JP6830760B2 - 冷蔵庫 - Google Patents

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Description

本発明の実施の形態は、冷蔵庫に関する。
従来の冷蔵庫では、冷蔵室内の温度が外気温度よりも低くなったときに、冷蔵室の両開き式の扉の開閉が行われると、扉の縦仕切り部に結露が発生することがある。このため、特許文献1と特許文献2に開示されているように、冷蔵室の扉の縦仕切り部の位置に、結露を防ぐために、ヒータが配置されている。
特許文献1では、この縦仕切り部のヒータの通電率は、冷蔵庫の既存のセンサから得られる冷蔵庫の周囲の外気温度により決定されている。また、特許文献2では、縦仕切り部のヒータの通電率は、冷蔵庫内に配置されている既存のセンサから得られる冷蔵室内の冷却状態により決定されている。
特開2008−70041号 特許第5656494号
従来の冷蔵庫では、縦仕切り部のヒータの通電率がセンサから得られる外気温により決定されたり、冷蔵庫内に配置されている既存のセンサから得られる冷蔵庫内の冷却状態により決定される場合でも、これらのセンサの位置が、縦仕切り部のヒータの位置から離れて配置されている。
このため、これらのセンサは、実際の縦仕切り部のヒータ周りの温度状況を正確に判断しきれない。従って、縦仕切り部のヒータの通電率の値は、ある範囲で余裕を持たせなければならならず、縦仕切り部のヒータは余分な通電用の電力消費を必要とするので、冷蔵庫の省エネルギ化が図れない。
本発明は、上記に鑑みてなされたもので、その目的とするところは、縦仕切り部のヒータ周りの温度状況を的確に把握して、ヒータが余分な通電用の電力の消費を必要とせず、冷蔵庫の省エネルギ化を図ることができる冷蔵庫を提供することにある。
本発明の実施の形態の冷蔵庫は、本体と、前記本体の前面開口部を開閉する左扉と右扉と、前記左扉と前記右扉の間に設けられる縦仕切り部と、前記縦仕切り部内に設けられたヒータと、前記縦仕切り部内に設けられたセンサと、前記ヒータの通電率を制御する制御部と、を備え、前記制御部では、前記センサからの入力値によって、前記ヒータの通電率が決定される。
本発明の第1実施形態の冷蔵庫の全体を示す正面図である。 図1に示す縦仕切り部を備える左側の扉の内面側を示す斜視図である。 図2に示す縦仕切り部をR方向から見た正面図である。 制御部が、ヒータの通電率を決定する例を示す図である。 ヒータとセンサの位置関係例を示す図である。 縦仕切り部とこの縦仕切り部内に配置されている断熱材の好ましい形状例を示す図である。 図6における縦仕切り部のL−L線における端面図である。 図2に示すマグネット、ヒータ、断熱材の配置例を示す図である。 本発明の第2実施形態を示しており、縦仕切り部の下端部側の構造例を示す図である。 本発明の第3実施形態を示す正面図である。
以下、図面を用いて、本発明の実施するための形態(以下、実施形態と称する)を説明する。
<第1実施形態>
図1は、本発明の第1実施形態の冷蔵庫の全体を示す正面図である。図2は、図1に示す縦仕切り部20を備える左側の扉7の内面側を示す斜視図であるが、この縦仕切り部20は、分かり易いようにするために拡大して示している。図2(a)では、左側の扉7と縦仕切り部20を簡略化して示し、図2(b)では、図2(a)に示す縦仕切り部20の構造例を示している。図3は、図2に示す縦仕切り部20をR方向から見た正面図である。
図1に示す冷蔵庫1は、本体1Aを有している。この冷蔵庫1の本体1Aは、外側側板からなる外箱と、内側側板からなる内箱を有し、その外箱と内箱の間には、断熱材が配置されているキャビネットにより構成されている。この本体1Aの内部には、複数の貯蔵室が形成されている。
複数の貯蔵室としては、図1と図2に示すように、上から順に冷蔵区画としての冷蔵室2、野菜室3が設けられ、この野菜室3の下には、冷凍区画としての製氷室4と上冷凍室5が左右の並べて設けられ、最下部には冷凍区画としての下冷凍室6が設けられている。
図1に示すように、冷蔵室2の前面には、冷蔵室2の前面開口部を開閉する左右の扉7,8が設けられている。左右の扉7,8は、観音開き式の扉であり、左側の扉7の左端部が図示しないヒンジにより回動可能に取り付けられている。同様にして、右側の扉8の右端部が図示しないヒンジにより回動可能に取り付けられている。野菜室3、製氷室4、上冷凍室5、下冷凍室6の各前面には、各前面開口部を開閉する引出し式の扉9,10,11,12が設けられている。
図1に示すように、左側の扉7と右側の扉8の間の位置には、縦方向(Z方向)に沿って縦仕切り部20が設けられている。左側の扉7と右側の扉8は、上述したように左右に分割して観音開き式で回動させるが、左側の扉7と右側の扉8の間に生じる隙間から、冷蔵室2内に暖気が侵入するのを防止するために、縦仕切り部20が、例えば左側の扉7の縦方向の内端部に設けられている。
この縦仕切り部20は、例えば左側の扉7の縦方向の内端部の内側において、好ましくは図示しない縦方向の回動軸を中心として、上から見て左回転方向に、図示しないバネの力により、例えば角度90度分回動できるようになっている。
左側の扉7が冷蔵室2の前面開口部の左側部分を閉じた状態では、図2に示すように、縦仕切り部20は、左側の扉7と平行になっているが、左側の扉7を開くと、縦仕切り部20は左側の扉7に対して縦方向の回動軸を中心に、上から見て反時計回りで90度回転して、左側の扉7の後側に退避する。
再び、左側の扉7が冷蔵室2の前面開口部の左側部分を閉じると、この縦仕切り部20は、本体1Aにより押されることで、バネの力に抗して左側の扉7に対して縦方向の回動軸を中心に、上から見て時計回りで90度回転して、縦仕切り部20は、左側の扉7と右側の扉8との隙間を閉じるようになっている。
図2と図3に示す縦仕切り部20内には、図3に示す断熱材50と、図2に示す複数のマグネット60を有している。右側の扉8の縦方向の内端部は、このマグネット60により磁気的に吸着されるように薄鋼板等の磁性材料部材が配置されている。これにより、左側の扉7と右側の扉8を閉じたときには、左側の扉7側の縦仕切り部20のマグネット60は、右側の扉8の薄鋼板等の磁性材料部材に密着させて閉じることで、冷蔵室2における内外の空気の流通を遮断する。
図2と図3に示す縦仕切り部20は、縦方向(Z方向)に長く伸びた形状を有しており、図1に示す冷蔵室2内の冷気が、左側の扉7と右側の扉8の間から、外部に漏れないように設けられている。
図3に示すように、この縦仕切り部20内には、破線で示すようにヒータ30が設けられている。縦仕切り部20は、表が外気であって、内側が冷気となっているので、表側に結露がしやすい。そして、その結露には、黒カビ等が生えるため、縦仕切り部20の結露を防ぐ必要が生じる。この結露を防ぐために、縦仕切り部20には、ヒータ30を入れる。このヒータ30は、縦仕切り部20の内部において、縦仕切り部20のほぼ上端部21より少し下がった位置から下端部22の位置までの領域に、例えばループ状に配置されている。図3に示す制御部100は、例えば図1に示す冷蔵庫1の本体1Aの上部に設置された制御基板110に配置されている。
図3に示すヒータ30は、図1に示す冷蔵室2内と外気の温度差から生じる結露を防止するために、制御部100からの指令により、制御基板110から通電されることにより発熱させる。ヒータ30に通電する電力の割合、すなわちヒータ30の通電率の値は、制御部100により制御される。
結露を防止するためには、ヒータ30は縦仕切り部20を結露しない温度まで上昇させる必要があり、制御基板110は、制御部100の指令により、温度上昇手段としてヒータ30に通電して発熱させる。この制御基板110は、制御部100の指令により、ヒータ30に対して、冷蔵室2内と外気の温度差から結露が生じないように、ぎりぎりの温度になるように、通電することで、余分な電力の消費をしないよう、通電が制御されている。
従来の冷蔵庫では、左側の扉側または右側の扉側に既に設置されている温度センサが、冷蔵庫全体の制御に使用する外気温度を測定して、その測定値を検知値として参考にして、縦仕切り用のヒータの通電率を決定してヒータの発熱の割合を決定している。ただし、もともと設置されている外気温度の測定用の温度センサから参照したヒータの通電率は、万が一にも結露が生じないように結露しないであろう予想通電率から、余裕を見て決定されている。
そこで、本発明の実施形態の冷蔵庫1では、図3に示す縦仕切り部20自体の外気温度や湿度を的確に把握するために、縦仕切り20の専用のセンサ40が、縦仕切り部20の内部に配置されている。この専用のセンサ40は、縦仕切り部20の上端部21よりの内部に配置されており、センサ40は、ヒータ30の上端部分31より、所定間隔を離して配置されている。これにより、センサ40が、ヒータ30が発生する熱の影響を受けないようにしている。
縦仕切り部20は、好ましくは金属に比べて成形や加工の容易な樹脂製の部材である。これにより、縦仕切り部20の必要な形状は、略自由に成形や加工をして得ることができる。
もし、通常、センサを搭載したセンサ基板が、ヒータといっしょに、縦仕切り部内の同じ空間の密閉した箇所に設置された場合には、センサは密閉空間においてヒータの熱の影響を受けて、センサはより正しい検知値を得ることができなくなる。もともと、縦仕切り部は、温度変化が頻繁に起きて結露し易い箇所であるために、結露が発生すると、センサ自体やセンサ基板自体に短絡が起きる可能性がある。
そこで、本発明の第1実施形態では、上述したように、縦仕切り部20としては、樹脂を用いて例えばインジェクション部品を採用しているので、成形や加工が容易である。従って、図3に例示するように、縦仕切り部20には、好ましくは複数の通風孔26を容易に設けることができる。このように、複数の通風孔26を設けることで、縦仕切り部20内のセンサ40のために、通気性を確保できる。このため、センサ40の検知値の検知率を上げて、センサ40自体とセンサ基板41の結露を防止して、短絡を防ぐことができる。
図3に示すように、ヒータ30は、断熱材50により囲まれている。すでに述べたように、断熱材50は、縦仕切り部20の内部において、縦仕切り部20の上端部21よりも所定距離分下がった位置から、下端部22の内部にまで配置されている。断熱材としては、例えば発泡スチロールや真空断熱材を用いることができる。
図3に示すように、このセンサ40は、センサ基板41に搭載されている。センサ基板41は、縦仕切り部20の上端部21の内部の空間に配置されている。図3に示すセンサ40としては、結露を検知するための結露センサ、外気温度を検知するための温度センサ、そして湿度を検知するための湿度センサの少なくとも1種類、あるいは好ましくは2種類以上を組み合わせて、センサ基板41に搭載することができる。
このように、センサ40としては、結露センサ、温度センサ、そして湿度センサの少なくとも1種類、あるいはより好ましくは2種類以上を組み合わせることで、縦仕切り部20のより詳細な周囲状況を把握することができ、縦仕切り部20における結露の防止と省エネルギ化に有効なヒータ30の通電率をより正確に決定することができる。
ここで、図4を参照して、図3に示す制御部100が、ヒータ30の通電率を決定する例を説明する。図4は、制御部100が、ヒータ30の通電率を、縦仕切り部20の近傍の温度の検知値と湿度の検知値により決定される例を示している。
図4において、図3に示すセンサ40を構成する温度センサが、温度30℃以上を検知し、しかもセンサ40を構成する湿度センサが、湿度80%以上を検知すると、制御部100は、ヒータ30の通電率を100%に決定する。
図4において、また、センサ40を構成する温度センサが、温度30℃未満を検知したが、センサ40を構成する湿度センサが、湿度80%以上を検知すると、制御部100は、ヒータ30の通電率を100%から落として75%に決定して、温度の低下に対応してヒータ30の発熱量を低下させる。
さらに、図4において、センサ40を構成する温度センサが、温度30℃未満を検知し、しかもセンサ40を構成する湿度センサが、湿度80%未満を検知すると、制御部100は、ヒータ30の通電率を75%からさらに落として50%に決定して、湿度の低下に応じてヒータ30の発熱量をさらに低下させる。このように、制御部100は、温度センサからの温度の検知値と湿度センサからの湿度の検知値に応じて、ヒータ30の通電率を変えて決定する。
図5は、ヒータ30とセンサ40の位置関係例を示している。
図5に示すように、ヒータ30は、例えば線状のヒータであって、ヒータ巻の疎の部分30Mと、ヒータ巻の密の部分30Nを有する疎密ヒータである。疎の部分30Mは、単位長さ当たりの巻き数が、密の部分30Nの単位長さ当たりの巻き数に比べて小さく設定されている。ただし、ヒータ30の疎密は、抵抗材料の塗膜厚や抵抗材料の変更等で疎密(粗密)を形成するようにしても良い。
図5の例では、疎の部分30Mは、縦仕切り部20の上端部21に近い位置と下端部22側に配置され、密の部分30Nは、疎の部分30M、30Mの間に形成されている。密の部分30Nは、疎の部分30Nに比べて、単位長さ当たりの発熱量が多くなるので、縦仕切り部20において、センサ40の領域から遠い位置の中間位置が特に加熱される。
図5に示すように、センサ40は、ヒータ30の疎の部分30Mから所定の間隔Dだけ離して配置され、しかも密の部分30Nからはかなり離して配置されている。これにより、ヒータ30の疎の部分30Mと密の部分30Nからの熱の影響を受けないようにしている。また、センサ40が、ヒータ30の疎の部分30Mから所定の間隔Dだけ離して配置されているので、ヒータ30からのノイズを受けないようにして、センサ40の検知値の精度の低下を防いでいる。
図3に示すように、センサ40は、制御部100を有する制御基板110に対して、センサ用束線70により、電気的に接続されている。また、ヒータ30は、制御基板110に対して、ヒータ用束線80により電気的に接続されている。ただし、図3に示す実施形態では、センサ用束線70とヒータ用束線80は、1つの導出配線部90としてまとめられており、この導出配線部90は、縦仕切り部20の内部から縦仕切り部20の同じ1つの箇所の開口部95を通じて、外部に導出されている。
このように、センサ用束線70とヒータ用束線80は、1つの導出配線部90として形成されているので、縦仕切り部20には、この1つの導出配線部90を通すための1つの開口部95を設けるだけで済む。このことから、縦仕切り部20の強度が低下せず、縦仕切り部20には構造上の無理が生じない。また、開口部95に近い縦仕切り部20の上方部側にセンサ基板41が配置されることで、既存の構造から大きく変更する必要が無い。
なお、センサ40はセンサ基板41に搭載せずに、縦仕切り部20の上端部21の内部には、センサ40単体を設置することも可能である。
図6は、縦仕切り部20とこの縦仕切り部20内に配置されている断熱材5の好ましい形状例を示している。図7は、図6における縦仕切り部20のL−L線における端面図である。
図6に示すように、縦仕切り部20は、樹脂製の本体23と、樹脂製の蓋部材としての前板24を有している。本体23は、ヒータ30、センサ40、断熱材50を収容している縦方向(Z方向)に長い箱型の部材である。この本体23のZ方向に長く形成された開口部25は、前板24により閉鎖されている。縦仕切り部20内には、例えば複数種類のセンサ40が配置されている。例えばセンサ40は、湿度センサ40Aと温度センサ40Bの組み合わせである。
前板24は、これらのセンサ40に対応する位置には、すでに説明したように、センサ40と外気と通じさせるための通風孔26を有する。前板24は、樹脂製であるので、これらの通風孔26を形成するのは、金属製の前板に比べて容易である。この通風孔26が設けられていることにより、縦仕切り部20の周囲の外気が、センサ40に連通して直接入り込むことで、縦仕切り部20の周囲の温度や湿度を確実に検知することができる。
このように、センサ40は、通風孔26に対応するように配置されているが、一番結露し易いのは、断熱材50が無く通風孔26の設けられている箇所で断熱厚みの薄い箇所か断熱厚みの無い箇所であるので、この箇所では、外気と図1に示す冷蔵室2の内部との温度差が生じ易い。
そのため、センサ40が、この断熱厚みの薄い箇所か無い箇所における温度と湿度状況を把握しておれば、結露しないぎりぎりのヒータ30の通電率を設定しても、結露するリスクは減少できる。
従って、この箇所における温度と湿度の状況を把握するために、センサ40は、断熱材50が無く通風孔26のある箇所でしかも断熱厚みの薄い箇所か断熱厚みの無い箇所に設定されている。これにより、センサ40とセンサ基板41の結露を防止して、センサ40の検知精度を上げることができる。
縦仕切り部20には、断熱材50が配置されており、センサ40は、縦仕切り部20において断熱材50が配置されていない、すなわち断熱材50の無い箇所であって、ヒータ30から離れた位置に配置されている。これにより、センサ40は、断熱材50に邪魔されること無く、しかもヒータ30の発生する熱に影響を受けることが無い。
図6と図7に示すように、断熱材50が縦仕切り部20内において縦方向(Z方向)に沿って配置されているが、断熱材50の上端部51は、遮蔽部分52を有している。この遮蔽部分52は、前板25の内面側に向けてほぼL字型に形成されている。これにより、センサ40はヒータ30から所定間隔離すだけでなく、この間隔には遮蔽部分52が配置され、遮蔽部分52は、ヒータ30とセンサ40の間で、熱の遮蔽をすることができる。このため、遮蔽部分52は、遮蔽部分52が無い場合に比べて、ヒータ30の発生する熱の影響を、センサ40に与えないようにすることができる。
図8は、図2に示すマグネット60、ヒータ30、断熱材50の配置例を示す図である。
図2に示すようにマグネット60は、縦仕切り部20において、Z方向に沿って所定間隔毎に配置されている。図8に示すように、複数のマグネット60は、例えば前板24の内面側に配置されている。
次に、上述した冷蔵庫1における縦仕切り部20のヒータ30の通電動作例を説明する。
図3に示す縦仕切り部20が結露する条件になった場合でも、その条件になった直後に結露することは無く、縦仕切り部20は徐々に結露していくことになる。
このため、縦仕切り部20に配置されている温度センサや湿度センサ等のセンサ40の検知値により、制御部100は、ヒータ30の通電率を決定してから一定時間(通電遅延時間)後、例えば10分後、長くても15分後に、決定した通電率を適用して、制御基板110は、ヒータ30に通電を開始する。
これにより、制御基板110は、可能な限りヒータ30に対する通電動作を遅らせることで、冷蔵庫1の消費電力を低減して、省エネルギ化を図ることができる。
また、別の通電動作事例を説明する。
制御部100は、センサ40の検知値(入力値)が、一定値以上(センサ40の短絡されている状態)あるいは一定値未満(センサ40が開放されている状態)であり、センサ40が故障であることを検知した場合には、制御部100は、センサ40の検知値(入力値)を参照してヒータ30の通電率を決定しない。すなわち、この場合には、センサ40の検知値は、実際の状況とは全く異なった異常な値を示すために、ヒータ30に通電しても、縦仕切り部20の結露を防止できない。
そのため、制御部100が、短絡状態または開放状態を示す異常な検知値を示した場合には、制御部100は、センサ40の異常な検知値を、ヒータ30の通電率の決定には参照させずに、予め定めてあるヒータ30のための所定の固定の通電率を使用する。これにより、制御部100は、この所定の固定の通電率を使用してヒータ30に通電して、縦仕切り部20の結露を防止できる。
さらに、別の通電動作事例を説明する。
図3に示す扉開閉検知スイッチ120が、図1の冷蔵庫1の本体1Aに設けられている。図3に示す扉開閉検知スイッチ120は、図1に示す左側の扉7または右側の扉8の開閉状態を検知する。この扉開閉検知スイッチ120が、左側の扉7または右側の扉8の「開状態」を検知している場合には、制御部100は、センサ40の検知値(入力値)を参照してはヒータ30の通電率を決定しない。
すなわち、左側の扉7または右側の扉8の「開状態」であると、縦仕切り部20に設置されたセンサ40は、冷蔵室内の冷気と外気が混ざった状態の温度や湿度を検知するために、制御部100は安定したセンサ40の検知値を決定することができない。
そのため、制御部100は、左側の扉7または右側の扉8の「開状態」を確認したときは、制御部100は、センサ40の検知値(入力値)を参照してはヒータ30の通電率を決定しない。これにより、ヒータ30の通電率の不要な決定動作を防ぐことができる。そして、制御部100は、左側の扉7または右側の扉8の「閉状態」を確認したときは、制御部100は、センサ40の検知値(入力値)を参照して、ヒータ30の通電率を決定する。
しかも、制御部100は、より好ましくは左側の扉7または右側の扉8の「閉状態」を確認してから、好ましくは予め定めた一定時間、例えば最低でも2分間、最適には10分間、長くても20分間程度の間、制御部100は、センサ40の入力値を参照してヒータ30の通電率を決定しない。
このように、左側の扉7または右側の扉8の「開状態」であると、縦仕切り部20に設置されたセンサ40は、冷蔵室内の冷気と外気が混ざった状態を検知するために、安定したセンサ40の検知値を決定することができない。しかも、左側の扉7または右側の扉8が「閉状態」になった後でしばらくは、縦仕切り部20の近辺の外気も平常状態にならないために、左側の扉7または右側の扉8が「開状態」から「閉状態」になってから、上述した一定時間は、制御部100は、センサ40の検知値(入力値)を参照してはヒータ30の通電率を決定しない。これにより、ヒータ30の通電率の不要な決定動作を防ぐことができる。
本発明の第1実施形態の冷蔵庫1では、縦仕切り部のヒータ周りの温度状況を的確に把握して、ヒータが余分な通電用の電力消費を必要とすることがなく、冷蔵庫の省エネルギ化を図ることができる。
<第2実施形態>
図9は、本発明の第2実施形態を示しており、縦仕切り部20の下端部22側の構造例を示している。
図9に示すように、センサ40が、下端部22内に配置される場合には、センサ40のセンサ基板41は、支持部42を有している。この支持部42は、下端部22の内面からセンサ基板41を浮かして配置するために設けられている。
しかも、下端部22には、センサ40と外気と通じさせるための通風孔26を有する。この通風孔26が設けられていることにより、縦仕切り部20の周囲の外気が、センサ40に直接入り込むことで、縦仕切り部20の周囲の温度や湿度を確実に検知することができ、検知精度を上げることができる。
本発明の第2実施形態の冷蔵庫では、縦仕切り部のヒータ周りの温度状況を的確に把握して、ヒータが余分な通電用の電力消費を必要とすることがなく、冷蔵庫の省エネルギ化を図ることができる。
<第3実施形態>
図10は、本発明の第3実施形態を示している。
図10に示すように、センサ40は、制御部100を有する制御基板110に対して、センサ用束線70により、電気的に接続されている。また、ヒータ30は、制御基板110に対して、ヒータ用束線80により電気的に接続されている。
図10に示す実施形態では、センサ用束線70は、1つの導出配線部91として形成されており、この導出配線部91は、縦仕切り部20の内部から縦仕切り部20の半分より上の位置の開口部96から、外部に導出されている。
これに対して、ヒータ用束線80は、別の1つの導出配線部92として形成されており、この導出配線部92は、縦仕切り部20の内部から縦仕切り部20の半分より下の位置の開口部97から、外部に導出されている。
もし、ヒータ30の電圧印加状況によりノイズが発生すると、センサ40の検知値はノイズの影響を受けて正しい検知値を示さなくなる可能性がある。このため、縦仕切り部20において、センサ用束線70の位置と、ヒータ用束線80の位置とを、Z方向に関してできる限り離す。
これにより、もし、ヒータ30側にノイズが発生したとしても、このノイズがセンサ40の検知値に影響を与えないようにして、制御部100は、センサ40の正確な検知値を得ることができる。
本発明の第3実施形態の冷蔵庫では、縦仕切り部のヒータ周りの温度状況を的確に把握して、ヒータが余分な通電用の電力消費を必要とすることがなく、冷蔵庫の省エネルギ化を図ることができる。
以上、本発明の実施形態を説明したが、実施形態は、例として提示したものであり、発明の範囲を限定することは意図していない。新規な実施形態は、その他の様々な態様で実施されることが可能であり、発明の要旨を逸脱しない範囲で、種々の省略、置き換え、変更を行うことができる。これら実施形態やその変形は、発明の範囲や要旨に含まれるとともに、特許請求の範囲に記載された発明とその均等の範囲に含まれる。
また、図1に示す冷蔵庫1の貯蔵室である冷蔵室と冷蔵室の配置位置や構造は、一例であり、任意の構造を採用することができる。
1 冷蔵庫
1A 本体
20 縦仕切り部
24 前板
26 通風孔
30 ヒータ
40 センサ
41 センサ基板
50 断熱材
70 センサ用束線
80 ヒータ用束線
100 制御部
110 制御基板

Claims (8)

  1. 本体と、
    前記本体の前面開口部を開閉する左扉と右扉と、
    前記左扉と前記右扉の間に設けられる縦仕切り部と、
    前記縦仕切り部内に設けられたヒータと、
    前記縦仕切り部内に設けられたセンサと、
    前記ヒータの通電率を制御する制御部と、を備え、
    前記縦仕切り部内において前記ヒータと前記センサの間には断熱材が配置されており、前記センサは、前記縦仕切り部内において前記断熱材が無い位置に配置されており、
    前記制御部では、前記センサからの入力値によって、前記ヒータの通電率が決定される冷蔵庫。
  2. 本体と、
    前記本体の前面開口部を開閉する左扉と右扉と、
    前記左扉と前記右扉の間に設けられる縦仕切り部と、
    前記縦仕切り部内に設けられたヒータと、
    前記縦仕切り部内に設けられたセンサと、
    前記ヒータの通電率を制御する制御部と、を備え、
    前記縦仕切り部内において前記ヒータと前記センサの間には断熱材が配置されており、前記断熱材は、真空断熱材であり、
    前記制御部では、前記センサからの入力値によって、前記ヒータの通電率が決定される冷蔵庫。
  3. 本体と、
    前記本体の前面開口部を開閉する左扉と右扉と、
    前記左扉と前記右扉の間に設けられる縦仕切り部と、
    前記縦仕切り部内に設けられたヒータと、
    前記縦仕切り部内に設けられたセンサと、
    前記ヒータの通電率を制御する制御部と、を備え、
    前記縦仕切り部内において前記ヒータと前記センサの間には断熱材が配置されており、前記センサは、外気と連通する箇所に配置されており、
    前記制御部では、前記センサからの入力値によって、前記ヒータの通電率が決定される冷蔵庫。
  4. 前記センサは、外気温度を検出する温度センサ、湿度を検出する湿度センサ、結露を検出する結露センサの少なくとも1種類である請求項1乃至3のいずれかに記載の冷蔵庫。
  5. 前記縦仕切り部は、前記センサと前記外気と通じさせるための通風孔を有する請求項に記載の冷蔵庫。
  6. 前記縦仕切り部の前板が樹脂製であり、前記前板には前記通風孔が設けられている請求項に記載の冷蔵庫。
  7. 前記ヒータは、疎の部分と密の部分を有しており、前記センサは、前記ヒータの前記疎の部分側に配置されている請求項1乃至のいずれかに記載の冷蔵庫。
  8. 前記センサから前記制御部側に接続するセンサ用束線と、前記ヒータから前記制御部側に接続するヒータ用束線を有し、前記センサ用束線と前記ヒータ用束線は、前記縦仕切り部内の別々の箇所から導出されている請求項1乃至のいずれかに記載の冷蔵庫。
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