JP2019084074A - 吸収体 - Google Patents

吸収体 Download PDF

Info

Publication number
JP2019084074A
JP2019084074A JP2017215007A JP2017215007A JP2019084074A JP 2019084074 A JP2019084074 A JP 2019084074A JP 2017215007 A JP2017215007 A JP 2017215007A JP 2017215007 A JP2017215007 A JP 2017215007A JP 2019084074 A JP2019084074 A JP 2019084074A
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
water
mass
absorbent
absorber
absorbent core
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Pending
Application number
JP2017215007A
Other languages
English (en)
Inventor
陽一 遠藤
Yoichi Endo
陽一 遠藤
和樹 磯
Kazuki Iso
和樹 磯
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Kao Corp
Original Assignee
Kao Corp
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Kao Corp filed Critical Kao Corp
Priority to JP2017215007A priority Critical patent/JP2019084074A/ja
Priority to PCT/JP2017/044450 priority patent/WO2018116893A1/ja
Priority to CN201780077046.5A priority patent/CN110072500B/zh
Priority to TW106144355A priority patent/TWI700077B/zh
Publication of JP2019084074A publication Critical patent/JP2019084074A/ja
Pending legal-status Critical Current

Links

Landscapes

  • Absorbent Articles And Supports Therefor (AREA)

Abstract

【課題】薄型であって、吸水速度が高く、反りが生じにくく柔軟性の高い吸収体を提供すること。【解決手段】吸収体16は基材シート12及び吸収性コア14を有する。吸収性コア14は、吸水性樹脂、非繊維状の水溶性高分子、多価アルコール及び多孔質粒子を含む。多孔質粒子は、吸水性樹脂100質量部に対して5質量部以上35質量部以下含まれている。吸収体16は吸水性樹脂の担持率が70%以上である。吸収体16は1滴吸収速度が30秒以下である。【選択図】図1

Description

本発明は吸収体に関する。本発明の吸収体は、吸収性物品用の吸収体として特に好適なものである。
吸収性物品の吸収体としては、パルプ等の吸水性繊維の積繊体や、該吸水性繊維と高吸収性ポリマーの粒子との混合物の積繊体などが広く用いられている。これらの材料からなる吸収体は、比較的嵩が大きいものであることから、薄型化や小型化を目指した吸収体が提案されている。そのような吸収体の例としては、高吸収性ポリマーと繊維状バインダとを液中に分散させ、分散液をシート状基材に塗布して得られるものが挙げられる(特許文献1ないし3参照)。
また、特許文献4には、高吸水性高分子、繊維及びアルキレンオキシド系高分子から構成される多孔質なスポンジ状構造の吸収体が開示されている。特許文献5には、シート状にした液体吸収層が、高吸水性樹脂、濾過助剤、繊維及びアルキレンオキシド系高分子からなる液体吸収シートが記載されている。濾過助剤としては、珪藻土、活性炭、タルク及びパーライト等が用いられている。
特開平10−168230号公報 特開平9−299399号公報 特開2000−201975公報 国際公開第94/07599号パンフレット 特開平8−80318号公報
特許文献1ないし4に記載の吸収体は、繊維成分を必須の要素としているために製造時や吸水時の反りの発生による変形が懸念される。吸収体に反りが生じると、吸収性物品の装着時に着用ものの身体に局所的な圧力が加わり、そのことに起因して違和感が発生し、着用感が低下する。
特に、特許文献4に記載の技術では、アルキレンオキシド系高分子を高吸水性高分子と繊維の結合剤として必須としており、その機能発現のために多量のアルキレンオキシド系高分子が必要となる。実際、同文献の実施例には吸水性樹脂に対して5倍質量のアルキレンオキシド系高分子を添加している。このことに起因して吸収体が硬くなったり、おむつなどの吸収性物品に当該吸収体を使用した場合には、装着時の違和感が生じたり、吸収性能の低下が生じると考えられる。また、同文献に記載の吸収体はスポンジ状の構造と記載されていることから、嵩高いものとなってしまい、厚みが大きくなってしまうと考えられる。更に、同文献に記載のスポンジ状の構造の吸収体は、高吸水性高分子に対して細孔の割合が多いと考えられ、吸収体が吸水後に加圧すると液が表面に戻ることが推測でき、使用者に不快感を与える可能性がある。
特許文献5に記載の技術では濾過助剤として含まれる粉末の割合が高いことに起因して吸収体が硬くなり、また液戻り量が多くなる。
したがって本発明の課題は吸収体の改良にあり、更に詳しくは薄型であって、非吸水時における着用者の動きに対する追従性が高く、吸収体が壊れにくく、吸水速度が高く、且つ反りが生じにくく柔軟性の高い吸収体を提供することにある。
本発明は、基材シートと、該基材シート上に吸収性コアを有する吸収体であって、
前記吸収性コアは、吸水性樹脂、非繊維状の水溶性高分子、多価アルコール及び多孔質粒子を含み、
前記多孔質粒子は、前記吸水性樹脂100質量部に対して5質量部以上35質量部以下含まれており、
前記吸収体は前記吸水性樹脂の担持率が70%以上であり、
前記吸収体は1滴吸収速度が30秒以下である、吸収体を提供するものである。
また本発明は、基材シートと、該基材シート上に吸収性コアを有する吸収体であって、
前記吸収性コアは、吸水性樹脂、非繊維状の水溶性高分子、多価アルコール及び多孔質粒子を含み、
前記吸水性樹脂は、前記吸収性コア中に40質量%以上95質量%以下含まれ、
前記非繊維状の水溶性高分子は、前記吸水性樹脂に対して0.1質量%以上5質量%以下含まれ、
前記多価アルコールは、前記非繊維状の水溶性高分子に対して110質量%以上1500質量%以下含まれ、
前記多孔質粒子は、前記吸水性樹脂100質量部に対して5質量部以上35質量部以下含まれる、吸収体を提供するものである。
本発明によれば、吸水速度が高く、柔軟性が高く、反りの発生が抑制された吸収体が提供される。特に、吸収性物品用の吸収体として用いた場合に、フィット性が良好であり、装着時に違和感が発生しづらい吸収体が提供される。
図1は、本発明の吸収体の製造に好適に用いられる装置を示す斜視図である。 図2(a)及び(b)はそれぞれ、本発明の吸収体の製造に好適に用いられる別の装置を示す斜視図である。
以下本発明を、その好ましい実施形態に基づき説明する。本発明の吸収体は、基材シートと、該基材シートの少なくとも一面上に位置する吸収性コアとを備えるものである。基材シートは、吸収性コアを保持して吸収体の保形性を高めたり、吸収体の取り扱い性を高めたりする目的で用いられる。また基材シートは、後述する方法で吸収性コアを製造するときの塗布基材としても用いられる。一方、吸収性コアは、吸収体における主たる吸液部位であり、液体を吸収して保持する機能を有する。
基材シートとしては、吸収性コアを保持し得る材料のものが用いられる。基材シートは、液透過性であってもよく、あるいは液不透過性ないし液難透過性であってもよい。基材シートは、例えば不織布、紙、織布、及びフィルムなどから構成することができる。これらの2種以上の材料の積層体を基材シートとして用いてもよい。液を平面方向に拡散させる観点からは、基材シートは液透過性の繊維シートからなることが好ましい。
不織布としては、各種の製造方法で得られるものを特に制限なく用いることができる。不織布の例としては、スパンレース不織布、スパンボンド不織布、エアスルー不織布、メルトブローン不織布、ニードルパンチ不織布及びレジンボンド不織布などが挙げられる。これらの不織布は、それぞれ単独で用いることができ、あるいは2種以上の不織布の積層体の形態で用いることもできる。
織布としては、種々の繊維組織を有するものを用いることができる。紙としては、抄紙可能な繊維を原料とし、湿式抄紙法又は乾式抄紙法によって得られたものを用いることができる。フィルムとしては、例えばTダイ法やインフレーション法によって成形され、一軸又は二軸延伸されて得られたものを用いることができる。
基材シートを構成する前記の各種の材料は、例えば各種の熱可塑性樹脂などの合成高分子材料や、パルプ等のセルロースなどの天然高分子材料を用いることができる。熱可塑性樹脂としては、例えばポリエチレン(PE)やポリプロピレン(PP)等のポリオレフィン繊維、ポリエチレンテレフタレート(PET)やポリブチレンテレフタレート(PBT)等のポリエステル繊維、ポリアクリル酸やポリメタクリル酸エステル等のポリアクリル酸系繊維、ポリスチレンやポリ塩化ビニル等のビニル系繊維などを用いることができる。これらの樹脂は単独で用いてもよく、あるいは2種以上をブレンドして用いてもよい。これらの樹脂から繊維を形成する場合には、単一樹脂の繊維を形成してもよく、あるいは芯鞘型やサイドバイサイド型の複合繊維を形成してもよい。
基材シートは、吸収性コアを保持した吸収体の保形性や吸収体の取り扱い性の観点から、その坪量が10g/m以上であることが好ましく、15g/m以上であることが更に好ましく、20g/m以上であることが一層好ましい。また基材シートは、吸収体の薄さ及び柔軟性の観点から、70g/m以下であることが好ましく、65g/m以下であることが更に好ましく、60g/m以下であることが一層好ましい。具体的には、基材シートは、その坪量が10g/m以上70g/m以下であることが好ましく、15g/m以上65g/m以下であることが更に好ましく、20g/m以上60g/m以下であることが一層好ましい。
基材シートの少なくとも一面上には吸収性コアが位置する。吸収性コアは、基材シートと直接に接した状態で該基材シート上に位置していてもよく、あるいは、基材シートと吸収性コアとの間に1又は2以上の部材や層が介在した状態で、基材シートと吸収性コアとが間接的に隣接していてもよい。
吸収性コアは、薄型であることを特徴の1つとしている。吸収性コアが薄型であることに起因して、吸収体はその全体が柔軟性を有するものとなる。吸収体の柔軟性を十分に高める観点から吸収性コアは、その厚みが5mm以下であることが好ましく、4.5mm以下であることが更に好ましく、4mm以下であることが一層好ましい。また、薄型であるにもかかわらず十分な吸収性能を発現させる観点から、その厚みが0.3mm以上であることが好ましく、0.4mm以上であることが更に好ましく、0.5mm以上であることが一層好ましい。具体的には、吸収性コアは、その厚みが0.3mm以上5mm以下であることが好ましく、0.4mm以上4.5mm以下であることが更に好ましく、0.5mm以上4mm以下であることが一層好ましい。
吸収性コアは、その構成材料として、吸水性樹脂、非繊維状の水溶性高分子及び多価アルコールを含んでいる。これらの材料から吸収性コアを構成することで、該吸収性コアを薄型のものとすることができるとともに、従来の薄型の吸収性コアに生じていた反りの問題を解消することができる。以下、各材料についてその詳細を説明する。
吸水性樹脂は、吸収性コアにおける主たる吸水材料としての役割を果たすものである。吸水性樹脂は、水との接触によって膨潤して水を吸収保持し得る材料からなる。吸水性樹脂は、自重の20質量倍以上の水を吸収して保持できるものであることが好ましい。また、吸水性樹脂は、対象物が尿であれば自重の20倍以上、特に30倍以上を吸収・保持できるものが好ましく、血液であれば1倍以上、好ましくは3倍以上を吸収・保持できるものが好ましい。なお、吸水性樹脂における水の吸収・保持の上限値に特に制限はないが、自重の1000質量倍を上限の目安とすることができる。吸水性樹脂としては、各種のヒドロゲル材料、例えばアクリル酸若しくはアクリル酸アルカリ金属塩の重合体又は共重合体の架橋物、ポリアクリル酸及びその塩並びにポリアクリル酸塩グラフト重合体の架橋物、デンプン又はカルボキシメチル化セルロースの架橋物、デンプン−アクリル酸塩グラフト共重合体の加水分解生成物の架橋物、ビニルアルコール−アクリル酸塩共重合体の架橋物、無水マレイン酸グラフトポリビニルアルコールの架橋物、架橋イソブチレン−無水マレイン酸共重合体、酢酸ビニル−アクリル酸エステル共重合体のケン化物等を用いることができる。これらの吸水性樹脂は1種を単独で又は2種以上を組み合わせて用いることができる。
吸水性樹脂は、一般に粒子状のものが用いられるが、繊維状のものでもよい。粒子状の吸水性樹脂を用いる場合、その形状は球状、塊状、俵状又は不定形のいずれでもよい。粒子状の吸水性樹脂を用いる場合、その粒径は、レーザー回折式粒度分布法で測定した累積体積50%での粒径D50が150μm以上であることが好ましく、160μm以上であることが更に好ましく、170μm以上であることが一層好ましい。また、粒径D50が500μm以下であることが好ましく、450μm以下であることが更に好ましく、400μm以下であることが一層好ましい。具体的には、粒径D50は150μm以上500μm以下であることが好ましく、160μm以上450μm以下であることが更に好ましく、170μm以上400μm以下であることが一層好ましい。
吸水性樹脂は、吸収性コアの吸収性能を十分に高める観点から、吸収性コア中に、40質量%以上含まれていることが好ましく、45質量%以上含まれていることが更に好ましく、50質量%以上含まれていることが一層好ましい。また、吸収性コアの柔軟性の観点から、吸収性コア中に、以下含まれていることが好ましく、90質量%以下含まれていることが更に好ましく、85質量%以下含まれていることが一層好ましい。具体的には、吸水性樹脂は、吸収性コア中に、40質量%以上95質量%以下含まれていることが好ましく、45質量%以上90質量%以下含まれていることが更に好ましく、50質量%以上85質量%以下含まれていることが一層好ましい。
吸収体中に含まれる吸収性コアの含有割合に関連して、吸収体の面積に占める吸収性コアの面積の割合は、吸収体の吸収能力を十分に高める観点から50面積%以上であることが好ましく、60面積%以上であることが更に好ましく、70面積%以上であることが一層好ましい。また吸収性コア中の液の拡散性の観点から吸収体の面積に占める吸収性コアの面積の割合は、100面積%以下であることが好ましく、95面積%以下であることが更に好ましく、90面積%以下であることが一層好ましい。具体的には、吸収体の面積に占める吸収性コアの面積の割合は、50面積%以上100面積%以下であることが好ましく、60面積%以上95面積%以下であることが更に好ましく、70面積%以上90面積%以下であることが一層好ましい。なお、「吸収体の面積」及び「吸収性コアの面積」とは、基材シート上に吸収性コアが設けられた側の面におけるそれぞれの面積のことである。吸収体の面積に占める吸収性コアの面積の割合が100面積%であるとは、吸収性コアが基材シートの全面に配されていることである。
吸収体の面積に占める吸収性コアの面積の割合は、以下に述べる方法で測定される。基材シートの長手方向及び幅方向の長さを測定し、面積を算出する。そして、基材シート上の吸収性コアの長手方向及び幅方向の長さを測定し面積を算出する。吸収性コアの面積と基材シートの面積の比率を計算し、割合を求める。
吸収性コアに含有される非繊維状の水溶性高分子は、主として、前記の吸水性樹脂を吸収性コア内に固定化する目的で用いられる。「非繊維状の水溶性高分子」とは、例えば上述した特許文献1〜3に記載されているセルロースのミクロフィブリルなどの、吸液後も繊維状の形態を維持する高分子を本発明の範囲から除外することを意味している。したがって、吸液前の状態は繊維状であっても、吸液によって水に溶解して非繊維状の形状となる水溶性高分子は、本発明に言う非繊維状の水溶性高分子に包含される。なお、「水溶性」とは、25℃の水100gに対する溶解度が好ましくは1g以上のことであり、更に好ましくは5g以上のことであり、一層好ましくは10g以上のことである。測定方法としては、100mLのガラスビーカー(5mmΦ)に対象物を所定量、25℃の50mLイオン交換水に添加混合し、長さ20mm、幅7mmのスターラーチップを入れ、アズワン株式会社製マグネチックスターラーHPS−100を用いて600rpm撹拌する。添加した対象物の全量が24時間以内に水に溶解すれば、対象物がその所定量の2倍の「水溶性」を有する、と判断する。なお、本発明において、更に好ましい溶解性としては、全量が3時間以内に水に溶解することが好ましく、全量が30分以内に水に溶解することが更に好ましい。
前述した特許文献1ないし3のような、従来知られている薄型の吸収体に反りが発生する原因を本発明者が検討したところ、吸収体中に含まれているバインダとしてのミクロフィブリル状のセルロース(以下「MFC」とも言う。)が反りの発生に関連していることが推測された。詳細には、MFCは水素結合によってMFCどうしやMFCと吸水性樹脂とを固定化させている。したがって、吸収体を製造するときや液の吸収時に、保水や蒸発による水の移行が起こると、水素結合している繊維が変形し易くなる。その結果、吸収体に歪みが生じ、反りが発生すると考えられる。また、吸収体が吸水した直後はMFCによる水素結合は直ちに切れないことから、吸水性樹脂の膨潤に伴ってMFCごと変形し、ひいては吸収体自体に反りが発生してしまうものと考えられる。
これに対して本発明の吸収体においては、吸収性コアに非繊維状の水溶性高分子を含有させ、該高分子をバインダとして用いている。このことに起因して、本発明の吸収体は、その製造時や吸液時に吸収性コア中で水の移行が生じても、反りの発生を効果的に抑制することができる。しかも、非繊維状の水溶性高分子は水との接触によって溶解するので、そのことに起因して吸液時に吸収性コアが外力に追従して変形し易くなるという利点もある。この観点から、本発明吸収体においては、吸収性コアが繊維状のバインダを非含有であることが好ましい。
一方、前述した特許文献4では繊維や濾過助剤を用いることによって、多孔質なスポンジ状の構造を得ているが、多孔質構造に液を保持することはできるものの、体圧が加わると、液は保持しきれず、漏れ出てしまうことがある。
本発明において、非繊維状の水溶性高分子を用いることに起因する上述の種々の利点を一層顕著なものとする観点から、該非繊維状の水溶性高分子は吸収性コア中に、吸水性樹脂に対して0.1質量%以上含まれることが好ましく、0.3質量%以上含まれることが更に好ましく、0.5質量%以上含まれることが一層好ましい。同様の理由によって、非繊維状の水溶性高分子は吸収性コア中に、吸水性樹脂に対して5質量%以下含まれることが好ましく、4質量%以下含まれることが更に好ましく、3質量%以下含まれることが一層好ましい。具体的には、非繊維状の水溶性高分子は、吸収性コア中に、吸水性樹脂に対して0.1質量%以上5質量%以下含まれることが好ましく、0.3質量%以上4質量%以下含まれることが更に好ましく、0.5質量%以上3質量%以下含まれることが一層好ましい。なお、「吸水性樹脂に対する非繊維状の水溶性高分子の比率」は、吸収性コア中に含まれる吸水性樹脂の質量を分母とし、非繊維状の水溶性高分子を分子として算出される比率のことである。
また、非繊維状の水溶性高分子を用いることに起因する上述の種々の利点を一層顕著なものとする観点から、該水溶性高分子としては、例えばポリビニルピロリドン、ポリビニルアルコール、ポリビニルブチラール、デキストリン、ポリエチレンオキシド、水溶性ナイロンなどが挙げられ、これらの中でも、ポリビニルピロリドン、ポリビニルブチラール及びデキストリンから選ばれる1種以上が好ましい。これらの非繊維状の水溶性高分子は、1種を単独で、又は2種以上を組み合わせて用いることができる。これらの非繊維状の水溶性高分子のうち、特に水及びアルコール類への可溶性やバインディング力の観点から、ポリビニルピロリドン、中でもK−15、K−30、K−60又はK−90のグレードのポリビニルピロリドンを用いることが好ましい。
非繊維状の水溶性高分子を用いることとの関連で、本発明の吸収体においては、吸収性コアが繊維材料を非含有であることが好ましい。繊維材料としては、木材パルプやケナフ等の天然繊維、オレフィン系やポリエステル系等の合成繊維、レーヨン等の再生繊維などがある。これによって、吸収体に反りが発生することが一層効果的に防止される。繊維材料とは、太さDに対して長さLが十分に長い形状を有する変形可能な材料のことである。例えばL/Dの値が3以上である形状を有する材料は繊維材料の範疇に含まれる。
本発明の吸収体は、吸収性コアから吸水性樹脂が脱落しづらいものである。この理由は吸収性コア中に非繊維状の水溶性高分子が含まれていることによるものである。水溶性高分子のバインディング力により、吸収性コアからの吸水性樹脂の脱落が防止される。吸収性コアから吸水性樹脂が脱落しづらい程度は担持率で表すことができる。担持率は、吸水性樹脂の脱落率を100から差し引いた値である。すなわち担持率(%)=100−脱落率(%)である。脱落率の測定方法は、実施例において詳述する。本発明の吸収体は、吸水性樹脂の担持率が好ましくは70%以上という高い値であり、更に好ましくは75%以上、一層好ましくは80%以上である。担持率の測定方法は実施例において詳述する。
上述した吸水性樹脂及び非繊維状の水溶性高分子に加えて吸収性コアに含有される成分である多価アルコールは、主として吸収性コアに柔軟性を付与する目的で用いられる。多価アルコールは、前記の非繊維状の水溶性高分子よりも濡れ性(水和性)が高いものであることが、吸収性コア中での液の拡散性が良好になる点から好ましい。濡れ性(水和性)の高低は、例えば平滑なガラス板の上に一定の面積の円状に広げた多価アルコールに、定量の水を垂らしたときのある一定時間における水の広がる面積によって判定できる。水の広がる面積が大きいほど、濡れ性(水和性)が高いと判定でき、水の広がる面積が小さいほど、濡れ性(水和性)が低いと判定できる。具体的な判定方法の例としては、例えば平滑なガラス板の上に多価アルコールをできる限りムラのないよう50mm角に広げる。そして多価アルコール面の中心部に水1滴(50μg)を垂らしてから、5秒後の面積を測定する。面積は画像として取り込んで計測してもよい。
多価アルコールとしては、脂肪族多価アルコール及び芳香族多価アルコールのいずれを用いることもできる。これらのうち、吸収性コアの柔軟性が更に一層向上する観点から、脂肪族多価アルコールを用いることが好ましい。脂肪族多価アルコールとしては、飽和脂肪族多価アルコール及び不飽和脂肪族多価アルコールを用いることができる。特に飽和脂肪族多価アルコールを用いることが、吸収性コアの柔軟性が更に一層向上する観点から好ましい。飽和脂肪族多価アルコールとしては、例えばグリセリン、プロピレングリコール及びポリエチレングリコールから選ばれる1種以上などを用いることができ、これらの1種又は2種以上を配合することができる。これらのうち、特にグリセリンを用いることが好ましい。
吸収性コアに柔軟性を付与する観点から、多価アルコールは吸収性コア中に、非繊維状の水溶性高分子に対して110質量%以上含まれることが好ましく、200質量%以上含まれることが更に好ましく、300質量%以上含まれることが一層好ましい。同様の理由によって、多価アルコールは吸収性コア中に、非繊維状の水溶性高分子に対して1500質量%以下含まれることが好ましく、1250質量%以下含まれることが更に好ましく、1000質量%以下含まれることが一層好ましい。具体的には、多価アルコールは、吸収性コア中に、非繊維状の水溶性高分子に対して110質量%以上1500質量%以下含まれることが好ましく、200質量%以上1250質量%以下含まれることが更に好ましく、300質量%以上1000質量%以下含まれることが一層好ましい。
本発明の吸収体においては、吸収性コアが上述の成分を含有していることに加えて多孔質粒子を含有していることが有利である。この理由は次のとおりである。
本発明では吸水性樹脂を高密度に配置することにより薄さを実現している。ところで、吸水性樹脂は水を吸うと膨潤することが知られている。したがって吸水性樹脂の粒子間には、水を吸って膨潤するための空間が必要となるが、吸水性樹脂を高密度に配置すると、そのような空間は生じにくい。その結果、吸水性樹脂の膨潤阻害が起こり易くなる。
同様の理由で、吸水性樹脂を高密度配置すると、水が吸収性コアの表面から内部に浸透することが困難であるため、平面方向への拡散性が低くなる。特に吸収性コアの表面に位置する吸水性樹脂が膨潤すると、通水のための空間が一層減少する。その結果、水の通液阻害が起こり易くなる。
これに対して、吸収性コア中に多孔質粒子を含有させると、高密度であるにもかかわらず吸水性樹脂間に多孔質粒子に起因する空間が生じ、吸水性樹脂の膨潤阻害が起こりにくくなる。また、空間によって水の通液阻害も起こりにくくなり、平面方向への液の拡散性が良好になる。その結果、吸収体はその吸収速度が高くなり、また吸収した液の液戻り量が少なくなる。
なお、前記の空間とは、吸水性樹脂の粒子間に存在する空間、及び多孔質粒子中に存在する空間の双方を意味する。
以上の利点を一層顕著なものとする観点から、多孔質粒子の粒径は、レーザー回折式粒度分布法で測定した累積体積50%での粒径D50が5μm以上であることが好ましく、10μm以上であることが更に好ましく、15μm以上であることが一層好ましい。また、粒径D50が100μm以下であることが好ましく、90μm以下であることが更に好ましく、80μm以下であることが一層好ましい。具体的には、粒径D50は5μm以上100μm以下であることが好ましく、10μm以上90μm以下であることが更に好ましく、15μm以上80μm以下であることが一層好ましい。
吸水性樹脂の粒子間に空間を形成するためには、吸水性樹脂の粒子の粒径と、多孔質粒子の粒径との比率を調整することが有利である。この観点から、レーザー回折式粒度分布法で測定した累積体積50%での吸水性樹脂の粒子の粒径D50をD1とし、多孔質粒子の粒径D50をD2としたとき、D2/D1の値は、0.0125以上であることが好ましく、0.025以上であることが更に好ましく、0.05以上であることが一層好ましい。また、D2/D1の値は0.5以下であることが好ましく、0.45以下であることが更に好ましく、0.4以下であることが一層好ましい。具体的には、D2/D1の値は0.0125以上0.5以下であることが好ましく、0.025以上0.45以下であることが更に好ましく、0.05以上0.4以下であることが一層好ましい。多孔質粒子を2種類以上用いる場合には、D2は各多孔質粒子のD50の相加平均値とする。
多孔質粒子における多孔性の程度を調整することも、吸水性樹脂の粒子間に空間を形成する観点から有利である。
多孔質粒子としては、無機材料を用いることが好ましい。例えばゼオライト、パーライト、珪藻土、活性炭、バーミキュライトなどを用いることができる。特に、ゼオライト、パーライト及び珪藻土からなる群から選択される少なくとも1種を用いることが、吸収速度の向上及び液戻り量の低下の点から好ましい。多孔質粒子を2種類以上用いて、吸収速度の向上及び液戻り量の低下を一層顕著なものとすることもできる。例えばゼオライトは液戻り量の低下の点から有利な材料であり、珪藻土は吸収速度の向上の点から有利な材料なので、これら両者を組み合わせることで、吸収速度の一層向上及び液戻り量の一層低下を図ることができる。
本発明者の検討の結果、多孔質粒子は比較的少ない使用量で顕著な効果を発現することが判明した。詳細には、吸収性コアにおいて、多孔質粒子は、吸水性樹脂100質量部に対して35質量部以下含有させることが好ましく、30質量部以下含有させることが更に好ましく、25質量部以下含有させることが一層好ましい。また、多孔質粒子は、吸水性樹脂100質量部に対して5質量部以上含有させることが好ましく、7.5質量部以上含有させることが更に好ましく、10質量部以上含有させることが一層好ましい。具体的には、多孔質粒子は、吸水性樹脂100質量部に対して5質量部以上35質量部含有させることが好ましく、7.5質量部以上30質量部含有させることが更に好ましく、10質量部以上25質量部含有させることが一層好ましい。
吸収性コアに多孔質粒子を含む本発明の吸収体は、吸収速度が向上したものとなる。吸収体の吸収速度の尺度の一つとして1滴吸収速度が知られているところ、本発明の吸収体の1滴吸収速度は、好ましくは30秒以下であり、更に好ましくは25秒以下、一層好ましくは20秒以下である。
吸収性コアには、以上の成分に加え、必要に応じて該吸収性コアの各種の性能を向上させ得る成分を含有させることもできる。そのような成分としては、例えば増粘剤、pH調整剤、親水化剤などが挙げられる。
本発明の吸収体は、薄いことに起因して柔軟なものでもある。吸収体の柔軟性は曲げ剛性の値で評価できる。本発明の吸収体は、縦方向と横方向の少なくとも一方における曲げ剛性が好ましくは30g/20mm以下という柔軟なものであり、更に好ましくは25g/20mm以下、一層好ましくは20g/20mm以下である。特に、縦方向と横方向の双方の曲げ剛性が前記の値以下であることが好ましい。曲げ剛性は、後述の実施例に記載の方法により測定することができる。吸収体における縦方向とは、例えば後述する方法によって吸収体を製造するときの流れ方向とすることができるが、これに限られず、吸収体の平面内の任意の一方向とすることができる。横方向とは、縦方向と直交する方向である。
本発明の吸収体においては、吸収性コアは、基材シートの少なくとも一面上に隙間なく連続して形成されていてもよく、あるいは基材シートの表面のうちの一部が露出するように形成されていてもよい。例えば基材シートが矩形のものである場合、左右の両側部域間の領域にのみ吸収性コアを形成することができる。あるいは、吸収性コアを、一方向に筋状に延びるように複数条形成し、隣り合う吸収性コア間の領域において基材シートの表面が露出するようにしてもよい。更に、吸収性コアを市松模様状に配置してもよい。
吸収性コアの平面視での形状が上述のいずれの場合であっても、吸収性コアの厚みは、上述した値であることが好ましい。
吸収性コアの厚みは以下の方法で測定される。すなわち、測定対象部位の吸収性コアを水平な場所にシワや折れ曲がりがないように置き、5cN/cmの荷重下での厚みを測定する。具体的には、厚みの測定に、例えば、厚み計(株式会社尾崎製作所製、PEACOCK(登録商標) DIAL UPRIGHT GAUGES R5−C)を用いる。このとき、厚み計の先端部と切り出した測定対象物との間に、荷重が5cN/cmとなるように大きさを調整した平面視円形状又は正方形状のプレート(厚さ5mm程度のアクリル板)を配置して、厚みを測定する。吸収体の厚みと基材シートの厚みを測定し、その差分値を吸収性コアの厚みとする。
以上の説明は、吸収性コアが基本的に単層のものである場合についてのものであったが、本発明においては、吸収性コアは、同じ組成を有するか、又は、異なる組成を有する2層以上の積層構造部分を有するものであってもよい。その場合であっても、平面視での吸収性コアの形状や、吸収性コアの厚み(最大厚み部での厚み)は、上述のとおりであることが好ましい。
本発明の吸収体は、吸収性コアの製造用の塗料を基材シートの少なくとも一面上に塗工することによって好適に得ることができる。図1には、このような方法で吸収体を製造するために好適な装置10が示されている。同図に示す吸収体の製造装置10は、塗料の供給部20と、塗料の塗布部30と、塗料の乾燥部40とを備えている。以下、各部について説明する。
供給部20は、塗料の貯蔵タンク21を備えている。タンク21内には塗料11が蓄えられている。タンク21内の塗料11は、撹拌翼22によって撹拌されて均一化されている。撹拌翼22は、シャフト23を介してモータ等の回転駆動源24に接続されている。タンク21の底部には管路25の一端が接続されている。管路25の他端は塗布部30に接続されている。
塗布部30は塗工ヘッド31を備えている。塗工ヘッド31は、管路25を介して貯蔵タンク21から供給された塗料を、一方向Dに沿って連続的に搬送される、長尺状の基材シート12の一面上に塗布するものである。塗工ヘッド31としては、流動体の塗布が可能なものが用いられる。そのような塗工ヘッド31の例としてはダイコータなどが挙げられるが、これに限られない。図1においては、塗工ヘッド31によって基材シート12の両側部域12a,12a間の領域に塗料が塗布されて、湿潤状態の塗布体13が形成されている様子が示されている。
基材シート12の搬送方向Dに沿って見たとき、塗布部30の下流には乾燥部40が配置されている。乾燥部40は乾燥装置41を備えている。乾燥装置41は、塗布部30によって形成された塗布体13を乾燥させて揮発分を除去して、塗布体13の乾燥体である吸収性コア14を基材シート12に固定させるものである。乾燥装置41としては、湿潤状態の塗布体13から揮発分を除去し得る手段を有するものが用いられる。そのような乾燥装置41の例としては、赤外線の放射装置や、加熱された熱風の吹出装置などが挙げられるが、これらに限られない。
このようにして基材シート12の一面に吸収性コア14が形成された吸収体16が得られる。この吸収体16は必要に応じて後加工に付される。後加工としては、例えば長尺状の吸収体16をその幅方向にわたって裁断して毎葉の吸収体に加工する工程や、吸収体16を、吸収性物品等の最終製品に組み込む工程や吸収体16を巻き取って原反化する工程が挙げられる。
以上の方法によれば、塗料を基材シートに塗布するだけの単純なプロセスで目的とする吸収性コア及び吸収体を得ることができるという利点がある。これに加えて装置への負荷や操作上の負荷が軽いという利点もある。更に、工程が少ないので装置への投資を軽減できるという利点もある。そして、以上の方法によって製造された吸収体においては、吸収性コアが従来よりも高密度化されているので、高い吸収性能を維持しつつ薄型化することが容易であり、吸収体及びそれを具備する製品をコンパクト化することができる。また、以上の方法によって製造された吸収体においては、吸収性コアの厚みや坪量が高度に制御されたものとなり、坪量や厚みに局所的なばらつきが生じにくい。そのことに起因して、吸収体は安定した吸収性能を発現する。更に,以上の方法によって製造された吸収体においては、吸収性コアを極めて薄く形成することが可能である。更に、基材シート上の広い領域で任意に吸収性コアの坪量を変更することができる。その上、吸収性コアの表面を平坦にすることができる。これらの結果、以上の方法によって製造された吸収体においては、その柔軟性を極めて高くすることができる。しかも、吸水性樹脂の坪量によらず、該吸水性樹脂を吸収性コア内に確実に固定化できる。
以上の効果を一層顕著なものとする観点から、使用する塗料としては、上述した吸水性樹脂、非繊維状の水溶性高分子及び多価アルコール並びに多孔質粒子を、溶媒に分散又は溶解させたものであることが好ましい。塗料中に吸水性樹脂を膨潤させない程度水を含有してもよいが、特に、塗料中で吸水性樹脂が吸水・膨潤しないようにするために、塗料中の水の含有量は少ない方が好ましい。
塗料中に含まれる吸水性樹脂、非繊維状の水溶性高分子及び多価アルコール並びに多孔質粒子の割合は、吸収性コア中に含まれる吸水性樹脂、非繊維状の水溶性高分子及び多価アルコールの割合と同様とすることができる。また、塗料は繊維材料を非含有であることが好ましい。
塗料に含まれる溶媒としては非水溶媒が好適に用いられる。そのような非水溶媒としては、例えばエタノール、メタノール、イソプロピルアルコール、アセトン、メチルエチルケトン、酢酸ブチルなどが挙げられる。これらの非水溶媒は1種を単独で、又は2種以上を組み合わせて用いることができる。これらの非水溶媒のうち、入手容易性や汎用性、安全性の点からエタノールを用いることが好ましい。
塗料に占める非水溶媒の割合は、塗料の塗布を首尾よく且つ効率よく行う観点から、好ましくは30質量%以上であり、更に好ましくは35質量%以上であり、一層好ましくは40質量%以上である。同様の観点から、塗料に占める非水溶媒の割合は、好ましくは70質量%以下であり、更に好ましくは65質量%以下であり、一層好ましくは60質量%以下である。具体的には、塗料に占める非水溶媒の割合は、好ましくは30質量%以上70質量%以下であり、更に好ましくは35質量%以上65質量%以下であり、一層好ましくは40質量%以上60質量%以下である。
図2(a)及び(b)には、図1に示す装置10と異なる別の装置が示されている。図2(a)に示す装置10Aにおいては、塗布部30Aに備えられた塗工ヘッド31Aの構造が、図1に示す塗工ヘッド31の構造と異なっている。図2(a)に示す塗工ヘッド31Aは、基材シート12の搬送方向Dに沿って、且つ搬送方向と直交する幅方向Wに沿って断続的に塗布体13Aを形成し得る構造を有している。その結果、本装置10Aによれば、搬送方向Dに沿って間隔を置いて形成された複数の塗布体13Aからなる塗布体列15Aが、幅方向Wに沿って間隔を置いて複数列形成される。
図2(b)に示す装置10Bにおいては、塗布部30Bに2台の塗工ヘッド31B,31Cが備えられている。塗工ヘッド31B,31Cは、基材シート12の搬送方向Dに沿って直列に配置されている。搬送方向Dに沿って見たとき、上流側には塗工ヘッド31Bが配置されており、それよりも下流側に塗工ヘッド31Cが配置されている。塗工ヘッド31Bは、基材シート12の両側部域12a,12a間の領域に塗料を塗布して第1の塗布体13Bを形成する。一方、塗工ヘッド31Cは、第1の塗布体13Bよりも幅狭の第2の塗布体13Cを第1の塗布体13B上に形成する。第2の塗布体13Cは、第1の塗布体13Bの幅方向の中心上に形成される。第1の塗布体13Bを形成するために用いられる塗料と、第2の塗布体13Cを形成するために用いられる塗料とは、その組成が互いに相違していてもよいし、同じものであってもよい。その結果、本装置10Bによれば、吸収体をその幅方向Wに沿って見たときに、中央域が2層構造などの複数の吸収性コア構造になっており、その両側に位置する側部域が単層構造になっている。その結果、吸収体においては、その中央域と側部域とで厚みが相違し、且つ吸収性能も相違している。図2(b)に示す装置10Bでは塗工ヘッドを2台直列に並べているが、一台の塗工ヘッドで2層を吐出してもよい。あるいは2層目が中央部に形成されてなくてもよい。あるいは2層目が複数層になっていてもよい。また、2層ではなく3層以上を重ねることもできる。
以上の各方法で得られた本発明の吸収体は、例えば使い捨ておむつや生理用ナプキンなどの各種の吸収性物品用の吸収体として好適に用いられる。これらの吸収性物品は一般に液透過性の表面シートと、液不透過性〜難透過性の裏面シートと、両シート間に位置する液保持性の吸収体とを具備するところ、該吸収体として本発明の吸収体を用いることで、吸収性物品は、吸収体がドライの場合及びウエットの場合のいずれであっても身体へのフィット性が良好となり、且つ快適な装着感が得られるものとなる。
上述した実施形態に関し、本発明は更に以下の吸収体を開示する。
<1>
基材シートと、該基材シート上に吸収性コアを有する吸収体であって、
前記吸収性コアは、吸水性樹脂、非繊維状の水溶性高分子、多価アルコール及び多孔質粒子を含み、
前記多孔質粒子は、前記吸水性樹脂100質量部に対して5質量部以上35質量部以下含まれており、
前記吸収体は前記吸水性樹脂の担持率が70%以上であり、
前記吸収体は1滴吸収速度が30秒以下である、吸収体。
<2>
基材シートと、該基材シート上に吸収性コアを有する吸収体であって、
前記吸収性コアは、吸水性樹脂、非繊維状の水溶性高分子、多価アルコール及び多孔質粒子を含み、
前記吸水性樹脂は、前記吸収性コア中に40質量%以上95質量%以下含まれ、
前記非繊維状の水溶性高分子は、前記吸水性樹脂に対して0.1質量%以上5質量%以下含まれ、
前記多価アルコールは、前記非繊維状の水溶性高分子に対して110質量%以上1500質量%以下含まれ、
前記多孔質粒子は、前記吸水性樹脂100質量部に対して5質量部以上35質量部以下含まれる、吸収体。
<3>
前記吸収体はその縦方向及び横方向の少なくとも一方における曲げ剛性が30g/20mm以下である前記<1>又は<2>に記載の吸収体。
<4>
前記吸収性コアは、その厚みが好ましくは0.3mm以上5mm以下、更に好ましくは0.4mm以上4.5mm以下、一層好ましくは0.5mm以上4mm以下である前記<1>ないし<3>のいずれか1に記載の吸収体。
<5>
前記多孔質粒子がゼオライト、パーライト、活性炭、バーミキュライト及び珪藻土からなる群から選択される少なくとも1種である前記<1>ないし<4>のいずれか1に記載の吸収体。
<6>
前記吸収体の面積に占める前記吸収性コアの面積の割合が好ましくは50面積%以上100面積%以下であり、更に好ましくは60面積%以上95面積%以下であり、一層好ましくは70面積%以上90面積%以下である前記<1>ないし<5>のいずれか1に記載の吸収体。
<7>
前記吸収性コアが繊維材料を非含有である前記<1>ないし<6>のいずれか1に記載の吸収体。
<8>
前記吸水性樹脂の粒径は、レーザー回折式粒度分布法で測定した累積体積50%での粒径D50が150μm以上500μm以下であることが好ましく、160μm以上450μm以下であることが更に好ましく、170μm以上400μm以下であることが一層好ましい<1>ないし<7>のいずれか1に記載の吸収体。
<9>
前記多孔質粒子の粒径は、レーザー回折式粒度分布法で測定した累積体積50%での粒径D50が5μm以上100μm以下であることが好ましく、10μm以上90μm以下であることが更に好ましく、15μm以上80μm以下であることが一層好ましい<1>ないし<8>のいずれか1に記載の吸収体。
<10>
レーザー回折式粒度分布法で測定した累積体積50%での前記吸水性樹脂の粒子の粒径D50をD1とし、前記多孔質粒子の粒径D50をD2としたとき、D2/D1の値が0.0125以上0.5以下であることが好ましく、0.025以上0.45以下であることが更に好ましく、0.05以上0.4以下であることが一層好ましい<1>ないし<9>のいずれか1に記載の吸収体。
<11>
前記多孔質粒子を、前記吸水性樹脂100質量部に対して7.5質量部以上30質量部含有させることが好ましく、10質量部以上25質量部含有させることが更に好ましい<1>ないし<10>のいずれか1に記載の吸収体。
<12>
前記吸水性樹脂の担持率が好ましくは75%以上であり、更に好ましくは80%以上である前記<1>ないし<11>のいずれか1に記載の吸収体。
<13>
前記吸収体の1滴吸収速度は、好ましくは25秒以下であり、更に好ましくは20秒以下である前記<1>ないし<12>のいずれか1に記載の吸収体。
<14>
前記吸収体は、縦方向と横方向の少なくとも一方における曲げ剛性が好ましくは30g/20mm以下であり、更に好ましくは25g/20mm以下であり、一層好ましくは20g/20mm以下である前記<1>ないし<13>のいずれか1に記載の吸収体。
以下、実施例により本発明を更に詳細に説明する。しかしながら本発明の範囲は、かかる実施例に制限されない。特に断らない限り、「%」は「質量%」を意味する。
〔実施例1ないし4及び比較例1ないし3〕
以下の原料を用いて、以下の表1に示す組成の塗布液を調製した。80×120mmの基材シートの上に50mm角のマス目に開口している厚さ0.3mmの金属プレートを載せ、調製した塗料液をマス目の大きさに塗工した。塗布液が塗工されたシートを80℃に設定された電気乾燥炉の中で約5分間乾燥させ、その後常温環境下で約10分放置させた。このようにして得られた吸収体を50mm角の吸収性コアのサイズに切って評価用のサンプルを作成した。基材シートとしては、PET、PE及びレーヨン繊維からなるスパンレース不織布(坪量35g/m)を用いた。吸水性樹脂としては、ポリアクリル酸ナトリウム塩重合体(サンダイヤポリマー株式会社製、IM997)を粉砕し、粒径D50を160μmとしたものを用いた。
<原料>
エタノール:日本合成アルコール株式会社製、合成アルコール95度
ポリビニルピロリドン:BASF社製、Luviskol(登録商標)K90
グリセリン:花王株式会社製、化粧品用濃グリセリン
ゼオライト:ジークライト株式会社製、SGW−B4
珪藻土:昭和化学工業株式会社製、ラヂオライト#2000S
パーライト:昭和化学工業株式会社製、トプコ(登録商標)38
ヒドロキシプロピルセルロース:日本曹達株式会社製、HPC−H
〔比較例4〕
本比較例は、特許文献2を追試したものである。実施例4の組成に基づいて、アセトン(和光純薬工業社製)、吸水性樹脂(ポリアクリル酸ナトリウム塩重合体)、タルク(日本タルク社製、P−3)及びバインダとしてミクロフィブリルセルロース(ダイセルファインケム株式会社製、セリッシュ(登録商標))を以下の表1に示す割合で配合して塗布液を作製した。この塗布液を用いたほかは、実施例1と同様に吸収体を得た。
〔評価〕
実施例及び比較例で得られた吸収体について、吸収性コアの厚みを上述の方法で測定した。また、吸収性コアの嵩密度、吸水性樹脂の担持率、吸収体の曲げ剛性、1滴吸収速度、反り度を以下の方法で測定した。それらの結果を以下の表2に示す。
〔吸収性コアの嵩密度〕
吸収性コアの質量(g)は、50mm角の吸収体の質量から基材シートのみの質量を引いて算出した。また、吸収体コアの長さ、幅及び厚みから体積を算出した。吸収性コアの嵩密度(g/cm)は、吸収性コアの質量(g)をその体積(cm)で除することにより算出した。
〔吸水性樹脂の担持率〕
120mm×100mmの基材シートの中心に50mm角で塗工し、その後乾燥して、測定対象の吸収体を得た。この吸収体を、基材シートの吸収性コア面を下方に向けた状態で、長手方向の両端部20mmずつをそれぞれ把持し、把持した両端部が互いに接触するように曲げ、その後、基材シートが張るように伸ばした。これらの曲げ伸ばしの動作を1回として、1秒/回で10回連続して行った。曲げ伸ばし前後の質量をそれぞれ測定し、その質量変化率を担持率とした。担持率及び脱落率は以下の式で表される。
脱落量(g)=(曲げ伸ばし前の吸収体の質量(g))−(曲げ伸ばし後の吸収体の質量(g))
脱落率(%)=100×脱落量(g)/(曲げ伸ばし前の吸収体の質量(g))
担持率(%)=100−脱落率(%)
〔吸収体の曲げ剛性〕
吸収体の曲げ剛性は三点曲げ荷重によって評価することができる。曲げ荷重の値が小さいほど柔軟性が高い、すなわち曲げ剛性が低いと判断できる。三点曲げ荷重の測定は次のようにして行われる。測定器はハンドロメーターを使用する。
吸収体の測定試料は50mm角の正方形とする。この測定試料を、一対の板状の支持体の間に架けわたす。支持体の間隔は20mmとする。支持体間に架けわたした測定試料の上から板状押し込み体を測定試料に押し込む。板状押し込み体は、その幅が2mmであり、長さは測定試料の長さよりも長くなっている。板状押し込み体を押し込む位置は、一対の支持体間の中間位置である。板状押し込み体を支持体に対して15mm押し込み、その移動量の間に発生した荷重の最大値を三点曲げ荷重とする。これを機械方向(MD)及び機械方向に直交する方向(CD)で測定し、曲げ剛性を評価した。
〔1滴吸収速度〕
50mm角の測定試料の吸収性コア表面上に生理食塩水1滴を垂らす。液が測定試料に接触した瞬間から測定試料が吸水するまでの間の時間を測定し、その値を1滴吸収速度とする。
〔反り度〕
50mm角の測定試料を平面上の平滑な床又はプレートの上に置き、床又はプレートから測定試料の最大高さを測定する。なお、測定の温度は25℃、湿度は20〜60%RHである。測定は、作成後5分以内に行った。
表2に示す結果から明らかなとおり、各実施例の吸収体は、比較例の吸収体に比べて、吸収速度が速く、曲げ剛性の値が低く、且つ反りの発生が抑制されていることが判る。また各実施例の吸収体は、吸水性樹脂が脱落しづらいことも判る。また、比較例3は無機材料の配合比が高く、嵩が増えてしまったことで、流動性が非常に低い塗布液となった。そのため、この塗布液を基材シートに塗工することができず、上述の評価を行うことができなかった。比較例4の吸収体は、吸水性樹脂の担持率が非常に悪いものであった。
10 製造装置
11 塗料
12 基材シート
13 塗布体
14 吸収性コア
16 吸収体
20 供給部
30 塗布部
40 乾燥部

Claims (7)

  1. 基材シートと、該基材シート上に吸収性コアを有する吸収体であって、
    前記吸収性コアは、吸水性樹脂、非繊維状の水溶性高分子、多価アルコール及び多孔質粒子を含み、
    前記多孔質粒子は、前記吸水性樹脂100質量部に対して5質量部以上35質量部以下含まれており、
    前記吸収体は前記吸水性樹脂の担持率が70%以上であり、
    前記吸収体は1滴吸収速度が30秒以下である、吸収体。
  2. 基材シートと、該基材シート上に吸収性コアを有する吸収体であって、
    前記吸収性コアは、吸水性樹脂、非繊維状の水溶性高分子、多価アルコール及び多孔質粒子を含み、
    前記吸水性樹脂は、前記吸収性コア中に40質量%以上95質量%以下含まれ、
    前記非繊維状の水溶性高分子は、前記吸水性樹脂に対して0.1質量%以上5質量%以下含まれ、
    前記多価アルコールは、前記非繊維状の水溶性高分子に対して110質量%以上1500質量%以下含まれ、
    前記多孔質粒子は、前記吸水性樹脂100質量部に対して5質量部以上35質量部以下含まれる、吸収体。
  3. 前記吸収体はその縦方向及び横方向の少なくとも一方における曲げ剛性が30g/20mm以下である請求項1又は2に記載の吸収体。
  4. 前記吸収性コアはその厚みが0.3mm以上5mm以下である請求項1ないし3のいずれか一項に記載の吸収体。
  5. 前記多孔質粒子がゼオライト、パーライト、活性炭、バーミキュライト及び珪藻土からなる群から選択される少なくとも1種である請求項1ないし4のいずれか一項に記載の吸収体。
  6. 前記吸収体の面積に占める前記吸収性コアの面積の割合が50面積%以上100面積%以下である請求項1ないし5のいずれか一項に記載の吸収体。
  7. 前記吸収性コアが繊維材料を非含有である請求項1ないし6のいずれか一項に記載の吸収体。
JP2017215007A 2016-12-20 2017-11-07 吸収体 Pending JP2019084074A (ja)

Priority Applications (4)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2017215007A JP2019084074A (ja) 2017-11-07 2017-11-07 吸収体
PCT/JP2017/044450 WO2018116893A1 (ja) 2016-12-20 2017-12-11 吸収体及びその製造方法
CN201780077046.5A CN110072500B (zh) 2016-12-20 2017-12-11 吸收体和其制造方法
TW106144355A TWI700077B (zh) 2016-12-20 2017-12-18 吸收體及其製造方法

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2017215007A JP2019084074A (ja) 2017-11-07 2017-11-07 吸収体

Publications (1)

Publication Number Publication Date
JP2019084074A true JP2019084074A (ja) 2019-06-06

Family

ID=66761621

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP2017215007A Pending JP2019084074A (ja) 2016-12-20 2017-11-07 吸収体

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JP2019084074A (ja)

Citations (5)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2001214399A (ja) * 2000-02-01 2001-08-07 Nippon Kyushutai Gijutsu Kenkyusho:Kk 水崩壊性高吸水性複合体及び吸収体物品
JP2007044118A (ja) * 2005-08-08 2007-02-22 Asahi Kasei Chemicals Corp 使い捨て体液吸収物品
JP2013540164A (ja) * 2010-07-05 2013-10-31 レルシオ, インコーポレイテッド 分解性の超吸収性ポリマー
WO2015093594A1 (ja) * 2013-12-20 2015-06-25 株式会社日本触媒 ポリアクリル酸(塩)系吸水剤及びその製造方法
JP2016123655A (ja) * 2014-12-26 2016-07-11 ユニ・チャーム株式会社 吸収性物品

Patent Citations (5)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2001214399A (ja) * 2000-02-01 2001-08-07 Nippon Kyushutai Gijutsu Kenkyusho:Kk 水崩壊性高吸水性複合体及び吸収体物品
JP2007044118A (ja) * 2005-08-08 2007-02-22 Asahi Kasei Chemicals Corp 使い捨て体液吸収物品
JP2013540164A (ja) * 2010-07-05 2013-10-31 レルシオ, インコーポレイテッド 分解性の超吸収性ポリマー
WO2015093594A1 (ja) * 2013-12-20 2015-06-25 株式会社日本触媒 ポリアクリル酸(塩)系吸水剤及びその製造方法
JP2016123655A (ja) * 2014-12-26 2016-07-11 ユニ・チャーム株式会社 吸収性物品

Similar Documents

Publication Publication Date Title
JP5877710B2 (ja) 吸水シート
TWI488660B (zh) Absorbent sheet structure
TWI494136B (zh) Absorbent sheet structure
JP5571215B2 (ja) 吸収性複合体の製造方法
US8383227B2 (en) Transfer layer for absorbent article
JP5755151B2 (ja) 吸水シート構成体
JP4637828B2 (ja) 吸収構造体を含む吸収物品
KR100264483B1 (ko) 지지체 및 가교결합가능한 하이드로겔 중합체 입자로 형성된 흡수성 복합 구조체
JP5969211B2 (ja) 吸水シート構成体の製造方法
EP2356961B1 (en) Transfer layer for absorbent article
JPH10505521A (ja) 相異なる橋かけ結合度の区域を有する吸収性構造体およびその製法
MXPA06014873A (es) Articulo absorbente que tiene nucleo absorbente conformado y formado sobre un sustrato.
JP3692486B2 (ja) 高吸水性シート及びその製造方法
CN110072500B (zh) 吸收体和其制造方法
JP2019084074A (ja) 吸収体
JP6835565B2 (ja) 吸収体及びその製造方法
JP2019084075A (ja) 吸収体
JP4841196B2 (ja) 使い捨て体液吸収物品
JP7488137B2 (ja) 吸収性シート及び吸収性物品
JP7157530B2 (ja) 吸収性物品
JP2007050024A (ja) 使い捨て体液吸収物品
JP4840905B2 (ja) 使い捨て体液吸収物品
JP2021029942A (ja) 吸収性シート、吸収性物品及び吸収性シートの製造方法

Legal Events

Date Code Title Description
A621 Written request for application examination

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A621

Effective date: 20200908

A131 Notification of reasons for refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131

Effective date: 20211102

A02 Decision of refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A02

Effective date: 20220419