JP6831725B2 - ワーク加工用粘着シートおよびその製造方法 - Google Patents

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本発明は、ワーク加工用粘着シートおよびその製造方法に関するものであり、好ましくは表面に凹部を有するワークに貼付されるワーク加工用粘着シートおよびその製造方法に関するものである。
近年、フェースダウン方式(フリップチップ方式)と呼ばれる実装法を用いた半導体装置の製造が行われている。このフェースダウン方式では、回路面側に導通を確保するためのバンプと呼ばれる凸部が形成されてなる半導体チップを用い、上記回路面側の凸部が基板に接続する構造をとる。この半導体チップの回路面とは反対の面には、半導体チップを保護するための硬化樹脂層からなる保護膜が設けられている。このような半導体チップは、半導体ウエハの一方の面に上記凸部を形成するとともに、他方の面に上記保護膜を積層した後、当該半導体ウエハをダイシングすることで得られる。
また、ワイヤボンディング方式の半導体チップの製造においては、一枚の基板上に載置された複数の半導体チップをワイヤボンディングし、続いて、これらの半導体チップを硬化樹脂で一括封止して封止樹脂層を形成した後、ダイシングにより個片化することが行われる。
以上のようなダイシングでは、通常、エネルギー線硬化性粘着剤から構成される粘着剤層を備えたダイシングシートが用いられる。この場合、ダイシングシートの粘着剤層側の面をダイシングの対象物に貼付した後、ダイシングシート上において対象物のダイシングが行われる。その後、粘着剤層に対してエネルギー線を照射することで粘着剤層を硬化させ、これにより、ダイシングシートの粘着力を低下させる。その結果、ダイシングにより得られた切断物をダイシングシートから容易にピックアップすることが可能となる。
ところで、ダイシングシートは搬送時や使用時に帯電することがあり、このような帯電は、半導体チップ等の損傷やダイシング装置等の誤動作の原因となり得る。そのため、ダイシングシートに帯電防止機能を付与して、帯電を防ぐことも行われる。例えば、特許文献1には、粘着剤層を構成する粘着剤に帯電防止剤を含有させることが開示されている(特許文献1の段落0021)。また、特許文献2には、基材として、帯電防止剤を含有するフィルムを使用することが開示されている(特許文献2の段落0029)。さらに、帯電防止剤を含有する帯電防止層を、基材と粘着剤層との間に設けてなるダイシングシートも開発されている。
特開2002−256234号公報 特許第5414953号
上述した保護膜や封止樹脂層に対しては、それらの表面に文字等の情報をレーザー印字することがある。この場合、保護膜および封止樹脂層の表面には、レーザー光の照射によって微細な凹部が形成される。また、近年では、上述したダイシングシート等のワーク加工用粘着シートを、ガラス板やガラスチップの加工に用いることがある。この場合、これらのガラス板やガラスチップの表面に、切り溝等の微細な凹部が形成されることがある。
しかしながら、ワーク加工用粘着シートを、表面に微細な凹部を有するワークに使用する場合、糊残りの問題が生じ易い。具体的には、ワーク加工用粘着シートを使用する場合、ワーク加工用粘着シートの粘着剤層側の面を、ワークの凹部が存在する面に貼付し、ワーク加工用粘着シート上においてワークに対する所定の加工を行った後、ワーク加工用粘着シートとワークとが分離される。この分離の際に、当該ワークにおけるワーク加工用粘着シートに貼付されていた面に、ワーク加工用粘着シートの粘着剤層を構成していた粘着剤が残留し易い。
そして、上述した糊残りは、ワーク加工用粘着シートの粘着剤層がエネルギー線硬化性粘着剤からなり、ワークの分離の前にエネルギー線を照射して粘着剤層を硬化させた場合や、ワーク加工用粘着シートが、前述した帯電防止層のような、導電性材料を含む導電層を備えている場合に特に生じ易い。
本発明は、このような実状に鑑みてなされたものであり、エネルギー線硬化性粘着剤から構成される粘着剤層および導電層を備えつつも、表面に凹部を有するワークへの糊残りが抑制されたワーク加工用粘着シート、および当該ワーク加工用粘着シートの製造方法を提供することを目的とする。
上記目的を達成するために、第1に本発明は、基材と、前記基材における片面側に積層された導電層と、前記導電層における前記基材とは反対側の面上に積層された粘着剤層とを備えるワーク加工用粘着シートであって、前記粘着剤層が、エネルギー線硬化性粘着剤から構成されており、前記ワーク加工用粘着シートにおける前記粘着剤層側の面を支持体に固定し、前記粘着剤層に対してエネルギー線を照射した後に、前記基材と前記導電層とからなる積層体を、前記粘着剤層から剥離速度300mm/minで180°引き剥がししたときの剥離力として測定される層間強度が、17N/25mm以上であることを特徴とするワーク加工用粘着シートを提供する(発明1)。
上記発明(発明1)に係るワーク加工用粘着シートでは、上記層間強度が前述した範囲であることにより、粘着剤層に対してエネルギー線を照射した後、ワーク加工用粘着シートとワークとを分離する際に、導電層と粘着剤層との界面における剥がれの発生が抑制される。その結果、ワークの表面に微細な凹部が存在する場合であっても、分離される当該ワークの表面に、粘着剤層を構成する粘着剤が残留することが抑制される。以上により、当該ワーク加工用粘着シートでは、エネルギー線硬化性粘着剤から構成される粘着剤層および導電層を備えつつも、ワークへの糊残りを良好に抑制することができる。
上記発明(発明1)において、エネルギー線を照射する前の前記ワーク加工用粘着シートにおける、JIS Z0237:2009に準拠して測定される保持力が、70,000秒後の前記ワーク加工用粘着シートのずれ量として、1.0mm以下であることが好ましい(発明2)。
上記発明(発明1,2)において、前記ワーク加工用粘着シートは、前記基材の片面側に前記導電層を積層した後、前記導電層における前記基材とは反対の面に電子線照射およびプラズマ処理を行い、続いて、前記面に対して前記粘着剤層を積層することにより製造されるものであることが好ましい(発明3)。
上記発明(発明1〜3)において、前記粘着剤層における前記導電層とは反対側の面は、表面に凹部を有するワークにおける当該凹部が存在する面に貼付されることが好ましい(発明4)。
上記発明(発明4)において、前記ワークにおける前記凹部は、断面視において、幅が1μm以上、100μm以下であり、深さが1μm以上、50μm以下であることが好ましい(発明5)。
第2に本発明は、上記ワーク加工用粘着シート(発明1〜5)の製造方法であって、前記基材の片面側に前記導電層を積層する工程、前記導電層における前記基材とは反対側の面に対して電子線照射を行う工程、前記導電層における前記基材とは反対側の面に対してプラズマ処理を行う工程、および前記導電層における、前記電子線照射および前記プラズマ処理を行った面上に前記粘着剤層を積層する工程を備えることを特徴とするワーク加工用粘着シートの製造方法を提供する(発明6)。
上記発明(発明6)において、前記電子線照射を行う工程は、前記プラズマ処理を行う工程よりも前に行われることが好ましい(発明7)。
本発明に係るワーク加工用粘着シートは、エネルギー線硬化性粘着剤から構成される粘着剤層および導電層を備えつつも、表面に凹部を有するワークへの糊残りが抑制される。また、本発明に係る製造方法によれば、そのようなワーク加工用粘着シートを製造できる。
本発明の一実施形態に係るワーク加工用粘着シートの断面図である。
以下、本発明の実施形態について説明する。
図1には、本発明の一実施形態に係るワーク加工用粘着シート1の断面図が示される。本実施形態に係るワーク加工用粘着シート1は、基材11と、基材11における片面側に積層された導電層12と、導電層12における基材11とは反対側の面上に積層された粘着剤層13とを備える。
本実施形態に係るワーク加工用粘着シート1では、粘着剤層13が、エネルギー線硬化性粘着剤から構成される。また、本実施形態に係るワーク加工用粘着シート1では、後述する層間強度が、17N/25mm以上である。
本実施形態に係るワーク加工用粘着シート1を使用する際、ワーク加工用粘着シート1の粘着剤層13における基材11とは反対側の面(以下「粘着面」という場合がある。)にワークを貼付し、ワーク加工用粘着シート1上においてワークに対する所定の加工が行われる。続いて、粘着剤層13に対してエネルギー線を照射して粘着剤層13を硬化させた後、ワーク加工用粘着シート1とワークとが分離される。ここで、本実施形態に係るワーク加工用粘着シート1において層間強度が上記範囲であることにより、ワーク加工用粘着シート1とワークとの分離に伴う、導電層12と粘着剤層13との界面における剥がれの発生が抑制される。その結果、分離されるワークに対して、粘着剤層13を構成する粘着剤が付着することが抑制される。すなわち、ワークへの糊残りが抑制される。このような糊残りの抑制の効果は、表面に微細な凹部を有するワークにおける当該凹部を有する面に対して粘着剤層13が貼付されていた場合であっても良好に得ることができる。以上より、本実施形態に係るワーク加工用粘着シート1では、導電層を備えることによる帯電防止機能、およびエネルギー線照射によりワークの分離が容易になる効果を得ながらも、ワークへの糊残りを抑制することができる。
なお、本実施形態に係るワーク加工用粘着シート1が使用されるワークとしては、例えば、半導体チップ、半導体ウエハ、半導体パッケージ等の半導体部材、ガラスチップ、ガラス板等のガラス部材が挙げられる。
1.ワーク加工用粘着シートの物性
本実施形態に係るワーク加工用粘着シート1では、ワーク加工用粘着シート1における粘着剤層13側の面を支持体に固定し、粘着剤層13に対してエネルギー線を照射した後に、基材11と導電層12とからなる積層体を、粘着剤層13から剥離速度300mm/minで180°引き剥がしたときの剥離力として測定される層間強度が、17N/25mm以上であり、20N/25mm以上であることが好ましく、特に22N/25mm以上であることが好ましい。層間強度が17N/25mm未満であると、エネルギー線照射後においてワーク加工用粘着シート1とワークとを分離する際に、導電層12と粘着剤層13との界面において剥がれが生じ易くなり、その結果、ワークへの糊残りが生じてしまう。なお、当該層間強度の上限値は特に限定されないものの、通常、100N/25mm以下であることが好ましい。また、上述した層間強度の測定方法の詳細は、後述する試験例に記載する通りである。
本実施形態に係るワーク加工用粘着シート1では、エネルギー線を照射する前のワーク加工用粘着シート1における、JIS Z0237:2009に準拠して測定される保持力が、70,000秒後のワーク加工用粘着シートのずれ量として、1.0mm以下であり、0.5mm以下であることが好ましく、特に0mmであることが好ましい。当該保持力が1.0mm以下であることにより、粘着剤層13を構成する粘着剤の動きが抑制され、ワークが表面に微細な凹部を有する場合であっても、当該粘着剤が凹部に食い込み難くなり、糊残りを効果的に抑制することができる。なお、上記保持力の測定方法の詳細は、後述する試験例に記載する通りである。
2.ワーク加工用粘着シートの構成部材
(1)基材
本実施形態に係るワーク加工用粘着シート1において、基材11は、ワーク加工用粘着シート1の使用工程における所望の機能を発揮し、好ましくは、粘着剤層13の硬化のために照射されるエネルギー線に対して良好な透過性を発揮するものである限り、特に限定されない。
例えば、基材11は、樹脂系の材料を主材とする樹脂フィルムであることが好ましく、その具体例としては、エチレン−酢酸ビニル共重合体フィルム;エチレン−(メタ)アクリル酸共重合体フィルム、エチレン−(メタ)アクリル酸メチル共重合体フィルム、その他のエチレン−(メタ)アクリル酸エステル共重合体フィルム等のエチレン系共重合フィルム;ポリエチレンフィルム、ポリプロピレンフィルム、ポリブテンフィルム、ポリブタジエンフィルム、ポリメチルペンテンフィルム、エチレン−ノルボルネン共重合体フィルム、ノルボルネン樹脂フィルム等のポリオレフィン系フィルム;ポリ塩化ビニルフィルム、塩化ビニル共重合体フィルム等のポリ塩化ビニル系フィルム;ポリエチレンテレフタレートフィルム、ポリブチレンテレフタレートフィルム、ポリエチレンナフタレート等のポリエステル系フィルム;(メタ)アクリル酸エステル共重合体フィルム;ポリウレタンフィルム;ポリイミドフィルム;ポリスチレンフィルム;ポリカーボネートフィルム;フッ素樹脂フィルムなどが挙げられる。ポリエチレンフィルムの例としては、低密度ポリエチレン(LDPE)フィルム、直鎖低密度ポリエチレン(LLDPE)フィルム、高密度ポリエチレン(HDPE)フィルム等が挙げられる。また、これらの架橋フィルム、アイオノマーフィルムといった変性フィルムも用いられる。また、基材11は、上述したフィルムが複数積層されてなる積層フィルムであってもよい。この積層フィルムにおいて、各層を構成する材料は同種であってもよく、異種であってもよい。基材11としては、上記フィルムの中でも、柔軟性に優れるという観点から、エチレン−メタクリル酸メチル共重合体フィルムを使用することが好ましい。なお、本明細書における「(メタ)アクリル酸」は、アクリル酸およびメタクリル酸の両方を意味する。他の類似用語についても同様である。
基材11は、難燃剤、可塑剤、帯電防止剤、滑剤、酸化防止剤、着色剤、赤外線吸収剤、紫外線吸収剤、イオン捕捉剤等の各種添加剤を含んでいてもよい。これらの添加剤の含有量としては、特に限定されないものの、基材11が所望の機能を発揮する範囲とすることが好ましい。
基材11の導電層12が積層される面には、導電層12との密着性を高めるために、プライマー処理、コロナ処理、プラズマ処理等の表面処理が施されてもよい。
基材11の厚さは、ワーク加工用粘着シート1が使用される方法に応じて適宜設定できるものの、通常、20μm以上であることが好ましく、特に25μm以上であることが好ましい。また、当該厚さは、通常、450μm以下であることが好ましく、特に300μm以下であることが好ましい。
(2)導電層
本実施形態に係るワーク加工用粘着シート1において、導電層12は、帯電防止性等の所望の機能を発揮することができ、前述した層間強度が達成できるものであれば、特に限定されない。
導電層12は、導電性材料およびバインダー樹脂を含むことが好ましい。導電性材料の例としては、導電性高分子、導電性フィラー、アニオン性やカチオン性の化合物、分子中の主鎖や側鎖に4級アンモニウム塩基を有する化合物等が挙げられる。
上記導電性高分子の例としては、リチオフェン系、ポリアニリン系またはポリピロール系の導電性高分子が挙げられる。ポリチオフェン系の導電性高分子としては、例えば、ポリチオフェン、ポリ(3−アルキルチオフェン)、ポリ(3−チオフェン−β−エタンスルホン酸)、ポリアルキレンジオキシチオフェンとポリスチレンスルホネートとの混合物等が挙げられる。なお、ポリアルキレンジオキシチオフェンとしては、ポリエチレンジオキシチオフェン、ポリプロピレンジオキシチオフェン、ポリ(エチレン/プロピレン)ジオキシチオフェン等が挙げられる。ポリアニリン系の導電性高分子としては、例えば、ポリアニリン、ポリメチルアニリン、ポリメトキシアニリン等が挙げられる。ポリピロール系の導電性高分子としては、例えば、ポリピロール、ポリ3−メチルピロール、ポリ3−オクチルピロール等が挙げられる。これらの導電性高分子化合物は、1種を単独で用いてもよく、2種以上を組み合わせて用いてもよい。なお、これらの導電性高分子は、水中に分散させて水溶液の形態で使用することが好ましい。
導電性フィラーの例としては、金、銀、銅、ニッケル、アルミニウム、ステンレス、カーボン、導電性セラミックス、酸化錫、アンチモンドープ酸化錫(ATO)、酸化インジウム−酸化錫(ITO)、酸化亜鉛、五酸化アンチモンなどの粒子が挙げられる。
アニオン性やカチオン性の化合物の例としては、イオン性液体、イオン性固体、アニオン系界面活性剤、アルカリ金属塩、カチオン系界面活性剤、ノニオン系界面活性剤等が挙げられる。イオン性液体およびイオン性固体の例としては、含窒素オニウム塩、含硫黄オニウム塩、含リンオニウム塩等が挙げられる。また、アルカリ金属塩としては、リチウム塩、カリウム塩等が挙げられる。これらは単独で用いてもよいし、2種以上を組み合わせて用いてもよい。
4級アンモニウム塩基を有する化合物としては、具体的には、ピロリジウム環、アルキルアミンの4級化物、さらにこれらをアクリル酸やメタクリル酸と共重合したもの、N−アルキルアミノアクリルアミドの4級化物、ビニルベンジルトリメチルアンモニウム塩、2−ヒドロキシ3−メタクリルオキシプロピルトリメチルアンモニウム塩等が挙げられる。
上記4級アンモニウム塩基を有する化合物は、高分子化合物であることが望ましい。4級アンモニウム塩基を有する化合物の数平均分子量は、1000以上であることが好ましく、特に2000以上であることが好ましく、さらには5000以上であることが好ましい。また、当該数平均分子量の上限に関しては、導電性の材料を含む塗布液の粘度が高くなり過ぎないようにする観点から、当該数平均分子量は500000以下であることが好ましい。なお、本明細書における数平均分子量は、ゲルパーミエーションクロマトグラフィー(GPC)法により測定した標準ポリスチレン換算の値である。
導電層12中における導電性材料の含有量は、1質量%以上であることが好ましく、特に5質量%以上であることが好ましい。また、当該含有量は、30質量%以下であることが好ましく、特に20質量%以下であることが好ましい。導電性材料の含有量が1質量%以上であることで、帯電防止性等の所望の機能が効果的に発揮される。また、導電性高分子の含有量が30質量%以下であることで、導電層12中におけるバインダー樹脂の比率が十分なものとなり、導電層12自体の塗膜強度が良好なものとなる。
バインダー樹脂としては、例えば、メラミン樹脂、ポリエステル、ポリウレタン、アクリル樹脂、ビニル樹脂、エポキシ樹脂、アミド樹脂、ポリビニルアルコール等が挙げられる。メラミン樹脂の例としては、例えば、メチル化メラミン樹脂、ブチル化メラミン樹脂、メチル/ブチル化メラミン樹脂等が挙げられ、これらの中でもブチル化メラミン樹脂を使用することが好ましい。これらのバインダー樹脂は、共重合等により骨格構造が複合構造を有しているものであってもよい。複合構造を有するバインダー樹脂としては、例えば、アクリル樹脂グラフトポリエステル、アクリル樹脂グラフトポリウレタン、ビニル樹脂グラフトポリエステル、ビニル樹脂グラフトポリウレタン等が挙げられる。
導電層12は、架橋反応性化合物をさらに含んでもよい。架橋反応性化合物は、導電性の材料を含む塗布液中に架橋剤を含有させて、塗布液中に含まれる化合物の官能基と架橋反応させることで得られる。塗布液中に架橋剤を含有させることで、導電層12の耐水性、耐溶剤性、機械的強度等が改良される。
架橋剤としては、メラミン系架橋剤やエポキシ系架橋剤が挙げられる。メラミン系架橋剤としては、アルキロールまたはアルコキシアルキロール化したメラミン系化合物であるメトキシメチル化メラミン、ブトキシメチル化メラミン等を例示でき、メラミンの一部に尿素等を共縮合したものを使用してもよい。エポキシ系架橋剤としては、水溶性あるいは水溶化率50%以上のエポキシ基を持つ化合物を用いることが好ましい。
導電層12は、必要に応じて、消泡剤、塗布性改良剤、増粘剤、有機系潤滑剤、有機粒子、無機粒子等の添加剤の少なくとも1種を含有していてもよい。
導電層12は、上述した導電性高分子およびバインダー樹脂等を含む塗布液を基材11の片面上に塗布し、得られた塗膜を乾燥させることで形成することができる。なお、導電層12の形成後、当該導電層12における粘着剤層13が積層される面には、当該積層の前に、後述する電子線照射およびプラズマ処理の少なくとも一方を行うことが好ましく、特に電子線照射およびプラズマ処理の両方を行うことが好ましい。
導電層12の厚さは、ワーク加工用粘着シート1が使用される方法に応じて適宜設定できるものの、通常、0.003μm以上であることが好ましく、特に0.005μm以上であることが好ましい。また、当該厚さは、1.5μm以下であることが好ましく、特に0.5μm以下であることが好ましい。
(3)粘着剤層
本実施形態に係るワーク加工用粘着シート1において、粘着剤層13は、エネルギー線硬化性粘着剤から構成されるとともに、ワークに対して所望の粘着力を発揮し、さらに、ワーク加工用粘着シート1の前述した層間強度が達成できるものであれば、特に限定されない。粘着剤層13がエネルギー線硬化性粘着剤から構成されていることで、粘着剤層13の粘着面に貼着されたワークと当該粘着面とを分離する際に、エネルギー線照射により粘着剤層13を硬化させて、ワーク加工用粘着シート1のワーク対する粘着力を低下させることができる。これにより、粘着剤層13の粘着面とワークとの分離が容易となる。
粘着剤層13を構成するエネルギー線硬化性粘着剤は、エネルギー線硬化性を有するポリマーを主成分とするものであってもよいし、非エネルギー線硬化性ポリマー(エネルギー線硬化性を有しないポリマー)と少なくとも1つ以上のエネルギー線硬化性基を有するモノマーおよび/またはオリゴマーとの混合物を主成分とするものであってもよい。また、エネルギー線硬化性を有するポリマーと非エネルギー線硬化性ポリマーとの混合物であってもよいし、エネルギー線硬化性を有するポリマーと少なくとも1つ以上のエネルギー線硬化性基を有するモノマーおよび/またはオリゴマーとの混合物であってもよいし、それら3種の混合物であってもよい。
最初に、エネルギー線硬化性粘着剤が、エネルギー線硬化性を有するポリマーを主成分とする場合について、以下説明する。
エネルギー線硬化性を有するポリマーは、側鎖にエネルギー線硬化性を有する官能基(エネルギー線硬化性基)が導入された(メタ)アクリル酸エステル(共)重合体(A)(以下「エネルギー線硬化型重合体(A)」という場合がある。)であることが好ましい。このエネルギー線硬化型重合体(A)は、官能基含有モノマー単位を有するアクリル系共重合体(a1)と、その官能基に結合する官能基を有する不飽和基含有化合物(a2)とを反応させて得られるものであることが好ましい。
アクリル系共重合体(a1)は、官能基含有モノマーから導かれる構成単位と、(メタ)アクリル酸エステルモノマーまたはその誘導体から導かれる構成単位とを含むことが好ましい。
アクリル系共重合体(a1)の構成単位としての官能基含有モノマーは、重合性の二重結合と、ヒドロキシ基、カルボキシ基、アミノ基、置換アミノ基、エポキシ基等の官能基とを分子内に有するモノマーであることが好ましい。
ヒドロキシ基含有モノマーとしては、例えば、2−ヒドロキシエチル(メタ)アクリレート、2−ヒドロキシプロピル(メタ)アクリレート、3−ヒドロキシプロピル(メタ)アクリレート、2−ヒドロキシブチル(メタ)アクリレート、3−ヒドロキシブチル(メタ)アクリレート、4−ヒドロキシブチル(メタ)アクリレート等が挙げられ、これらは単独でまたは2種以上を組み合わせて用いられる。
カルボキシ基含有モノマーとしては、例えば、アクリル酸、メタクリル酸、クロトン酸、マレイン酸、イタコン酸、シトラコン酸等のエチレン性不飽和カルボン酸が挙げられる。これらは単独で用いてもよいし、2種以上を組み合わせて用いてもよい。
アミノ基含有モノマーまたは置換アミノ基含有モノマーとしては、例えば、アミノエチル(メタ)アクリレート、n−ブチルアミノエチル(メタ)アクリレート等が挙げられる。これらは単独で用いてもよいし、2種以上を組み合わせて用いてもよい。
アクリル系共重合体(a1)を構成する(メタ)アクリル酸エステルモノマーとしては、アルキル基の炭素数が1〜20であるアルキル(メタ)アクリレートの他、例えば、分子内に脂環式構造を有するモノマー(脂環式構造含有モノマー)が好ましく用いられる。
アルキル(メタ)アクリレートとしては、特にアルキル基の炭素数が1〜18であるアルキル(メタ)アクリレート、例えば、メチル(メタ)アクリレート、エチル(メタ)アクリレート、プロピル(メタ)アクリレート、n−ブチル(メタ)アクリレート、2−エチルヘキシル(メタ)アクリレート等が好ましく用いられる。これらは、1種を単独で用いてもよいし、2種以上を組み合わせて用いてもよい。
脂環式構造含有モノマーとしては、例えば、(メタ)アクリル酸シクロヘキシル、(メタ)アクリル酸ジシクロペンタニル、(メタ)アクリル酸アダマンチル、(メタ)アクリル酸イソボルニル、(メタ)アクリル酸ジシクロペンテニル、(メタ)アクリル酸ジシクロペンテニルオキシエチル等が好ましく用いられる。これらは、1種を単独で用いてもよいし、2種以上を組み合わせて用いてもよい。
アクリル系共重合体(a1)は、上記官能基含有モノマーから導かれる構成単位を、好ましくは1質量%以上、特に好ましくは5質量%以上、さらに好ましくは10質量%以上の割合で含有する。また、アクリル系共重合体(a1)は、上記官能基含有モノマーから導かれる構成単位を、好ましくは35質量%以下、特に好ましくは30質量%以下で含有する。
さらに、アクリル系共重合体(a1)は、(メタ)アクリル酸エステルモノマーまたはその誘導体から導かれる構成単位を、好ましくは50質量%以上、特に好ましくは60質量%以上、さらに好ましくは70質量%以上の割合で含有する。また、アクリル系共重合体(a1)は、(メタ)アクリル酸エステルモノマーまたはその誘導体から導かれる構成単位を、好ましくは99質量%以下、特に好ましくは95質量%以下、さらに好ましくは90質量%以下の割合で含有する。
アクリル系共重合体(a1)は、上記のような官能基含有モノマーと、(メタ)アクリル酸エステルモノマーまたはその誘導体とを常法で共重合することにより得られるが、これらモノマーの他にもジメチルアクリルアミド、蟻酸ビニル、酢酸ビニル、スチレン等が共重合されてもよい。
上記官能基含有モノマー単位を有するアクリル系共重合体(a1)を、その官能基に結合する官能基を有する不飽和基含有化合物(a2)と反応させることにより、エネルギー線硬化型重合体(A)が得られる。
不飽和基含有化合物(a2)が有する官能基は、アクリル系共重合体(a1)が有する官能基含有モノマー単位の官能基の種類に応じて、適宜選択することができる。例えば、アクリル系共重合体(a1)が有する官能基がヒドロキシ基、アミノ基または置換アミノ基の場合、不飽和基含有化合物(a2)が有する官能基としてはイソシアネート基またはエポキシ基が好ましく、アクリル系共重合体(a1)が有する官能基がエポキシ基の場合、不飽和基含有化合物(a2)が有する官能基としてはアミノ基、カルボキシ基またはアジリジニル基が好ましい。
また上記不飽和基含有化合物(a2)には、エネルギー線重合性の炭素−炭素二重結合が、1分子中に少なくとも1個、好ましくは1〜6個、さらに好ましくは1〜4個含まれている。このような不飽和基含有化合物(a2)の具体例としては、例えば、2−メタクリロイルオキシエチルイソシアネート、メタ−イソプロペニル−α,α−ジメチルベンジルイソシアネート、メタクリロイルイソシアネート、アリルイソシアネート、1,1−(ビスアクリロイルオキシメチル)エチルイソシアネート;ジイソシアネート化合物またはポリイソシアネート化合物と、ヒドロキシエチル(メタ)アクリレートとの反応により得られるアクリロイルモノイソシアネート化合物;ジイソシアネート化合物またはポリイソシアネート化合物と、ポリオール化合物と、ヒドロキシエチル(メタ)アクリレートとの反応により得られるアクリロイルモノイソシアネート化合物;グリシジル(メタ)アクリレート;(メタ)アクリル酸、2−(1−アジリジニル)エチル(メタ)アクリレート、2−ビニル−2−オキサゾリン、2−イソプロペニル−2−オキサゾリン等が挙げられる。
上記不飽和基含有化合物(a2)は、上記アクリル系共重合体(a1)の官能基含有モノマーモル数に対して、好ましくは50モル%以上、特に好ましくは60モル%以上、さらに好ましくは70モル%以上の割合で用いられる。また、上記不飽和基含有化合物(a2)は、上記アクリル系共重合体(a1)の官能基含有モノマーモル数に対して、好ましくは95モル%以下、特に好ましくは93モル%以下、さらに好ましくは90モル%以下の割合で用いられる。
アクリル系共重合体(a1)と不飽和基含有化合物(a2)との反応においては、アクリル系共重合体(a1)が有する官能基と不飽和基含有化合物(a2)が有する官能基との組合せに応じて、反応の温度、圧力、溶媒、時間、触媒の有無、触媒の種類を適宜選択することができる。これにより、アクリル系共重合体(a1)中に存在する官能基と、不飽和基含有化合物(a2)中の官能基とが反応し、不飽和基がアクリル系共重合体(a1)中の側鎖に導入され、エネルギー線硬化型重合体(A)が得られる。
このようにして得られるエネルギー線硬化型重合体(A)の重量平均分子量(Mw)は、1万以上であるのが好ましく、特に15万以上であるのが好ましく、さらには20万以上であるのが好ましい。また、当該重量平均分子量(Mw)は、150万以下であるのが好ましく、特に100万以下であるのが好ましい。なお、本明細書における重量平均分子量(Mw)は、ゲルパーミエーションクロマトグラフィー法(GPC法)により測定した標準ポリスチレン換算の値である。
エネルギー線硬化性粘着剤が、エネルギー線硬化型重合体(A)といったエネルギー線硬化性を有するポリマーを主成分とする場合であっても、エネルギー線硬化性粘着剤は、エネルギー線硬化性のモノマーおよび/またはオリゴマー(B)をさらに含有してもよい。
エネルギー線硬化性のモノマーおよび/またはオリゴマー(B)としては、例えば、多価アルコールと(メタ)アクリル酸とのエステル等を使用することができる。
かかるエネルギー線硬化性のモノマーおよび/またはオリゴマー(B)としては、例えば、シクロヘキシル(メタ)アクリレート、イソボルニル(メタ)アクリレート等の単官能性アクリル酸エステル類、トリメチロールプロパントリ(メタ)アクリレート、ペンタエリスリトールトリ(メタ)アクリレート、ペンタエリスリトールテトラ(メタ)アクリレート、ジペンタエリスリトールヘキサ(メタ)アクリレート、1,4−ブタンジオールジ(メタ)アクリレート、1,6−ヘキサンジオールジ(メタ)アクリレート、ポリエチレングリコールジ(メタ)アクリレート、ジメチロールトリシクロデカンジ(メタ)アクリレート等の多官能性アクリル酸エステル類、ポリエステルオリゴ(メタ)アクリレート、ポリウレタンオリゴ(メタ)アクリレート等が挙げられる。
エネルギー線硬化型重合体(A)に対し、エネルギー線硬化性のモノマーおよび/またはオリゴマー(B)を配合する場合、エネルギー線硬化性粘着剤中におけるエネルギー線硬化性のモノマーおよび/またはオリゴマー(B)の含有量は、エネルギー線硬化型重合体(A)100質量部に対して、0質量部超であることが好ましく、特に60質量部以上であることが好ましい。また、当該含有量は、エネルギー線硬化型重合体(A)100質量部に対して、250質量部以下であることが好ましく、特に200質量部以下であることが好ましい。
ここで、エネルギー線硬化性粘着剤を硬化させるためのエネルギー線として紫外線を用いる場合には、光重合開始剤(C)を添加することが好ましく、この光重合開始剤(C)の使用により、重合硬化時間および光線照射量を少なくすることができる。
光重合開始剤(C)としては、具体的には、ベンゾフェノン、アセトフェノン、ベンゾイン、ベンゾインメチルエーテル、ベンゾインエチルエーテル、ベンゾインイソプロピルエーテル、ベンゾインイソブチルエーテル、ベンゾイン安息香酸、ベンゾイン安息香酸メチル、ベンゾインジメチルケタール、2,4−ジエチルチオキサンソン、1−ヒドロキシシクロヘキシルフェニルケトン、ベンジルジフェニルサルファイド、テトラメチルチウラムモノサルファイド、アゾビスイソブチロニトリル、ベンジル、ジベンジル、ジアセチル、β−クロールアンスラキノン、(2,4,6−トリメチルベンジルジフェニル)フォスフィンオキサイド、2−ベンゾチアゾール−N,N−ジエチルジチオカルバメート、オリゴ{2−ヒドロキシ−2−メチル−1−[4−(1−プロペニル)フェニル]プロパノン}、2,2−ジメトキシ−1,2−ジフェニルエタン−1−オンなどが挙げられる。これらは単独で用いてもよいし、2種以上を併用してもよい。
光重合開始剤(C)は、エネルギー線硬化型共重合体(A)(エネルギー線硬化性のモノマーおよび/またはオリゴマー(B)を配合する場合には、エネルギー線硬化型共重合体(A)およびエネルギー線硬化性のモノマーおよび/またはオリゴマー(B)の合計量100質量部)100質量部に対して0.1質量部以上、特に0.5質量部以上の量で用いられることが好ましい。また、光重合開始剤(C)は、エネルギー線硬化型共重合体(A)(エネルギー線硬化性のモノマーおよび/またはオリゴマー(B)を配合する場合には、エネルギー線硬化型共重合体(A)およびエネルギー線硬化性のモノマーおよび/またはオリゴマー(B)の合計量100質量部)100質量部に対して10質量部以下、特に6質量部以下の量で用いられることが好ましい。
エネルギー線硬化性粘着剤においては、上記成分以外にも、適宜他の成分を配合してもよい。他の成分としては、例えば、非エネルギー線硬化性ポリマー成分またはオリゴマー成分(D)、架橋剤(E)等が挙げられる。
非エネルギー線硬化性ポリマー成分またはオリゴマー成分(D)としては、例えば、ポリアクリル酸エステル、ポリエステル、ポリウレタン、ポリカーボネート、ポリオレフィン等が挙げられ、重量平均分子量(Mw)が3000〜250万のポリマーまたはオリゴマーが好ましい。当該成分(D)をエネルギー線硬化性粘着剤に配合することにより、硬化前における粘着性および剥離性、硬化後の強度、他の層との接着性、保存安定性などを改善し得る。当該成分(D)の配合量は特に限定されず、エネルギー線硬化型共重合体(A)100質量部に対して0質量部超、50質量部以下の範囲で適宜決定される。
架橋剤(E)としては、エネルギー線硬化型共重合体(A)等が有する官能基との反応性を有する多官能性化合物を用いることができる。このような多官能性化合物の例としては、イソシアネート化合物、エポキシ化合物、アミン化合物、メラミン化合物、アジリジン化合物、ヒドラジン化合物、アルデヒド化合物、オキサゾリン化合物、金属アルコキシド化合物、金属キレート化合物、金属塩、アンモニウム塩、反応性フェノール樹脂等を挙げることができる。
架橋剤(E)の配合量は、エネルギー線硬化型共重合体(A)100質量部に対して、0.01質量部以上であることが好ましく、特に0.03質量部以上であることが好ましく、さらには0.04質量部以上であることが好ましい。また、架橋剤(E)の配合量は、エネルギー線硬化型共重合体(A)100質量部に対して、8質量部以下であることが好ましく、特に5質量部以下であることが好ましく、さらには3.5質量部以下であることが好ましい。
次に、エネルギー線硬化性粘着剤が、非エネルギー線硬化性ポリマー成分と少なくとも1つ以上のエネルギー線硬化性基を有するモノマーおよび/またはオリゴマーとの混合物を主成分とする場合について、以下説明する。
非エネルギー線硬化性ポリマー成分としては、例えば、前述したアクリル系共重合体(a1)と同様の成分が使用できる。
少なくとも1つ以上のエネルギー線硬化性基を有するモノマーおよび/またはオリゴマーとしては、前述の成分(B)と同じものが選択できる。非エネルギー線硬化性ポリマー成分と少なくとも1つ以上のエネルギー線硬化性基を有するモノマーおよび/またはオリゴマーとの配合比は、非エネルギー線硬化性ポリマー成分100質量部に対して、少なくとも1つ以上のエネルギー線硬化性基を有するモノマーおよび/またはオリゴマー1質量部以上であるのが好ましく、特に60質量部以上であるのが好ましい。また、当該配合比は、非エネルギー線硬化性ポリマー成分100質量部に対して、少なくとも1つ以上のエネルギー線硬化性基を有するモノマーおよび/またはオリゴマー200質量部以下であるのが好ましく、特に160質量部以下であるのが好ましい。
この場合においても、上記と同様に、光重合開始剤(C)や架橋剤(E)を適宜配合することができる。
粘着剤層の厚さは、ワーク加工用粘着シート1が使用される方法に応じて適宜設定できるものの、通常、3μm以上であることが好ましく、特に5μm以上であることが好ましい。また、当該厚さは、50μm以下であることが好ましく、特に40μm以下であることが好ましい。
(4)剥離シート
本実施形態に係るワーク加工用粘着シート1では、粘着剤層13における粘着面をワークに貼付するまでの間、当該面を保護する目的で、当該面に剥離シートが積層されていてもよい。剥離シートの構成は任意であり、プラスチックフィルムを剥離剤等により剥離処理したものが例示される。プラスチックフィルムの具体例としては、ポリエチレンテレフタレート、ポリブチレンテレフタレート、ポリエチレンナフタレート等のポリエステルフィルム、およびポリプロピレンやポリエチレン等のポリオレフィンフィルムが挙げられる。剥離剤としては、シリコーン系、フッ素系、長鎖アルキル系等を用いることができ、これらの中で、安価で安定した性能が得られるシリコーン系が好ましい。剥離シートの厚さについては特に制限はないが、通常20μm以上、250μm以下である。
3.ワーク加工用粘着シートの製造方法
本実施形態に係るワーク加工用粘着シート1は、前述した層間強度を達成できる限り、その製造方法は限定されない。好ましくは、本実施形態に係るワーク加工用粘着シート1は、基材11の片面側に導電層12を積層した後、導電層12における基材11とは反対側の面に対して、電子線照射およびプラズマ処理の少なくとも一方の表面処理を行い、続いて、導電層12における当該表面処理を行った面上に粘着剤層13を積層することにより製造される。このように、導電層12の片面に粘着剤層13を積層する前に、当該面に電子線照射およびプラズマ処理の少なくとも一方を行うことで、前述した層間強度を達成し易くなり、その結果、ワークへの糊残りの発生を効果的に抑制することができる。
基材11の片面側への導電層12の積層は、公知の方法により行うことができ、例えば、導電性の材料を含む組成物、および所望によりさらに溶媒または分散媒を含有する塗工液を調製し、基材11の片面側に、ダイコーター、カーテンコーター、スプレーコーター、スリットコーター、ナイフコーター等によりその塗工液を塗布して塗膜を形成し、当該塗膜を乾燥させることにより、導電層12を形成することができる。塗工液は、塗布を行うことが可能であればその性状は特に限定されず、導電層12を形成するための成分を溶質として含有する場合もあれば、分散質として含有する場合もある。
上記電子線照射は、公知の方法で行うことができる。導電層12の基材11とは反対側の面に対して電子線照射を行うことで、当該面では、導電層12を構成する成分が電離または励起された状態となる。そこへ粘着剤層13を積層することで、粘着剤層13と導電層12との密着性を向上させることができる。ここで、電子線とは、自由電子束すなわち陰極線を指す。電子線照射は、通常、電子線源(高エネルギー、低エネルギー、さらにはスキャニング等の何れのタイプも含む)を用いて、その発生電子線下を所定の条件(照射量、照射時間等)で、照射対象を通過させることにより行なう。電子線源の種類としては、特に制限はなく、例えばコックロフトワルトン型、バンデグラフト型、共振変圧器型、絶縁コア変圧器型、あるいは直線型、ダイナミトロン型、高周波型などの各種電子線加速器を用いることができる。なお、電子線はβ線(すなわち、原子核の放射性崩壊により生成した電子線)であってもよい。
本実施形態に係るワーク加工用粘着シート1を製造する際、電子線の照射量は、100kGy以上であることが好ましく、さらには110kGy以上であることが好ましい。また、電子線の照射量は、300kGy以下であることが好ましく、さらには200kGy以下であることが好ましい。電子線の照射時間は、8秒以下であることが好ましく、さらには3秒以下であることが好ましい。電子線の照射量および照射時間が上記範囲であることで、前述した層間強度を達成し易くなり、その結果、ワークへの糊残りの発生を効果的に抑制することができる。
上記プラズマ処理は、公知の方法で行うことができる。導電層12の基材11とは反対側の面に対してプラズマ処理を行うことで、当該面では、導電層12を構成する成分が電離または励起された状態となる。そこへ粘着剤層13を積層することで、粘着剤層13と導電層12との密着性を向上させることができる。プラズマ処理は、例えば、一般的なプラズマ処理装置を使用し、プラズマ源として、水素、窒素、酸素、アルゴン、ヘリウム、フルオロカーボンなどを単独でまたは混合して使用して行うことができる。
本実施形態に係るワーク加工用粘着シート1を製造する際、プラズマ処理のプラズマ圧力は、1.0×10−3Pa以上であることが好ましく、特に1.0×10−2Pa以上であることが好ましい。また、当該プラズマ圧力は、5.0×10Pa以下であることが好ましく、特に3.0×10Pa以下であることが好ましい。プラズマ圧力が上記範囲であることで、前述した層間強度を達成し易くなり、その結果、ワークへの糊残りの発生を効果的に抑制することができる。
前述した電子線照射およびプラズマ処理は、一方の処理のみを行ってもよいものの、前述した層間強度を達成し易い観点から、両方の処理を行うことが好ましい。両方の処理を行う場合には、電子線照射を行った後に、プラズマ処理を行うことが好ましい。一般的に、プラズマ処理による表面処理の効果は、電子線照射による表面処理の効果と比較して減衰し易い。そのため、電子線照射を行った後に、プラズマ処理を行うことで、プラズマ処理による表面処理の効果を良好に得ることができ、前述した層間強度を効果的に達成することが可能となる。
なお、前述した通り、電子線照射およびプラズマ処理は、導電層12の表面において、導電層12を構成する成分を電離または励起させるものである。そして、本実施形態に係るワーク加工用粘着シート1は、そのような面に対して粘着剤層13を積層することで得られるものである。このような、電子線照射やプラズマ処理を行った後の導電層12の表面の状態や、電子線照射やプラズマ処理を行ったことによる導電層12と粘着剤層13との界面の状態を、その構造または特性により直接特定することは、著しく過大な経済的支出や時間を要し、およそ実際的ではない。
導電層12の基材11と反対側の面への粘着剤層13の積層は、公知の方法により行うことができる。例えば、剥離シート上において形成した粘着剤層13を、導電層12の基材11と反対側の面に転写することが好ましい。この場合、粘着剤層を構成する粘着性組成物、および所望によりさらに溶媒または分散媒を含有する塗工液を調製し、剥離シートの剥離処理された面(以下「剥離面」という場合がある。)上に、ダイコーター、カーテンコーター、スプレーコーター、スリットコーター、ナイフコーター等によりその塗工液を塗布して塗膜を形成し、当該塗膜を乾燥させることにより、粘着剤層13を形成することができる。塗工液は、塗布を行うことが可能であればその性状は特に限定されず、粘着剤層13を形成するための成分を溶質として含有する場合もあれば、分散質として含有する場合もある。この積層体における剥離シートは工程材料として剥離してもよいし、ワーク加工用粘着シート1をワークに貼付するまでの間、粘着剤層13の粘着面を保護するために用いてもよい。
粘着剤層13を形成するための塗工液が架橋剤を含有する場合には、上記の乾燥の条件(温度、時間など)を変えることにより、または加熱処理を別途設けることにより、塗膜内の非エネルギー線硬化性アクリル系粘着剤(N)またはエネルギー線硬化性粘着剤(A)と架橋剤との架橋反応を進行させ、粘着剤層13内に所望の存在密度で架橋構造を形成させればよい。この架橋反応を十分に進行させるために、上記の方法などによって基材に粘着剤層13を積層させた後、得られたワーク加工用粘着シート1を、例えば23℃、相対湿度50%の環境に数日間静置するといった養生を行ってもよい。
上述のように剥離シート上で形成した粘着剤層13を導電層12の基材11と反対側の面に転写する代わりに、基材11上で直接粘着剤層13を形成してもよい。この場合、前述した粘着剤層13を形成するための塗工液を導電層12における基材11と反対側の面に塗布して塗膜を形成し、当該塗膜を乾燥させることにより、粘着剤層13を形成する。
4.ワーク加工用粘着シートの使用方法
本実施形態に係るワーク加工用粘着シート1は、ワークの加工のために使用することができる。すなわち、本実施形態に係るワーク加工用粘着シート1の粘着面をワークに貼付した後、ワーク加工用粘着シート1上にて当該ワークの加工を行うことができる。このときの加工としては、例えば、半導体ウエハやガラス板等のバックグラインド、半導体ウエハやガラス板等のダイシング、半導体チップやガラスチップ等のエキスパンド、半導体チップやガラスチップ等のピックアップ等が挙げられる。
ここで、本実施形態に係るワーク加工用粘着シート1は導電層12を備えるため、ワーク加工用粘着シート1の搬送時や使用時における帯電が抑制される。その結果、ワークの損傷や、加工を行う装置の誤作動等が効果的に抑制される。
ワーク加工用粘着シート1上におけるワークの加工が完了した後、ワーク加工用粘着シート1とワークとを分離することができる。例えば、ワーク加工用粘着シート1上においてワークとしての半導体ウエハやガラス板をダイシングし、複数の半導体チップに個片化した後、必要に応じてワーク加工用粘着シート1をエキスパンドした上で、ワーク加工用粘着シート1から半導体チップやガラスチップが個々にピックアップされる。
ここで、本実施形態に係るワーク加工用粘着シート1では、粘着剤層13がエネルギー線硬化性粘着剤から構成されているため、粘着剤層13に対してエネルギー線を照射し、粘着剤層13を硬化させることで、粘着剤層13とワークとの密着性を低下させることができる。そのため、上述したようにワークとしての半導体チップやガラスチップをピックアップする場合に、ワーク加工用粘着シート1からワークを容易にピックアップすることが可能となる。また、本実施形態に係るワーク加工用粘着シート1では、層間強度が前述した範囲であることにより、ワーク加工用粘着シート1から半導体チップやガラスチップをピックアップする際に、導電層12と粘着剤層13との界面における剥がれの発生が抑制される。その結果、ピックアップされる半導体チップやガラスチップの表面に、粘着剤層13を構成する粘着剤が付着することが抑制される。すなわち、半導体チップへの糊残りの発生が抑制される。
特に、本実施形態に係るワーク加工用粘着シート1は、表面に凹部を有するワークに対して特に好適に使用できる。この場合、当該ワークの凹部が存在する面に、ワーク加工用粘着シート1の粘着面を貼付してもよい。このような凹部の例としては、レーザー印字、切り溝等が挙げられる。本実施形態に係るワーク加工用粘着シート1は、層間強度が前述した範囲であることで、表面に凹部を有するワークに使用する場合であっても、糊残りの発生を抑制する効果を良好に得ることができる。
表面に凹部を有する上記ワークにおいて、当該凹部の形状は任意であるものの、例えば、断面視において、その幅が、1μm以上であることが好ましい。また、当該幅は、100μm以下であることが好ましい。また、当該凹部は、断面視において、その深さが、1μm以上であることが好ましい。また、当該深さは、50μm以下であることが好ましい。本実施形態に係るワーク加工用粘着シート1によれば、このような微細な凹部を有するワークに使用する場合であっても、糊残りの発生を効果的に抑制することができる。
以上説明した実施形態は、本発明の理解を容易にするために記載されたものであって、本発明を限定するために記載されたものではない。したがって、上記実施形態に開示された各要素は、本発明の技術的範囲に属する全ての設計変更や均等物をも含む趣旨である。
例えば、基材11と導電層12との間、基材11における導電層12とは反対側の面、または粘着剤層13における導電層12とは反対側の面には、その他の層が設けられてもよい。
以下、実施例等により本発明をさらに具体的に説明するが、本発明の範囲はこれらの実施例等に限定されるものではない。
〔実施例1〕
(1)粘着剤組成物の調製
ブチルアクリレート(BA)52質量部と、メチルメタクリレート(MMA)20質量部と、2−ヒドロキシエチルアクリレート(HEA)28質量部とを反応させて得られたアクリル系共重合体と、当該アクリル系共重合体100gに対して33.7g(2−ヒドロキシエチルアクリレートに対して0.9当量に相当する。)のメタクリロイルオキシエチルイソシアネート(MOI)とを反応させて、エネルギー線硬化型重合体を得た。このエネルギー線硬化型重合体の重量平均分子量(Mw)は、60万であった。
得られたエネルギー線硬化型重合体100質量部(固形分換算,以下同じ)と、光重合開始剤としての1−ヒドロキシシクロヘキシルフェニルケトン(BASF社製,製品名「イルガキュア184」)3質量部と、架橋剤としてのトルエンジイソシアネート(東ソー社製,製品名「コロネートL」)0.214質量部とを溶媒中で混合し、粘着剤組成物を得た。
(2)粘着剤層の形成
厚さ38μmのポリエチレンテレフタレート(PET)フィルムの片面にシリコーン系の剥離剤層が形成されてなる剥離シート(リンテック社製,製品名「SP−PET381031」)の剥離面に対して、上記粘着剤組成物を塗布し、加熱により乾燥させることで、剥離シート上に、厚さ10μmの粘着剤層を形成した。
(3)導電層の形成
ピロールモノマーを乳化重合して得られた、導電性材料としてのポリピロール系導電性高分子を含有するエマルションに対して、バインダー樹脂としてのブチル化メラミン樹脂(DIC社製、製品名「スーパーベッカミンJ820−60」)を、ポリピロール系導電性高分子100質量部に対して2質量部添加し、十分に混合することで導電層用の塗布液を得た。
得られた塗布液を、基材としての厚さ80μmのエチレン−メタクリル酸共重合体(EMAA)フィルムの片面に塗布し、加熱により乾燥させることで、厚さ50nmの導電層を形成した。これにより、基材と導電層との積層体を得た。
(4)電子線照射
上記工程(3)で得られた積層体における導電層側の面に対し、電子線照射装置(ESI社製,製品名「TYPE300/165/800」)を使用して、以下の照射条件で電子線を照射した。
照射量:110kGy
照射時間:2.2秒
(5)プラズマ処理
上記工程(4)において電子線照射を行った積層体における、当該電子線照射を行った面に対し、プラズマ装置(ヤマトマテリアル社製,製品名「PDC200」)を用いて、以下の処理条件でプラズマ処理を行った。
RF電力(周波数13.56MHz):300W
プラズマ源:Ar,O
ガス流量:Ar:100ml/min,O:100ml/min
プラズマ圧力:20Pa
処理時間:3min
(6)ワーク加工用粘着シートの作製
上記工程(2)で形成した粘着剤層の剥離シートとは反対側の面と、上記工程(5)のプラズマ処理を行った後における、基材と導電層とからなる積層体における導電層側の面とを貼り合わせることで、ワーク加工用粘着シートを得た。
〔実施例2〜6〕
粘着剤組成物中の架橋剤の含有量を表1に示すように変更する以外、実施例1と同様にしてワーク加工用粘着シートを製造した。
〔比較例1〕
粘着剤組成物中の架橋剤の含有量を表1に示すように変更するとともに、導電層に対して電子線照射およびプラズマ照射を行わない以外、実施例1と同様にしてワーク加工用粘着シートを製造した。
〔比較例2〕
2-エチルヘキシルアクリレート(2−EHA)/ビニルアセタート(Vac)/2-ヒドロキシエチルアクリレート(HEA)=40/40/20(質量部)を反応させて得られたアクリル系共重合体と、当該アクリル系共重合体100gに対して21.4g(2−ヒドロキシエチルアクリレートに対して0.8当量に相当する。)のメタクリロイルオキシエチルイソシアネート(MOI)とを反応させて、エネルギー線硬化型重合体を得た。このエネルギー線硬化型重合体の重量平均分子量(Mw)は、60万であった。
当該エネルギー線硬化型重合体を使用するとともに、導電層に対して電子線照射およびプラズマ照射を行わない以外、実施例1と同様にしてワーク加工用粘着シートを製造した。
〔試験例1〕(層間強度の測定)
基材と、当該基材の片面に積層される、高粘着力性の紫外線硬化性粘着剤から構成される粘着剤層と、当該粘着剤層における基材の反対の面に積層される剥離シートとの3層から構成される高粘着力UV粘着シート(リンテック社製,製品名「Adwill D−510T」)の基材側の面を、両面粘着テープ(リンテック社製,製品名「タックライナー」)を介して、支持体としてのステンレススチール板(SUS304#600)の片面に固定した。
次に、上記高粘着力UV粘着シートから剥離シートを剥離し、上記粘着剤層における基材と反対側の面を露出させた。次いで、実施例および比較例にて製造したワーク加工用粘着シートから剥離シートを剥離して、粘着面を露出させ、当該粘着面を、上記高粘着力UV粘着シートにおける粘着剤層の露出面に貼付した。
続いて、ワーク加工用粘着シートにおける粘着剤層に対して、ワーク加工用粘着シートにおける基材側の面から紫外線を照射した(照度:140mW/cm,光量:510mJ/cm)。
その後、万能型引張試験機(島津製作所製,製品名「オートグラフAG−IS」)を用いて、剥離角度180°および剥離速度300mm/minの条件で、ワーク加工用粘着シートにおける基材と導電層とからなる積層体を、ワーク加工用粘着シートにおける粘着剤層から引き剥がし、そのときの剥離力(N/25mm)を測定した。そして、当該剥離力を層間強度(N/25mm)とした。結果を表1に示す。
〔試験例2〕(保持力の測定)
実施例および比較例にて製造したワーク加工用粘着シートの保持力を、JIS Z0237:2009に準じて測定した。具体的には、ワーク加工用粘着シートを25mm×100mmのサイズに裁断して、剥離シートを剥離した。そして、露出した粘着面における長さ方向の端から25mmの領域を、ステンレススチール板(SUS304#360)の片面に、貼付面積が25mm×25mmになるように貼付した。
その後、ステンレススチール板を地面に垂直、かつワーク加工用粘着シートがステンレススチール板にぶら下がるように配置した。貼付20分後に、1kgの荷重をかけながら、40℃環境下にて70,000秒放置し、70,000秒後のずれ量(mm)を測定した。当該ずれ量を保持力(mm)とした。結果を表1に示す。
〔試験例3〕(糊残りの評価)
シリコンウエハのミラー面に対し、レーザー印字装置(キーエンス社製,製品名「MD−S9910A」)を用いて印字を行った。これにより、当該ミラー面に対し、断面視で幅が約50μm、深さが約25μmの溝を形成した。
続いて、実施例および比較例にて製造したワーク加工用粘着シートから剥離シートを剥離して露出した粘着面を、上記レーザー印字後のミラー面に対して2kgのゴムローラを用いて貼付し、20分間放置した。
その後、上記ミラー面とワーク加工用粘着シートとを分離し、当該ミラー面における印字部分の糊残りを確認し、糊残りが無かったものを「○」、糊残りが有ったものを「×」と評価した。結果を表1に示す。
Figure 0006831725
表1から分かるように、実施例で得られたワーク加工用粘着シートを使用した場合、糊残りが生じなかった。
本発明のワーク加工用粘着シートは、表面に凹部を有するワークに好適に使用することができる。
1…ワーク加工用粘着シート
11…基材
12…導電層
13…粘着剤層

Claims (6)

  1. 基材と、前記基材における片面側に積層された導電層と、前記導電層における前記基材とは反対側の面上に積層された粘着剤層とを備えるワーク加工用粘着シートであって、
    前記粘着剤層が、エネルギー線硬化性粘着剤から構成されており、
    前記ワーク加工用粘着シートにおける前記粘着剤層側の面を支持体に固定し、前記粘着剤層に対してエネルギー線を照射した後に、前記基材と前記導電層とからなる積層体を、前記粘着剤層から剥離速度300mm/minで180°引き剥がししたときの剥離力として測定される層間強度が、17N/25mm以上である
    ことを特徴とするワーク加工用粘着シート。
  2. エネルギー線を照射する前の前記ワーク加工用粘着シートにおける、JIS Z0237:2009に準拠して測定される保持力が、70,000秒後の前記ワーク加工用粘着シートのずれ量として、1.0mm以下であることを特徴とする請求項1に記載のワーク加工用粘着シート。
  3. 前記粘着剤層における前記導電層とは反対側の面は、表面に凹部を有するワークにおける当該凹部が存在する面に貼付されることを特徴とする請求項1または2に記載のワーク加工用粘着シート。
  4. 前記ワークにおける前記凹部は、断面視において、幅が1μm以上、100μm以下であり、深さが1μm以上、50μm以下であることを特徴とする請求項に記載のワーク加工用粘着シート。
  5. 請求項1〜の何れか一項に記載のワーク加工用粘着シートの製造方法であって、
    前記基材の片面側に前記導電層を積層する工程、
    前記導電層における前記基材とは反対側の面に対して電子線照射を行う工程、
    前記導電層における前記基材とは反対側の面に対してプラズマ処理を行う工程、および
    前記導電層における、前記電子線照射および前記プラズマ処理を行った面上に前記粘着剤層を積層する工程
    を備えることを特徴とするワーク加工用粘着シートの製造方法。
  6. 前記電子線照射を行う工程は、前記プラズマ処理を行う工程よりも前に行われることを特徴とする請求項5に記載のワーク加工用粘着シートの製造方法。
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