JP6834076B2 - 健康を意識させるナビゲーションシステム、サーバ及びプログラム - Google Patents

健康を意識させるナビゲーションシステム、サーバ及びプログラム Download PDF

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Description

本発明は、健康管理のためのナビゲーションシステムに関する。
近年、高齢化社会を迎え、健康に関する関心が増々高まっている。そのため、利用者の健康管理を支援するシステムなどが多数提案されている。例えば、特許文献1には、自転車や歩行において、どれだけ運動したのかを明確にすることが可能で、どのような経路を移動すれば、目的のカロリー消費量を達成できるかを提示することのできる健康管理のためのナビゲーションシステムが開示されている。このナビゲーションシステムは、測地情報と地図データを利用したカロリー消費量計算方式と、目的地点までの移動にかかるカロリー消費量が最も少ない経路を生成する最少カロリー経路生成方式と、目的の消費カロリー量が与えられると、出発地点から再び出発地点に戻ってくるといった目的のカロリー消費量を達成する経路を生成するカロリー消費達成経路生成方式と、一度生成した経路とは別の経路を生成するために、一度生成した経路の情報を管理する経路情報管理手段とを備えている。
また、特許文献2には、健康を考慮した経路探索を行う携帯用ナビゲーション装置が開示されている。この携帯用ナビゲーション装置では、現在位置検出手段と地図データ記憶手段と経路探索手段と入力手段と速度算出手段と、を備えており、上記経路探索手段による経路探索時において、上記入力手段により当該携帯用ナビゲーション装置を所持する使用者が所望する目的地、及び歩行時間の入力を行うと、経路探索手段は、上記入力に基づく経路を探索する。
特開2004−109100号公報 特開2008−241416号公報
しかしながら、上記特許文献1に記載のナビゲーションシステムでは、目的の消費カロリーを達成する経路を提示することが主眼であり、日常的によく利用されると思われる通勤やレジャーなどのための電車やバスの移動手段のナビゲーションとは別に、健康管理のための自転車や歩行の移動手段のためのナビゲーションシステムを別途用意して使い分けをする必要がある。また、特許文献2に記載の携帯用ナビゲーション装置では、使用者が目的地と歩行時間を入力しなければならず、歩行時間を毎回入力するのは煩わしく、急ぎのときなどには使用しづらい。
したがって、本発明では、上記のような課題に鑑み、健康管理のために柔軟な移動経路の検索が入力可能なナビゲーションシステムを提供することを目的とする。
上記課題を解決するため、本発明は、以下のような解決手段を提供する。
(1)本発明の第1の態様では、ユーザに健康を意識させるためのナビゲーションシステムにおけるサーバであって、出発地から目的地への移動時間に対する前記ユーザの許容範囲である許容移動時間を含む検索条件を前記ユーザの端末から受け付ける検索条件受付手段と、前記検索条件に基づいて移動経路を検索する経路検索手段と、前記移動経路ごとに歩行による消費カロリーを算出する消費カロリー算出手段と、前記移動経路ごとに前記消費カロリーを含む検索結果を前記ユーザの端末に提示する検索結果提示手段と、を備えることを特徴とする。
(2)また、上記(1)の構成において、前記検索条件受付手段は、前記許容移動時間に代えて、又は前記許容移動時間に加えて、前記ユーザが移動可能な時間帯である移動可能時間帯を受け付ける移動可能時間帯受付手段を備えるようにしてもよい。
(3)また、上記(1)又は(2)の構成において、前記検索の結果、前記目的地への到着時刻に余裕がある場合、前記目的地に至るまでに前記余裕の時間内に立ち寄ることが可能な周辺スポットを検索する周辺スポット検索手段を備えるようにしてもよい。
(4)また、上記(1)〜(3)のいずれか1つの構成において、前記消費カロリー算出手段は、前記ユーザの端末から実際の歩行移動距離及び歩行移動速度に基づいた運動量を取得し、消費カロリーを算出するようにしてもよい。
(5)また、上記(1)〜(4)のいずれか1つの構成において、前記検索結果提示手段は、前記ユーザの年齢、体重、性別、その他身体情報に応じて、検索結果の表示順序を調整するようにしたもよい。
(6)また、上記(3)の構成において、前記周辺スポット検索手段は、検索時の天候、季節、イベント開催の有無によって検索対象となる周辺スポットを変更するようにしてもよい。
(7)また、上記(1)〜(6)のいずれか1つの構成において、前記消費カロリー算出手段は、前記ユーザの移動履歴から、検索時の予想消費カロリーと実際の消費カロリーとの差異を検証するようにしてもよい。
(8)また、本発明の第2の態様では、ユーザに健康を意識させるためのナビゲーションシステムにおけるサーバのプログラムであって、出発地から目的地への移動時間に対する前記ユーザの許容範囲である許容移動時間、及び又は前記ユーザが移動可能な時間帯である移動可能時間帯を含む検索条件を前記ユーザの端末から受け付けるステップと、前記検索条件に基づいて移動経路を検索するステップと、前記移動経路ごとに歩行による消費カロリーを算出するステップと、前記移動経路ごとに前記消費カロリーを含む検索結果を前記ユーザの端末に提示するステップと、をコンピュータに実行させることを特徴とする。
本発明によれば、健康管理のために柔軟な移動経路の検索が可能なナビゲーションシステムを提供することができる。
本発明の実施形態に係る健康意識ナビゲーションシステムの基本概念を説明するための検索の画面イメージを示す図である。 健康意識ナビゲーションシステムの機能構成例を示す図である。 健康意識ナビゲーションシステムのユーザ情報データベース(DB)に格納されるデータの構成例を示す図である。 第1の実施形態における検索処理フローを示す図である。 第1の実施形態における検索条件入力画面の一例を示す図である。 第1の実施形態における検索結果画面の一例を示す図である。 第2の実施形態における検索処理フローを示す図である。 第2の実施形態における検索条件入力画面の別の一例を示す図である。 第2の実施形態における検索結果画面の別の一例を示す図である。
以下、添付図面を参照して、本発明を実施するための形態(以下、実施形態)について詳細に説明する。以降の図においては、実施形態の説明の全体を通して同じ要素には同じ番号又は符号を付している。また、機能構成の図において、機能ブロック間の矢印は、データの流れ方向、又は処理の流れ方向を表す。
(基本概念)
図1は、本発明の実施形態に係る「健康意識ナビゲーションシステム」の基本概念を説明するための検索の画面イメージを示す図である。本実施形態の健康意識ナビゲーションシステムは、ユーザの健康管理を支援するためのシステムであって、特に移動時おいて健康を常に意識させるためのシステムである。以下ではこのシステムを、「健コンナビ」(Health Conscious Navigation systemの略)又は「本システム」と呼ぶことにする。
健コンナビの検索画面では、通常のナビゲーションのように、ユーザが出発地(又は現在地)と目的地などの検索条件を指定し、移動経路や移動手段を探索する。しかし、健コンナビでは、検索条件として出発時刻や到着時刻の代わりに「許容移動時間」を入力させる。ここで「許容移動時間」とは、出発地から目的地に着くまでのユーザが許容できる時間をいう。許容移動時間は、移動そのものの時間に、その移動に関連する時間を加えたものであると考えてもよい。
一般的なナビゲーションシステムでは、ユーザは、出発地と目的地とともに、出発時刻又は到着時刻を指定するが、健コンナビの許容移動時間は、何時に出発したいとか何時に目的地に着きたいといったものでなく、移動に関連する合計時間の許容範囲であり、場合によっては、到着が希望時刻より早くなってもよい。例えば、出発時刻や到着時刻にこだわらす、とにかく2時間以内に着けばよいという場合に指定する。このような場合、従来のナビでは、到着希望時刻を指定し、それに合わせて出発時刻を調整するしかない。
一方、本システムの健コンナビでは、必ずしも出発時刻を調整する必要はなく、また、到着時刻もあまり意識せず、移動時間がほぼ2時間以内に収まるように、システムが様々な経路を提示してくれる。このとき、通常の経路だけでなく、健康を意識した経路を提示する。すなわち、健康を意識するユーザに対しては、移動時間の短い経路、乗換が少ない経路、運賃の安い経路を提示するだけでなく、許容移動時間を指定させることで移動時間にある程度の幅を持たせ、徒歩での移動時間をあえて長くとる経路を検索したり、あえて負荷の多い経路を検索したり、余裕時間を使って目的地に至るまでに適切なスポット(例えば、公園、スポーツジム、観光名所など)に立ち寄ったりすることが可能な経路を検索する。もちろん、急ぐ場合は、許容移動時間を最小にし、例えば「できるだけ早く」などと指定すればよい。この場合、健コンナビは、通常のナビゲーション、すなわち、移動が早い(早)、乗換が少ない(楽)、運賃が安い(安)、といった経路を優先して提示する。「できるだけ早く」をデフォルトにしておけば、通常のナビとして利用できるが、目標とする消費カロリー(目標消費カロリー)を達成しそうもないときは、システムがこのデフォルトを自動的に変更するようにしてもよい。したがって、健コンナビは、急ぐときや消費カロリーが十分なときは通常のナビゲーションとしても利用可能である。もちろん、その場合でも経路ごとの消費カロリーを表示するようにしてもよい。
このため、健コンナビの検索画面では、図1の上段に示すように、消費カロリー欄を設け、1日の目標消費カロリーをユーザに予め入力させる手段を備える。好ましくは、ユーザの現在(現時点)の消費カロリーを表示するようにしてもよい。現在の消費カロリーは、ユーザが携帯するスマートフォンなどのユーザの端末に備えられた、歩数計やGPSなどの位置情報の移動履歴から計算できる。ユーザの体重や歩行速度を加味すれば、より正確な消費カロリーを計算できる。現在の消費カロリーが分かれば、目標に対してあとどれくらいのカロリーを消費する必要があるかが容易に分かる。また、更に好ましくは、現在の消費カロリーから1日の消費カロリーを予測する手段を備えるようにしてもよい。例えば、ユーザがサラリーマンであって、1日の目標消費カロリーを300Kcalとし、ある日、そのユーザが勤務先に到着した時点での消費カロリーが20Kcalであったとしたら、そのまま特に運動せずに同じ通勤経路で帰宅した場合は、1日の予想消費カロリーは、およそ40Kcalであることが推定できる。したがって、通常の通勤経路の移動だけでは目標に対して260Kcalの不足が生じることになる。
健コンナビは、上記のような検索条件や消費カロリーに関するデータが入力されると、検索結果として、通常のナビでは表示されないような健康を意識させる様々な経路が提示される。例えば、図1の下段に示すように、経路1は通常の通勤経路(「〇〇駅」から「××駅」まで)で帰宅した場合、経路2は自宅の最寄駅(「××駅」)でなく、途中の「〇×駅」で下車して徒歩で帰宅した場合、経路3は勤務先の最寄駅(「〇〇駅」)でなく、徒歩で寄り道をし、「〇△駅」から乗車して帰宅した場合、経路4は徒歩だけで帰宅した場合の経路が提示されている。この例では、目標消費カロリーを達成するのに最も近い経路4が推奨されているが、消費カロリーが必ずしも目標に達しなくとも、ユーザの身体情報やその他の健康状態やプロフィールに合わせて、健康に寄与するような経路(例えば、自然の多い道路や階段の少ない道路)を提示することもできる。この例では、通勤で帰宅する場面を示したが、別の場面として、会社の取引先への移動、散歩、レジャー、旅行などの移動経路を検索する場面でも同様である。
(機能構成)
図2は、健康意識ナビゲーションシステム(本システム)の機能構成例を示す図である。本システムは、ユーザが携帯するユーザ端末10と検索サーバ100とが交信可能にネットワークで接続され、ユーザが入力した検索条件に基づいて、検索サーバ100が検索条件にマッチした移動経路に関する情報を検索し、その検索結果をユーザ端末10に表示させる。
ユーザ端末10は、スマートフォンなどの一般的な携帯型の端末であり、GPSなどによる位置情報取得手段11と、好ましくは、歩数計などの運動量を計測する運動量計測手段12を備えるものとする。運動量計測手段12は、加速度センサを用いて歩数と移動速度から1日の実際の運動量の消費カロリーをユーザ端末10側で算出するものであってもよい。
検索サーバ100は、一構成例として、検索条件受付手段101と、経路検索手段102と、周辺スポット検索手段103と、消費カロリー算出手段104と、運動量取得手段105と、検索結果提示手段106を備える。ただし、このような構成に限定されるものではない。また、検索サーバ100は、データベースとして、地図情報DB110と、路線情報DB111と、周辺情報DB112と、ユーザ情報DB113とを備える。これらのデータベースは、ユーザ情報DB113を除いて、検索サーバ100内に構築してもよいが、外部システムのデータベースを利用してもよい。
検索条件受付手段101は、通常の交通機関のナビと同様に、出発地(又は現在地)、目的地、経由地、出発時刻又は到着時刻などの検索条件をユーザ端末10から受け付ける。また、検索条件受付手段101は、結果を表示するときの優先順位(早さ優先、安さ優先、楽さ(厳しさ)優先など)を受け付けてもよい。
検索条件受付手段101は、更なる検索条件を受付可能であり、そのため、許容移動時間受付手段101A、及び/又は移動可能時間帯受付手段101Bを備える。移動可能時間帯受付手段101Bは、許容移動時間受付手段101Aに代えて、又は許容移動時間受付手段101Aに加えて備えるようにしてもよい。許容移動時間については前述したとおりであるが、「移動可能時間帯」とは、ユーザが移動可能な時間帯(移動及びその移動に関連して費やせる時間帯)を意味する。移動可能時間帯は、出発時刻や到着時刻を指定するのではなく、例えば、11時から13時までの間に移動を完了すればよいというような場合に指定する。ユーザが移動する場合、移動時間そのものはたとえ1時間であったとしても、その他の時間(移動前後の時間)は、余裕時間として自由に使いたい場合がある。本システムでは、このような場合、細切れの時間ではあるが、この時間を健康のための歩行時間やその他の運動に利用するように提示する。すなわち、移動可能時間帯を指定しておけば、前後の時間を利用して、健康に役立つような経路やその経路上又はその近辺であって、目的地に至るまでに立ち寄ることが可能な周辺スポットを検索し提示してくれる。
経路検索手段102は、検索条件受付手段101で受け付けた検索条件に基づいて、移動経路及び移動手段を探索する。また、周辺スポット検索手段103は、移動経路ごとに余裕時間に立ち寄ることが可能な周辺スポットを検索する。余裕時間に立ち寄ることが可能な周辺スポットとは、例えば、公園、観光名所、神社、寺、コンビニ、マッサージ店、スポーツジムなどが考えられる。飲食店も場合によっては検索対象となる。また、周辺スポット検索手段103は、検索時の天候、季節、イベント開催の有無によって、検索対象となる周辺スポットを変更するようにしてもよい。ユーザの趣味や嗜好などを加味してもよい。例えば、雨の日には野外のスポットは検索対象としない、買物が好きなユーザには、嗜好に合ったショップを検索対象に多く入れるなどである。なお、経路検索手段102や周辺スポット検索手段103の検索技術、及び地図情報DB110、路線情報DB111、周辺情報DB112は、公知の技術を利用するものとし、ここでは詳しい説明は省略する。
消費カロリー算出手段104は、経路検索手段102及び周辺スポット検索手段103の検索の結果得られた経路ごとに歩行距離を求め、ユーザの体重と歩行速度(メッツ)から消費カロリーを算出する。階段や坂道なども考慮してもよい。なお、ユーザの体重や歩行速度などの身体情報はユーザ情報DB113に予め格納されているものとする。
運動量取得手段105は、ユーザ端末10に備えた運動量計測手段12から実際の運動量の消費カロリーを算出する。運動の消費カロリーの計算は、端末側で行ってもよいし、サーバ側で行ってもよい。
検索結果提示手段106は、経路検索手段102と周辺スポット検索手段103が検索した経路、スポットでの所要時間、運賃などの経費、その経路ごとに消費カロリー算出手段104が算出した消費カロリー、及び運動量取得手段105が取得した現時点での消費カロリーを含んだ検索結果を送信し、ユーザ端末10に表示させる。このとき、検索結果提示手段106は、予め指定された優先順位にしたがって、表示させる順序を決定する。例えば、ユーザが指定した優先順位にはよらず、目標消費カロリーと現時点の消費カロリーの差が大きいほど、消費カロリーの大きい経路をより上位に表示させるようにしてもよい。また、検索結果提示手段106は、ユーザの年齢、体重、性別、その他身体情報に応じて、検索結果の表示順序(優先順位)を調整するようにしてもよい。例えば、高齢のユーザには階段や坂道の多い歩行経路はたとえ消費カロリーが目標に合致するものであっても表示順序を下げるなどする。
図3は、上記の検索サーバ100が管理するユーザ情報DB113のデータ構成を示す図である。ユーザ情報DB113には、ユーザIDやログインパスワードなどの認証情報、ユーザの年齢、性別、体重、身長、歩行速度(メッツ)などの身体情報、及びユーザの自宅住所や勤務先住所を含む登録地点情報が格納される。なお、メッツとは運動によるエネルギー消費量が、安静時の何倍にあたるかを示す値である。
また、ユーザ情報DB113には、消費カロリー情報として、ユーザが入力した、食事、目標消費カロリー、現在の消費カロリー、予想消費カロリー、必要消費カロリーの各データが、1日ごと、1週間ごと、1か月ごとに記録される。可能であれば、食事からの1日の平均摂取カロリーを入力させるようにしてもよい。運動による消費カロリー(Kcal)は、メッツ*体重Kg*運動時間*1.05で簡単に計算することができる。例えば、体重50Kgの人間が時速4Km(3メッツ)で60分歩いた場合は、消費カロリーは158Kcalとなる。上記で計算された消費カロリーにはある程度の誤差が含まれるので、所定の幅(バッファ)を持たせてもよい。なお、消費カロリーの計算の精度を上げるために、栄養学的な専門式(ハリス・ベネディクト方程式)などを用いてもよい。
歩行以外の運動による消費カロリーは、可能であれば、自転車での消費カロリーやその他の運動の消費カロリーを含むようにしてもよい。1週間や1か月の目標消費カロリーは、1日の目標を入力すれば自動計算される。また、ユーザ情報DB113には、ユーザの日々の移動履歴(更に好ましくは交通機関の乗車履歴を含む)を記録することが好ましい。移動履歴によって、検索時の予想消費カロリーと実際の移動による消費カロリーとの差異を検証することができるからである。ユーザ端末10の位置情報取得手段11から移動履歴が取得でき、ユーザ端末10にIC乗車券の機能があれば、乗車履歴が容易に取得できる。もちろん、ユーザ情報DB113に記録されたカロリーや移動履歴などのデータは、ユーザがいつでも閲覧することができるものとする。
以上、上記で説明した本システムの機能構成は、あくまで一例であり、1つの機能ブロック(データベース及び機能処理部)を分割したり、複数の機能ブロックをまとめて1つの機能ブロックとして構成したりしてもよい。各機能処理部は、装置に内蔵されたCPU(Central Processing Unit)が、ROM(Read Only Memory)、フラッシュメモリ、SSD(Solid State Drive)、ハードディスクなどの記憶装置に格納されたコンピュータ・プログラムを読み出し、CPUにより実行されたコンピュータ・プログラムによって実現される。すなわち、各機能処理部は、このコンピュータ・プログラムが、記憶装置に格納されたデータベース(DB;Data Base)やメモリ上の記憶領域からテーブルなどの必要なデータを読み書きし、場合によっては、関連するハードウェア(例えば、入出力装置、表示装置、通信インターフェース装置)を制御することによって実現される。また、本発明の実施形態におけるデータベース(DB)は、商用データベースであってよいが、単なるテーブルやファイルの集合体をも意味し、データベースの内部構造自体は問わないものとする。
(第1の実施形態)
図4は、本発明の第1の実施形態における検索処理フローを示す図である。以降の処理フロー図(フローチャート)においては、各ステップの入力と出力の関係を損なわない限り、各ステップの処理順序を入れ替えてもよい。
検索サーバ100(以下、単にサーバと呼ぶ)は、まずステップS10で、出発地(指定がない場合は現在地を出発地とする)、目的地、必要であれば経由地を取得する。更に前述した許容移動時間、予めユーザが入力した目標消費カロリー、及びユーザ端末10(以下、単に端末と呼ぶ)から取得した現在の消費カロリーを取得する。ユーザが許容移動時間でなく、前述の移動可能時間帯を指定した場合は、第2の実施形態として図7、図8、図9で説明する。
次にサーバは、ステップS11で、現在の消費カロリーから目標消費カロリーを達成するのに必要な消費カロリー(不足消費カロリー)及び予想消費カロリーを算出する。予想消費カロリーは、ユーザの当日の現在位置と過去の移動履歴から推定する。
続いてサーバは、ステップS12で急ぎの移動が否かを判定する。具体的には、許容移動時間が「できるだけ早く」など最小に指定されている場合は、急ぎの移動と判定する。あるいは、移動区間に対して極端に許容移動時間が短い場合は急ぎの移動と判断してもよい。急ぎの移動と判定した場合は、ステップS14に移り、本システムは、経路ごとの消費カロリーを表示させる以外は通常のナビと同様の動きをする。
ステップS12で、急ぎの移動でない(移動時間に余裕がある)と判定した場合は、ステップS13に移り、必要な消費カロリーが不足しているか否かを判定する。ここで、ステップS11で算出した必要消費カロリーと予想消費カロリーに基づいて、消費カロリーの不足度をレベル分けしてもよい。
ステップS13で、必要消費カロリーが不足していると判定された場合は、ステップS15に移り、指定された許容移動時間内に収まる経路検索を行う。具体的には、出発地から目的地までの移動時間が許容移動時間内である経路をすべて検索し、抽出する。そして、ステップS16で、検索された経路ごとに所定の余裕時間があるか否かを判定する。所定の余裕時間がある場合には、ステップS17で、経路上の駅の周辺スポットなどを検索し、そのスポットまでの駅からの徒歩での移動時間及びそのスポット内での平均所要時間又は最低所要時間を取得する。取得した時間が余裕時間を超える場合は別のスポットを検索する。もともと余裕時間がない場合は、ステップS17はスキップする。
そしてステップS18で、消費カロリーを含んだ経路情報を提示し、端末に表示させる。このとき、ステップS13で分類した不足度レベルを用いて、不足度レベルに応じて、検索結果を色分けしてもよい。例えば、不足度レベルが高いユーザに対しては、不足分を補うことが可能な経路を赤で表示し、不足分を補うことができない経路は黒で表示するなどする。不足度レベルが低い(通常の移動でも消費カロリーが十分な)ユーザの場合は、特に色分けする必要はない。
ユーザが、表示された経路のうち1つを選択し、それを決定すると(ステップS19:Y)、ステップS20において、決定された経路の消費カロリーを現在の予想消費カロリーに加算して処理を終了する。ただし、ユーザがその決定した経路を利用せず、別の経路を利用したことが位置情報の移動履歴や乗車履歴などから判明した場合は、加算した消費カロリー分を実際に利用した経路の消費カロリーに置き換えるようにしてもよい。なお、ステップS19において、提示したいずれの経路もユーザが選択しなかった場合は、ステップS15に戻り、提示した経路を除いて再び検索を行うようにしてもよい。
図5は、第1の実施形態における検索条件入力画面の一例を示す図である。図示する検索条件入力画面200では、例として、出発地を自宅とし、目的地として浅草の浅草寺を指定したある日のお出かけの場面を示している。ここでは許容移動時間として3時間を選択し、出発時刻や到着時刻を指定しないものとする。すなわち、特別の目的がなくゆったりとしたお出かけであり、ユーザは途中寄り道をすることも考慮に入れている。また、ユーザは、消費カロリーの欄で1日の目標消費カロリーを300Kcalと予め指定しているものとする。現在の消費カロリーは、朝起きたばかりなのでゼロと仮定する。また、この場合、1日の予想消費カロリーは、電車での移動がほとんどであると仮定し、0Kcal(現在の消費カロリー)+20Kcal(電車だけでの往復移動による消費カロリー)=20Kcal(最低予想消費カロリー)と算出している。
以上のような検索条件で検索した結果を図6に示す。図6は、第1の実施形態における検索結果画面の一例を示す図である。この例の検索結果画面210では、ユーザが入力した検索条件を確認のため欄211に表示し、検索された複数の経路とその移動手段を欄212に表示している。1つの経路であっても移動手段が異なれば複数の経路として表示される。ただし、ここでは簡単化のため乗換や経由地などは考慮していない。また、簡単化のため図6では歩行時間、乗車時間、乗換時間などの表示は省略している。
また、ここでは検索された経路は4つしか示していないが、経路1は浅草寺まですべて徒歩で行くコース、経路2は押上駅まで行ってスカイツリーに1時間ほど立ち寄ってから徒歩で浅草寺まで行くコース(スカイツリーはユーザが経由地として指定した場所でない点に注意されたい)、経路3は東神奈川まで徒歩で行って買物をしてから浅草寺まで行くコース、経路4は横浜から浅草まで直行するコースである。上記の検索条件の場合は、当然のことながら、最も消費カロリーの多い経路1が最上位に表示されるが、現在の消費カロリーが既に150Kcal以上ある場合やユーザの身体状態によって、経路2が最上位に表示されることもある。すなわち、検索時点の状況によって最も消費カロリーの高い経路が最上位に表示されるとは限らないし、最も消費カロリーが低い経路(楽な経路)が最上位に表示されることもある。また、健康のために役立つような「経由地」を自動生成する手段を備えることにもなる。このようなことは通常のナビでは起こり得ないことである。
また、図6の画面220は、上記の検索結果画面210から特定の経路を選択した場合の消費カロリーの変化を示した画面である。この画面は、検索結果画面210のオプションの画面として表示してもよい。例えば、本日のユーザの予定が、運動不足を補うため、ジョギングをする予定だったとすると、経路2を選択して外出した場合には、この経路で消費されるカロリーは150Kcalなので、残り必要な消費カロリーは260Kcalから130Kcalに減り、ユーザはジョギングの時間を、例えば1時間から30分に減らしても大丈夫であることが分かる。これは、システム側でユーザの日ごと、週ごと、月ごとなどの予定を取得できる手段を備えておくことで容易に実現できる。また、毎日の活動履歴と消費カロリー実績値を蓄積しておき、消費カロリーの変化の経過を観測することや目標値と比較できるようなグラフを表示するようにしてもよい。このようにすることで、目標達成のため大きな負荷のかかり過ぎる運動などを避けることができ、無理なく健康のための活動を続けることができる。
(第2の実施形態)
図7は、本発明の第2の実施形態における検索処理フローを示す図である。第2の実施形態は、許容移動時間の代わりにユーザが移動可能時間帯を指定した場合である。図7では図4と異なるステップをAの記号を付加して示している。以下、図4と異なる部分についてのみ説明する。
まずステップS10Aでは、許容移動時間の代わりに移動可能時間帯を取得する。また、ステップS15Aでは、その移動可能時間帯に収まる経路を検索する。具体的には、出発時刻を移動可能時間帯内で徐々にずらしてゆき、到着時刻が移動可能時間帯に収まる経路をすべて検索し抽出する。このようにして、実際の移動時間の前後又は途中に余裕時間がある場合は、ステップS17で、その余裕時間内で移動可能であり、かつ所定の時間滞在可能な周辺スポットを検索する。所定の滞在可能時間は、スポットによって異なるが、周辺情報DB112に記憶されているものとする。その他の処理は図4の場合と同様である。
図8は、第2の実施形態における検索条件入力画面の別の一例を示す図である。この例の検索条件入力画面300では、ユーザの出発地が勤務先の会社であり、ユーザがこれから取引先のA社に向かおうとする場面を想定している。A社との約束の時間は13時であるが、余裕を持って移動可能時間帯を10:00から12:50までとして指定している。また、1日の消費カロリーの目標値が300Kcalであり、現在の消費カロリーは100Kcal、1日の予想消費カロリーは150Kcalであるとする。この場合、必要な消費カロリーは残り150Kcalとなる。
図9は、上記の検索条件で検索を行った場合の検索結果画面の別の一例を示す図である。この例の検索結果画面310では、出発地は五反田の勤務先であり、目的地は四谷のA社であることが示されている。簡単化のため検索結果は歩行時間、乗車時間、乗換時間などの表示は省略している。また、検索結果では、比較のため4つの経路のみを示しているが、経路1は直ちに10時に出発した場合、経路2は30分出発をずらした場合を示す。従来のナビでは、このような場合、出発時刻や到着時刻を徐々にずらしたり、「前出発」又は「後出発」のボタンを押して何度も検索しなおしたりする必要があるが、本システムを利用すれば一度の検索でこのような経路が比較できる。
経路1では到着後に、また経路2では移動前後に、中途半端な余裕時間が生じるが、経路3では10時に出発すれば、A社近くの人気店である〇〇店で食事をとる時間があることが提示されている。また、経路4では、同じくA社近くの□□公園で、散歩したり弁当を食べたりする時間があることが提示されている。このような場合、従来のナビでは、経路ごとに周辺スポットを検索して周辺スポットの情報を調べる必要があるが、本システムでは検索するだけでこのような情報が自動的に提示されるので、一度で簡単に比較できる。同時に、どの経路が健康によいかも調べられる。なお、経路3、経路4では移動可能時間帯の最初である10時に出発する経路を示したが、別の出発時刻であっても、そのときの余裕時間に合った周辺スポットが自動的に検索される。
(実施形態の効果)
このようにして本システムでは、ユーザに健康を意識させるナビゲーションを提供し、かつ移動に余裕がある場合は、その余裕時間を有効にかつ効率的に活用する方法を提示することができる。また、上述した第1の実施形態と第2の実施形態は択一的ではなく、組み合わせて利用することもできる。例えば、往路では許容移動時間を指定し、復路では移動可能時間帯を指定する、又はその逆にするなどである。往路と復路では状況が異なるからである。あるいは、許容移動時間と移動可能時間帯を同時に指定し、より広範囲な検索結果から最も自分に適した経路を選択することも可能である。このように許容移動可能時間と移動可能時間帯を組み合わせることでより柔軟な検索ができる。
上記の効果に加え、本システムによれば、ユーザに出発時刻又は到着時刻を指定させるのではなく、許容移動時間を指定させるので、健康のために歩行時間をなるべく多くとれるような余裕のある移動経路を提示することができる。また、急ぎの移動のときは(許容移動時間が最小)、又はユーザにとって必要な消費カロリーが十分達成されているときは、通常のナビゲーションシステムとして動作する。
また、本システムによれば、許容移動時間だけでなく、移動可能時間帯を指定することもできるので、より柔軟な移動時間の指定ができる。また、経路検索の結果、目的地への到着時刻に余裕がある場合は、目的地に至るまでに余裕時間内に立ち寄ることが可能な周辺スポットを検索することもできる。また、ユーザ端末から実際の歩行移動距離及び歩行移動速度に基づいた運動量を取得し、消費カロリーを算出することもできる。また、検索結果は、ユーザの年齢、体重、性別、その他身体情報に応じて、検索結果の表示順序(優先順位)を調整することもできる。検索時の天候、季節、イベント開催の有無によって検索対象となる周辺スポットを変更することもできる。また、ユーザの移動履歴から、検索時の予想消費カロリーと実際の消費カロリーとの差異を検証することも可能となる。
なお、上記の実施形態では、主に歩行時の消費カロリーについて説明したが、自転車による移動や移動を伴わない運動による消費カロリーに対しても適用が可能である。
以上、実施形態を用いて本発明を説明したが、本発明の技術的範囲は上記実施形態に記載の範囲に限定されないことは言うまでもない。上記実施形態に、多様な変更又は改良を加えることが可能であることが当業者に明らかである。また、そのような変更又は改良を加えた形態も本発明の技術的範囲に含まれ得ることが、特許請求の範囲の記載から明らかである。
なお、上記の実施形態では、本発明を物の発明として、健康意識ナビゲーションシステム及びそのサーバについて説明したが、本発明は、サーバにおける検索方法の発明又はコンピュータ・プログラムの発明としても捉えることもできる。
10 ユーザ端末
11 位置情報取得手段
12 運動量計測手段
100 検索サーバ
101 検索条件受付手段
101A 許容移動時間受付手段
101B 移動可能時間帯受付手段
102 経路検索手段
103 周辺スポット検索手段
104 消費カロリー算出手段
105 運動量取得手段
106 検索結果提示手段
110 地図情報DB
111 路線情報DB
112 周辺情報DB
113 ユーザ情報DB
200,300 検索条件入力画面
210,220,310 検索結果画面

Claims (8)

  1. ユーザに健康を意識させるためのナビゲーションシステムにおけるサーバであって、
    出発時刻又は到着時刻を入力させることなく出発地から目的地への移動時間に対する前記ユーザの許容範囲である許容移動時間を含む検索条件を前記ユーザの端末から受け付ける検索条件受付手段と、
    前記検索条件に基づいて移動経路を検索する経路検索手段と、
    前記移動経路ごとに歩行による消費カロリーを算出する消費カロリー算出手段と、
    前記移動経路ごとに前記消費カロリーを含む検索結果を前記ユーザの端末に提示する検索結果提示手段と、
    を備えることを特徴とするサーバ。
  2. 前記検索条件受付手段は、前記許容移動時間に代えて、又は前記許容移動時間に加えて、前記ユーザが移動可能な時間帯である移動可能時間帯を受け付ける移動可能時間帯受付手段を備えることを特徴とする請求項1に記載のサーバ。
  3. 前記検索の結果、前記目的地への到着時刻に余裕がある場合、前記目的地に至るまでに前記余裕の時間内に立ち寄ることが可能な周辺スポットを検索する周辺スポット検索手段を備えることを特徴とする請求項1又は2に記載のサーバ。
  4. 前記消費カロリー算出手段は、前記ユーザの端末から実際の歩行移動距離及び歩行移動速度に基づいた運動量を取得し、消費カロリーを算出することを特徴とする請求項1から3までのいずれか1項に記載のサーバ。
  5. 前記検索結果提示手段は、前記ユーザの年齢、体重、性別、その他身体情報に応じて、
    検索結果の表示順序を調整することを特徴とする請求項1から4までのいずれか1項に記載のサーバ。
  6. 前記周辺スポット検索手段は、検索時の天候、季節、イベント開催の有無によって検索対象となる周辺スポットを変更することを特徴とする請求項3に記載のサーバ。
  7. 前記消費カロリー算出手段は、前記ユーザの移動履歴から、検索時の予想消費カロリーと実際の消費カロリーとの差異を検証することを特徴とする請求項1から6までのいずれか1項に記載のサーバ。
  8. ユーザに健康を意識させるためのナビゲーションシステムにおけるサーバのプログラムであって、
    出発時刻又は到着時刻を入力させることなく出発地から目的地への移動時間に対する前記ユーザの許容範囲である許容移動時間、及び又は前記ユーザが移動可能な時間帯である移動可能時間帯を含む検索条件を前記ユーザの端末から受け付けるステップと、
    前記検索条件に基づいて移動経路を検索するステップと、
    前記移動経路ごとに歩行による消費カロリーを算出するステップと、
    前記移動経路ごとに前記消費カロリーを含む検索結果を前記ユーザの端末に提示するステップと、
    をコンピュータに実行させることを特徴とするプログラム。

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