来の構成では、送風ダクトを受ける筒状の受け具内に、さらに着脱ダクトが設置されているため、着脱ダクトの分だけ流路の内径が小さくなり、圧損が増加し、最大風量も減少するという課題があった。
この発明の実施の形態1に係る可変風量装置1は、天井裏、あるいは、床下等、部屋の外においてダクト等の空気搬送路に接続された通風路内に取り付けられ、通風路経由で室内に送風される空気量を調整する。
なお、この実施の形態1において、ダンパ全閉状態とは、ダンパ11の面が、通風路内の空気の流れに対して垂直に向けられた状態をいい、ダンパ全開状態とは、ダンパ11の面が、通風路内の空気の流れに対して水平に向けられた状態をいう。この実施の形態1において、ダンパ11が通風路内の空気の流れに対して垂直に向けられた状態とは、略垂直に向けられた状態であることを含み、ダンパ11が、通風路内を流れる空気を、その構造・構成において最も妨げられる程度に向けられていればよい。また、この実施の形態1において、ダンパ11が通風路内の空気の流れに対して水平に向けられた状態とは、略水平に向けられた状態であることを含み、ダンパ11が、通風路内を流れる空気を、当該空気の流れをその構造・構成において極力妨げることなく最も通過させられる程度に向けられていればよい。
ダンパ11は、通風路内を流れる空気の吹出し開口面積を調整する。
モータ12は、ダンパ11を回転駆動させるためのトルクを発生させる。
リンク機構15は、ベースブラケット13の開口部(図示省略)を貫通して設置されているモータ12の回転軸(後述する図2参照)にその一端を接続して、モータ12の回転軸を中心に回動自在に保持され、他端がダンパ11に回動可能に接続され、モータ12が発生させたトルクによりダンパ11を回転駆動させる。具体的には、リンク機構15は、リンク部材15aとリンク部材15bとからなり、リンク部材15aとリンク部材15bとが摺動体としての連結軸15cによって回動可能に連結され、リンク部材15a,15bの、連結軸15cと反対側の一端が、それぞれ、モータ12の回転軸とダンパ11とに回動可能に接続される。連結軸15cは、図示していないが、段付きネジ(段部の外周部で摺動)、あるいは、カラー(カラーの外周部で摺動)とそれを貫通するネジなどから構成される。また、リンク部材15a,15bは樹脂で構成しているが、金属など他の材質で構成することもできる。
なお、ここでは、リンク機構15は、上述のように、リンク部材15aとリンク部材15bとからなり、リンク部材15aとリンク部材15bとが連結軸15cによって回動可能に連結される構成としたが、これは一例に過ぎず、リンク機構15は、一端をモータ12の回転軸に接続して、モータ12の回転軸を中心に回動自在に保持され、他端がダンパ11に回動可能に接続されて、モータ12が発生させたトルクによりダンパ11を回転駆動可能な構成になっていればよい。
ここで、図2は、実施の形態1おいて回動駆動部を構成するモータ12の構成の一例を説明する図である。
図2に示すように、この実施の形態1において、モータ12は、ギア付ステッピングモータとする。これにより、モータ12は、電圧パルス、あるいは、電流パルス入力数のみでダンパ11の動作角度を設定でき、ギアによって、回転トルク、および、電源オフ(無励磁)状態におけるダンパ角度を保持するトルクを大きくすることができる。
ベースブラケット13は、ダンパ11を保持する回動ガイド部14と、リンク機構15に接続されて回動駆動部を構成するモータ12とを保持する。この実施の形態1において、ベースブラケット13は、L字形状となるよう形成される。これにより、ベースブラケット13の強度を強くすることができ、変形を抑制することができる。
ベースブラケット13は、L字を形成するベースブラケット13のそれぞれの面が、ダンパ全閉状態において、ダンパ11の表面と直交するように、ダンパ11を保持する。
この実施の形態1では、回動ガイド部14が保持されるほうの面の長手方向の端部に設けられた接続部16を、回動ガイド側接続部16aとし、ベースブラケット13の、モータ12が保持されるほうの面の長手方向の端部に設けられた接続部16を、モータ側接続部16bとする。
接続部16は、通風路の内壁に2箇所設けられた接続部とそれぞれ接続される。通風路の内壁に設けられた接続部、および、接続方法については後述する。
なお、上述した接続部16の形成方法は一例にすぎず、その他の方法で接続部16が形成されるものであってもよく、接続部16が、通風路の内壁に設けられた接続部と接続されるようになっていればよい。
例えば、ダンパ11が、図1Aに示すように全閉状態から、制御部の制御に基づき、モータ12がトルクを発生させると、リンク部材15aがモータ12の回転軸を中心に図1A上時計回転方向に回動する。これに伴い、連結軸15cでリンク部材15aと摺動可能に接続されたリンク部材15bも引っ張られて図1A上時計回転方向に回動し、リンク部材15bの他端に接続され、回動ガイド部14により回動自在に保持されたダンパ11を開き方向へ回動させることができる。
そこで、この実施の形態1に係る可変風量装置1では、上述のように、ダンパ11を90度回転可能とし、ダンパ11を回転可能に保持する回動ガイド部14をベースブラケット13で保持させるようにした。
また、ダンパ11を回動駆動させる回動駆動部も、少なくとも90度回転できれば良い構造とし、具体的には、モータ12を、ベースブラケット13に取り付けられるようにし、モータ12の回転軸にその一端が接続されモータ12のトルクにより回動するリンク機構15が、直接ダンパ11と接続されるようにした。
これにより、着脱ダクト、および、着脱ダクトの外側でダンパの回転軸とダンパモータの回転軸とを回転歯車の噛み合わせにより回転結合させるような構成を不要としている。
その結果、着脱ダクトが不要になるため、着脱ダクトの分だけ流路の内径が小さくなることがなく、圧損が増加することを抑制し、最大風量が減少することも抑制することができる。また、通風路の外側に回動駆動部を配置する必要がなくなり、通風路内からのメンテナンスなどが可能とすることができる。
また、モータ12とダンパ11との接続においてリンク機構15を用いているため、取り付けのずれ等に対する許容度や設計自由度を大きくすることができる。
予め設定された隙間とは、ダンパ11の外周と通風路の内壁面との間に必要最低換気風量を流すことができるだけの間隔であればよい。
例えば、内径約φ150mmのダクトが接続される筒状の空気搬送路接続装置21(外形約φ148mm、内径約φ146mm。空気搬送路接続装置21については、図3等を用いて後述する)においては、ダンパ直径は約φ140mmに設定される。つまり、ダンパの外周と通風路の内壁面との間に必要最低換気風量を流すことができる隙間は、3mm程度に設定される。この隙間の面積は、通風路(空気搬送路接続装置21の内側)の断面積の10%程度に設定されている。気密住宅などで決められている必要最低換気風量は、例えば、4畳半(天井高さ2.5m)の部屋における最低換気量は、約10m3/hである。なお、この隙間は、ダンパの設置ずれや通風路の歪みなどによるダンパと通風路内壁の接触を防止する目的も兼ねている。
このように、ダンパ11の外周と通風路の内壁面との間に予め設定された隙間が設けられるようにすることで、ダンパ11の状態にかかわらず、気密住宅などで決められている必要最低換気風量を確保することができる。
なお、上述の隙間は必ず必要なものではなく、全閉時に風量がほぼゼロになるような構造にしてもよい。例えば、ダンパ形状を楕円にして通風路内壁に接触させて閉め切れるようにしたり(不図示)、通風路内壁に沿った突起部を形成してダンパを押し当てて閉め切れるようにしてもよい(不図示)。
図3は、この発明の実施の形態1に係る可変風量装置1の、空気搬送路接続装置21への取り付け方法の一例を説明する図であって、図3Aは、可変風量装置1が空気搬送路に接続される空気搬送路接続装置21へ取り付けられる直前の状態を説明する図であり、図3Bは、可変風量装置1が空気搬送路に接続される空気搬送路接続装置21へ取り付けられた状態を説明する図である。
なお、ここでは、空気搬送路とは、ダクト等、空調機からの空気を搬送する通風路のことをいう。
ダクト等の空気搬送路には、当該空気搬送路を受ける筒状の空気搬送路接続装置21が取り付けられ、当該空気搬送路接続装置21に可変風量装置1が取り付けられる。
図3Aに示すように、空気搬送路接続装置21の内周面には、中央側に突起した接続部22が設けられる。接続部22は、ここでは、ネジ穴を有するものとし、ネジ留め等により、空気搬送路接続装置21の内周面に取り付けられるものとする。
なお、接続部(第2の接続部)22は、空気搬送路接続装置21の内周の中心と可変風量装置1のダンパ11の中心とが同軸上になるように空気搬送路接続装置21と可変風量装置1とを対向させて配置した状態で、可変風量装置1のベースブラケット13の長手方向端部に設けられた回動ガイド側接続部16aおよびモータ側接続部16bにそれぞれ対向する位置に2箇所設けられる。
ここでは、可変風量装置1の回動ガイド側接続部16aと対向する接続部22を、空気搬送路接続装置21の回動ガイド側接続部22a、可変風量装置1のモータ側接続部16bと対向する接続部22を、空気搬送路接続装置21のモータ側接続部22bとする。
可変風量装置1を空気搬送路接続装置21に取り付ける際は、空気搬送路接続装置21の回動ガイド側接続部22aと可変風量装置1の回動ガイド側接続部16aの位置をあわせ、ネジ31aにスプリングワッシャ32a、ワッシャ33aを、スプリングワッシャ32a、ワッシャ33aの順に嵌め、当該スプリングワッシャ32aおよびワッシャ33aを嵌めたネジ31aを可変風量装置1側から締め付けて、回動ガイド側接続部16aを回動ガイド側接続部22aに固定する。
また、空気搬送路接続装置21のモータ側接続部22bと可変風量装置1のモータ側接続部16bの位置をあわせ、ネジ31bにスプリングワッシャ32b、ワッシャ33bを、スプリングワッシャ32b、ワッシャ33bの順に嵌め、当該スプリングワッシャ32bおよびワッシャ33bを嵌めたネジ31bを可変風量装置1側から締め付けて、モータ側接続部16bをモータ側接続部22bに固定する。
これにより、可変風量装置1が、空気搬送路接続装置21に取り付けられる。
具体的には、可変風量装置1のダンパ11と回動ガイド部14、および、ベースブラケット13の一部と、モータ12の一部と、リンク機構15の一部とが、空気搬送路接続装置21内に収納される。なお、可変風量装置1が機能するには、少なくともダンパ11が、空気搬送路接続装置21内に収納されていればよい。
このように、筒状の空気搬送路接続装置21が、空調機と接続されるダクト等の空気搬送路との接続のための部品と、風量を制御する可変風量装置1の通風路としての構成部品を兼ねることができ、着脱ダクト等を必要としない分、ダンパ11の取り付けの際の部品点数を削減することができる。
このように、可変風量装置1は、ネジ2本によって、空気搬送路接続装置21に容易に取り付け、あるいは、取り外しを行うことができる。
図4Aは、吹出しユニット41の外観図であり、図4Bは、可変風量装置1が空気搬送路接続装置21に取り付けられ、ダンパ全開状態となっている吹出しユニット41を、空気搬送路側からみた斜視図であり、図4Cは、可変風量装置1が空気搬送路接続装置21に取り付けられ、ダンパ全開状態となっている吹出しユニット41を、室内への空気の送出口側からみた斜視図であり、図4Dは、図4Cにおいて、可変風量装置1をダンパ全閉状態とした図である。
図4Aに示すように、吹出しユニット41は、隔壁で囲まれた内部空間と、壁部に形成された第1の開口部42、第2の開口部43を有する。ここでは、第1の開口部42が形成される壁部を第1の壁部、第2の開口部43が形成される壁部を第2の壁部ともいうものとする。
第1の壁部の外側には、空調機からの空気搬送路と接続される、筒状の空気搬送路接続装置21が、例えば、ネジ留め等により取り付けられ、第1の開口部は、当該空気搬送路接続装置21からの空気を、吹出しユニット41内部に取り込むための流入口である。なお、図4B〜図4Dに示すように、第1の開口部42の内周は、空気搬送路接続装置21の内周と略同じになるようにする。
第2の開口部は、室内に送風を行うための吹き出し口であり、空気搬送路接続装置21からの空気を室内に送出するための吹き出し口である。
なお、第2の開口部43には、格子状のグリル44が着脱可能に嵌めこまれている。
このように、室内に向けて開口している第2の開口部43を利用して可変風量装置1の取り外し、取り付け、あるいは、メンテナンスを行うことができるので、例えば、天井等に、可変風量装置1の着脱あるいはメンテナンスのための点検口を設ける必要がなく、点検口設置のための面倒な工事を不要とし、天井等の外観を損なうこともなく、容易に可変風量装置1の取り外し、取り付け、あるいは、メンテナンスを行うことが可能となる。
また、ベースブラケット13の接続部16に対応する接続部22を、空気搬送路接続装置21内ではなく、吹出しユニット41内に設置してもよい。
可変風量装置1の制御部は、回動駆動部用回路で発生したパルス電圧、あるいは、パルス電流をモータ12に与えて、モータ12にトルクを発生させる。
また、可変風量装置1が備えるダンパ11についても、円形に限定されず、例えば、楕円、矩形等、通風路や空気搬送路接続装置21の断面にあわせた形状とすることができる。
11 ダンパ
12 モータ
13 ベースブラケット
14 回動ガイド部
14a,14b ガイド部材
14c 連結軸
15 リンク機構
15a,15b リンク部材
15c 連結軸
16 第1の接続部
16a,22a 回動ガイド側接続部
16b,22b モータ側接続部
21 空気搬送路接続装置
22 第2の接続部
31a,31b ネジ
32a,32b スプリングワッシャ
33a,33b ワッシャ
41 吹出しユニット
42 第1の開口部
43 第2の開口部
44 グリル
Claims (8)
- 通風路内に設置され、
前記通風路内を流れる空気の吹出し開口面積を調整するダンパと、
前記ダンパを回動自在に保持する回動ガイドと、
前記ダンパと接続され、前記ダンパを回動させて前記ダンパの角度を変化させるダンパ回動駆動部と、
前記回動ガイドを保持し、かつ前記ダンパ回動駆動部を保持するベースブラケット
とを備え、前記回動ガイドは、前記ベースブラケットの一部に設けられていることを特徴とする可変風量装置。 - 前記ベースブラケットの長手方向端部には第1の接続部が設けられ、
前記第1の接続部と、前記通風路の内周に前記第1の接続部と対向するように設けられた第2の接続部とによって、前記通風路に着脱可能に取り付けられる
ことを特徴とする請求項1記載の可変風量装置。 - 前記ベースブラケットはL字形状である
ことを特徴とする請求項1または請求項2記載の可変風量装置。 - 前記ダンパの面が前記通風路内の空気の流れに対し垂直に向けられた全閉状態において、前記ダンパの外周と前記通風路の内壁面との間には、設定された隙間が設けられる
ことを特徴とする請求項1から請求項3のうちのいずれか1項記載の可変風量装置。 - 前記通風路は、吹出しユニットに設置された筒状の空気搬送路接続装置であり、
少なくとも一部が前記空気搬送路接続装置に収納されて設置される
ことを特徴とする請求項1から請求項4のうちのいずれか1項記載の可変風量装置。 - 隔壁で囲まれた内部空間と、第1の壁部に形成され当該第1の壁部に取り付けられた前記空気搬送路接続装置からの空気を取り込むための第1の開口部と、第2の壁部に形成され前記空気搬送路接続装置からの空気を室内に送出するための第2の開口部とを有する吹き出しユニット内において、前記空気搬送路接続装置に収納されて設置される
ことを特徴とする請求項5記載の可変風量装置。 - 前記ダンパ回動駆動部は、
モータと、
一端が前記モータの回転軸に接続され、他端が前記ダンパに回動可能に接続されて、前記モータが発生させたトルクにより前記ダンパを回転駆動させるリンク機構とから構成される
ことを特徴とする請求項1から請求項6のうちのいずれか1項記載の可変風量装置。 - 前記モータは、ギア付ステッピングモータである
ことを特徴とする請求項7記載の可変風量装置。
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