JP2015015153A - 電極材、マグネシウム燃料電池、及び電極材の製造方法 - Google Patents

電極材、マグネシウム燃料電池、及び電極材の製造方法 Download PDF

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健一 新明
Kenichi Shinmyo
健一 新明
アルツゲ ラシカ ダサナヤケ
Aluthge Rasika Dasanayake
アルツゲ ラシカ ダサナヤケ
大輔 時田
Daisuke Tokita
大輔 時田
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Abstract

【課題】簡便に製造可能な、電池の電極材、マグネシウム燃料電池、及び前記電極材の製造方法の提供。
【解決手段】[1]マグネシウムを含有する粒子と、前記粒子同士を結着するバインダー樹脂と、を有する電極材2。[2]前記バインダー樹脂の少なくとも一部が微小な繊維の形態を有する前記電極材2。[3]前記バインダー樹脂がポリテトラフルオロエチレンを含有する前記電極材2。[4]前記電極材の少なくとも一部が多孔質である前記電極材2。[5]前記電極材がシート状、板状又は柱状である前記電極材2。[6]前記電極材を燃料極として備えたマグネシウム燃料電池1。[7]前記電極材を製造する方法であって、
前記粒子と前記バインダー樹脂を混合した組成物にせん断力を加えることにより、前記バインダー樹脂の結着力を増加させ、前記粒子同士を結着させる工程を含む、電極材の製造方法。
【選択図】図1

Description

本発明は、電極材、前記電極材を備えたマグネシウム燃料電池、及び前記電極材の製造方法に関する。
マグネシウムは地球上に豊富に存在する資源であり、リチウムよりも供給安定性に優れる。金属マグネシウムと金属リチウムの単位体積あたりのエネルギー密度を比べても、金属マグネシウムの方が優れている。現在はリチウム二次電池の製品開発が盛んであるが、マグネシウム燃料電池は次世代の大容量電池として注目されている。
従来、正極材が白金等の貴金属触媒を担持したカーボン材料であり、負極材が金属マグネシウム又はその合金であるマグネシウム燃料電池が知られている。正極においては空気等の酸素が還元されて水が生成し、負極においては金属マグネシウム又はその合金中に存在するマグネシウムが酸化される反応が進行することによって発電をおこなう。そのことから正極が空気極、負極が燃料極と呼ばれることもある。例えば特許文献1には、アルミニウム、スズ及び亜鉛のうち少なくとも1つを含むマグネシウム合金が負極材であるマグネシウム燃料電池が開示されている。また、特許文献2には、負極材がマグネシウム合金であり、電解質溶液が多価カルボン酸塩の水溶液であるマグネシウム燃料電池が開示されている。
マグネシウム燃料電池の正極と負極に起電力が発生する際、一般に下記の主反応により水酸化マグネシウムが生成する。
・正極における反応:O+2HO+4e → 4OH
・負極における反応:2Mg → 2Mg2++4e
・電池全体での反応:2Mg+O+2HO → 2Mg(OH)
ところが、正極で発生した電子が、負極に回らずに電解液内のプロトンに奪われて、水素が発生する副反応が問題となっていた。電解液内のプロトン濃度を下げるためにアルカリ性電解液を使用することにより水素発生を抑制することが可能である。しかし、この場合、負極材のマグネシウムの表面に不溶性(難溶性)の水酸化マグネシウムからなる被膜(不動態膜)が形成され、電気化学反応が停止してしまう問題があった。また、アルカリ性電解液を用いない場合においても、電解液中の塩化物イオン等のアニオンが負極材のマグネシウムの表面に付着して電気化学反応の効率を低下させたり、塩化物イオン等のアニオンにより負極材が無駄に浸食されたりする問題があった。
この負極材の浸食の問題を解決する方法として、特許文献3には、アルミニウム及びカルシウムを含む板状のマグネシウム合金を負極材として使用することが開示されている。このマグネシウム合金からなる負極板は、塩化物イオンを含む電解液(例えば塩化ナトリウム水溶液)に接しても、負極材の無駄な浸食が起こらず、安定に電気化学反応が進むとしている。
特開2004−537151号公報 特開2010−182435号公報 特開2012−234799号公報
しかしながら、特許文献3等で用いられる板状のマグネシウム合金からなる負極板は、その製造工程において、700〜800℃の溶融された状態において真空脱気を行う工程が必要であるか又は少なくとも500℃以上に加熱して射出成型する工程が必要である。また、板状に加工する圧延工程が必要になる場合がある。これらの工程が負極板の製造コストを押し上げる主な原因となっている。
本発明は、上記事情に鑑みてなされたものであり、簡便に製造可能な、電池の電極材、マグネシウム燃料電池、及び前記電極材の製造方法の提供を課題とする。
[1] マグネシウムを含有する粒子と、前記粒子同士を結着するバインダー樹脂と、を有する電極材。
[2] 前記バインダー樹脂の少なくとも一部が微小な繊維の形態を有することを特徴とする特徴とする前記[1]に記載の電極材。
[3] 前記バインダー樹脂がポリテトラフルオロエチレンを含有することを特徴とする前記[1]又は[2]に記載の電極材。
[4] 前記電極材の少なくとも一部が多孔質であることを特徴とする前記[1]〜[3]のいずれか一項に記載の電極材。
[5] 前記電極材がシート状、板状又は柱状であることを特徴とする前記[1]〜[4]のいずれか一項に記載の電極材。
[6] 前記[1]〜[5]のいずれか一項に記載の電極材を燃料極として備えたマグネシウム燃料電池。
[7] 前記[1]〜[5]のいずれか一項に記載の電極材を製造する方法であって、前記粒子と前記バインダー樹脂を混合した組成物にせん断力を加えることにより、前記バインダー樹脂の結着力を増加させ、前記粒子同士を結着させる工程を含む、電極材の製造方法。
本発明にかかる電極材は、マグネシウム燃料電池の燃料極として用いられたときに電気化学反応を安定に継続することができると共に、簡便に低コストで製造可能である。この結果、高性能のマグネシウム燃料電池を低コストで製造することができる。
本発明にかかる電極材の製造方法によれば、電極材を成型するためにマグネシウムを高温で加熱溶融する必要がないため、低コストで簡便に電極材を製造することができる。
本発明の第三実施形態のマグネシウム燃料電池の概略構成を示す図である。
以下、好適な実施の形態に基づき、図面を参照して本発明を説明するが、本発明はかかる実施形態に限定されない。
《電極材》
本発明の第一実施形態の電極材は、マグネシウムを含有する粒子(以下、Mg粒子と呼ぶことがある。)と、前記粒子同士を結着するバインダー樹脂と、を有する。
前記電極材の形状は特に制限されず、例えば電池の燃料極(負極)の電極部材として用いる場合には、その電池の筐体内又は電解液槽の中に収納できる形状であることが好ましい。具体的には、例えばシート状、板状又は柱状の形状が挙げられる。
前記Mg粒子の全重量に対する、当該Mg粒子に含有されるマグネシウムの重量(マグネシウム含有率)は特に制限されないが、50〜100重量%であることが好ましく、80〜100重量%であることがより好ましく、90〜100重量%であることがさらに好ましい。マグネシウム含有率が高いほど、本発明にかかる電極材のエネルギー密度を高めることができる。
前記Mg粒子の形状は特に制限されず、例えば、球体、回転楕円体又は多面体に近似される立体形状が挙げられる。
前記Mg粒子の平均の粒子径(平均粒径)は特に制限されないが、形成する電極材の比表面積を大きくするためには、例えば粒子径が0.01μm〜100μmのMg粒子を用いることが好ましく、0.01μm〜20μmのMg粒子を用いることがより好ましい。
ここで、平均粒径は、例えばレーザー回折式(又は散乱式)粒度分布測定装置の測定により得られた体積平均径の分布のピーク値として決定することができる。
前記Mg粒子としては、例えばマグネシウム金属からなる粒子、マグネシウム合金からなる粒子が好ましい。
前記マグネシウム合金としては公知の合金が適用可能であり、例えば、カルシウム、アルミニウム、マンガン等の元素を含有する合金が挙げられる。
前記電極材に含有される前記Mg粒子は1種であってもよいし、2種以上であってもよい。
前記バインダー樹脂は、前記Mg粒子同士を結着させることができる樹脂であれば特に制限されない。ここで、Mg粒子同士を結着させるとは、複数のMg粒子を互いに直接接触した状態で接着させる場合と、複数のMg粒子同士を、バインダー樹脂を介して間接的に接着させる場合の少なくとも一方を行うことを意味する。
前記バインダー樹脂としては、例えば、ポリテトラフルオロエチレン(PTFE)、ポリエチレンオキシド(PEO)、ポリエチレングリコール(PEG)、ポリフッ化ビニリデン(PVDF)、ポリフッ化ビニリデン−六フッ化プロピレン共重合体(PVDF−HFP)、カルボキシメチルセルロース(CMC)、スチレン・ブタジエンゴム(SBR)、ポリアクリル酸(PAA)、ポリアクリル酸リチウム(PAALi)、ポリビニルアルコール(PVA)、ポリアクリルニトリル(PAN)、ポリイミド(PI)等が挙げられる。
これらのバインダー樹脂のうち、特にPTFEが好ましい。PTFEを用いることにより、電極材の構造を支える他の部材(基材)を必要とせず、PTFEが電極材の構造を自立的に形成及び維持することができる。
前記電極材に含有される前記バインダー樹脂は1種であってもよいし、2種以上であってもよい。
前記バインダー樹脂は、その少なくとも一部又は全部が微小な(微細な)繊維の形態を有する樹脂であることが好ましい。この樹脂を以下では「フィブリル化樹脂」と呼ぶことがある。
前記微小な繊維の大きさや長さは厳密に特定することはその性質上難しいが、電子顕微鏡でSEM像を観察したときに、例えば1nm〜100μm程度の繊維状の構造物として観察することができる。したがって、前記微小な繊維は、ナノフィブリル又はマイクロフィブリルと呼ぶことができる。このような微小な繊維の形態を前記バインダー樹脂が有することにより、前記Mg粒子同士をより強力に結着して、構造的強度が高い電極材が得られる。さらに、前記微小な繊維は、前記電極材の表面及び内部を多孔質にすること、及びその多孔度を高めることにも寄与する。
前記フィブリル化樹脂としては、例えばPTFEの微粒子(ファインパウダー)を分散又は溶解した液体に、せん断力を加えることにより繊維化(フィブリル化)された樹脂が挙げられる。
本実施形態の電極材は、マグネシウム燃料電池の燃料極(負極)を構成する材料として使用することができる。この用途において電気化学反応が進行するために、燃料極を構成するマグネシウムが電解液と接触可能であることが好ましい。前記マグネシウムと電解液の接触効率を高めるためには、前記電極材が多孔質であることが好ましい。多孔質であると、前記電極材の表面だけでなく内部を構成するマグネシウムも電解液と接触することが可能になり、前記電気化学反応を継続して安定的に進行させることができる。
本実施形態の電極材の少なくとも一部又は全部が多孔質である場合、その多孔質の部位の多孔度は5〜90体積%好ましく、10〜80体積%がより好ましい。
多孔度の測定は、水銀ポロシメーターによる水銀圧入法やガス吸着量測定装置によるガス吸着法等の方法で行うことができる。
本実施形態の電極材には、前記Mg粒子および前記バインダー樹脂以外の他の成分が含有されていてもよい。
前記他の成分としては、例えば公知の導電助剤が適用可能であり、具体的には、ケッチェンブラック、アセチレンブラック等のカーボンブラック等が例示できる。
本実施形態の電極材において、前記Mg粒子の重量と前記導電助剤の重量の重量比(Mg粒子の重量:導電助剤の重量)は特に制限されないが、例えば、100:0〜50:50が好ましく、95:5〜80:20がより好ましい。下限値以上であることにより、前記電極材の導電性を向上させることができる。上限値以下であることにより、前記電極材のエネルギー密度をより高めることができる。
本実施形態の電極材において、電極材の総重量に対する前記Mg粒子の重量は特に制限されないが、例えば、40〜99重量%が好ましく、50〜97重量%がより好ましく、60〜95重量%がさらに好ましい。下限値40重量%以上であることにより、前記電極材のエネルギー密度をより高めることができ、上限値99重量%以下であることにより、導電助剤による導電性の向上やバインダーによる結着性の向上効果が発現し、燃料極の出力や耐久性を向上することができる。
本実施形態の電極材において、電極材の総重量に対する前記バインダー樹脂の重量は特に制限されないが、例えば、1〜50重量%が好ましく、3〜40重量%がより好ましく、5〜30重量%がさらに好ましい。下限値1重量%以上であることにより、前記電極材の構造的強度を高めることが容易になる。前記電極材における電気化学反応を安定化することが容易になる。上限値50重量%以下であることにより、前記電極材のエネルギー密度をより高めることができる。
《電極材の製造方法》
本発明の第二実施形態における電極材の製造方法は、前記Mg粒子と前記バインダー樹脂を混合した組成物にせん断力を加えることにより、前記バインダー樹脂の結着力を増強し、前記粒子同士を結着させる工程(混合工程)を含む。前記製造方法は前記混合工程以外の別の工程を含んでいてもよい。
前記製造方法において使用するバインダー樹脂は、せん断力を加えることにより前記微細な繊維を形成することが可能な樹脂、すなわち繊維化可能な樹脂(フィブリル化可能な樹脂)、であることが好ましい。このような樹脂としては、例えばPTFEが挙げられる。特にPTFEのファインパウダー又はディスパージョンと称して市販されているPTFEが好ましい。
前記製造方法において使用するMg粒子の粒子径は特に制限されないが、形成する電極材の比表面積を大きくするためには、例えば平均の粒子径(平均粒径)が0.01μm〜100μmのMg粒子を用いることが好ましい。前記粒子径は、0.02μm〜20μmであることがより好ましい。0.01μm以上、100μm以下であると、電極材の内部に電解液等が浸透し易い電極材を容易に製造できる。
ここで、平均粒径は、例えばレーザー回折式(又は散乱式)粒度分布測定装置の測定により得られた体積平均径の分布のピーク値として決定することができる。
前記組成物の総重量に対する前記Mg粒子の重量は特に制限されないが、例えば、40〜99重量%が好ましく、50〜97重量%がより好ましく、60〜95重量%がさらに好ましい。下限値40重量%以上であることにより、安定な電気化学反応が得られる電極材を容易に製造できる。上限値99重量%以下であることにより、高い構造的強度を有する電極材を容易に製造できる。
前記組成物の総重量に対する前記バインダー樹脂の重量は特に制限されず、バインダー樹脂の種類にもよるが、例えば、1〜50重量%が好ましく、3〜40重量%がより好ましく、5〜30重量%がさらに好ましい。下限値1重量%以上であることにより、高い構造的強度を有する電極材を容易に製造できる。上限値50重量%以下であることにより、エネルギー密度が高く、安定な電気化学反応が得られる電極材を容易に製造できる。
前記組成物に、前記バインダー樹脂及び前記Mg粒子以外の前記他の成分を添加してもよい。前記他の成分を添加する場合の割合は、前述した、電極材の総重量に対する各成分の重量が適用できる。
前記組成物には、希釈用溶媒を配合してもよい。各成分及び溶媒を混合した後、電極材の製造過程において希釈用溶媒を乾燥等によって除去してもよい。ここで、「希釈用溶媒」とは、電極材中に実質的に残存しない溶媒を意味する。この場合の希釈用溶媒は、配合成分のいずれかを十分に溶解又は分散させることができるものが好ましく、有機溶媒であってもよいし、水系溶媒又は水であってもよい。具体的な溶媒の種類及び添加量は、前記組成物を構成する各成分の種類、濃度やその溶解性に応じて適宜調整すればよい。
前記組成物を混合する方法としては、前記組成物にせん断力を加えられる混合方法であれば特に限定されず、例えば、撹拌子、撹拌翼、ボールミル、スターラー、自公転ミキサー等を使用する公知の方法が適用可能である。これらの中でも、前記組成物にせん断力を充分に加えることが可能な、撹拌翼を用いた混合方法が好ましい。具体的には、撹拌翼を備えた撹拌相に前記組成物を投入して、撹拌翼を回すことにより、当該組成物にせん断力を加えることができる。
前記組成物を混合する方法は、複数種類の混合方法を併用してもよい。
混合温度、混合時間等の混合条件は、各種方法に応じて適宜設定すればよい。通常は、混合時の温度は15〜85℃であることが好まく、混合時間は0.5〜36時間であることが好ましい。
前記バインダー樹脂としてPTFEを用いる場合には、前記組成物にせん断力を加えながら前記組成物を混合することにより、前記組成物中においてPTFEが繊維化する(フィブリル化する)ため、前記組成物の粘度を増加し、PTFEが前記Mg粒子同士を結着する力及びPTFE同士が結着する力を増加させることができる。
前記組成物を混合した後、前記組成物を所望の形状を有する電極材に成型することができる。成型方法は特に制限されず、例えば射出成型、押出成型、モールド成型等の公知方法が適用可能である。これらの成型方法は、混合後の前記組成物が十分に高い粘度を有する場合に特に適する。
また、前記組成物を混合した後、所望の基材に塗布して、前記基材と一体化した電極材を形成することができる。電極材の形成後に、前記基材を電極材から剥がしても構わないし、一体化した形態で電極材として使用してもよい。前記基材は特に制限されないが、公知の集電材等の導電性基材であることが好ましい。導電性基材を介して電極材から電子を容易に収集することができる。
前記基材に塗布された又は成型された前記電極材から前記希釈用溶媒を除去する方法は特に限定されず、例えば、ドライボックス、真空デシケータ、減圧乾燥機等を使用する公知の乾燥方法が適用可能である。
以上の方法により、本発明にかかる電極材を製造することができる。
以上の説明では、せん断力が加わることによって結着力が増加するバインダー樹脂を用いた場合を主に説明した。このような樹脂を使用しない場合には、例えば、使用する樹脂の特性に応じて、前記組成物に適当な粘度又は硬さを付与する公知の方法を適用して、前述と同様の方法により、本発明にかかる電極材を製造することができる。具体的には、前記組成物に増粘剤を添加して、前記基材に塗布して乾燥することにより前記電極材を製造できる。また、前記組成物に、重合後にバインダー樹脂に成る未重合のモノマー(例えばアクリル酸)と、前記モノマーの重合開始剤(例えば光重合開始剤剤)とを含有させ、適当な基材上又は型枠(容器)内で重合させて当該組成物を固化することにより前記電極材を製造する方法も例示できる。
《マグネシウム燃料電池》
本発明の第三実施形態のマグネシウム燃料電池は、第一実施形態の電極材を燃料極として備えている。例えば図1に示す構成を有する燃料電池1が挙げられる。
図1のマグネシウム燃料電池1は、メッシュ状の集電材3の両面に第一実施形態の電極材が配置された燃料極2と、空気拡散層を内部に有する空気極4とが、塩化ナトリウム水溶液からなる電解液5を挟む積層構造を有する。この積層構造は、電解液5を収容可能な図示しない容器(筐体)内に格納されている。燃料極2の上方に突き出している集電体3は、燃料極2内の集電体3から延長された部位であり、引出配線として機能する。この引出配線と図示しない配線を介して、燃料極2と空気極4が電気的に接続されている。
電解液5は、燃料極2で生成するマグネシウムイオンと反応可能な(電子を供給可能な)溶媒又は溶質が含まれる電解液であれば特に制限されない。前記溶媒としては、通常は水分子が好ましい。よって、電解液5は水系電解液であることが好ましい。電解液5は、流動性の高い液状であってもよいし、高分子ポリマー等の増粘剤が添加されたことによりゲル化されていてもよい。また、電解液5を担持する(保持する)固体の担持体が燃料極2と空気極4の間に備えられていてもよい。
空気極4(正極)の構成は、電解液5に電子を供給可能であれば特に制限されず、例えば下記の電気化学反応を起こすことが可能な、公知の燃料電池の空気極を適用できる。通常、下記反応の電子は燃料極2(負極)のマグネシウムから供給される。下記反応の酸素分子は、電解液5に溶解している酸素分子又は空気極4内を拡散する空気から供給される。
・空気極における反応:O+2HO+4e → 4OH
燃料極2(負極)を構成する電極材は第一実施形態の電極材が適用できる。燃料極2を構成するマグネシウムは空気極4側に電子を送ると共に、電解液5の水分子と反応して水酸化マグネシウムを形成する。水酸化マグネシウムは水に難溶であるが、燃料極2の表面に固着して被膜を形成することは殆ど無く、燃料極2の表面から脱離するため、燃料極2における下記反応を停止することは殆ど無い。
・負極における反応:2Mg → 2Mg2++4e
マグネシウム燃料電池1全体では下記反応が起こることにより、燃料極2と空気極4の間に起電力が発生し、燃料電池として機能させることができる。
・燃料電池全体での反応:2Mg+O+2HO → 2Mg(OH)
次に、実施例により本発明をさらに詳細に説明するが、本発明はこれらの例によって限定されるものではない。
<マグネシウム粒子の粒子径の測定>
実施例で使用したマグネシウム粒子、PTFE粒子、及び炭素粒子の「平均粒径」は、レーザー回折・散乱法によって求めた、体積平均径の分布のピーク値として決定することができる。
[実施例1]
<燃料極(負極)の作製>
平均粒径100μmのマグネシウム粒子の粉0.3g、平均粒径0.1μmのグラファイト粒子の粉0.3g、及び粒子径約400μmのPTFE粒子の粉0.03gをサンプル瓶にそれぞれ量り取り、このサンプル瓶にイソプロパノール0.2g、水0.2gを加え、混合した。サンプル瓶内で、せん断力をかけるように混ぜることによって、組成物は弾性のある塊となった。この塊を炭素繊維紙(TGP−060H;東レ株式会社製)上に乗せ、均一に引き延ばし、室温にて乾燥することによって、Mgを含む負極板を作製した。負極板のサイズは、たて2.5cm、よこ2.5cmであった。
<空気極(正極)の作製>
プラチナを担持したカーボン粒子(Pt含有率50重量%)0.15g、水0.75g、5重量%濃度のナフィオン分散溶液1.0gを加え、自公転ミキサーにて混ぜることによって、触媒インクを得た。この触媒インクを炭素繊維紙(GDL25BC;SGLカーボン社製)上に塗布した。塗布後、室温にて1h乾燥後、1kN、120℃でプレスすることによって、正極板を作製した。正極板のサイズは、たて2.5cm、よこ2.5cmであった。
<マグネシウム燃料電池の作製>
作製した正極板と負極板の間にガラス繊維製の濾紙(厚み420μm)をセパレータとして挟み込み、積層体を作製した。
<マグネシウム燃料電池のテスト>
作製した積層体の正極板と負極板にそれぞれ外部抵抗を接続して回路を形成した。回路中に電流計及び電圧計を設置し、積層体の回路に流れる電流とその電圧をモニターできる状態とした。積層体のガラス繊維製の濾紙部分に、1重量%濃度の塩化ナトリウム水溶液を浸漬し、両極間の電圧と電流を測定した。テスト結果を表1に示す。
[比較例1]
負極板として、マグネシウム板(たて2.5cm、よこ2.5cm、厚み0.1cm)を使用したこと以外は、実施例1と同様の手順にてマグネシウム燃料電池を作製し、実施例1と同じテストを実施した。テスト結果を表1に示す。
Figure 2015015153
表1の結果から、実施例1の燃料電池は初期電圧が高く、テスト開始直後に取り出せる電流値(初期電流)が大きく、テスト開始15分後に取り出せる電流値(15分後の電流)も大きいことが分かった。実施例1の結果が優れている理由は、実施例1の燃料電池の燃料極が多孔質構造を有するため、電気化学反応に寄与する電極の表面積が、比較例1の非多孔質である単純なMg板の表面積よりも大きいからであると考えられる。
以上で説明した各実施形態における各構成及びそれらの組み合わせ等は一例であり、本発明の趣旨を逸脱しない範囲で、構成の付加、省略、置換、およびその他の変更が可能である。また、本発明は各実施形態によって限定されることはなく、請求項(クレーム)の範囲によってのみ限定される。
本発明に係る電極材は、マグネシウム燃料電池等の電池分野において広く利用可能である。
1…マグネシウム燃料電池、2…燃料極、3…集電体、4…空気極、5…電解液

Claims (7)

  1. マグネシウムを含有する粒子と、前記粒子同士を結着するバインダー樹脂と、を有する電極材。
  2. 前記バインダー樹脂の少なくとも一部が微小な繊維の形態を有することを特徴とする請求項1に記載の電極材。
  3. 前記バインダー樹脂がポリテトラフルオロエチレンを含有することを特徴とする請求項1又は2に記載の電極材。
  4. 前記電極材の少なくとも一部が多孔質であることを特徴とする請求項1〜3のいずれか一項に記載の電極材。
  5. 前記電極材がシート状、板状又は柱状であることを特徴とする請求項1〜4のいずれか一項に記載の電極材。
  6. 請求項1〜5のいずれか一項に記載の電極材を燃料極として備えたマグネシウム燃料電池。
  7. 請求項1〜5のいずれか一項に記載の電極材を製造する方法であって、
    前記粒子と前記バインダー樹脂を混合した組成物にせん断力を加えることにより、前記バインダー樹脂の結着力を増加させ、前記粒子同士を結着させる工程を含む、電極材の製造方法。
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