JP6835565B2 - 吸収体及びその製造方法 - Google Patents

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Description

本発明は吸収体に関する。本発明の吸収体は、吸収性物品用の吸収体として特に好適なものである。また本発明は吸収体の製造方法に関する。
吸収性物品の吸収体としては、パルプ等の吸水性繊維の積繊体や、該吸水性繊維と高吸収性ポリマーの粒子との混合物の積繊体などが広く用いられている。これらの材料からなる吸収体は、比較的嵩が大きいものであることから、薄型化や小型化を目指した吸収体が提案されている。そのような吸収体の例としては、高吸収性ポリマーと繊維状バインダとを液中に分散させ、分散液をシート状基材に塗布して得られるものが挙げられる(特許文献1〜3参照)。また、特許文献4には、高吸水性高分子、繊維及びアルキレンオキシド系高分子から構成される多孔質なスポンジ状構造の吸収体が開示されている。
特開平10−168230号公報 特開平9−299399号公報 特開2000−201975公報 国際公開第94/07599号パンフレット
これらの文献に記載の吸収体は、繊維成分を必須の要素としているために製造時や吸水時の反りの発生による変形が懸念される。吸収体に反りが生じると、吸収性物品の装着時に着用ものの身体に局所的な圧力が加わり、そのことに起因して違和感が発生し、着用感が低下する。
特に、特許文献4に記載の技術では、アルキレンオキシド系高分子を高吸収性高分子と繊維の結合剤として必須としており、その機能発現のために多量のアルキレンオキシド系高分子が必要となる。実際、同文献の実施例には吸水性樹脂に対して5倍質量のアルキレンオキシド系高分子を添加している。このことに起因して吸収体が硬くなったり、おむつなどの吸収性物品に当該吸収体を使用した場合には、装着時の違和感が生じたり、吸収性能の低下が生じると考えられる。また、同文献に記載の吸収体はスポンジ状の構造と記載されていることから、嵩高いものとなってしまい、厚みが大きくなってしまうと考えられる。更に、同文献に記載のスポンジ状の構造の吸収体は、高吸収性高分子に対して細孔の割合が多いと考えられ、吸収体が吸水後に加圧すると液が表面に戻ることが推測でき、使用者に不快感を与える可能性がある。
したがって本発明の課題は吸収体の改良にあり、更に詳しくは薄型であって且つ反りが生じにくく柔軟性の高い吸収体及びその製造方法を提供することにある。
本発明は基材シートと、該基材シート上に吸収性コアを有する吸収体であって、前記吸収性コアは、吸水性樹脂、非繊維状の水溶性高分子及び多価アルコールを含み、前記吸水性樹脂は、前記吸収性コアに対して40質量%以上95質量%以下含まれ、前記非繊維状の水溶性高分子は、前記吸水性樹脂に対して0.1質量%以上5質量%以下含まれ、前記多価アルコールは、前記非繊維状の水溶性高分子に対して110質量%以上1500質量%以下含まれる、吸収体を提供するものである。
また、本発明は基材シートと、該基材シート上に吸収性コアとを有する吸収体であって、前記吸収性コアは、(a)吸水性樹脂、(b)ポリビニルピロリドン、ポリビニルブチラール及びデキストリンから選ばれる1種以上、及び(c)グリセリン、プロピレングリコール及びポリエチレングリコールから選ばれる1種以上を含み、縦方向と横方向の少なくとも一方における曲げ剛性が30g/20mm以下である吸収体を提供するものである。
また本発明は、前記の吸収体の好適な製造方法として、吸水性樹脂、非繊維状の水溶性高分子及び多価アルコールを、溶媒に分散又は溶解させた塗料を調製し、該塗料を基材シートの一面に塗布して塗布体を形成し、該塗布体を乾燥させて該塗布体の乾燥体である吸収性コアを該基材シートに固定化させる、吸収体の製造方法を提供するものである。
本発明によれば、柔軟性が高く、反りの発生が抑制された吸収体が提供される。特に、吸収性物品用の吸収体として用いた場合に、フィット性が良好であり、装着時に違和感が発生しづらい吸収体が提供される。
また本発明によれば、薄く、反りの発生が抑制された吸収体を容易に製造することができる。
図1は、本発明の吸収体の製造に好適に用いられる装置を示す斜視図である。 図2(a)及び(b)はそれぞれ、本発明の吸収体の製造に好適に用いられる別の装置を示す斜視図である。
以下本発明を、その好ましい実施形態に基づき説明する。本発明の吸収体は、基材シートと、該基材シートの少なくとも一面上に位置する吸収性コアとを備えるものである。基材シートは、吸収性コアを保持して吸収体の保形性を高めたり、吸収体の取り扱い性を高めたりする目的で用いられる。また基材シートは、後述する方法で吸収性コアを製造するときの塗布基材としても用いられる。一方、吸収性コアは、吸収体における主たる吸液部位であり、液体を吸収して保持する機能を有する。
基材シートとしては、吸収性コアを保持し得る材料のものが用いられる。基材シートは、液透過性であってもよく、あるいは液不透過性〜液難透過性であってもよい。基材シートは、例えば不織布、紙、織布、及びフィルムなどから構成することができる。これらの2種以上の材料の積層体を基材シートとして用いてもよい。液を平面方向又は吸収性コア方向に拡散させる観点からは、基材シートは液透過性の繊維シートからなることが好ましい。
不織布としては、各種の製造方法で得られるものを特に制限なく用いることができる。不織布の例としては、スパンレース不織布、スパンボンド不織布、エアスルー不織布、メルトブローン不織布、ニードルパンチ不織布及びレジンボンド不織布などが挙げられる。これらの不織布は、それぞれ単独で用いることができ、あるいは2種以上の不織布の積層体の形態で用いることもできる。
織布としては、種々の繊維組織を有するものを用いることができる。紙としては、抄紙可能な繊維を原料とし、湿式抄紙法又は乾式抄紙法によって得られたものを用いることができる。フィルムとしては、例えばTダイ法やインフレーション法によって成形され、一軸又は二軸延伸されて得られたものを用いることができる。
基材シートを構成する前記の各種の材料は、例えば各種の熱可塑性樹脂などの合成高分子材料や、パルプ等のセルロースなどの天然高分子材料を用いることができる。熱可塑性樹脂としては、例えばポリエチレン(PE)やポリプロピレン(PP)等のポリオレフィン繊維、ポリエチレンテレフタレート(PET)やポリブチレンテレフタレート(PBT)等のポリエステル繊維、ポリアクリル酸やポリメタクリル酸エステル等のポリアクリル酸系繊維、ポリスチレンやポリ塩化ビニル等のビニル系繊維などを用いることができる。これらの樹脂は単独で用いてもよく、あるいは2種以上をブレンドして用いてもよい。これらの樹脂から繊維を形成する場合には、単一樹脂の繊維を形成してもよく、あるいは芯鞘型やサイドバイサイド型の複合繊維を形成してもよい。
基材シートは、吸収体コアを保持した吸収体の保形性や吸収体の取り扱い性の観点から、その坪量が10g/m以上であることが好ましく、15g/m以上であることが更に好ましく、20g/m以上であることが一層好ましい。また基材シートは、吸収体の薄さ及び柔軟性の観点から、70g/m以下であることが好ましく、65g/m以下であることが更に好ましく、60g/m以下であることが一層好ましい。具体的には、基材シートは、その坪量が10g/m以上70g/m以下であることが好ましく、15g/m以上65g/m以下であることが更に好ましく、20g/m以上60g/m以下であることが一層好ましい。特に、上述した坪量範囲の液透過性の基材シートであることが好ましい。
基材シートの少なくとも一面上には吸収性コアが位置する。吸収性コアは、基材シートと直接に接した状態で該基材シート上に位置していてもよく、あるいは、基材シートと吸収性コアとの間に1又は2以上の部材や層が介在した状態で、基材シートと吸収性コアとが間接的に隣接していてもよい。
吸収性コアは、薄型であることを特徴の1つとしている。吸収性コアが薄型であることに起因して、吸収体はその全体が柔軟性を有するものとなる。吸収体の柔軟性を十分に高める観点から吸収性コアは、その厚みが5mm以下であることが好ましく、4.5mm以下であることが更に好ましく、4mm以下であることが一層好ましい。また、薄型であるにもかかわらず十分な吸収性能を発現させる観点から、その厚みが0.3mm以上であることが好ましく、0.4mm以上であることが更に好ましく、0.5mm以上であることが一層好ましい。具体的には、吸収性コアは、その厚みが0.3mm以上5mm以下であることが好ましく、0.4mm以上4.5mm以下であることが更に好ましく、0.5mm以上4mm以下であることが一層好ましい。
吸収性コアは、その構成材料として、吸水性樹脂、非繊維状の水溶性高分子及び多価アルコールを含んでいる。これらの材料から吸収性コアを構成することで、該吸収性コアを薄型のものとすることができるとともに、従来の薄型の吸収性コアに生じていた反りの問題を解消することができる。以下、各材料についてその詳細を説明する。
吸水性樹脂は、吸収性コアにおける主たる吸水材料としての役割を果たすものである。吸水性樹脂は、水との接触によって膨潤して水を吸収保持し得る材料からなる。吸水性樹脂は、自重の20質量倍以上の水を吸収して保持できるものであることが好ましい。また、吸水性樹脂は、対象物が尿であれば自重の20倍以上、特に30倍以上を吸収・保持できるものが好ましく、血液であれば1倍以上、好ましくは3倍以上を吸収・保持できるものが好ましい。なお、吸収性樹脂における水の吸収・保持の上限値に特に制限はないが、自重の1000質量倍を上限の目安とすることができる。吸水性樹脂としては、各種のヒドロゲル材料、例えばアクリル酸若しくはアクリル酸アルカリ金属塩の重合体又は共重合体の架橋物、ポリアクリル酸及びその塩並びにポリアクリル酸塩グラフト重合体の架橋物、デンプン又はカルボキシメチル化セルロースの架橋物、デンプン−アクリル酸塩グラフト共重合体の加水分解生成物の架橋物、ビニルアルコール−アクリル酸塩共重合体の架橋物、無水マレイン酸グラフトポリビニルアルコールの架橋物、架橋イソブチレン−無水マレイン酸共重合体、酢酸ビニル−アクリル酸エステル共重合体のケン化物等を用いることができる。これらの吸水性樹脂は1種を単独で又は2種以上を組み合わせて用いることができる。
吸水性樹脂は、一般に粒子状のものが用いられるが、繊維状のものでもよい。粒子状の吸水性樹脂を用いる場合、その形状は球状、塊状、俵状又は不定形のいずれでもよい。粒子状の吸水性樹脂を用いる場合、その粒径は、レーザー回折式粒度分布法で測定した累積体積50%での粒径D50が15μm以上であることが好ましく、20μm以上であることが更に好ましく、25μm以上であることが一層好ましい。また、粒径D50が400μm以下であることが好ましく、350μm以下であることが更に好ましく、300μm以下であることが一層好ましい。具体的には、粒径D50は15μm以上400μm以下であることが好ましく、20μm以上350μm以下であることが更に好ましく、25μm以上300μm以下であることが一層好ましい。
吸水性樹脂は、吸収性コアの吸収性能を十分に高める観点から、吸収性コア中に、40質量%以上含まれていることが好ましく、45質量%以上含まれていることが更に好ましく、50質量%以上含まれていることが一層好ましい。また、吸収性コアの柔軟性の観点から、吸収性コア中に、95質量%以下含まれていることが好ましく、90質量%以下含まれていることが更に好ましく、85質量%以下含まれていることが一層好ましい。具体的には、吸水性樹脂は、吸収性コア中に、40質量%以上95質量%以下含まれていることが好ましく、45質量%以上90質量%以下含まれていることが更に好ましく、50質量%以上85質量%以下含まれていることが一層好ましい。
吸収体中に含まれる吸収性コアの含有割合に関連して、吸収体の面積に占める吸収性コアの割合は、吸収体の吸収能力を十分に高める観点から50面積%以上であることが好ましく、60面積%以上であることが更に好ましく、70面積%以上であることが一層好ましい。また吸収性コア中の液の拡散性の観点から吸収体の面積に占める吸収性コアの割合は、100面積%以下であることが好ましく、95面積%以下であることが更に好ましく、90面積%以下であることが一層好ましい。具体的には、吸収体の面積に占める吸収性コアの割合は、50面積%以上100面積%以下であることが好ましく、60面積%以上95面積%以下であることが更に好ましく、70面積%以上90面積%以下であることが一層好ましい。なお、「吸収体の面積」及び「吸収性コアの面積」とは、基材シート上に吸収性コアが設けられた側の面におけるそれぞれの面積のことである。吸収体の面積に占める吸収性コアの割合が100面積%であるとは、吸収性コアが基材シートの全面に配されていることである。
吸収体の面積に占める吸収性コアの割合は、以下に述べる方法で測定される。基材シートの長手方向及び幅方向の長さを測定し、面積を算出する。そして、基材シート上の吸収性コアの長手方向及び幅方向の長さを測定し面積を算出する。吸収性コアの面積と基材シートの面積の比率を計算し、割合を求める。
吸収性コアに含有される非繊維状の水溶性高分子は、主として、前記の吸水性樹脂を吸収性コア内に固定化する目的で用いられる。「非繊維状の水溶性高分子」とは、例えば上述した特許文献1〜3に記載されているセルロースのミクロフィブリルなどの、吸液後も繊維状の形態を維持する高分子を本発明の範囲から除外することを意味している。したがって、吸液前の状態は繊維状であっても、吸液によって水に溶解して非繊維状の形状となる水溶性高分子は、本発明に言う非繊維状の水溶性高分子に包含される。なお、「水溶性」とは、25℃の水100gに対する溶解度が好ましくは1g以上のことであり、更に好ましくは5g以上のことであり、一層好ましくは10g以上のことである。測定方法としては、100mLのガラスビーカー(5mmΦ)に対象物を所定量、25℃の50mLイオン交換水に添加混合し、長さ20mm、幅7mmのスターラーチップを入れ、アズワン株式会社製マグネチックスターラーHPS−100を用いて600rpm攪拌する。添加した対象物の全量が24時間以内に水に溶解すれば、対象物がその所定量の2倍の「水溶性」を有する、と判断する。なお、本発明において、さらに好ましい溶解性としては、全量が3時間以内に水に溶解することが好ましく、全量が30分以内に水に溶解することがさらに好ましい。
前述した特許文献1〜3のような、従来知られている薄型の吸収体に反りが発生する原因を本発明者が検討したところ、吸収体中に含まれているバインダとしてのミクロフィブリル状のセルロース(以下「MFC」とも言う。)が反りの発生に関連していることが推測された。詳細には、MFCは水素結合によってMFCどうしやMFCと吸水性樹脂とを固定化させている。したがって、吸収体を製造するときや液の吸収時に、保水や蒸発による水の移行が起こると、水素結合している繊維が変形し易くなる。その結果、吸収体に歪みが生じ、反りが発生すると考えられる。また、吸収体が吸水した直後はMFCによる水素結合は直ちに切れないことから、吸水性樹脂の膨潤に伴ってMFCごと変形し、ひいては吸収体自体に反りが発生してしまうものと考えられる。
これに対して本発明の吸収体においては、吸収性コアに非繊維状の水溶性高分子を含有させ、該高分子をバインダとして用いている。このことに起因して、本発明の吸収体は、その製造時や吸液時に吸収性コア中で水の移行が生じても、反りの発生を効果的に抑制することができる。しかも、非繊維状の水溶性高分子は水との接触によって溶解するので、そのことに起因して吸液時に吸収性コアが外力に追従して変形し易くなるという利点もある。
一方、前述した特許文献4のように、吸水性樹脂と繊維を結合するためにバインダ成分を使用する場合には、多量のバインダ成分が必要となってしまい、結果として吸水性樹脂表面をバインダ成分が覆ってしまい、吸水性樹脂による吸水性能が発現しにくくなってしまう。特許文献4の技術では、繊維によって多孔質なスポンジ状の構造を得て、多孔質部分に液を保持することはできるものの、体圧が加わると、体液は保持しきれず、漏れ出てしまう。
本発明において、非繊維状の水溶性高分子を用いることに起因する上述の種々の利点を一層顕著なものとする観点から、該非繊維状の水溶性高分子は吸収性コア中に、吸収性樹脂に対して0.1質量%以上含まれることが好ましく、0.3質量%以上含まれることが更に好ましく、0.5質量%以上含まれることが一層好ましい。同様の理由によって、非繊維状の水溶性高分子は吸収性コア中に、吸収性樹脂に対して5質量%以下含まれることが好ましく、4質量%以下含まれることが更に好ましく、3質量%以下含まれることが一層好ましい。具体的には、非繊維状の水溶性高分子は、吸収性コア中に、吸収性樹脂に対して0.1質量%以上5質量%以下含まれることが好ましく、0.3質量%以上4質量%以下含まれることが更に好ましく、0.5質量%以上3質量%以下含まれることが一層好ましい。なお、「吸収性樹脂に対する非繊維状の水溶性高分子の比率」は、吸収性コア中に含まれる吸収性樹脂の質量を分母とし、非繊維状の水溶性高分子を分子として算出される比率のことである。
また、非繊維状の水溶性高分子を用いることに起因する上述の種々の利点を一層顕著なものとする観点から、該水溶性高分子としては、例えばポリビニルピロリドン、ポリビニルアルコール、ポリビニルブチラール、デキストリン、ポリエチレンオキシド、水溶性ナイロンなどが挙げられ、これらの中でも、ポリビニルピロリドン、ポリビニルブチラール及びデキストリンから選ばれる1種以上が好ましい。これらの非繊維状の水溶性高分子は、1種を単独で、又は2種以上を組み合わせて用いることができる。これらの非繊維状の水溶性高分子のうち、特に水及びアルコール類への可溶性やバインディング力の観点から、ポリビニルピロリドン、中でもK−15、K−30、K−60又はK−90のグレードのポリビニルピロリドンを用いることが好ましい。
非繊維状の水溶性高分子を用いることとの関連で、本発明の吸収体においては、吸収性コアが繊維材料を非含有であることが好ましい。これによって、吸収体に反りが発生することが一層効果的に防止される。繊維材料とは、太さDに対して長さLが十分に長い形状を有する変形可能な材料のことである。例えばL/Dの値が3以上である形状を有する材料は繊維材料の範疇に含まれる。
上述した吸水性樹脂及び非繊維状の水溶性高分子に加えて吸収性コアに含有される成分である多価アルコールは、主として吸収性コアに柔軟性を付与する目的で用いられる。多価アルコールは、前記の非繊維状の水溶性高分子よりも濡れ性(水和性)が高いものであることが、吸収コア中での液の拡散性が良好になる点から好ましい。濡れ性(水和性)の高低は、例えば平滑なガラス板の上に一定の面積の円状に広げた多価アルコールに、定量の水を垂らしたときのある一定時間における水の広がる面積によって判定できる。水の広がる面積が大きいほど、濡れ性(水和性)が高いと判定でき、水の広がる面積が小さいほど、濡れ性(水和性)が低いと判定できる。具体的な判定方法の例としては、例えば平滑なガラス板の上に多価アルコールをできる限りムラのないよう50mm角に広げる。そして多価アルコール面の中心部に水1滴(50μm)を垂らしてから、5秒後の面積を測定する。面積は画像として取り込んで計測してもよい。
多価アルコールとしては、脂肪族多価アルコール及び芳香族多価アルコールのいずれを用いることもできる。これらのうち、吸収性コアの柔軟性が更に一層向上する観点から、脂肪族多価アルコールを用いることが好ましい。脂肪族多価アルコールとしては、飽和脂肪族多価アルコール及び不飽和脂肪族多価アルコールを用いることができる。特に飽和脂肪族多価アルコールを用いることが、吸収性コアの柔軟性が更に一層向上する観点から好ましい。飽和脂肪族多価アルコールとしては、例えばグリセリン、プロピレングリコール及びポリエチレングリコールから選ばれる1種以上などを用いることができ、これらの1種又は2種以上を配合することができる。これらのうち、特にグリセリンを用いることが好ましい。
吸収性コアに柔軟性を付与する観点から、多価アルコールは吸収性コア中に、非繊維状の水溶性高分子に対して110質量%以上含まれることが好ましく、200質量%以上含まれることが更に好ましく、300質量%以上含まれることが一層好ましい。同様の理由によって、多価アルコールは吸収性コア中に、非繊維状の水溶性高分子に対して1500質量%以下含まれることが好ましく、1250質量%以下含まれることが更に好ましく、1000質量%以下含まれることが一層好ましい。具体的には、多価アルコールは、吸収性コア中に、非繊維状の水溶性高分子に対して110質量%以上1500質量%以下含まれることが好ましく、200質量%以上1250質量%以下含まれることが更に好ましく、300質量%以上1000質量%以下含まれることが一層好ましい。
本発明において、好ましい実施形態の具体例としては、基材シートと、該基材シート上に吸収性コアとを有する吸収体であって、前記吸収性コアは、(a)吸水性樹脂、(b)ポリビニルピロリドン、ポリビニルブチラール及びデキストリンから選ばれる1種以上、及び(c)グリセリン、プロピレングリコール及びポリエチレングリコールから選ばれる1種以上を含み、縦方向と横方向の少なくとも一方における曲げ剛性が30g/20mm以下である吸収体である。当該吸収体としては、特に、縦方向と横方向の双方の曲げ剛性が30g/20mm以下であることが好ましい。更に、当該吸収体としては、反り度が4mm以下であることが好ましい。曲げ剛性及び反り度は、後述の実施例に記載の方法により測定することができる。
吸収性コアには、以上の成分に加え、必要に応じて該吸収性コアの各種の性能を向上させ得る成分を含有させることもできる。そのような成分としては、例えば増粘剤、pH調整剤などが挙げられる。
本発明の吸収体においては、吸収性コアは、基材シートの少なくとも一面上に隙間なく連続して形成されていてもよく、あるいは基材シートの表面のうちの一部が露出するように形成されていてもよい。例えば基材シートが矩形のものである場合、左右の両側部域間の領域にのみ吸収性コアを形成することができる。あるいは、吸収性コアを、一方向に筋状に延びるように複数条形成し、隣り合う吸収性コア間の領域において基材シートの表面が露出するようにしてもよい。更に、吸収性コアを市松模様状に配置してもよい。
吸収性コアの平面視での形状が上述のいずれの場合であっても、吸収性コアの厚みは、上述した値であることが好ましい。
吸収性コアの厚みは以下の方法で測定される。すなわち、測定対象部位の吸収性コアを水平な場所にシワや折れ曲がりがないように置き、5cN/cmの荷重下での厚みを測定する。具体的には、厚みの測定に、例えば、厚み計(尾崎製作所社製、PEACOCK DIAL UPRIGHT GAUGES R5−C)を用いる。このとき、厚み計の先端部と切り出した測定対象物との間に、荷重が5cN/cmとなるように大きさを調整した平面視円形状又は正方形状のプレート(厚さ5mm程度のアクリル板)を配置して、厚みを測定する。吸収体の厚みと基材シートの厚みを測定し、その差分値を吸収体コアの厚みとする。
以上の説明は、吸収性コアが基本的に単層のものである場合についてのものであったが、本発明においては、吸収性コアは、同じ組成を有するか、又は、異なる組成を有する2層以上の積層構造部分を有するものであってもよい。その場合であっても、平面視での吸収性コアの形状や、吸収性コアの厚み(最大厚み部での厚み)は、上述のとおりであることが好ましい。
本発明の吸収体は、吸収性コアの製造用の塗料を基材シートの少なくとも一面上に塗工することによって好適に得ることができる。図1には、このような方法で吸収体を製造するために好適な装置10が示されている。同図に示す吸収体の製造装置10は、塗料の供給部20と、塗料の塗布部30と、塗料の乾燥部40とを備えている。以下、各部について説明する。
供給部20は、塗料の貯蔵タンク21を備えている。タンク21内には塗料11が蓄えられている。タンク21内の塗料11は、撹拌翼22によって撹拌されて均一化されている。撹拌翼22は、シャフト23を介してモータ等の回転駆動源24に接続されている。タンク21の底部には管路25の一端が接続されている。管路25の他端は塗布部30に接続されている。
塗布部30は塗工ヘッド31を備えている。塗工ヘッド31は、管路25を介して貯蔵タンク21から供給された塗料を、一方向Dに沿って連続的に搬送される、長尺状の基材シート12の一面上に塗布するものである。塗工ヘッド31としては、流動体の塗布が可能なものが用いられる。そのような塗工ヘッド31の例としてはダイコータなどが挙げられるが、これに限られない。図1においては、塗工ヘッド31によって基材シート12の両側部域12a,12a間の領域に塗料が塗布されて、湿潤状態の塗布体13が形成されている様子が示されている。
基材シート12の搬送方向Dに沿って見たとき、塗布部30の下流には乾燥部40が配置されている。乾燥部40は乾燥装置41を備えている。乾燥装置41は、塗布部30によって形成された塗布体13を乾燥させて揮発分を除去して、塗布体13の乾燥体である吸収性コア14を基材シート12に固定させるものである。乾燥装置41としては、湿潤状態の塗布体13から揮発分を除去し得る手段を有するものが用いられる。そのような乾燥装置41の例としては、赤外線の放射装置や、加熱された熱風の吹出装置などが挙げられるが、これらに限られない。
このようにして基材シート12の一面に吸収性コア14が形成された吸収体16が得られる。この吸収体16は必要に応じて後加工に付される。後加工としては、例えば長尺状の吸収体16をその幅方向にわたって裁断して毎葉の吸収体に加工する工程や、吸収体16を、吸収性物品等の最終製品に組み込む工程や吸収体16を巻き取って原反化する工程が挙げられる。
以上の方法によれば、塗料を基材シートに塗布するだけの単純なプロセスで目的とする吸収性コア及び吸収体を得ることができるという利点がある。これに加えて装置への負荷や操作上の負荷が軽いという利点もある。更に、工程が少ないので装置への投資を軽減できるという利点もある。そして、以上の方法によって製造された吸収体においては、吸収性コアが従来よりも高密度化されているので、高い吸収性能を維持しつつ薄型化することが容易であり、吸収体及びそれを具備する製品をコンパクト化することができる。また、以上の方法によって製造された吸収体においては、吸収性コアの厚みや坪量が高度に制御されたものとなり、坪量や厚みに局所的なばらつきが生じにくい。そのことに起因して、吸収体は安定した吸収性能を発現する。更に,以上の方法によって製造された吸収体においては、吸収性コアを極めて薄く形成することが可能である。更に、基材シート上の広い領域で任意に吸収性コアの坪量を変更することができる。その上、吸収性コアの表面を平坦にすることができる。これらの結果、以上の方法によって製造された吸収体においては、その柔軟性を極めて高くすることができる。しかも、吸収性樹脂の坪量によらず、該吸収性樹脂を吸収性コア内に確実に固定化できる。
吸収性コアの表面の平坦性に関しては、マイクロスコープ(KEYENCE社製、VHX−5000)で取り込んだ吸収性コアの表面画像から計測する。吸収性コアの画像から測定された最大凹凸差を示す表面の最大高さ粗さRzが1.5mm以下であることが好ましく、1.25mm以下であることが更に好ましく、1.0mm以下であることが一層好ましい。吸収性コアの表面が平坦であることによって、例えば該吸収性コアを備えた吸収性物品を装着した場合、良好な装着感が得られる。表面の最大高さ粗さRzは、JIS B 0601:2013に基づいた指標である。なお、最大高さ粗さRzは小さいほど好ましく、0に近いほど良いが、具体的な下限値としては0.01mmが挙げられる。
以上の効果を一層顕著なものとする観点から、使用する塗料としては、上述した吸水性樹脂、非繊維状の水溶性高分子及び多価アルコールを、溶媒に分散又は溶解させたものであることが好ましい。塗料中に吸水性樹脂を膨潤させない程度水を含有してもよいが、特に、塗料中で吸水性樹脂が吸水・膨潤しないようにするために、塗料は水を非含有であることが好ましい。水を非含有とは、塗料中に意図的に有意な量の水を添加すること排除する趣旨である。したがって原料の不純物として不可避的に混入する微量の水や、大気中から不可避的に混入する微量の水の存在は許容される。
塗料中に含まれる吸水性樹脂、非繊維状の水溶性高分子及び多価アルコールの割合は、吸収性コア中に含まれる吸水性樹脂、非繊維状の水溶性高分子及び多価アルコールの割合と同様とすることができる。また、塗料は繊維材料を非含有であることが好ましい。
塗料に含まれる溶媒としては非水溶媒が好適に用いられる。そのような非水溶媒としては、例えばエタノール、メタノール、イソプロピルアルコール、アセトン、メチルエチルケトン、酢酸ブチルなどが挙げられる。これらの非水溶媒は1種を単独で、又は2種以上を組み合わせて用いることができる。これらの非水溶媒のうち、入手容易性や汎用性、安全性の点からエタノールを用いることが好ましい。
塗料に占める非水溶媒の割合は、塗料の塗布を首尾よく且つ効率よく行う観点から、好ましくは30質量%以上であり、更に好ましくは35質量%以上であり、一層好ましくは40質量%以上である。同様の観点から、塗料に占める非水溶媒の割合は、好ましくは70質量%以下であり、更に好ましくは65質量%以下であり、一層好ましくは60質量%以下である。具体的には、塗料に占める非水溶媒の割合は、好ましくは30質量%以上70質量%以下であり、更に好ましくは35質量%以上65質量%以下であり、一層好ましくは40質量%以上60質量%以下である。
図2(a)及び(b)には、図1に示す装置10と異なる別の装置が示されている。図2(a)に示す装置10Aにおいては、塗布部30Aに備えられた塗工ヘッド31Aの構造が、図1に示す塗工ヘッド31の構造と異なっている。図2(a)に示す塗工ヘッド31Aは、基材シート12の搬送方向Dに沿って、且つ搬送方向と直交する幅方向Wに沿って断続的に塗布体13Aを形成し得る構造を有している。その結果、本装置10Aによれば、搬送方向Dに沿って間隔を置いて形成された複数の塗布体13Aからなる塗布体列15Aが、幅方向Wに沿って間隔を置いて複数列形成される。
図2(b)に示す装置10Bにおいては、塗布部30Bに2台の塗工ヘッド31B,31Cが備えられている。塗工ヘッド31B,31Cは、基材シート12の搬送方向Dに沿って直列に配置されている。搬送方向Dに沿って見たとき、上流側には塗工ヘッド31Bが配置されており、それよりも下流側に塗工ヘッド31Cが配置されている。塗工ヘッド31Bは、基材シート12の両側部域12a,12a間の領域に塗料を塗布して第1の塗布体13Bを形成する。一方、塗工ヘッド31Cは、第1の塗布体13Bよりも幅狭の第2の塗布体13Cを第1の塗布体13B上に形成する。第2の塗布体13Cは、第1の塗布体13Bの幅方向の中心上に形成される。第1の塗布体13Bを形成するために用いられる塗料と、第2の塗布体13Cを形成するために用いられる塗料とは、その組成が互いに相違していてもよいし、同じものであってもよい。その結果、本装置10Bによれば、吸収体をその幅方向Wに沿って見たときに、中央域が2層構造などの複数の吸収性コア構造になっており、その両側に位置する側部域が単層構造になっている。その結果、吸収体においては、その中央域と側部域とで厚みが相違し、且つ吸収性能も相違している。図2(b)に示す装置10Bでは塗工ヘッドを2台直列に並べているが、一台の塗工ヘッドで2層を吐出してもよい。あるいは2層目が中央部に形成されてなくてもよい。あるいは2層目が複数層になっていてもよい。また、2層ではなく3層以上を重ねることもできる。
以上の各方法で得られた本発明の吸収体は、例えば使い捨ておむつや生理用ナプキンなどの各種の吸収性物品用の吸収体として好適に用いられる。これらの吸収性物品は一般に液透過性の表面シートと、液不透過性〜難透過性の裏面シートと、両シート間に位置する液保持性の吸収体とを具備するところ、該吸収体として本発明の吸収体を用いることで、吸収性物品は、吸収体がドライの場合及びウエットの場合のいずれであっても身体へのフィット性が良好となり、且つ快適な装着感が得られるものとなる。
上述した実施形態に関し、本発明は更に以下の吸収体及びその製造方法を開示する。
<1> 基材シートと、該基材シート上に位置する吸収性コアとを有する吸収体であって、前記吸収性コアは、吸水性樹脂、非繊維状の水溶性高分子及び多価アルコールを含み、前記吸水性樹脂は、前記吸収性コアに対して40質量%以上95質量%以下含まれ、前記非繊維状の水溶性高分子は、前記吸水性樹脂に対して0.1質量%以上5質量%以下含まれ、前記多価アルコールは、前記非繊維状の水溶性高分子に対して110質量%以上1500質量%以下含まれる、吸収体。
<2> 前記吸収性コアの表面の最大高さ粗さRzが1.5mm以下であり、好ましくは1.25mm以下であり、更に好ましくは1.0mm以下である前記<1>に記載の吸収体。
<3> 前記非繊維状の水溶性高分子がポリビニルピロリドン、ポリビニルブチラール及びデキストリンから選ばれる1種以上であり、好ましくは、ポリビニルピロリドンである前記<1>又は<2>に記載の吸収体。
<4> 前記多価アルコールが、好ましくはグリセリン、プロピレングリコール及びポリエチレングリコールから選ばれる1種以上であり、更に好ましくはグリセリンである前記<1>〜<3>の何れか1つに記載の吸収体。
<5> 前記吸収体の面積に占める前記吸収体コアの面積の割合が50%以上100%以下であり、好ましくは60%以上95%以下、更に好ましくは70%以上90%以下である前記<1>〜<4>の何れか1つに記載の吸収体。
<6> 前記吸収性コアが繊維材料を非含有である前記<1>〜<5>の何れか1つに記載の吸収体。
<7> 前記吸収性コアは、その厚みが好ましくは0.3mm以上5mm以下、更に好ましくは0.4mm以上4.5mm以下、一層好ましくは0.5mm以上4mm以下である前記<1>〜<6>の何れか1つに記載の吸収体。
<8> 前記吸水性樹脂は、前記吸収性コア中に、40質量%以上95質量%以下含まれ、好ましくは45質量%以上90質量%以下含まれ、更に好ましくは50質量%以上85質量%以下含まれている前記<1>〜<7>の何れか1つに記載の吸収体。
<9> 前記非繊維状の水溶性高分子が前記吸水性樹脂に対して、好ましくは0.3質量%以上4質量%以下、更に好ましくは0.5質量%以上3質量%以下含まれる前記<1>〜<8>の何れか1つに記載の吸収体。
<10> 前記多価アルコールは、前記吸収性コア中に、前記非繊維状の水溶性高分子に対して好ましくは200質量%以上1250質量%以下含まれ、更に好ましくは300質量%以上1000質量%以下含まれる前記<1>〜<9>の何れか1つに記載の吸収体。
<11> 前記吸収性コアは、同じ組成を有するか、又は、異なる組成を有する2層以上の積層構造部分を有する、前記<1>〜<10>の何れか1つに記載の吸収体。
<12> 前記吸収体をその幅方向に沿って見たときに、中央域が複数層の吸収性コア構造になっており、その両側に位置する側部域が単層構造になっている前記<11>に記載の吸収体。
<13> 前記基材シートは坪量が好ましくは10g/m以上70g/m以下、更に好ましくは15g/m以上65g/m以下、一層好ましくは20g/m以上60g/m以下である前記<1>〜<12>の何れか1つに記載の吸収体。
<14> 前記基材シートは液透過性の繊維シートである前記<1>〜<13>の何れか1つに記載の吸収体。
<15> 前記基材シートは不織布、紙、織布、及びフィルムから選ばれる1種以上から構成されている前記<1>〜<14>の何れか1つに記載の吸収体。
<16> 前記吸収性コアが前記基材シートの全面に配されている前記<1>〜<15>の何れか1つに記載の吸収体。
<17> 前記基材シートが矩形形状であり、前記吸収性コアが該基材シートの左右の両側部域間の領域にのみ形成されている前記<1>〜<15>の何れか1つに記載の吸収体。
<18> 前記吸収性コアが、前記基材シートの上に一方向に筋状に延びるように複数条形成し、隣り合う吸収性コア間の領域において基材シートの表面が露出するようなされている前記<1>〜<15>の何れか1つに記載の吸収体。
<19> 前記吸収性コアが前記基材シート上に市松模様状に配置されている前記<18>に記載の吸収体。
<20> 前記<1>〜<19>の何れか1つに記載の吸収体を備える吸収性物品。
<21> 液透過性の表面シートと、裏面シートとの間に前記吸収体を備える前記<20>に記載の吸収性物品。
<22> 前記吸収性物品が使い捨ておむつ又は生理用ナプキンである前記<20>又は<21>記載の吸収性物品。
<23> 吸水性樹脂、非繊維状の水溶性高分子及び多価アルコールを、溶媒に分散又は溶解させた塗料を調製し、該塗料を基材シートの一面に塗布して塗布体を形成し、該塗布体を乾燥させて揮発分を除去して該塗布体の乾燥体である吸収性コアを該基材シートに固定化させる、吸収体の製造方法。
<24> 前記基材シートは連続的に搬送される長尺状であって、長尺状の前記吸収体をその幅方向にわたって裁断して毎葉の吸収体に加工する工程を含む、前記<23>に記載の吸収体の製造方法。
<25> 前記吸収体を、吸収性物品等の最終製品に組み込む工程を含む、前記<23>又は<24>に記載の吸収体の製造方法。
<26> 長尺状の前記吸収体を巻き取って原反化する工程を含む、前記<23>〜<25>の何れか1つに記載の吸収体の製造方法。
<27> 前記溶媒は非含水である非水溶媒である、前記<23>〜<26>の何れか1つに記載の吸収体の製造方法。
<28> 前記非水溶媒はエタノール、メタノール、イソプロピルアルコール、アセトン、メチルエチルケトン及び酢酸ブチルから選ばれる1種又は2種以上であり、好ましくはエタノールである前記<23>〜<27>の何れか1つに記載の吸収体の製造方法。
<29> 前記塗料中に占める前記非水溶媒の割合は、好ましくは30質量%以上70質量%以下であり、更に好ましくは35質量%以上65質量%以下であり、一層好ましくは40質量%以上60質量%以下である、前記<23>〜<28>の何れか1つに記載の吸収体の製造方法。
<30> 前記塗料は繊維材料を非含有である、前記<23>〜<29>の何れか1つに記載の吸収体の製造方法。
<31> 前記基材シートの搬送方向に沿って、且つ搬送方向と直交する幅方向に沿って断続的に塗布体を形成する、前記<23>〜<30>の何れか1つに記載の吸収体の製造方法。
<32> 搬送方向に沿って見たとき、上流側では、前記基材シートの両側部域間の領域に塗料を塗布して第1の塗布体を形成し、下流側では第1の塗布体よりも幅狭の第2の塗布体を第1の塗布体上に形成する、前記<23>〜<30>の何れか1つに記載の吸収体の製造方法。
<33> 前記吸収体をその幅方向に沿って見たときに、中央域が2層構造になっており、その両側に位置する側部域が単層構造となるように前記塗布を行う、前記<32>に記載の吸収体の製造方法。
<34> 基材シートと、該基材シート上に吸収性コアとを有する吸収体であって、前記吸収性コアは、(a)吸水性樹脂、(b)ポリビニルピロリドン、ポリビニルブチラール及びデキストリンから選ばれる1種以上、及び(c)グリセリン、プロピレングリコール及びポリエチレングリコールから選ばれる1種以上を含み、縦方向と横方向の少なくとも一方における曲げ剛性が30g/20mm以下である吸収体。
<35> 前記<32>記載の吸収体を具備する吸収性物品。
<36> 前記吸収体を、前記吸収性コア側に設けられた液透過性の表面シートと、前記基材シート側に設けられた裏面シートの間に配した、前記<35>に記載の吸収性物品。
以下、実施例により本発明を更に詳細に説明する。しかしながら本発明の範囲は、かかる実施例に制限されない。特に断らない限り、「%」は「質量%」を意味する。
〔実施例1〕
以下の表1に示す組成の塗布液を調製した。80×120mmの基材シートの上に50mm角のマス目に開口している厚さ0.3mmの金属プレートを載せ、調製した塗料液を垂らしてマス目の大きさに塗工した。塗布液が塗工されたシートを80℃に設定された電気乾燥炉の中で約5分間乾燥させ、その後常温環境下で約10分放置させた。このようにして得られた吸収体を50mm角の吸収コアのサイズに切って評価用のサンプルを作成した。基材シートとしては、PET、PE、レーヨン繊維からなるスパンレース不織布(坪量35g/m)を用いた。吸収性樹脂としては、ポリアクリル酸ナトリウム塩重合体(サンダイヤ社製、IM997)を粉砕し、粒径D50を160μmとしたものを用いた。なお、表1及び表2においては、「仕込み量」の単位はg、配合比は「質量%」で示している。
〔実施例2〕
実施例1において、グリセリンに代えてプロピレングリコール(株式会社ADEKA製、化粧用プロピレングリコール)を用いた以外は実施例1と同様にして吸収体を作成した。
〔実施例3〕
実施例1において、グリセリンに代えてポリエチレングリコール(三洋化成工業株式会社製、PEG−400)を用いた以外は実施例1と同様にして吸収体を作成した。
〔実施例4〕
実施例1において、非繊維状の水溶性高分子として、ポリビニルピロリドンに代えてポリビニルブチラール(積水化学工業社製、エスレックB・K BM−1)を用いた以外は実施例1と同様にして吸収体を作成した。
〔実施例5〕
実施例1において、非繊維状の水溶性高分子として、ポリビニルピロリドンに代えてデキストリン(三和澱粉工業株式会社製、サンデック♯185N)を用いた以外は実施例1と同様にして吸収体を作成した。
〔実施例6及び7〕
塗布液の組成を表1に示すようにした以外は、実施例1と同様にして吸収体を作成した。
〔比較例1〜4〕
以下の表2に示す組成の塗布液を調製した。これ以外は実施例1と同様にして吸収体を得た。比較例1ではバインダとして、ミクロフィブリルセルロース(ダイセル社製、セリッシュ)を用いた。
〔評価〕
実施例及び比較例で得られた吸収体について、吸収性コアの厚み及び表面の最大高さ粗さ並びに吸収性コアの質量に占める吸水性樹脂の割合を上述の方法で測定した。また、吸収体の曲げ剛性、反り度及び1滴吸収速度を以下の方法で測定した。それらの結果を以下の表3に示す。
〔吸収体の曲げ剛性〕
吸収体の曲げ剛性は三点曲げ荷重によって評価することができる。曲げ荷重の値が小さいほど柔軟性が高い、すなわち曲げ剛性が低いと判断できる。三点曲げ荷重の測定は次のようにして行われる。測定器はハンドロメーター(花王株式会社製)を使用する。吸収体の測定試料は50mm四方の正方形とする。この測定試料を、一対の板状の支持体の間に架けわたす。支持体の間隔は20mmとする。支持体間に架けわたした測定試料の上から板状押し込み体を測定試料に押し込む。板状押し込み体は、その幅が2mmであり、長さは測定試料の長さよりも長くなっている。板状押し込み体を押し込む位置は、一対の支持体間の中間位置である。板状押し込み体を支持体に対して15mm押し込み、その移動量の間に発生した荷重の最大値を三点曲げ荷重とする。これを機械方向(MD)及び機械に直交する方向(CD)で測定し、曲げ剛性を評価した。
〔反り度〕
50mm四方の測定試料を平面上の平滑な床又はプレートの上に置き、床又はプレートから測定試料の最大高さを測定する。なお、測定の温度は25℃、湿度は20〜60%RHである。
なお、本実施例等では、作成後5分以内の吸収体を測定した結果である。
〔1滴吸収速度〕
50mm四方の測定試料の吸収体コア表面上に生理食塩水1滴を垂らす。液が測定試料に接触した瞬間から測定試料が吸水するまでの間の時間を測定し、その値を1滴吸収速度とする。
表3に示す結果から明らかなとおり、各実施例の吸収体は、比較例の吸収体に比べて曲げ剛性の値が低く、且つ反りの発生が抑制されていることが判る。
10 製造装置
11 塗料
12 基材シート
13 塗布体
14 吸収性コア
16 吸収体
20 供給部
30 塗布部
40 乾燥部

Claims (8)

  1. 基材シートと、該基材シート上に吸収性コアを有する吸収体であって、
    前記吸収性コアは、吸水性樹脂、非繊維状の水溶性高分子及び多価アルコールを含み且つ繊維材料を非含有であり
    前記吸水性樹脂は、前記吸収性コア中に40質量%以上95質量%以下含まれ、
    前記非繊維状の水溶性高分子は、前記吸水性樹脂に対して0.1質量%以上5質量%以下含まれ、
    前記多価アルコールは、前記非繊維状の水溶性高分子に対して110質量%以上1500質量%以下含まれる、吸収体。
  2. 前記吸収性コアの最大高さ粗さRzが1.5mm以下である請求項1に記載の吸収体。
  3. 前記非繊維状の水溶性高分子がポリビニルピロリドン、ポリビニルブチラール及びデキストリンから選ばれる1種以上である請求項1又は2に記載の吸収体。
  4. 前記多価アルコールがグリセリン、プロピレングリコール及びポリエチレングリコールから選ばれる1種以上である請求項1〜3の何れか一項に記載の吸収体。
  5. 前記吸収体の面積に占める前記吸収性コアの割合が50面積%以上100面積%以下である請求項1〜4の何れか一項に記載の吸収体。
  6. 基材シートと、該基材シート上に吸収性コアとを有する吸収体であって、前記吸収性コアは、(a)吸水性樹脂、(b)ポリビニルピロリドン、ポリビニルブチラール及びデキストリンから選ばれる1種以上、及び(c)グリセリン、プロピレングリコール及びポリエチレングリコールから選ばれる1種以上を含み且つ繊維材料を非含有であり、縦方向と横方向の少なくとも一方における曲げ剛性が30g/20mm以下である吸収体。
  7. 請求項1〜の何れか一項に記載の吸収体を備える吸収性物品。
  8. 吸水性樹脂、非繊維状の水溶性高分子及び多価アルコールを、溶媒に分散又は溶解させた塗料を調製し、該塗料を基材シートの一面に塗布して塗布体を形成し、該塗布体を乾燥させて該塗布体の乾燥体である吸収性コアを該基材シートに固定化させる、吸収体の製造方法であって、
    前記塗料は、繊維材料を非含有である、吸収体の製造方法
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