JP6836164B2 - 高度不飽和脂肪酸含有フィリングの製造法 - Google Patents

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Description

本発明は、高度不飽和脂肪酸を含有するフィリングの製造法に関するものである。
EPA(エイコサペンタエン酸)、DHA(ドコサヘキサエン酸)に代表される高度不飽和脂肪酸は、魚油に多く含まれており、その各種生理効果が注目されている。
フィリングの例ととして、クリームチーズ様食品がある。特許文献1では、「80℃で10分間混練した後、さらに10MPaの圧力下で均質化後、プラスティックフィルムチューブに充填、密封し5℃に急冷してクリームチーズ様食品を得た。」旨記載されている。
国際公開WO2010/073683号パンフレット
本発明は、異風味の発生が抑制された、高度不飽和脂肪酸を含有するフィリングを提供することを課題とする。
本発明者は、上記課題解決のため、鋭意検討を行った。
検討を進める中で、高度不飽和脂肪酸を乳化状態で原材料として使用することで、異風味の発生を抑制することができることを見出した。また、さらに検討を進めたところ、フィリングの製造において、通常であれば、製品における油脂の分離を抑えるため、均質化処理を加熱処理の後に行うのが通常であるところ、加熱処理の前に均質化処理を行うことで、高度不飽和脂肪酸に由来する異風味の発生を抑制することができることを見出し、本発明を完成させた。
即ち、本発明は、
(1)以下の工程による、DHAとEPAの合計が0.01〜1重量%である、油脂を10〜35重量%含有するフィリングの製造法、
1 フィリングの原材料を混合する工程、
2 40〜55℃、5〜50分間加熱処理する工程、
3 高圧ホモゲナイザーにより3〜25MPaにて均質化する工程、
4 70℃〜95℃、1分〜5分で加熱殺菌する工程、
(2)DHAとEPAを含む油脂が、乳化状態で原材料として使用されることを特徴とする、(1)記載の製造法、
(3)加熱殺菌工程の後は、均質化工程を行わないことを特徴とする、(1)又は(2)に記載の製造法、
に関するものである。
本発明により、異風味の発生が抑制された、高度不飽和脂肪酸を含有するフィリングを得ることができる。
本発明で使用するEPA(エイコサペンタエン酸)、DHA(ドコサヘキサエン酸)は、これらの1以上を構成脂肪酸として含むトリグリセリド(以下、PUFA油と称する)として使用する。該トリグリセリドとしては、魚油のほか、藻類由来の油脂を使用することができる。
本発明に係るフィリングにおいては、DHAとEPAの合計が0.01〜1重量%である必要があり、この量はより望ましくは0.02〜0.5重量%であり、更に望ましくは0.03〜0.3重量%である。適当な量のDHAとEPAを含有することで、異風味の発生が抑制された、高度不飽和脂肪酸を含有するフィリングを得ることができる。
なお、本発明において、DHA及びEPAの量は、脂肪酸としてガスクロマトグラフ法により測定される量である。
本発明に係るフィリングにおいては、油脂を10〜35重量%含有する必要がある。この量はより望ましくは15〜30重量%であり、更に望ましくは20〜30重量%である。適当な量のDHAとEPAを含有することで、異風味の発生が抑制された、高度不飽和脂肪酸を含有するフィリングを得ることができる。この油脂は、上記のPUFA油を含む、全油脂のことである。
本発明に係る製造法では、まず原材料を混合する。この際の混合法は特に問わず、食品製造において使用する各種のミキサー等を使用することができる。その際の加熱条件は、40〜55℃、5〜50分間である必要があり、望ましくは41℃〜54℃、5〜40分間であり、更に望ましくは42℃〜51℃、5〜30分間である。好ましい条件の加熱工程を行うことで、異風味の発生が抑制された、高度不飽和脂肪酸を含有するフィリングを得ることができる。
次に、本発明においては高圧ホモゲナイザーにより3〜25MPaにて均質化する必要がある。このときの圧力は4〜20MPaが好ましく、より好ましくは4.5〜18MPaである。適当な圧力で均質化することで、異風味の発生が抑制された、高度不飽和脂肪酸を含有するフィリングを得ることができる。
本発明においては、上記のような均質化を行った後に加熱殺菌工程を行うことに特徴がある。この際の加熱殺菌条件は、70〜95℃、1〜5分間である必要があり、望ましくは75〜90℃、1〜3分間であり、更に望ましくは80〜85℃、1〜2分間である。
なお、加熱殺菌工程の後に、再度均質化処理を行うことも可能であるし、加熱工程の後に均質化処理を行うことは一般的でもある。しかし、本発明においては、加熱工程後に均質化を行うよりも、むしろ行わない方が、好ましい風味のフィリングを得ることができる。すなわち本発明においては、加熱工程後の均質化は行わないことが望ましい。
本発明においてはまた、PUFA油を、乳化状態で原材料として用いることが望ましい。これは、実施例において「DHA,EPA乳化物」と表記した。
具体的には、PUFA油を含む乳化物を以下の工程で調製することが望ましい。
1 DHA及び/又はEPAを含有する油脂、及び融点が10〜42℃の油脂を25〜99.5重量%含有する油相を調製する工程。ここで、融点が10〜42℃の油脂は、DHAとEPAの合計量の0.8重量倍以上含有する。
2 油相の0.8〜280重量倍の水相を調製する工程。
3 該油相と該水相を混合し水中油型乳化油脂組成物とする工程。
上記乳化物の調製工程においては、融点が10〜42℃の油脂がラウリン系油脂であることが望ましく、また水相が、水溶性蛋白質が溶解したものであることが望ましい。
PUFA油を、乳化状態で原材料として用いることで、異風味の発生が抑制された、高度不飽和脂肪酸を含有するフィリングを得ることができる。
以下に実施例を記載する。
表1の配合にて、チーズフィリングを例に「○フィリングの調製法」に従い、フィリングを調製した。
調製条件のうち、高圧ホモゲナイズについては、表2に詳細を記載した。
得られたフィリングの風味を、「○フィリングの官能評価法」に従い、評価した。結果を表3に示した。
表1 配合
Figure 0006836164
・油脂には、不二製油株式会社製のハ゜ーム由来油脂を使用した。
・DHA、EPA乳化物には、所定の抗酸化処理された、EPA,DHAを含有する油脂を、その1.6重量倍のラウリン系油脂と混合後、全体を24重量倍の生乳で希釈、水中油型に乳化したものを使用した。本品には、DHAとEPAが合計0.5重量%含有していた。
○フィリングの調製法
1.「DHA,EPA乳化物」、「pH調整剤」以外の原材料をニーダーに入れ、60℃にて攪拌し、均一化した。
2.5〜10℃の「DHA,EPA乳化物」を添加して調合液の品温を45〜50℃とした。
3.pH調整剤にて、pHを5.30に調整した。
4.表2記載の「前ホモ圧」の条件に従い、高圧ホモゲナイザーによる均質化処理をおこなった。なお、「前ホモ圧」が0とされているものは、均質化のための圧力がゼロであることを示した。
5.80〜85℃、1〜3分間加熱処理した。
6.表2記載の「後ホモ圧」の条件に従い、高圧ホモゲナイザーによる均質化処理をおこなった。なお、「後ホモ圧」が0とされているものは、均質化のための圧力がゼロであることを示した。
7.容器に充填し、冷蔵した。
表2 フィリング調製時の加圧条件
Figure 0006836164
○フィリングの官能評価法
各フィリングのサンプル冷蔵状態にて21日間保管後、官能評価を実施した。
パネラー5名が試食し、合議にて、以下の基準にて採点した。
3点以上を合格とした。
5点 魚のような異臭を全く感じないもの。
4点 ごくわずかな魚のような異臭を感じるものの、十分許容できると判断されるもの。
3点 わずかな、魚のような異臭を感じるものの、許容できると判断されるもの。
2点 魚のような異臭を感じ、許容できないと判断されるもの。
1点 魚のような強い異臭を感じ、全く許容でいないと判断されるもの。
結果
Figure 0006836164
考察
結果に示したように、加熱工程の後に均質化工程をとるよりも、加熱工程より前に均質化工程をとることで、風味良好なフィリングが得られることが明らかとなった。また、均質化工程は、加熱工程の前後でとるよりも、加熱工程の前のみ行うことで、風味的には好ましかった。

Claims (3)

  1. 以下の工程による、DHAとEPAの合計が0.01〜1重量%である、油脂を10〜35重量%含有するフィリングの製造法。
    1 フィリングの原材料を混合する工程。
    2 40〜55℃、5〜50分間加熱処理する工程
    3 高圧ホモゲナイザーにより3〜25MPaにて均質化する工程。
    4 70℃〜95℃、1分〜5分で加熱殺菌する工程
  2. DHAとEPAを含む油脂が、乳化状態で原材料として使用されることを特徴とする、請求項1記載の製造法。
  3. 加熱殺菌工程の後は、均質化工程を行わないことを特徴とする、請求項1又は2に記載の製造法。
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