JP6829516B2 - 形状適合性ポリマーフィルムを備える手術部位カバー及び使用方法 - Google Patents

形状適合性ポリマーフィルムを備える手術部位カバー及び使用方法 Download PDF

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Description

米国特許第5213114号で説明されているように、「手術用ドレープは、身体の諸部分を覆うために、多種多様なサイズ及び形状で作製されている。ドレープは、外科処置の間に無菌環境を維持するために役立ち、その外科処置の直近に異物及び有機体が進入することを防止するために役立つ。眼科的な検査及び外科処置では、眼球を包囲して保護するために、眼ドレープが頻繁に使用される。1つのタイプのドレープは、中央の穴又は開口部を有し、身体の諸部分を覆うために使用されているドレープ材料が、その開口部を包囲している。別のタイプのドレープである切開用ドレープは、眼の上に配置される連続シート材料片であり、眼を露出させて、その眼をドレープ材料で包囲するように、開口部が切り取られる。双方のタイプのドレープも、眼瞼の外部及び周囲の皮膚を効果的に覆うことができるが、眼瞼の内部表面は容易に覆うことができない。眼瞼及び睫毛は、細菌及び他の汚染物質の潜在源となるため、覆うことが特に重要である。更には、眼球から眼瞼を引き戻す、ステンレス鋼の開瞼器が、多くの手技で使用されるが、開瞼器が使用される場合であっても、眼瞼を隠すこと又は覆うことは、依然として重要である。」
一実施形態では、接着剤被覆フィルムを備える、手術部位カバーが説明される。この接着剤被覆フィルムは、形状適合性ポリマーフィルム層の主表面上に配設された、感圧性皮膚接触接着剤層を備える。この接着剤被覆フィルムは、手術部位を露出させるための、好適なサイズの開口部又は周縁部を更に備える。少なくとも1つの引き込み部材の第1の端部部分が、その開口部又は周縁部の近位で、形状適合性ポリマーフィルムに恒久的に取り付けられており、この引き込み部材の反対側の端部部分は、取り付け部材を備える。
典型的実施形態では、開口部は、接着剤被覆フィルムを貫通する、スリット、又はスリットを形成する穿孔である。引き込み部材は、形状適合性ポリマーフィルムよりも、形状適合性が低く、より低い伸長率を有し、より大きい引張強度を有する。使用前には、感圧性接着剤層(1つ以上)は、典型的には、取り外し可能な剥離ライナを更に備える。更には、この手術部位カバーは、典型的には、その手術部位カバーの周辺部に、恒久的又は取り外し可能な支持枠を更に備える。この手術部位カバーは、一体構造又は複数(例えば、2)部品構造を備え得る。一実施形態では、この手術部位カバーは、手術用眼カバーである。
引き込み部材は、典型的には、パッケージ化されて施術者に受け取られる際、接着剤被覆フィルムに恒久的に結合されている。しかしながら、他の実施形態では、1つ以上の接着剤被覆フィルムと、その接着剤被覆フィルムに施術者によって取り付けるための、別個の引き込み部材とを備える、手術部位カバーキットが説明される。一実施形態では、接着剤被覆フィルムは、手術部位を露出させるための、好適なサイズの(例えば、中央に配置された)開口部を有する。別の実施形態では、手術部位カバーキットは、手術部位に境界を形成するための、好適なサイズの周縁部を有する、少なくとも2つの接着剤被覆フィルムを備える。
また、本明細書で説明される手術部位カバー(1つ以上)又はキットを準備することと、開口部又は周縁部が手術部位に隣接するように、感圧性皮膚接触接着剤層を皮膚組織に付着させることとを含む、手術部位カバーの使用方法も説明される。
この方法は、典型的には、少なくとも1つの引き込み部材に力を加えることによって、手術部位に隣接する皮膚組織を引き込むことと、その引き込み部材の取り付け部材を固定することによって、その引き込みを維持することとを含む。一部の実施形態では、この方法は、手術部位に隣接する皮膚組織を引き込む目的のために利用される、検鏡又は他の機械的器具の非存在下で遂行される。
一実施形態による手術用カバーの断面図である。 一実施形態による使用の間の、一実施形態による手術用眼カバーの断面図である。 一実施形態による使用の間の、図2の手術用眼カバーの平面図である。 一実施形態による使用の間の、図3の手術用カバーの眼領域の拡大平面図である。 楕円形状の手術用カバーの斜視図である。 別の実施形態による手術用カバーの斜視図である。 2部品手術用カバーの斜視平面図である。 別の2部品手術用カバーの斜視平面図である。 別の実施形態による手術用カバーの断面図である。 別の実施形態による手術用カバーの断面図である。
本発明は、手術用カバー物品及び使用方法に関する。この手術用カバーは、様々な外科手技に関して好適であることが想到され、一実施形態では、この手術用カバーは、手術用眼カバーである。
図1の断面図を参照すると、一実施形態による手術用(例えば、眼)カバーは、形状適合性ポリマーフィルム114の主表面115上に配設された、感圧性皮膚接触接着剤116を含む、接着剤被覆フィルムを備える。この接着剤被覆フィルムは、(例えば、中央に配置された)開口部125を更に備える。少なくとも1つの引き込み部材130の、第1の端部部分が、開口部125の近位で、形状適合性ポリマーフィルム114の反対側主表面113に、恒久的に取り付けられている(例えば、結合されている)。
開口部(125、225、325)は、図示のような接着剤被覆フィルムを貫通するスリット、複数の穿孔、又は開口とすることができる。この開口部が、開口である場合、接着剤被覆フィルムは、その接着剤被覆フィルムの一部分が除去されて、開放領域が形成されるように、切断されている。対照的に、この開口部が、スリット又は複数の穿孔である場合、接着剤被覆フィルムは切断されているが、その接着剤被覆フィルムの一部分は除去されていない。この開口部は、手術部位を露出させるための、好適なサイズ及び形状を有する。この開口部のサイズ及び形状は、手術部位よりも小さくすることもできるが、これは、接着剤被覆フィルムを延伸させることによって、その開口部のサイズ及び形状を調節することができるためである。一実施形態では、この開口部は、眼球とほぼ同じ長さ(例えば、約30mm+/−10mm、又は約30mm+/−5mm)を有する、スリット又は複数の穿孔とすることができる。
引き込み部材130は、典型的には、後に説明されるように、形状適合性ポリマーフィルム114よりも、形状適合性が低く、より高い剛性を有し、典型的には、使用の間に加えられる力に対して延伸性がより小さい、ポリマーフィルム又は繊維性(例えば、不織布又は布)材料である。引き込み部材130の第1の端部部分は、熱シール若しくは超音波シール又は接着剤結合などの、任意の好適な機械的手段又は化学的手段によって、形状適合性ポリマーフィルム114に恒久的に取り付けられている。「恒久的に取り付けられている」又は「恒久的に結合されている」とは、引き込み部材130が、使用されている間、形状適合性ポリマーフィルム114に結合されたまま維持されることを意味する。それゆえ、手術用眼カバーの場合には、引き込み部材と形状適合性ポリマーフィルムとの間の剪断結合強度は、眼瞼の閉鎖によって加えられる力(30mm(1.18インチ)の眼瞼当たり40〜200重量グラム=34〜169g/インチ)よりも大きい。典型的実施形態では、引き込み部材130と形状適合性ポリマーフィルム114との結合の剪断結合強度は、1インチ(2.54cm)当たり、少なくとも50、125、150、175、200、又は250重量グラムである。他の実施形態では、そのような剪断結合強度は、1インチ当たり、少なくとも300、400、500、又は1000重量グラムである。この引き込み部材の材料はまた、眼瞼が閉鎖することを防止することも可能であり、それゆえまた、上述の剪断結合強度を満たし、典型的には上述の剪断結合強度を超過する。典型的実施形態では、この引き込み部材は、典型的には、そのような加力で、5、4、3、2、又は1%を超えて伸長することはないが、眼瞼によって加えられることのない、より大きい力では、それよりも大きく伸長し得る。3M(商標)ステリストリップが、引き込み部材に関して利用される場合、その剪断強度は、典型的には、少なくとも1000、1500、2000、2500、又は3000重量グラム/インチ(重量グラム/2.54cm)である。他のタイプの外科手技に関しては、当業者によって、剪断結合強度特性を変更することができる。
引き込み部材130の反対側の端部部分は、手術部位から離れた距離の表面に、その引き込み部材の反対側の端部部分を取り付けるために好適な、取り付け部材を備える。この取り付け部材(例えば、感圧性接着剤)は、手術用眼カバーの表面、不織布ドレープ表面、皮膚の表面、検鏡などの機械的装置などと接合することができる。この取り付け部材は、感圧性接着剤とすることができ、又は、スナップ材料若しくは再締結可能な(例えば、面ファスナ)材料などの、機械的締結具とすることもできる。一実施形態では、引き込み部材130は、形状適合性ポリマーフィルム114に結合するために好適であり、かつまた、手術部位を包囲する眼瞼などの組織の、引き込まれた状態を維持するために、その引き込み部材の反対側の端部を、形状適合性ポリマーフィルム114の別の区画に結合する、又は、そのドレッシングの周辺部の外側の、患者の皮膚の一部分に結合するための、取り付け部材として使用するためにも好適な、感圧性接着剤層135を備える。
図9に示されるような一部の実施形態では、引き込み部材130は、取り付け部材(例えば、感圧性接着剤135)の近位の、その引き込み部材の反対側の端部に、非接着性タブ131を備え得る。タブ131は、その引き込み部材130の反対側の端部を施術者が把持するための、簡便かつ適切な手段を提供するものである。このタブは、図9に示されるように、取り付け部材(例えば、感圧性接着剤135)を、引き込み部材130の端部部分から好適な距離を空けて配置して、その端部部分が取り付け部材を含まないようにすることによって、作り出すことができる。あるいは、接着剤被覆された引き込み部材の一部分を、それらの外側層が、間に感圧性接着剤が配置されている引き込み部材の材料を含むように、それ自体の上に折り畳むこともできる。更に別の実施形態では、別個の非粘着性材料片(例えば、紙、フィルム、不織布)を、感圧性接着剤135の端部部分に接着することにより、タブを形成することができる。
この手術部位(例えば、眼)カバーは、典型的には、感圧性接着剤層116及び感圧性接着剤層135を、使用するまで保護している、1つ以上の取り外し可能な剥離ライナ118を更に備える。(例えば、クラフト)紙、ポリエチレン及びポリプロピレンなどのポリオレフィンフィルム、あるいはポリエステル、又はエンボス加工フィルムで作製されたものなどの、様々な剥離ライナが既知である。これらのフィルムは、好ましくは、フルオロケミカル又はシリコーンなどの、剥離剤でコーティングされている。例えば、米国特許第4,472,480号は、低表面エネルギーのペルフルオロ化合物ライナを説明している。市販のシリコーン被覆剥離紙の例は、LOPAREX(Willowbrook,Ill)により供給されている。そのような市販の剥離ライナの他の非限定的な例としては、H.P.Smith Co.より市販されている、シリコーン処理ポリエチレンテレフタレートフィルム、及び、3Mより「ScotchPak(商標)」ブランドの剥離ライナで市販されている、フルオロポリマー被覆ポリエステルフィルムが挙げられる。これらの剥離ライナは、図2に示されるように、使用時には取り外される。
この手術部位(例えば、眼)カバーはまた、典型的には、高度形状適合性ポリマーフィルム114の取り扱いを容易にするための、支持枠170も更に備える。支持枠170は、ライナ118が取り外された後の、形状適合性ポリマーフィルム114に、剛性を与えるものである。支持材170と形状適合性ポリマーフィルム114との結合は、典型的には、接着剤116とライナ118との結合よりも強固であることにより、ライナ118が接着剤116から取り外される際、形状適合性ポリマーフィルム114は、支持枠170に取り付けられたまま維持される。この支持枠は、参照により本明細書に組み込まれる米国特許第5738642号で説明されるような、形状適合性ポリマーフィルムの外側表面上に配設されている、取り外し可能な支持枠とすることができる。他の実施形態では、この手術用(例えば、眼)カバーは、参照により本明細書に組み込まれる米国特許第5088483号で説明されるような、形状適合性ポリマーフィルム補強材の外側表面又は内側表面上に配設されている、恒久的(例えば、非感圧性)接着剤などの、取り外し不可能な支持枠を備え得る。使用の間、取り外し可能な支持枠は、図2に示されるように、手術部位領域に感圧性皮膚接触接着剤を適用した後、任意選択的に取り外すことができる。あるいは、この取り外し可能な支持枠は、外科手技の間、形状適合性フィルムに結合させたまま維持することもできる。
一実施形態では、支持枠170は、熱可塑性エラストマー細径繊維のメルトブローンウェブ、又はブローンマイクロファイバ(blown microfiber;BMF)ウェブに基づいた、エラストマー不織布/接着剤積層材を含む。これらのマイクロファイバウェブを調製することが可能な、エラストマー熱可塑性材料としては、例えば、エラストマー性ポリウレタン、エラストマー性ポリエステル、エラストマー性ポリアミド、及びエラストマー性A−B−Aブロックコポリマーが挙げられ、Aはスチレン部分であり、Bがエラストマー性(例えば、イソプレン又はブチレン)中間ブロックである。エラストマー不織布/接着剤積層材の支持枠を使用することによって、この接着剤被覆フィルムは、十分な剛性を提供することができるが、その一方で、依然として、この接着剤被覆フィルムは、取り外しの間に延伸すること、又は開口部を調節することが可能である。
図5に示されるように、形状適合性ポリマーフィルム314の露出表面は、任意選択的に、低付着性コーティング313を備え得る。この低付着性コーティングは、形状適合性ポリマーフィルムの露出表面の表面摩擦を低減し得るものであり、このことにより、外科手技の間、頭部などの他の領域を覆う不織布手術用ドレープと共に、この手術用眼カバーを使用することを容易にすることができる。存在する場合、低付着性コーティング313は、支持枠370と形状適合性ポリマーフィルム314との間に存在している。低付着性コーティング313の存在は、剥離ライナ318の取り外しの間に、支持枠が、元の状態のまま維持されることを確実にし得るが、その後、必要に応じて支持枠を取り外すこともできる。一実施形態では、低付着性コーティング313は、露出表面領域上に存在するが、引き込み部材330が形状適合性ポリマーフィルム314に結合されている表面領域には、存在しない。
図4〜図7に示されるように、(例えば、矩形又は卵形の)窓部分が、支持材料内に切り出され、除去されることにより、支持枠(270、370)と、形状適合性ポリマーフィルム(214、314)の上面の一部分を露出させる窓とが作り出されている。支持枠(270、370)は、典型的には、連続的周辺部と、任意選択的に、形状適合性ポリマーフィルム(214、314)から支持枠を取り外すために、その支持材を容易に分離することが可能な場所を提供する、切れ目(250、350)とを備える。
ライナ(218、318)及び支持枠(270、370)は双方とも、(無菌の)感圧性皮膚接触接着剤(216、316)に接触することなく手術用眼カバーを適用する手段を提供するために、形状適合性ポリマーフィルム(214、314)の外周を越えて延びている、タブ(217、317、及び219、319)を含み得る。使用の間、ライナ(218、318)が、最初に接着剤(216、316)から取り外され、支持枠(270、370)/形状適合性ポリマーフィルム(214、314)/感圧性皮膚接触接着剤(216、316)が、元の状態のまま残される。施術者は、好ましくは透明又は半透明の、形状適合性ポリマーフィルム(214、314)の窓を通して、カバー(210、310)が取り付けられる手術部位(例えば、眼)領域を見ながら、支持枠(270、370)上のタブ(217、317)を使用して、手術用(例えば、眼)カバー(200、300)を操作することができる。
図2及び図3を参照すると、この手術部位(例えば、眼)カバーを適用する方法は、一般に、剥離ライナ118を取り外すことにより、形状適合性ポリマーフィルム114上に配設されている感圧性皮膚接触接着剤層116を露出させることと、感圧性接着剤皮膚接触接着剤層116を、その開口部又は周縁部が手術部位に隣接するように、患者の皮膚組織(例えば、顔面領域)に付着させることとを含む。この手術部位カバーが、図1に示されるような中央開口部を有する場合、その手術用カバーは、一般に、その開口部が、手術部位(例えば、眼球180)に対して中央に配置されるように付着される。手術用カバー(1つ以上)は、典型的には、手術部位を包囲する。
この方法は、少なくとも1つの引き込み部材に力を加えることによって、手術部位に隣接する皮膚組織(例えば、眼瞼)を引き込むことを更に含む。この引き込み部材は、典型的には、その引き込み部材の長さに平行な方向で、手術部位(例えば、眼)から離れる向きに引かれる。皮膚組織が引き込まれた後、この方法は、感圧性接着剤135を、形状適合性フィルム114若しくは他の表面(例えば、不織布ドレープ)に付着させること、又は、そのドレッシングの周辺部の外側の場所で、皮膚に直接付着させることなどによって、取り付け部材を固定する(固着させる又は取り付ける)ことによって、その皮膚組織の引き込みを維持することを含む。手術部位から皮膚組織を引き込む方法は、検鏡(例えば、眼瞼組織の場合)又は他の機械的器具の非存在下で遂行することができる。しかしながら、施術者はまた、そのような器具を、本明細書で説明される手術部位(例えば、眼)カバーと組み合わせて利用することもできる。
一実施形態による適用技術では、この手術用カバーは、手術用眼ドレープの場合には、最初に、額及び頬骨、並びに/あるいは鼻及びこめかみなどの、手術部位から離れた距離の2つの対向表面に付着させることができる。この方法は、引き込み部材(1つ以上)によって接着剤被覆フィルムを延伸させることによって、その手術用カバー開口部のサイズ及び/又は形状を調節することを更に含み得る。
図3Aを参照すると、手術用眼カバーの場合には、この方法は、典型的には、接着剤116が少なくとも睫毛列と接触することにより、その睫毛列を手術部位から隔離するように、感圧性皮膚接触接着剤116を眼領域に付着させることを含む。一実施形態では、感圧性皮膚接触接着剤116はまた、眼瞼縁の少なくとも諸部分又は全体も隔離する。それゆえ、図3Aに示されるように、眼の縁の粘膜部分は、この手術用眼カバーの接着剤被覆フィルムによって隔離される。少なくとも上眼瞼、及び典型的には両眼瞼が、引き込み部材を介して眼瞼に力が加えられることによって、引き込まれる。
図8に示されるような代替的実施形態では、この手術用(例えば、眼)カバーは、非接着性延長部112、すなわち、開口部又は縁部に隣接する、皮膚接触接着剤層を含まない形状適合性ポリマーフィルムの部分を備える。これらの非接着性延長部は、手術部位から周囲の組織(例えば、睫毛及び眼瞼縁)を隔離するために、引き込まれた皮膚組織(例えば、眼瞼)の下に押し込むことができる。
接着剤被覆フィルム、開口部、並びに周縁部のサイズ及び形状は、対象とする手術部位に応じて変更することができる。一部の実施形態では、この手術部位カバーは、手術部位の長さの、少なくとも1.5、2、2.5、又は3倍の寸法を有する。更には、この手術用カバーは、典型的には、手術部位を包囲する皮膚組織の、少なくとも2、3、4、又は5cmを覆う。
図4を参照すると、一実施形態では、手術部位(例えば、眼)カバー200は、形状適合性ポリマーフィルム層214と、その形状適合性ポリマーフィルム214の主表面上の感圧性皮膚接触接着剤216とを含む、楕円形状の接着剤被覆フィルムを備え得る。少なくとも1つの引き込み部材230の、第1の端部部分が、開口部225の近位で、形状適合性ポリマーフィルム214に恒久的に取り付けられている(例えば、結合されている)。
別の実施形態では、図5を参照すると、手術部位(例えば、眼)カバー300は、形状適合性ポリマーフィルム層314と、その形状適合性ポリマーフィルム314の主表面上の感圧性皮膚接触接着剤316とを含む、矩形形状の接着剤被覆フィルムを備え得る。少なくとも1つの引き込み部材330の第1の端部が、開口部325の近位で、形状適合性ポリマーフィルム314に、恒久的に結合されている。
一部の実施形態では、この手術部位(例えば、眼)カバーは、図1〜図5に示されるような、単一の(例えば、中央に配置された)開口部を有する。別の実施形態では、この手術部位(例えば、眼)カバーは、2つ以上の接着剤被覆フィルム片を備え得る。図6に示される一実施形態では、手術部位(例えば、眼)カバーは、図6に示されるように切れ目を入れることができ、その場合、この手術部位(例えば、眼)カバーは、使用時に2つの部品に分離することが可能な、一体品としてパッケージ化されている。あるいは、手術部位(例えば、眼)カバーは、図7に示されるように、2つの別個の部品としてパッケージ化することもできる。この実施形態では、少なくとも一方の部品は、その手術部位(例えば、眼)カバーの周縁部の近位で、形状適合性ポリマーフィルム314の主表面に恒久的に取り付けられている(例えば、結合されている)、少なくとも1つの引き込み部材330を備える。
この手術部位カバーは、好ましくは、図1〜図8に示されるように予め組み立てられている、接着剤被覆フィルムと少なくとも1つの引き込み部材とを備える。しかしながら、他の実施形態では、1つ以上の接着剤被覆フィルム片と1つ以上の引き込み部材とを備える、手術用カバーキットが説明される。引き込み部材は、接着剤被覆フィルムに取り付けるための第1の取り付け部材を含む第1の端部部分と、反対側の端部部分の第2の取り付け部材とを備える。一部の実施形態では、それらの接着剤被覆フィルム及び引き込み部材を、同じパッケージ内に収容することができる。一実施形態では、この手術部位カバーキットの接着剤被覆フィルムは、手術部位を露出させるための、好適なサイズの(例えば、中央に配置された)開口部を備える。別の実施形態では、この手術部位カバーは、手術部位に境界を形成するための、好適なサイズの周縁部を有する、少なくとも2つの接着剤被覆フィルムを備える。
この形状適合性ポリマーフィルムは、一般に、細菌並びに液体水又は他の液体に対する、障壁としての役割を果たす。
このポリマーフィルムは、解剖学的表面に対して形状適合性である。それゆえ、この手術用(例えば、眼)カバーは、解剖学的表面に適用されると、その表面に適合する。形状適合性の尺度は、そのポリマーフィルムを延伸するために必要な力の尺度を規定する、「F」値である。本明細書で言及されるように、ASTM試験方法D3759を使用して、F10値が判定されるが、ただし、この力測定値は、10パーセント伸長率で取得されるものである。クロスヘッド速度は、10インチ毎分に設定され、チャート速度は、10インチ(25.4cm)毎分に設定される。ゲージ長は、2インチ(5.1cm)に設定され、試験試料は、1インチ幅(2.54cm)を試験するように切断されている。このF10値は、身体表面の動きと、これらの身体の変形により材料が延伸する能力との近似値を与えるものである。この形状適合性ポリマーフィルムのF10値は、1インチ幅当たり約1000重量グラム(394g/cm)以下であり、好ましくは、1インチ幅当たり約750重量グラム(295g/cm)又は約500重量グラム(197g/cm)以下である。一部の実施形態では、F10値は、1インチ幅当たり、450、400、350、300、250、200、又は150重量グラム未満である。一部の実施形態では、F10値は、1インチ幅当たり、少なくとも25、30、35、40、又は50重量グラムである。この(例えば、接着剤被覆された)形状適合性ポリマーフィルムは、典型的には、縦方向及びウェブ幅方向の双方で、同様のF10を有する。
形状適合性に関連する別の特性は、「ハンドル−O−メータ」データである。この「ハンドル−O−メータ」データは、材料に対して垂直な力の効果を測定することによって、その材料の形状適合性を測定するものである。この測定は、2.5cm×7.6cmの試料を測定し、実際の読み取りを200グラムのスケールから取得したという点で改変された、ハンドル−O−メータ剛性に関する改変INDA標準試験、IST 90.0−75(R82)、又はTAPPI T498 Su−66に従って実施することができる。これらの試料の接着剤被覆フィルム表面を、タルク粉末で被覆することができ、接着剤側を上にして計器内に配置した。読み取りは、重量グラムの単位で取得し、かつ縦方向及び横断方向の双方で取得するものとした。一部の実施形態では、この形状適合性ポリマーフィルムのハンドル−O−メータは、1インチ(2.54cm)当たり、5、4.5、4、3.5、3、2、1.5、又は1重量グラム以下である。一部の実施形態では、ハンドル−O−メータ値は、1インチ(2.54cm)幅当たり、少なくとも0.1、0.15、0.2重量グラムである。この(例えば、接着剤被覆された)フィルムのハンドル−O−メータ値は、典型的には、縦方向及びウェブ幅方向の双方で同様である。
この(例えば、接着剤被覆された)形状適合性ポリマーフィルムは、典型的には、引き込み部材と比較して、相対的に低い引張強度を有する。例えば、この(例えば、接着剤被覆された)形状適合性ポリマーフィルムの破断点引張強度は、典型的には、約5kgf/インチ以下であり、一部の実施形態では、4.5、4、3.5、又は3kgf/インチ以下である。この(例えば、接着剤被覆された)形状適合性ポリマーフィルムの破断点伸長率は、典型的には、少なくとも100%、150%、又は200%であり、最大500%、600%、700%、800%、900%、又は1000%の範囲である。5%、10%、15%、又は20%などの低い伸長率では、この(例えば、接着剤被覆された)形状適合性ポリマーフィルムは、典型的には、1kgf/インチ以下の引張強度を呈し、一部の実施形態では、0.9、0.8、0.7、0.6、0.5、0.4、0.3、又は0.2kgf/インチ以下の引張強度を呈する。本明細書で説明されるような、(例えば、接着剤被覆された)形状適合性ポリマーフィルムの引張強度及び伸長率の特性は、以降の実施例で説明される試験方法に従って判定される。典型的実施形態では、この形状適合性ポリマーフィルムの引張強度及び伸長率の特性は、接着剤被覆された形状適合性ポリマーフィルムと実質的に同じである。
一部の実施形態では、この形状適合性ポリマーフィルムは、動物の解剖学的部位又は関節に対して形状適合性であるように、十分に形状適合性である。関節が屈曲し、次いで、その非屈曲位置に戻される場合、この形状適合性ポリマーフィルムは、その関節の屈曲に適応するように延伸するが、関節がその非屈曲状態に戻される際、引き続き関節に適合するように、十分な弾力性がある。この形状適合性ポリマーフィルムは、解剖学的表面に対して、その表面が移動する場合であっても適合することができるが、(眼瞼の閉鎖などの)移動は、使用の間、引き込み部材によって制限される。
好適な形状適合性ポリマーフィルムの説明は、参照により本明細書に組み込まれる発行済み米国特許第5,088,483号及び同第5,160,315号に見出すことができる。好ましい形状適合性ポリマーフィルムは、エラストマー性のポリウレタン、コポリエステル、又はポリエーテルブロックアミドのフィルムである。これらのフィルムは、好ましいバッキング層に見出される、弾力性、高透湿性、及び透明性の、望ましい特性を併せ持つ。例としては、限定するものではないが、B.F.Goodrich(Cleveland,OH)より商品名ESTANEで市販されている、ESTANE 58237及びESTANE 58245を含めた、ポリウレタン;Elf Atochem(Philadelphia,PA)より商品名PEBAXで市販されている、PEBAX MV 1074を含めた、ポリエーテルアミドブロックコポリマー;DuPont(Wilmington,DE)より商品名HYTRELで市販されている、ポリエーテル−エステルブロックコポリマー;及びDSM Engineering Plastics(Evansville,IN)より商品名ARNITEL VTで市販されている、熱可塑性エラストマーが挙げられる。
形状適合性ポリマーフィルムの厚さは、変更することができる。典型的実施形態では、この厚さは、少なくとも約10又は15μmであり、典型的には、約250μm以下である。一部の実施形態では、形状適合性ポリマーフィルムの厚さは、200、150、100、又は50μm以下である。
一部の実施形態では、この形状適合性ポリマーフィルムは、参照により本明細書に組み込まれる米国特許第3645835号で説明されるような、高透湿性フィルムである。この接着剤被覆フィルムは、ヒトの皮膚と同等以上の速度の、水蒸気の透過を可能にし得る。好ましくは、無被覆の(すなわち、皮膚接触接着剤を有さない)フィルムは、EN−13726−1:2002 Section 3.3によって測定した場合、少なくとも10g/10cm/24時間、15g/10cm/24時間、又は20g/10cm/24時間の速度で、水蒸気を透過させる。接着剤被覆フィルムは、少なくとも0.8g/10cm/24時間、又は1.6g/10cm/24時間を超える速度で、水蒸気を透過させることができる。しかしながら、透湿性は、短期間にわたって使用される手術部位カバーに関しては、重要性が低いものであり得る。
この手術用(例えば、眼)カバーは、皮膚接触感圧性接着剤(pressure sensitive adhesive;PSA)層を更に備える。PSAの例としては、ゴム系接着剤(例えば、粘着力を高めた天然ゴム、合成ゴム、及びスチレンブロックコポリマー)、アクリル(例えば、重合(メタ)アクリレート)、ポリ(α−オレフィン)、ポリウレタン、及びシリコーンが挙げられる。主鎖、主鎖のペンダント、又はそれらの組み合わせ内にアミン基を有する、アミン含有ポリマーもまた、使用することができる。好適な例としては、ポリ(エチレンイミン)が挙げられる。
有用な接着剤は、米国再発行特許第24,906号(Ulrich)、同第5,849,325号(Heineckeら)、及び同第4,871,812号(Lucastら)で開示されているもの(水性接着剤及び溶剤型接着剤);同第4,833,179号(Youngら)で開示されているもの(ホットメルト接着剤);同第5,908,693号(Delgadoら)で開示されているもの(微小球接着剤);同第6,171,985号及び同第6,083,856号(双方ともJosephら)で開示されているもの(低外傷性繊維状接着剤);並びに、米国特許第6,198,016号(Lucastら)、同第6,518,343号(Lucastら)、及び同第6,441,092号(Gieselman)で開示されているもの(湿潤皮膚用接着剤)などの、皮膚と適合性があり、かつ創傷ドレッシングに有用な接着剤のうちのいずれかとすることができる。米国特許第4,310,509号(Berglund)及び同第4,323,557号(Rosso)で説明されているように、この接着剤中には、薬剤又は抗菌剤が含まれることもまた想到される。
シリコーン系及びアクリル系の感圧性接着剤が、皮膚に付着させるために最も一般的に利用されている。
シリコーンPSAは、典型的には、2つの主成分である、ポリマー若しくはゴム、及び粘着付与樹脂を含む。このポリマーは、典型的には、ポリマー鎖の末端上に残存シラノール官能基(SiOH)を含有する、高分子量のポリジメチルシロキサン若しくはポリジメチル−ジフェニルシロキサン、又は、ポリジオルガノシロキサンのソフトセグメントと尿素末端のハードセグメントとを含むブロックコポリマーである。粘着付与樹脂は、一般に、トリメチルシロキシ基で末端をキャップされた三次元ケイ酸塩構造体(OSiMe)であり、かつまた、幾分かの残存シラノール官能基を含有するものである。粘着付与樹脂の例としては、General Electric Co.,Silicone Resins Division(Waterford,NY)製のSR 545、及びShin−Etsu Silicone of America,Inc.(Torrance,CA)製のMQD−32−2が挙げられる。典型的なシリコーンPSAの製造は、米国特許第2,736,721号(Dexter)で説明されている。シリコーン尿素ブロックコポリマーPSAの製造は、米国特許第5,214,119号(Leirら)で説明されている。
アクリル接着剤は、典型的には、イソオクチルアクリレート又は2−エチルヘキシルアクリレートなどの、少なくとも1つのC〜C12アルキル(メタ)アクリレートと、(メタ)アクリルアミド、N−ビニルピロリドン、ポリ(エチレンオキシド)アクリレート、及びこれらの混合物などの、少なくとも1つの高Tg(例えば、極性)コモノマーとの、コポリマーを含む。典型的実施形態では、アクリル接着剤は、少なくとも90重量%のC〜C12アルキル(メタ)アクリレート(類)を含む。好適な例としては、90:10のイソオクチルアクリレート:アクリル酸コポリマー、70:15:15のイソオクチルアクリレート:エチレンオキシドアクリレート:アクリル酸ターポリマー、及び25:69:6の2−エチルヘキシルアクリレート:ブチルアクリレート:アクリル酸ターポリマーが挙げられる。別のアクリル接着剤組成物としては、97:3のイソオクチルアクリレート:アクリルアミドコポリマー、65:15:20の2−エチルヘキシルアクリレート:アクリル酸:商品名PLURONICの非反応性ポリアルキレンオキシドコポリマーとブレンドしたコポリマーが挙げられる。更なる有用な接着剤は、米国特許第3,389,827号、同第4,112,213号、同第4,310,509号、及び同第4,323,557号で説明されている。
一部の実施形態では、シリコーン接着剤は、米国特許第8,541,481号、米国特許出願公開第2013/0040073号、米国特許第7407709号、及び同第7807268号で説明されるように、皮膚に対して優しいことを特徴とし得る。
より強力な感圧性皮膚接触接着剤を、他の手術部位に関して使用することもできるが、手術用眼カバーに関しては、接着剤は、比較的低い初期剥離値、及び比較的低い48時間での剥離値を有する。そのような手術部位カバーは、一般に、48時間よりも遥かに短い期間にわたって使用されるものであるが、48時間の剥離値は、時間の関数としての、付着力の確立の指標となる。皮膚に対する初期の90度剥離付着力は、米国特許第5088483号で説明されている皮膚付着力試験方法に従って測定した場合、典型的には、約3、2.5、2、1.5、又は1N/100mm以下である。この皮膚に対する剥離付着力は、特に、皮膚組織の引き込みの間の、及び引き込みを維持している間の、感圧性皮膚接触接着剤と手術部位に隣接する皮膚組織との間の結合強度を維持するために十分なものである。更には、48時間の保持時間後の、皮膚に対する剥離付着力は、典型的には、約10、9、8、7、6、又は5N/100mm以下である。この手術用眼ドレープの、皮膚に対する剥離付着力は、好ましくは、標準的な切開用ドレープよりも実質的に低い。
接着剤被覆された形状適合性ポリマーフィルムは、少量の剪断力で、眼瞼から延伸剥離することができる。接着剤被覆された形状適合性ポリマーフィルムの最大延伸剥離強度は、典型的には、2.0、1.9、1.8、1.7、1.6、1.5、1.4kgf/インチ(2.54cm)以下であり、一部の実施形態では、少なくとも0.2、0.3、0.4、0.5、0.6、0.7、0.8、0.9、又は1kgf/インチである。この最大延伸剥離強度でのパーセント伸長率は、典型的には、少なくとも50%であり、かつ約600%以下である。一部の実施形態では、最大延伸剥離強度でのパーセント伸長率は、500%、450%、400%、又は350%未満である。60%、120%、180%、又は240%での延伸剥離強度は、典型的には、1.34kgf/インチ以下であり、一部の実施形態では、1.2、1.1、1.0、0.9、0.8、0.7、0.6、又は0.5kgf/インチ以下である。本明細書で説明されるような、接着剤被覆された形状適合性ポリマーフィルムの延伸剥離特性は、以降の実施例で説明される試験方法に従って判定される。
感圧性接着剤は、直接コーティング、ラミネーション、スプレーコーティング、及び熱ラミネーションを含めた、様々なプロセスによって、形状適合性ポリマーフィルム上にコーティングすることができる。一部の実施形態では、感圧性接着剤は、微細構造化接着剤層としてコーティングすることができる。
この皮膚接触接着剤は、典型的には、その接着剤が、手術部位を包囲するシールを形成するように、少なくとも、その手術用カバーの開口部又は周縁部に隣接する場所で、連続的接着剤層として存在している。この皮膚接触感圧性接着剤はまた、典型的には、その接着剤によって形成されたシールを体液が崩壊させることがないように、37℃の等張食塩水中に24時間にわたって浸漬させた場合の、低い吸収性(すなわち、その乾燥重量の25%未満、好ましくは、その乾燥重量の10%未満の吸収性)も有する。接着剤被覆フィルムの他の領域(例えば、眼瞼の中央部分)は、パターンコーティングによって得ることができるような、不連続的な皮膚接触接着剤を備え得る。この手法により、皮膚からの取り外しの間の手術用(例えば、眼)カバーの、全体的な剥離付着力を低減することができる。
一実施形態では、この手術用(例えば、眼)カバーは、3M Co.(St.Paul,MN)より商品名TEGADERMで入手可能であるような、透明又は半透明の創傷ドレッシング物品に、1つ以上の引き込み部材を結合することによって形成される。
それらの引き込み部材は、様々なサイズ及び形状を有し得る。典型的実施形態では、引き込み部材は細長形状を有し、これは、その幅よりも大きい長さを有することを意味する。一部の実施形態では、引き込み部材は、矩形である。これらの引き込み部材は、接着剤被覆フィルムの周縁部で終端する場合もあり、又は、接着剤被覆フィルムよりも長い長さを有する場合もある。
引き込み部材は、典型的には、形状適合性ポリマーフィルムよりも形状適合性が低い、ポリマーフィルム又は(例えば、不織布又は織布)繊維性材料を含む。例えば、引き込み部材のF10値は、その引き込み部材が使用の間に引かれる方向(典型的には、引き込み部材の長さに平行な方向)では、形状適合性ポリマーフィルムよりも大きい。一部の実施形態では、引き込み部材のF10値は、形状適合性ポリマーフィルムよりも、少なくとも50%、100%、200%、250%、500%、又は10000%+大きい。一部の実施形態では、引き込み部材のF10値は、1インチ幅当たり、少なくとも500、1000、2000、2500、5000、6000、6500、又は7000重量グラムである。
更には、引き込み部材は、典型的には、形状適合性ポリマーフィルムよりも高いハンドル−O−メータ値を有する、ポリマーフィルム又は(例えば、不織布又は織布)繊維性材料を含む。一部の実施形態では、引き込み部材のハンドル−O−メータ値は、その引き込み部材が使用の間に引かれる(例えば、引き込み部材の長さに平行な)方向で、1インチ(2.54cm)当たり、2、3、4、5重量グラムよりも大きく、一部の実施形態では、1インチ(2.54cm)当たり、少なくとも10、15、20、25、30、又は35重量グラムである。
この引き込み部材(例えば、材料)の引張強度は、前述のように、眼瞼の閉鎖によって加えられる力よりも大きい。一部の実施形態では、引き込み部材(例えば、材料)の破断点引張強度は、(例えば、接着剤被覆された)形状適合性ポリマーフィルムの破断点引張強度よりも大きく、典型的には、少なくとも3kgf/インチである。一部の実施形態では、引き込み部材(例えば、材料)の引張強度は、少なくとも4、5、6、7、8、9、又は10kgf/インチであり、典型的には、20kgf/インチを超えるものではない。
この引き込み部材(例えば、材料)は、典型的には、形状適合性ポリマーフィルムと比較して、低い伸長率を有する。最大伸長率は、約5〜50%の範囲とすることができる。この引き込み部材(例えば、材料)はまた、典型的には、低い伸長率でも、比較的高い引張強度を呈する。例えば、その引張強度は、5%の伸長率で少なくとも約2、3、4、5kgf/インチ、10%、15%、又は20%の伸長率に関して最大約6、7、8、9、又は10の範囲とすることができる。
一実施形態では、この引き込み部材は、3M(商標)スパンレースポリエステル不織布医療テープ1776などの、(例えば、ポリエステル)不織布材料である。この引き込み部材の不織布は、3M(商標)ステリストリップスキンクロージャ1548の場合のように、繊維補強材を備え得る。別の実施形態では、この引き込み部材は、3M(商標)レーヨンアセテート織布医療テープ1538又は3M(商標)布粘着テープ2950などの、(例えば、レーヨンアセテート又は綿)織布材料である。別の実施形態では、この引き込み部材は、3M(商標)MICROPORE 1530サージカルテープなどの、微多孔性(例えば、レーヨン)不織布である。
一部の実施形態では、この手術用眼カバーは、形状適合性ポリマーフィルムの一部分上に配設された、吸収層又は吸収性部材を更に備え得る。例えば、この手術用(例えば、眼)カバーは、その手術部位カバーの周辺部に結合された、不織布ドレープ190を更に備え得る。この不織布ドレープは、液貯留パウチを更に備え得る。
手術用(例えば、眼)カバーは、典型的には、パッケージ形式で提供される(すなわち、シールパッケージ内に配置される)。このシールパッケージの内部は、典型的には無菌である。このパッケージ材料は、例えば、ポリエチレン、ポリプロピレン、エチレンとプロピレンとのコポリマー、ポリブタジエン、エチレン−ビニルアセテート、エチレン−アクリル酸、又はアイオノマーのフィルムなどの、ポリマーパッケージ、あるいは、特殊紙及びTyvek(登録商標)とすることができる。好適な箔パッケージとしては、アルミニウム箔パッケージを挙げることができる。一部の実施形態では、このパッケージ材料は、材料のシートとして使用することができ、それらのシートを、手術用(例えば、眼)カバーの上方及び下方に配置して、次いで4辺をシールすることにより、パッケージが作り出される。他の実施形態では、3辺が既にシールされている、予め作製されたパウチが利用される。このパウチの内部に、手術用(例えば、眼)カバーを配置した後、第4の辺をシールすることにより、パッケージが形成される。このパッケージのシールは、熱シールによって(すなわち、シールを形成するために、熱及び圧力を適用することによって)実現することができ、又は、接着剤シーラント(例えば感圧性接着剤シーラント又は低温シールシーラント)の使用を、そのパッケージをシールするために用いることもできる。典型的には、熱シールが使用される。更には、多孔性パッケージを含むパッケージシステムを使用することができ、この多孔性パッケージは、次いで、箔パッケージなどの、非多孔性パッケージ内に配置される。箔パッケージは、使用前の水分の損失を防止するものであり、多孔性パッケージは、使用の間の容易な取り扱いを可能にする。
材料
実施例で利用した材料を、表1及び表2に示す。
Figure 0006829516
Figure 0006829516
試験方法
引張試験方法
パーセント伸長率を、試験されるバッキングの特性に応じて、20kgf(196N)のロードセルを備える、Kratos Industrial Equipment Ltda.(BR)より入手可能な万能試験機、モデルK2000MPを使用して測定するものとし、ゲージ距離及びカート速度を、以下の表3に記載されるように、バッキングの特性に従って設定した。試料のサイズは、(表3で説明されるように)長さ20〜100mm×幅25.4mmとした。
延伸剥離試験方法
ASTM D3330M−90に基づいて試験を行ったが、ただし、剥離は、180度の代わりに0度で実行するものとした。これは、延伸剥離の取り外しプロセスをシミュレートして評価するためであった。また、各実施例の試験材料も、長さ50mm×幅19mmにサイズ設定し、ステンレス鋼の試験表面の代わりに、ポリウレタン弾性発泡体の基材に貼り付けた。このポリウレタン弾性発泡体は、実施例の材料を延伸剥離で取り外す間、ステンレス鋼よりも良好にヒトの皮膚をシミュレートするものであった。このポリウレタン弾性発泡体は、3M Company(St.Paul,MN)より入手可能な、3M TEGADERM HIGH PERFORMANCE FOAM ADHESIVE DRESSING,Medium Oval、パッドサイズ4インチ×4−1/2インチ(10cm×11cm)、製品番号90613で使用されている発泡体パッドと同じ材料とした。このポリウレタン弾性発泡体を、3M Medical Materials and Technologies(St.Paul,MN)より入手可能な両面接着テープ、3M(商標)透明ポリエチレン両面被覆テープ9889を使用して、ステンレス鋼の計器表面に接着するものとした。ポリウレタン弾性発泡体の「皮膚」向き側を、試験表面として使用し、反対側を、9889両面テープを使用して、ステンレス鋼の計器表面に接着した。
Figure 0006829516
試験結果
引張強度、パーセント伸長率、及び延伸剥離
引張試験方法に従って実施例を試験することにより、重量キログラム/インチ(kgf/インチ)での引張強度、及び破断点パーセント伸長率(%)を判定した。実施例1〜実施例4は、本開示の形状適合性ポリマーフィルムとして使用することが可能な、少なくとも100%のパーセント伸長率を有する、比較的弾性のバッキングを表す。実施例5〜実施例9は、本開示の引き込み部材の材料として使用することが可能な、100%未満のパーセント伸長率を有する、比較的非弾性の材料を表す。試験結果を、表4〜表6に要約する。
Figure 0006829516
実施例1〜実施例4、及び実施例9に関する結果は、10個の複製の平均値である。
Figure 0006829516
実施例1、実施例3、及び実施例4に関する結果は、10個の複製の平均値である。実施例2は、9個の平均値とした。
Figure 0006829516
実施例5〜実施例7、及び実施例9に関する結果は、10個の複製の平均値である。実施例8は、9個の平均値とした。
(付記)
(付記1)
手術部位カバーであって、
形状適合性ポリマーフィルム層の主表面上に配設された、感圧性皮膚接触接着剤層を含む、接着剤被覆フィルムを備えており、
前記接着剤被覆フィルムが、手術部位を露出させるための、好適なサイズの開口部又は周縁部を含み、
少なくとも1つの引き込み部材の第1の端部部分が、前記開口部又は前記開口部の周縁部の近位で、前記形状適合性ポリマーフィルムに恒久的に取り付けられており、
前記引き込み部材の反対側の端部部分が、取り付け部材を備えている、手術部位カバー。
(付記2)
前記開口部が、前記接着剤被覆フィルムを貫通する、スリット、又はスリットを形成する穿孔である、付記1に記載の手術用眼カバー。
(付記3)
前記形状適合性ポリマーフィルムが、以下の特性、
i)1000重量グラム/インチ未満のF 10 値、
ii)5重量グラム/インチ未満のハンドルオメータ値、
iii)200%を超える最大伸長率、及び
iv)5%又は10%の伸長率に関する1kgf/インチ(2.54cm)以下の引張強度、
のいずれか1つ又は組み合わせによって特徴付けられる、付記1、2に記載の手術用眼カバー。
(付記4)
前記引き込み部材が、以下の特性、
i)前記形状適合性ポリマーフィルムよりも大きいF 10
ii)前記形状適合性ポリマーフィルムよりも大きいハンドルオメータ値、
iii)100%未満の最大伸長率、及び
iv)5%又は10%の伸長率に関する少なくとも2kgf/インチの引張強度、のいずれか1つ又は組み合わせによって特徴付けられる、付記1〜3に記載の手術用眼カバー。
(付記5)
前記引き込み部材が、繊維を使用した補強材を任意選択的に含む、ポリマーフィルム若しくは繊維性材料の細片又はそれらの組み合わせを含む、付記1〜4に記載の手術用眼カバー。
(付記6)
前記開口部の対向する各側に、少なくとも1つの引き込み部材を備えている、付記1〜5に記載の手術用眼カバー。
(付記7)
前記開口部の同じ側又は同じ前記周縁部に、少なくとも2つの引き込み部材を備えている、付記1〜6に記載の手術用眼カバー。
(付記8)
前記取り付け部材が、感圧性接着剤又は機械的締結具である、付記1〜7に記載の手術用眼カバー。
(付記9)
前記取り付け部材の近位の、前記引き込み部材の前記端部に、非接着性タブを更に備えている、付記1〜7に記載の手術用眼カバー。
(付記10)
前記感圧性皮膚接触接着剤層と接触している、取り外し可能な剥離ライナを更に備えている、付記1〜9に記載の手術用眼カバー。
(付記11)
前記手術部位カバーの周辺部に、恒久的又は取り外し可能な支持枠を更に備えている、付記1〜10に記載の手術用眼カバー。
(付記12)
前記手術用眼カバーが、前記手術部位カバーの前記周辺部に結合された、不織布ドレープを更に備えている、付記1〜11に記載の手術用眼カバー。
(付記13)
前記手術部位カバーが、引き込まれた皮膚組織の周囲の延長部を包み込むために好適な非接着性延長部を含まない、付記1〜12に記載の手術用眼カバー。
(付記14)
前記手術部位カバーが、引き込まれた皮膚組織の周囲の延長部を包み込むために好適な非接着性延長部を更に備えている、付記1〜12に記載の手術用眼カバー。
(付記15)
前記接着剤被覆フィルムが、60%〜240%の範囲の伸長率に関して、1.34kgf/19インチ以下の延伸剥離強度を有する、付記1〜14に記載の手術用眼カバー。
(付記16)
前記手術部位カバーが、手術用眼カバーである、付記1〜15に記載の手術部位カバー。
(付記17)
手術部位カバーキットであって、
接着剤被覆フィルムを備え、当該接着剤被覆フィルムは、
形状適合性ポリマーフィルム層の主表面上に配設された、感圧性皮膚接触接着剤層、
手術部位を露出させるための、好適なサイズの開口部、
任意選択的に、前記手術部位カバーの周辺部の、恒久的又は取り外し可能な支持枠を含み、
前記手術部位カバーキットは、
前記接着剤被覆フィルムに取り付けるための第1の取り付け部材を含む第1の端部部分、及び反対側の端部部分の第2の取り付け部材を含む、少なくとも1つの引き込み部材を備えている、手術部位カバーキット。
(付記18)
手術部位カバーキットであって、
手術部位に境界を形成するための、好適なサイズ及び形状の周縁部を有する、少なくとも2つの接着剤被覆フィルムであって、各接着剤被覆フィルムが、
形状適合性ポリマーフィルム層の主表面上に配設された、感圧性皮膚接触接着剤層、及び
任意選択的に、前記手術部位カバーの周辺部の支持枠を含む、
少なくとも2つの接着剤被覆フィルムと、
前記接着剤被覆フィルムに取り付けるための第1の取り付け部材を含む第1の端部部分、及び反対側の端部部分の第2の取り付け部材を含む、少なくとも1つの引き込み部材と、
を備えている、手術部位カバーキット。
(付記19)
付記1〜16のいずれか一項又は組み合わせによって更に特徴付けられる、付記17、18に記載の手術部位カバーキット。
(付記20)
手術部位カバーを適用する方法であって、
付記1〜16に記載の手術部位カバー又は付記17〜19に記載の手術用カバーキットを準備することと、
前記開口部又は周縁部が前記手術部位に隣接するように、前記感圧性皮膚接触接着剤層を皮膚組織に付着させることと、
を含む、方法。
(付記21)
前記手術用カバーキットが準備される場合、前記感圧性皮膚接触接着剤層を前記皮膚組織に付着させる前又は付着させた後に、前記引き込み部材が、前記開口部又は周縁部の近位で、前記接着剤被覆フィルムに取り付けられる、付記20に記載の方法。
(付記22)
前記引き込み部材に力を加えることによって、前記手術部位に隣接する皮膚組織を引き込むことを更に含む、付記20、21に記載の方法。
(付記23)
前記引き込み部材の前記取り付け部材を固定することによって、前記引き込みを維持することを更に含む、付記22に記載の方法。
(付記24)
前記方法が、前記手術部位に隣接する前記皮膚組織を引き込む目的のために利用される、検鏡又は他の機械的器具の非存在下で遂行される、付記20〜23に記載の方法。
(付記25)
前記接着剤被覆フィルムの前記主表面の平面に対して45度未満の角度で、剪断力から剥離力までの範囲の力を加えることによって、前記手術部位カバーを取り外すことを更に含む、付記20〜24に記載の方法。
(付記26)
前記手術用カバーが、手術用眼カバーである、付記20〜25に記載の方法。
(付記27)
前記感圧性皮膚接触接着剤が、少なくとも睫毛列、及び任意選択的に眼瞼縁を隔離する、付記26に記載の方法。
(付記28)
前記引き込み部材に力を加えることによって、少なくとも上眼瞼が引き込まれる、付記26及び27に記載の方法。

Claims (10)

  1. 手術部位カバーであって、
    形状適合性ポリマーフィルム層の主表面上に配設された、感圧性皮膚接触接着剤層を含む、接着剤被覆フィルムを備えており、
    前記接着剤被覆フィルムが、手術部位を露出させるための、好適なサイズの開口部又は周縁部を含み、
    少なくとも1つの引き込み部材の第1の端部部分が、前記開口部又は前記開口部の周縁部の近位で、前記形状適合性ポリマーフィルムに恒久的に取り付けられており、
    前記少なくとも1つの引き込み部材の反対側の端部部分が、取り付け部材を備え、前記少なくとも1つの引き込み部材が、前記形状適合性ポリマーフィルムよりも形状適合性が低いポリマーフィルム又は繊維性材料を含み、
    前記形状適合性ポリマーフィルムが、以下の特性、
    i)1000重量グラム/インチ未満のF10値、
    ii)5重量グラム/インチ未満のハンドルオメータ値、
    iii)200%を超える最大伸長率、及び
    iv)5%又は10%の伸長率に関する1kgf/インチ(2.54cm)以下の引張強度、
    のいずれか1つ又は組み合わせによって特徴付けられる、手術部位カバー。
  2. 前記開口部が、前記接着剤被覆フィルムを貫通する、スリット、又はスリットを形成する穿孔である、請求項1に記載の手術部位カバー。
  3. 前記引き込み部材が、以下の特性、
    i)前記形状適合性ポリマーフィルムよりも大きいF10
    ii)前記形状適合性ポリマーフィルムよりも大きいハンドルオメータ値、
    iii)100%未満の最大伸長率、及び
    iv)5%又は10%の伸長率に関する少なくとも2kgf/インチの引張強度、のいずれか1つ又は組み合わせによって特徴付けられる、請求項1又は2に記載の手術部位カバー。
  4. 前記引き込み部材が、繊維を使用した補強材を任意選択的に含む、ポリマーフィルム若しくは繊維性材料の細片又はそれらの組み合わせを含む、請求項1〜3に記載の手術部位カバー。
  5. 前記開口部の対向する各側に、少なくとも1つの引き込み部材を備えている、請求項1〜4に記載の手術部位カバー。
  6. 前記開口部の同じ側又は同じ前記周縁部に、少なくとも2つの引き込み部材を備えている、請求項1〜5に記載の手術部位カバー。
  7. 前記取り付け部材が、感圧性接着剤又は機械的締結具である、請求項1〜6に記載の手術部位カバー。
  8. 前記取り付け部材の近位の、前記引き込み部材の前記端部に、非接着性タブを更に備えている、請求項1〜7に記載の手術部位カバー。
  9. 前記感圧性皮膚接触接着剤層と接触している、取り外し可能な剥離ライナを更に備えている、請求項1〜8に記載の手術部位カバー。
  10. 前記手術部位カバーの周辺部に、恒久的又は取り外し可能な支持枠を更に備えている、請求項1〜9に記載の手術部位カバー。
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