JP6832117B2 - 蓄熱方法、蓄熱装置、及び蓄熱装置の製造方法 - Google Patents

蓄熱方法、蓄熱装置、及び蓄熱装置の製造方法 Download PDF

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Description

本開示は、蓄熱装置に関する。
地球温暖化防止に向けて、排熱回収など未利用熱エネルギーの有効利用が求められている。その取り組みの一環において蓄熱材が注目されており、実用化が始まっている蓄熱材もある。蓄熱材は、熱又は冷熱を蓄えることができ、必要なときに熱の出入りを有効に生じさせる材料である。特に、主に物質の相変化に伴う発熱/吸熱反応を利用して熱又は冷熱を蓄えることができる蓄熱材を潜熱蓄熱材と呼び、特に予め冷熱を潜熱として蓄え必要なときに放冷できる蓄熱材を潜熱蓄冷材(以下、単に「蓄冷材」ともいう)と呼ぶ。潜熱蓄熱材と蓄冷材とには明確な区別はない。
潜熱蓄熱材の中には凝固点又は結晶化温度以下に冷却されても過冷却状態を示すものがあり、蓄熱材の過冷却を解消するための手段が知られている。例えば、特許文献1には、蓄熱式加熱体が記載されている。この蓄熱式加熱体において、過冷却可能な蓄熱材が相分離防止材とともに複数の小容器に充填されている。また、この蓄熱式加熱体は、蓄熱材に熱を供給する手段、蓄熱材の過冷却を解消する手段、及び放熱面を具備する。蓄熱材としては、例えば、硫酸ナトリウム十水和物(Na2SO4・10H2O)等の過冷却現象が顕著な物質が適している。蓄熱材の過冷却を解消する手段は、流体を循環させる熱交換器、熱電素子、振動子、又は電極であり、これらは蓄熱材の容器に接触して設けられている。蓄熱材の過冷却を解消する手段の働きにより少量のエネルギーで蓄熱材の結晶化を誘発できる。
特開2002−81878号公報
特許文献1に記載の技術によれば、蓄熱材の過冷却を解消する手段である熱交換器、熱電素子、振動子、又は電極によって蓄熱材の結晶化を誘発するためにエネルギーが必要である。このため、省エネルギーの観点から蓄熱材の過冷却を解除するために別の技術を検討する余地がある。そこで、本開示は、特に冷却によりクラスレートハイドレートが構成される蓄熱材の過冷却を抑制できる新規な蓄熱装置を提供する。
本開示は、
冷却によりクラスレートハイドレートが構成される蓄熱材と、
酸化皮膜を形成可能な金属材料と、前記金属材料の表面又は前記酸化皮膜に付着している、前記金属材料の主成分である金属とは異なる種類の金属である銅又は銀とを含み、前記蓄熱材に接触している金属複合体と、を備えた
蓄熱装置を提供する。
上記の蓄熱装置は、冷却によりクラスレートハイドレートが構成される蓄熱材の過冷却を金属複合体により抑制できる。
図1は、本開示の蓄熱装置の一例を示す断面図である。 図2は、本開示の蓄熱装置の別の一例を示す断面図である。 図3は、本開示の蓄熱装置のさらに別の一例を示す断面図である。 図4は、本開示の蓄熱装置を備えた冷房システムの一例を示す構成図である。 図5は、本開示の蓄熱装置を備えた冷房システムの別の一例を示す構成図である。 図6は、実施例において使用した冷却ブロックを示す斜視図である。
<本発明者らの検討に基づく知見>
氷を蓄熱材として用いた蓄熱装置が知られている。例えば、料金が安価な夜間電力を利用して氷を製造し、氷に蓄えた冷熱を昼間の冷房に利用する技術が知られている。氷は、融解熱が大きく(約334J/g)、蓄熱材として優れた物質である。氷の融点は0℃であるので、氷の生成のためには−5℃程度に冷却する必要がある。このため、冷凍機を用いて氷を生成する場合、冷凍機の成績係数COP(Coefficient of Performance)を高めにくい。この場合、例えば冷凍機を0℃で運転する場合と比べて、COPが約20%低下する。このため、この技術はエネルギー消費量の低減の観点から改良の余地を有している。
融点が5℃〜15℃の物質を冷房用の蓄熱材として利用することが、エネルギー消費量の低減の観点から望ましい。しかし、その温度範囲に融点を有する単一の化合物は、例えば、テトラデカン(融点:5℃、融解熱210J/g)又はペンタデカン(融点:9.9℃、融解熱:158J/g)などのパラフィン系化合物などの特定の化合物に限られる。高純度のテトラデカン又はペンタデカンを工業的に安価に製造することは困難である。また、パラフィン系化合物は、熱伝導率が低い上に、液体であるときの密度が低いので、容積当たりの蓄熱密度が低い。また、パラフィン系化合物は可燃性であるので取扱いに注意を要する。このため、テトラデカン又はペンタデカンなどのパラフィン系化合物を冷房用の蓄熱材として用いることは難しい。
本発明者らは、第四級アンモニウム塩及びテトラヒドロフランのクラスレートハイドレートのように冷却によりクラスレートハイドレートが構成される材料の中には、0℃より高い融点を有するものがあることに着目した。例えば、テトラブチルアンモニウムブロマイド(TBAB)のクラスレートハイドレートは約5〜12℃の融点を有し、テトラブチルアンモニウムクロライド(TBAC)のクラスレートハイドレートは約15℃の融点を有し、テトラブチルアンモニウムフルオリド(TBAF)は約25℃の融点を有する。このため、本発明者らは、冷却によりクラスレートハイドレートが構成される材料を冷房用の蓄熱材として利用することによって、エネルギー消費量を低減することを思いついた。しかし、冷却によりクラスレートハイドレートが構成される材料は、大きな過冷却を示し、場合によっては、結晶化のために−6℃以下に冷却する必要があることが分かった。このような材料を蓄熱材として用いると、蓄熱材の結晶化のために蓄熱材を低温で冷却する必要があるので、エネルギー消費量を十分に低減することが難しい。このため、冷却によりクラスレートハイドレートが構成される材料を蓄熱材として用いる場合には、過冷却を抑制できる技術が重要であり、そのような技術は省エネルギーかつ簡素な構成で実現できることが望ましい。
このような事情を踏まえて、本発明者らは、冷却によりクラスレートハイドレートが構成される蓄熱材の過冷却を省エネルギーかつ簡素な構成によって抑制できる技術について日夜検討を重ねた。その結果、本発明者らは、冷却によりクラスレートハイドレートが構成される蓄熱材を所定の金属複合体に接触させることにより、その蓄熱材の過冷却を有利に抑制できることを新たに見出した。このような新たな知見に基づいて本発明者らは、本開示の蓄熱装置を案出した。
本開示の第1態様は、
冷却によりクラスレートハイドレートが構成される蓄熱材と、
酸化皮膜を形成可能な金属材料と、前記金属材料の表面又は前記酸化皮膜に付着している、前記金属材料の主成分である金属とは異なる種類の金属である銅又は銀とを含み、前記蓄熱材に接触している金属複合体と、を備えた
蓄熱装置を提供する。
第1態様によれば、金属複合体と蓄熱材とを接触させることにより、冷却によりクラスレートハイドレートが構成される蓄熱材の過冷却が抑制される。このため、外部から物理的な刺激を加えることなく過冷却を抑制でき、少ないエネルギーで蓄熱材に冷熱を蓄えることができる。加えて、金属複合体と蓄熱材とが接触した簡素な構成によって蓄熱材の過冷却を抑制できる。
本開示の第2態様は、第1態様に加えて、前記金属材料は、アルミニウムを主成分として含有している、蓄熱装置を提供する。第2態様によれば、より確実に蓄熱材の過冷却を抑制できる。
本開示の第3態様は、第1態様に加えて、前記金属材料は銅を主成分として含み、かつ、前記金属材料の表面又は前記酸化皮膜に銀が付着している、蓄熱装置を提供する。第3態様によれば、より確実に蓄熱材の過冷却を抑制できる。
本開示の第4態様は、第1態様〜第4態様のいずれか1つの態様に加えて、前記蓄熱材及び前記金属複合体を格納している容器をさらに備えた、蓄熱装置を提供する。第4態様によれば、蓄熱材及び金属複合体が容器に格納されているので、容器の内部において容器の内周面から離れた位置に金属複合体を配置でき、金属複合体と蓄熱材との接触面積が大きくなりやすい。これにより、有利に蓄熱材の過冷却を抑制できる。
本開示の第5態様は、第1態様〜第4態様のいずれか1つの態様に加えて、前記蓄熱材は、第四級アンモニウム塩の水溶液又はテトラヒドロフランの水溶液を主成分として含有している、蓄熱装置を提供する。第5態様によれば、過冷却度が小さい状態で蓄熱材を金属複合体に接触させても過冷却が解除されやすいので、より確実に、少ないエネルギーで蓄熱材に冷熱を蓄えることができる。
以下、本開示の実施形態について、図面を参照しながら説明する。以下の説明は本開示の蓄熱装置を例示的に説明するものであり、本発明はこれらによって限定されるものではない。
<蓄熱装置>
図1に示す通り、蓄熱装置1aは、蓄熱材10と、金属複合体20とを備えている。蓄熱材10は、冷却によりクラスレートハイドレートが構成される蓄熱材である。金属複合体20は、酸化皮膜を形成可能な金属材料と、金属材料の主成分とは異なる種類の金属である銅又は銀とを含み、蓄熱材10に接触している。銅又は銀は、金属材料の表面又は酸化皮膜に付着している。クラスレートハイドレートとは、水をホストとする包接化合物である。本明細書において、「主成分」とは質量基準で最も多く含まれている成分を意味する。本明細書において、「金属材料」は、典型的には単体の金属又は合金である。
蓄熱材10が金属複合体20に接触していると、蓄熱材10の過冷却が抑制される。その理由は定かではないが、金属複合体20の表面が蓄熱材10の結晶化を誘発するのに有利な形態を有しているためであると考えられる。
金属複合体20における酸化皮膜を有する金属材料は、例えば、アルミニウムを主成分として含有している。これにより、より確実に蓄熱材10の過冷却を抑制できる。この場合、金属材料の表面に付着している金属は銅及び銀のいずれであってもよく、金属複合体20は、金属材料の表面に付着している金属として銅及び銀の双方を含んでいてもよい。
例えば、金属複合体20における酸化皮膜を有する金属材料は銅を主成分として含み、かつ、その金属材料の表面又は酸化皮膜に銀が付着していてもよい。この場合にも、より確実に蓄熱材10の過冷却を抑制できる。
図1に示す通り、蓄熱装置1aは、例えば、容器30を備えている。容器30は、蓄熱材10及び金属複合体20を格納している。この場合、容器30の内部において容器30の内周面から離れた位置に金属複合体を配置でき、金属複合体20と蓄熱材10との接触面積が大きくなりやすい。これにより、有利に蓄熱材10の過冷却を抑制できる。
容器30は、特に制限されないが、例えば、ガラス、金属、合金、又は合成樹脂によってできている。
蓄熱材10は、例えば、第四級アンモニウム塩の水溶液又はテトラヒドロフランの水溶液を主成分として含有している。この場合、過冷却度が小さい状態で蓄熱材10を金属複合体20に接触させても過冷却が解除されやすいので、より確実に、少ないエネルギーで蓄熱材20に冷熱を蓄えることができる。なお、本明細書において「過冷却度」とは、蓄冷材10の融点から過冷却状態の蓄冷材10の温度を差し引いた差を意味する。
蓄熱材10の主成分が第四級アンモニウム塩の水溶液である場合、第四級アンモニウム塩は、例えば、メチル基、エチル基、n‐プロピル基、iso‐プロピル基、n‐ブチル基、iso‐ブチル基、n‐ペンチル基、iso‐ペンチル基、n‐ヘキシル基、iso‐ヘキシル基、n‐ヘプチル基、iso‐ヘプチル基、トリn-ブチルオクチル基、トリn-ブチルノニル基、トリn-ブチルデシル基、トリn-ブチルドデシル基、及びトリn‐ブチルペンチル基からなる群から選ばれる少なくとも1種のアルキル基と、臭化アンモニウム塩、塩化アンモニウム塩、フッ化アンモニウム塩、硝酸アンモニウム塩、亜硝酸アンモニウム塩、塩素酸アンモニウム塩、過塩素酸アンモニウム塩、臭素酸アンモニウム塩、ヨウ素酸アンモニウム塩、炭酸アンモニウム塩、リン酸アンモニウム塩、タングステン酸アンモニウム塩、硫酸アンモニウム塩、水酸化アンモニウム塩、カルボン酸アンモニウム塩、ジカルボン酸アンモニウム塩、スルホン酸アンモニウム塩、酢酸アンモニウム塩、ギ酸アンモニウム塩、クロム酸アンモニウム塩、ポリアクリル酸アンモニウム塩、ポリビニル硫酸アンモニウム塩、ポリエチレン硫酸アンモニウム塩、エチルベンゼン硫酸アンモニウム塩、エチル硫酸アンモニウム塩、及びジスルホン酸アンモニウム塩からなる群から選ばれる少なくとも1つのアンモニウム塩と、を有するテトラアルキルアンモニウム塩である。蓄熱材10は、例えば、テトラブチルアンモニウム塩、テトラペンチルアンモニウム塩、テトラプロピルアンモニウム塩、及びテトラエチルアンモニウム塩からなる群から選ばれる少なくとも1つの第四級アンモニウム塩の水溶液を主成分として含有している。
第四級アンモニウム塩の水溶液は、冷却により第四級アンモニウム塩をゲストとするクラスレートハイドレートを形成する。蓄熱材10におけるゲスト物質の含有率を変えることによって、蓄熱材10の融点を調整できる。例えば、蓄熱材10におけるゲスト物質がTBABである場合、TBABの含有率が20重量%、30重量%、及び40重量%である蓄熱材101の融点は、それぞれ、8℃、11℃、12℃である。また、蓄熱材10は、2つ以上の第四級アンモニウム塩を含んでいてもよい。これにより、蓄熱材10の融点を調整できる。TBAB40重量%のクラスレートハイドレート、TBAC35重量%のクラスレートハイドレート、及びTBAF30重量%のクラスレートハイドレートの融点は、それぞれ、約12℃、約15℃、及び約25℃である。そこで、例えば、蓄熱材10に、TBAB、TBAC、及びTBAFを配合し、それらの含有率を適宜定めることによって、蓄熱材10の融点を調整できる。
蓄熱装置1aにおいて、蓄熱材10及び金属複合体20を冷却することにより金属複合体20の表面でクラスレートハイドレートが構成される。蓄熱材10と金属複合体20との接触により蓄熱材10の過冷却を抑制できる機序は定かではないが、金属複合体20がクラスレートハイドレートの形成を引き起こすのに有利な表面形態を有していると考えられる。例えば、金属複合体20の表面形態が過冷却状態の蓄熱材10に対して擬似結晶として働くと考えられる。このため、蓄熱材10が過冷却状態であるときに擬似結晶である金属複合体20の表面形態が臨界核として機能して、金属複合体20の表面を起点にクラスレートハイドレートが積み重なって形成されると考えられる。これにより、蓄熱材10の結晶生成が促され、蓄熱材10の過冷却が抑制されると考えられる。
蓄熱材10の結晶化が始まると同時に結晶化熱が発生する。これにより、蓄熱材10の過冷却度が小さくなり、結晶成長速度が小さくなる。金属複合体20が、例えば、アルミニウム、銅、又は銀から構成されていると、これらの金属は高い熱伝導率を有するので、結晶化熱を速やかに蓄熱装置1aの外部に放出でき、結晶成長速度を大きく保つことができる。このため、蓄熱材10が過冷却状態であるときに擬似結晶である金属複合体20の表面形態が臨界核として機能すると、結晶化熱が速やかに除かれることにより結晶成長速度を大きく保つ金属複合体20の機能が効果的に発揮される。その結果、蓄熱材10の結晶生成が促され、蓄熱材10の過冷却が抑制されると考えられる。
蓄熱材10が、第四級アンモニウム塩の水溶液又はテトラヒドロフランの水溶液を主成分として含有している場合、蓄熱材10の融解中に蓄熱材10の相分離及びガスの発生は起こらない。このため、蓄熱材10の凝固(降温)と融解(昇温)とが繰り返されるプロセスを通してホスト分子である水分子と、ゲスト分子である第四級アンモニウム塩又はテトラヒドロフランとが分散している状態を保つことができる。このように、ゲスト分子とホスト分子とがお互いに入り混じって結晶を構成しやすい環境が整っている。
蓄熱材10は、公知の各種の添加剤を含有していてもよい。添加剤としては、例えば、防腐剤、防錆剤、粘度調整剤、整泡剤、酸化防止剤、脱泡剤、砥粒、充填剤、顔料、染料、着色剤、増粘剤、界面活性剤、難燃剤、可塑剤、滑剤、帯電防止剤、耐熱安定剤、粘着付与剤、硬化触媒、安定剤、シランカップリング剤、及びワックス等の公知の添加剤を使用できる。これらは単独で使用されてもよく、2種類以上を組み合わせて使用されていてもよい。これらの添加剤の種類及び使用量は、本開示の蓄熱装置の目的が損なわれない限り、制限されない。
蓄熱材10は、例えば、容器に入れた純水又はイオン交換水に、クラスレートハイドレートを形成するためのゲスト物質を撹拌しながら所定量まで徐々に加えて十分混合することにより調製される。この場合、必要に応じて、ゲスト物質を加えるのと同時又はゲスト物質を加える前後に他の添加剤を加えて混合/撹拌してもよい。また、蓄熱材10は、ゲスト物質と添加剤とを容器に入れて予め混合しておき、純水又はイオン交換水を容器に注入することにより調製されてもよい。この場合、ゲスト物質及び他の添加剤を容器に加える順序は特に制限されず、ゲスト物質等の溶質の溶解を促進するために容器が特定の温度まで加熱されてもよい。ただし、溶質の熱分解が生じないように容器を加熱する必要がある。
金属複合体20の形状及びサイズは、例えば、蓄熱材10と金属複合体20との界面において、蓄熱材10と、金属材料又はその酸化皮膜と、金属材料の表面又は酸化皮膜に付着している銅又は銀との三相界面が広いように定められている。これにより、蓄熱材10の広範囲で過冷却を抑制できる。例えば、図1に示す通り、金属複合体20は粒子状であり、容器30の内部に複数の粒状の金属複合体20が分散して配置されている。これにより、蓄熱材10と金属複合体20との界面が広く、上記の三相界面が広くなりやすい。特に、金属複合体20の粒子径が小さいほど上記の三相界面が広くなりやすい。加えて、蓄熱材10の広い範囲に金属複合体20が存在しやすい。金属複合体20は、容器30の内部において移動できてもよいし、固定されていてもよい。
金属複合体20は、板状又は繊維状であってもよい。この場合も、金属複合体20の比表面積が大きくなりやすく、上記の三相界面を広くしやすい。また、容器30の内周面の一部又は全部が金属複合体20でできていてもよい。
金属複合体20における金属材料の酸化皮膜の膜厚は特に制限されない。また、金属複合体20における金属材料の酸化皮膜の一部又は全部は除去されていてもよい。
金属複合体20の作製方法の一例について説明する。まず、酸化皮膜を形成可能な金属材料と、ハロゲン化銀又はハロゲン化銅を準備する。これらを、所定の水溶液中に加える。これにより、ハロゲンイオンの影響で金属材料の酸化皮膜に孔食が発生し、金属材料から金属イオンが溶出する。同時にカウンターイオンとしてイオン化傾向の小さい銀イオン又は銅イオンが金属材料の表面に析出する(工程A)。次に、析出を停止させる(工程B)。工程Bにおいて、例えば、酸化皮膜を有する金属材料と、ハロゲン化銀又はハロゲン化銅との接触を止めることにより、銀又は銅の析出を停止させる。代わりに、金属材料の表面に析出させたい量のハロゲン化銀又はハロゲン化銅を用いて、全量のハロゲン化銀又はハロゲン化銅を金属材料の表面に析出させた後にハロゲンイオンを除去及び洗浄することによって銀又は銅の析出を停止させてもよい。銀又は銅の析出を停止させることによって酸化皮膜を有する金属材料の表面における銀又は銅による被覆面積を調整できる。これにより、上記の三相界面の大きさを調整でき、金属複合体20は、蓄熱材10においてクラスレートハイドレートの形成を促すのに有利な表面形態を有する。
酸化皮膜を有する金属材料と、ハロゲン化銀又はハロゲン化銅とを接触させる水溶液は、特に制限されないが、液体状態である蓄熱材10であってもよいし、蓄熱材10とは別の水溶液であってもよい。金属材料と、ハロゲン化銀又はハロゲン化銅とを蓄熱材10において接触させる場合、少ない資源で金属複合体20を作製できる。また、金属複合体20を作製した後の溶液を蓄熱材10として使用できる。例えば、第四級アンモニウム塩の水溶液を金属複合体20の作製のために使用できる。
酸化皮膜を形成可能な金属材料に対し、意図的に酸化皮膜の膜厚を大きくすると、金属複合体20と蓄熱材10との接触による蓄熱材10の過冷却を抑制する効果が高まる。金属材料の酸化皮膜を厚くする方法としては、例えば酸化皮膜を形成可能な金属材料がアルミニウムである場合、陽極酸化によるアルマイト処理を利用できる。また、金属材料の酸化皮膜を厚くする方法として、酸化雰囲気における金属材料の加熱処理も利用できる。酸化皮膜が厚いとハロゲンイオンによってアスペクト比の大きい孔食が発生する。このような孔食の表面に銀又は銅が析出すると、金属材料の表面形態が蓄冷材10に含まれるゲスト物質のクラスレートハイドレートの擬似結晶としてより適した表面形態が得られると考えられる。なお、酸化皮膜を形成可能な金属材料の形状が粒子状である場合、金属材料の形状が板状である場合に比べて、上記の三相界面が大きくなりやすく、蓄熱材10の広い範囲で蓄熱材10の過冷却が抑制されやすい。また、酸化皮膜を形成可能な金属材料の形状が粒子状である場合、粒子状の金属材料の粒子径が小さいほど上記の三相界面が大きくなりやすく、蓄熱材10の広い範囲で蓄熱材10の過冷却が抑制されやすい。
金属複合体20は、酸化皮膜を形成可能な金属材料の表面に銀又は銅を蒸着することによって作製されてもよい。この場合、酸化皮膜を形成可能な金属の表面の全体が蒸着粒子によって完全に被覆されないように蒸着が行われる。この場合も、上記の三相界面が大きいほど蓄熱材10の過冷却が抑制されやすい。例えば、酸化皮膜を形成可能な金属材料が板状である場合、その金属材料の表面粗さを大きくすることにより、上記の三相界面を大きくできる。金属材料の表面粗さを大きくする方法としては、例えば、セラミック微粒子を金属材料の表面に吹き付けて物理的に金属材料の表面を粗くするサンドブラスト法を利用できる。代わりに、金属材料を薬液に浸して化学的に金属材料の表面を浸食するウエットエッチング法も利用できる。
蓄熱材10の融点は、例えば、冷房に適した温度範囲に収まっている。これにより、蓄熱装置1aに蓄えられた冷熱を冷房に利用できる。なお、蓄熱材10の融点は、冷凍又は暖房に適した温度範囲に収まっていてもよい。蓄熱材10は、工業的に安価で入手容易な材料であることが望ましい。蓄熱材10は、単独の材料又は2種類以上の材料の組み合わせであってもよい。
(変形例)
蓄熱装置1aは様々な観点から変更が可能である。例えば、蓄熱装置1aは、図2に示す蓄熱装置1b又は図3に示す蓄熱装置1cのように変更されてもよい。特に説明する場合を除き、蓄熱装置1b及び蓄熱装置1cは、蓄熱装置1aと同様に構成されている。蓄熱装置1aの構成要素と同一又は対応する蓄熱装置1b又は蓄熱装置1cの構成要素には同一の符号を付し、詳細な説明を省略する。蓄熱装置1aに関する上記の説明は、技術的に矛盾しない限り、蓄熱装置1b及び蓄熱装置1cにもあてはまる。
図2に示す通り、蓄熱装置1bにおいて、複数の金属複合体20が容器30の内周面に固定されている。この場合、蓄熱材10におけるクラスレートハイドレートが形成される起点を容器30の内周面付近に位置させることができる。これにより、蓄熱材10の結晶化に伴い発生する結晶化熱を早期に容器30の外部に放出しやすい。
図3に示す通り、蓄熱装置1cは、基板40をさらに備えている。例えば、複数の基板40が容器30の内部において容器30の内周面から離れた位置に配置されている。金属複合体20は、基板40の両方の主面に配置されている。基板40は、例えば、アルミニウムなどの高い熱伝導率を有する金属を含み、伝熱フィンとしての機能を有する。金属複合体20は、例えば、基板40の表面以外の場所で作製されて基板40に固定されている。代わりに、金属複合体20は、アルミニウム合金でできた基板40の表面に銀又は銅を直接析出させて作製されてもよい。蓄熱装置1cの内部において、基板40及び金属複合体20が蓄熱材10に接触している。このため、蓄熱装置1aについて説明した理由と同様の理由により、蓄熱材10においてクラスレートハイドレートの形成、すなわち、蓄熱材10の結晶化が促進される。その結果、蓄熱材10の過冷却を抑制できる。また、蓄熱装置1cによれば、蓄熱材10の中央部分に金属複合体20を存在させることができるので、蓄熱材10の全体を速やかに結晶化できる。基板40の厚みは、例えば、1mm〜0.05mmである。基板40の厚みがこのように小さければ、基板40によって容器30の内部の蓄熱材10の量が少なく、蓄熱装置1cに蓄えることができる潜熱の量が不足することを防止できる。加えて、基板40は、高い熱伝導率を有する材料でできているので、蓄熱材10の熱伝導率の低さを補完する役割を果たす。これにより、蓄熱装置1bが高い熱応答性を有する。
基板40は、例えば、アルミニウム合金でできている。この場合、基板40の表面には酸化皮膜が形成されていてもよい。基板40は、例えば平板状又は波形状である。基板40の主面は例えば矩形状である。熱伝導の観点から、基板40の端部は、望ましくは容器30の内周面に接触している。蓄熱装置1bは、例えば、基板40の表面に銀又は銅を微粒子状に蒸着させて、基板40を容器30の内部に挿入して組み付けることによって製造されてもよい。
<冷房システム>
図4に示す通り、蓄熱装置1aを用いて、冷房システム100aを構成できる。冷房システム100aは、蓄熱装置1a、蓄熱用熱交換器110、冷凍機120、蓄熱用ポンプ130、室内熱交換器140、放熱用熱交換器150、及び放熱用ポンプ160を備えている。蓄熱用熱交換器110及び放熱用熱交換器150は、それぞれ、蓄熱装置1aの内部空間に設けられている。蓄熱用熱交換器110は、蓄熱材10を冷却するための熱交換器である。また、放熱用熱交換器150は、蓄熱材10に蓄えられた冷熱を取り出すための熱交換器である。冷凍機120は、蓄熱材10を冷却するための熱媒体を生成する。室内熱交換器140は、室内を冷房するための熱交換器である。冷房システム100aは、蓄熱装置1aに代えて、蓄熱装置1b又は蓄熱装置1cを備えていてもよい。
冷房システム100aは、蓄熱運転及び冷房運転という2つの運転モードを有する。蓄熱運転において、冷凍機120が動作し、蓄熱材10を冷却するための熱媒体が生成される。この熱媒体の温度は、蓄熱材10を冷却することによりクラスレートハイドレートを形成できるように定められている。この熱媒体の温度は、例えば、蓄熱材10が40重量%のTBAB水溶液である場合、約3〜4℃である。この熱媒体は、蓄熱用ポンプ130によって、冷凍機120から蓄熱用熱交換器110に送られる。蓄熱用熱交換器110において、この熱媒体は、蓄熱材10と熱交換して蓄熱材10を冷却する。この冷却により蓄熱材10が結晶化熱を放出しながら結晶化する。これにより、蓄熱材10は、クラスレートハイドレートを構成する。熱媒体は、蓄熱用熱交換器110において蓄熱材10の結晶化熱を受け取って、冷凍機120に戻る。このようにして、蓄熱装置1aに冷熱が蓄えられる。この場合、金属複合体20によって蓄熱材10の過冷却が抑制されるので、蓄熱材10が40重量%のTBAB水溶液である場合、約6℃で蓄熱材10が結晶化する。また、図1に示す通り、蓄熱材10の結晶化の起点となる金属複合体20が蓄熱装置1aの内部の広い範囲に位置するので、多くの場所で蓄熱材10の結晶化が促され、過冷却を抑制しつつ蓄熱材10の全体を速やかに結晶化できる。その結果、冷凍機120のCOPを高めることができ、冷房システム100aのエネルギー消費量を低減できる。
冷房運転において、放熱用熱交換器150において冷却された熱媒体が放熱用ポンプ160によって室内熱交換器140に送られる。この熱媒体は、放熱用熱交換器150において、蓄熱材10によって冷却される。蓄熱材10は、この熱媒体からの受熱により徐々に融解し、又は、昇温する。放熱用熱交換器150において冷却された熱媒体は、室内熱交換器140で室内の空気との熱交換によって吸熱する。このようにして、室内の冷房が行われる。室内熱交換器140で吸熱して昇温した熱媒体は再び放熱用熱交換器150に送られる。
図5に示す通り、蓄熱装置1aを用いて、冷房システム100bを構成できる。冷房システム100aの構成要素と同一又は対応する冷房システム100bの構成要素には、同一の符号を付し、詳細な説明を省略する。冷房システム100bは、共通熱交換器170及び三方弁180を備える。共通熱交換器170は、蓄熱装置1aの内部に設けられている。三方弁180には、共通熱交換器170につながっている配管、蓄熱用ポンプ130につながっている配管、及び放熱用ポンプ160につながっている配管が接続されている。蓄熱運転において、蓄熱用ポンプ130によって、冷凍機120で生成された熱媒体が三方弁180を通って共通熱交換器170に送られる。また、冷房運転において、共通熱交換器170において、蓄熱材10によって冷却された熱媒体が、放熱用ポンプ160によって室内熱交換器140に送られる。すなわち、冷房システム100bにおいて、共通熱交換器170は、冷房システム100aにおける蓄熱用熱交換器110及び放熱用熱交換器150の役割を兼ねている。このため、冷房システム100bの構造が簡素である。冷房システム100bは、蓄熱装置1aに代えて、蓄熱装置1b又は蓄熱装置1cを備えていてもよい。
蓄熱装置1aにおいて、蓄熱材10が示す過冷却度は、望ましくは10K以下であり、より望ましは8K以下であり、さらに望ましくは7K以下である。蓄熱材10の過冷却度が小さいほど、コンプレッサーの動力エネルギーを低減できる。
以下に、実施例により本開示の蓄熱装置をより詳細に説明する。ただし、本発明は、以下の実施例に限定されない。
<サンプルA−1>
まず、0.5mmの厚さを有するアルミニウム製の板から2mmの深さ及び6mm×6mmの正方形の底面を有するアルミニウム製の箱を成形した。その箱の中にヨウ化銀の粉末0.05mmol(ミリモル)を入れて、内容量9ccのガラス製のサンプル瓶の底にヨウ化銀をこぼさないようにその箱を静置した。次に、蓄熱材として、40重量%(40wt%)のTBAB水溶液1.5gを、シリンジを使ってヨウ化銀をこぼさないようにサンプル瓶に静かに注入した。TBAB水溶液中に混入した気泡を除去する目的で50℃にて60分間放置した。このようにして、サンプルA−1を得た。その後、サンプルA−1を冷却プレートに置いて40重量%のTBAB水溶液の融点である12℃から、1℃/10分の速度でサンプル瓶を徐冷した。図6に示す通り、サンプル瓶の底面だけなく、サンプル瓶の側面も冷却できるように、冷却プレートの上に設置したアルミニウム製の冷却ブロック300に形成された穴の中に入れて、観察用のスリット350からサンプル瓶の内部の様子を観察した。このとき、6℃においてアルミニウム製の箱の中からTBAB水溶液の結晶化が確認された。サンプルA−1のTBAB水溶液は、サンプルA−1の液温が6℃に達した時点から5分で結晶化した。ここで、TBAB水溶液の結晶化が熱電対によって影響を受けることを避けるために、サンプル瓶の側面とアルミニウム製の冷却ブロック300との間に熱電対を挿入してサンプル瓶の温度を測定した。
<サンプルB−1〜サンプルB−6>
箱の材料を表1に示す材料に変更した以外はサンプルA−1と同様にして、サンプルB−1、サンプルB−2、サンプルB−3、サンプルB−4、サンプルB−5、及びサンプルB−6を得た。各サンプルを冷却プレートに置いて、アルミニウム製の冷却ブロック300の穴の中に入れ、40重量%のTBAB水溶液の融点である12℃から1℃/10分の速度で各サンプルのサンプル瓶を徐冷した。このとき、いずれのサンプルにおいても箱の中のヨウ化銀の近傍からTBAB水溶液の結晶化が確認された。各サンプルにおいて蓄熱材が結晶化した温度を表1に示す。
Figure 0006832117
表1に示す通り、箱の材料の主成分がアルミニウムであるサンプルB−1、サンプルB−2、及びサンプルB−3における蓄熱材の結晶化温度と、箱の材料の主成分が銅であるサンプルB−4における蓄熱材の結晶化温度が比較的高かった。一方、箱の材料がステンレス鋼であるサンプルB−5及びサンプルB−6における蓄熱材の結晶化温度が比較的低かった。TBAB水溶液に対して不安定な金属を主成分として含む金属材料を使用することにより、TBAB水溶液の結晶化温度が高くなることが示唆された。
<サンプルC−1〜サンプルC−8>
表2に示す通り、箱の材料としてアルミニウムA3003を用い、かつ、蓄熱材として水、19重量%のテトラヒドロフラン(THF)水溶液、23.3重量%の塩化ナトリウム水溶液、又は40重量%のTBAB水溶液を用いた以外はサンプルA−1と同様にしてサンプルC−1、サンプルC−2、サンプルC−3、及びサンプルC−4をそれぞれ得た。箱を使用せずにヨウ化銀をサンプル瓶に直接添加しつつ、蓄熱材として水、19重量%のテトラヒドロフラン(THF)水溶液、23.3重量%の塩化ナトリウム水溶液、又は40重量%のTBAB水溶液を用いた以外はサンプルA−1と同様にしてサンプルC−5、サンプルC−6、サンプルC−7、及びサンプルC−8をそれぞれ得た。これらのサンプルを冷却プレートに置いて、アルミニウム製の冷却ブロック300の穴の中に入れ、40重量%のTBAB水溶液の融点である12℃から、1℃/10分の速度で徐冷した。このとき、サンプルC−1、サンプルC−2、サンプルC−3、及びサンプルC−4については、アルミニウムA3003製の箱の中のヨウ化銀の近傍から蓄熱材の結晶化が確認された。また、サンプルC−5、サンプルC−6、サンプルC−7、及びサンプルC−8については、ヨウ化銀の粉末の近傍から蓄熱材の結晶化が確認された。各サンプルにおいて蓄熱材が結晶化した温度を表2に示す。
Figure 0006832117
サンプルC−1とサンプルC−5との対比及びサンプルC−3とサンプルC−7との対比から、蓄熱材が水又は塩化ナトリウム水溶液である場合には、蓄熱材の結晶化温度に差異は確認されなかった。すなわち、蓄熱材が水又は塩化ナトリウム水溶液である場合には、ヨウ化銀を単独で使用しても、ヨウ化銀をアルミニウムA3003製の箱と組み合わせて使用しても、蓄熱材の結晶化温度に差異はなかった。一方、サンプルC−2とサンプルC−6との対比及びサンプルC−4とサンプルC−8との対比から、蓄熱材としてクラスレートハイドレートが構成される材料が使用されている場合には、ヨウ化銀の単独での使用よりも、ヨウ化銀をアルミニウムA3003製の箱と組み合わせて使用することにより蓄熱材の過冷却度が低下することが示唆された。
<サンプルD−1〜サンプルD−4>
表3に示す通り、箱の材料としてアルミニウムA3003を使用しつつ、その箱に添加剤としてヨウ化銀、臭化銀、塩化銀、又は硝酸銀を0.05mmol入れた以外はサンプルA−1と同様にして、サンプルD−1、サンプルD−2、サンプルD−3、及びサンプルD−4を得た。これらのサンプルを冷却プレートに置いて、アルミニウム製の冷却ブロック300の穴の中に入れ、40重量%のTBAB水溶液の融点である12℃から、1℃/10分の速度でサンプル瓶を徐冷した。このとき、サンプルD−1〜サンプルD−4について、アルミニウムA3003製の箱の中の銀化合物の近傍から蓄熱材の結晶化が確認された。各サンプルにおいて蓄熱材が結晶化した温度を表3に示す。
Figure 0006832117
サンプルD−1、サンプルD−2、サンプルD−3、及びサンプルD−4の結果から、いずれの銀化合物でも蓄熱材の過冷却を抑制する効果が確認された。このため、銀化合物由来のアニオンよりも銀が蓄熱材の過冷却を抑制するために効果的に作用していることが示唆された。
<サンプルE−1〜サンプルE−9>
ガラス製のサンプル瓶の中に、8mm×8mm×0.5mmのアルミニウムA1070の板と、表4に示す各種の添加剤10mgと、40重量%のTBAB水溶液1.5gとを入れて表4に示すサンプルE−1、サンプルE−2、サンプルE−3、サンプルE−4、サンプルE−5、サンプルE−6、サンプルE−7、サンプルE−8、及びサンプルE−9を得た。これらのサンプルを20ヶ月間室温で放置した後に、冷却プレートに置いて、アルミニウム製の冷却ブロック300の穴の中に入れて、40重量%のTBAB水溶液の融点である12℃から1℃/分の速度でサンプル瓶を冷却し、サンプル瓶の温度を6℃で15分間保持した。サンプルE−1〜サンプルE−9について、サンプル瓶の温度を6℃に15分間保っている間に、アルミニウムA1070製の板の表面から蓄熱材の結晶化が確認された。各サンプルにおいて蓄熱材が結晶化した温度を表4に示した。
Figure 0006832117
サンプルE−1〜サンプルE−9の結果から、アルミニウムA1070の板を銀化合物又は銅化合物と組み合わせて使用することにより、長期間経過後においても、蓄熱材の過冷却を抑制する効果が発揮されることが示唆された。
<サンプルF−1〜サンプルF−4>
表5に示す通り、ガラス製のサンプル瓶の中に、8mm×8mm×0.5mmのアルミニウムA1070製の板(約5mmolのアルミニウムに相当)と、0.05mmolのヨウ化銀又は0.05mmolの塩化銀と、40重量%のTBAB水溶液1.5gとを入れて、サンプルF−1及びサンプルF−2を得た。また、表5に示す通り、ガラス製のサンプル瓶の中に、0.01mm〜0.5mmの粒子径を有するアルミニウムA1070の粉末5mg(0.19mmolのアルミニウムに相当)と、表5に示す各種の添加剤と、40重量%のTBAB水溶液1.5gとを入れて、サンプルF−3及びサンプルF−4を得た。これらのサンプルを20ヶ月間室温で放置した後に、冷却プレートに置いて、アルミニウム製の冷却ブロック300の穴の中に入れて、40重量%のTBAB水溶液の融点である12℃から1℃/分の速度でサンプル瓶を冷却し、サンプル瓶の温度を6℃で15分間保持した。サンプル瓶の温度が6℃に15分間保たれている間に、サンプルF−1及びサンプルF−2においては、アルミニウムA1070の板の表面から蓄熱材の結晶化が確認された。また、サンプルF−3及びサンプルF−4については、サンプル瓶の底面に存在するアルミニウムA1070の粉末の表面から蓄熱材の結晶化が確認された。サンプル瓶の温度が6℃に達してから、各サンプルにおいて蓄熱材が結晶化するまでの時間を表5に示す。
Figure 0006832117
サンプルF−1及びサンプルF−2の結果から、ハロゲン化銀の中ではヨウ化銀よりも塩化銀を用いることにより、蓄熱材の結晶化時間を短くできることが示唆された。また、サンプルF−2及びサンプルF−3の結果から、アルミニウムA1070の形状は板状よりも粉末であることにより、蓄熱材の結晶化時間を短くできることが示唆された。
<サンプルG−1〜サンプルG−6>
表6に示す通り、ガラス製のサンプル瓶の中に、アルミニウムの塩化物又はニッケルの塩化物と、ハロゲン化銀又はハロゲン化銅と、40重量%のTBAB水溶液1.5gとを入れて、サンプルG−1、サンプルG−2、サンプルG−3、サンプルG−4、サンプルG−5、及びサンプルG−6を得た。これらのサンプルを20ヶ月間室温で放置した後に、冷却プレートに置いて、アルミニウム製の冷却ブロック300の穴の中に入れて、40重量%のTBAB水溶液の融点である12℃から1℃/分の速度でサンプル瓶を冷却し、サンプル瓶の温度を6℃で30分間保持した。サンプル瓶の温度が6℃に30分間保たれている間には、サンプルG−1〜サンプルG−6のいずれにおいても蓄熱材の結晶化が観察されなかった。さらにサンプル瓶の温度を0℃まで下げてサンプル瓶の温度を0℃で60分間保持したが、サンプルG−1〜サンプルG−6のいずれにおいても蓄熱材の結晶化が観察されなかった。
Figure 0006832117
金属材料の代わりに、アルミニウム塩化物又はニッケル塩化物を用いた場合、銀又は銅が析出する面が存在しにくいと考えられる。この場合、蓄熱材の過冷却の抑制に有効な擬似結晶を形成する凹凸表面が生成しにくいと考えられる。
<サンプルH−1及びサンプルH−2>
サンプルF−3の上澄み液を採取し、別のガラス製サンプル瓶に移し替えてサンプルH−1を得た。上澄み液を採取した後に、アルミニウムA1070の粉末が残ったF−3のガラス製サンプル瓶の中に40重量%のTBAB水溶液3gをさらに入れて攪拌した。その後、静置してアルミニウムA1070の粉末を沈殿させた。その後、アルミニウムA1070の粉末が沈殿しているサンプル瓶から再び上澄み液を採取して除去し、40重量%のTBAB水溶液1.5gを新たにサンプル瓶に入れてサンプルH−2を得た。これらのサンプルを冷却プレートに置いて、アルミニウム製の冷却ブロック300の穴の中に入れて、40重量%のTBAB水溶液の融点である12℃から、1℃/分の速度でサンプル瓶冷却し、9℃で120分間保持した。サンプル瓶の温度が9℃に達してから35分経過後に、サンプルH−2においてサンプル瓶の底面に存在するアルミニウムA1070の粉末の表面から蓄熱材の結晶化が確認された。洗浄したアルミニウムA1070の粉末の表面から蓄熱材の結晶化が観察されたことから、蓄熱材の結晶化の起点はアルミニウムA1070の粉末の表面であることが示唆された。また、サンプルH−1はサンプル瓶の温度が9℃に達してから110分後にサンプル瓶の底面から蓄熱材の結晶化が確認された。蓄熱材の結晶が3〜4mmのサイズまで成長した後、冷却プレートの温度を15℃に昇温し、結晶の溶解過程を顕微鏡で観察した。その結果、蓄熱材の結晶化の起点である結晶の中心部位に0.1mm弱の微粒子の存在を確認した。その後、サンプルH−1のサンプル瓶を30℃まで昇温してから、再び1℃/分の速度でサンプル瓶を冷却し、9℃で120分間保持した。その結果、サンプル瓶の温度が9℃に達してから96分後にサンプル瓶の底面から蓄熱材の結晶化が確認された。蓄熱材の結晶が3〜4mmのサイズまで成長した後、冷却プレートの温度を15℃に昇温し、結晶の溶解過程を顕微鏡で観察した。その結果、蓄熱材の結晶化の起点である結晶の中心部位に直径0.1mm弱の微粒子の存在を確認した。これらの結果から、サンプルH−1における蓄熱材の結晶化の起点は、サンプルF−3から上澄み液を採取する際に混入した0.1mm弱の微粒子の表面であることが示唆された。その微粒子を採取してSEM観察し、電子線マイクロアナライザ(EPMA)を用いて元素分析を行ったところ、その微粒子は、アルミニウム表面に銀が析出した金属複合体であると分かった。
本開示に係る蓄熱装置は、冷房に必要な冷熱を潜熱として速やかに蓄え、かつ、蓄熱材の融点近傍の特定の温度で冷熱を取り出すシステムに広く利用できる。本開示の蓄熱装置の蓄熱材は、低温用の潜熱蓄熱材に限られず、冷凍用、冷蔵用、又は高温用の潜熱蓄熱材であってもよく、住宅建材の用途に利用される蓄熱材であってもよい。
1a、1b、1c 蓄熱装置
10 蓄熱材
20 金属複合体
30 容器

Claims (12)

  1. 熱媒体と熱交換して、蓄熱材を含む蓄熱装置を冷却することで、前記蓄熱材にクラスレートハイドレートを構成して前記蓄熱材を結晶化させ、
    前記蓄熱材の結晶化により発生する結晶化熱を前記熱媒体が受け取ることで、前記蓄熱装置に冷熱を蓄える、蓄熱方法であって、
    前記蓄熱装置は、
    前記蓄熱材と、
    酸化皮膜を形成可能な金属材料と、前記金属材料の表面又は前記酸化皮膜に付着している、前記金属材料の主成分である金属とは異なる種類の金属である銅、又は、銀とを含み、前記蓄熱材に接触している金属複合体と、を備え、
    前記蓄熱材と、前記金属材料又は前記酸化皮膜と、前記金属材料の表面又は前記酸化皮膜に付着している前記銅又は前記銀との三相界面が形成されている、
    蓄熱方法。
  2. 前記金属材料の前記主成分は、アルミニウムである、請求項1に記載の蓄熱方法。
  3. 前記金属材料の前記主成分は銅であり、かつ、前記金属材料の表面、又は、前記酸化皮膜に銀が付着している、請求項1に記載の蓄熱方法。
  4. 前記蓄熱装置は、前記蓄熱材及び前記金属複合体を格納している容器をさらに備える、請求項1〜3のいずれか1項に記載の蓄熱方法。
  5. 前記蓄熱材は、第四級アンモニウム塩の水溶液又はテトラヒドロフランの水溶液を主成分として含有している、請求項1〜4のいずれか1項に記載の蓄熱方法。
  6. 冷却によりクラスレートハイドレートが構成される蓄熱材と、
    酸化皮膜を形成可能な金属材料と、前記金属材料の表面又は前記酸化皮膜に付着している、前記金属材料の主成分である金属とは異なる種類の金属である銅、又は、銀とを含み、前記蓄熱材に接触している金属複合体と、を備え、
    前記蓄熱材と、前記金属材料又は前記酸化皮膜と、前記金属材料の表面又は前記酸化皮膜に付着している前記銅又は前記銀との三相界面が形成されている、
    蓄熱装置。
  7. 前記金属材料の主成分は、アルミニウムである、請求項6に記載の蓄熱装置。
  8. 前記金属材料の主成分は銅であり、かつ、前記金属材料の表面、又は、前記酸化皮膜に銀が付着している、請求項6に記載の蓄熱装置。
  9. 前記蓄熱材及び前記金属複合体を格納している容器をさらに備えた、請求項6〜8のいずれか1項に記載の蓄熱装置。
  10. 前記蓄熱材は、第四級アンモニウム塩の水溶液又はテトラヒドロフランの水溶液を主成分として含有している、請求項6〜9のいずれか1項に記載の蓄熱装置。
  11. 冷却によりクラスレートハイドレートを構成する蓄熱材と、ハロゲン化銀又はハロゲン化銅とを含む第1の水溶液とを準備することと、
    金属材料の表面に酸化皮膜を形成した金属複合体を含む第2の水溶液を準備することと、
    前記第1の水溶液と前記第2の水溶液とを混合して、前記ハロゲン化銀又はハロゲン化銅と前記金属複合体とを接触させることにより、酸化皮膜を腐食させて前記金属材料を水溶液中に溶出させ、前記ハロゲン化銀又は前記ハロゲン化銅に含まれる銀又は銅を前記金属材料の替りに付着させることとを、含む、
    蓄熱装置の製造方法。
  12. 前記金属材料の主成分は、アルミニウムである、請求項11に記載の蓄熱装置の製造方法。
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