JP6500119B2 - 細胞解析装置およびそれを用いた細胞解析方法 - Google Patents

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Description

本発明は遺伝子発現解析、細胞機能解析、生体組織の解析方法および病気の診断、創薬などの技術分野に関し、より具体的には単一細胞についての遺伝子解析を可能とする細胞解析装置およびそれを用いた細胞解析方法に関する。
再生医療の実用化研究、遺伝子解析によるがんや免疫関連の診断法の研究、あるいは多細胞生物の生命現象の基礎研究において、組織の平均としての遺伝子の発現量ばかりでなく、組織を構成する個々の細胞の中味を定量的に分析することが重要視され始めている。そのため、細胞を一つずつ取り出して種々遺伝子の発現量を定量的にモニターすることが望まれている。生体組織の中で活動する遺伝子mRNAを単一細胞レベルで計測する単一細胞解析を行うことができれば、生体内で起こっている種々現象を細胞間の相互作用も含めて詳細に知ることができるようになり、生命科学分野、特に医療あるいは創薬分野の研究と診断に大きな効果があると期待される。
単一細胞解析は、単一細胞毎の細胞中の生体分子を高精度に検出、定量する技術である。単一細胞解析を行うためには、細胞を個別処理するために単離し、細胞中の計測対象となる核酸を効率よく抽出し、cDNAを合成(逆転写)し、必要に応じて、PCR増幅して得られた産物を配列解析する必要がある。
特許文献1には、細孔アレーシートの細孔に個々の細胞を捕捉し、次いで細孔に固定され細孔ごとに異なるタグ配列を有するDNAプローブでその細胞の核酸を捕捉してcDNAを合成することにより、個々の細胞を識別可能な配列解析用の産物を得ることができるデバイスが開示されている。図1にそのようなデバイスの基本構成(特許文献1の図8に相当)を示す。
図1のデバイスにおいて、細胞1を含む細胞溶液はインレット6から導入する。多孔質膜2の上部領域4を細胞溶液で満たすため、上部アウトレット7から細胞溶液を吸引する。下部アウトレット8から溶液を吸引して負圧をかけると、細胞溶液は多孔質膜2を介して吸引され、細胞1は細胞捕捉部3に誘導される。細胞1は多孔質膜2の上に構築された格子状の細胞捕捉部3で捕捉され、細胞を破砕すると、その細胞中のmRNAは細胞の直下の多孔質膜中に固定されたポリTプローブによって捕捉される。
図1のようなデバイスを用いると、捕捉された細胞から抽出された核酸を、反応領域である多孔質膜内壁以外の領域にほとんど接触させることなく捕捉し、cDNAを合成することができる。そのため、反応に関連のないデバイスの内壁に核酸が吸着する確率を低く抑えて、高効率に配列解析のための産物を調製することができる。
国際公開第2014/020657号
図1のようなデバイスにおいて、核酸を効率よく捕捉するためには、多孔質膜2を構成する平均的な孔の直径は数μm以下である必要があり、特に1μm以下であることが望ましい。また、多孔質膜2の膜厚は10μm以上、特に数十μm以上であることが望ましい。しかし、そのような多孔質膜を用いると、細胞溶液を通過させる際の圧力損失が大きくなってしまう。圧力損失が大きいと、下部アウトレット8から溶液を吸引した際に吸引速度が低下することにより、細胞1が細胞捕捉部3に吸引される速度が低下する。そのため、比較的多くの細胞が重力により沈降し、細胞捕捉部3にたどり着く前に、その他のデバイス上の領域に留まってしまう現象がみられていた。図1中、9で示した細胞は、そのような細胞捕捉部3まで到達しなかった細胞の一例である。
細胞捕捉部3以外に細胞が留まってしまうことは、解析できる細胞の割合が低下するのみならず、付随した問題を引き起こす。すなわち、細胞から核酸を抽出する際には細胞を破砕する工程が必要となるが、その際に細胞捕捉部3以外の領域に存在する細胞も同時に破砕され、その細胞から抽出された核酸が複数の細胞捕捉部3に流入してしまい、正確な単一細胞解析が困難になるという問題が生じる。
上記のような問題は、核酸捕捉効率の向上を図って、多孔質膜2の孔の直径を小さくし、膜厚を大きくしたことによる圧力損失の増大が原因である。それゆえ、核酸捕捉効率の向上と細胞捕捉効率の向上がトレードオフの関係になっていることが本質的な課題である。
本発明者らは上述したような問題を検討した結果、毛細管現象により溶液を吸収可能であり、かつ負圧を印加することによりそれを排出可能な三次元多孔質体を利用することで、核酸捕捉効率の向上と細胞捕捉効率の向上の両方が図れることを見出した。本発明の要旨は以下のとおりである。
(1)細胞を1個ずつ捕捉可能な複数の細胞捕捉部と、各細胞捕捉部に対応して存在し、細胞捕捉部に捕捉された細胞から抽出された核酸を捕捉する核酸捕捉部を有する二次元アレイチップを備えた単一細胞解析用デバイスであって、
前記二次元アレイチップの核酸捕捉部に隣接して設けられた溶液保持部をさらに備え、前記溶液保持部は、毛細管現象により核酸捕捉部に滞留した溶液を吸収し、かつ負圧を印加することにより吸収した溶液を外部に排出可能な三次元多孔質体を有し、
前記溶液保持部は流路と隣接し、流路の一端に負圧を印加することにより、前記溶液保持部、核酸捕捉部および細胞捕捉部に負圧を印加可能に構成されている、前記デバイス。
(2)前記流路がデバイス外部に開放された吸気ポートと連通しており、流路の一端に負圧を印加することにより吸気ポートから外気が取り込まれ、その気流が前記溶液保持部を通過することにより溶液保持部から溶液が排出される、(1)に記載のデバイス。
(3)複数の二次元アレイチップおよび個々の二次元アレイチップに対応する溶液保持部を備え、前記流路が複数の溶液保持部を直列的に接続している、(2)に記載のデバイス。
(4)複数の二次元アレイチップおよび個々の二次元アレイチップに対応する溶液保持部を備え、前記流路が複数の溶液保持部を並列的に接続しており、前記吸気ポートが個々の溶液保持部ごとに複数設けられている、(2)に記載のデバイス。
(5)前記三次元多孔質体の表面に1μLの純水を滴下した際の液滴の吸収時間が10秒以内である、(1)〜(4)のいずれかに記載のデバイス。
(6)前記三次元多孔質体が、多孔質ガラス材、ガラス繊維集合体、またはガラスビーズ集合体である、(1)〜(4)のいずれかに記載のデバイス。
(7)前記核酸捕捉部が核酸を捕捉するための核酸プローブを有し、核酸プローブは細胞から抽出された核酸とハイブリダイズする核酸捕捉配列と、各細胞捕捉部に対応して異なる細胞認識配列とを有する、(1)〜(4)のいずれかに記載のデバイス。
(8)前記核酸捕捉部が、核酸プローブが固定されたビーズが充填された構造を有する、(7)に記載のデバイス。
(9)(1)または(2)に記載のデバイスを用いた単一細胞解析方法であって、前記二次元アレイチップの上を細胞溶液で満たす工程、および前記溶液保持部が隣接する流路の一端に負圧を印加することにより前記細胞捕捉部に負圧を印加し、前記細胞溶液を溶液保持部に吸収させるとともに、前記細胞捕捉部に単一の細胞を吸着させる工程を含む、前記方法。
(10)前記細胞捕捉部に吸着させた単一の細胞を、細胞捕捉部に負圧を印加した状態で破砕し、前記細胞から抽出された核酸を前記核酸捕捉部に捕捉させる工程をさらに含む、(9)に記載の解析方法。
(11)前記核酸捕捉部に捕捉された核酸とハイブリダイズする配列を有する第二の核酸プローブ、ならびに捕捉された核酸を鋳型とする相補鎖合成のための酵素および基質を核酸捕捉部に供給して相補鎖合成を行う工程をさらに含む、(10)に記載の解析方法。
本発明の単一細胞解析用デバイスにより、核酸捕捉部における核酸捕捉効率を維持しつつ、細胞捕捉部が細胞を捕捉する効率を従来よりも向上させることに成功した。その結果、従来のデバイスよりも高効率に単一細胞解析用のサンプルを調製することが可能となった。
本発明の関連技術である、特許文献1に記載のデバイスの基本構成を示す図である。 本発明に係る細胞解析装置の構成の一態様を示す図である。 実施例1-1で製造したデバイスの構成の概要を示す図である。 図2に示した本発明によるデバイスと、図1に示したような従来技術によるデバイスにおける溶液の吸引速度を比較した結果を示すグラフである。 図3に示される実施例1-1で製造した本発明のデバイスを用いた単一細胞解析法の詳細を示すフロー図である。 図3に示される実施例1-1で製造した本発明のデバイスを用いた単一細胞解析法の詳細を示すフロー図である。 図3に示される実施例1-1で製造した本発明のデバイスを用いた単一細胞解析法の詳細を示すフロー図である。 シーケンシング用サンプルの調整手順を説明する図である。 実施例2に係るデバイスの構成の概要を示す図である。 実施例2に係るデバイスを含む、サンプル調製を自動的に実行することができる装置の構成の一例を示した図である。 実施例3に係るデバイスの構成の概要を示す図である。 実施例3に係るデバイスの構成の別態様を示す図である。 実施例4に係るデバイスの構成の概要を示す図である。
図2は、本発明に係る細胞解析装置の構成の一態様を示す図であり、(a)は上面図、(b)は2A-2A'断面における断面図、(c)は2B-2B'断面における断面図をそれぞれ示す。
本発明に係る細胞解析装置は、細胞を1個ずつ捕捉可能な複数の細胞捕捉部203と、各細胞捕捉部に対応して存在し、細胞捕捉部に捕捉された細胞から抽出された核酸を捕捉する核酸捕捉部202を有する二次元アレイチップを有し、その二次元アレイチップの核酸捕捉部202に隣接して液体保持部211が設けられている。また、溶液保持部211は流路と隣接しており、流路の一端である下部アウトレット208から吸引することにより、流路を介して、溶液保持部211、核酸捕捉部202および細胞捕捉部203に負圧を印加可能に構成されている。図2に示した態様においては、さらに流路に外部に開放された吸気ポート213が設けられている。
核酸捕捉部202は多孔質材料またはビーズ(好ましくは磁性ビーズ)などから構成され、細胞から抽出された核酸を捕捉するための核酸プローブが固定されている。核酸プローブには、細胞から抽出された核酸とハイブリダイズする核酸捕捉配列と、各細胞捕捉部に対応して異なる細胞認識配列とを有し、そのような核酸プローブに捕捉された核酸を増幅させた産物を用いることにより単一細胞解析が可能となる。
細胞溶液は、上部インレット206から導入する。図1に示した従来例と同様に、上部領域204を細胞溶液で満たすため、上部アウトレット207から細胞溶液を吸引する。次いで、下部アウトレット208から溶液を吸引して負圧を印加することにより、細胞捕捉部203に単一の細胞を吸着させる点も従来例と同じである。しかし、本発明に係る装置は、多孔質膜やビーズなどからなる核酸捕捉部202の直下に溶液保持部211が設けられている点において従来例の装置とは相違する。
溶液保持部211は三次元多孔質体から構成され、三次元多孔質体は毛細管現象により接触した水溶液を素早く吸収し、かつその吸収した水溶液を外部へ、とりわけ核酸捕捉部202に接していない方向へと排出させることができる性質を有する。吸収した水溶液を排出させることにより、三次元多孔質体の毛細管現象による溶液吸収性能を維持させることができる。三次元多孔質体の毛細管現象を利用することにより、図1に示した従来例のように単に負圧を印加するのみの場合と比べて、より速やかに核酸捕捉部202に滞留した溶液を吸引することができ、さらに細胞捕捉部203が細胞を吸着する能力も向上させることができる。
本発明に用いる三次元多孔質体とは、数十nmから数百nmの細孔をランダムに有し、その細孔の存在により生じる毛細管現象により水溶液を吸収することができる程度の表面親水性を有する材料である。その具体例としては、多孔質ガラス材、ガラス繊維集合体(例えば、ガラス繊維を同じ方向に揃えて束ねたもの)、ガラスビーズ集合体(平均粒径が0.1〜30μmの範囲であることがより好ましい)などが挙げられる。三次元多孔質体は、容易に変形するものではないほうが、吸収した溶液が意図せず排出されて核酸捕捉部202や細胞捕捉部203に逆流する可能性が低くなるため好ましい。三次元多孔質体の表面の親水性は、純水を用いて測定した水接触角が90°以下、好ましくは80°以下、より好ましくは50°以下、特に好ましくは40°以下であること、あるいは1μLの液体を保持するのに十分な体積を有する三次元多孔質体に1μLの純水を滴下した際に、10秒以内、好ましくは5秒以内、より好ましくは3秒以内、特に好ましくは1秒以内に滴下した液滴が吸収されることのいずれかにより特徴付けることができる。なお、液滴が三次元多孔質体に吸収されるとは、三次元多孔質体表面に対して垂直な面から観察した際に、液滴の存在が目視で確認できない状態となることを意味する。
溶液保持部211を構成する三次元多孔質体は、有する細孔の孔径が多孔質膜やビーズなどからなる核酸捕捉部202が有する細孔の孔径よりも十分大きいことが好ましく、例えば平均孔径が0.2μm以上、特に1μm以上であることが好ましい。そのような大きさであれば、空気などの気体が溶液保持部211を通過する際に、過度に大きな圧力損失は生じない。三次元多孔質体が有する細孔の孔径が上記のような大きさであれば、下部アウトレット208から負圧をかけた際に、核酸捕捉部202の上部−下部間に十分な圧力差を生じさせることができる。また、液体保持部211を構成する三次元多孔質体は、複数の細孔径を持つ多孔質体から構成されていてもよい。特に、核酸捕捉部211に隣接する部分における多孔質体の細孔径を、核酸捕捉部211から離れた領域よりも小さくすると、多孔質体の毛細管現象による吸収力(キャピラリ効果)の向上と、多孔質体に保持された溶液の空気圧による排出の速度向上とを実現することができる。
溶液保持部211が設けられており下部アウトレット208と連通する流路は、圧力調整部材212を介して装置外部に開放された吸気ポート213とも連通していることが好ましい。図2の装置では、吸気ポート213は装置上部方向に外部へと解放されている。吸気ポート213が設けられている場合、下部アウトレット208から負圧をかけると、圧力調整部材212を介して吸気ポート213から外気が取り込まれ、空気の流れ214が発生し、それにより溶液保持部211に吸収された溶液が排出される。吸気ポート213を設けた構成とすることで、下部アウトレット208から負圧をかけた時のみ溶液保持部211が毛細管現象により溶液を吸収するように、すなわち溶液保持部211が排出した溶液の容量分だけ毛細管現象により再び溶液を吸収するようにすることができる。また、吸気ポート213を設けない構成の場合は、上部領域204を溶液で満たしただけでは溶液が溶液保持部211まで到達せずに吸収が始まらないこともある一方、吸収が始まれば溶液保持部211の容量が満たされるまで吸収は停止せず、制御性が不十分となるが、吸気ポート213を設けることにより制御性を補うことができる。吸気ポート213にエアバルブをさらに設けると、溶液の吸収の制御性がより向上するため好ましい。
圧力調整部材212は、気体が通過する際に、溶液が核酸捕捉部202を通過する際に生じるものよりも大きな圧力損失を生じさせるものであることが好ましい。そのような圧力調整部材212を設けることで、下部アウトレット208から負圧を印加した際に、吸気ポート213のみならず、溶液保持部211、核酸捕捉部202および細胞捕捉部203に十分な負圧が印加されるようになる。圧力調整部材212としては、例えば核酸捕捉部202が有する孔よりも微細な孔を有する材料、例えば核酸捕捉部202が有する孔の平均孔径の約1/5〜約1/10、より好ましくは約1/7〜約1/9、具体的には約1/8の平均孔径を有する材料を用いると、空気と水の粘度差の観点からバランスがよいといえる。
上述のようにして細胞を細胞捕捉部203に吸着させた後、下部アウトレット208から負圧を印加した状態で、リシスバッファなどにより細胞を破砕すると、その細胞から抽出された核酸(mRNA)は核酸捕捉部202に固定された核酸プローブにより捕捉される。捕捉された核酸は、核酸捕捉部202に、その核酸とハイブリダイズする配列(例えばポリT配列)を有する第二の核酸プローブ、ならびに捕捉された核酸を鋳型とする相補鎖合成のための酵素および基質を供給して相補鎖合成を行うことにより増幅させ、解析用のサンプルとして得ることができる。なお、核酸の増幅はPCR増幅を想定しているが、それに限定されず、ローリングサークル増幅(RCA)やNASBAやLAMP法など他の増幅法を用いても良い。また、核酸捕捉部202が磁性ビーズにより構成されている場合には、二次元アレイチップから磁性ビーズを取り出してから核酸増幅を行ってもよい。
以下、実施例を用いて本発明をより詳細に説明するが、本発明はこれら実施例に限定されるものではない。
(実施例1-1)デバイスの製造
図3は、本実施例で製造したデバイスの構成の概要を示す図であり、(a)は上面図、(b)は3A-3A'断面における断面図を示す。デバイス301は複数の反応室302を備えており、その反応室302のそれぞれには、複数の細胞捕捉部203と、その個々の細胞捕捉部203に対応する核酸捕捉部202を備えた二次元アレイチップ315が配置されている。細胞溶液は、上部インレット307から上部アウトレット308に向かって共通流路305の中を流すことにより二次元アレイチップ315上に供給し、チップ上を細胞溶液で満たす。個別インレット311は、チップことに個別に試薬を導入する場合、具体的にはチップを識別するためのタグ配列を有するプライマーを含む試薬を導入する際に用いる。
二次元アレイチップ315の製造には、射出成形により得られたジメチルポリシロキサン(PDMS)製樹脂チップ(一辺が1.125mmの正方形)を用い、細胞より小さい直径3〜10μm程度の貫通孔を形成して細胞捕捉部203とした。なお、二次元アレイチップの製造は、他の樹脂(ポリカーボネート、サイクリックポリオレフィン、ポリプロピレンなど)を用いた射出成形により得られた樹脂チップを用いて行ってもよく、あるいはナノインプリント技術や半導体プロセスを用いて行うこともできる。二次元アレイチップの製造に用いる材料は、疎水性材料であることが好ましい。
細胞捕捉部203の直下には、直径数十μmの円筒状の空間を設け、その中に核酸捕捉用プローブを固定した磁性ビーズを充填し、核酸捕捉部202を構成するようにした。磁性ビーズの充填は個別にインクジェットプリンタヘッドを用いて実行する。チップを上下逆転させた状態で、領域ごとに異なる配列が固定されたビーズ溶液を個別に核酸捕捉部202に2nLずつ充填する。充填に用いるビーズ溶液は、直径1μmの磁性ビーズが5×109個/mLの数密度で懸濁されている。磁性ビーズ上にはストレプトアビジンが固定されており、そのストレプトアビジンを介して5'ビオチン基修飾されたDNAプローブが固定されている。充填する磁性ビーズの数を増やして核酸捕捉効率を向上させるため、ビーズの直径は数μm以下とした。充填した磁性ビーズが流出しないよう、ビーズ直径よりも孔径が小さいビーズ流出防止膜(孔径0.8μmの樹脂製ポーラス膜:Isopore膜、ミリポア社製)を二次元アレイチップ315に密着させた。
核酸捕捉部202の下部流路309には、三次元多孔質体である多孔質シラス焼結体(シラス多孔質ガラス:SPG膜、SPGテクノ社製)を配置し、溶液保持部211とした。下部流路309は、下部アウトレット310および空気を取り入れる吸気ポート319と連通するようにし、吸入ポート319近傍には、圧力調整フィルタ320(本実施例では水と空気の粘度の差を考慮して、孔径0.1μmの樹脂製ポーラス膜(Isopore膜、ミリポア社製)を用いた)およびエアバルブ318を設けた。細胞捕捉部203に細胞を捕捉させる際には、二次元アレイチップ315上を細胞溶液で満たした後、エアバルブ318を開いた状態で下部アウトレット310に接続したシリンジポンプにより負圧を印加する。なお、シリンジポンプに代えて、ダイアフラムポンプなど他のポンプを用いることもできる。
二次元アレイチップ315の核酸捕捉部202は微細な磁性ビーズが充填されているため、単純に二次元アレイチップ315の上部と下部に圧力差を印加するのみでは細胞溶液が十分な流速で流れず、細胞捕捉部203に効率よく細胞を捕捉することができない。しかし、本実施例のデバイスでは、上記のような構成とすることで三次元多孔質体における毛細管現象を利用して細胞溶液の流速を高めることができ、細胞の捕捉効率を向上させることができる。
図3に示したデバイスにおいて、図中に示した位置A(二次元アレイチップ315の上部)、位置B(溶液保持部211と圧力調整フィルタ320の間の下部流路309)、位置C(二次元アレイチップ315と溶液保持部211の間)および位置D(溶液保持部211よりも下部アウトレット310に近い下部流路309)における圧力関係は、A>>B>C>Dの大小関係となるように設定すると、核酸捕捉部202が溶液で満たされ、さらに溶液保持部211に溶液が接するようになり、溶液保持部211を構成する三次元多孔質体における毛細管現象が生じて大きな吸引力が発生する。この毛細管現象による吸引力は、例えば三次元多孔質体のポアサイズが10μmであった場合、本実施例の構成では、細胞捕捉部203(直径5μmの円形と仮定)に約100kPaの吸引力を生じさせると計算することができる。また、三次元多孔質体としてポアサイズ2μmのSPG膜とポアサイズ10μmのSPG膜(いずれも厚さ0.6mm)を2枚重ねて用いることで、吸引圧力を500kPaまで高め、かつ三次元多孔質膜からの空気による溶液排出時の流速低下をほとんど起こさないようにすることができた。さらに、直径10μm〜100μmのシリカ(ガラス)ビーズを液体保持部に詰めて三次元多孔質体としても同様の効果が得られることを確認した。
吸入ポート319から取り入れられた空気は、位置B、位置Cおよび位置Dの間の圧力差によって溶液保持部211を通過し、それにより溶液保持部211が吸収した水溶液は位置Dに向かって排出される。この排出によって溶液保持部211の毛細管現象による吸引力は回復するため、下部アウトレット310からの吸引が続く限り溶液保持部211の吸引力は持続する。一方、下部アウトレット310からの吸引が止まれば、溶液保持部211を構成する三次元多孔質体の孔内壁は速やかに水溶液で覆われ、吸引力は失われる。
(実施例1-2)デバイスを用いた単一細胞解析法
図5〜7は、図3に示される実施例1-1で製造した本発明のデバイスを用いた単一細胞解析法の詳細を示すフロー図である。本実施例では、(1)細胞捕捉、(2)細胞リシス(破砕)、(3)逆転写(cDNA合成)、(4)RNA分解、(5)2nd strand合成、(6)PCR増幅をデバイス中で実行する。(4)までをデバイス中で実行して、その後二次元アレイチップを個別の反応チューブに入れて、(5)および(6)の反応を行ってもよい。ここでは、(1)〜(6)までの反応をデバイス中で行う場合を説明する。
まず、細胞溶液中の細胞を二次元アレイチップ315上の細胞捕捉部203で捕捉する工程を行う。そのために、細胞溶液を上部インレット307から導入し、上部アウトレット308から吸引することで、細胞溶液で二次元アレイチップ315上を満たす。次に、エアバルブ318を開く。次に、下部アウトレット310にシリンジを用いて負圧を印加することによって、位置A〜Dの圧力分布が圧力の高い方からA>>B>C>Dとなり、細胞溶液が二次元アレイチップ315上の細胞捕捉部203と核酸捕捉部202を通過して、細胞が細胞捕捉部203に捕捉される。図3の300は細胞捕捉部203に捕捉された細胞を示す。
細胞を破砕するためにリシスバッファを上部インレット307から導入し、上部アウトレット308から吸引することで、リシスバッファで二次元アレイチップ上を満たし、必要な吸引速度が得られるように下部アウトレット310に負圧を印加する。圧力分布の相対値は細胞捕捉時とほぼ同じである。本実施例では、シリンジ位置を細胞吸引から変更せず、下部アウトレット310の負圧の圧力は細胞捕捉時とほぼ同じ設定とした。このとき、下部アウトレット310の圧力が正にならないように注意した。下部アウトレット310の圧力が正になると、細胞溶液が細胞捕捉部203を逆流してしまい、捕捉された細胞300が遊離してしまうためである。
次に逆転写(cDNA合成)のステップに進む。逆転写用試薬ミックスの必要な導入速度が得られるように、負圧の値を再設定する。設定後、上部インレット307から逆転写用試薬を導入し、二次元アレイチップ315上を試薬で満たす。その後、逆転写反応を進めるためにデバイスの温度を上昇させて、反応に必要な時間だけ維持する。さらに、逆転写酵素を失活させるための85℃まで昇温する。不要な洗浄液を洗浄・排出するため、洗浄バッファを上部インレット307から導入し、洗浄バッファを核酸捕捉部に導入・排出するために負圧を再設定する。次の工程であるmRNA分解と2nd strand合成は、前記逆転写の工程とほぼ同じである。
最後の工程がPCR増幅である。PCR試薬ミックスを上部インレット307に導入し、核酸捕捉部202にPCR試薬ミックスを必要な溶液速度で導入されるように負圧設定を行う。PCR反応を行うために温度サイクルを開始し、1〜数サイクル目に溶液導入を停止するように圧力設定を変更する。その後、必要なPCR産物濃度になるまで温度サイクルを繰り返し、PCR産物を回収するために、下部アウトレット310に負圧を印加して、吸引し、回収されたPCR産物溶液をチューブに排出する。
次に、二次元アレイチップ315を用いたシーケンシング用サンプルの調整手順を詳細に説明する。本実施例のデバイスの核酸捕捉部202に捕捉されたmRNAの処理によって、どのようにサンプルが調整されるかを図8に示した。この工程は、各細胞からの核酸抽出および核酸(mRNA)捕捉(step 1)、cDNAの合成(step 2)、核酸増幅(PCR)およびシーケンスに必要な既知の末端配列を導入した2nd cDNAの合成(step 3)(step 4)、およびPCR増幅(step 5)のステップに分けられる。
細胞を500μLの1×PBSバッファで細胞を傷つけないように洗浄後、4℃に冷却された1×PBSバッファ10μLに懸濁された1000個の細胞を上部インレット307から導入し、反応室302がこの溶液で満たされるように、上部アウトレット308から吸引する。このようにすることで、二次元アレイチップ315上は細胞を含むPBSバッファで満たされることとなる。次に、下部流路309に向かって細胞捕捉部203を溶液が通って流れるように、下部アウトレット310に負圧0.95気圧を印加して溶液を吸引する。細胞は溶液の流れに乗って移動し、細胞捕捉部203まで到達し、細胞捕捉部203の開口直径が細胞の直径よりも小さいため、ここに細胞が捕捉される。捕捉された細胞は、溶液流に対して栓の役割を果たすので、流れはまだ細胞を捕捉していない細胞捕捉部203に移動する。そのため、残りの細胞はまだ細胞が捕捉されていない部分へと移動し捕捉される。
細胞が十分な数だけが捕捉されたら、捕捉されなかった過剰な細胞とPBSバッファを上部アウトレット308から排出する。次に、上部インレット307から上部アウトレット308に向かってリシスバッファ(例えばTween 20などの表面活性剤)を流し、二次元アレイチップ315上がバッファで満たされたあと、直ちに下部アウトレット310に負圧を印加して吸引する。以下すべての溶液は、同様の方法によって二次元アレイチップ315の核酸捕捉部202を通過させる。このとき、ビーズ流出防止膜は直径0.8μmの多孔質材料から構成された流路であり、圧力損失が大きいため、リシスバッファが細胞捕捉部203を通って下部流路309に向かって5分程度ゆっくりと流れ続けるようにすることは容易にできる。
リシスバッファによって、捕捉された細胞300は破砕され、mRNA806は細胞の外に出るが、細胞捕捉部203周辺での細胞溶液の流れは、細胞捕捉部203を構成する孔に吸い込まれるように流れ続けているので、mRNA806は周辺に拡散することなく細胞捕捉部203を通って核酸捕捉部202まで到達する。このようにして、リシスバッファの導入によって、細胞の破砕と、mRNA806の核酸捕捉部202のビーズ上に固定された第1のDNAプローブ801での捕捉が同時に実行される。その様子を図8のstep 1に示す。
ここで、細胞が捕捉された二次元アレイチップ315上における位置の情報、すなわち図3の(a)に示したような格子状に配列した細胞捕捉部203の位置座標を遺伝子解析のデータの中に盛り込むために、核酸捕捉部202のビーズ表面上には、細胞捕捉部203ごとに異なる配列の細胞認識配列802が導入された第1のDNAプローブ801が固定されている。図8において、各ステップ図の左端の斜線は固定壁面、ここではビーズ表面を示す。この第1のDNAプローブ801は3'末端領域にポリT配列を持っており、mRNAの3'末端のポリA配列とハイブリダイズすることによってmRNA806を捕捉する。また、5'末端側にPCR増幅のための共通プライマー(804, Reverse)を設けている。
この第1のDNAプローブ801は、5'末端から30塩基のPCR増幅用共通プライマー(804,Reverse)、7塩基の細胞認識用配列(802)、および18塩基のオリゴ(dT)配列+2塩基のVN配列の順に配列する。本実施例ではmRNAを解析するために補足用DNAプローブ801の一部にポリT配列を用いたが、microRNAやゲノム解析を行うためにポリT配列の代わりにランダム配列は解析したい配列と相補的な配列の一部を用いてもよい。
次に、図8のStep 2で示すように、第1のDNAプローブ801に捕捉されたmRNA806を鋳型として、1st cDNA807を合成する。1st cDNA合成試薬として0.1%Tween20を含む10mM Tris Buffer (pH = 8.0) 58.5μL、10mM dNTP 4μL、5xRT Buffer (SuperScript III, Invitrogen社) 225μL、0.1M DTT 4μL、RNaseOUT (Invitrogen社) 4μL、およびSuperscript III(逆転写酵素, Invitrogen社)4μLを混和し、上部インレット307から前工程と同様に導入する。上記溶液を逆転写酵素および合成基質を含む溶液で充填されたビーズの空隙部分を満たした状態で、反応室302から下部流路309に非常にゆっくり流しながら、50℃にゆっくり昇温して50分ほど相補鎖合成反応(1st cDNAを合成反応)を行った。その結果、細胞ごとに複数のビーズ表面に固定されたcDNAをライブラリとして得た。これはいわば1細胞cDNAライブラリアレイというべきものであり、従来多くの細胞から得られる平均化されたcDNAライブラリとは根本的に異なるものである。
1st cDNA鎖807を合成した後、デバイス全体を85℃にて1.5分保ち、逆転写酵素を失活させた。さらに、4℃に冷却後、RNaseおよび0.1%Tween20を含む10mM Tris Buffer(pH = 8.0)0.2mLを上部インレット307から注入し、上部アウトレット308から吸引して、反応室302を溶液で満たした後、下部アウトレット310から排出し、反応室302中のバッファを上部アウトレット308から取り除くという工程を5回繰り返すことによって、mRNAを分解し、核酸捕捉部中の残存物および分解物を除去・洗浄した。さらに、アルカリ変性剤を含む液および洗浄液で同様に5回洗浄した。ここまでのプロセスで、図8のstep2に示すような捕捉した細胞ごとの、すべての細胞に対応するcDNAライブラリアレイが構築される。
次に、滅菌水69μL、10 x Ex Taq Buffer(TaKaRa Bio社)10μL、2.5mM dNTP Mix 100μL、および各10μMのPCR増幅用共通配列(Reverse)809が付加されたEx Taq Hot start version (TaKaRa Bio社)1μLを混和し、この混合試薬を前工程と同様に上部インレット307から核酸捕捉部202に導入した。チップ識別タグ810付きの第2のDNAプローブの個別導入方法は後述する。その後、95℃、3分間で核酸の2次構造を解いたあと、44℃2分間で1st cDNA鎖を鋳型としてプライマーの遺伝子特異的配列811をアニールさせた。図8のstep 3に第2のDNAプローブ808がst cDNAにハイブリダイズしている様子を示す。さらに6分間72℃に温度を上げることによって相補鎖伸長反応を行い、2nd cDNA鎖812を合成させた(図8のstep 4)。
反応室302への第2のDNAプローブ808の導入は以下のように行う。まず、上部インレット307からミネラルオイルを導入し、上部アウトレット308から排出する。次に塩を含む緩衝溶液を下部流路309から個別インレット311に向かって流し、反応室内の余分なミネラルオイルを個別インレット311から排出する。このようにすることによって、反応室302の二次元アレイチップ315上部の領域がミネラルオイルによって分離される。このような分離が起きるのは、反応室302の内壁が親水的である一方、反応室間の領域316が疎水的になるように表面処理が施されているからである。また、1st cDNAがビーズに強固に(たとえばビオチン−アビジン結合によって)固定されていることも高い反応効率を維持するために重要である。反応室302の分離の完了後、チップ識別配列がそれぞれ異なる第2のDNAプローブを含む緩衝溶液を個別インレット311から導入し、下部流路309を通して下部アウトレット310から排出する。これによって、核酸捕捉部203近傍は、反応室302ごとに異なる第2のDNAプローブで満たされ、このプローブが1st cDNAにハイブリダイズする。2nd cDNAを合成の完了後、上部インレット307から上部アウトレット308に向かって大量の緩衝溶液を流し、領域316にあるミネラルオイルを洗い流す。流路がつながればよいので、多少ミネラルオイルが領域316に残ってもよい。
最後の工程は、図6のStep 5とStep 6に示すような、共通プライマーによるPCR増幅である。滅菌水49μL、10 x High Fidelity PCR Buffer (Invitrogen) 10μL、2.5 mM dNTP mix 10μL、50mM MgSO4 4μL、10μM PCR増幅用共通プライマー(Forward)10μL、10μM PCR増幅用共通配列プライマー(Reverse)10μL、およびPlatinum Taq Polymerase High Fidelity (Invitrogen社) 1.5μLを混和して試薬を作製後、前工程と同様に上部インレット307から導入した。続いて、デバイス全体を30秒間94℃に保ち、94℃30秒間→55℃30秒間→68℃30秒間の3段階工程を40サイクル繰り返し、最後に68℃で3分間保った後、4℃に冷却してPCR増幅工程を行った。この反応は共通反応であり、すべてのチップについて共通の条件でPCR増幅を行うことで、チップ間での増幅効率の均一化を図ることができる。溶液中に蓄積されたPCR増幅産物溶液を回収し、この溶液中に含まれるフリーのPCR増幅用共通配列プライマー(Forward/Reverse)や酵素などの残留試薬を除去する目的で、PCR PurificationKit(QIAGEN社)を用いて精製する。
得られたPCR産物815は配列解析が可能な配列であり、シーケンシングライブラリと呼ばれる。上述の工程において遺伝子間または分子間で増幅バイアスが生じたとしても、シーケンシングデータ取得後に、分子認識タグを利用して増幅バイアスの補正を行う事ができるため、高精度な定量データを得る事が出来る。このシーケンシングライブラリを配列解析することによって、細胞識別配列、チップ識別配列ごとに遺伝子発現量が得られる。すなわち、デバイス中に同時に導入された細胞識別配列の種類とチップ識別配列の種類の積の数以下の細胞数についての同時解析が可能となる。これによって、事前に二次元アレイチップ中に導入した細胞識別配列数よりも大幅に多い数の細胞数の解析が可能となる。
なお、本発明者らは、単一細胞についての遺伝子解析と、その細胞を含む細胞集団についての網羅的遺伝子解析とを同時に実現可能とする細胞解析方法について既に国際特許出願(PCT/JP2014/073753)を行っている。その出願の明細書、特許請求の範囲および図面に記載された内容は、そのまま参考として本明細書中にとり入れるものとする。
(実施例1-3)溶液の吸引速度の比較
図2に示した本発明によるデバイスと、図1に示したような三次元多孔質体による毛細管現象を利用しない従来技術によるデバイスにおける溶液の吸引速度を比較した。いずれも、下部アウトレットにはシリンジポンプを接続し、同じ圧力で初期の負圧を印加した。本発明によるデバイスでは、三次元多孔質体として1.3×1.3×0.7mmの大きさの3μmポアのSPG膜を二次元アレイチップごとに一枚用いた。吸引速度の比較結果を図4に示す。両者には、約一桁オーダーの吸引力の差が生じることがわかった。
(実施例2)
図9は、本発明の別態様に係るデバイスの構成の概要を示す図であり、(a)は上面図、(b)は9A-9A'断面における断面図を、(c)は(b)に対して垂直方向の断面図を示す。本実施例のデバイスでは、液体保持部211が吸収した水溶液を排出させる方法が実施例1とは異なる。以下、実施例1のデバイスとの相違点について説明する。
本実施例のデバイスでは、吸気ポート319を二次元アレイチップ315の数と同じ数だけ設置し、吸気ポート319から下部アウトレット310への空気の流れが並列となるようにした。すなわち、実施例1のデバイスでは、溶液保持部211が流路により直列的に接続されているのに対し、本実施例のデバイスでは溶液保持部211を流路により並列的に接続した。吸気ポート319に設置したエアバルブ318と圧力調整フィルタ320は実施例1と同じものを用いた。このように吸気ポート319を個々に設けることによって、二次元アレイチップ315ごとに溶液保持部211による吸収の制御が可能となる。なお、溶液保持部211には、実施例1で用いたSPG膜の代わりに、直径10μmのガラスビーズの集合体を用いた。
図10は、本実施例で示したデバイスを含み、サンプル調製を自動的に実行することができる装置の構成の一例を示した図である。制御部1009は、デバイスへの細胞導入を制御する細胞導入制御装置1011、吸気ポート319のエアバルブ318を制御するバルブ制御装置1020、細胞を破砕するためのリシスバッファ、cDNA合成やPCR増幅のための酵素試薬、第2のDNAプローブ、さらには反応室を分離するためのミネラルオイル等の導入を制御する試薬導入制御装置1012、不要な試薬や、細胞、反応室を分離するためのミネラルオイル等の排出を制御する上部試薬排出装置1014、ならびに細胞の導入や各種酵素試薬、DNAプローブや基質等を導入するために吸引を行うとともに、調製された核酸増幅産物を排出するための下部試薬排出装置1015を適切に制御している。デバイスに設けられた温度計は温度制御装置1016に接続されて、反応温度が制御されている。また、デバイスは、顕微鏡観察のためデバイスの観察視野のXYZ位置を変更できるようにするためのステージ制御装置に接続されている。
より具体的には、細胞導入制御装置1011と試薬導入制御装置1012は、細胞および各種試薬(酵素試薬、基質、DNAプローブ、プライマー)を適切な温度で保存し、適切なタイミングでデバイスの上部インレット307または個別インレット311に導入するべく、切り替えバルブを用いて各導入制御装置内部の配管を切り替えることができるよう構成されている。また、上部試薬排出装置1014および下部試薬排出装置1015は、その内部にシリンジポンプなどを有しており、試薬や細胞溶液を吸引することによって排出する。もちろん、シリンジに蓄積された廃液は廃液ボトルに排出できるように構成されている。また、温度制御装置1016は反応室の温度を4℃〜98℃の間で温度を制御する能力を有し、ペルチェ素子1017とその制御装置から構成されている。
(実施例3)
図11は、本発明の別態様に係るデバイスの構成の概要を示す図であり、(a)は上面図、(b)は11A-11A'断面における断面図を、(c)は(b)に対して垂直方向の断面図を示す。本実施例のデバイスでは、下部流路1109の構成が異なる。すなわち、溶液保持部211が吸収した水溶液を排出させるための負圧の印加を、図9のように二次元アレイチップ315に対して平行方向に行うのではなく、二次元アレイチップ315に対して垂直方向に行えるよう下部流路1109を構成している。このような流路構成をとることによって、空気の流れが溶液保持部211を迂回することがなく、より効率的に溶液保持部211に吸収された溶液を排出させることができる。なお、この構成において、溶液保持部211と下部流路1109の隣接部分に、さらに親水性多孔質膜を配置してもよい。そのようにすることで、溶液保持部211から下部流路1109への溶液の排出がよりスムーズに進むようになる。
図11に示した態様では、複数の二次元アレイチップ315に対して一つの吸気ポート319を設置しているが、実施例2に示した態様と同様に、一つの二次元アレイチップ315に対して一つの吸気ポート319を設置してもよい。その態様を図12に示す。この場合、実施例2と同様に、個々の二次元アレイチップごとに溶液の吸引の制御が可能となる。
(実施例4)
実施例1〜3では、細胞溶液や反応試薬を上部インレット307から導入し、上部アウトレット308から吸引することによって、溶液を二次元アレイチップ上に溶液を満たし、次いで下部アウトレット310に負圧を印加することによって、細胞の捕捉や、核酸捕捉部への試薬の導入および排出を行う構成としたが、本実施例では細胞溶液や試薬を個別に導入ウェル1330に分注することによって導入する構成とした。デバイスの構造を図13に示す。このような流路構成にすることによって、上部インレットから二次元アレイチップまでの途中で細胞が吸着するなどの問題が発生する可能性が排除できる。
本明細書中で引用した全ての刊行物、特許および特許出願をそのまま参考として本明細書中にとり入れるものとする。
1…細胞、2…多孔質膜、3…細胞捕捉部、4…上部領域、5…下部領域、6…インレット、7…上部アウトレット、8…下部アウトレット、9…細胞、201…細胞、202…核酸捕捉部、203…細胞捕捉部、204…上部領域、206…上部インレット、207…上部アウトレット、208…下部アウトレット、211…溶液保持部(三次元多孔質体)、212…圧力調整部材、213…吸気ポート、214…空気の流れ、300…細胞、301…デバイス、302…反応室、305…共通流路、307…上部インレット、308…上部アウトレット、309…下部流路、310…下部アウトレット、311…個別インレット、315…二次元アレイチップ、316…反応室間の領域、318…エアバルブ、319…吸気ポート、320…圧力調整フィルタ、801…第1のDNAプローブ、802…細胞認識配列、804…共通プライマー、806…mRNA、807…1st cDNA、808…第2のDNAプローブ、809…PCR増幅用共通配列(Reverse)、810…チップ識別タグ、811…遺伝子特異的プローブ、812…2nd cDNA、813…共通プライマー、814…PCR増幅用共通配列(Forward)、815…PCR産物、901…デバイス、1001…デバイス、1009…制御部、1011…細胞導入制御装置、1012…試薬導入制御装置、1014…上部試薬排出装置、1015…下部試薬排出装置、1016…温度制御装置、1017…ペルチェ素子、1020…バルブ制御装置、1101…デバイス、1109…下部流路、1201…デバイス、1301…デバイス、1330…導入ウェル

Claims (11)

  1. 細胞を1個ずつ捕捉可能な複数の細胞捕捉部と、各細胞捕捉部に対応して存在し、細胞捕捉部に捕捉された細胞から抽出された核酸を捕捉する核酸捕捉部を有する二次元アレイチップを備えた単一細胞解析用デバイスであって、
    前記二次元アレイチップの核酸捕捉部に隣接して設けられた溶液保持部をさらに備え、前記溶液保持部は、毛細管現象により核酸捕捉部に滞留した溶液を吸収し、かつ負圧を印加することにより吸収した溶液を外部に排出可能な三次元多孔質体を有し、
    前記三次元多孔質体の細孔の孔径は、前記核酸捕捉部が有する細孔の孔径よりも大きく、
    前記溶液保持部は流路と隣接し、流路の一端に負圧を印加することにより、前記溶液保持部、核酸捕捉部および細胞捕捉部に負圧を印加可能に構成されている、前記デバイス。
  2. 前記流路がデバイス外部に開放された吸気ポートと連通しており、流路の一端に負圧を印加することにより吸気ポートから外気が取り込まれ、その気流が前記溶液保持部を通過することにより溶液保持部から溶液が排出される、請求項1に記載のデバイス。
  3. 複数の二次元アレイチップおよび個々の二次元アレイチップに対応する溶液保持部を備え、前記流路が複数の溶液保持部を直列的に接続している、請求項2に記載のデバイス。
  4. 複数の二次元アレイチップおよび個々の二次元アレイチップに対応する溶液保持部を備え、前記流路が複数の溶液保持部を並列的に接続しており、前記吸気ポートが個々の溶液保持部ごとに複数設けられている、請求項2に記載のデバイス。
  5. 前記三次元多孔質体の表面に1μLの純水を滴下した際の液滴の吸収時間が10秒以内である、請求項1〜4のいずれか一項に記載のデバイス。
  6. 前記三次元多孔質体が、多孔質ガラス材、ガラス繊維集合体、またはガラスビーズ集合体である、請求項1〜4のいずれか一項に記載のデバイス。
  7. 前記核酸捕捉部が核酸を捕捉するための核酸プローブを有し、核酸プローブは細胞から抽出された核酸とハイブリダイズする核酸捕捉配列と、各細胞捕捉部に対応して異なる細胞認識配列とを有する、請求項1〜4のいずれか一項に記載のデバイス。
  8. 前記核酸捕捉部が、核酸プローブが固定されたビーズが充填された構造を有する、請求項7に記載のデバイス。
  9. 請求項1または2に記載のデバイスを用いた単一細胞解析方法であって、前記二次元アレイチップの上を細胞溶液で満たす工程、および前記溶液保持部が隣接する流路の一端に負圧を印加することにより前記細胞捕捉部に負圧を印加し、前記細胞溶液を溶液保持部に吸収させるとともに、前記細胞捕捉部に単一の細胞を吸着させる工程を含む、前記方法。
  10. 前記細胞捕捉部に吸着させた単一の細胞を、細胞捕捉部に負圧を印加した状態で破砕し、前記細胞から抽出された核酸を前記核酸捕捉部に捕捉させる工程をさらに含む、請求項9に記載の解析方法。
  11. 前記核酸捕捉部に捕捉された核酸とハイブリダイズする配列を有する第二の核酸プローブ、ならびに捕捉された核酸を鋳型とする相補鎖合成のための酵素および基質を核酸捕捉部に供給して相補鎖合成を行う工程をさらに含む、請求項10に記載の解析方法。
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