JP6827847B2 - 洗浄機能付き単一細胞解析装置 - Google Patents

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Description

本発明は、単一細胞についての遺伝子発現解析を可能とする単一細胞解析装置及び単一細胞解析システム、並びにそれを用いた単一細胞解析方法に関するものである。
近年、多数の細胞から構成される生体組織のゲノム解析、遺伝子発現解析又はタンパク質解析を行う際に、個々の細胞のゲノムや遺伝子発現、タンパク質の違いに注目して解析する単一細胞解析の重要性が認識され始めている。従来の解析では、生体組織から採取した多数の細胞を1つのサンプルとして核酸(DNA、RNA等)を抽出して解析を行う。しかし、この方法では含まれる細胞の平均データしか得ることができず、個々の細胞中のDNAやRNAの存在量が平均値から乖離していたとしても評価することが困難であった。
そこで特許文献1で用いられているような、アレイデバイスを用いることで、細胞1つずつの遺伝子解析を行うことが近年進められている。特許文献1では細胞を1個ずつ捕捉可能な孔を複数備えたアレイデバイスを用いて、細胞1個ずつの遺伝子解析を可能にしている。また、遺伝子解析を行うにあたって、デバイス中に複数の試薬を連続的に導入することで、遺伝子解析を行うための反応をデバイス中で行うことが可能である。
細胞を1個ずつ個別に分離する方法として他にも特許文献2のように細胞捕捉用プレートに細胞懸濁液を流し、捕捉孔に固定する方法などが存在する。
国際公開WO2016/038670号 米国特許出願公開US2010/0240041A1
特許文献1によると、単一細胞解析を行う際にはアレイデバイス上へ細胞懸濁液を分注し、細胞1個ずつを細胞捕捉孔へ捕捉する必要がある。細胞捕捉孔に単一に捕捉された細胞が単一細胞解析の被検対象として扱われる(以下、捕捉された細胞を捕捉細胞と呼ぶ)。この際に捕捉孔へ捕捉されない余分な細胞(以下、余分細胞)がデバイス上に存在すると、余分細胞から放出される核酸が被検対象である捕捉細胞の核酸に混入し、捕捉細胞の遺伝子発現解析を行う際のノイズとなる可能性がある。よって、遺伝子発現解析の際には余分細胞をデバイス上から除去できればさらなる解析精度の向上が可能となる。また、特許文献1では遺伝子発現解析に必要な試薬を少なくとも2種類以上、順番に分注するが、デバイス上でそれぞれの試薬が混合してしまうと、阻害反応が発生し、反応効率が低下する可能性もある。よってデバイス上で細胞と試薬を反応させる際には反応1回ごとにデバイス中を洗浄し、残存する試薬を除去することが反応効率上昇の点で望ましい。
特許文献2では余分細胞を回収する技術が実施例として記載されている。この特許文献では余分細胞の回収を行うためにプレート上部に別の流路を設置し、余分細胞の回収を行っている。しかし、この手法では流路全体を満たすために多量の洗浄液が必要になるという課題がある。また、プレート全体の大きさも小型化できないため、反応のための試薬も多量に必要になるという課題が想定される。
上記課題を解決するために、本発明では、単一細胞解析装置における基板に、従来の細胞捕捉用の孔とは別に、余分細胞を除去するための洗浄用の孔を設置し、さらに基板の下部に洗浄用の流路と洗浄用の吸引装置を設置する。細胞捕捉用の吸引装置と洗浄用の吸引装置はそれぞれ独立に制御することが可能であり、これら2つの吸引装置をそれぞれ起動・停止することでデバイス中の2種類の流路に自由に溶液を流すことが可能になる。単一細胞解析に不要な余分細胞は洗浄用の孔及び流路を通して解析用装置外に排出される。同様に順次分注される複数の試薬についても反応ごとに解析用チップの洗浄を行うことが可能になる。解析用チップの細胞捕捉状況や洗浄状況はチップ上部に設置された観察用カメラでモニタリングし、必要に応じて洗浄液の追加分注や洗浄液の吸引を行う。
本発明によれば、単一細胞解析を行う際に、解析に不要な余分細胞を装置上から除去することができ、これにより遺伝子発現解析における解析感度を向上させることが可能になる。また、装置上に順次分注していく数種類の試薬を反応ごとに洗浄することができるため、試薬同士の混合による阻害反応の発生を抑制でき、遺伝子発現解析の感度向上が可能になる。さらに、過剰な細胞数を含むサンプルを装置上に滴下することができるため、細胞捕捉効率を向上させると共に、サンプル調製が容易になる。
洗浄機能付き単一細胞解析装置の一例の断面図である。 洗浄機能付き単一細胞解析用チップとその断面図である。 核酸捕捉用ビーズ及びDNAプローブの拡大図である。 洗浄機能付き単一細胞解析システム(実施例2)の全体概略図である。 洗浄機能付き単一細胞解析システムの操作フローを示す。 図5の操作フロー(a)におけるシステム状態説明図である。 図5の操作フロー(b)におけるシステム状態説明図である。 図5の操作フロー(c)におけるシステム状態説明図である。 図5の操作フロー(d)におけるシステム状態説明図である。 単一細胞解析用チップのPCR増幅反応における一実施形態を示す概略図である。 洗浄機能向上に向けた応用例の実形形態を示す概略図(実施例3)である。 洗浄機能向上に向けた応用例の実施形態を示す概略図(実施例4)である。
本発明は、生体組織から一細胞レベルの分解能で遺伝子発現解析を行う(単一細胞解析)ことを最終目的として、複数の細胞を含むサンプルから単一細胞を個々に捕捉し、一細胞内の核酸をそれぞれ高効率かつ高精度に捕捉するための装置、システム及び方法を提供する。より具体的には、本発明は、単一細胞解析を行う際に、不必要な余分細胞を除去し、遺伝子解析発現に必要な数種類の試薬が互いに混合し合うのを防ぎ、必要に応じて単一細胞解析装置の洗浄を行うことを可能にする技術であり、本明細書中「洗浄機能付き単一細胞解析装置」又は「洗浄機能付き単一細胞解析システム」ともいう。
本明細書において「遺伝子発現解析」とは、サンプル(細胞、組織切片など)における遺伝子、すなわちターゲットになる被検核酸の発現を定量的に分析すること、サンプルにおける遺伝子(被検核酸)の発現分布を分析すること、サンプルにおける特定の細胞と遺伝子(被検核酸)発現量との相関データを得ることを意味する。サンプルは、遺伝子発現を解析しようとする生体由来サンプルであれば特に限定されるものではなく、細胞サンプル、組織サンプル、液体サンプルなどの任意のサンプルを用いることができる。また、サンプルの由来となる生体も特に限定されるものではなく、脊椎動物(例えば哺乳類、鳥類、爬虫類、魚類、両生類など)、無脊椎動物(例えば昆虫、線虫、甲殻類など)、原生生物、植物、真菌、細菌、ウイルスなどの任意の生体に由来するサンプルを用いることができる。
本発明において、「核酸の捕捉」とは、細胞内に含まれる核酸分子を抽出して、他の細胞成分と分離することを意味し、好ましくはそのような核酸分子を固定することを意味する。
本発明において捕捉又は解析する対象となる核酸は、特に限定されるものではなく、メッセンジャーRNA(mRNA)、非コードRNA(ncRNA)、microRNA、ゲノムDNA、及びそれらの断片などが含まれる。
一態様において、本発明に係る単一細胞解析装置は、
基板と、
前記基板の一面に設けられた複数の細胞捕捉孔と、
前記細胞捕捉孔それぞれについて捕捉された単一細胞から抽出される核酸を捕捉する核酸捕捉体が備えられ、前記細胞捕捉孔の近傍に配置される核酸捕捉領域と、
前記基板の一面に設けられた第二の孔と
を備え、第二の孔は前記細胞捕捉孔よりも大きいものである。
本発明に係る単一細胞解析装置は、基板上に、従来の単一細胞を捕捉するための孔とは別に、余分細胞や試薬を排出するための第二の孔が設置されている。基板の一面に複数の細胞捕捉孔が設けられ、細胞捕捉孔の近傍に核酸捕捉領域が設けられているデバイス(いわゆる二次元アレイ)は、特許文献1、WO2014/141386号などに記載の通り、当該技術分野において公知である。
例えば基板は、当該技術分野で一般的に使用されている材料で作製されたものであれば特に限定されるものではない。その材料としては、例えば、金、銀、銅、アルミニウム、タングステン、モリブデン、クロム、白金、チタン、ニッケル等の金属;ステンレス、ハステロイ、インコネル、モネル、ジュラルミン等の合金;シリコン;ガラス、石英ガラス、溶融石英、合成石英、アルミナ、サファイア、セラミクス、フォルステライト及び感光性ガラス等のガラス材料;ポリエステル樹脂、ポリスチレン、ポリエチレン樹脂、ポリプロピレン樹脂、ABS樹脂(Acrylonitrile Butadiene Styrene樹脂)、ジメチルポリシロキサン(PDMS)、サイクリックポリオレフィン、ナイロン、アクリル樹脂、フッ素樹脂、ポリカーボネート樹脂、ポリウレタン樹脂、メチルペンテン樹脂、フェノール樹脂、メラミン樹脂、エポキシ樹脂及び塩化ビニル樹脂等のプラスチック;アガロース、デキストラン、セルロース、ポリビニルアルコール、ニトロセルロース、キチン、キトサンが挙げられる。基板に用いる材料は、疎水性材料であることが好ましく、それにより細胞や試薬などの吸着を低減することができる。
基板の上部には、サンプル又は試薬を分注するための反応領域が備えられていることが好ましい。例えば、基板と同じ材料又は異なる材料で分離壁を設けることで、反応領域を設定することができる。このように反応領域を設けることで、後述する負圧の印加(吸引)の効果をより引き出すことができる。
なお、基板及び反応領域には、捕捉されなかった細胞(余分細胞)、試薬、他の物質(核酸やタンパク質など)が吸着しないように、表面コーティング(疎水性処理)を行うことが好ましい。
また、基板は、装置から取り外し可能なものであることが好ましい。この場合、核酸の捕捉後又は捕捉した核酸の相補鎖合成後に基板を装置から取り外し、それ以降の操作を別の場所で、例えば溶液中や温度制御可能な条件下で、行うことが可能となる。
基板の一面に細胞捕捉孔及び第二の孔を設け、該細胞捕捉孔の近傍に、好ましくは細胞捕捉孔に隣接して、核酸捕捉体を備えた核酸捕捉領域を設ける方法も公知である。装置の簡素化を考慮すると、基板の内部に核酸捕捉領域が設けられていることが好ましい(例えば図1など)。
細胞捕捉孔の大きさは、捕捉しようとする細胞のサイズよりも小さく、かつ後述するように基板の面に対して負圧を印加する(すなわち吸引する)ことができる程度の大きさを備えている必要がある。例えば1〜10μm、好ましくは1〜5μm、より好ましくは約3μmとすることができるが、捕捉対象の細胞の種類に応じて適宜変更する。基板上の細胞捕捉孔の配置及び間隔もまた捕捉対象の細胞の種類に応じて適宜変更することができ、各孔への単一細胞の捕捉を確実にかつ促進するために、細胞捕捉孔は一定の間隔で規則的に配置したり、又は互い違いに配置することができる。また、細胞捕捉孔は基板に対して垂直に設けることが好ましい。
第二の孔の大きさは、サンプルに含まれる細胞のサイズよりも大きく、また細胞捕捉孔の場合と同様に、基板の面に対して負圧を印加することができる程度の大きさを備えている必要がある。好ましくは、圧力を印加しない状態で細胞、試薬又は溶液が通過しない程度の大きさ、すなわち表面張力により液体が流れない程度の大きさとする。あるいは、後述する吸引制御装置により圧力を印加して、細胞や試薬の排出が不要な際には第二の孔から液体が流れないようにすることが好ましい。第二の孔の大きさは、例えば直径10〜100μm、好ましくは15〜150μm、より好ましくは約30μmとすることができるが、捕捉対象の細胞の種類に応じて適宜変更する。第二の孔の形状は特に限定されるものではなく、円形、楕円形、四角形、長方形、三角形、コの字型、くの字型などの形状とすることができる。
基板上の第二の孔の配置及び間隔は、細胞捕捉孔の配置に応じて適宜変更することができ、特定の配置及び間隔に限定されるものではない。例えば、第二の孔は、基板の一辺又は二辺又は三辺に、あるいは基板の全辺(周囲)に配置することができる。複数の第二の孔を一定の間隔で規則的に配置したり(例えば図2)、又は細胞捕捉孔と互い違いに配置することも可能である。第二の孔は、基板に対して必ずしも垂直に設ける必要はなく、基板に対して斜めに配置したり屈曲していてもよいが、負圧の印加(吸引)を考慮すると基板に対して垂直に設けることが好ましい。
捕捉されなかった余分細胞や試薬が第二の孔から排出されやすくするため、一実施形態では、基板において、細胞捕捉孔を第二の孔よりも高い位置に設けることができる(例えば図8)。例えば段差や傾斜を設けることにより実施することができる。別の実施形態では、第二の孔の周囲の基板の表面を親水性処理することができる(例えば図9の(b))。これらの実施形態では、余分細胞や試薬が第二の孔側へ流れやすく、細胞捕捉孔を含む反応領域への残留をさらに抑制することが可能となる。
また本発明の単一細胞解析装置は、細胞捕捉孔に接続された第一の流路と、第二の孔に接続された第二の流路をさらに備えてもよい。ここで第一の流路及び第二の流路には、それぞれ独立に吸引制御を行う第一の吸引装置及び第二の吸引装置が接続されることになる。つまり、第二の孔は、洗浄用流路と洗浄用吸引装置に接続されており、細胞捕捉孔に接続された流路と吸引装置とは独立して吸引を行うことが可能である。第一の吸引装置及び第二の吸引装置の独立した吸引制御によって、細胞の吸引、余分細胞の排出、捕捉された細胞からの核酸抽出、試薬の排出などの操作を適切に行うことができる。
流路もまた、当該技術分野で公知である。第一の流路は、核酸捕捉領域に隣接するのであれば、基板と一体化して設けてもよいし、又は別々に作製した後で接続してもよい。第一の流路を通じて、細胞捕捉孔への負圧の印加(吸引)や、核酸捕捉領域の溶液の排出などを行う。第二の流路もまた、基板と一体化して設けてもよいし、又は別々に作製した後で接続してもよい。第二の流路を通じて、第二の孔への負圧の印加(吸引)や、余分細胞の排出、試薬の排出などを行う。
核酸捕捉領域も特に限定されるものではない。核酸の捕捉効率を上げるためには、核酸捕捉体を備えた核酸捕捉領域として、表面積の大きい材料を用いることが好ましく、例えば、多数のビーズが充填された構造、多孔質構造、メッシュ構造などを採用することが好ましい。核酸捕捉体としてビーズを用いる場合には、樹脂材料(ポリスチレンなど)、酸化物(ガラスなど)、金属(鉄など)、セファロース、及びこれらの組み合わせなどからビーズを作製することができる。操作の簡便性から、磁性ビーズを使用することが好ましい。このような核酸捕捉体が核酸捕捉領域から漏出しないように細孔シート又は多孔質膜などを配置してもよい。
核酸捕捉体は、捕捉対象の核酸の種類に応じて適当なプローブ、好ましくは核酸分子と特異的に結合するプローブを有することができる。例えば、核酸がmRNAである場合には、ポリT配列を含むDNAプローブを用いることができる。ポリT配列を含むDNAプローブ、すなわちオリゴ(dT)は、常法により合成することができ、オリゴ(dT)の重合度は、mRNAのポリA配列とハイブリダイズして、mRNAをオリゴ(dT)が固定された核酸捕捉体に捕捉しうる重合度であればよい。例えば、10〜30塩基、10〜20塩基、10〜15塩基程度とすることができる。核酸が非コードRNA(ncRNA)、microRNA又はゲノムDNAである場合には、ランダム配列からなるDNAプローブ、特定の標的配列に対して相補的な配列を有するDNAプローブを用いることができる。また別法として、核酸の代わりにタンパク質や低分子化合物などの生体分子を捕捉することを目的とする場合には、これらの生体分子と特異的に結合する第1の結合性分子(抗体、アプタマー等)と、第1の結合性分子に結合した第1のDNAプローブを利用することができる。上記結合性分子とサンドイッチ状態で上記生体分子と結合する第2の結合性分子(上記結合性分子と同じ種類の分子であることが好ましく、例えば抗体、アプタマー等である)と、第2の結合性分子に結合した第2のDNAプローブを添加し、ターゲットとなる生体分子が存在する場合には、上記DNAプローブと第2のDNAプローブとがライゲーションし、その生体分子に特異的なリングプローブが形成される。この方法は近接ライゲーション法(Proximity Ligation Method)と呼ばれ、タンパク質に対応したDNAライブラリの構築に有用である。
DNAプローブには、捕捉対象の核酸を捕捉するための配列に加えて、増幅用の共通配列、細胞認識用タグ配列、分子認識用タグ配列などのうち1種以上を付加してもよい。例えば増幅用の共通配列をDNAプローブへ導入することで、後続の増幅工程(例えばPCR)においてこの配列を共通プライマーとして利用することができる。また細胞認識用タグ配列については、例えば5塩基のランダム配列を使用した場合、45=1024の位置又は領域を認識することが可能となる。すなわち、1度の操作で1024個の単一細胞について各細胞由来の核酸を識別しながら解析することができる。さらに、分子認識用タグ配列(例えば7塩基)をDNAプローブへ導入すると、47=1.6×105分子を認識することができるため、次世代シーケンサで得られる増幅産物についての核酸配列データから同じ細胞由来で同じ遺伝子の配列をもった増幅産物が、どの分子由来であるかを認識することが可能となる。つまり分子認識用タグ配列を利用して増幅バイアスの補正を行うことができるため、高精度な定量データを得ることができる。上記タグ配列については、例えばWO2014/141386号に詳細が記載されている。
プローブは、当技術分野で公知の任意の方法により核酸捕捉体に固定する。例えばビーズ表面、多孔質膜の表面又は内部などに、共有結合、イオン結合、物理吸着、生物学的結合(例えば、ビオチンとアビジン又はストレプトアビジンとの結合、抗原と抗体との結合など)を利用してプローブを固定することができる。また、スペーサー配列を介してプローブを核酸捕捉体に固定することも可能である。前記近接ライゲーションを用いた生体分子としてタンパク質や低分子化合物を処理する場合、前記第1の結合性分子を前記捕捉体に固定することも可能である。
上記構成を有する本発明の単一細胞解析装置は、第二の孔を備えるため、細胞捕捉孔に捕捉されずに余った余分細胞を簡便に取り除き、捕捉孔以外の反応領域に細胞が残存することを低減することができ、そのような残存した細胞から溶出した核酸(mRNAなど)が核酸捕捉領域に混入する影響を低減することができる。すなわち、複数の細胞を含むサンプル(細胞懸濁液)から、単一細胞由来の核酸をそれぞれ別個の核酸捕捉領域に確実に捕捉することができ、単一細胞解析の解析感度を向上することができる。
また上記構成を有する本発明の単一細胞解析装置は、第二の孔を備えるため、基板上から使用後の試薬を排出することができ、基板上への試薬の残留による他の反応への影響や複数の試薬の混合を回避することができる。これにより、核酸の捕捉や遺伝子解析の反応効率を向上し、単一細胞解析の解析感度を向上することができる。
また上記構成を有する本発明の単一細胞解析装置は、第二の孔を備えるため、細胞捕捉孔に捕捉されずに余った余分細胞を簡便に排出することができることから、多くの細胞を含むサンプルを分注することで、細胞捕捉孔のほぼすべてに細胞を捕捉することができる。また、従来は基板上の細胞捕捉孔の数よりも少ない数の細胞を分注するために精度の高いサンプル調整が必要であったが、そのような操作が不要となり、操作全体が簡略化される。
別の態様において、本発明に係る単一細胞解析システムは、
前記単一細胞解析装置と、
観察装置と、
分注装置と、
吸引装置と
を備える。
観察装置は、基板上を観察することができる装置であれば任意のものを使用することができる。例えば、光学顕微鏡、位相差顕微鏡、蛍光顕微鏡などを用いることができる。観察装置により、基板上の細胞捕捉孔への細胞の捕捉状況、余分細胞の基板又は反応領域への吸着、捕捉された細胞の細胞溶解状況などを観察して、操作の完了又は操作の反復を決定することができる。
分注装置は、当該技術分野で公知であり、特に限定されるものではない。例えば、サンプル(細胞懸濁液)、試薬、洗浄液などを収容し分注する収容分注器を用いることができる。またこの分注装置は、サンプル(細胞懸濁液)、試薬、洗浄液などを分注する量を制御する手段(例えば、分注用加圧器など)を備えていてもよい。
吸引装置は、当技術分野で公知であり、流路を通してそれぞれ細胞捕捉孔又は第二の孔に対して圧力(例えば負圧)を印加することができるものであれば特に限定されるものではない。例えば、手動ポンプ、自動ポンプ、シリンジ、バキュームなど、当技術分野で慣用的に使用されているものを使用することができる。
本発明に係る単一細胞解析システムはさらに、各装置を制御する手段(PCなど)、温度調節装置、廃液容器などを有してもよい。
上記構成を有する本発明のシステムは、第二の孔を備えるため、上述したような余分細胞の除去、試薬の排出が可能となり、反応効率及び解析精度を向上させることができる。また吸引装置を備え、細胞捕捉孔及び第二の孔への吸引制御を独立して行うことで、余分細胞の除去、試薬の排出の操作を簡便かつ確実に行うことが可能となる。
また別の態様において、本発明に係る単一細胞解析方法は、
上記単一細胞解析装置又は上記単一細胞解析システムの基板上にサンプルを分注し、細胞捕捉孔のそれぞれに単一細胞を捕捉する工程、
捕捉されなかった細胞を第二の孔から排出する工程、
必要に応じて洗浄液を前記基板上に分注し、洗浄液を第二の孔から排出する工程、
細胞溶解液を前記基板上に分注し、捕捉されたそれぞれの単一細胞から核酸を抽出し、抽出された核酸を核酸捕捉体に捕捉する工程、
必要に応じて洗浄液を前記基板上に分注し、洗浄液を細胞捕捉孔及び/又は第二の孔から排出する工程
を含む。
サンプルは、上述したように、複数の細胞を含む生体由来サンプルであれば特に限定されるものではない。サンプルの由来となる生体も特に限定されるものではなく、脊椎動物(例えば哺乳類、鳥類、爬虫類、魚類、両生類など)、無脊椎動物(例えば昆虫、線虫、甲殻類など)、原生生物、植物、真菌、細菌、ウイルスなどの任意の生体に由来するサンプルを用いることができる。サンプルは、本発明に係る装置、システム又は方法において使用する際に、流路を流れる形態である必要がある。そのため、サンプルが固形サンプル(例えば組織切片など)である場合には、固形サンプルを溶媒に溶解又は懸濁させることにより液体サンプルとすることが好ましい。また、サンプルが気体サンプル(例えば空気、呼気など)である場合には、気体サンプルに含まれる細胞を溶媒に懸濁させることにより液体サンプルとすることが好ましい。サンプルの調製方法は、当該技術分野において慣用的に行われており、当業者であれば容易に理解することができる。
まず、上記単一細胞解析装置又は上記単一細胞解析システムの基板上にサンプルを分注する。その際、細胞捕捉孔に対して負圧を印加(吸引)することで、細胞捕捉孔のそれぞれに単一細胞を捕捉する。このとき、第二の孔に接続された第二の吸引装置は吸引を行わない。必要に応じて、観察装置により細胞捕捉孔への細胞の捕捉が行われているかを確認し、必要に応じてサンプルを再度分注する。
続いて、捕捉されなかった細胞を第二の孔から排出する。このとき、細胞捕捉孔への負圧の印加は継続しつつ、第二の吸引装置に負圧を印加(吸引)することで、細胞捕捉孔に捕捉された細胞が保持されたまま基板上の余分細胞の排出を行うことができる。必要に応じて、観察装置により基板上の余分細胞の有無を確認する。
必要な場合(例えば余分細胞の残留、反応領域への余分細胞の吸着など)には、洗浄液を基板上に分注し、洗浄液を第二の孔から排出する。このときも、細胞捕捉孔への負圧の印加は継続しつつ、第二の吸引装置に負圧を印加(吸引)することで、細胞捕捉孔に捕捉された細胞が保持されたまま基板上の余分細胞及び洗浄液の排出を行うことができる。使用する洗浄液は細胞及び反応への影響が少ないものが好ましいが、特に限定されるものではない。例えば生理食塩水、適当な溶媒、緩衝液(PBS等)を使用することができる。このように、単一細胞解析に必要な手順(細胞の捕捉や試薬による反応)などの途中で洗浄の工程を追加することで、余分細胞や試薬の洗浄及び除去を可能にする。
次いで、細胞溶解液を基板上に分注し、捕捉されたそれぞれの単一細胞から核酸を抽出する。この際、細胞捕捉孔へ負圧を印加(吸引)することで、抽出された核酸を核酸捕捉領域へ移動させ、核酸捕捉体に捕捉することができる。例えば、当技術分野で公知の細胞溶解薬を用いて細胞を溶解し、細胞に含まれる核酸を抽出することができる。例えば、タンパク質分解酵素、チオシアン酸グアニジン・グアニジン塩酸といったカオトロピック塩、Tween及びSDSといった界面活性剤、あるいは市販の細胞溶解用試薬(例えばLysis溶液)を用いて、細胞を溶解し、それに含まれる核酸、すなわちDNA及びRNAを溶出することができる。必要に応じて、観察装置により細胞溶解の状況を確認し、細胞溶解が十分でないときには細胞溶解液を再度分注する。
必要に応じて洗浄液を基板上に分注し、洗浄液を細胞捕捉孔及び/又は第二の孔から排出する。
本発明に係る単一細胞解析方法は、本発明に係る単一細胞解析装置又は単一細胞解析システムを用いることにより、複数の細胞を含むサンプルから個々の細胞捕捉孔に単一細胞のみを捕捉し、捕捉された細胞から、単一細胞由来の核酸を高効率かつ確実に捕捉することができる。
以下、実施例を用いて本発明をより詳細に説明するが、本発明はこれらの実施例に限定されるものではない。
[実施例1]
本実施例では、本発明の洗浄機能付き単一細胞解析装置の一例を説明する。
図1は、洗浄機能付き単一細胞解析装置の一例の断面図を表す模式図である。本装置は大きく分けて、単一細胞解析用チップ7(以下、解析用チップ)と解析用チップと密着して設置する多孔質膜8とそれら2部品を上下から挟み込む形で固定する流路壁6から構成され、2つの吸引装置(細胞捕捉用吸引装置11、洗浄用吸引装置12)に接続されている。解析用チップには細胞を捕捉するための細胞捕捉用孔3と解析用チップ上を洗浄するための洗浄用孔4が設置されている。細胞捕捉用孔3は一般的な細胞サイズよりも小さな径(1〜5マイクロメートル程、約3マイクロメートルが好ましい)とし、一方で洗浄用孔4は細胞が十分に通過できる径(15〜100マイクロメートル程、約30マイクロメートルが好ましい)とする。細胞捕捉用孔3の下部には細胞内の核酸を捕捉するための核酸捕捉用ビーズ5が設置されている。細胞捕捉用孔3及び核酸捕捉用ビーズ5の下部には細胞捕捉用流路9が接続されており、さらにその直後には細胞捕捉用吸引装置11が接続されている。同様に、洗浄用孔4の下部には洗浄用流路10が接続されており、さらにその直後には洗浄用吸引装置12が接続されている。細胞捕捉用流路9と洗浄用流路10は互いに独立しており、流路が合流することはない。また、細胞捕捉用吸引装置11と洗浄用吸引装置12も互いに独立しており、それぞれ独立して起動・停止の制御を行うことが可能である。
本装置使用者は被検対象である細胞を含んだ溶液(以下、細胞懸濁液)を解析用チップ7上部に分注する。その後、細胞捕捉用吸引装置11を起動することで、細胞捕捉用流路9を通して細胞懸濁液の吸引を行う。細胞懸濁液中の細胞は細胞捕捉用孔3に捕捉される(以下、捕捉された細胞を捕捉細胞1と呼ぶ)。また、捕捉細胞1以外にも、捕捉されずに解析用チップ上の流路壁などに余った細胞も存在する(以下、余った細胞を余分細胞2と呼ぶ)。余分細胞に含まれる核酸は本装置における遺伝子発現解析において解析感度を下げる原因となる。十分に捕捉細胞が確保できた後に、余分細胞を除去するため、洗浄用吸引装置12を起動し、洗浄用流路10を通して余分細胞を吸引し排出する。これにより、解析用チップ上には捕捉細胞1のみが残存する状態を可能にする。その後、遺伝子発現解析を行うための数種類の試薬(例えば細胞膜を破壊するためのLysisバッファ、逆転写反応に必要なRT試薬など)を順次滴下し、解析用チップ上で遺伝子解析発現に必要な反応を行う。この際に数種類の試薬の混合を防ぐため、必要に応じて洗浄用流路10を利用して解析用チップの洗浄を行う。予定されていた全ての反応が終了後、装置から解析用チップを取り外し、遺伝子発現解析に必要な操作(例えばPCR増幅やDNA配列シーケンシングなど)を行う。
図2は、洗浄機能付き単一細胞解析用チップの拡大図とその断面図である。上図は解析用チップの上面図であり、下図は上図のA-A'における断面図である。解析用チップ7は大きさが例えば数ミリメートル四方のものであり、その中央部には細胞捕捉用孔3が例えば数十〜数百個設置されている。また、細胞捕捉用孔3の周囲には洗浄用孔4が例えば数〜数十個設置されている。細胞捕捉用孔3の下部には細胞内の核酸を捕捉するための核酸捕捉用ビーズ5が設置されている。核酸捕捉用ビーズ5が解析用チップから流出するのを防ぐため多孔質膜8が解析用チップ7の下部に密着して設置されている。多孔質膜の材料はポリカーボネートが好ましいが、ポリフッ化ビニリデン、ナイロン、ポリエチレン等でも可能である。多孔質膜の孔のサイズは核酸捕捉用ビーズ5よりも小さなサイズ(50〜1000ナノメートル程、約500ナノメートルが好ましい)とする。多孔質膜の孔は中性子線にて加工されたポア形状が好ましいが、これに制限されるものではない。また、多孔質膜8は洗浄用孔4の下部には設置しないことが好ましい。細胞懸濁液に含まれる細胞は細胞捕捉用孔3に捕捉され、遺伝子発現解析に不必要な余分細胞2は洗浄用孔4を通じて排出される。
図3は、細胞捕捉用孔3と核酸捕捉用ビーズ5の拡大図及びDNAプローブ31の拡大図である。核酸捕捉用ビーズ5の表面には細胞から放出された被検核酸32を捕捉するためのDNAプローブ31が固定されている。固定は、例えばDNAプローブの5'末端にビオチン修飾を行い、予め核酸捕捉用ビーズ5の表面に固定させたストレプトアビジンと結合させることにより行うことができる。DNAプローブ31は3'末端にポリT配列を有し、被検核酸32(例えばmRNAなど)の3'末端のポリA配列とハイブリダイズすることにより被検核酸32を捕捉する。なお、mRNAに代えてmicroRNAなどを解析したい場合には、DNAプローブ31内のポリT配列を、解析対象の核酸とハイブリダイズする既知配列に変更してもよい。DNAプローブ31は核酸捕捉用ビーズ5に固定されている5'末端にPCR増幅用プライマー配列を有する。PCR増幅用プライマー配列は核酸増幅を行うために適切な長さの既知配列であれば特に限定されるものではなく、当業者であればそのような配列を適宜設計することが可能である。例えばPCR増幅用プライマー配列は10〜50塩基とすることができ、より具体的には15〜40塩基、15〜30塩基、又は15〜20塩基とすることができる。共通のプライマー配列をプローブに含めることによって、後の核酸増幅工程における増幅反応を簡便に実施することが可能になる。DNAプローブ31は解析用チップ7に複数存在する細胞捕捉用孔3ごとに異なる細胞認識配列を有し、それにより、後に分析した配列がいずれの細胞由来であるかを判別することが可能となる。例えば、細胞認識配列を5塩基のランダム配列にした場合には4の5乗、すなわち1024の細胞を識別することが可能となる。したがって細胞認識配列は識別すべき細胞捕捉用孔3の数に応じて任意に設定でき、具体的には5〜30塩基とすることができ、例えば5〜20塩基、5〜15塩基又は5〜10塩基の範囲とすることができる。
[実施例2]
本実施例では、本発明の洗浄機能付き単一細胞解析システムの一例を説明する。
図4は、洗浄機能付き単一細胞解析システムの全体概略図である。解析システムには図1で示した単一細胞解析装置の他に、解析用チップ上の細胞懸濁液及び試薬の様子や残量をリアルタイムでモニタリングする観察用カメラ41、単一細胞解析装置に細胞懸濁液、試薬及び洗浄液などを自動で分注するサンプル分注装置43、逆転写反応などを効率的に行うために単一細胞解析装置の温度を制御する温度調節装置44、これらを自動で制御するための制御用PC 42、廃液容器47が付属している。
解析用チップ7は1.8ミリメートル四方のポリジメチルシロキサン(PDMS)を成型によって厚さ100マイクロメートルで作製した。ただし解析用チップの素材はポリプロピレン、ポリスチレンなどの樹脂やシリコンウェハ等の微細加工でも作製することが可能である。細胞捕捉用孔3は直径3マイクロメートル、ピッチ125マイクロメートル間隔で解析用チップ上に100個設置した。細胞捕捉用孔3の下部には核酸捕捉用ビーズ5を充填できる空洞を直径75マイクロメートルで設置し、核酸捕捉用ビーズ5をインクジェットプリンタで分注した。核酸捕捉用ビーズ5のサイズは直径1マイクロメートルである。多孔質膜8は直径約500ナノメートルの細孔を有し、親水処理されており、水を透過するものを用いた。多孔質膜の素材はポリカーボネートが好ましいが、ポリフッ化ビニリデン、ナイロン、ポリエチレン等でも可能である。洗浄用孔4は直径30マイクロメートル、ピッチ300マイクロメートルで解析用チップ各辺に5個ずつ設置した。洗浄用孔の大きさは細胞が通過でき、且つ、水が表面張力で漏れないほどの大きさを目安とすることが望ましい(例えば15〜100マイクロメートルほど)。流路壁6はアクリルによって作製し、上下のアクリル製流路壁6によって解析用チップ7と多孔質膜8を挟み込んでネジで固定した。流路壁の素材はアクリルのほかにも、ポリプロピレンやポリスチレン、ポリテトラフルオロエチレンなどでも作製可能である。核酸捕捉用ビーズ5には予めストレプトアビジンが固定化されており、そこに5'末端がビオチン修飾されたDNAプローブ31を固定した。DNAプローブ31は5'末端から30塩基のPCR増幅用共通配列、5塩基の細胞認識配列、7塩基のランダム配列からなる分子認識配列、18塩基のオリゴ配列及び2塩基のVN配列を有するようにした。
図5は、洗浄機能付き単一細胞解析システムを使用する際の操作フロー表、図6は操作フロー時の状態を表した概略図である。図5の操作フローの(a)の状態は図6aと一致している。以下、図5の操作フローに沿って本実施例の洗浄機能付き単一細胞解析システムを説明していく。
(a)細胞懸濁液分注、細胞捕捉開始(図6a)
被検対象である細胞を含んだ細胞懸濁液をサンプル分注装置にセットし、制御用PCによって制御しながら単一細胞解析装置の解析用チップ上部に分注する。細胞懸濁液は10マイクロリットルほどを分注し、懸濁液内部に存在する細胞数は数百個ほどを目安にする。また、解析用チップ上部の様子は観察用カメラで常時モニタリングし、細胞捕捉用孔に細胞が捕捉される様子や余分細胞が解析用チップ上のどこにあるかを確認する。細胞懸濁液が任意の量分注できた後に、細胞捕捉用吸引装置を起動する。この際に洗浄用吸引装置は起動しない。細胞捕捉用吸引装置によって解析用チップ上に存在する細胞懸濁液は捕捉用流路を通して排出され始め、それに伴い細胞懸濁液中の細胞は細胞捕捉用孔に捕捉される。細胞懸濁液の残量は観察用カメラでモニタリングし、制御用PCに転送される。吸引途中で細胞懸濁液が足りなくなった場合は制御用PCを通してサンプル分注装置から自動的に細胞懸濁液が追加分注される。遺伝子発現解析に十分な数の細胞(例えば全細胞捕捉用孔のうち90%など)が細胞捕捉用孔に捕捉されればフロー(a)を終了する。
(b)細胞除去開始(図6b)
フロー(a)終了後、解析用チップ上には被検対象である捕捉細胞と不必要な余分細胞が存在する状態になる。この余分細胞の排出を行う。洗浄用吸引装置を起動し、解析用チップ上に残っている細胞懸濁液及び余分細胞を洗浄用孔を通して排出する。この際に捕捉細胞の流出を防ぐため、細胞捕捉用吸引装置は起動したままにする。余分細胞の排出状況は観察用カメラでモニタリングし、解析用チップ上及びチップ周囲の流路壁に余分細胞が残存していないか確認する。洗浄中に解析用チップ上の溶液が少なくなった場合にはサンプル分注装置から細胞に影響の少ない洗浄液(例えば生理食塩水やPBSなど)を追加分注する。排出された余分細胞は洗浄用吸引装置に接続されている廃液容器に廃棄される。観察用カメラで余分細胞が解析用チップ上から排出されたことを確認し、フロー(b)を終了する。
(c)試薬分注、反応開始(図6c)
フロー(b)終了後、解析用チップ上には細胞捕捉用孔に捕捉された被検細胞のみが残っている状態である。フロー(c)では遺伝子発現解析を行うための試薬を分注し、解析用チップ上で反応を行う。本実施例では細胞膜を破壊するLysisバッファを第一試薬として分注した。試薬の種類はこれに限られるものではなく本装置使用者の任意で選択することが可能である。全ての試薬は予めサンプル分注装置にセットしておく。観察用カメラでフロー(b)の終了を確認後、制御用PCを通して洗浄用吸引装置を停止させ、サンプル分注装置からLysisバッファを解析用チップ上に分注する。Lysisバッファによって捕捉細胞の細胞膜を破壊し、捕捉細胞内の被検核酸を細胞捕捉孔下部へ吸引する。被検核酸は核酸捕捉用ビーズの表面に固定されているDNAプローブに捕捉される。捕捉細胞の細胞膜が破壊されたかどうかを観察用カメラでモニタリングし、細胞膜の破壊が不十分な場合は制御用PCを通してサンプル分注装置がLysisバッファの追加分注を行う。全ての捕捉細胞が破壊されたのを確認し、フロー(c)を終了する。
(d)チップ洗浄開始(図6d)
フロー(c)終了後、解析用チップ上にはLysisバッファのみが残存している状態である。Lysisバッファが残存したまま第二試薬(本実施例では逆転写反応を行うためのRT試薬)を分注すると試薬同士が混合し、阻害反応が発生する。これを防ぐために、反応が終了した不必要なLysisバッファの除去、及び解析用チップ表面の洗浄をフロー(d)で行う。観察用カメラでフロー(c)の終了を確認後、細胞捕捉用吸引装置を停止する。その後、洗浄用吸引装置を起動し、解析用チップ上に残存しているLysisバッファを洗浄用孔を通して一度すべて排出する。排出が終了したことを観察用カメラで確認後、制御用PCを通してサンプル分注装置から洗浄液(例えば生理食塩水やPBSなど)を十分量分注し、さらにチップ表面の洗浄を行う。洗浄液の分注中も洗浄用吸引装置は吸引を続けていてもよい。また、核酸捕捉用ビーズの洗浄のために、細胞捕捉用吸引装置を起動して洗浄液を細胞捕捉用孔から細胞捕捉用流路に流してもよい。十分量(例えば数十マイクロリットル以上の洗浄液)の洗浄を確認後、洗浄液の分注を停止し、チップ上の洗浄液を全て排出した後、フロー(d)を終了する。
(c')試薬分注、反応開始(2工程目)(図6c)
本実施例では反応手順が全2工程存在するため、操作フロー表にしたがってもう一度、フロー(c)を行う。フロー(d)終了後、解析用チップ上には何も無い状態である。本実施例では第二試薬として逆転写反応を行うための逆転写酵素(RT)試薬を分注する。また、逆転写反応を行う際は解析用装置の温度を50℃に維持することが好ましいため、制御用PCを通して温度調節装置によって装置全体の温度を50℃に維持した。洗浄用吸引装置を停止し、細胞捕捉用吸引装置を起動し、サンプル分注装置によってRT試薬の分注を行う。任意の分量(例えば数マイクロリットル)を分注後、一度、細胞捕捉用吸引装置を停止し、逆転写反応が十分行われる時間(例えば50分)、温度を維持したまま静地する。逆転写反応の終了後、フロー(c')を終了する。
(d')チップ洗浄開始(2工程目)(図6d)
フロー(c')の終了後、チップ表面の洗浄を行うため、前述したフロー(d)と同様に洗浄を行う。十分量(例えば数十マイクロリットル以上の洗浄液)の洗浄を確認後、洗浄液の分注を停止し、チップ上の洗浄液を全て排出した後、フロー(d')を終了する。
以上で洗浄機能付き単一細胞解析システムを用いての操作は全て終了のため、解析装置から解析用チップを取り出し、PCR増幅に必要な反応をチューブ中で行う。図7は単一細胞解析用チップのPCR増幅反応における一実施形態を示す概略図である。図7に示すように、解析用チップ7を、PCR用試薬72の入ったチューブ71に入れ、解析用チップに捕捉されている被検核酸のPCR増幅反応を行う。PCR増幅反応終了後、DNA配列シーケンシングを行うことで細胞捕捉用孔ごとの一細胞の遺伝子発現量を解析することが可能になる。
[実施例3]
本実施例では効率的に洗浄を行うための単一細胞解析用チップの形状の応用例について説明する。いずれの形状であっても実施例2と同様の操作フローを行うことが可能であり、操作手順の変更はない。
図8は洗浄機能向上に向けたチップ構造の応用例の一つの概略図である。図8の(a)はチップ断面図であり、図8の(b)は装置全体の洗浄中の様子である。洗浄を行う際に洗浄液が最後まで排出されずに解析用チップ上(特に細胞捕捉用孔の付近)に残存すると、次に分注する試薬と混合し反応効率が低下する恐れがある。それを防ぐためには洗浄液の残存量をできるだけ少なくすることが好ましい。そこで、解析用チップの細胞捕捉用孔がある部分の厚みを洗浄用孔がある部分より分厚くすることで、洗浄液の残存量を低減することが可能になる。図8に示すように細胞捕捉用孔と洗浄用孔との間に段差を設けてもよいし、あるいは細胞捕捉用孔から洗浄用孔まで傾斜を設けてもよい。
[実施例4]
本実施例では効率的に洗浄を行うための単一細胞解析用チップの形状の別の応用例について説明する。いずれの形状であっても実施例2と同様の操作フローを行うことが可能であり、操作手順の変更はない。
図9は洗浄機能向上に向けた解析用チップの応用例の一つの概略図である。図9の(a)は洗浄用孔の形状に関する応用例であり、図9の(b)は洗浄用孔周辺の表面状態に関する応用例である。実施例1(図2)では洗浄用孔は直径20マイクロメートルの四角形を実施しているが、洗浄用孔の形状はそれに限られるものではなく、細胞の形状や種類に合わせて変更することが好ましいと考えられる。
例えば図9の(a)の左図のようなスリット型の洗浄用孔91(例えば20マイクロメートル×1ミリメートル)や、図9の(a)の右図のようなL字型洗浄用孔92が想定される。これらのように細胞種によって洗浄用孔の形状を変更することで、洗浄機能の向上が期待される。
また、図9の(b)のように洗浄用孔付近のチップ表面を親水化することで、洗浄液の残存量の低減が期待される。実施例1で用いた解析用チップはPDMSで作製されており、PDMSの表面は疎水性が高いことで知られている(例えば接触角100〜120度)。また、PDMSは表面をプラズマ処理することで部分的に親水化することが可能である。洗浄用孔93の付近のみ親水化処理することで、チップ表面に残存する洗浄液は親水性の高い洗浄用孔93の周囲に流れるようになる。これにより、洗浄液の残存量を低減することが可能になる。他の素材(ポリプロピレン、ポリスチレンなどの樹脂やシリコンウェハ等)で解析用チップを作成する場合においても表面の親水性の加工により同様の効果が期待できる。
1…捕捉細胞、2…余分細胞、3…細胞捕捉用孔、4…洗浄用孔、5…核酸捕捉用ビーズ、6…流路壁、7…単一細胞解析用チップ、8…多孔質膜、9…細胞捕捉用流路、10…洗浄用流路、11…細胞捕捉用吸引装置、12…洗浄用吸引装置
31…DNAプローブ、32…被検核酸
41…観察用カメラ、42…制御用PC、43…サンプル分注装置、44…温度調節装置、45…細胞捕捉用吸引装置、46…洗浄用吸引装置、47…廃液容器
71…チューブ、72…PCR用試薬
91…スリット型洗浄用孔、92…L字型洗浄用孔、93…表面親水化型洗浄用孔

Claims (11)

  1. 単一細胞解析装置であって、
    基板と、
    前記基板の一面に設けられた複数の細胞捕捉孔と、
    前記細胞捕捉孔それぞれについて捕捉された単一細胞から抽出される核酸を捕捉する核酸捕捉体が備えられ、前記細胞捕捉孔の近傍に配置される核酸捕捉領域と、
    前記基板の一面に設けられた第二の孔と、
    前記細胞捕捉孔に接続する第一の流路及び前記第二の孔に接続する第二の流路と
    を備え、前記第二の孔は前記細胞捕捉孔よりも大きく、
    前記第一の流路及び第二の流路には、それぞれ独立に吸引制御が行われる第一の吸引装置及び第二の吸引装置が接続されることを特徴とする単一細胞解析装置。
  2. 前記核酸捕捉体が、核酸を捕捉する核酸プローブが固定された核酸捕捉用ビーズである、請求項1に記載の単一細胞解析装置。
  3. 前記基板の上部に試薬を分注するための反応領域を備える、請求項1に記載の単一細胞解析装置。
  4. 前記基板が前記装置から取り外し可能なものである、請求項1に記載の単一細胞解析装置。
  5. 前記基板において、前記細胞捕捉孔が前記第二の孔よりも高い位置に設けられている、請求項1に記載の単一細胞解析装置。
  6. 前記第二の孔の周囲の前記基板の表面が親水性処理されている、請求項1に記載の単一細胞解析装置。
  7. 請求項1〜6のいずれか1項に記載の単一細胞解析装置と、
    観察装置と、
    分注装置と、
    吸引装置と
    を備え、前記単一細胞解析装置における第一の流路及び第二の流路にそれぞれ第一の吸引装置及び第二の吸引装置が接続され、前記第一の吸引装置及び前記第二の吸引装置がそれぞれ独立に吸引制御を行うことを特徴とする単一細胞解析システム。
  8. 単一細胞解析方法であって、
    請求項1〜6のいずれか1項に記載の単一細胞解析装置又は請求項7に記載の単一細胞解析システムの基板上にサンプルを分注し、細胞捕捉孔のそれぞれに単一細胞を捕捉する工程、
    捕捉されなかった細胞を第二の孔から排出する工程、
    細胞溶解液を前記基板上に分注し、捕捉されたそれぞれの単一細胞から核酸を抽出し、抽出された核酸を核酸捕捉体に捕捉する工程
    を含むことを特徴とする単一細胞解析方法。
  9. 前記単一細胞捕捉工程の後及び/又は前記捕捉されなかった細胞を第二の孔から排出する工程の後に、洗浄液を前記基板上に分注し、前記洗浄液を前記第二の孔から排出する工程をさらに含む、請求項8に記載の方法。
  10. 前記単一細胞捕捉工程の後、単一細胞の捕捉について基板上を観察る工程をさらに含む、請求項8に記載の方法。
  11. 前記核酸を核酸捕捉体に捕捉する工程の後に、洗浄液を前記基板上に分注し、前記洗浄液を前記細胞捕捉孔及び/又は前記第二の孔から排出する工程をさらに含む、請求項8に記載の方法。
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