JP6825807B2 - 樹脂粒子、電極材料及び燃料電池用電極 - Google Patents

樹脂粒子、電極材料及び燃料電池用電極 Download PDF

Info

Publication number
JP6825807B2
JP6825807B2 JP2015208644A JP2015208644A JP6825807B2 JP 6825807 B2 JP6825807 B2 JP 6825807B2 JP 2015208644 A JP2015208644 A JP 2015208644A JP 2015208644 A JP2015208644 A JP 2015208644A JP 6825807 B2 JP6825807 B2 JP 6825807B2
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
resin particles
weight
resin
parts
particles
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Active
Application number
JP2015208644A
Other languages
English (en)
Other versions
JP2017084476A (ja
Inventor
昌男 笹平
昌男 笹平
恭幸 山田
恭幸 山田
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Sekisui Chemical Co Ltd
Original Assignee
Sekisui Chemical Co Ltd
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Sekisui Chemical Co Ltd filed Critical Sekisui Chemical Co Ltd
Priority to JP2015208644A priority Critical patent/JP6825807B2/ja
Publication of JP2017084476A publication Critical patent/JP2017084476A/ja
Application granted granted Critical
Publication of JP6825807B2 publication Critical patent/JP6825807B2/ja
Active legal-status Critical Current
Anticipated expiration legal-status Critical

Links

Images

Classifications

    • YGENERAL TAGGING OF NEW TECHNOLOGICAL DEVELOPMENTS; GENERAL TAGGING OF CROSS-SECTIONAL TECHNOLOGIES SPANNING OVER SEVERAL SECTIONS OF THE IPC; TECHNICAL SUBJECTS COVERED BY FORMER USPC CROSS-REFERENCE ART COLLECTIONS [XRACs] AND DIGESTS
    • Y02TECHNOLOGIES OR APPLICATIONS FOR MITIGATION OR ADAPTATION AGAINST CLIMATE CHANGE
    • Y02EREDUCTION OF GREENHOUSE GAS [GHG] EMISSIONS, RELATED TO ENERGY GENERATION, TRANSMISSION OR DISTRIBUTION
    • Y02E60/00Enabling technologies; Technologies with a potential or indirect contribution to GHG emissions mitigation
    • Y02E60/30Hydrogen technology
    • Y02E60/50Fuel cells

Description

本発明は、燃料電池用電極を形成するために用いられる樹脂粒子に関する。また、本発明は、上記樹脂粒子を用いた電極材料及び燃料電池用電極に関する。
燃料電池などの電極には、例えば、カーボンに触媒金属を担持させた電極材料が用いられている。カーボンは、導電性に優れており、燃料電池環境(高電位及び強酸性)において化学的に安定である性質を有する。このため、燃料電池用電極に含まれる担体として、カーボンが一般的に用いられている。
しかし、カーボンの酸化耐性は低い。カーボンは、燃料電池の作動条件下において、下記式(1)で表される反応によって電気化学的に酸化される。
C+2HO→CO+4H+4e …(1)
この反応は徐々に進行する。このため、燃料電池を長時間作動させることにより、カーボンが痩せていき、燃料電池の性能が低下するという問題が生じる。
この問題に対しては、カーボンの結晶性を高め、比表面積を小さくすることによってある程度対処することができる。しかし、カーボンの比表面積を小さくすると、触媒金属を担持させる部位が小さくなるため、触媒金属が粗大粒子としてカーボンに担持される。この結果、触媒活性が低下するという問題が生じる。
上記のような問題に対して、触媒活性を高める方法が、下記の特許文献1に開示されている。また、酸化耐性と触媒活性とを高める方法が、下記の特許文献2に開示されている。
特許文献1では、触媒金属を担持させる担体として、光散乱法で粒度分布を測定したときに、粒度累積曲線の90%粒径D90が28μm以下である担体を用いることが開示されている。特許文献1では、具体的には、担体として、粒径が制御されたカーボンが用いられている。
特許文献2では、触媒金属を担持させる担体として、カーボンにかえて、炭化ホウ素を用いることが開示されている。
WO2009/051111A 特開2014−49289号公報
特許文献1に記載のように粒径を制御したとしても、カーボンが痩せていき、電極性能が低下し、電極の酸化耐性を充分に得ることは困難である。また、本発明者らは、カーボンが痩せると、電極にかかる応力が増加し、燃料電池の発電効率が低下し、燃料電池の信頼性が低下するという課題が生じることを見出した。
また、特許文献2でも、電極の酸化耐性を充分に高めることが困難である。
本発明の目的は、燃料電池用電極の酸化耐性を高めることができ、更に、電極の応力緩和性を高めることができ、燃料電池の発電効率を高く維持することができる樹脂粒子を提供することである。また、本発明の目的は、上記樹脂粒子を用いた電極材料及び燃料電池用電極を提供することである。
本発明の広い局面によれば、燃料電池用電極を形成するために用いられ、10%圧縮したときの圧縮弾性率が、100N/mm以上である、樹脂粒子が提供される。
本発明に係る樹脂粒子のある特定の局面では、前記樹脂粒子は、(メタ)アクリル樹脂、シリコーン樹脂、ジビニルベンゼン重合体樹脂、又はエポキシ樹脂を含む。
本発明に係る樹脂粒子のある特定の局面では、前記樹脂粒子は、導電材料を含む。
本発明に係る樹脂粒子のある特定の局面では、アスペクト比が5以下である。
本発明に係る樹脂粒子のある特定の局面では、前記樹脂粒子は、触媒金属と共に用いられる。
本発明の広い局面によれば、燃料電池用電極を形成するために用いられ、上述した樹脂粒子と、触媒金属とを含む、電極材料が提供される。
本発明に係る電極材料のある特定の局面では、前記樹脂粒子に前記触媒金属が担持されている。
本発明の広い局面によれば、燃料電池用電極を形成するために用いられ、上述した樹脂粒子と、カーボン粒子と、前記樹脂粒子又は前記カーボン粒子に担持されている触媒金属とを含む、電極材料が提供される。
本発明の広い局面によれば、燃料電池に用いられ、上述した電極材料により形成されている、燃料電池用電極が提供される。
本発明に係る樹脂粒子は、10%圧縮したときの圧縮弾性率が、100N/mm以上であるので、本発明に係る樹脂粒子を用いて燃料電池用電極を形成したときに、電極の酸化耐性を高めることができる。さらに、電極の応力緩和性を高めることができ、燃料電池の発電効率を高く維持することができる。
図1は、本発明の一実施形態に係る樹脂粒子に触媒金属が担持されている粒子複合体を示す断面図である。
以下、本発明の詳細を説明する。
本発明に係る樹脂粒子は、燃料電池用電極を形成するために用いられる。本発明に係る樹脂粒子を10%圧縮したときの圧縮弾性率(10%K値)は、100N/mm以上である。
本発明に係る樹脂粒子では、上記の構成が採用されているので、樹脂粒子を用いて燃料電池用電極を形成したときに、酸化耐性を高めることができる。上記樹脂粒子は、カーボンと異なり、痩せにくい。このため、電極が長期間使用されても、樹脂粒子の形状が維持され、結果として電極の形状及び電極の空隙率が維持される。結果として、触媒活性も高く維持される。さらに、上記樹脂粒子は応力緩和性に優れている。このため、燃料電池用電極に応力が加わっても、樹脂粒子によって応力が緩和される。結果として、燃料電池の発電効率を高く維持することができる。
本発明に係る電極材料は、樹脂粒子と、触媒金属とを含む。燃料電池用電極として電極材料を好適に用いることができ、触媒活性が効果的に発揮されるので、上記樹脂粒子に上記触媒金属が担持されていることが好ましい。上記電極材料において、上記樹脂粒子と上記触媒金属とは、上記樹脂粒子に上記触媒金属が担持された粒子複合体であることが好ましい。上記電極材料は、複数の粒子複合体を含むことが好ましい。
図1は、本発明の一実施形態に係る樹脂粒子に触媒金属が担持されている粒子複合体を示す断面図である。
図1に示す樹脂粒子11及び触媒金属12では、樹脂粒子11に触媒金属12が担持されている。樹脂粒子11及び触媒金属12は、樹脂粒子11に触媒金属12が担持された粒子複合体1である。
導電性を効果的に高める観点からは、上記樹脂粒子の抵抗率は好ましくは1000Ω以下、より好ましくは300Ω以下である。上記樹脂粒子の抵抗率の下限は特に限定されない。
上記樹脂粒子の抵抗率は以下のようにして測定される。
上記樹脂粒子1.5gを円柱容器内(直径20mm、上下方向の長さ50mm)に入れてから、この樹脂粒子に、ロードセル付き加圧機で、63.7MPaの圧力、20kNの荷重の圧縮荷重を上下方向にかける。そして、低抵抗率計(Model MCP−T610:三菱化学アナリテック社製)を用いて直流抵抗を測定し、下記式により抵抗率を算出する。抵抗率が小さい程、導電性が優れている。
抵抗率=測定値×円柱容器内の圧縮後の樹脂粒子の断面積(円柱容器に対して水平方向)/圧縮後の樹脂粒子の厚み
上記樹脂粒子のアスペクト比は好ましくは5以下、より好ましくは3以下、更に好ましくは2以下である。上記アスペクト比は、長径/短径を示す。上記樹脂粒子は、球状であることが好ましい。球状とは、アスペクト比が2以下であることをいう。
上記樹脂粒子の平均粒子径は、好ましくは0.1μm以上、より好ましくは1.0μm以上であり、好ましくは10.0μm以下、より好ましくは5.0μm以下である。上記平均粒子径が上記下限以上であると、電極における空隙率を適度に高めることができ、燃料電池等の発電効率を効率的に高めることができる。上記平均粒子径が上記上限以下であると、触媒活性がより一層高くなる。
上記樹脂粒子の平均粒子径は、数平均粒子径を示す。該平均粒子径は、例えばコールターカウンター(ベックマンコールター社製)を用いて測定できる。
上記触媒金属の平均長径の上記樹脂粒子の平均粒子径に対する比(触媒金属の平均長径/樹脂粒子の平均粒子径)は、好ましくは5以上、より好ましくは10以上であり、好ましくは500以下、より好ましくは50以下である。
上記触媒金属の平均長径は、電子顕微鏡による画像から測定することができる。上記触媒金属の平均長径は、例えば、電界放射型透過電子顕微鏡(FE−TEM)(日本電子社製「JEM−ARM200F」)を用いて、100個の電極材を無作為に選択し、100万倍で測定することができる。
触媒活性を効果的に高める観点からは、上記樹脂粒子の粒子径のCV値(変動係数)は、好ましくは10%以下、より好ましくは5%以下、更に好ましくは3%以下である。上記樹脂粒子の粒子径のCV値は下記式により算出される。
樹脂粒子の粒子径のCV値(%)=樹脂粒子の粒子径の標準偏差/樹脂粒子の平均粒子径×100
上記樹脂粒子を10%圧縮したときの圧縮弾性率(10%K値)は、好ましくは100N/mm以上である。電極の形状及び電極の空隙率をより一層維持し、燃料電池の長期間の使用による発電効率の低下を抑える観点からは、上記樹脂粒子を10%圧縮したときの圧縮弾性率(10%K値)は、好ましくは500N/mm以上である。上記圧縮弾性率が上記下限以上であると、電極にかかる応力の増加が抑えられ、長期間に渡り燃料電池の信頼性がより一層高くなる。電極の形状及び電極の空隙率をより一層維持し、燃料電池の長期間の使用による発電効率の低下を抑える観点からは、上記樹脂粒子を10%圧縮したときの圧縮弾性率(10%K値)は、好ましくは10000N/mm以下、より好ましくは7000N/mm以下である。
電極の形状及び電極の空隙率をより一層維持し、燃料電池の長期間の使用による発電効率の低下を抑える観点からは、上記粒子複合体を10%圧縮したときの圧縮弾性率(10%K値)は、好ましくは500N/mm以上、より好ましくは1500N/mm以上である。上記圧縮弾性率が上記下限以上であると、電極にかかる応力の増加が抑えられ、長期間に渡り燃料電池の信頼性がより一層高くなる。電極の形状及び電極の空隙率をより一層維持し、燃料電池の長期間の使用による発電効率の低下を抑える観点からは、上記粒子複合体を10%圧縮したときの圧縮弾性率(10%K値)は、好ましくは12000N/mm以下、より好ましくは8000N/mm以下である。
上記樹脂粒子及び上記粒子複合体の上記10%K値は、以下のようにして測定できる。
微小圧縮試験機を用いて、円柱(直径50μm、ダイヤモンド製)の平滑圧子端面で、25℃、最大試験荷重90mNを30秒かけて負荷する条件下で、樹脂粒子又は粒子複合体を圧縮する。このときの荷重値(N)及び圧縮変位(mm)を測定する。得られた測定値から、上記圧縮弾性率が下記式により求められる。上記微小圧縮試験機として、例えば、フィッシャー社製「フィッシャースコープH−100」等が用いられる。
K値(N/mm)=(3/21/2)・F・S−3/2・R−1/2
F:樹脂粒子又は粒子複合体が10%圧縮変形したときの荷重値(N)
S:樹脂粒子又は粒子複合体が10%圧縮変形したときの圧縮変位(mm)
R:樹脂粒子又は粒子複合体の半径(mm)
上記電極材料において、上記樹脂粒子100重量部に対して、上記触媒金属の含有量は、好ましくは1重量部以上、より好ましくは30重量部以上であり、好ましくは95重量部以下、より好ましくは60重量部以下である。上記触媒金属の含有量が上記下限以上であると、触媒活性及び酸化耐性が効果的に高くなる。
導電性を高める観点から、上記電極材料は、カーボン粒子を含んでいてもよい。上記カーボン粒子に、触媒金属が担持されていてもよい。上記樹脂粒子又は上記カーボン粒子に、触媒金属が担持されていることが好ましい。上記樹脂粒子は、従来のカーボン粒子の一部の代替品として用いることができる。
上記電極材料において、上記樹脂粒子の含有量の上記カーボン粒子の含有量に対する比は、重量基準で、好ましくは0.01以上、より好ましくは0.1以上、更に好ましくは1以上であり、好ましくは100以下、より好ましくは10以下である。上記樹脂粒子の含有量が相対的に多くなると、酸化耐性及び応力緩和性がより一層高くなる。上記カーボン粒子の含有量が相対的に多くなると、導電性がより一層高くなる。酸化耐性及び応力緩和性をより一層高める観点からは、上記樹脂粒子の含有量を多くし、上記カーボン粒子の含有量を少なくすることが好ましい。
上記電極材料において、樹脂粒子に触媒金属が担持された粒子複合体の含有量のカーボン粒子に触媒金属が担持された粒子複合体の含有量に対する比は、重量基準で、好ましくは0.01以上、より好ましくは0.1以上、更に好ましくは1以上であり、好ましくは100以下、より好ましくは10以下である。上記樹脂粒子に触媒金属が担持された粒子複合体の含有量が相対的に多くなると、酸化耐性及び応力緩和性がより一層高くなる。上記カーボン粒子に触媒金属が担持された粒子複合体の含有量が相対的に多くなると、導電性がより一層高くなる。酸化耐性及び応力緩和性をより一層高める観点からは、上記樹脂粒子に触媒金属が担持された粒子複合体の含有量を多くし、上記カーボン粒子に触媒金属が担持された粒子複合体の含有量を少なくすることが好ましい。
上記粒子複合体の製造方法としては特に限定されないが、樹脂粒子を溶媒に分散させた分散液に、触媒金属を添加し、混合した後、溶媒を除去する方法が挙げられる。
以下、樹脂粒子、触媒金属、電極及び用途などの他の詳細を説明する。なお、以下の説明において、「(メタ)アクリル」は「アクリル」と「メタクリル」との一方又は双方を意味し、「(メタ)アクリレート」は「アクリレート」と「メタクリレート」との一方又は双方を意味する。
(樹脂粒子)
上記樹脂粒子は、樹脂を含む。上記樹脂粒子の材料(樹脂)として、種々の有機物が好適に用いられる。上記樹脂粒子の材料(樹脂)としては、例えば、ポリエチレン、ポリプロピレン、ポリスチレン、ポリ塩化ビニル、ポリ塩化ビニリデン、ポリイソブチレン、ポリブタジエン等のポリオレフィン樹脂;ポリメチルメタクリレート、ポリメチルアクリレート等のアクリル樹脂;ポリアルキレンテレフタレート、ポリカーボネート、ポリアミド、フェノールホルムアルデヒド樹脂、メラミンホルムアルデヒド樹脂、ベンゾグアナミンホルムアルデヒド樹脂、尿素ホルムアルデヒド樹脂、フェノール樹脂、メラミン樹脂、ベンゾグアナミン樹脂、尿素樹脂、エポキシ樹脂、不飽和ポリエステル樹脂、飽和ポリエステル樹脂、ポリスルホン、ポリフェニレンオキサイド、ポリアセタール、ポリイミド、ポリアミドイミド、ポリエーテルエーテルケトン、ポリエーテルスルホン、及び、エチレン性不飽和基を有する種々の重合性単量体を1種もしくは2種以上重合させて得られる重合体等が挙げられる。電極材料に適した任意の圧縮時の物性を有する樹脂粒子を設計及び合成することができ、かつ樹脂粒子の圧縮弾性率を好適な範囲に容易に制御できるので、上記樹脂粒子の材料は、エチレン性不飽和基を複数有する重合性単量体を1種又は2種以上重合させた重合体であることが好ましい。
上記樹脂粒子を、エチレン性不飽和基を有する単量体を重合させて得る場合には、上記エチレン性不飽和基を有する単量体としては、非架橋性の単量体と架橋性の単量体とが挙げられる。
上記非架橋性の単量体としては、例えば、スチレン、α−メチルスチレン等のスチレン系単量体;(メタ)アクリル酸、マレイン酸、無水マレイン酸等のカルボキシル基含有単量体;メチル(メタ)アクリレート、エチル(メタ)アクリレート、プロピル(メタ)アクリレート、ブチル(メタ)アクリレート、2−エチルヘキシル(メタ)アクリレート、ラウリル(メタ)アクリレート、セチル(メタ)アクリレート、ステアリル(メタ)アクリレート、シクロヘキシル(メタ)アクリレート、イソボルニル(メタ)アクリレート等のアルキル(メタ)アクリレート類;2−ヒドロキシエチル(メタ)アクリレート、グリセロール(メタ)アクリレート、ポリオキシエチレン(メタ)アクリレート、グリシジル(メタ)アクリレート等の酸素原子含有(メタ)アクリレート類;(メタ)アクリロニトリル等のニトリル含有単量体;メチルビニルエーテル、エチルビニルエーテル、プロピルビニルエーテル等のビニルエーテル類;酢酸ビニル、酪酸ビニル、ラウリン酸ビニル、ステアリン酸ビニル等の酸ビニルエステル類;エチレン、プロピレン、イソプレン、ブタジエン等の不飽和炭化水素;トリフルオロメチル(メタ)アクリレート、ペンタフルオロエチル(メタ)アクリレート、塩化ビニル、フッ化ビニル、クロルスチレン等のハロゲン含有単量体等が挙げられる。
上記架橋性の単量体としては、例えば、テトラメチロールメタンテトラ(メタ)アクリレート、テトラメチロールメタントリ(メタ)アクリレート、テトラメチロールメタンジ(メタ)アクリレート、トリメチロールプロパントリ(メタ)アクリレート、ジペンタエリスリトールヘキサ(メタ)アクリレート、ジペンタエリスリトールペンタ(メタ)アクリレート、グリセロールトリ(メタ)アクリレート、グリセロールジ(メタ)アクリレート、(ポリ)エチレングリコールジ(メタ)アクリレート、(ポリ)プロピレングリコールジ(メタ)アクリレート、(ポリ)テトラメチレングリコールジ(メタ)アクリレート、1,4−ブタンジオールジ(メタ)アクリレート等の多官能(メタ)アクリレート類;トリアリル(イソ)シアヌレート、トリアリルトリメリテート、ジビニルベンゼン、ジアリルフタレート、ジアリルアクリルアミド、ジアリルエーテル、γ−(メタ)アクリロキシプロピルトリメトキシシラン、トリメトキシシリルスチレン、ビニルトリメトキシシラン等のシラン含有単量体等が挙げられる。
酸化耐性を効果的に高め、応力緩和性を効果的に高め、燃料電池の長期間の使用による発電効率の低下を抑える観点からは、上記樹脂粒子は、(メタ)アクリル樹脂、シリコーン樹脂又はジビニルベンゼン重合体樹脂、又はエポキシ樹脂を含むことが好ましい。
上記エチレン性不飽和基を有する重合性単量体を、公知の方法により重合させることで、上記樹脂粒子を得ることができる。この方法としては、例えば、ラジカル重合開始剤の存在下で懸濁重合する方法、並びに非架橋の種粒子を用いてラジカル重合開始剤とともに単量体を膨潤させて重合する方法等が挙げられる。
導電性を高める観点からは、上記樹脂粒子は、導電材料を含むことが好ましい。
上記導電材料としては、カーボンブラック、グラファイト、黒鉛化カーボン、炭化ホウ素、カーボンナノチューブ、ダイヤモンド、フラーレン、グラフェン等の炭素質材料、チタニア、シリカ、セリア、アルミナ、マグネシア、ジルコニア及びイットリア等の金属が挙げられる。
導電性を効果的に高め、かつ酸化耐性を効果的に高める観点からは、上記樹脂粒子は、カーボンブラック、グラファイト、黒鉛化カーボン、炭化ホウ素、カーボンナノチューブ、ダイヤモンド、フラーレン又はグラフェンを含むことが好ましい。上記ダイヤモンドはナノダイヤモンドであることが好ましい。
導電性を効果的に高め、かつ酸化耐性を効果的に高める観点からは、上記導電材料は、炭素質材料であることが好ましく、カーボンブラックであることがより好ましい。
カーボンブラックとしては、特に限定されず、ケッチェンブラック、アセチレンブラック、チャンネルブラック、及びファーネスブラック等が挙げられる。カーボンブラックの分散性を向上させるために、マイクロリス(チバガイギー社製)等の表面処理が施されたカーボンブラックを用いることもできる。
導電性を効果的に高め、かつ酸化耐性を効果的に高める観点からは、上記樹脂粒子は、ケッチェンブラックを含むことが好ましい。酸化耐性を効果的に高める観点からは、上記樹脂粒子は、上記樹脂粒子中に、カーボンブラックを含むことが好ましい。一部のカーボンブラックは、上記樹脂粒子の表面上に配置されていてもよい。
上記樹脂粒子において、樹脂100重量部に対して、上記樹脂粒子に含まれる上記導電材料の含有量は、好ましくは5重量部以上、より好ましくは50重量部以上であり、好ましくは95重量部以下、より好ましくは80重量部以下である。上記導電材料の含有量が上記下限以上及び上記上限以下であると、触媒活性及び酸化耐性が効果的に高くなる。
上記樹脂粒子において、樹脂100重量部に対して、上記樹脂粒子に含まれるカーボンブラックの含有量は、好ましくは5重量部以上、より好ましくは50重量部以上であり、好ましくは95重量部以下、より好ましくは80重量部以下である。カーボンブラックの含有量が上記下限以上及び上記上限以下であると、触媒活性及び酸化耐性が効果的に高くなる。
(触媒金属)
上記触媒金属としては、貴金属等が挙げられる。上記触媒金属としては、白金、パラジウム、ルテニウム、ロジウム、イリジウム、オスミウム、金及び銀等が挙げられる。上記触媒金属は、単一金属であってもよく、合金であってもよい。上記合金は、貴金属と、貴金属以外の金属との合金であってもよい。上記合金としては、白金−コバルト合金、白金−ルテニウム合金、及び白金−イリジウム合金等が挙げられる。上記触媒金属は、1種のみが用いられてもよく、2種以上が併用されてもよい。
触媒活性を効果的に高める観点からは、上記触媒金属は、白金、白金合金、又はパラジウムであることが好ましい。
(燃料電池用電極)
上記電極材料により電極を形成することができる。
上記電極材料の製造方法としては特に限定されないが、樹脂粒子を溶媒に分散させた分散液に、触媒金属を添加し、混合した後、混合液を所定の厚みに塗工し、溶媒を除去する方法、並びに、溶媒を含む電極材料、又は電極材料に溶剤を添加した液を、所定の厚みに塗工し、溶媒を除去する方法等が挙げられる。
上記溶媒を除去する際に、熱処理を行うことができる。
上記熱処理の温度は、特に限定されない。上記熱処理の温度は、好ましくは50℃以上、より好ましくは100℃以上であり、好ましくは上記樹脂粒子の融点温度未満、より好ましくは上記樹脂粒子の融点温度−5℃以下である。
(用途)
上記樹脂粒子及び上記電極材料は、燃料電池用電極を得るために用いられる。上記電極は、燃料電池用電極である。
上記燃料電池は、例えば、第1の電極及び第2の電極(燃料極及び空気極)と、電解質とを備える。上記第1の電極及び上記第2の電極の内の少なくとも一方の電極が、上記電極材料を用いた上記燃料電池用電極であることが好ましい。上記第1の電極及び上記第2の電極の内の一方の電極のみが、上記電極材料を用いた上記燃料電池用電極である場合に、他の電極は特に限定されない。上記他の電極として、従来公知の電極が使用可能である。
上記燃料電池としては、固体高分子形燃料電池(PEFC)、りん酸形燃料電池(PAFC)、溶融炭酸塩形燃料電池(MCFC)、固体酸化物形燃料電池(SOFC)、アルカリ電解質形燃料電池(AFC)、及び直接形燃料電池(DFC)等が挙げられる。
以下、実施例及び比較例を挙げて、本発明を具体的に説明する。本発明は、以下の実施例のみに限定されない。
(実施例1)
(1)電極材料A(カーボンブラック粒子に触媒金属が担持されている粒子複合体A)の作製
カーボンブラック粒子(市販品:平均粒子径2.2μm、CV値48.6%、アスペクト比8.2)3.5gを純水1Lに加え、分散させて分散液を得た。この分散液に白金メタル0.5gを含むヘジアンミンジニトロ白金(II)硝酸溶液を添加し、十分にカーボンブラック粒子となじませ、懸濁液(1)を得た。
懸濁液(1)に10%アンモニア水溶液を添加してpH8.5に調整した。その後、水酸化物形成用アルカリ溶液として28%アンモニア溶液を滴下速度0.1ml/min.で滴下した。水酸化物形成用アルカリ溶液の滴下中は、発生した白金水酸化物を超音波攪拌により分散しながらカーボンブラック粒子に付着させ、懸濁液(2)を得た。
その後、懸濁液(2)をろ過することにより、粉末を取り出し、得られた粉末を130℃、24時間真空乾燥した。次に水素ガス雰囲気で450℃、10時間保持して還元処理した。熱処理の昇温速度は10℃/min.とし、昇温後10時間保持することにより、上記カーボンブラック粒子の表面上に触媒金属として白金が形成された電極材料A(カーボンブラック粒子に触媒金属が担持されている粒子複合体A)を得た。
(2)樹脂粒子の作製
カーボンブラックを用いた樹脂粒子を以下のようにして作製した。
テトラメチロールメタントリアクリレート60重量部、ジビニルベンゼン20重量部及びアクリロニトリル20重量部を均一に混合し、更に、カーボンブラック40重量部を添加した。その後、ビーズミルを用いて48時間かけてカーボンブラックを均一に分散させて、重合性単量体組成物を得た。
得られた重合性単量体組成物に、過酸化ベンゾイル2重量部を均一に混合して、混合液を得た。上記混合液を3重量%濃度のポリビニルアルコール水溶液850重量部に入れ、よく攪拌した。その後、ホモジナイザーで着色重合性単量体液滴の粒径が約0.5〜5.0μm微粒状になるように懸濁させ、懸濁液を得た。
得られた懸濁液を、温度計、攪拌機及び還流冷却器を備えた2リットルのセパラブルフラスコに移し、窒素雰囲気中で攪拌しながら85℃に昇温及び加熱し、7時間重合反応を行い、更に90℃に昇温して3時間保ち、重合反応を完結させて、重合反応液を得た。その後、重合反応液を冷却し、生成した樹脂粒子をろ過し、充分に水洗し乾燥させて、平均粒子径が2.5μmである粒子120重量部を得た。得られた粒子を分級して、樹脂粒子を得た。
得られた樹脂粒子において、樹脂100重量部に対して、カーボンブラックの含有量は48重量部であった。
(3)電極材料B(樹脂粒子に触媒金属が担持されている粒子複合体B)の作製
上記(2)樹脂粒子の作製で得られた樹脂粒子1.0gを純水1Lに加え攪拌し、均一に分散させて、分散液を得た。
得られた分散液に、白金メタル0.5gを含むヘジアンミンジニトロ白金(II)硝酸溶液を添加し、十分に攪拌しカーボンブラック粒子となじませ、懸濁液(1)を得た。
懸濁液(1)に10%アンモニア水溶液を添加してpH8.5に調整した。その後、還元剤溶液として0.5g/L水素化ホウ素カリウム溶液を滴下速度0.1ml/min.で滴下した。還元剤溶液の滴下中は、発生した白金核を超音波攪拌により分散しながらカーボンブラック粒子に付着させた。その後pHが安定するまで攪拌し、水素の発泡が停止するのを確認し、懸濁液(2)を得た。
その後、懸濁液(2)をろ過することにより、粒子を取り出し、水洗することにより、上記カーボンブラック粒子の表面上に触媒金属として白金が形成された粒子を得た。この粒子を100℃で24時間乾燥させて、電極材料B(粒子複合体B)を得た。得られた電極材料BをXRDで測定したところ、触媒金属の平均長径は8.4nmであった。
得られた粒子複合体Bにおいて、樹脂粒子100重量部に対して、触媒金属の含有量は36重量部であった。触媒金属の平均長径の樹脂粒子の平均粒子径に対する比は0.005であった。
(4)電極の作製
得られた粒子複合体B80重量部と得られた粒子複合体A20重量部との混合粒子を用いて、以下のようにして固体高分子型燃料電池用の単セル電極を作製した。
粒子複合体Aをデュポン社製のNafionとともに有機溶媒に分散させて、分散液を得た。得られた分散液をフッ素樹脂シート上に塗布して触媒層を形成した。電極面積あたりの白金触媒の量は、0.5mg/cmであった。上記混合粒子により形成された2つの電極を高分子電解質膜を介してホットプレスにより貼り合わせて、積層体を得た。得られた積層体の両側に拡散層を設置して、単セル電極(厚み50μm)を得た。
(実施例2〜14)
樹脂粒子の材料(樹脂)の配合量を下記の表1に示すように変更したこと以外は実施例1と同様して、樹脂粒子を得た。得られた樹脂粒子を用いて、実施例1と同様にして粒子複合体Bを作製し、得られた粒子複合体Bと実施例1で得られた粒子複合体Aとを下記の表1に示す粒子混合量で混合して、電極を作製した。なお、実施例8で用いた被覆カーボンブラックは、ポリエチレンにより表面が被覆されたカーボンブラックである。
実施例2〜14における樹脂粒子及び粒子複合体Bの詳細は以下の通りである。
実施例2:
得られた樹脂粒子において、樹脂100重量部に対して、カーボンブラックの含有量は24重量部であった。得られた粒子複合体Bにおいて、樹脂粒子100重量部に対して、触媒金属の含有量は36重量部であった。触媒金属の平均長径の樹脂粒子の平均粒子径に対する比は0.005であった。
実施例3:
得られた樹脂粒子において、樹脂100重量部に対して、カーボンブラックの含有量は72重量部であった。得られた粒子複合体Bにおいて、樹脂粒子100重量部に対して、触媒金属の含有量は36重量部であった。触媒金属の平均長径の樹脂粒子の平均粒子径に対する比は0.005であった。
実施例4:
得られた樹脂粒子において、樹脂100重量部に対して、カーボンブラックの含有量は48重量部であった。得られた粒子複合体Bにおいて、樹脂粒子100重量部に対して、触媒金属の含有量は36重量部であった。触媒金属の平均長径の樹脂粒子の平均粒子径に対する比は0.005であった。
実施例5:
得られた樹脂粒子において、樹脂100重量部に対して、カーボンブラックの含有量は48重量部であった。得られた粒子複合体Bにおいて、樹脂粒子100重量部に対して、触媒金属の含有量は36重量部であった。触媒金属の平均長径の樹脂粒子の平均粒子径に対する比は0.005であった。
実施例6:
得られた樹脂粒子において、樹脂100重量部に対して、カーボンブラックの含有量は48重量部であった。得られた粒子複合体Bにおいて、樹脂粒子100重量部に対して、触媒金属の含有量は36重量部であった。触媒金属の平均長径の樹脂粒子の平均粒子径に対する比は0.005であった。
実施例7:
得られた樹脂粒子において、樹脂100重量部に対して、カーボンブラックの含有量は48重量部であった。得られた粒子複合体Bにおいて、樹脂粒子100重量部に対して、触媒金属の含有量は36重量部であった。触媒金属の平均長径の樹脂粒子の平均粒子径に対する比は0.005であった。
実施例8:
得られた樹脂粒子において、樹脂100重量部に対して、被覆カーボンブラックの含有量は39重量部であった。得られた粒子複合体Bにおいて、樹脂粒子100重量部に対して、触媒金属の含有量は36重量部であった。触媒金属の平均長径の樹脂粒子の平均粒子径に対する比は0.005であった。
実施例9:
得られた樹脂粒子において、樹脂100重量部に対して、黒鉛化カーボンの含有量は48重量部であった。得られた粒子複合体Bにおいて、樹脂粒子100重量部に対して、触媒金属の含有量は36重量部であった。触媒金属の平均長径の樹脂粒子の平均粒子径に対する比は0.005であった。
実施例10:
得られた樹脂粒子において、樹脂100重量部に対して、炭化ホウ素の含有量は48重量部であった。得られた粒子複合体Bにおいて、樹脂粒子100重量部に対して、触媒金属の含有量は36重量部であった。触媒金属の平均長径の樹脂粒子の平均粒子径に対する比は0.005であった。
実施例11:
得られた樹脂粒子において、樹脂100重量部に対して、グラフェンの含有量は48重量部であった。得られた粒子複合体Bにおいて、樹脂粒子100重量部に対して、触媒金属の含有量は36重量部であった。触媒金属の平均長径の樹脂粒子の平均粒子径に対する比は0.005であった。
実施例12:
得られた樹脂粒子において、樹脂100重量部に対して、フラーレンの含有量は48重量部であった。得られた粒子複合体Bにおいて、樹脂粒子100重量部に対して、触媒金属の含有量は36重量部であった。触媒金属の平均長径の樹脂粒子の平均粒子径に対する比は0.005であった。
実施例13:
得られた樹脂粒子において、樹脂100重量部に対して、カーボンナノチューブの含有量は48重量部であった。得られた粒子複合体Bにおいて、樹脂粒子100重量部に対して、触媒金属の含有量は36重量部であった。触媒金属の平均長径の樹脂粒子の平均粒子径に対する比は0.005であった。
実施例14:
得られた樹脂粒子において、樹脂100重量部に対して、カーボンブラックの含有量は0重量部であった。得られた粒子複合体Bにおいて、樹脂粒子100重量部に対して、触媒金属の含有量は36重量部であった。触媒金属の平均長径の樹脂粒子の平均粒子径に対する比は0.005であった。
また、電極の作製において、粒子複合体A,Bの混合比率をかえて、得られた粒子複合体B30重量部と得られた粒子複合体A70重量部とを混合したこと以外は実施例1と同様にして、電極を作製した。
(実施例15)
電極の作製において、粒子複合体A,Bの混合比率をかえて、得られた粒子複合体B60重量部と得られた粒子複合体A40重量部とを混合したこと以外は実施例1と同様にして、電極を作製した。
(実施例16)
電極の作製において、粒子複合体A,Bの混合比率をかえて、得られた粒子複合体B90重量部と得られた粒子複合体A10重量部とを混合したこと以外は実施例1と同様にして、電極を作製した。
(比較例1)
実施例1で得られた電極材料A(粒子複合体A)のみを用い、樹脂粒子に触媒金属が担持されている電極材料B(粒子複合体B)を用いなかったこと以外は実施例1と同様して、電極を作製した。
(比較例2)
(1)樹脂粒子の作製
カーボンブラックを用いた樹脂粒子を以下のようにして作製した。
テトラメチロールメタントリアクリレート1重量部、アクリロニトリル99重量部を均一に混合し更に、カーボンブラック5重量部を添加した。その後、ビーズミルを用いて48時間かけて表面が被覆されたカーボンブラックを均一に分散させて、重合性単量体組成物を得た。
得られた重合性単量体組成物に、過酸化ベンゾイル2重量部を均一に混合して、混合液を得た。上記混合液を3重量%濃度のポリビニルアルコール水溶液850重量部に入れ、よく攪拌した。その後、ホモジナイザーで着色重合性単量体液滴の粒径が約0.5〜5.0μm微粒状になるように懸濁させ、懸濁液を得た。
得られた懸濁液を、温度計、攪拌機及び還流冷却器を備えた2リットルのセパラブルフラスコに移し、窒素雰囲気中で攪拌しながら85℃に昇温及び加熱し、7時間重合反応を行い、更に90℃に昇温して3時間保ち、重合反応を完結させて、重合反応液を得た。その後、重合反応液を冷却し、生成した樹脂粒子をろ過し、充分に水洗し乾燥させて、平均粒子径が2.5μmである粒子120重量部を得た。得られた粒子を分級して、樹脂粒子を得た。
得られた樹脂粒子を用いて、実施例1と同様にして、電極材料B(複数の粒子複合体B)を作製した。
また、電極の作製において、粒子複合体A,Bの混合比率をかえて、得られた粒子複合体B90重量部と得られた粒子複合体A10重量部とを混合したこと以外は実施例1と同様にして、電極を作製した。
得られた樹脂粒子において、樹脂100重量部に対して、カーボンブラックの含有量は5重量部であった。得られた粒子複合体において、樹脂粒子100重量部に対して、触媒金属の含有量は36重量部であった。触媒金属の平均長径の樹脂粒子の平均粒子径に対する比は0.009であった。
(評価)
(1)樹脂粒子、及び、粒子複合体Bの抵抗率
粉体圧縮抵抗を測定することにより、樹脂粒子、及び、粒子複合体Bの抵抗率を求めた。
上記樹脂粒子及び上記粒子複合体Bを円柱容器内(直径20mm、上下方向の長さ50mm)に入れてから、上記樹脂粒子及び上記粒子複合体Bに、ロードセル付き加圧機で、63.7MPaの圧力、20kNの荷重の圧縮荷重を上下方向にかけた。そして、低抵抗率計(Model MCP−T610:三菱化学アナリテック社製)を用いて直流抵抗を測定し、下記式により抵抗率を算出した。抵抗率が小さい程、導電性が優れていた。
抵抗率=測定値×円柱容器内の樹脂粒子又は上記粒子複合体Bの断面積/樹脂粒子又は上記粒子複合体Bの厚み
(2)樹脂粒子、及び、粒子複合体Bの圧縮弾性率(10%K値)
上記樹脂粒子及び上記粒子複合体Bの上記圧縮弾性率(10%K値)を、23℃の条件で、上述した方法により、微小圧縮試験機(フィッシャー社製「フィッシャースコープH−100」)を用いて測定した。
(3)発電効率(応力緩和性)及び酸化耐性の評価
第1の電極及び第2の電極(燃料極及び空気極)と、電解質とを備える燃料電池において、得られた電極を第1の電極及び第2の電極として用いた。得られた燃料電池を80℃で4000日間作動させた。
作動開始時の発電効率に対する作動開始後の発電効率の保持率を評価した。比較例1を基準として、以下の基準により判定した。
○:比較例1よりも保持率が高い
△:比較例1よりも保持率が低いが、保持率が80%以上に維持されている
×:比較例1よりも保持率が低く、かつ保持率が80%未満
また、作動前の電極の空隙率に対する作動後の電極の空隙率の保持率を評価した。比較例1を基準として、以下の基準により判定した。
○:比較例1よりも保持率が高い
△:比較例1よりも保持率が低いが、保持率が80%以上に維持されている
×:比較例1よりも保持率が低く、かつ保持率が80%未満
Figure 0006825807
1…粒子複合体
11…樹脂粒子
12…触媒金属

Claims (7)

  1. 燃料電池用電極を形成するために用いられ、前記燃料電池用電極において粒子の形状で用いられ、
    触媒金属に担持されて用いられ、
    樹脂粒子の材料が、エチレン性不飽和基を複数有する重合性単量体を含み、
    25℃で、最大試験荷重90mNを30秒かけて負荷する条件下で10%圧縮したときの圧縮弾性率が、100N/mm以上であり、
    以下の構成A又は構成Bを備える、樹脂粒子。
    構成A:前記樹脂粒子を構成する重合性単量体100重量%中、前記エチレン性不飽和基を複数有する重合性単量体の含有量が、80重量%以上100重量%以下である
    構成B:前記樹脂粒子を構成する重合性単量体100重量%中、前記エチレン性不飽和基を複数有する重合性単量体の含有量が、10重量%以上であり、かつ、前記樹脂粒子を構成する重合性単量体が、ニトリル含有単量体を含む
  2. (メタ)アクリル樹脂又はジビニルベンゼン重合体樹脂を含む、請求項1に記載の樹脂粒子。
  3. 導電材料を含む、請求項1又は2に記載の樹脂粒子。
  4. アスペクト比が5以下である、請求項1〜3のいずれか1項に記載の樹脂粒子。
  5. 燃料電池用電極を形成するために用いられ、
    請求項1〜4のいずれか1項に記載の樹脂粒子と、
    前記樹脂粒子に担持されている触媒金属とを含み、
    前記樹脂粒子は、前記燃料電池用電極において粒子の形状で用いられる、電極材料。
  6. 燃料電池用電極を形成するために用いられ、
    請求項1〜4のいずれか1項に記載の樹脂粒子と、
    カーボン粒子と、
    前記樹脂粒子に担持されている触媒金属とを含む、電極材料。
  7. 燃料電池に用いられ、
    請求項5又は6に記載の電極材料により形成されている、燃料電池用電極。
JP2015208644A 2015-10-23 2015-10-23 樹脂粒子、電極材料及び燃料電池用電極 Active JP6825807B2 (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2015208644A JP6825807B2 (ja) 2015-10-23 2015-10-23 樹脂粒子、電極材料及び燃料電池用電極

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2015208644A JP6825807B2 (ja) 2015-10-23 2015-10-23 樹脂粒子、電極材料及び燃料電池用電極

Publications (2)

Publication Number Publication Date
JP2017084476A JP2017084476A (ja) 2017-05-18
JP6825807B2 true JP6825807B2 (ja) 2021-02-03

Family

ID=58711072

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP2015208644A Active JP6825807B2 (ja) 2015-10-23 2015-10-23 樹脂粒子、電極材料及び燃料電池用電極

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JP6825807B2 (ja)

Family Cites Families (6)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JPH04276090A (ja) * 1991-03-01 1992-10-01 Permelec Electrode Ltd 電気化学用電極及びセル構造体
JP3528210B2 (ja) * 1993-08-24 2004-05-17 栗田工業株式会社 水処理用触媒
JP4591029B2 (ja) * 2004-10-12 2010-12-01 コニカミノルタホールディングス株式会社 燃料電池用電極触媒の製造方法
JP2008210581A (ja) * 2007-02-23 2008-09-11 Toshiba Corp 燃料電池
DE102008028552A1 (de) * 2008-06-16 2009-12-17 Elcomax Membranes Gmbh Gasdiffusionselektroden mit funktionalisierten Nanopartikeln
JP2013026014A (ja) * 2011-07-21 2013-02-04 Honda Motor Co Ltd 燃料電池用触媒及び燃料電池用触媒の製造方法

Also Published As

Publication number Publication date
JP2017084476A (ja) 2017-05-18

Similar Documents

Publication Publication Date Title
US9698442B2 (en) Method for making membrane electrode assembly
CA2787645C (en) Method of manufacturing proton-conducting membranes
JP6391808B2 (ja) 固体高分子形燃料電池用の担体炭素材料及び触媒
JP5847865B2 (ja) ガス拡散基材
JP2008269850A (ja) 固体高分子形燃料電池電極用触媒
WO2016063922A1 (ja) 燃料電池用電極触媒層及びその製造方法、膜電極接合体並びに固体高分子形燃料電池
JP6727266B2 (ja) 燃料電池用アノード触媒層及びそれを用いた燃料電池
CN108808027B (zh) 燃料电池用电极催化剂及其制造方法
JP4620341B2 (ja) 燃料電池用電極触媒
JP6727263B2 (ja) 燃料電池用アノード触媒層及びそれを用いた燃料電池
JP2017084475A (ja) 電極材料及び電極
WO2009125695A1 (ja) 含フッ素イオン交換樹脂の分散組成物
JP3826867B2 (ja) 燃料電池用触媒担持粒子および燃料電池用触媒電極の製造方法
JP6825807B2 (ja) 樹脂粒子、電極材料及び燃料電池用電極
JP6956851B2 (ja) 燃料電池用電極触媒及びそれを用いた燃料電池
JP2007209980A (ja) 金属触媒とその製造方法、電極とその製造方法、及び燃料電池
JP2020047430A (ja) 燃料電池用アノード触媒層及びそれを用いた燃料電池
JP5322213B2 (ja) 多孔質電極基材、その製造方法、膜−電極接合体、および固体高分子型燃料電池
JP2006318790A (ja) 固体高分子型燃料電池用ガス拡散電極とその製造方法、および固体高分子型燃料電池
JP2005108453A (ja) 燃料電池用膜−電極接合体及び燃料電池
WO2022085693A1 (ja) 固体高分子形燃料電池触媒担体用炭素材料、固体高分子形燃料電池用触媒層、及び燃料電池
JP2015015153A (ja) 電極材、マグネシウム燃料電池、及び電極材の製造方法
JP6727265B2 (ja) 燃料電池用アノード触媒層及びそれを用いた燃料電池
JP2004119223A (ja) ガス拡散電極及びこれを用いた燃料電池
JP5270936B2 (ja) 燃料電池用膜電極構造体の製造方法

Legal Events

Date Code Title Description
A621 Written request for application examination

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A621

Effective date: 20180703

A977 Report on retrieval

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A971007

Effective date: 20190522

A131 Notification of reasons for refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131

Effective date: 20190604

A601 Written request for extension of time

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A601

Effective date: 20190801

A521 Request for written amendment filed

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523

Effective date: 20191003

A02 Decision of refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A02

Effective date: 20200407

A521 Request for written amendment filed

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523

Effective date: 20200703

C60 Trial request (containing other claim documents, opposition documents)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: C60

Effective date: 20200703

A911 Transfer to examiner for re-examination before appeal (zenchi)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A911

Effective date: 20200709

C21 Notice of transfer of a case for reconsideration by examiners before appeal proceedings

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: C21

Effective date: 20200714

A131 Notification of reasons for refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131

Effective date: 20200915

A521 Request for written amendment filed

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523

Effective date: 20200915

TRDD Decision of grant or rejection written
A01 Written decision to grant a patent or to grant a registration (utility model)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A01

Effective date: 20201222

A61 First payment of annual fees (during grant procedure)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A61

Effective date: 20210114

R151 Written notification of patent or utility model registration

Ref document number: 6825807

Country of ref document: JP

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R151

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250