JP6832986B2 - 錠剤印刷装置および錠剤印刷方法 - Google Patents

錠剤印刷装置および錠剤印刷方法 Download PDF

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Description

本発明は、錠剤の表面に印刷を行う錠剤印刷装置および錠剤印刷方法に関する。
医薬品である錠剤の表面には、製品を識別するために、錠剤成型時に刻印が付けられたり、成型後の錠剤に文字やコードが印刷されたりする。従来、錠剤への印刷には、接触式の印刷方法が用いられてきた。例えば、グラビア印刷などの印刷版を用いて、インクを柔らかいパッドに一旦転写し、それを錠剤に再転写する方法が採られてきた。
しかしながら、近年では、水を使用せずに服用できる口腔内崩壊錠が徐々に普及してきている。口腔内崩壊錠は圧力に弱いため、上記の接触式の印刷方法では、印刷版の圧力により、錠剤を損傷させる可能性がある。すなわち、印刷版が接触する印刷方法は、不良品につながる可能性がある。また、割線に沿って半分に割ることができる割線錠も普及している。割線錠の印刷時には、搬送される複数の割線錠に対して、それぞれ割線の向きに合わせた印刷を行う必要がある。このため、非接触で印刷でき、かつ、印刷の向きを制御しやすいインクジェット式の錠剤印刷装置の需要が高まっている。
インクジェット式の錠剤印刷装置の例については、例えば、特許文献1に記載されている。
特開2013−13711号公報
しかしながら、特に欧米などでは、ボトルに入った錠剤が患者に提供されることがある。従来のインクジェット式の印刷方法で文字等が印刷された錠剤では、ボトル内で印刷部分がこすれ、印刷品質が劣化し、錠剤の識別性を低下させる可能性があった。
また、インクジェット式の印刷方法では、印刷版を使用する印刷方式に比べて粘度が低いインクを、錠剤に直接吐出する。このため、錠剤の成分や表面状態によっては、密着不良によりインクが錠剤の表面で流れ、印刷された文字が崩れる、あるいは、印刷画像の輪郭が不鮮明になりやすいという問題があった。特に、近年では、ジェネリック医薬品の種類の増加に伴い、差別化のためにメーカーのロゴや成分量などの多くの情報を錠剤に印字したいという要求が高くなっている。また、ソフトカプセル、フィルムコーティング錠、糖衣錠のように、錠剤にコーティングされた材料の影響で、錠剤の表面状態により、インクジェットによる鮮明な印刷が難しい錠剤も増えてきた。糖衣錠などは、光沢を出すために、錠剤の表面にワックス成分をコーティングすることもある。その場合、従来の錠剤用水性インクで従来のインクジェット印刷を行うと、油性傾向の錠剤表面でインクが安定して定着できず、鮮明な印刷を行うことが困難であった。また、錠剤の取り違えを防止するために、バーコードやQRコード(登録商標)を、錠剤自体に印刷する場合もある。このため、錠剤の表面に、細かい画像を鮮明に印刷できる技術が求められている。
本発明は、このような事情に鑑みなされたものであり、錠剤の表面に輪郭が明瞭な印刷画像を形成できる錠剤印刷装置および錠剤印刷方法を提供することを目的とする。
上記課題を解決するため、本願の第1発明は、錠剤を保持しつつ搬送する搬送機構を備え、錠剤の表面に印刷を行う錠剤印刷装置であって、前記搬送機構により搬送される錠剤の表面に向けて、紫外線を照射することによって錠剤の表面を粗面化する、または赤外線を照射することによって錠剤の表面を食刻する露光部と、前記露光部を通過した錠剤の表面に向けてインクを吐出し、錠剤の表面のうち、粗面化または食刻された箇所に前記インクを位置させるインクジェットヘッドと、を備える。
本願の第2発明は、第1発明の錠剤印刷装置であって、前記露光部は、印刷画像を形成すべき目標領域より広い領域に、紫外線および赤外線の少なくとも一方を照射する。
本願の第3発明は、第1発明の錠剤印刷装置であって、前記露光部は、空間変調素子または結晶光学素子を介して、錠剤の表面に紫外線および赤外線の少なくとも一方を照射する。
本願の第4発明は、第1発明の錠剤印刷装置であって、前記露光部は、紫外線および赤外線の少なくとも一方を出射する光源と、前記光源から出射された光を錠剤へ導く光学系と、前記光学系の少なくとも一部を収容し、前記光学系と前記搬送機構との間に位置する光透過性の窓部をもつハウジングと、を有する。
本願の第5発明は、第4発明の錠剤印刷装置であって、前記露光部は、前記窓部の前記搬送機構側の面に気体を吹き付ける送風機構をさらに有する。
本願の第6発明は、第1発明から第5発明までのいずれか1発明の錠剤印刷装置であって、前記露光部は、紫外線および赤外線の少なくとも一方のレーザ光を照射する。
本願の第7発明は、第1発明から第5発明までのいずれか1発明の錠剤印刷装置であって、前記インクジェットヘッドよりも搬送方向の下流側に配置された定着部をさらに有し、前記定着部は、錠剤の表面の印刷領域の少なくとも一部を含む照射領域に向けて、赤外線を、連続照射、フラッシュ照射、およびレーザ照射のいずれか1つ以上の方法で照射する。
本願の第8発明は、錠剤を搬送しつつ錠剤の表面に印刷を行う錠剤印刷方法であって、
a)錠剤の表面に向けて、紫外線を照射することによって錠剤の表面を粗面化する、または赤外線を照射することによって錠剤の表面を食刻する工程と、b)前記工程a)の後で、錠剤の表面に向けてインクを吐出し、錠剤の表面のうち、粗面化または食刻された箇所に前記インクを位置させる工程と、を有する。
本願の第9発明は、第8発明の錠剤印刷方法であって、前記工程a)では、印刷画像を形成すべき目標領域より広い領域に、紫外線および赤外線の少なくとも一方を照射する。
本願の第10発明は、第8発明または第9発明のいずれか1発明の錠剤印刷方法であって、前記工程a)では、紫外線および赤外線の少なくとも一方のレーザ光を照射する。
本願の第11発明は、第8発明から第10発明までのいずれか1発明の錠剤印刷方法であって、前記工程b)の後に、錠剤の表面の印刷領域の少なくとも一部を含む照射領域に向けて、赤外線を、連続照射、フラッシュ照射、およびレーザ照射のいずれか1つ以上の方法で照射する工程をさらに有する。
本願の第1発明〜第11発明によれば、紫外線および赤外線の少なくとも一方により、錠剤の表面形状を変化させる。そして、当該錠剤の表面に向けてインクを吐出する。これにより、錠剤に対するインクの密着性も向上させることができる。したがって、印刷品質の低下を抑制できる。
特に、本願の第2発明および第9発明によれば、インクの吐出位置の位置合わせ精度が多少低くても、明瞭な印刷を実現できる。
特に、本願の第3発明によれば、光の照射パターンを容易に制御できる。
特に、本願の第4発明によれば、錠剤から発生する微粉が、光学系に付着することを防止できる。
特に、本願の第5発明によれば、錠剤から発生する微粉が、窓部に付着することを防止できる。
特に、本願の第7発明および第11発明によれば、錠剤への印刷後、赤外線照射により、インク表面の乾燥を強固にすることで、錠剤が保持部から離れ、混合されたときの印刷部分のインク表面の損傷を減少させることが可能になる。
第1実施形態に係る錠剤印刷装置の構成を示した図である。 第1実施形態における露光部の構成を示した図である。 第1実施形態における制御系の構成を示したブロック図である。 第1実施形態におけるレーザ光の照射パターンの例を示した図である。 第1実施形態におけるインクの吐出範囲の例を示した図である。 第1実施形態における錠剤の断面形状の変化を示した図である。 第2実施形態における錠剤の断面形状の変化を示した図である。 第3実施形態に係る錠剤印刷装置の構成を示した図である。 第3実施形態におけるレーザ光の照射パターンの例を示した図である。 第3実施形態における錠剤の断面形状の変化を示した図である。 第4実施形態におけるレーザ光の照射パターンの例を示した図である。 第4実施形態における錠剤の断面形状の変化を示した図である。
以下、本発明の実施形態について、図面を参照しつつ説明する。なお、以下の説明においては、複数の錠剤が搬送される方向を「搬送方向」と称し、搬送方向に対して垂直かつ水平な方向を「幅方向」と称する。
<1.第1実施形態>
<1−1.錠剤印刷装置の構成>
図1は、本発明の第1実施形態に係る錠剤印刷装置1の構成を示した図である。この錠剤印刷装置1は、医薬品である複数の錠剤9を搬送しながら、各錠剤9の表面に、製品名、製品コード、会社名、ロゴマーク等の画像を印刷する装置である。図1に示すように、本実施形態の錠剤印刷装置1は、搬送機構10、露光・印刷部20、および制御部70を備えている。
搬送機構10は、複数の錠剤9を保持しつつ搬送する機構である。搬送機構10は、環状の平ベルトである搬送ベルト11を有する。搬送ベルト11は、図示を省略した一対のプーリの間に掛け渡されている。また、搬送ベルト11には、複数の吸着孔12が設けられている。複数の吸着孔12は、搬送ベルト11の表面に、規則的に配列されている。また、搬送ベルト11の内部には、図示を省略した吸引機構が設けられている。吸引機構は、複数の吸着孔12のそれぞれに、大気圧よりも低い負圧を発生させる。当該負圧によって、錠剤9は、吸着孔12に1つずつ吸着保持される。モータの動力によりプーリを回転させると、一対のプーリの間で搬送ベルト11が回動する。これにより、搬送ベルト11に保持された複数の錠剤9が、図1中の白抜き矢印の方向へ搬送される。
露光・印刷部20は、搬送機構10により搬送される複数の錠剤9の向き(吸着孔12の中心を通る鉛直軸に対する回転方向の向き)を判断し、その判断結果に基づいて、錠剤9の表面に指定された画像を印刷する部位である。図1に示すように、本実施形態の露光・印刷部20は、画像取得部30、露光部40、インクジェットヘッド50、および定着部60を有する。
画像取得部30は、搬送ベルト11に吸着保持された印刷前の複数の錠剤9の画像を取得する。画像取得部30には、例えば、CCDやCMOS等の受光素子を有するカメラが用いられる。画像取得部30は、搬送ベルト11の上方から搬送ベルト11の上面を撮影し、得られた画像データを制御部70へ送信する。制御部70は、受信した画像データに基づいて、搬送ベルト11の複数の吸着孔12に、それぞれ錠剤9が保持されているか否かを検知する。また、制御部70は、受信した画像データに基づいて、各吸着孔12に保持された錠剤9の向きおよび位置を検知する。制御部70は、検知された情報に基づいて、露光に用いる露光データや、インクジェット印刷に用いる印刷データ選択するとともに、露光位置および印刷位置の計算を行う。
露光部40は、搬送機構10により搬送される錠剤9の表面に向けて、レーザ光を照射する部位である。制御部70は、搬送される各錠剤9の向きに応じて、露光部40に光照射の指示を与える。露光部40は、制御部40からの指示に従って、錠剤9の表面にレーザ光を照射する。図2は、露光部40の構成を示した図である。図2に示すように、本実施形態の露光部40は、レーザ発振器41、空間変調素子42、集光レンズ43、ハウジング44、および送風機構45を有する。
レーザ発振器41は、レーザ光を出射する光源である。本実施形態のレーザ発振器41は、紫外線のレーザ光を出射する。レーザ光の波長は、例えば400nm以下とされる。レーザ発振器41から出射されたレーザ光は、空間変調素子42と集光レンズ43とで構成される光学系46により、錠剤9へ導かれる。
空間変調素子42は、レーザ発振器41から出射されたレーザ光を、任意の形状に成形しつつ反射させるための手段である。空間変調素子42は、基板上に配列された複数の微細なミラーを有する。空間変調素子42は、制御部70からの電気信号に基づいて、各ミラーを細かく変位させる。これにより、錠剤9へ向かうレーザ光の照射パターンを、印刷すべき画像に応じた形状に成形する。空間変調素子42には、例えば、レーザ光の回折を利用したGLV(Grating Light Valve:グレーチング・ライト・バルブ)(登録商標)や、反射を利用したDMD(Digital Micro-mirror Device:デジタル・マイクロミラー・デバイス)を用いることができる。また、通電により屈折率が変化することを利用した結晶光学素子、や、複数の回転ミラーの組み合わせで照射パターンを成形できるガルバノミラーを用いることもできる。空間変調素子42において成形されたレーザ光は、集光レンズ43により集光されて、錠剤9の表面に照射される。これにより、錠剤9の表面が露光される。
ハウジング44は、光学系46の少なくとも一部を収容する筐体である。ハウジング44の底面には、光透過性の材料(例えば透明なガラス)からなる窓部441が設けられている。窓部441は、集光レンズ43と搬送ベルト11との間に位置する。集光レンズ43を通過したレーザ光は、窓部441を通って、錠剤9の表面に照射される。光学系46が配置される空間と、錠剤9の搬送機構10が配置される空間とは、窓部441によって互いに隔離されている。このように、光学系46と搬送ベルト11との間に窓部441を介在させることで、錠剤9から発生する微粉が、光学系46に付着することを防止できる。
錠剤9の製造工程では、製造する錠剤9の種類が変わるごとに、前回製造した錠剤成分が製造装置内の各部に残る。このため、次の錠剤9への混入汚染を防ぐために、製造装置の清掃を、非常に多くの手間および時間をかけて行う。本実施形態のように、窓部441を設けることで、精密な光学系46への薬品成分の付着を防止でき、さらに、光学系46からの錠剤9への異物混入を防ぐことができる。したがって、この部分の清掃の手間を軽減することができる。これにより、製造工程の省力化に貢献できる。また、窓部441を介して、光学系46が配置される空間の内圧を、錠剤9の搬送機構10が配置される空間の圧力よりも高くすることができる。そうすれば、窓部441の隙間から光学系46への錠剤粉末混入リスクを、さらに低減できる。もちろん、窓部441は、シール材を用いて隙間の無い構造とすることが望ましい。
送風機構45は、窓部441の下面を清浄に保つための機構である。図2に示すように、送風機構45は、ハウジング44の下面に固定された気体吐出ノズル451を有する。気体吐出ノズル451は、配管452を介してエア供給源453に接続されている。また、配管452の経路上には、開閉弁454が設けられている。開閉弁454を開放すると、エア供給源453から配管452を通って気体吐出ノズル451へ、クリーンドライエアが供給される。そして、気体吐出ノズル451から窓部441の下面(搬送機構10側の面)に向けて、クリーンドライエアが吹き付けられる。吹き付けられたクリーンドライエアは、窓部441の下面に沿った空気層を形成する。これにより、錠剤9から発生する微粉が、窓部441の下面に付着することが防止される。
なお、クリーンドライエアの制御は、制御部70によって行う。送風機構45から吐出される気体には、クリーンドライエアだけでなく、錠剤9の製造に影響しない他の気体(例えば窒素など)を用いてもよい。また、送風機構45は、常時一定量の気体を吐出してもよいが、錠剤9の製造プロセスによっては、一定時間ごとに吐出量を変えたり、気体の吐出を一次的に停止したりしてもよい。また、装置清掃時の手間を削減するため、錠剤9が搬送される空間と、開閉弁454や制御部70が配置される空間との間に隔離壁を配置して、両空間を互いに隔離した構造にすることが好ましい。そうすれば、開閉弁454や制御部70への錠剤粉末の飛散を防止できる。
図1に戻る。インクジェットヘッド50は、露光後の錠剤9の表面に向けて、インクの液滴を吐出する機構である。インクジェットヘッド50は、インクの液滴を吐出する複数のノズルを有する。複数のノズルは、インクジェットヘッド50の下面に、幅方向に沿って配列されている。後述する制御部70は、各錠剤9の向きに応じて、錠剤9の表面の適切な位置に適切な向きで画像が記録されるように、インクジェットヘッド50のノズルから、インクの液滴を吐出する。これにより、錠剤9の搬送を止めることなく、錠剤9の表面に画像が記録される。
なお、ノズルからのインクの吐出方式には、例えば、圧電素子であるピエゾ素子に電圧を与えて変形させることにより、ノズル内のインクを加圧して吐出させる、いわゆるピエゾ方式が用いられる。ただし、ヒータに通電してノズル内のインクを加熱膨張させることにより吐出する、いわゆるサーマル方式を用いてもよい。また、インクジェットヘッド50から吐出されるインクには、食品衛生法で認可された原料により製造された可食性インクが使用される。
なお、露光・印刷部20は、複数のインクジェットヘッド50を有していてもよい。例えば、互いに異なる色(例えば、シアン、マゼンタ、イエロー、およびブラックの各色)のインクを吐出する4つのインクジェットヘッド50を、搬送方向に沿って配列してもよい。このようにすれば、これらの各色により形成される単色画像の重ね合わせによって、錠剤9の表面に、多色画像を記録することができる。したがって、製薬会社のロゴに使用される色を印刷可能となり、錠剤のブランド強化に貢献できる。
定着部60は、インクジェットヘッド50から吐出されたインクを、錠剤9に定着させる機構である。定着部60は、インクジェットヘッド50よりも搬送方向の下流側に配置されている。定着部60には、例えば、搬送機構10により搬送される錠剤9へ向けて、ヒータによる赤外線照射を行う機構や、熱風を吹き付ける機構が用いられる。錠剤9の表面に付着したインクは、赤外線または熱風により乾燥して、錠剤9の表面に定着する。
赤外線は、連続照射、フラッシュ照射、およびレーザ照射のいずれか1つ以上の方法で照射すればよい。赤外線をフラッシュ照射するユニットを用いた場合、錠剤9の表面に近い層にのみ熱が供給される。このため、錠剤9の表面に付着したインクを乾燥させ、かつ、錠剤9の内部の加熱を抑えることができる。これにより、医薬成分への影響を減らすことが可能になる。また、印刷データを利用し、インクが吐出された領域にのみ赤外線をレーザ等で照射してもよい。このようにすれば、錠剤9に対して、熱照射面積を小さくすることができる。したがって、錠剤9の医薬成分や表面コーティングへの影響を、さらに減らすことが可能になる。錠剤9は、定着部60を通過する工程では、搬送ベルト11に保持されたままである。したがって、画像取得部30から取得された回転方向の情報と、印刷情報とを利用することで、正確な印刷領域のみに対して、赤外線を照射することが可能になる。もちろん、赤外線は、印刷した領域の全てに対して照射してもよいし、印刷した領域の一部(例えば文字や記号の輪郭部のみなど)に対して照射してもよい。錠剤9への赤外線の照射量を減らすことで、熱による錠剤成分の変質リスクを下げることが可能になる。
制御部70は、錠剤印刷装置1内の各部を動作制御するための手段である。図3は、制御部70と、錠剤印刷装置1内の各部との接続を示したブロック図である。図3中に概念的に示したように、制御部70は、CPU等の演算処理部71、RAM等のメモリ72、およびハードディスクドライブ等の記憶部73を有するコンピュータにより構成される。記憶部73内には、印刷処理を実行するためのコンピュータプログラムPが、インストールされている。
また、図3に示すように、制御部70は、上述した搬送機構10、画像取得部30、露光部40(レーザ発振器41、空間変調素子42、および送風機構45を含む)、インクジェットヘッド50、および定着部60と、それぞれ通信可能に接続されている。制御部70は、記憶部73に記憶されたコンピュータプログラムPやデータをメモリ72に一時的に読み出し、当該コンピュータプログラムPに基づいて、演算処理部71が演算処理を行うことにより、上記の各部を動作制御する。これにより、複数の錠剤9に対する印刷処理が進行する。
<1−2.露光およびインク吐出の処理について>
上述の通り、この錠剤印刷装置1は、搬送機構10により搬送される複数の錠剤9に対して、撮影、露光、インクの吐出、定着の各処理を順次に実行する。以下では、これらの処理のうち、特に露光およびインク吐出の処理について、より詳細に説明する。
図4は、露光部40が錠剤9の表面に照射するレーザ光のパターン81を示した図である。この錠剤印刷装置1は、入力される画像データに応じて、錠剤9の表面に種々の文字や図形を印刷可能であるが、本実施形態では、一例として、錠剤9の表面に、アルファベットの「F」字状の画像を印刷するものとする。錠剤9の表面に照射されるレーザ光のパターン81は、錠剤9の表面に形成すべき印刷画像と、略同形状で同じ大きさのパターンとされる。
図5は、インクジェットヘッド50が錠剤9の表面に対してインクを吐出する範囲82を示した図である。図5のように、錠剤9の表面に対してインクを吐出する範囲82は、錠剤9の表面に照射されたレーザ光のパターン81と重なる領域で、かつ、レーザ光のパターン81よりもやや小さい(細らせた)領域とされる。このように、この錠剤印刷装置1では、露光部40によりレーザ光を照射した後、レーザ光により形成されるパターン81の輪郭の内側に、インクジェットヘッド50がインクを吐出する。
図6は、錠剤9の表面における断面形状の変化を示した図である。露光部40の下方に錠剤9が搬送されると、露光部40は、錠剤9の表面に、図4に示すパターン81のレーザ光を照射する。これにより、錠剤9の表面のうち、印刷画像を形成すべき目標領域Aの全体に、レーザ光が照射される。ここで、本実施形態のレーザ光は、強度が最も強い中心波長が400nm以下の紫外線である(レーザ光は、中心波長を中心に波長が短い光の成分と波長が長い光の成分とを含む)。このため、図6中の上段の図のように、錠剤9の目標領域Aは、レーザ光を受けることにより有機物が分解され、親水化および粗面化される。すなわち、目標領域Aの表面形状に、微細な凹凸が形成される。その結果、錠剤9の表面のうち、目標領域Aの表面粗さが、他の領域の表面粗さよりも大きく(粗く)なる。また、親水化により、水性インクが、より錠剤9の表面に密着しやすい状態になる。
錠剤9が露光部40の下方を通過して、インクジェットヘッド50の下方位置に到達すると、インクジェットヘッド50は、錠剤9の表面に向けて、インクを吐出する。このとき、インクジェットヘッド50は、図5のように、レーザ光のパターン81よりもやや小さい範囲82に、インクを吐出する。したがって、図6中の中段の図のように、錠剤9の表面のうち、インクIが最初に付着する領域は、目標領域Aの輪郭部よりもやや小さい領域となる。
粗面化された目標領域Aは、他の領域よりも、インクIの接触角が小さくなる。したがって、目標領域A内に吐出されたインクIは、図6中の下段の図のように、吐出された位置から周囲に拡がる。ただし、目標領域Aの外側の粗面化されていない領域は、インクIの接触角が大きいため、インクIは、目標領域Aの外側までは拡がりにくい。したがって、インクIの拡がりは、目標領域Aと外側の領域との境界において停止する。その結果、錠剤9の表面に、輪郭が明瞭な印刷画像を形成することができる。
<2.第2実施形態>
続いて、本発明の第2実施形態について、説明する。
上記の第1実施形態では、レーザ発振器41から紫外線のレーザ光を出射していたのに対し、第2実施形態では、レーザ発振器41から赤外線のレーザ光を出射する。レーザ光の中心波長は、例えば、700nm以上とされる。錠剤印刷装置1の構成については、上記の第1実施形態と同等であるため、重複説明を省略する。第2実施形態においても、錠剤印刷装置1は、搬送機構10により搬送される複数の錠剤9に対して、撮影、露光、インクの吐出、定着の各処理を順次に実行する。
本実施形態において、露光部40が錠剤9の表面に照射するレーザ光のパターン81は、図4と同様とする。すなわち、錠剤9の表面に照射されるレーザ光のパターン81は、錠剤9の表面に形成すべき印刷画像と、略同形状で同じ大きさのパターンとされる。また、インクジェットヘッド50が錠剤9の表面に対してインクを吐出する範囲82は、図5と同様とする。すなわち、錠剤9の表面に対してインクを吐出する範囲82は、錠剤9の表面に照射されたレーザ光のパターン81と重なる領域で、かつ、レーザ光のパターン81よりもやや小さい(細らせた)領域とされる。
図7は、第2実施形態における錠剤9の表面付近の断面形状の変化を示した図である。露光部40の下方に錠剤9が搬送されると、露光部40は、錠剤9の表面に、図4に示すパターン81のレーザ光を照射する。これにより、錠剤9の表面のうち、印刷画像を形成すべき目標領域Aの全体に、レーザ光が照射される。ここで、本実施形態のレーザ光は、中心波長が700nm以上の赤外線である。このため、図7中の上段の図のように、錠剤9の目標領域Aは、レーザ光を受けることにより凹状に食刻される。すなわち、目標領域Aの表面形状が、全体的に掘り下げられる。その結果、目標領域Aの全体に、凹部が形成される。
錠剤9が露光部40の下方を通過して、インクジェットヘッド50の下方位置に到達すると、インクジェットヘッド50は、錠剤9の表面に向けて、インクを吐出する。このとき、インクジェットヘッド50は、図5のように、レーザ光のパターン81よりもやや小さい範囲82に、インクを吐出する。したがって、図6中の中段の図のように、錠剤9の表面のうち、インクIが最初に付着する領域は、目標領域Aの輪郭部よりもやや小さい領域となる。
目標領域A内に吐出されたインクIは、図7中の下段の図のように、吐出された位置から周囲に拡がる。ただし、本実施形態では、露光後の目標領域Aは、他の領域よりも凹んでいる。このため、インクIは、目標領域A内においては拡がりやすいが、目標領域Aの外側までは拡がりにくい。したがって、インクIの拡がりは、目標領域Aと外側の領域との境界において停止する。その結果、錠剤9の表面に、輪郭が明瞭な印刷画像を形成することができる。また、食刻部にインクが充填されることで、錠剤9へのインクの密着性が向上し、また、インク層の厚さが厚くなることで、インク層の剥がれやこすれによる劣化に対して強くなる。
<3.第3実施形態>
続いて、本発明の第3実施形態について、説明する。
図8は、第3実施形態に係る錠剤印刷装置1の構成を示した図である。本実施形態の錠剤印刷装置1は、第1露光部40aと、第1露光部40aよりも搬送方向の下流側に位置する第2露光部40bと、を有する。第1露光部40aおよび第2露光部40bは、いずれも、上述した第1実施形態の露光部40と、同等の構成を有する。ただし、上記の第1実施形態では、レーザ発振器41から紫外線のレーザ光を出射していたのに対し、本実施形態の第1露光部40aおよび第2露光部40bは、いずれも、レーザ発振器41から赤外線のレーザ光を出射する。レーザ光の中心波長は、例えば、700nm以上とされる。
錠剤印刷装置1の露光部以外の構成については、上記の第1実施形態と同等であるため、重複説明を省略する。第3実施形態においても、錠剤印刷装置1は、搬送機構10により搬送される複数の錠剤9に対して、撮影、露光、インクの吐出、定着の各処理を順次に実行する。
第1露光部40aが錠剤9の表面に照射するレーザ光のパターン81は、図4と同様とする。すなわち、第1露光部40aが錠剤9の表面に照射するレーザ光のパターン81は、錠剤9の表面に形成すべき印刷画像と、略同形状で同じ大きさのパターンとされる。図9は、第2露光部40bが錠剤9の表面に照射するレーザ光のパターン83を示した図である。図9のように、第2露光部40bが錠剤9の表面に照射するレーザ光のパターン83は、錠剤9の表面に形成すべき印刷画像と重なり、かつ、錠剤9の表面に形成すべき印刷画像の輪郭に沿った環状のパターンとされる。
また、インクジェットヘッド50が錠剤9の表面に対してインクを吐出する範囲82は、図5と同様とする。すなわち、錠剤9の表面に対してインクを吐出する範囲82は、第2露光部40bのレーザ光の照射範囲である環状のパターン83の内側の領域とされる。
図10は、第3実施形態における錠剤9の表面付近の断面形状の変化を示した図である。第1露光部40aの下方に錠剤9が搬送されると、第1露光部40aは、錠剤9の表面に、図4に示すパターン81のレーザ光を照射する。これにより、錠剤9の表面のうち、印刷画像を形成すべき目標領域Aの全体に、レーザ光が照射される。ここで、本実施形態のレーザ光は、中心波長が700nm以上の赤外線である。このため、図10中の最上段の図のように、錠剤9の目標領域Aは、レーザ光を受けることにより凹状に食刻される。すなわち、目標領域Aの表面形状が、全体的に掘り下げられる。その結果、目標領域Aの全体に、凹部が形成される。
錠剤9が第1露光部40aの下方を通過して、第2露光部40bの下方位置に到達すると、第2露光部40bは、錠剤9の表面に、図9に示すパターン83のレーザ光を照射する。これにより、錠剤9の表面のうち、目標領域Aの輪郭部A1のみに、レーザ光が追加的に照射される。したがって、輪郭部A1に対する赤外線の単位面積あたりの照射量は、輪郭部A1に囲まれた内側部A2に対する赤外線の単位面積あたりの照射量よりも多くなる。その結果、図10の上から2段目の図のように、内側部A2よりも輪郭部A1が、深く食刻される。
錠剤9が第2露光部40bの下方を通過して、インクジェットヘッド50の下方位置に到達すると、インクジェットヘッド50は、錠剤9の表面に向けて、インクを吐出する。このとき、インクジェットヘッド50は、図5のように、第2露光部40bによるレーザ光の照射範囲の内側に、インクを吐出する。したがって、図10の上から3段目の図のように、目標領域Aのうち、輪郭部A1に囲まれた内側部A2にインクIが付着する。
内側部に吐出されたインクIは、図10の最下段の図のように、吐出された位置から周囲に拡がる。ただし、本実施形態では、露光後の目標領域Aは、他の領域よりも凹んでいる。また、目標領域Aの輪郭部A1は、内側部A2よりもさらに凹んでいる。したがって、インクIは、内側部A2から輪郭部A1へは容易に拡がるが、輪郭部A1の外側までは拡がりにくい。したがって、インクIの拡がりは、目標領域Aと外側の領域との境界において停止する。その結果、錠剤9の表面に、輪郭が明瞭な印刷画像を形成することができる。
なお、本実施形態では、第1露光部40aが輪郭部A1および内側部A2の双方を露光した後で、第2露光部40bが輪郭部A1のみを露光したが、この露光の順序は逆であってもよい。すなわち、輪郭部A1のみを露光した後で、輪郭部A1および内側部A2の双方を露光するようにしてもよい。
また、複数の露光部40a,40bを用いることなく、単一の露光部で、輪郭部A1へのレーザ光の単位面積あたりの照射量が、内側部A2へのレーザ光の単位面積あたりの照射量よりも多くなるように制御してもよい。具体的には、例えば、空間変調素子42に、微細なミラーが2次元に配列されたDMD等の素子を用いて、搬送方向に配列される複数のミラー列を、目標領域A全体にレーザ光を照射するミラー列と、輪郭部A1のみにレーザ光を照射するミラー列と、に分けて制御すればよい。
<4.第4実施形態>
続いて、本発明の第4実施形態について、説明する。
第4実施形態の錠剤印刷装置1は、図8に示した第3実施形態の錠剤印刷装置1と同等の構成を有する。すなわち、第4実施形態の錠剤印刷装置1は、第1露光部40aと、第1露光部40aよりも搬送方向の下流側に位置する第2露光部40bと、を有する。第1露光部40aおよび第2露光部40bは、いずれも、レーザ発振器41から赤外線のレーザ光を出射する。レーザ光の中心波長は、例えば、700nm以上とされる。
錠剤印刷装置1の露光部以外の構成については、上記の第1実施形態と同等であるため、重複説明を省略する。第4実施形態においても、錠剤印刷装置1は、搬送機構10により搬送される複数の錠剤9に対して、撮影、露光、インクの吐出、定着の各処理を順次に実行する。
本実施形態において、第1露光部40aが錠剤9の表面に照射するレーザ光のパターン81は、図4と同様とする。すなわち、第1露光部40aが錠剤9の表面に照射するレーザ光のパターン81は、錠剤9の表面に形成すべき印刷画像と、略同形状で同じ大きさのパターンとされる。図11は、第2露光部40bが錠剤9の表面に照射するレーザ光のパターン84を示した図である。図11に示すように、第2露光部40bが錠剤9の表面に照射するレーザ光のパターン84は、錠剤9の表面に形成すべき印刷画像と重なり、かつ、錠剤9の表面に形成すべき印刷画像の輪郭に沿った環状のパターン841と、当該環状のパターン841の内側で、規則的に配列された複数の孤立パターン842と、を含んでいる。
また、インクジェットヘッド50が錠剤9の表面に対してインクを吐出する範囲82は、図5と同様とする。すなわち、錠剤9の表面に対してインクを吐出する範囲82は、上述した複数の孤立パターン842と重なり、かつ、上述した環状のパターン841の内側の領域とされる。
図12は、第4実施形態における錠剤9の表面付近の断面形状の変化を示した図である。第1露光部40aの下方に錠剤9が搬送されると、第1露光部40aは、錠剤9の表面に、図4に示すパターン81のレーザ光を照射する。これにより、錠剤9の表面のうち、印刷画像を形成すべき目標領域Aの全体に、レーザ光が照射される。ここで、本実施形態のレーザ光は、中心波長が700nm以上の赤外線である。このため、図12中の最上段の図のように、錠剤9の目標領域Aは、レーザ光を受けることにより凹状に食刻される。すなわち、目標領域Aの表面形状が、全体的に掘り下げられる。その結果、目標領域Aの全体に、凹部が形成される。
錠剤9が第1露光部40aの下方を通過して、第2露光部40bの下方位置に到達すると、第2露光部40bは、錠剤9の表面に、図11に示すパターン84のレーザ光を照射する。これにより、錠剤9の表面のうち、目標領域Aの輪郭部A1と、輪郭部A1の内側に位置する複数の孤立部A3とに、ともにレーザ光が追加的に照射される。したがって、目標領域Aのうち、輪郭部A1および複数の孤立部A3に対する赤外線の単位面積あたりの照射量は、目標領域Aの他の部分に対する赤外線の単位時間あたりの照射量よりも多くなる。その結果、図12の上から2段目の図のように、輪郭部A1および複数の孤立部A3が、目標領域Aの他の部分よりも、深く食刻される。
錠剤9が第2露光部40bの下方を通過して、インクジェットヘッド50の下方位置に到達すると、インクジェットヘッド50は、錠剤9の表面に向けて、インクを吐出する。これにより、図12の上から3段目の図のように、目標領域Aのうち、輪郭部A1に囲まれた内側部にインクが付着する。
内側部A2に吐出されたインクは、図12の最下段の図のように、吐出された位置から周囲に拡がる。ただし、本実施形態では、露光後の目標領域Aは、他の領域よりも凹んでいる。このため、インクは、輪郭部A1の外側までは拡がりにくい。したがって、インクの拡がりは、目標領域Aと外側の領域との境界において停止する。その結果、錠剤9の表面に、輪郭が明瞭な印刷画像を形成することができる。
また、本実施形態では、輪郭部A1の内側において、複数の孤立部A3(第1領域)と、孤立部A3よりも食刻の浅い部分(第2領域)とが、交互に配列される。これにより、インクの流動がより抑制される。したがって、目標領域Aの外側へインクが拡がることが、より抑制される。特に、錠剤9の目標領域Aが、水平面に対して傾斜した面である場合には、重力によるインクの流動を抑える必要がある。そのような場合に、本実施形態は特に有用である。
なお、本実施形態では、第1露光部40aが目標領域Aの全体を露光した後で、第2露光部40bが輪郭部A1および複数の孤立部A3を露光したが、この露光の順序は逆であってもよい。すなわち、輪郭部A1および複数の孤立部A3を露光した後で、目標領域Aの全体を露光するようにしてもよい。
また、複数の露光部40a,40bを用いることなく、単一の露光部で、輪郭部A1および複数の孤立部A3へのレーザ光の単位面積あたりの照射量が、他の部分へのレーザ光の単位面積あたりの照射量よりも多くなるように制御してもよい。具体的には、例えば、空間変調素子42に、微細なミラーが2次元に配列されたDMD等の素子を用いて、搬送方向に配列される複数のミラー列を、目標領域A全体にレーザ光を照射するミラー列と、輪郭部A1および複数の孤立部A3のみにレーザ光を照射するミラー列と、に分けて制御すればよい。
また、上述した第2領域には、赤外線を照射しないようにしてもよい。その場合、第1露光部40aを省略して、第2露光部40aによる輪郭部A1および複数の孤立部A3の露光のみを行えばよい。
<5.変形例>
以上、本発明の主たる実施形態について説明したが、本発明は、上記の実施形態に限定されるものではない。
上記の各実施形態では、露光部40から、紫外線および赤外線のいずれか一方を照射していたが、紫外線のレーザ光と、赤外線のレーザ光とを併用してもよい。例えば、図8の構成において、第1露光部40aから赤外線のレーザ光を照射し、第2露光部40bから紫外線のレーザ光を照射するようにしてもよい。そのようにすれば、食刻によりインクを拡がりを防止する効果と、粗面化により生じるインクの接触角の差を利用してインクの拡がりを防止する効果と、インクの密着性を向上させる効果と、を得ることができる。したがって、インクジェットヘッド50から吐出されたインクが、目標領域Aの外側へ拡がることを、より抑制できる。
また、上記の実施形態では、レーザ光を所望のパターンに成形するために、反射式の空間変調素子42を用いていたが、空間変調素子42に代えて、透過式の結晶光学素子を用いてもよい。透過式の結晶光学素子は、一般的に耐久性が高いため、結晶光学素子を使用することでより強度の高いレーザ光を使用したり、レーザ光を長時間照射したりすることが可能になる。その結果、錠剤製造工程で露光部40の光学素子の不具合による装置停止などのリスクを低減することが可能になる。露光部40は、光源から出射された紫外線または赤外線を、指定されたパターンに成形しつつ、錠剤9に照射できるものであればよい。
また、上記の実施形態では、露光部40が、錠剤9の表面にレーザ光を照射していたが、錠剤9に照射される光は、必ずしもレーザ光でなくてもよい。露光部40の光源は、紫外線または赤外線を照射可能な光源であればよい。
また、上記の実施形態では、レーザ光の照射パターンは、印刷領域と同じか狭い領域としたが、もちろん、露光部40は、印刷領域より広い領域にレーザ光を照射してもよい。紫外線照射のように、錠剤9の表面を改質させることによりインクジェット印刷の性能を改善する場合、従来水性インクでは錠剤表面で撥水し、印刷できなかった場合でも、印刷性能を改善できる。印刷領域より広い領域にレーザ照射を行うことで、レーザ露光位置とインクジェット印刷位置の位置合わせ精度が多少低くても、明瞭な印刷を実現できる。したがって、より高速に錠剤9を搬送し、かつ、搬送11ベルトの位置精度ばらつきを吸収できる。その結果、精度を多少犠牲にした搬送系を採用でき、装置コストの低減にも貢献できる。
また、錠剤印刷装置1の細部の構成については、本願の各図と相違していてもよい。また、上記の実施形態や変形例に登場した各要素を、矛盾が生じない範囲で、適宜に組み合わせてもよい。
1 錠剤印刷装置
9 錠剤
10 搬送機構
11 搬送ベルト
12 吸着孔
20 露光・印刷部
30 画像取得部
40 露光部
40a 第1露光部
40b 第2露光部
41 レーザ発振器
42 空間変調素子
43 集光レンズ
44 ハウジング
45 送風機構
46 光学系
50 インクジェットヘッド
60 定着部
70 制御部
441 窓部
A 目標領域
A1 輪郭部
A2 内側部
A3 孤立部

Claims (11)

  1. 錠剤を保持しつつ搬送する搬送機構を備え、錠剤の表面に印刷を行う錠剤印刷装置であって、
    前記搬送機構により搬送される錠剤の表面に向けて、紫外線を照射することによって錠剤の表面を粗面化する、または赤外線を照射することによって錠剤の表面を食刻する露光部と、
    前記露光部を通過した錠剤の表面に向けてインクを吐出し、錠剤の表面のうち、粗面化または食刻された箇所に前記インクを位置させるインクジェットヘッドと、
    を備える錠剤印刷装置。
  2. 請求項1に記載の錠剤印刷装置であって、
    前記露光部は、印刷画像を形成すべき目標領域より広い領域に、紫外線および赤外線の少なくとも一方を照射する錠剤印刷装置。
  3. 請求項1に記載の錠剤印刷装置であって、
    前記露光部は、空間変調素子または結晶光学素子を介して、錠剤の表面に紫外線および赤外線の少なくとも一方を照射する錠剤印刷装置。
  4. 請求項1に記載の錠剤印刷装置であって、
    前記露光部は、
    紫外線および赤外線の少なくとも一方を出射する光源と、
    前記光源から出射された光を錠剤へ導く光学系と、
    前記光学系の少なくとも一部を収容し、前記光学系と前記搬送機構との間に位置する光透過性の窓部をもつハウジングと、
    を有する錠剤印刷装置。
  5. 請求項4に記載の錠剤印刷装置であって、
    前記露光部は、
    前記窓部の前記搬送機構側の面に気体を吹き付ける送風機構
    をさらに有する錠剤印刷装置。
  6. 請求項1から請求項5までのいずれか1項に記載の錠剤印刷装置であって、
    前記露光部は、紫外線および赤外線の少なくとも一方のレーザ光を照射する錠剤印刷装置。
  7. 請求項1から請求項5までのいずれか1項に記載の錠剤印刷装置であって、
    前記インクジェットヘッドよりも搬送方向の下流側に配置された定着部
    をさらに有し、
    前記定着部は、錠剤の表面の印刷領域の少なくとも一部を含む照射領域に向けて、赤外線を、連続照射、フラッシュ照射、およびレーザ照射のいずれか1つ以上の方法で照射する錠剤印刷装置。
  8. 錠剤を搬送しつつ錠剤の表面に印刷を行う錠剤印刷方法であって、
    a)錠剤の表面に向けて、紫外線を照射することによって錠剤の表面を粗面化する、または赤外線を照射することによって錠剤の表面を食刻する工程と、
    b)前記工程a)の後で、錠剤の表面に向けてインクを吐出し、錠剤の表面のうち、粗面化または食刻された箇所に前記インクを位置させる工程と、
    を有する錠剤印刷方法。
  9. 請求項8に記載の錠剤印刷方法であって、
    前記工程a)では、印刷画像を形成すべき目標領域より広い領域に、紫外線および赤外線の少なくとも一方を照射することを特徴とする錠剤印刷方法。
  10. 請求項8または請求項9のいずれか1項に記載の錠剤印刷方法であって、
    前記工程a)では、紫外線および赤外線の少なくとも一方のレーザ光を照射する錠剤印刷方法。
  11. 請求項8から請求項10までのいずれか1項に記載の錠剤印刷方法であって、
    前記工程b)の後に、錠剤の表面の印刷領域の少なくとも一部を含む照射領域に向けて、赤外線を、連続照射、フラッシュ照射、およびレーザ照射のいずれか1つ以上の方法で照射する工程をさらに有する錠剤印刷方法。
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