JP6829613B2 - 樹脂組成物およびその成形体 - Google Patents

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Description

本発明は、樹脂組成物およびその成形体に関する。
熱可塑性樹脂は安価であることや成形が容易であることから、様々な場面で使用されている。しかし、熱可塑性樹脂を成形して包装材等として使用する場合、内容物が包装材に付着して取り出しにくい、あるいは取り出した後の包装材に付着した内容物は包装材とともに廃棄されてしまい歩留まりが低下するなどの問題がある。包装材に離型性を付与して内容物の付着を低減する目的で、グリセリン脂肪酸エステル、ソルビタン脂肪酸エステル等の脂肪酸エステルが用いられている。これらの脂肪酸エステルは安全性が高く、比較的安価であるため、例えば食品包装材等の汎用用途で好適に使用される。
特許文献1,2では、粘稠物が接するシーラント層に界面活性剤を配合することや、包装材の内面に予め界面活性剤を塗工して膜を形成することが記載されている。
特開2000−355362号公報 特開2001−48229号公報
しかしながら、本発明者らが検討したところ、脂肪酸エステルを熱可塑性樹脂に配合した場合、脂肪酸エステルの樹脂への分散性が悪く、不均一な樹脂組成物になってしまいやすいことが判明した。そのため、得られた樹脂組成物を用いて作成したフィルム等の成形体は成形品表面に脂肪酸エステルが析出しやすくなり、成形品表面の平滑性が低下する、或いは成形品の外観が悪化する等の問題があることが判明した。また、脂肪酸エステルは成形体表面からブリードアウトしやすいため、その離型効果が低下しやすいことが懸念される。従って本発明の課題は、脂肪酸エステルを含んでいても、表面平滑性、外観、離型性に優れた成形体を得ることができる樹脂組成物を提供することと、表面平滑性、外観、離型性に優れた成形体を提供することである。
すなわち、本発明によれば、以下に示す樹脂組成物と成形体が提供される。
[1]熱可塑性樹脂、シリル化ポリオレフィン及び分子量が100〜10,000である脂肪酸エステルを含み、
前記熱可塑性樹脂がポリオレフィンであり、
前記シリル化ポリオレフィンは、下記一般式(1)で表される、ポリオレフィンとシリコーンとのブロック共重合体であることを特徴とする樹脂組成物。
(上記式(1)において、A、AおよびAは各々独立に、ポリオレフィン鎖または炭素数1〜20の炭化水素基である。Rは炭素数1〜20の炭化水素基である。各Rは同一でも異なっていてもよい。mは1〜10,000の整数である。Aが複数存在する場合、各Aは同一でも異なっていてもよい。ただし、A、A、Aのうち、少なくとも1つはポリオレフィン鎖を表す。)
]前記[1]に記載の樹脂組成物から成形される成形体。
]成形体がフィルムまたはシートである、前記[]に記載の成形体。
]容器または包装材である、前記[]または[]に記載の成形体。
本発明によれば、脂肪酸エステルを含んでいても、表面平滑性、外観、離型性に優れた成形体を得ることができる樹脂組成物と、表面平滑性、外観、離型性に優れた成形体を提供することができる。
以下に、本発明の実施形態について説明する。なお、文中の数値範囲を示す記号「a〜b」はとくに断りがない限り、a以上からb以下を表すものとする。
本発明の樹脂組成物は、熱可塑性樹脂とシリル化ポリオレフィンと分子量が100〜10,000である脂肪酸エステルを含む。
(熱可塑性樹脂)
熱可塑性樹脂としては、ポリオレフィン、ポリ塩化ビニル、ポリ塩化ビニリデン、エチレン・酢酸ビニル共重合体、エチレン・メタクリル酸共重合体、ポリエチレンテレフタレート等のポリエステル、ポリカーボネート、ポリアミド、ABS樹脂、ポリアセタール樹脂、ポリイミド、ポリウレタン、ポリ乳酸などが挙げられる。
中でもポリオレフィンが好ましい。ここで、ポリオレフィンとは、構成単位中にシリコーン鎖を含まないポリオレフィンを示す。ポリオレフィンとしては、例えば炭素数2〜20のオレフィンに由来する構造単位を含む重合体を挙げることができる。好ましいポリオレフィンとしては、エチレンの単独重合体または共重合体、プロピレンの単独重合体または共重合体を挙げることができる。
エチレンの単独または共重合体中のエチレン含量は50〜100モル%であることが好ましく、60〜100モル%がより好ましい。共重合成分としては、炭素数3以上のα−オレフィンが挙げられる。
エチレンの単独または共重合体のMFR(ASTM D1238、190℃、2.16kg荷重)は、例えば、0.01〜80g/10分が好ましく、0.1〜50g/10分がより好ましい。
低密度ポリエチレン、中密度ポリエチレン、高密度ポリエチレン、直鎖状低密度ポリエチレン等も好ましいポリエチレンである。
プロピレンの単独または共重合体としては、プロピレン含量が50〜100モル%であることが好ましい。共重合成分としては、エチレン、炭素数4以上のα−オレフィン等が挙げられる。
また、MFR(ASTM D1238、230℃、2.16kg荷重)は、例えば、0.1〜100g/10分が好ましく、0.3〜50g/10分がより好ましい。
(シリル化ポリオレフィン)
シリル化ポリオレフィンは、シリコーン鎖とポリオレフィン鎖を有する限りどのような構造でもよい。例えばポリオレフィンにシリコーンがグラフトした構造であるシリコーングラフトポリオレフィン、ポリオレフィンとシリコーンとのブロック共重合体、シリコーンにポリオレフィンがグラフトした構造、前記ブロック共重合体のシリコーン部分にポリオレフィンがグラフトした構造を挙げることができる。
ブロック共重合体としては、(ポリオレフィン鎖)−(シリコーン鎖)の順に結合したブロック共重合体、 (ポリオレフィン鎖)−(シリコーン鎖)−(ポリオレフィン鎖)の順に結合したブロック共重合体を挙げることができる。
ポリオレフィン鎖は例えば炭素数2〜50、好ましくは炭素数2〜20のオレフィンに由来する構造単位を含む重合体鎖を例示できる。
なかでも下記式(1)で表される構造を有するものが好ましい。
(上記式(1)において、A、AおよびAは各々独立に、ポリオレフィン鎖または炭素数1〜20の炭化水素基である。Rは炭素数1〜20の炭化水素基である。各Rは同一でも異なっていてもよい。mは1〜10,000の整数である。Aが複数存在する場合、各Aは同一でも異なっていてもよい。ただし、A、A、Aのうち、少なくとも1つはポリオレフィン鎖を表す。)
上記A、AおよびAにおけるポリオレフィン鎖は、例えば炭素数2〜50、好ましくは炭素数2〜20のオレフィンに由来する構造単位を含む重合体鎖である。
炭素数2〜50のオレフィンとしては、具体的には、エチレン、炭素数3〜50のα−オレフィン(プロピレン、1−ブテン、1−ペンテン、3−メチル−1−ブテン、1−ヘキセン、4−メチル−1−ペンテン、3−メチル−1−ペンテン、3,4−ジメチル−1−ペンテン、4−メチル−1−ヘキセン、3−エチル−1−ペンテン、3−エチル−4−メチル−1−ペンテン、3,4−ジメチル−1−ヘキセン、4−メチル−1−ヘプテン、3,4−ジメチル−1−ヘプテン、1−オクテン、1−デセン、1−ドデセン、1−テトラデセン、1−ヘキサデセン、1−オクタデセン、1−エイコセン、ビニルシクロヘキサン等)が挙げられる。
これらのうち、エチレン、炭素数3〜12のα−オレフィンが好ましく、エチレン、炭素数3〜8のα−オレフィンがより好ましく、エチレンが特に好ましい。
ポリオレフィン鎖は単独重合体鎖であっても、共重合体鎖であってもよい。
なかでも、エチレンおよび炭素数3〜50のα−オレフィンから選ばれる炭素数2〜50のオレフィンのみから構成される重合体鎖が好ましく、さらには、エチレン単独重合体鎖、プロピレン単独重合体鎖、またはエチレン・炭素数3〜20のα−オレフィンの共重合体鎖が好ましい。エチレン・炭素数3〜20のα−オレフィンの共重合体鎖において、全構成単位を100モル%としたとき、炭素数3〜20のα−オレフィン由来の構造単位は、例えば0モル%を超え20モル%以下とすることができ、0モル%を超え10モル%以下とすることもできる。
また、上記ポリオレフィン鎖は所望により、他のオレフィン由来の構造単位を含んでもよい。他のオレフィンとしては、シス−2−ブテン等の内部二重結合を含むオレフィン;イソブテン等のビニリデン化合物;スチレン等のアリールビニル化合物;α−メチルスチレン等のアリールビニリデン化合物;メタクリル酸メチル等の官能基置換ビニリデン化合物;5−メチル−2−ノルボルネン、テトラシクロドデセン、シクロペンタジエン、ジシクロペンタジエン等の内部二重結合を含む脂肪族環状オレフィン;インデン等の芳香環を含有する環状オレフィン;ブタジエン、イソプレン、エチリデンノルボルネン、ビニルノルボルネン等の鎖状または環状のポリエン等が挙げられる。
他のオレフィン由来の構造単位の含有量は、ポリオレフィン鎖を構成する全構成単位を100モル%としたとき、0〜10モル%が好ましく、0〜5モル%がより好ましい。
上記ポリオレフィン鎖は、下記のGPC法により求めた数平均分子量が100以上500,000以下であることが好ましく、200以上100,000以下がさらに好ましく、500以上50,000以下がさらに好ましく、700以上10,000以下がさらに好ましい。
また、上記ポリオレフィン鎖は、下記のGPC法により求めた分子量分布(Mw/Mn)が1.1〜3.0の範囲にあることが好ましい。
GPC測定法:
GPC測定は、温度140℃、オルトジクロロベンゼンを溶媒として使用して測定し、ポリエチレン換算値として分析値(重量平均分子量(Mw)、数平均分子量(Mn)およびMw/Mn)を得ることができる。
測定は以下の条件で行うことができる。また、分子量は、市販の単分散標準ポリスチレンを用いて検量線を作成し、下記の換算法に基づいて求めることができる。
装置:ゲル浸透クロマトグラフAllianceGPC2000型(Waters社製)
溶剤:o−ジクロロベンゼン
カラム:TSKgelカラム(東ソー社製)×4
流速:1.0ml/分
試料:0.15mg/mLo−ジクロロベンゼン溶液
温度:140℃
分子量換算:PS換算/汎用較正法
なお、汎用較正の計算には、以下に示すMark−Houwink粘度式の係数を用いることができる。
ポリスチレン(PS)の係数:KPS=1.38×10−4,aPS=0.70
ポリエチレン(PE)の係数:KPE=5.06×10−4,aPE=0.70
上記A、A、AおよびRにおいて、炭素数1〜20、このましくは炭素数1〜10の炭化水素基としては、アルキル基、アリールアルキル基、アルケニル基、アリール基が挙げられる。
アルキル基としては、メチル基、エチル基、n−プロピル基、イソプロピル基、n−ブチル基、イソブチル基、tert−ブチル基、ヘキシル基、2−エチルヘキシル基、オクチル基、デシル基、オクタデシル基等の直鎖状または分岐状アルキル基;シクロペンチル基、シクロヘキシル基、ノルボルニル基等のシクロアルキル基等が挙げられる。
アリールアルキル基としては、ベンジル基、フェニルエチル基、フェニルプロピル基等が挙げられる。
アルケニル基としては、ビニル基、プロペニル基、シクロヘキセニル基等が挙げられる。
アリール基としては、フェニル基、トリル基、ジメチルフェニル基、トリメチルフェニル基、エチルフェニル基、プロピルフェニル基、ナフチル基等が挙げられる。
上記式(1)において、mは1〜10,000の整数である。mは5以上が好ましく、10以上がより好ましい。また、mは1,000以下が好ましく、300以下がより好ましく、50以下がより好ましい。
上記A、A、単数または複数のAは、全てがポリオレフィン鎖であってもよいし、一部の基がポリオレフィン鎖でその他は炭素数1〜20の炭化水素基であってもよい。
上記式(1)において、mが2以上であり、Aのうちの少なくとも1つが他のAと異なる場合、複数種の下記ユニットが存在するが、その並ぶ順序に特に制限はなく、ブロック的であってもランダム的であってもよい。
上記式(1)としては、下記(1A)、(1B)または(1C)で表される構造体が好ましく、その中でも(1A)がより好ましい。
(1A)上記式(1)において、AおよびAがポリオレフィン鎖であり、Aが炭素数1〜20の炭化水素基である、構造体。
(1B)上記式(1)において、A、Aの一方がポリオレフィン鎖であり、他方が炭素数1〜20の炭化水素基であり、Aが炭素数1〜20の炭化水素基である、構造体。
(1C)上記式(1)において、AおよびAが炭素数1〜20の炭化水素基であり、Aのうち少なくとも1つがポリオレフィン鎖である、構造体。
本発明に係るシリル化ポリオレフィンにおいて、シリコーン鎖/ポリオレフィン鎖(重量比)は特に限定されるものではないが、例えば、好ましくは5/95〜99/1であり、より好ましくは10/90〜95/5である。
本発明に係るシリル化ポリオレフィンの製造方法は特に限定されるものではないが、例えば、WO2012/098865号公報の段落0089〜0145や段落0196〜0207等に記載された方法により製造することができる。
(脂肪酸エステル)
脂肪酸エステルとしては、脂肪酸とアルコールとの反応物であるエステルが挙げられる。
脂肪酸としては、炭素数が6〜22の飽和あるいは不飽和、直鎖あるいは分岐の脂肪酸が好ましい。具体的に示すと、例えば、カプロン酸、エナント酸、カプリル酸、ペラルゴン酸、カプリン酸、ラウリン酸、ミリスチン酸、パルミチン酸、パルミトレイン酸、ステアリン酸、オレイン酸、リノール酸、リノレン酸、ノナデカン酸、アラキン酸、ガドレイン酸、エイコサジエン酸、アラキドン酸、ベヘン酸、エルカ酸、ドコサジエン酸、リグノセリン酸、イソステアリン酸、リシノレイン酸、12−ヒドロキシステアリン酸、9−ヒドロキシステアリン酸、10−ヒドロキシステアリン酸、水素添加ヒマシ油脂肪酸(12−ヒドロキシステアリン酸の他に少量のステアリン酸及びパルミチン酸を含有する脂肪酸)等が挙げられる。これらの中では、カプリル酸、カプリン酸、ステアリン酸が好ましい。
一方、アルコールとしては、メタノール、エタノール、プロパノール、イソプロパノール、ブタノール、tert−ブタノール、ヘキサノール、オクタノール等の1価のアルコール;エチレングリコール、プロピレングリコール、ジエチレングリコール、1,4−ブタンジオール、ポリアルキレングリコール、ソルビトール、ショ糖、グリセリン、ポリグリセリン等の多価アルコールが挙げられる。アルコールとしては、多価アルコールが好ましく、ポリグリセリンがより好ましい。
本発明に用いられる脂肪酸エステルの分子量は、100〜10,000であり、200〜5,000であることが好ましく、400〜2,000であることがより好ましい。
(樹脂組成物)
前記樹脂組成物は、熱可塑性樹脂(A)とシリル化ポリオレフィン(B)と分子量100〜10000の脂肪酸エステル(C)との含有割合(質量比)は(A)/(B)/(C)=60〜99.45/0.5〜30/0.05〜10であることが好ましく、72〜98.9/1.0〜20/0.1〜8.0であることがより好ましく、85〜97.5/2.0〜10/0.5〜5.0であることが更に好ましい。
該樹脂組成物は熱可塑性樹脂とシリル化ポリオレフィンと分子量100〜10000の脂肪酸エステルのみにより構成されていてもよいが、所望により、本発明の目的を損なわない範囲で、さらに他の樹脂や添加剤等を含むことができる。添加剤としては、例えば、可塑剤、紫外線安定化剤、着色防止剤、艶消し剤、消臭剤、難燃剤、耐候剤、帯電防止剤、糸摩擦低減剤、スリップ剤、離型剤、抗酸化剤、イオン交換剤、および着色顔料等を添加することができる。
また、必要に応じて他のオイル類を添加することができる。他のオイル類としては、食用油、シリコーンオイルなどを挙げることができる。これらオイル類は、樹脂組成物全体に対して、好ましくは0.05〜10質量%、好ましくは0.1〜5質量%の範囲で添加される。
各成分は、公知の方法、例えば単軸や二軸の押出機、ニーダー、ヘンシェルミキサー、バンバリーミキサー、タンブラーミキサー等を用いて溶融混練することができ、必要に応じてペレット化して使用することもできる。
また、シリル化ポリオレフィンの濃度が高いマスターバッチを調整し、マスターバッチをポリオレフィンで希釈して使用してもよい。
(成形体)
本発明の成形体はどのような形状でも構わないが、フィルムまたはシートであることが好ましい。
本発明の成形体は、前記樹脂組成物を、押出成形法、射出成形法、溶融流涎法、インフレーション成形法、圧縮成形法、トランスファー成形法、注型成形法等の公知の方法により成形することができる。
また本発明の成形体は、共押出成形や貼り合わせ等の公知の方法により、前記樹脂組成物からなる層と他の層とを積層した積層体であってもよい。前記樹脂組成物層や他の層は各々1層であっても2層以上でもよい。また他の層を構成する材料も樹脂、金属、紙、布等の種々の材料を用途に応じて適宜選択できる。
(用途)
本発明の成形体の用途としては、例えば以下が例示されるが、これらに限定されるものではない。
撥水フィルム;撥油フィルム;容器、包装材(食品用、その他);表面保護フィルム;
以下、本発明を実施例により更に具体的に説明するが、本発明はその主旨を越えない限り、以下の実施例に限定されるものではない。
以下の実施例・比較例において、各種の分析方法は以下の手順により行った。
<表面自由エネルギー>
23℃、50%RHの条件で、プレスシートの表面について、固液界面解析システム(DropMaster500画像処理式、協和界面科学株式会社製)を使用して、水、ジヨードメタン、ブロモナフタレンとの静的接触角を測定した。各液体試料について、それぞれ5回ずつ測定しその平均値をサンプルの接触角とし、各液体試料の表面張力成分値を用いて、Fowkesの拡散式よりシートの表面自由エネルギー(mN/m)を算出した。
<算術表面粗さRa>
プレスシートの表面について、表面粗さ測定機(サーフコム130A、株式会社東京精密製)を使用して、算術平均粗さRa(μm)を5回測定しその平均値を算出した。
<外観>
プレスシートを目視で観察し、下記評価基準に従って外観を評価した。ここで、添加剤の分散不良により生じたとみられる、シート面内での透明性の不均一や流れムラなどの外観不良をあわせて、めらめら感と定義した。
―外観の評価基準―
○:めらめら感なし(シート面内の外観が均一)
×:めらめら感あり
<身離れ性>
プレスシートを110mm×100mmの長方形にカットし、直径35mm、高さ100mmの円筒形サンプルを作製した。得られた円筒形サンプルの内面にマヨネーズ25gを広げたあと、円筒形サンプルを立てて、内面に付着しているマヨネーズの落下の様子を60分間観察した。
60分経過前後での、内面にマヨネーズが付着している部分の最上部の高さの変化をマヨネーズの落下量とし、比較例1の×評価に対して、下記評価基準に従って身離れ性の評価結果とした。
―身離れ性の評価基準―
◎:極めて良好(マヨネーズの落下量が比較例1の300%以上)
○:良好(マヨネーズの落下量が比較例1の150%以上300%未満)
×:不良(マヨネーズの落下量が比較例1の150%未満)
[合成例1]
国際公開第2012/098865号の合成例2に記載の方法により片末端ビニル基含有エチレン系重合体(P−1)を合成した。この片末端ビニル基含有エチレン系重合体(P−1)(単体)の物性は以下の通りであった。
融点(Tm)127℃
Mw=4800、Mn=2087、Mw/Mn=2.3(GPC)
末端不飽和率 97%
[合成例2]
300mlの2ツ口フラスコに、[合成例1]で得た片末端ビニル基含有エチレン系重合体(P−1)25.1g(11.8mmol)を装入し、窒素雰囲気下、ヒドロシランA(Gelest,Inc.製、DMS−H112)6.2g(5.9mmol;Si−H基として11.8mmol相当)と、国際公開第2012/098865号の合成例3に従い調製した白金触媒組成物(C−1)をヒドロシランAで200倍希釈したもの150μl(Pt換算で1.4×10−6mmol)を装入した。予め内温130℃に昇温しておいた油浴中に、上記反応器をセットし、撹拌した。油浴中にて6時間撹拌した後に冷却し、メタノール約200mlを加え、300mlビーカーに内容物を取り出し2時間攪拌した。その後、固体をろ取し乾燥させることにより、式(1)において、A、Aがエチレン単独重合体鎖であり、Aがメチル基であり、Rがメチル基であり、mが12〜13である白色固体のシリル化ポリオレフィン(B−1)33.5gを得た。NMR解析の結果、得られたシリル化ポリオレフィン(B−1)は収率99%、オレフィン転化率100%、異性化率1%であった。GPCで分析した数平均分子量は5,000であった。
ヒドロシランA:HSi(CHO−(−Si(CH−O−)−Si(CH
(n=12〜13)
[実施例1]
ポリプロピレン(プライムポリマー社製ポリプロピレン、F300SP)89重量部、合成例2で得られたシリル化ポリオレフィン(B−1)10重量部、パナセート810(日油株式会社製、トリ(カプリル・カプリン酸)グリセリル)1重量部を、ラボプラストミル(株式会社東洋精機製作所社製)を用いて、温度200℃で5分間溶融混練し、樹脂組成物を得た。その後、神藤金属工業所社製油圧式熱プレス機を用いて、樹脂組成物に対し、温度200℃で5分間加圧した後、温度20℃に設定した別の神藤金属工業所社製油圧式熱プレス機を用いて、3分間加圧し、厚さ200μmのプレスシートを得た。得られたプレスシートの各種物性測定結果を表1に示す。
[実施例2]
樹脂組成物の組成を、ポリプロピレン(プライムポリマー社製ポリプロピレン、F300SP)85重量部、合成例2で得られたシリル化ポリオレフィン(B−1)10重量部、パナセート810(日油株式会社製、トリ(カプリル・カプリン酸)グリセリル)5重量部に変更したこと以外は実施例1と同様の操作を行った。
結果を表1に示す。
[実施例3]
パナセート810の代わりにサンソフトQ−18S(太陽化学株式会社製、モノステアリン酸デカグリセリン)以外は実施例1と同様の操作を行った。
結果を表1に示す。
[実施例4]
パナセート810の代わりにサンソフトQ−1810S(太陽化学株式会社製、デカステアリン酸デカグリセリン)以外は実施例1と同様の操作を行った。
結果を表1に示す。
[比較例1]
ポリプロピレン(プライムポリマー社製ポリプロピレン、F300SP)を、神藤金属工業所社製油圧式熱プレス機を用いて、温度200℃で5分間加圧した後、温度20℃に設定した別の神藤金属工業所社製油圧式熱プレス機を用いて、3分間加圧し、厚さ200μmのプレスシートを得た。得られたプレスシートの各種物性測定結果を表1に示す。
[比較例2]
シリル化ポリオレフィン(B−1)を用いず、樹脂組成物の組成を、ポリプロピレン(プライムポリマー社製ポリプロピレン、F300SP)99重量部、パナセート810(日油株式会社製、トリ(カプリル・カプリン酸)グリセリル)1重量部に変更したこと以外は実施例1と同様の操作を行った。
結果を表1に示す。
[比較例3]
パナセート810の代わりにサンソフトQ−18S(太陽化学株式会社製、モノステアリン酸デカグリセリン)以外は比較例2と同様の操作を行った。
結果を表1に示す。
[比較例4]
パナセート810の代わりにサンソフトQ−1810S(太陽化学株式会社製、デカステアリン酸デカグリセリン)以外は比較例と同様の操作を行った。
結果を表1に示す。
表1に示すように、実施例1〜4で得られたサンプルは、比較例1と比較して、外観を損なうことなく、表面自由エネルギーが低下した。さらに、実施例1および実施例3で得られたサンプルは、比較例1と比較して、身離れ性に優れていた。
また、実施例1〜4と比較例2〜4の比較から明らかなように、シリル化ポリオレフィンと脂肪酸エステル系添加剤の組合せにより、脂肪酸エステルのみをポリオレフィンに添加した場合と比較して、成形品の表面自由エネルギー、表面粗さ、身離れ性、外観が向上した。
以下、参考形態の例を付記する。
1. 熱可塑性樹脂、シリル化ポリオレフィン及び分子量が100〜10,000である脂肪酸エステルを含むことを特徴とする樹脂組成物。
2. 熱可塑性樹脂がポリオレフィンである、1.に記載の樹脂組成物。
3. 1.または2.に記載の樹脂組成物から成形される成形体。
4. 成形体がフィルムまたはシートである、3.に記載の成形体。
5. 容器または包装材である、3.または4.に記載の成形体。

Claims (4)

  1. 熱可塑性樹脂、シリル化ポリオレフィン及び分子量が100〜10,000である脂肪酸エステルを含み、
    前記熱可塑性樹脂がポリオレフィンであり、
    前記シリル化ポリオレフィンは、下記一般式(1)で表される、ポリオレフィンとシリコーンとのブロック共重合体であることを特徴とする樹脂組成物。
    (上記式(1)において、A、AおよびAは各々独立に、ポリオレフィン鎖または炭素数1〜20の炭化水素基である。Rは炭素数1〜20の炭化水素基である。各Rは同一でも異なっていてもよい。mは1〜10,000の整数である。Aが複数存在する場合、各Aは同一でも異なっていてもよい。ただし、A、A、Aのうち、少なくとも1つはポリオレフィン鎖を表す。)
  2. 請求項1に記載の樹脂組成物から成形される成形体。
  3. 成形体がフィルムまたはシートである、請求項に記載の成形体。
  4. 容器または包装材である、請求項またはに記載の成形体。
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