以下、図面を参照して、各実施形態について説明する。
なお、開示はあくまで一例に過ぎず、当業者において、発明の趣旨を保っての適宜変更について容易に想到し得るものについては、当然に本発明の範囲に含有される。また、図面は、説明をより明確にするため、実際の態様に比べて模式的に表される場合があるが、あくまで一例であって、本発明の解釈を限定するものではない。各図において、連続して配置される同一または類似の要素については符号を省略することがある。また、本明細書と各図において、既出の図に関して前述したものと同一または類似した機能を発揮する構成要素には同一の参照符号を付し、重複する詳細な説明を省略することがある。
(第1の実施形態)
図1は、本実施形態に係る表示装置の概略構成を示す斜視図である。本実施形態に係る表示装置は、タッチ検出機能を有する表示装置である。このような表示装置としては、当該表示装置の表示面上にタッチパネルを形成したいわゆるオンセル型と称されるタッチ検出機構を備えるものの他に、当該表示装置にもともと備えられている画像表示用の共通電極を、一対のタッチ検出用の電極のうちの一方として兼用し、他方の電極(タッチ検出電極)をこの共通電極と交差するように配置した、いわゆるインセル型と称されるタッチ検出機構を備えるものがある。以下の説明において、本実施形態に係る表示装置はインセル型と称されるタッチ検出機構を備えるものとして説明する。
図1に示す表示装置10は、表示パネル11を備える。表示パネル11としては、表示機能層として液晶層を用いた表示パネル及び有機発光層を用いた有機エレクトロルミネッセンス(EL)パネル等が用いられるが、ここでは液晶層を用いた表示パネルについて説明する。
表示パネル11は、第1基板111(アレイ基板)と、当該第1基板111に対向配置された第2基板112(対向基板)と、第1基板111及び第2基板112の間に形成された液晶層(図示せず)とを備える。なお、例えば第1基板111上には、表示パネル11を駆動するパネルドライバ(液晶ドライバ)113が搭載されている。パネルドライバ113は、表示パネル11を駆動することにより、当該表示パネル11の表示領域DA(アクティブエリア)に画像を表示することができる。
また、表示パネル11は、例えば容量変化検出型のタッチ検出機構12と一体化して構成されている。
タッチ検出機構12は、複数のタッチ検出電極Rx(第1電極)を備える。複数のタッチ検出電極Rxは、第2基板112上の、表示パネル11の表示領域DAに重畳する位置に配置されている。タッチ検出電極Rxは、例えば透明電極であり、ITO(インジウム・ティン・オキサイド)等の透明な導電材料によって形成される。なお、タッチ検出電極Rxは、表示パネル11の外部に設けられていてもよいし、内部に設けられていてもよい。タッチ検出機構12は、フレキシブル配線基板FPC2を介してタッチ検出ドライバ121と接続される。
また、図1には示されていないが、表示パネル11においては、第1基板111上に上記した画像表示用の複数の共通電極(第3電極)が設けられている。本実施形態において、この複数の共通電極は、タッチ検出用の電極のうちの一方として用いられ、上記したタッチ検出電極Rxと対向する位置に配置されている。共通電極は、例えばITO等によって形成されている。
本実施形態に係る表示装置10においては、タッチ検出電極Rxと共通電極との間の静電容量(相互静電容量)に基づいて表示領域DAに対する物体(被検出物)の接触または近接を検出することができる。なお、表示装置10においては物体の接触または近接を検出することが可能であるが、以下の説明においては、便宜的に単に物体の接触を検出するものとして説明する。
また、表示パネル11の外部には例えばホスト装置HOSが設けられ、当該ホスト装置HOSは、フレキシブル配線基板FPC1及びパネルドライバ113を介して、表示パネル11に接続されている。また、ホスト装置HOSは、フレキシブル配線基板FPC2及びタッチ検出ドライバ121を介して、タッチ検出機構12に接続されている。
なお、パネルドライバ113及びタッチ検出ドライバ121は、同一チップとして構成されていても構わない。タッチ検出ドライバ121をパネルドライバ113と同一チップとする場合には、当該チップを例えば第2基板112、フレキシブル配線基板FPC1またはフレキシブル配線基板FPC2上に配置することにより、フレキシブル配線基板FPC1またはフレキシブル配線基板FPC2等を省略してもよい。
第1基板111の下側(つまり、表示パネル11の背面側)には、表示パネル11を照明する照明具としてバックライトユニット13が配置されている。フレキシブル配線基板FPC3は、バックライトユニット13とホスト装置HOSとを接続する。バックライトユニット13としては、種々の形態のバックライトユニットが利用可能であり、光源としては、発光ダイオード(LED)を利用したもの及び冷陰極管(CCFL)を利用したもの等がある。ここでは、表示パネル11の背面側に配置されるバックライトユニット13を使用する場合について説明したが、当該表示パネル11の表示面側に配置されるフロントライトが使用されても構わない。また、導光板とそのサイドに配置されるLEDまたは冷陰極管を用いた照明具が使用されてもよいし、発光素子を平面的に配列した点状光源を用いた照明具が使用されてもよい。なお、表示装置10が反射型の表示装置である場合、または表示パネル11が有機ELを用いている場合には、表示装置10は照明具を備えない構成であってもよい。
また、本実施形態における表示パネル11は、透過型、反射型、半透過型のいずれであってもよい。透過型の表示パネル11が適用された表示装置10には、上記の通り、第1基板111の背面側にバックライトユニット13を備え、当該バックライトユニット13からの光を選択的に透過させることで画像を表示する透過表示機能を有している。反射型の表示パネル11が適用される表示装置10は、光を反射する反射層を液晶層より表示パネル11の背面側に有し、第2基板112の前面側(表示面側)からの光を選択的に反射させることで画像を表示する反射表示機能を有している。なお、反射型の表示パネル11の前面側には、補助光源が備えられてもよい。また、反射層は、金属等の反射機能を有する材料で液晶層より表示パネル11の背面側にある電極を形成するように構成されていてもよい。半透過型の表示パネル11が適用される表示装置10は、上記の透過表示機能及び反射表示機能を有している。
図2は、表示装置10に備えられる表示パネル11の概略構成を示す。図2に示すように、表示パネル11には、マトリクス状に配置された複数の表示画素PX(表示素子)が設けられている。更に、表示パネル11には、複数の表示画素PXが配列する行に沿って延びる走査線G(G1、G2、…、Gm)と、複数の表示画素PXが配列する列に沿って延びる信号線S(S1、S2、…、Sn)と、走査線Gと信号線Sとが交差する位置近傍に配置された画素スイッチSWとが備えられている。
画素スイッチSWは、薄膜トランジスタ(TFT:Thin Film Transistor)を含む。画素スイッチSWのゲート電極は、対応する走査線Gと電気的に接続されている。画素スイッチSWのソース電極は、対応する信号線Sと電気的に接続されている。また、画素スイッチSWのドレイン電極は、対応する画素電極PEと電気的に接続されている。なお、画素スイッチSWのソース電極が対応する画素電極PEと接続され、当該画素スイッチSWのドレイン電極が対応する信号線Sと接続される構成であってもよい。
また、表示パネル11には、複数の表示画素PXを駆動するためにゲートドライバGD及びソースドライバSDが設けられている。複数の走査線Gは、ゲートドライバGDの出力端子と電気的に接続されている。複数の信号線Sは、ソースドライバSDの出力端子と電気的に接続されている。
ゲートドライバGDは、複数の走査線Gにオン電圧を順次印加して、選択された走査線Gに電気的に接続された画素スイッチSWのゲート電極にオン電圧を供給する。ゲート電極にオン電圧が供給された画素スイッチSWの、ソース電極−ドレイン電極間が導通する。
ソースドライバSDは、複数の信号線Sのそれぞれに対応する出力信号を供給する。信号線Sに供給された信号は、ソース電極−ドレイン電極間が導通した画素スイッチSWを介して、対応する画素電極PEに印加される。
更に、表示パネル11は、共通電極ドライバCDを備える。共通電極ドライバCDは、共通電極COMEに駆動信号を供給する(駆動電圧を印加する)回路である。上記した画素電極PE及び共通電極COMEは、絶縁膜を介して対向配置されている。画素電極PE、共通電極COME及び絶縁膜は、保持容量CSを形成する。複数の共通電極COMEは、走査線Gが延出する方向と交差する方向に延出するように配置されている。
なお、ゲートドライバGD、ソースドライバSD及び共通電極ドライバCDは、表示パネル11の周囲の領域(額縁)に配置され、上記したパネルドライバ113によって制御される。更に、パネルドライバ113は、バックライトユニット13の動作を制御する。
図2においては1つのゲートドライバGDのみが示されているが、表示パネル11は、複数のゲートドライバGDを備える構成であってもよい。例えば2つのゲートドライバGDを備える場合、例えば複数の走査線Gのうち、一方のゲートドライバGDが走査線G1、G3、…、Gm−1と接続され、他方のゲートドライバGDが走査線G2、G4、…、Gmと接続されるように構成される。なお、2つのゲートドライバGDは、例えば複数の表示画素PXを挟んで対向するように配置される。
図3は、上記したタッチ検出機構12の基本動作を説明するための図である。ここでは、相互容量(mutual)検出方式によるタッチ検出動作(物体の接触を検出する動作)について説明する。
相互容量検出方式のタッチ検出機構12においては、第2基板112上で例えばX方向(第1の方向)にストライプ状に形成されているタッチ検出電極(検出素子)Rxと、第1基板SUB1上でY方向(第2方向)にストライプ状に形成されている駆動電極Txとによりタッチ検出機能が実現される。図3に示すように、タッチ検出電極Rxと駆動電極Txとは、互いに交差する関係である。この駆動電極Txとしては、上述した画像表示用の共通電極COMEが用いられる。
なお、タッチ検出電極RxがY方向にストライプ状に形成され、駆動電極TxがX方向にストライプ状に形成されてもよい。
このような構成において、駆動電極Txは、順次高周波パルスの駆動信号(タッチ駆動信号)により駆動される。この場合、例えば指先等の物体が近接しているタッチ検出電極Rxからは、他のタッチ検出電極Rxからの出力に比べて、レベルの低いタッチ検出信号が検出される。これは、指先が近接しているタッチ検出電極Rxと駆動電極Txとの間に生じている第1容量に加えて、当該タッチ検出電極Rxと指先との間に第2容量が発生しているためである。すなわち、タッチ検出電極Rxは、指先に応じた静電容量の変化に基づくタッチ検出信号を出力することができる。
タッチ検出機構12によれば、上記の駆動電極Txの駆動タイミングと、レベルの低い検出信号を出力したタッチ検出電極Rxの位置とから、指先の座標位置(接触位置)を判定することができる。
図4は、表示装置10における表示期間及びタッチ検出期間との関係の一例について説明する。
本実施形態において、表示期間は、表示パネル11において表示領域DAに画像を表示する表示動作(ゲートドライバGD及びソースドライバSDによる表示画素PXに対する駆動動作)が実行される期間を含む。一方、タッチ検出期間は、タッチ検出機構12において物体の接触を検出するタッチ検出動作(例えば、駆動電極Txにタッチ駆動信号を供給してタッチ検出信号を検出する動作)が実行される期間を含む。
ここで、上記したようにタッチ検出期間においてタッチ駆動信号が供給される駆動電極Txとしては、複数のストライプ状の共通電極COMEが用いられる。すなわち、表示領域DAに画像を表示するための共通電極COMEがタッチ検出用の駆動電極Txとしても利用されるため、本実施形態において、表示動作とタッチ検出動作とはタイムシェアリング(時分割)で実行される。
具体的には、図4に示すように、上記した表示動作によって1フレームの画像が表示される期間(以下、1フレーム期間と表記)は、複数のユニットで構成される。1ユニット内は、上記した表示期間及びタッチ検出期間に分割される。すなわち、1ユニット内の期間においては、RGBの3色のうちの1つを選択する信号(SELR/G/B)に対応して色毎の画素信号(SIGn)を出力する動作(表示動作)が複数の表示行(ライン)について実行された後(表示期間)、駆動電極Txとしての共通電極COMEにタッチ駆動信号(駆動パルスTSVCOM)を供給する動作が実行される(タッチ検出期間)。上記したように1フレーム期間は複数のユニットから構成されているため、1フレーム期間においては、表示期間とタッチ検出期間とが交互に繰り返される。
ここで、本実施形態に係る表示装置10は、図5に示すような例えばスマートフォン(またはタブレットコンピュータ)等として実現され得る。
表示装置10がスマートフォン等として実現される場合、当該表示装置10は、上述した図1に示す表示パネル11、タッチ検出機構12及びバックライトユニット13等に加えて、カバー基材14及び筐体15等を備える。
カバー基材14は、表示パネル11の表示領域DA及び当該表示領域DAの外側の額縁領域FA(周辺領域)を覆うように構成されている。なお、カバー基材14は、例えば透明なガラスで形成されており、表示パネル11等を保護する役割を有する。カバー基材14は、透明な樹脂材料で形成されていても構わない。
また、筐体15は、表示パネル11、タッチ検出機構12及びバックライトユニット13等を収容する。
ところで、スマートフォンのような表示装置10において、表示領域DAに重畳する位置にタッチ検出電極Rx及び駆動電極Tx(共通電極COME)が配置されている場合、例えば額縁領域FAにおいて物体の接触を検出することはできない。
これに対して、額縁領域FAにおいても物体の接触を検出することが可能とした場合には、表示装置10を使用するユーザは、当該額縁領域FAに対しても各種操作を行うことができるため、利便性が向上する。
そこで、本実施形態においては、図6に示すように、表示領域DAに重畳する位置に配置されている駆動電極Tx(共通電極COME)及びタッチ検出電極Rxに加えて、額縁領域FAと重畳するようにカバー基材14に駆動電極TxL及びTxR(第2電極)と、タッチ検出電極RxB(第4電極)とを配置する。以下の説明においては、カバー基材14に配置される駆動電極TxL、TxR及びタッチ検出電極RxBを便宜的にカバー基材14側の電極と称する。
このような構成によれば、本実施形態に係る表示装置10は、表示領域DAに対する物体の接触のみならず、カバー基材14側の電極が配置された位置に対応する額縁領域FAに対する物体の接触をも検出することが可能となる。以下の説明では、表示装置10において物体の接触を検出することが可能な領域をタッチ検出領域と称する。
以下、図7を参照して、上記した駆動電極Tx及びタッチ検出電極Rxと、カバー基材14側の電極(駆動電極TxL、TxR及びタッチ検出電極RxB)との位置関係について説明する。図7は、本実施形態に係る表示装置10を模式的に示す平面図である。
図7に示すように、表示装置10において、第1基板111、第2基板112及びカバー基材14は、平面視で重畳して配置される。また、第1基板111上に設けられる複数の駆動電極Tx及び第2基板112上に設けられる複数のタッチ検出電極Rxは、表示パネル11の表示領域DAと重畳する位置に配置されている。なお、表示領域DAは、例えば長辺と短辺とを有する矩形形状を有する。
複数の駆動電極Txは、表示領域DAと重畳する位置(範囲)において、当該表示領域DAの長辺(第2の辺)に沿う方向(第2の方向)に延出し、当該表示領域DAの短辺(第2の辺に隣接する第1の辺)に沿う方向(第1の方向)に配列されている。
複数のタッチ検出電極Rxは、表示領域DAと重畳する位置(範囲)において、当該表示領域DAの短辺に沿う方向に延出し、当該表示領域DAの長辺に沿う方向に配列されている。
また、上記したように表示領域DAの外側(周辺)には、額縁領域FAが設けられている。本実施形態において、額縁領域FAは、平面視においてカバー基材14の外周よりも内側の領域であって、かつ、表示領域DAよりも外側の領域に相当する。なお、額縁領域FAの外周は、例えば略矩形形状を有するものとする。
図7に示すように、この額縁領域FA(に重畳する位置)には、駆動電極TxL及びTxRが配置されている。駆動電極TxLは、表示領域DAの長辺に沿う方向に延出し、当該表示領域DAの左側の長辺とカバー基材14の外周の左側の長辺との間に配置されている。駆動電極TxRは、表示領域DAの長辺に沿う方向に延出し、当該表示領域DAの右側の長辺とカバー基材14の外周の右側の長辺との間に配置されている。
すなわち、図7に示すように、駆動電極TxL及びTxRは、表示領域DAを挟んで対向するようにカバー基材14の額縁領域FAと重畳する位置に配置されている。なお、駆動電極TxL及びTxRは、例えば駆動電極Tx(共通電極COME)と平行となるように配置されている。
また、額縁領域FAには、タッチ検出電極RxBが配置されている。タッチ検出電極RxBは、表示領域DAの短辺に沿う方向に延出し、当該表示領域DAの下側の短辺とカバー基材14の外周の下側の短辺との間に配置されている。換言すれば、タッチ検出電極RxBは、表示領域DAの短辺に沿うようにカバー基材14の額縁領域FAと重畳する位置に配置されている。なお、タッチ検出電極RxBは、例えばタッチ検出電極Rxと平行となるように配置されている。
上記したようにカバー基材14側の電極(駆動電極TxL、TxR及びタッチ検出電極RxB)は、それぞれ表示領域DAの少なくとも一辺に沿って配置されている。カバー基材14側の電極は、例えば表示領域DAの短辺または長辺と同程度の長さまたはそれ以上の長さで配置されているが、当該表示領域DAの短辺または長辺よりも短い長さであってもよい。
また、カバー基材14側の電極は、額縁領域FA内のより広い領域をタッチ検出領域とすることができるように、例えばカバー基材14(額縁領域FA)の端部にまで延出するように配置されていてもよい。
本実施形態に係る表示装置10は、上記したように額縁領域FAと重畳する位置に配置されたカバー基材14側の電極と、表示領域DAと重畳する位置に配置された電極との間の容量(変化)を利用することによって、額縁領域FAに対する物体の接触を検出することができる。
なお、本実施形態においては、カバー基材14にカバー基材14側の電極を配置(形成)することにより、例えばカバー基材14の端部まで電極面積を確保することができるため、当該電極面積を増大させることができる。このような電極面積の増大は、タッチ検出(動作)の感度を向上させることができる。
また、図7等においては省略されているが、駆動電極Tx(共通電極COME)は、図2に示すように走査線Gが延出する方向と交差する方向に延出するように配置されている。このため、駆動電極Txからの配線は、額縁領域FAの短辺側(フレキシブル配線基板FPC1側)に引き出すことが可能である。これによれば、共通電極COMEを信号線Sと直交する方向に設けた場合と比較して、額縁領域FAの長辺側に共通電極ドライバCDを設ける必要がないため、表示領域DAの長辺と額縁領域FAの長辺との間の幅(額縁領域FAの長辺側の幅)を小さくすることができる。
また、本実施形態において、カバー基材14側の電極は、互いに隔離しており、それぞれ配線を介してフレキシブル配線基板(図示せず)と接続される。このフレキシブル配線基板は、上述した第2基板112と接続されるフレキシブル配線基板FPC2にコネクタ部(図示せず)を介して接続される。これにより、タッチ検出ドライバ121とカバー基材14側の電極とが接続される。タッチ検出ドライバ121は、タッチ駆動信号を駆動電極TxL及びTxRに供給可能であるとともに、タッチ検出電極RxBの出力に基づいてタッチ検出信号を検出可能である。
また、カバー基材14側の電極(及びこれらとフレキシブル配線基板を接続する各配線)は、例えば銀(Ag)または銅(Cu)等の金属材料を含む導電性ペーストを用いて印刷法により形成することができる。
ここで、カバー基材14側の電極は上記したようにカバー基材14の額縁領域FAと重畳する位置に配置されているが、このカバー基材14の額縁領域FAと重畳する位置(範囲)には全面的に着色層が設けられている。このため、カバー基材14側の電極に導電性の高い金属材料を用いた場合であっても、当該カバー基材14側の電極が外部から視認される可能性は低い。
次に、図8及び図9を参照して、本実施形態におけるカバー基材14側の電極を用いたタッチ検出動作について説明する。
図8は、図7に示す表示装置10のA−A線に沿った断面図である。なお、図8においては、主に駆動電極Tx、TxL、TxR、タッチ検出電極Rx及びRxBについて示し、他の構成については省略されているものとする。後述する図9についても同様である。
表示装置10においては、第1基板111及び第2基板112は互いに対向するように配置されている。第1基板111上には複数の駆動電極Txが配置されており、第2基板112上には複数のタッチ検出電極Rxが配置されている。
カバー基材14は、第2基板112に対向するように配置されている。上記したようにカバー基材14には駆動電極TxL及びTxRが配置されるが、当該駆動電極TxL及びTxRは、図8に示すように、タッチ検出電極Rxの延出方向の端部よりも外側の額縁領域FAと重畳する位置であって、カバー基材14の第2基板112側の面に配置される。
この場合において、例えば駆動電極TxLに対してタッチ駆動信号が供給されると、駆動電極TxLからタッチ検出電極Rxへの電気力線が生じる(駆動電極TxLとタッチ検出電極Rxとの間の静電容量が形成される)。
ここで、駆動電極TxLの近傍(表示領域DAと額縁領域FAとの境界近傍または額縁領域FA上)に指先(導電物)が接触する場合を想定する。この場合、上記した電気力線が遮断されることにより駆動電極TxLとタッチ検出電極Rxとの間の容量が変化し、タッチ検出電極Rxの出力電位(タッチ検出信号のレベル)が低下する。
このため、カバー基材14に配置された駆動電極TxLを用いる場合であっても、上述した相互容量検出方式によるタッチ検出動作と同様に額縁領域FAに対する指先の接触を検出することができる。
ここでは駆動電極TxLを用いたタッチ検出動作について主に説明したが、駆動電極TxRによるタッチ検出動作であっても同様に指先の接触を検出することができる。
なお、本実施形態においては、額縁領域FA(と重畳する位置)に配置された駆動電極TxL及びTxRと、表示領域DA(と重畳する位置)に配置されたタッチ検出電極Rxとの間の容量変化により額縁領域FAに対する指先等の接触が検出され、表示領域DAに配置された駆動電極Txとタッチ検出電極Rxとの間の容量変化により表示領域DAに対する指先等の接触が検出されるため、駆動電極TxL及びTxRと駆動電極Txとを順次駆動した場合には、表示領域DAの外周付近のタッチ検出感度の低下を抑制することができる。
また、駆動電極TxL及びTxRは、第2基板112の外縁よりも外側に配置される。このような構成によれば、第2基板112の額縁領域FAと重畳する位置に設けられた配線等と、駆動電極TxL及びTxRとの間に形成される寄生容量を低減し、タッチ検出精度を向上させることができる。
なお、図8に示すように、駆動電極TxLの端部200a及び駆動電極TxRの端部200bは、それぞれカバー基材14の端部141及び142の近傍(または、当該端部141及び142と重畳する位置)に配置される。
図9は、図7に示す表示装置10のB−B線に沿った断面図である。なお、図9においては、図7に示す表示装置10の上側の部分については省略されている。
上記したようにカバー基材14にはタッチ検出電極RxBが配置されるが、当該タッチ検出電極RxBは、図9に示すように、駆動電極Txの端部よりも外側の額縁領域FAと重畳する位置であって、カバー基材14の第2基板112側の面に配置される。
この場合において、駆動電極Txに対してタッチ駆動信号が供給されると、駆動電極Txからタッチ検出電極RxBへの電気力線が生じる(駆動電極Txとタッチ検出電極RxBとの間の静電容量が形成される)。
ここで、タッチ検出電極RxBの近傍(表示領域DAと額縁領域FAとの境界近傍または額縁領域FA上)に指先(導電物)が接触する場合を想定する。この場合、上記した電気力線が遮断されることにより駆動電極Txとタッチ検出電極RxBとの間の容量が変化し、タッチ検出電極RxBの出力電位(タッチ検出信号のレベル)が低下する。
このため、カバー基材14に配置されたタッチ検出電極RxBを用いる場合であっても、上述した相互容量検出方式によるタッチ検出動作と同様に額縁領域FAに対する指先の接触を検出することができる。
本実施形態に係る表示装置10によれば、上記したように表示領域DAに加えて、額縁領域FAをもタッチ検出領域とすることが可能である。
ここで、駆動電極TxL及びTxRが配置されている位置に重畳する額縁領域FAに対する物体の接触を検出するためには、当該駆動電極TxL及びTxRにタッチ駆動信号が供給されるが、例えば額縁領域FAの長辺側の幅が大きいような場合にはSN比が低い場合があり、当該額縁領域FAにおけるタッチ検出精度(感度)が十分ではない可能性がある。
この場合、例えば駆動電極TxL及びTxRに供給されるタッチ駆動信号の信号レベル(電源電圧の振幅レベル)を増加させることにより、額縁領域FAにおけるタッチ検出精度を向上させることができる。
そこで、図10を参照して、駆動電極TxL及びTxRに供給されるタッチ駆動信号の信号レベルを増加させるために外付けのレベルシフタICを設ける構成(以下、本実施形態に対する第1の比較例と表記)について説明する。
本実施形態に対する第1の比較例において、駆動電極TxL及びTxRは、図10に示すように、それぞれ配線を介してフレキシブル配線基板FPC4と接続される。
フレキシブル配線基板FPC4は、コネクタ部301を介して第2基板112と接続されるフレキシブル配線基板FPC2と接続される。これにより、駆動電極TxL及びTxRは、タッチ検出ドライバ121と接続される。なお、タッチ駆動信号は、タッチ検出ドライバ121によって駆動電極TxL及びTxRに供給される。
ここで、本実施形態に対する第1の比較例においては、上記したように駆動電極TxL及びTxRに供給されるタッチ駆動信号の信号レベルを増加させるために、レベルシフタIC302が設けられている。
レベルシフタIC302は、タッチ検出ドライバ121から駆動電極TxLに供給されるタッチ駆動信号及びタッチ検出ドライバ121から駆動電極TxRに供給されるタッチ駆動信号の信号レベルを増加させる。具体的には、タッチ検出ドライバ121から供給されるタッチ駆動信号(駆動パルス)の信号レベルが3Vまたは5Vである場合、レベルシフタIC302は、当該タッチ駆動信号の信号レベルを例えば15Vに増加させる。すなわち、額縁領域FA内にある駆動電極TxL及びTxRに与えるタッチ駆動信号は、表示領域DA内の駆動電極Txのタッチ駆動信号と出力レベルが異なり、表示領域DA内の駆動電極Txに出力される信号よりも2〜5倍大きな信号レベル(駆動パルス)のタッチ駆動信号である。
これによれば、駆動電極TxL及びTxRには信号レベルを増加させたタッチ駆動信号が供給されるため、額縁領域FAにおけるタッチ検出精度を改善することが可能となる。
しかしながら、図10に示す本実施形態に対する第1の比較例のように、レベルシフタIC302を外付けとしてFCP2に設ける構成の場合、当該レベルシフタIC302分のコストが必要となる。
ここで、タッチ検出機構12においては、上記した相互容量検出方式以外に、例えば自己容量(self)検出方式によるタッチ検出動作が実行される場合がある。なお、相互容量検出方式は、上記したように駆動電極とタッチ検出電極との間の静電容量(相互静電容量)に基づいて物体の接触を検出する方式である。一方、自己容量検出方式は、単一の電極(例えば、駆動電極)に対する物体の接近または非接近において当該電極の静電容量(自己静電容量)が変化することに基づいて物体の接触を検出する方式である。
すなわち、自己容量検出方式においては、例えばタッチ検出ドライバ121から駆動電極に供給された駆動信号に応じた信号(タッチ検出信号)を当該駆動電極から受け取る必要があるところ、上記したレベルシフタIC302では駆動電極TxL及びTxRに供給する方向にしか電流を流すことができない。すなわち、本実施形態に対する第1の比較例においては、自己容量検出方式によるタッチ検出動作を実行することが困難である。
そこで、図11に示すように、第1の比較例におけるレベルシフタIC302に代えて、自己容量検出方式対応の外付けシステム401を搭載する構成(以下、本実施形態に対する第2の比較例と表記)を想定する。
この外付けシステム401によれば、レベルシフタ402aによって駆動電極TxLに供給されるタッチ駆動信号の信号レベルを増加させることができるとともに、経路402bを介して当該駆動電極TxLからタッチ検出信号を受け取ることができる。同様に、レベルシフタ403aによって駆動電極TxRに供給されるタッチ駆動信号の信号レベルを増加させることができるとともに、経路403bを介して当該駆動電極TxRからタッチ検出信号を受け取ることができる。
すなわち、本実施形態に対する第2の比較例によれば、額縁領域FAにおけるタッチ検出精度を向上させるとともに、自己容量検出方式にも対応することができる。
しかしながら、本実施形態に対する第2の比較例における外付けシステム401を構成することは困難であり、上記した第1の比較例と比較しても、よりコストが必要である。
そこで、本実施形態においては、相互容量検出方式及び自己容量検出方式の両方に対応可能とするとともに、パネル内にレベルシフタをTFTで形成する構成を採用するものとする。また、本実施形態においては、パネルドライバ113内にもレベルシフタ機能が設けられるものとする。
以下、図12を参照して、表示パネル11の回路構成(パネル回路)の一例について説明する。なお、図12においては、タッチ検出動作が実行される際(つまり、タッチ検出期間中)に各駆動電極にタッチ駆動信号を供給するための構成について主に説明する。すなわち、図12においては、表示画素PXに対する駆動動作(つまり、表示動作)を実行するためのゲートドライバGD及びソースドライバSD等については省略されている。
ここで、図12に示す表示パネル11においては、複数の駆動電極Txとして駆動電極Tx1〜Tx5が設けられているものとする。また、図12に示す駆動電極TxL及びTxRは、カバー基材14に配置(形成)されている。上記したタッチ検出動作の実行時には、これらの駆動電極に対してタッチ駆動信号が供給される。また、パネルドライバ113は、第1基板111上に設けられており、上記したレベルシフタ機能を実現するためのレベルシフタ113aを備えるものとする。
表示パネル11は、シフトレジスタ回路、インバータ(NOTゲート)、AND回路及びレベルシフタ等を備える。シフトレジスタ回路、インバータ及びAND回路は、上記した駆動電極TxL、TxR及びTx1〜Tx5の各々に対して設けられている。また、レベルシフタは、駆動電極TxL及びTxRに対して設けられている。
まず、駆動電極TxLに対して設けられているシフトレジスタ回路501、インバータ502、インバータ503、AND回路504及びレベルシフタ505について説明する。
シフトレジスタ回路501には、タッチ検出動作に関する制御信号として例えばタッチ検出スタートパルス及びタッチ検出クロックが入力される。このタッチ検出スタートパルス及びタッチ検出クロックによれば、駆動電極TxL、TxR及びTx1〜Tx5の各々に対して設けられている各シフトレジスタ回路が順次選択される。なお、シフトレジスタ回路501が選択された場合、当該シフトレジスタ回路501は、「1」を出力する。
インバータ502は、シフトレジスタ回路501に接続されている。インバータ502は、シフトレジスタ回路501からの出力が「1」である場合には「0」を出力し、シフトレジスタ回路501からの出力が「0」である場合には「1」を出力する。
インバータ503には、検出方式指定信号SELFENが入力される。検出方式指定信号SELFENは、自己容量検出方式によるタッチ検出動作が実行される場合は「1(High)」、相互容量検出方式によるタッチ検出動作が実行される場合は「0(Low)」となる信号である。インバータ503は、検出方式指定信号SELFENが「1」である(つまり、自己容量検出方式によるタッチ検出動作が実行される)場合には、「0」を出力する。また、インバータ503は、検出方式指定信号SELFENが「0」である(つまり、相互容量検出方式によるタッチ検出動作が実行される)場合には、「1」を出力する。
AND回路504の一方の入力端子は、インバータ502の出力端子に接続されている。AND回路504の他方の入力端子は、インバータ503の出力端子に接続されている。AND回路504は、両方の入力端子に「1」が入力された場合に「1」を出力し、少なくとも一方の入力端子に「0」が入力された場合に「0」を出力する。
ここで、タッチ検出ドライバ121は、タッチ検出期間において周期的に電圧が変化するパルス信号である駆動信号EXVCOMをタッチ駆動信号として出力する。パネルドライバ113は、この駆動信号EXVCOMをレベルシフト及びインピーダンス変換した駆動パルスTSVCOMを各駆動電極(駆動電極TxL、TxR、Tx1〜Tx5)に供給する。なお、パネルドライバ113内のレベルシフタ113aは、駆動信号EXVCOMの信号レベルが例えば1.8V程度であるものとすると、当該信号レベルを例えば5V程度に増加させた駆動パルスTSVCOMを出力する。
レベルシフタ505は、駆動電極TxLとタッチ検出ドライバ121(パネルドライバ113)の間に配置される。レベルシフタ505は、パネルドライバ113(レベルシフタ113a)から出力された駆動パルスTSVCOMをスイッチ506を介して入力する。レベルシフタ505は、入力された駆動パルスTSVCOMの信号レベルを増加させて駆動電極TxLに出力する。この場合、例えば信号レベルを15Vとする駆動パルスTSVCOMが出力される。なお、スイッチ506は、シフトレジスタ回路501の出力が「1」である場合に接続状態(オン状態)となり、当該シフトレジスタ回路501の出力が「0」である場合に切断状態(オフ状態)となる。
また、駆動電極TxLには、スイッチ507を介して接地電圧(GND)が供給される。スイッチ507は、AND回路504の出力が「1」である場合に接続状態となり、当該AND回路504の出力が「0」である場合に切断状態となる。このスイッチ507によれば、相互容量検出方式によるタッチ検出動作が実行される期間(つまり、検出方式指定信号SELFENが「0」)であり、シフトレジスタ回路501が選択されていない(つまり、シフトレジスタ回路501の出力が「0」である)場合には、駆動電極TxLに接地電圧が供給される。
また、本実施形態においては、相互容量検出方式と自己容量検出方式とを切り替えるための切替部としてスイッチ508(を含む複数のスイッチ)が設けられている。このスイッチ508は、検出方式指定信号SELFENが「1」である場合に接続状態となり、当該検出方式指定信号SELFENが「0」である場合に切断状態となる。これによれば、スイッチ508が接続状態にある(つまり、検出方式指定信号SELFENが「1」である)場合、駆動電極TxLには、タッチ検出ドライバ121から出力される自己容量検出方式用のタッチ駆動信号(駆動パルス)が供給される。スイッチ508が切断状態にある(つまり、検出方式指定信号SELFENが「0」である)場合、駆動電極TxLには、上記した駆動パルスTSVCOM(つまり、相互容量検出方式用のタッチ駆動信号)または接地電圧が供給される。
なお、図12においては、駆動電極TxL、TxR及びTx1〜Tx5に供給される自己容量検出方式用のタッチ駆動信号は、それぞれPadL、PadR及びPad1〜5として表されている。
ここでは、駆動電極TxLについて説明したが、駆動電極TxRについても同様であるため、その詳しい説明を省略する。
また、駆動電極Tx1に対しては、上記したシフトレジスタ回路501、インバータ502、インバータ503及びAND回路504と同様のシフトレジスタ回路511、インバータ512、インバータ513及びAND回路514が設けられている。
ここで、駆動電極TxLには上記したスイッチ507を介して接地電圧が供給されるが、駆動電極Tx1には、AND回路514の出力に応じて接続状態及び切断状態が切り替えられるスイッチ516を介して直流電圧VCOMDCが供給される。なお、直流電圧(信号)VCOMDCは、表示動作用の駆動信号に相当する。
このスイッチ516によれば、相互容量検出方式によるタッチ検出動作が実行される期間(つまり、検出方式指定信号SELFENが「0」)であり、シフトレジスタ回路511が選択されていない(つまり、シフトレジスタ回路511の出力が「0」である)場合には、駆動電極Tx1に直流電圧VCOMDCが供給される。
なお、駆動電極Tx1に対して設けられているスイッチ515及び517については、上記したスイッチ506及び508と同様であるため、その詳しい説明を省略する。
ここでは、駆動電極Tx1について説明したが、他の駆動電極Tx2〜Tx5についても同様である。なお、駆動電極Tx1〜Tx5に対して設けられているシフトレジスタ回路、インバータ及びAND回路は、表示パネル11に設けられる共通電極ドライバCDを構成する。
また、上記した駆動電極TxL及びTxRとは異なり、駆動電極Tx1〜Tx5にはレベルシフタは設けられていない。このため、駆動電極TxL及びTxRにはレベルシフタによって信号レベルが増加された駆動パルスTSVCOMが供給されるが、駆動電極Tx1〜Tx5にはパネルドライバ113(レベルシフタ113a)から出力される駆動パルスTSVCOMがそのまま供給される。
次に、図13のタイミングチャートを参照して、本実施形態に係る表示装置10におけるタッチ検出動作について説明する。
ここでは、相互容量(mutual)検出方式によるタッチ検出動作が実行された後に、自己容量(self)検出方式によるタッチ検出動作が実行される(つまり、相互容量検出方式から自己容量検出方式に切り替えられる)場合について説明する。なお、図13においては、タッチ検出期間T1〜T7が相互容量検出方式によるタッチ検出動作が実行される期間であり、タッチ検出期間T8及びT9が自己容量検出方式によるタッチ検出動作が実行される期間である。
相互容量検出方式によるタッチ検出動作が実行される場合には、相互容量検出方式用のタッチ駆動信号が駆動電極TxL、TxR及びTx1〜Tx5に順次供給される。
まず、タッチ駆動信号が駆動電極TxLに供給されるタッチ検出期間T1について説明する。
タッチ検出期間T1においては、駆動電極TxLに対して設けられているシフトレジスタ回路501が選択される。この場合、シフトレジスタ回路501は、「1」を出力する。
ここで、タッチ検出ドライバ121は、上記したようにタッチ駆動信号として例えば信号レベルが1.8Vの駆動信号EXVCOMを出力する。この駆動信号EXVCOMは、パネルドライバ113(レベルシフタ113a)によってレベルシフト及びインピーダンス変換される。これにより、パネルドライバ113は、信号レベルが5Vの駆動パルスTSVCOMを出力する。
上記したようにシフトレジスタ回路501の出力(SRoutL)が「1」である場合、スイッチ506は接続状態となる。これによれば、レベルシフタ505には、スイッチ506を介して駆動パルスTSVCOMが入力される。
レベルシフタ505は、入力された駆動パルスTSVCOMの信号レベルを増加する。この場合、駆動電極TxLには、例えば信号レベルが15Vの駆動パルスTSVCOMが供給される。
これにより、タッチ検出ドライバ121は、駆動電極TxLとタッチ検出電極Rxとの間の相互静電容量に基づいて当該駆動電極TxLが配置されている額縁領域FAに対する物体の接触を検出することができる。
なお、シフトレジスタ回路501が選択されている場合、他のシフトレジスタ回路(駆動電極TxR及びTx1〜Tx5に対して設けられているシフトレジスタ回路)の出力は「0」である。この場合、タッチ検出ドライバ121(パネルドライバ113)と駆動電極TxR及びTx1〜Tx5の各々との間に設けられているスイッチ(例えば、スイッチ515等)は切断状態にあるため、当該駆動電極TxR及びTx1〜Tx5には駆動パルスTSVCOMは供給されない。
また、図13に示すように、相互容量検出方式によるタッチ検出動作が実行されている(つまり、検出方式指定信号SELFENが「0」である)場合、自己容量検出方式用のタッチ駆動信号PadNはタッチ検出ドライバ121から出力されない。なお、図13におけるタッチ駆動信号PadNは、駆動電極TxL、TxR及びTx1〜Tx5に供給される自己容量検出方式用のタッチ駆動信号PadL、PadR及びPad1〜Pad5を表す。
タッチ検出期間T1においては、シフトレジスタ回路501の出力は「1」であるため、インバータ502の出力は「0」である。また、検出方式指定信号SELFENは「0」であるため、インバータ503の出力は「1」である。この場合、AND回路504の一方の入力端子には「0」が入力され、他方の入力端子には「1」が入力されるため、当該AND回路504の出力は「0」である。これによれば、スイッチ507は切断状態となる。
一方、駆動電圧TxRに対して設けられているシフトレジスタ回路の出力は「0」であるため、当該シフトレジスタ回路に接続されるインバータの出力は「1」である。また、検出方式指定信号SELFENは「0」であるため、当該検出方式指定信号SELFENが入力されるインバータの出力は「1」である。この場合、駆動電圧TxRに対して設けられているAND回路の両方の端子に「1」が入力されるため、当該AND回路の出力は「1」である。これによれば、このAND回路の出力に応じてスイッチが接続状態となるため、駆動電極TxRには、当該スイッチを介して接地電圧が供給される。
また、駆動電圧Tx1に対して設けられているシフトレジスタ511の出力は「0」であるため、インバータ512の出力は「1」である。また、検出方式指定信号SELFENは「0」であるため、インバータ513の出力は「1」である。この場合、駆動電圧Tx1に対して設けられているAND回路514の両方の端子に「1」が入力されるため、当該AND回路514の出力は「1」である。これによれば、このAND回路514の出力に応じてスイッチ516が接続状態となるため、駆動電極Tx1には、当該スイッチ516を介して直流電圧VCOMDCが供給される。ここでは駆動電圧Tx1について説明したが、駆動電極Tx2〜Tx5についても同様に、直流電圧VCOMDCが供給される。
すなわち、図13に示すタッチ検出期間T1においては、駆動電極TxLにのみ駆動パルスTSVCOM(15V)が供給される。なお、図13には示されていないが、駆動電極TxRには接地電圧が供給され、駆動電極Tx1〜Tx5には直流電圧VCOMDCが供給される。
ここではタッチ検出期間T1について説明したが、タッチ検出期間T2においては、タッチ検出期間T1における駆動電極TxLと同様に、駆動電極TxRに駆動パルスTSVCOM(15V)が供給される。この場合、駆動電極TxLには、タッチ検出期間T1における駆動電極TxRと同様に、接地電圧が供給される。また、駆動電極Tx1〜Tx5には、タッチ検出期間T1と同様に直流電圧VCOMDCが供給される。
次に、タッチ駆動信号が駆動電極Tx1に供給されるタッチ検出期間T3について説明する。タッチ検出期間T3においては、駆動電極Tx1に対して設けられているシフトレジスタ回路511が選択される。この場合、シフトレジスタ回路511は、「1」を出力する。
上記したようにシフトレジスタ回路511の出力(SRout1)が「1」である場合、スイッチ515は接続状態となる。これによれば、駆動電極Tx1には、駆動パルスTSVCOMが供給される。なお、駆動電極Tx1に対してはレベルシフタは設けられていないため、駆動電極Tx1に供給される駆動パルスTSVCOMの信号レベルは例えば5Vである。
これにより、タッチ検出ドライバ121は、駆動電極Tx1とタッチ検出電極Rxとの間の相互静電容量に基づいて当該駆動電極Tx1が配置されている表示領域DAに対する物体の接触を検出することができる。
なお、シフトレジスタ回路511が選択されている場合、他のシフトレジスタ回路の出力は「0」であるため、駆動電極TxL、TxR及びTx2〜Tx5には、駆動パルスTSVCOMは供給されない。この場合、詳細については省略するが、駆動電極TxL及びTxRには接地電圧が供給され、駆動電極Tx2〜Tx5には直流電圧VCOMDCが供給される。
以下同様に、タッチ検出期間T4においては駆動電極Tx2に駆動パルスTSVCOM(5V)が供給され、タッチ検出期間T5においては駆動電極Tx3に駆動パルスTSVCOM(5V)が供給され、タッチ検出期間T6においては駆動電極Tx4に駆動パルスTSVCOM(5V)が供給され、タッチ検出期間T7においては駆動電極Tx5に駆動パルスTSVCOM(5V)が供給される。
相互容量検出方式によるタッチ検出動作が実行される場合には、上記したように駆動電極TxL、TxR及びTx1〜Tx5に対して駆動パルスTSVCOMが順次供給される。
ここでは駆動電極TxL、TxR及びTx1〜Tx5の順に駆動パルスTSVCOMが供給されるものとして説明したが、当該駆動パルスTSVCOMが供給される駆動電極の順番は適宜変更されても構わない。例えば駆動電極TxL、Tx1〜Tx5及びTxRのように駆動電極の並び順に従って駆動パルスTSVCOMが供給されても構わない。
ここで、相互容量検出方式から自己容量検出方式に切り替えられた場合を想定する。自己容量検出方式によるタッチ検出動作が実行される場合には、自己容量検出方式用のタッチ駆動信号PadNが駆動電極TxL、TxR及びTx1〜Tx5にそれぞれ供給される。
自己容量検出方式によるタッチ検出動作が実行されるタッチ検出期間T8においては、タッチ検出ドライバ121は、自己容量検出方式用のタッチ駆動信号PadN(PadL、PadR及びPad1〜Pad5)を出力(供給)する。
なお、自己容量検出方式によるタッチ検出動作が実行される場合、検出方式指定信号SELFENは「1」である。この場合、例えば駆動電極TxLに対して設けられているスイッチ508は接続状態となるので、駆動電極TxLには、タッチ検出ドライバ121から出力されたタッチ駆動信号PadLが供給される。なお、駆動電極TxR及びTx1〜Tx5の各々に対して設けられている同様のスイッチについても接続状態となるので、当該駆動電極TxR及びTx1〜Tx5にも同様に、タッチ駆動信号PadR及びPad1〜Pad5がそれぞれ供給される。
これにより、タッチ検出ドライバ121は、駆動電極TxL、TxR及びTx1〜Tx5の自己静電容量に基づいて物体の接触を検出することができる。
なお、図13に示すように、自己容量検出方式によるタッチ検出動作が実行されている(つまり、検出方式指定信号SELFENが「1」である)場合、相互容量検出方式用のタッチ駆動信号(駆動信号EXVCOM及び駆動パルスTSVCOM)は出力されない。
また、例えば駆動電極TxLに対して設けられているシフトレジスタ回路501の出力は「0」であるため、インバータ502の出力は「1」である。自己容量検出方式によるタッチ検出動作が実行されている場合の検出方式指定信号SELFENは「1」であるため、インバータ503の出力は「0」である。この場合、AND回路504の出力は「0」であるため、スイッチ507は切断状態となる。ここでは駆動電極TxLに対して設けられているスイッチ507について説明したが、他の駆動電極TxR及びTx1〜Tx5の各々に対して設けられている同様のスイッチについても同様に切断状態となる。
自己容量検出方式によるタッチ検出動作が実行される場合には、上記したように駆動電極TxL、TxR及びTx1〜Tx5に対して自己容量検出方式用のタッチ駆動信号PadNがそれぞれ供給される。
なお、ここではタッチ検出期間T8について説明したが、例えばタッチ検出期間T9において自己容量検出方式によるタッチ検出動作が実行される場合には、タッチ検出期間T8と同様の動作が実行される。
上記したように本実施形態においては、駆動電極TxL及びTxR(第2電極)が額縁領域FAに重畳するようにカバー基材14に配置され、タッチ検出ドライバ121によって出力されるタッチ駆動信号の信号レベルを増加させて当該駆動電極TxL及びTxRに出力し、複数のタッチ検出電極Rx(第1電極)と駆動電極TxL及びTxRとの間の静電容量に基づいて額縁領域FAに対する物体(例えば、指先等)の接触または近接を検出する。
具体的には、タッチ検出ドライバ121によってタッチ駆動信号として出力された駆動信号EXVCOMの信号レベルをパネルドライバ113(内のレベルシフタ113a)で増加させることによって、駆動パルスTSVCOMを複数の駆動電極Txに供給するとともに、当該駆動パルスTSVCOMの信号レベルを更に増加させて駆動電極TxL及びTxRに供給する。
本実施形態においては、このような構成により、額縁領域FAにおけるSN比を向上させ、当該額縁領域FAにおけるタッチ検出精度を向上させることが可能となる。
また、本実施形態においては、複数の駆動電極Tx(第3電極)にタッチ駆動信号を供給し、当該複数の駆動電極Txと複数のタッチ検出電極Rxとの間の静電容量に基づいて表示領域DAに対する物体の接触または近接を検出する。本実施形態においては、このような構成により、表示領域DA及び額縁領域FAの両方に対する物体の接触及び近接を検出することが可能となる。
また、本実施形態においては、レベルシフタが第1基板111上(つまり、表示パネル11内)に配置される構成により、例えば本実施形態に対する第1及び第2の比較例の構成と比較して、コストを低減することが可能となる。
更に、本実施形態に対する第1及び第2の比較例のように外付けのレベルシフタ(IC)等を設ける構成の場合には設計自由度が低くなる場合があるが、レベルシフタを表示パネル11内に設ける構成によれば、スルーレート等における設計自由度を高くすることができる。
また、本実施形態においては、駆動電極TxL及びTxRと複数のタッチ検出電極Rxとの間の相互静電容量に基づいて物体の接触または近接を検出するタッチ検出動作(第1の検出動作)と、駆動電極TxL、TxR及びTxの各々の自己静電容量に基づいて物体の接触または近接を検出するタッチ検出動作(第2の検出動作)とを切り替える構成により、適切なタッチ検出動作(相互容量検出方式及び自己容量検出方式)により物体の接触または近接を検出することが可能となる。
また、本実施形態において、複数のタッチ検出電極Rxは、表示領域DAの短辺(第1の辺)に沿う方向(第1の方向)に延出し、当該表示領域DAの長辺(第1の辺に隣接する第2の辺)に沿う方向(第2の方向)に配列される。また、複数の駆動電極Txは、表示領域DAの長辺に沿う方向に延出し、当該表示領域DAの短辺に沿う方向に配列される。また、駆動電極TxL及びTxRは、表示領域DAの長辺に沿う方向に延出し、当該表示領域DAを挟んで対向するようにカバー基材14に配置される。本実施形態においては、このような構成により、例えば図5に示すスマートフォンのような表示装置10における表示領域DAの両側の額縁領域FAに対する物体の接触または近接を検出することができる。これによれば、図14に示すように、額縁領域FAにおいて指先等が接触している箇所に基づいて例えばスマートフォンを片手で把持しているような状態をを検出することが可能となる。また、スマートフォンを例えば左手で把持している状態において親指等で表示領域DAの左側の額縁領域FAをタッチまたはスワイプすることにより各種操作(例えば、カメラのシャッター操作、画面のスクロール操作及びボリュームコントロール操作等)を行うことも可能となる。なお、このような操作は、スマートフォンを片手で把持しているような状態が検出された場合に、有効にされるようにしてもよい。
また、本実施形態において、駆動電極TxL及びTxRに対して設けられているレベルシフタは互いに近傍に配置される。具体的には、駆動電極TxL及びTxRに対して設けられるレベルシフタは、それぞれ別個に配置するのではなく、例えば共通電極ドライバCD(図12に示す駆動電極Tx1〜Tx5に対して設けられているシフトレジスタ回路、インバータ及びAND回路)の左側または右側等にまとめて配置されるものとする。このような構成によれば、カバー基材14(駆動電極TxL及びTxR)に接続されるフレキシブル配線基板を効率的に配置することが可能となる。
また、本実施形態においては、表示領域DAの短辺に沿う方向に延出するタッチ検出電極RxBが当該表示領域DAの長辺に沿うようにカバー基材14に配置される。このような構成によれば、別途部品等を設計して組み合わせることなく、例えば図5に示すスマートフォンのような表示装置10の表示領域DAの下部等において入力用ボタンのような機能を実現することが可能となる。
なお、本実施形態においては、表示領域DAの下部にのみタッチ検出電極RxBが配置されるものとして説明したが、例えば表示領域DAの上部にもタッチ検出電極RxBと同様のタッチ検出電極を配置する構成であっても構わない。
また、本実施形態においては、表示領域DAに画像を表示するための複数の共通電極COMEを物体の接触または近接を検出するための複数の駆動電極Txとして利用し、当該表示領域DAに画像を表示する表示動作とタッチ検出動作とを時分割により実行する構成により、表示装置10の薄型化及び画質の向上を実現することができる。
なお、本実施形態においてはインセル型と称されるタッチ検出機構12を備える表示装置10について説明したが、本実施形態は、例えばオンセル型のタッチ検出機構を備える表示装置として実現されても構わない。
更に、本実施形態においては表示装置10がスマートフォンであるものとして主に説明したが、本実施形態に係る表示装置は、額縁領域に相当する領域を有する電子機器、例えば携帯電話端末、パーソナルコンピュータ、テレビ受像装置、車載装置、ゲーム機及びウェアラブル端末等に適用されても構わない。
(第2の実施形態)
次に第2の実施形態について説明する。なお、本実施形態に係る表示装置の主な構成については、前述した第1の実施形態と同様であるため、適宜、図1〜図9等を用いて説明する。また、以下の説明においては、前述した第1の実施形態と同様の部分についてはその詳しい説明を省略し、当該第1の実施形態と異なる部分について主に述べる。
本実施形態に係る表示装置10は、表示パネル11の回路構成が前述した第1の実施形態とは異なる。
以下、図15を参照して、本実施形態における表示パネル11の回路構成(パネル回路)の一例について説明する。なお、図15においては、タッチ検出動作が実行される際(つまり、タッチ検出期間中)に各駆動電極にタッチ駆動信号を供給するための構成について主に説明する。
ここで、図15に示す表示パネル11においては、複数の駆動電極Txとして駆動電極Tx1〜Tx5が設けられているものとする。また、図15に示す駆動電極TxL及びTxRは、カバー基材14に配置(形成)されている。上記したタッチ検出動作の実行時には、これらの駆動電極に対してタッチ駆動信号が供給される。また、パネルドライバ113は、第1基板111上に設けられており、レベルシフタ113aを備えている。
表示パネル11は、シフトレジスタ回路、インバータ、AND回路及びレベルシフタ等を備える。シフトレジスタ回路、インバータ及びAND回路は、駆動電極Tx1〜Tx5の各々に対して設けられている。なお、駆動電極Tx1〜Tx5に対して設けられているシフトレジスタ回路、インバータ及びAND回路については、前述した図12に示すシフトレジスタ回路511、インバータ512、インバータ513及びAND回路514等と同様であるため、その詳しい説明を省略する。
一方、本実施形態における表示パネル11においては、駆動電極TxL及びTxRに対してレベルシフタ及びインバータがそれぞれ設けられている。
以下、駆動電極TxLに対して設けられているレベルシフタ601及びインバータ602について説明する。
なお、本実施形態において、タッチ検出ドライバ121は、タッチ駆動信号PadLを、駆動電極TxLに対する相互容量検出方式用のタッチ駆動信号及び自己容量検出方式用のタッチ駆動信号として出力する。
レベルシフタ601は、駆動電極TxLとタッチ検出ドライバ121の間に配置される。レベルシフタ601は、タッチ検出ドライバ121から出力されたタッチ駆動信号PadLをスイッチ603を介して入力する。レベルシフタ601は、入力されたタッチ駆動信号PadLの信号レベルを増加させて駆動電極TxLに出力する。具体的には、例えばタッチ検出ドライバ121から出力されたタッチ駆動信号PadLの信号レベルが5V程度である場合には、レベルシフタ601は、当該信号レベルを例えば15V程度に増加させたタッチ駆動信号PadLを出力する。なお、スイッチ603は、インバータ602の出力が「1」である場合に接続状態となり、当該インバータ602の出力が「0」である場合に切断状態となる。
インバータ602には、検出方式指定信号SELFENが入力される。なお、検出方式指定信号SELFENは、自己容量検出方式によるタッチ検出動作が実行される場合には「1」、相互容量検出方式によるタッチ検出動作が実行される場合には「0」である。これによれば、インバータ602は、検出方式指定信号SELFENが「1」である場合には「0」を出力し、当該検出方式指定信号SELFENが「0」である場合には「1」を出力する。
すなわち、本実施形態においては、検出方式指定信号SELFENが「0」である(つまり、相互容量検出方式によるタッチ検出動作が実行される)場合には、スイッチ603が接続状態となり、レベルシフタ601にタッチ駆動信号PadLが入力される。
一方、検出方式指定信号SELFENが「1」である(つまり、自己容量検出方式によるタッチ検出動作が実行される)場合には、スイッチ603が切断状態となり、レベルシフタ601にはタッチ駆動信号PadLは入力されない。
また、図15に示すように、駆動電極TxLとタッチ検出ドライバ121の間には、スイッチ604が設けられている。このスイッチ604は、検出方式指定信号SELFENが「1」である場合に接続状態となり、当該検出方式指定信号SELFENが「0」である場合に切断状態となる。なお、スイッチ604(及びスイッチ603)は、本実施形態において相互容量検出方式と自己容量検出方式とを切り替えるための切替部として機能する。
このスイッチ604によれば、検出方式指定信号SELFENが「1」である場合には、当該スイッチ604を介して駆動電極TxLにタッチ駆動信号PadLが供給される。一方、検出方式指定信号SELFENが「0」である場合には、スイッチ604を介して駆動電極TxLにタッチ駆動信号PadLは供給されない。
すなわち、本実施形態においては、相互容量検出方式によるタッチ検出動作が実行される場合には、信号レベルが増加されたタッチ駆動信号PadL(15V)が駆動電極TxLに供給される。一方、自己容量検出方式によるタッチ検出動作が実行される場合には、タッチ検出ドライバ121によって出力されたタッチ駆動信号PadL(5V)がそのまま駆動電極TxLに供給される。
ここでは駆動電極TxLについて説明したが、駆動電極TxRについても同様であるため、その詳しい説明を省略する。
次に、図16のタイミングチャートを参照して、本実施形態に係る表示装置10におけるタッチ検出動作について説明する。
ここでは、相互容量(mutual)検出方式によるタッチ検出動作が実行された後に、自己容量(self)検出方式によるタッチ検出動作が実行される(つまり、相互容量検出方式から自己容量検出方式に切り替えられる)場合について説明する。なお、図16においては、タッチ検出期間T1〜T7が相互容量検出方式によるタッチ検出動作が実行される期間であり、タッチ検出期間T8及びT9が自己容量検出方式によるタッチ検出動作が実行される期間である。
相互容量検出方式によるタッチ検出動作が実行される場合には、相互容量検出方式用のタッチ駆動信号が駆動電極TxL、TxR及びTx1〜Tx5に順次供給される。
まず、タッチ駆動信号が駆動電極TxLに供給されるタッチ検出期間T1について説明する。
タッチ検出期間T1において、タッチ検出ドライバ121は、例えば信号レベルが5Vのタッチ駆動信号PadLを出力(供給)する。
ここで、タッチ検出期間T1においては相互容量検出方式によるタッチ検出動作が実行されるため、検出方式指定信号SELFENは「0」である。この場合、スイッチ603は接続状態となり、スイッチ604は切断状態となる。
これによれば、タッチ検出ドライバ121から出力されたタッチ駆動信号PadLは、レベルシフタ601により信号レベルが増加されて駆動電極TxLに供給される。なお、駆動電極TxLに供給されるタッチ駆動信号PadLの信号レベルは、例えば15Vである。
これにより、タッチ検出ドライバ121は、駆動電極TxLとタッチ検出電極Rxとの間の相互静電容量に基づいて当該駆動電極TxLが配置されている額縁領域FAに対する物体の接触を検出することができる。
一方、タッチ検出期間T1においては、タッチ検出ドライバ121は、駆動電極TxRに供給されるタッチ駆動信号PadRを出力しない。このため、タッチ検出期間T1においては、駆動電極TxRにはタッチ駆動信号は供給されない。
同様に、タッチ検出期間T1においては、タッチ検出ドライバ121は、駆動電極Tx1〜Tx5に供給されるタッチ駆動信号(駆動信号EXVCOM)を出力しない。このため、タッチ検出期間T1においては、駆動電極Tx1〜Tx5にはタッチ駆動信号は供給されない。
なお、上記したように駆動電極Tx1〜Tx5にタッチ駆動信号を供給するための回路構成(つまり、シフトレジスタ回路、インバータ及びAND回路等)は、前述した第1の実施形態と同様である。すなわち、タッチ検出期間T1においては、駆動電極Tx1〜Tx5に対して直流電圧VCOMDCが供給される。
また、相互容量検出方式によるタッチ検出動作が実行される間は、駆動電極Tx1〜Tx5に対する自己容量検出方式用のタッチ駆動信号PadNはタッチ検出ドライバ121から出力されない。なお、図16において、タッチ駆動信号PadNは、駆動電極Tx1〜Tx5に供給される自己容量検出方式用のタッチ駆動信号Pad1〜Pad5を表す。
ここではタッチ検出期間T1について説明したが、タッチ検出期間T2においては、タッチ検出期間T1におけるタッチ駆動信号PadLの代わりにタッチ駆動信号PadRがタッチ検出ドライバ121から出力される。これによれば、駆動電極TxRに対してタッチ駆動信号PadR(15V)が供給される。なお、タッチ検出期間T2においては、駆動電極TxLにはタッチ駆動信号は供給されず、駆動電極Tx1〜Tx5には直流電圧VCOMDCが供給される。
また、タッチ検出期間T3においては、駆動電極Tx1に対して設けられているシフトレジスタ回路が選択されることにより、当該駆動電極Tx1には駆動パルスTSVCOM(5V)が供給される。
なお、タッチ駆動信号が駆動電極Tx1に供給されるタッチ検出期間T3においては、タッチ検出ドライバ121は、タッチ駆動信号PadL及びPadRを出力しない。このため、タッチ検出期間T3においては、駆動電極TxL及びTxRにはタッチ駆動信号は供給されない。また、駆動電極Tx2〜Tx5には、直流電圧VCOMDCが供給される。
以下同様に、タッチ検出期間T4においては駆動電極Tx2に駆動パルスTSVCOM(5V)が供給され、タッチ検出期間T5においては駆動電極Tx3に駆動パルスTSVCOM(5V)が供給され、タッチ検出期間T6においては駆動電極Tx4に駆動パルスTSVCOM(5V)が供給され、タッチ検出期間T7においては駆動電極Tx5に駆動パルスTSVCOM(5V)が供給される。
相互容量検出方式によるタッチ検出動作が実行される場合には、上記したように駆動電極TxL、TxR及びTx1〜Tx5に対してタッチ駆動信号が順次供給される。
なお、本実施形態においては、駆動電極TxL及びTxRに対してタッチ検出ドライバ121から出力されるタッチ駆動信号PadL及びPadRは、駆動電極Tx1〜Tx5に対してタッチ検出ドライバ121から出力される駆動信号EXVCOMと比較して、パネルドライバ113(レベルシフタ113a)により信号レベルが増加されない。このため、本実施形態においては、駆動電極TxL及びTxRに供給されるタッチ駆動信号PadL及びPadRの信号レベルを十分に増加させるために、タッチ検出ドライバ121から出力されるタッチ駆動信号PadL及びPadRの信号レベルは、駆動信号EXVCOMの信号レベルよりも高く設定されている。結果として、駆動電極TxL及びTxRに供給されるタッチ駆動信号(第1駆動信号)の信号レベルは、駆動電極Tx1〜Tx5に供給されるタッチ駆動信号(第2駆動信号)の信号レベルよりも大きくなる。
ここで、相互容量検出方式から自己容量検出方式に切り替えられた場合を想定する。自己容量検出方式によるタッチ検出動作が実行される場合には、自己容量検出方式用のタッチ駆動信号が駆動電極TxL、TxR及びTx1〜Tx5にそれぞれ供給される。本実施形態において、駆動電極TxL及びTxRに供給される自己容量検出方式用のタッチ駆動信号は、上記したタッチ駆動信号PadL及びPadRである。また、駆動電極Tx1〜Tx5に供給される自己容量検出方式用のタッチ駆動信号は、タッチ駆動信号PadN(タッチ駆動信号Pad1〜Pad5)である。
自己容量検出方式によるタッチ検出動作が実行されるタッチ検出期間T8においては、タッチ検出ドライバ121は、自己容量検出方式用のタッチ駆動信号として、タッチ駆動信号PadL、PadR及びPadNを出力する。
なお、自己容量検出方式によるタッチ検出動作が実行される場合、検出方式指定信号SELFENは「1」である。この場合、例えば駆動電極TxLに対して設けられているスイッチ604は接続状態となるので、駆動電極TxLには、タッチ検出ドライバ121から出力されたタッチ駆動信号PadLが供給される。駆動電極TxRについても同様である。
また、上記したように検出方式指定信号SELFENが「1」である場合、例えば駆動電極Tx1に対して設けられている相互容量検出方式及び自己容量検出方式を切り替えるためのスイッチは接続状態となる。この場合、駆動電極Tx1には、タッチ検出ドライバ121から出力されたタッチ駆動信号から出力されたタッチ駆動信号Pad1が供給される。駆動電極Tx2〜Tx5についても同様である。
これにより、タッチ検出ドライバ121は、駆動電極TxL、TxR及びTx1〜Tx5の自己静電容量に基づいて物体の接触を検出することができる。
自己容量検出方式によるタッチ検出動作が実行される場合には、上記したように駆動電極TxL、TxR及びTx1〜Tx5に対して自己容量検出方式用のタッチ駆動信号PadL、PadR及びPadNがそれぞれ供給される。
なお、ここではタッチ検出期間T8について説明したが、例えばタッチ検出期間T9において自己容量検出方式によるタッチ検出動作が実行される場合には、タッチ検出期間T8と同様の動作が実行される。
上記したように本実施形態において、タッチ検出ドライバ121は、駆動電極TxL及びTxRにはタッチ駆動信号PadL及びPadR(第1駆動信号)を供給し、複数の駆動電極Tx1〜Tx5には駆動信号EXVCOM(第2駆動信号)を供給する。なお、タッチ駆動信号PadL及びPadRは、駆動電極TxL及びTxRに対して設けられているレベルシフタ(例えば、レベルシフタ601)により信号レベルが増加されて当該駆動電極TxL及びTxRに供給される。一方、駆動信号EXVCOMは、パネルドライバ113内のレベルシフタ113aにより信号レベルが増加されて駆動電極Tx1〜Tx5に供給される。なお、タッチ駆動信号PadL及びPadRの信号レベルは、駆動信号EXVCOMの信号レベルよりも大きい。
本実施形態においては、このような構成により、駆動電極Tx1〜Tx5に供給されるタッチ駆動信号よりも信号レベルの大きいタッチ駆動信号を駆動電極TxL及びTxRに供給することができるため、額縁領域FAにおけるSN比を向上させ、当該額縁領域FAにおけるタッチ検出精度を向上させることが可能となる。
更に、本実施形態においては、前述した第1の実施形態における表示パネル11の回路構成と比較して、駆動電極TxL及びTxRに対してAND回路を設ける必要がない等、当該回路構成を簡素化することが可能である。
本発明のいくつかの実施形態を説明したが、これらの実施形態は、例として提示したものであり、発明の範囲を限定することは意図していない。これら実施形態は、その他の様々な形態で実施されることが可能であり、発明の要旨を逸脱しない範囲で、種々の省略、置き換え、変更を行うことができる。これら実施形態やその変形は、発明の範囲や要旨に含まれると同様に、特許請求の範囲に記載された発明とその均等の範囲に含まれるものである。