JP6826754B2 - ステアリング装置 - Google Patents
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一方、構造を簡単にするため、テレスコ調整時に、アッパージャケット側のストッパ部材を第2ツース部材に当接させて、前記連結部材にテレスコ調整時のストッパ機能を果たさせることも考えられる。しかしながら、その場合、連結部材がテレスコ調整時にストッパ機能を果たすときに、連結部材が不用意に破断してしまうおそれがある。
請求項2のように、前記連結部材は、前記第2ツース部材と連結された軸本体部(81)と、前記軸本体部の一対の端部(811,812)に配置され前記ロアージャケットに支持される一対の被支持部(82,83)とを有し、前記第2ツース部材と一体に回転変位される連結軸(80)を含んでいてもよい。
図1は、本発明の一実施形態に係るステアリング装置1の模式的側面図である。図1において、紙面左側が、ステアリング装置1が取り付けられる車体2の前側であり、紙面右側が車体2の後側である。また、図1において、紙面上側が車体2の上側であり、紙面下側が車体2の下側である。図2は、ステアリング装置1の斜視図である。
ステアリングシャフト3の延びる方向が、コラム軸方向Xである。ステアリングシャフト3の一端3a(コラム軸方向Xの上端)に、ステアリングホイール等の操舵部材10が連結されている。ステアリングシャフト3の他端3b(コラム軸方向Xの下端)は、自在継手11、インターミディエイトシャフト12および自在継手13を順次に介して、転舵機構14と連結されている。転舵機構14は、操舵部材10の操舵回転が伝達されることに応じて転舵輪(図示せず)を転舵させる例えばラックアンドピニオン機構である。
ステアリングシャフト3は、コラムジャケット4内に挿通されており、複数の軸受17,18を介してコラムジャケット4によって回転可能に支持されている。具体的には、アッパージャケット15が、軸受17を介してアッパーシャフト3Uを回転可能に支持しており、ロアージャケット16が、軸受18を介してロアーシャフト3Lを回転可能に支持している。
ロアーブラケット5は、車体2に固定された固定ブラケット5Aと、ロアージャケット16のコラム軸方向Xの下部に固定された可動ブラケット5Bとを含む。可動ブラケット5Bは、コラム軸方向Xと直交する方向(車体2の左右方向。図1において紙面と直交する方向)に延びる中心軸5Cを介して、回転可能に支持されている。
一対の側板19は、コラムジャケット4を挟んで左右方向Zに対向する。連結板20は、一対の側板19の上端部どうしを連結している。アッパーブラケット6全体として、コラム軸方向Xから見て下向きに開放する溝形を形成している。連結板20は、一対の側板19の両側方へ延びる部分を有しており、該部分を挿通するボルト(図示せず)を用いて、連結板20は、車体2(図1を参照)に固定される。これにより、アッパーブラケット6が車体2に固定される。
ロアージャケット16は、コラム軸方向Xに延びるスリット22と、スリット22の両側に配置された一対の被締付部23とを含む。スリット22は、ロアージャケット16のコラム軸方向上側XUの部分に形成されている。一対の被締付部23は、ロアージャケット16のコラム軸方向上側XUの部分において、スリット22を挟んで左右方向Zに対向する板状の部分である。一対の被締付部23がクランプされて締め付けられることにより、弾性的に縮径されたロアージャケット16がアッパージャケット15を締め付ける。
一対の被締付部23のそれぞれには、左右方向Zに被締付部23を貫通する円孔からなる軸挿通孔24が、形成されている。板状をなす一対の被締付部23のそれぞれは、外側面23aと、内側面23bとを含む。各被締付部23の外側面23aは、アッパーブラケット6の対応する側板19の内側面19bと対向する。
次いで、締付機構7を説明する。締付機構7は、チルト調整およびテレスコ調整を終えた操舵部材10(図1参照)の位置をロックしたり、ロック解除したりするための機構である。
カム27およびカムフォロワ(一方の締付部材28)は、締付軸25の頭部25aと一方の側板19との間に介在し、操作レバー26の操作トルクを締付軸25の軸力(一対の側板19を締め付けるための締付力)に変換する力変換機構を構成している。
一方の締付部材28(カムフォロワ)および他方の締付部材30は、それぞれ対応する側板19を締め付ける締付板部28a,30aと、それぞれ対応するチルト溝21に嵌合されたボス部28b,30bとを有している。各ボス部28b,30bと対応するチルト溝21との嵌合によって、各締付部材28,30の回転が規制されている。また、両締付部材28,30は、締付軸25によって締付軸方向Jに移動可能に支持されている。
操作レバー26のロック側への回転に伴って、カム27が一方の締付部材28(カムフォロワ)に対して回転することにより、一方の締付部材28が締付軸方向Jに移動されて、両締付部材28,30(の締付板部28a,30a)の間で、アッパーブラケット6の一対の側板19がクランプされて締め付けられる。
また、両被締付部23が締め付けられることで、ロアージャケット16のコラム軸方向上側XUの部分が、アッパージャケット15を締め付ける。これにより、両ジャケット15,16間の摩擦係合力により、アッパージャケット15のコラム軸方向Xの移動が規制されて、テレスコロックが達成される。
図3および図4に示すように、第1ツース部材60は、左右方向Z(締付軸方向J)の一対の端面60aと、コラム軸方向Xの上端部60bおよび下端部60cと、表面60dと、表面60dの反対側の面であってアッパージャケット15の平坦部15bに沿う裏面60eとを含む。
図4に示すように、貫通溝61は、コラム軸方向Xに延びて締付軸方向Jに互いに対向する一対の内壁面を有しており、これら一対の内壁面に、それぞれコラム軸方向Xに並べられた複数の第1ツース62を含む一対の第1ツース列62Lが形成されている。
第1ツース部材60は、図示しないボルト等によってアッパージャケット15の外周面に固定されていてもよい。また、第1ツース部材60は、アッパージャケット15と単一の材料で一体に形成されていてもよい。
次いで、第2ツース部材70を説明する。第2ツース部材70は、駆動部71を有する本体部72と、第2ツース73が形成されたツース形成部74とを含む。
本体部72は、チルト方向上側YUの面である上面72aと、チルト方向下側YLの面である下面72bと、左右方向Zに対向する一対の側面72cとを含む。本体部72には、一対の側面72cを左右方向Zに貫通する連結孔75が形成されている。
図5(a)および(b)は、ツースロック機構9の模式的側面図であり、図5(a)は、締付機構7の締付時におけるツースロック機構9の噛合状態を示し、図5(b)は、締付機構7の締付解除時におけるツースロック機構9の噛合解除状態を示している。第2ツース部材70は、締付機構7による締付時に、図5(a)に示すように、第1ツース部材60に対する噛合状態になる。
第2ツース部材70は、締付機構7による締付解除時に、図5(b)に示すように、第1ツース部材60に対する噛合を解除する噛合解除状態になるように、回転変位される。図7は、ツースロック機構9および衝撃吸収機構8の模式的側面図であり、締付機構7の締付解除時におけるテレスコ調整時に、アッパージャケット15のテレスコ調整範囲の短縮側の終端位置が規制される状態を示している。図7に示すように、連結軸80は、締付解除時におけるテレスコ調整時に、アッパージャケット15のテレスコ調整範囲の短縮側の終端位置を第2ツース部材70を介して規制する機能を果たす。
規制機構100は、第2ツース部材70のツース形成部74のコラム軸方向上側XUの端面に設けられたストッパ部101と、第1ツース部材60に固定されアッパージャケット15が図7に示すように最短縮位置にある状態でストッパ部101と係合する係合部102とを含む。
次いで、連動機構90を説明する。図4および図5(a)に示すように、連動機構90は、第2ツース部材70を連結軸80の中心軸線C2回りに噛合側(第2ツース73が第1ツース62に噛合する側)へ回転付勢する付勢部材110と、付勢部材110に抗して、第2ツース部材70を噛合解除側へ駆動する解除部材120とを備える。
解除部材120は、締付軸25が一体回転可能にスプライン嵌合された嵌合孔121(スプライン孔)を有する環状の本体122と、本体122の外周から突出する解除部としての解除突起123とを備えている。
操作レバー26をロック方向[図5(b)において反時計回り]に回転操作すると、締付軸25とともに解除部材120が、図5(b)に示す状態から図5(a)に示す状態へと、反時計回りに回転される。
これにより、解除部材120の解除突起123が、第2ツース部材70の係合突起76を押し上げるため、第2ツース部材70は、連結軸80の中心軸線C2を中心として反時計回りに回転駆動され、第2ツース73が、第1ツース62から歯筋方向Dに沿って離間し、噛合が解除される[図5(b)参照]。これにより、ツースロックによるテレスコロックが解除される。
一対の第1板部41の第2端部41bは、対応する折り返し部43を介して対応する第2板部42と連結されている。移動部44は、左右方向Zに延び、一対の第2板部42のコラム軸方向下側XLの端部どうしを連結している。
図9(a)および(b)に示すように、締付機構7の締付時と締付解除時とで、連結軸80は、第2ツース部材70とともに連結軸80の中心軸線C2の回りに回転変位により姿勢変化する。
また、図9(b)に示すように、締付機構7の締付解除時におけるテレスコ調整範囲の規制時に、連結軸80は、コラム軸方向下側XLへの曲げ荷重F2を受ける。このとき、矩形断面である連結軸80の軸本体部81の図心に相当する中心軸線C2を通過し長辺部81bと平行な面Qが、曲げの中立面NPに対して傾斜角度θで傾斜している。このため、連結軸80の軸本体部81の曲げの断面係数Z2は、下記式(2)で表される。
図9(b)に示される締付解除時の姿勢における連結軸80の軸本体部81の曲げの断面係数Z2が、図9(a)に示される締付時の姿勢における連結軸80の軸本体部81の曲げの断面係数Z1よりも大きくされている(Z2>Z1)。
なお、締付解除時において二次衝突が生ずる事態が生じた場合には、連結軸80の破断強度を上回る荷重が、第2ツース部材70から連結軸80に負荷されるため、連結軸80が破断されて、衝撃吸収機構8による衝撃吸収が行われることになる。
また、本発明の変更形態に係る図10に示すように、第2ツース部材70Pにおいて、連結孔75をコラム軸方向下側XLに向けて開放させる開放部78が形成されてもよい。この場合、組立時において、開放部78を通して連結孔75内に連結軸80の軸本体部81が挿通される。したがって、連結軸80の全体を単一の材料で一体に形成することができる。
Claims (2)
- コラム軸方向に伸縮可能なステアリングシャフトと、
ロアージャケットと前記ロアージャケットに嵌合されたアッパージャケットとを含み、前記ステアリングシャフトを回転可能に支持し、テレスコ調整時に前記コラム軸方向に伸縮可能なコラムジャケットと、
前記ロアージャケットによって前記アッパージャケットを締付保持させる締付機構と、
前記アッパージャケットに固定され、前記アッパージャケットと前記コラム軸方向に一体移動する第1ツース部材と、
前記締付機構による締付時に前記第1ツース部材に対する噛合状態になり前記締付機構による締付解除時に前記噛合を解除する噛合解除状態になるように回転変位する第2ツース部材と、
前記第2ツース部材と前記ロアージャケットとを連結し、前記第2ツース部材とともに回転変位し、締付時における二次衝突時に前記第2ツース部材からの曲げ荷重を受けて破断可能であり、締付解除時におけるテレスコ調整時に前記アッパージャケットのテレスコ調整範囲の短縮側の終端位置を前記第2ツース部材を介して規制する連結部材と、を備え、
前記締付機構の締付時と締付解除時とで、前記連結部材が前記第2ツース部材とともに回転変位することで姿勢変化を行い、前記姿勢変化によって、前記締付解除時の前記連結部材の曲げの断面係数が、前記締付時の前記連結部材の曲げの断面係数よりも大きくされている、ステアリング装置。 - 前記連結部材は、前記第2ツース部材と連結された軸本体部と、前記軸本体部の一対の端部に配置され前記ロアージャケットに支持される一対の被支持部とを有し、前記第2ツース部材と一体に回転変位される連結軸を含む、請求項1に記載のステアリング装置。
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