JP6825607B2 - 部品提示システム - Google Patents

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Description

機械装置に発生した不具合の対応のために交換される可能性がある部品を提示する部品提示システム
従来、特許文献1(特開2017−33526号公報)に開示されているように、機械学習の手法を用いて機械装置の不具合に対応するシステムが用いられている。このようなシステムの例として、従来、複数の部品を有する機械装置に不具合が発生したときに、機械学習の手法を用いて、不具合の対応のために交換される可能性がある部品を選択するシステムが知られている。
しかし、不具合の対応時に交換される可能性がある部品を機械学習の手法のみを用いて選択する場合、学習のための入力データ等の影響を受けることにより、実際に部品を交換する作業を行う者にとって違和感のある選択結果が出力されることがある。
第1観点の部品提示システムは、複数の部品を有する機械装置に不具合が発生したときに、不具合の対応のために交換される可能性がある一または複数の部品を提示する。部品提示システムは、蓄積部と、学習部と、候補選択部とを備える。蓄積部は、過去に発生した不具合、及び、不具合の対応の際に交換された部品を含む蓄積データを蓄積する。学習部は、蓄積部によって蓄積された蓄積データの少なくとも一部に従って、不具合の対応のために交換される必要がある部品を学習する。候補選択部は、入力された不具合に対して、学習部の学習結果を用いて、不具合の対応のために交換される必要がある部品の候補を選択する。候補選択部は、学習結果を用いずに蓄積データから得られるデータであって、部品が交換される頻度に関する頻度データをさらに用いて、候補を選択する。候補選択部は、学習結果を用いて得られた部品の候補である第1候補と、頻度データを用いて得られた部品の候補である第2候補とを比較する。候補選択部は、第2候補に含まれている部品が第1候補に含まれていない場合には、第2候補を、不具合の対応のために交換される必要がある部品の候補として選択する。候補選択部は、第2候補に含まれている部品が第1候補に含まれている場合には、第1候補、又は、第1候補と第2候補とを組み合わせたものを、不具合の対応のために交換される必要がある部品の候補として選択する。
第1観点の部品提示システムは、機械装置の不具合の対応時に交換される可能性がある部品の適切な選択結果を提示することができる。
第2観点の部品提示システムは、第1観点のシステムであって、頻度データは、不具合の対応の際に同時に交換される複数の部品の組み合わせに関するデータである。
第3観点の部品提示システムは、第1観点または第2観点のシステムであって、学習結果は、複数の機械装置で共用される。
第3観点の部品提示システムは、機種が異なる複数の機械装置に共通のシステムとして利用することができる。
第4観点の部品提示システムは、第1観点から第3観点のいずれかのシステムであって、蓄積データは、機械装置の識別番号、機械装置の種類、部品の名称、不具合の識別番号、不具合の発生時期、機械装置の設置場所、機械装置の納入時期、及び、機械装置の担当者の少なくとも1つを含む。
第5観点の部品提示システムは、第1観点から第4観点のいずれかのシステムであって、機械装置は、空気調和装置、空気清浄装置、ヒートポンプ式給湯装置又は冷凍装置であって、部品は、プリント基板、表示基板、サーミスタ、ファン用電動機、リモコン組立品、電動弁コイル、熱交換器、ドレンポンプ、混合弁及び湿度センサの少なくとも1つを含む。
空気調和装置10のブロック図である。 空気調和装置10の修理のプロセスのフローチャートである。 部品提示システム100のブロック図である。 蓄積データの一例である。 学習部30の学習プロセスのフローチャートである。 頻度データの一例である。 部品提示システム100が処理するデータの流れを説明するための図である。 第2候補となる交換対象部品P1,P2,・・・のリストを作成する方法を説明するための図である。 マッチング処理を説明するための表である。 交換対象部品P1,P2,・・・の最終的な候補の表示の一例である。 変形例Aにおける部品提示システム200が処理するデータの流れを説明するための図である。
(1)全体構成
部品提示システム100は、複数の部品を有する機械装置に不具合が発生したときに、当該不具合の対応のために交換される可能性がある一または複数の部品を提示する。例えば、部品提示システム100は、不具合が発生した機械装置の修理を担当するサービスエンジニアに、当該機械装置の修理の際に交換する可能性がある部品の候補を提示する。以下において、機械装置を構成する部品であって、当該機械装置に発生した不具合の対応のための修理の際に交換される可能性がある部品を、交換対象部品と呼ぶ。機械装置のサービスエンジニアは、部品提示システム100が提示した交換対象部品の候補に基づいて機械装置の部品を交換して、機械装置を修理する。なお、機械装置の不具合とは、例えば、機械装置の部品が破損又は磨耗等により正常に機能できない状態、及び、機械装置の特定の機能が意図された通りに実行できない状態を意味する。機械装置の修理とは、機械装置の不具合の対応のために行われる作業を意味し、不具合を完全に解消するための作業の他に、不具合の一部のみを解消するための作業も含む。
機械装置は、特定の装置に限定されない。以下において、機械装置は、冷媒回路を備える空気調和装置10であるとする。図1は、空気調和装置10のブロック図である。空気調和装置10の交換対象部品P1,P2,・・・は、例えば、プリント基板、表示基板、インバータ基板、リモコン組立品、能力設定アダプタ、サーミスタ、ファン用直流電動機、ステッピングモータ、フロートスイッチ、クロス接続配管キット、電動弁コイル、電流ヒューズ、スクロール式圧縮機、熱交換器、クランクケースヒータ、放熱フィン、ドレンポンプ、エアフィルタ、フレアナット、室外機底フレーム、室外機側板、断熱テープ、混合弁、防振ゴム、圧縮機防音材、圧力センサ及び湿度センサである。ただし、交換対象部品P1,P2,・・・は、ここに挙げられたものに限定されない。なお、空気調和装置10の修理の際に交換される可能性が高い部品交換対象部品P1,P2,・・・としては、図1に示されるように、プリント基板、表示基板、サーミスタ、ファン用電動機、リモコン組立品、電動弁コイル、熱交換器、ドレンポンプ、混合弁及び湿度センサの少なくとも1つが挙げられる。
次に、空気調和装置10のサービスエンジニアが、不具合が発生した空気調和装置10の修理のために交換対象部品P1,P2,・・・を新しい部品に交換するプロセスについて説明する。図2は、空気調和装置10の修理のプロセスのフローチャートである。ステップS1では、不具合が発生した空気調和装置10のユーザが、空気調和装置10の製造元のサービスステーションに、空気調和装置10の修理を依頼する。ステップS2では、サービスステーションの担当者が、空気調和装置10の修理に必要な情報を、ステップS1で修理を依頼したユーザから取得して、部品提示システム100に入力する。空気調和装置10の修理に必要な情報とは、例えば、空気調和装置10の機種、不具合の発生時に空気調和装置10が出力した異常コードである。ステップS3では、部品提示システム100が、ステップS2で入力された情報、及び、過去に行われた修理に関する情報に基づいて、空気調和装置10の修理のために交換される必要がある交換対象部品P1,P2,・・・の候補を選択して提示する。ステップS4では、ステップS3で提示された交換対象部品P1,P2,・・・の候補に基づいて、交換用の新しい部品の手配が行われる。ステップS5では、空気調和装置10の修理を担当するサービスエンジニアが、修理の対象である空気調和装置10の設置場所に行き、当該空気調和装置10の交換対象部品P1,P2,・・・を、ステップS4で手配された交換用の新しい部品に交換して、空気調和装置10の修理を行う。ステップS6では、サービスエンジニアが、ステップS5で行った空気調和装置10の修理に関する情報を部品提示システム100に入力する。
部品提示システム100は、過去に行われた空気調和装置10の修理に関する情報を蓄積し、蓄積されたデータを分析及び加工した後に、機械学習の手法を用いて当該蓄積されたデータを学習する。部品提示システム100は、学習した結果から得られた交換対象部品P1,P2,・・・の候補、及び、図2のステップS2で入力された情報等に基づいて得られた交換対象部品P1,P2,・・・の候補に基づいて、交換対象部品P1,P2,・・・の適切な候補をサービスエンジニアに提示することができる。
(2)詳細構成
図3は、部品提示システム100のブロック図である。部品提示システム100は、例えば、サービスステーションに設置されているサーバ、又は、クラウドサーバ等に記憶されているプログラムである。部品提示システム100は、主として、蓄積部20と、学習部30と、候補選択部40と、記憶部50と、入力部60と、提示部70とを備える。
(2−1)蓄積部
蓄積部20は、空気調和装置10の過去に発生した不具合、及び、当該不具合の対応の際に交換された交換対象部品P1,P2,・・・に関するデータを随時蓄積する。以下、蓄積部20によって蓄積されるデータを、蓄積データと呼ぶ。蓄積データは、空気調和装置10の過去に行われた修理に関するデータである。
蓄積データは、例えば、空気調和装置10の識別番号、空気調和装置10の種類、交換対象部品P1,P2,・・・の名称、不具合の識別番号、不具合の発生時期、空気調和装置10の設置場所、空気調和装置10の納入時期、及び、空気調和装置10の担当者から構成される。空気調和装置10の種類とは、空気調和装置10の機種を表す情報である。不具合の識別番号とは、例えば、不具合の発生時に空気調和装置10が出力する異常コードである。空気調和装置10は、例えば、リモコンのディスプレイに異常コードを表示して出力する。空気調和装置10の担当者とは、空気調和装置10の過去の修理を担当したサービスエンジニアである。なお、上記の列挙されたデータの内、不具合の発生時期、空気調和装置10の設置場所、空気調和装置10の納入時期、及び、空気調和装置10の担当者は、蓄積データに含まれていなくてもよい。図4は、蓄積データの一例である。蓄積データは、空気調和装置10の過去の修理案件ごとに、蓄積部20によって、後述する記憶部50に記憶されて蓄積される。例えば、蓄積データは、図2のステップS6においてサービスエンジニアが空気調和装置10の修理に関する情報を入力するたびに蓄積される。図4に示される蓄積データには、修理案件の識別番号も含まれている。
(2−2)学習部
学習部30は、蓄積部20によって蓄積された蓄積データに従って、空気調和装置10の不具合の対応のために交換される必要がある部品である交換対象部品P1,P2,・・・を学習する。具体的には、学習部30は、蓄積データを分析及び加工して訓練用データセットを取得し、機械学習の手法を用いて、訓練用データセットに従って交換対象部品P1,P2,・・・を学習する。訓練用データセットは、状態変数と判定データとを互いに関連付けたデータである。状態変数は、機械学習の入力値である。状態変数は、空気調和装置10の識別番号、空気調和装置10の種類、及び、不具合の識別番号を少なくとも含む。判定データは、機械学習の出力値である。判定データは、交換対象部品P1,P2,・・・の名称である。
次に、学習部30の学習プロセスの一例を説明する。図5は、学習部30の学習プロセスのフローチャートである。ステップS11では、学習部30は、蓄積部20によって蓄積された蓄積データに基づいて、状態変数を取得する。ステップS12では、学習部30は、蓄積部20によって蓄積された蓄積データに基づいて、判定データを取得する。ステップS13では、学習部30は、ステップS11で取得された状態変数と、ステップS12で取得された判定データとの組み合わせに基づいて訓練用データセットを作成する。ステップS14では、ステップS13で作成された訓練用データセットに従って、交換対象部品P1,P2,・・・を学習する。ステップS11〜S14の処理は、学習部30が交換対象部品P1,P2,・・・を十分に学習するまで繰り返される。
学習部30は、例えば、ニューラルネットワークモデルに従って、交換対象部品P1,P2,・・・を学習する。ニューラルネットワークは、訓練用データセットに従って状態変数と判定データとの関連性を学習する、いわゆる教師あり学習において一般的に用いられる数学モデルである。ニューラルネットワークの入力層には、訓練用データセットの状態変数に関するデータが入力される。学習部30は、ニューラルネットワークの出力層から出力されたデータと、入力層に入力された状態変数に関連付けられている判定データとができるだけ一致するように、重み及びバイアス等のパラメータを調節する。
学習部30が教師あり学習を行う場合、学習部30の学習結果の精度を向上させるためには、訓練用データセットは多いほど好ましい。そのため、蓄積部20によって蓄積された蓄積データの量は多いほど好ましい。ここで、学習結果とは、学習部30による学習の結果として得られたニューラルネットワークモデルである。また、一般的にニューラルネットワークによる機械学習は、状態変数の数、及び、中間層の数が大きくなるほど、学習に必要な計算資源が大きくなる傾向がある。そのため、学習部30は、サーバ等の汎用のCPUの他に、例えば、GPGPUの技術を利用してGPUの演算資源を機械学習の計算のために用いることで、学習のための処理の高速化を図ってもよい。この場合、GPUは、サーバ等に取り付けられているものでもよく、また、クラウド上のコンピュータに取り付けられているものでもよい。
(2−3)候補選択部
候補選択部40は、学習結果を用いて得られたデータ、及び、頻度データの両方を用いて、交換対象部品P1,P2,・・・の候補を選択する。学習結果を用いて得られたデータとは、交換対象部品P1,P2,・・・を十分に学習した学習部30に、図2のステップS2で入力された不具合に関するデータが入力された場合に、学習部30が出力するデータである。頻度データとは、学習部30の学習結果を用いずに蓄積データから得られるデータである。具体的には、頻度データは、空気調和装置10の部品が交換される頻度に関するデータである。より具体的には、頻度データは、空気調和装置10の不具合の対応の際に、同時に交換される複数の部品の組み合わせに関するデータである。頻度データは、部品ごとに、後述する記憶部50に予め記憶されている。図6は、頻度データの一例である。図6において、「頻度」の数値は、同時に交換される可能性がある部品ごとに設定され、修理の際に同時に使用される確率を表す。図6には、電動弁コイルの頻度データの例が示されている。例えば、空気調和装置10の不具合の対応の際に交換対象部品P1,P2,・・・である電動弁コイルが交換される場合、電動弁コイルと共にプリント基板も同時に交換される確率は80%である。このような頻度データは、空気調和装置10の過去の修理に関する情報から取得される。具体的には、過去に行われた修理案件ごとの蓄積データに基づいて、過去に同時に使用された部品の組み合わせの出現回数を集計することで、頻度データが取得される。集計対象となる過去の修理案件の数が多いほど、より実績に基づいた頻度データが得られる。ここで、実績とは、具体的には、過去に行われた空気調和装置10の不具合の対応(修理)に関する情報である。また、候補選択部40は、交換対象部品P1,P2,・・・の適切な候補を選択するために、後述するマッチング処理を行う。
(2−4)記憶部
記憶部50は、部品提示システム100が実行する処理に用いられるプログラム及びデータを、サーバのハードディスクドライブ等の記憶装置に記憶させる。具体的には、記憶部50は、蓄積部20によって蓄積される蓄積データ、及び、候補選択部40によって用いられる頻度データを、記憶装置に記憶させる。
(2−5)入力部
入力部60は、外部からのデータの入力を受け付ける。具体的には、入力部60は、図2のステップS2において、サービスステーションの担当者が、空気調和装置10の修理に必要な情報を入力する際に、当該入力を受け付ける。また、入力部60は、図2のステップS6において、サービスエンジニアが、自身が行った空気調和装置10の修理に関する情報を入力する際に、当該入力を受け付ける。データの入力は、キーボード、マウス及びタッチパネル等の入力デバイスを介して行われる。
(2−6)提示部
提示部70は、所定のデータを出力する。具体的には、提示部70は、候補選択部40が選択した交換対象部品P1,P2,・・・の候補を出力する。これにより、提示部70は、交換対象部品P1,P2,・・・の候補をサービスエンジニアに提示する。データの出力は、ディスプレイ等の出力デバイスを介して行われる。
(3)動作
次に、部品提示システム100の動作について説明する。図7は、部品提示システム100が処理するデータの流れを説明するための図である。図7には、データが処理されるポイントが長方形のブロックB1〜B9で示されている。具体的には、図7には、サービスガイド入力ブロックB1、データ加工ブロックB2、出力フィルタブロックB3、業務画面ブロックB4、入力フィルタブロックB5、データ蓄積ブロックB6、加工フィルタブロックB7、AI(人工知能)学習ブロックB8、及び、AI(人工知能)運用ブロックB9が示されている。図7において、矢印は、データの流れを表している。
データ蓄積ブロックB6では、蓄積データ及び頻度データが記憶される。蓄積データ及び頻度データは随時入力され、蓄積又は更新される。蓄積データは、図2のステップS6においてサービスエンジニアが空気調和装置10の修理に関する情報を入力するたびに蓄積される。頻度データは、蓄積データに基づいて定期的に更新される。
データ蓄積ブロックB6に記憶されている蓄積データは、加工フィルタブロックB7において分析され加工される。具体的には、加工フィルタブロックB7において、蓄積データは、機械学習の入力データとして利用可能な訓練用データセットに変換される。AI学習ブロックB8では、加工フィルタブロックB7から出力された訓練用データセットを用いて、交換対象部品P1,P2,・・・の学習が行われる。具体的には、AI学習ブロックB8では、ニューラルネットワークモデルを用いた学習が行われる。学習の結果として得られたニューラルネットワークモデルは、AI学習ブロックB8からAI運用ブロックB9にコピーされる。AI運用ブロックB9では、入力フィルタブロックB5から渡されたデータと、学習の結果として得られコピーされたニューラルネットワークモデルとを用いて、交換対象部品P1,P2,・・・の候補が取得される。この候補は、機械学習の方法を用いて得られた、交換対象部品P1,P2,・・・の候補である。以下、この候補を「第1候補」と呼ぶ。第1候補は、AI(人工知能)による予測から得られるデータである。第1候補は、複数の部品を含む場合、優先順位の高い部品から低い部品に並べられている部品のリストである。部品の優先順位が高いほど、当該部品が修理の際に実際に使用される可能性が高いことを意味する。
一方、データ蓄積ブロックB6に記憶されている頻度データは、サービスガイド入力ブロックB1からの入力データと共に、データ加工ブロックB2で加工される。これにより、データ加工ブロックB2では、交換対象部品P1,P2,・・・の候補が取得される。この候補は、機械学習の方法を用いずに得られた、交換対象部品P1,P2,・・・の候補である。以下、この候補を「第2候補」と呼ぶ。第2候補は、実績から得られるデータである。第2候補は、複数の部品を含む場合、優先順位の高い部品から低い部品に並べられている部品のリストである。部品の優先順位が高いほど、当該部品が修理の際に実際に使用される可能性が高いことを意味する。
第2候補の具体的な取得方法について説明する。図2のステップS2においてサービスステーションの担当者は、空気調和装置10の修理に必要な情報を入力する。入力された情報は、サービスガイド入力ブロックB1からの入力データに相当し、例えば、修理対象の空気調和装置10の機種に関する情報、当該空気調和装置10が出力した異常コード、及び、当該空気調和装置10の症状の分類項目である。症状の分類項目とは、空気調和装置10の症状を具体的に説明するデータであり、例えば、「室外機から排水されない」という文字列である。なお、異常コードが入力可能であれば、症状の分類項目は入力する必要はない。
図8は、サービスガイド入力ブロックB1からの入力データに基づいて、データ加工ブロックB2が、第2候補に含まれる交換対象部品P1,P2,・・・のリストを作成する方法を説明するための図である。図8において、「入力条件」の列には、サービスガイド入力ブロックB1から入力され得る条件の識別番号が列挙されている。「案件」の列では、空気調和装置10の過去の全ての修理案件の識別番号が列挙されている。「使用された部品」の列では、過去の修理案件において不具合の対応のために実際に使用された全ての部品の識別番号が列挙されている。図8では、1又は複数の入力条件と、当該入力条件を満たす案件とが、線でつながれており、かつ、各案件と、当該案件で実際に使用された1又は複数の部品とが、線でつながれている。
次に、図8を参照しながら、データ加工ブロックB2が行う処理を具体的に説明する。図8において太線の枠で示されているように、「入力条件」として、サービスガイド入力ブロックB1から、空気調和装置10の機種として条件「AC01」が入力され、空気調和装置10が出力した異常コードとして条件「ER013」が入力されたとする。その結果、入力された条件「AC01」及び「ER013」の両方を満たす案件として案件「CS0011」及び案件「CS0012」が選択される。そして、案件「CS0011」及び「CS0012」において使用された部品として部品「PT00101」及び部品「PT00105」が選択される。これにより、データ加工ブロックB2は、サービスガイド入力ブロックB1からの入力に基づいて、部品「PT00101」及び「PT00105」からなるリストを作成する。このように、サービスガイド入力ブロックB1からの入力に基づいて作成されたリストに含まれる部品は、実績に基づいて交換される可能性が高いと判定された「重要交換候補部品」である。
そして、データ加工ブロックB2は、重要交換候補部品を、データ蓄積ブロックB6に記憶されている頻度データに基づいて、優先順位の高い順に並べ替える。さらに、データ加工ブロックB2は、必要に応じて、並べ替えられた重要交換候補部品のリストの後に、経年劣化等の他の要因で交換される可能性がある部品である「非重要交換候補部品」のリストを追加する。非重要交換候補部品の優先順位は、重要交換候補部品の優先順位よりも低い。非重要交換候補部品のリストも、実績に基づいて優先順位の高い順に並べ替えられる。以上の処理により、データ加工ブロックB2では、重要交換候補部品及び非重要交換候補部品を含む第2候補が取得される。
次に、出力フィルタブロックB3では、第1候補と第2候補とのマッチング処理が行われる。候補選択部40は、当該マッチング処理を行う。マッチング処理では、最初に、第1候補と第2候補とが比較される。その結果、第2候補に含まれている部品が、第1候補に含まれていない場合には、候補選択部40は、交換対象部品P1,P2,・・・の最終的な候補として、第2候補を選択する。また、第2候補に含まれている部品が、第1候補に含まれている場合には、候補選択部40は、交換対象部品P1,P2,・・・の最終的な候補として、第1候補、又は、第1候補と第2候補とを組み合わせたものを選択する。最終的な候補に含まれる交換対象部品P1,P2,・・・の数の最大値は、例えば、5である。すなわち、サービスエンジニアが空気調和装置10の訪問修理のために持参していく部品は、最大でも5種類である。
次に、第1候補と第2候補とのマッチング処理の具体例について説明する。図9は、マッチング処理を説明するための表である。第1候補及び第2候補は、それぞれ、少なくとも5つの部品を含み、かつ、優先順位の高い順に並べられているとする。図9の表には、マッチング処理の具体的な方法として、パターン1、パターン2、パターン3−1及びパターン3−2それぞれの「条件」、「方針」、「処理」及び「並べ方」が示されている。「条件」は、マッチング処理を行うために第1候補及び第2候補が満たすべき条件に関する。「方針」は、マッチング処理の概要及び考え方に関する。「処理」は、マッチング処理の具体的な処理に関する。「並べ方」は、交換対象部品P1,P2,・・・の最終的な候補における部品の並べ順に関する。次に、マッチング処理の4パターンそれぞれについて具体的に説明する。
パターン1は、第1候補に含まれる部品と、第2候補に含まれる部品との間で共通の部品が存在しないパターンである。この場合、候補選択部40は、第2候補を優先する。具体的には、候補選択部40は、第2候補に含まれる上位5つの部品を、交換対象部品P1,P2,・・・の最終的な候補とする。ここで、「上位5つの部品」とは、部品を優先順位の降順に並べ替えた場合に、優先順位が最も高い部品から、優先順位が5番目に高い部品までの5つの部品を意味する。パターン1によって得られる最終的な候補では、5つの部品が、第2候補の優先順位の高い順に並べられている。
パターン2は、第1候補の上位2つの部品と、第2候補の上位2つの部品との間で共通の部品が少なくとも1つ存在するパターンである。ここで、「上位2つの部品」とは、部品を優先順位の降順に並べ替えた場合に、優先順位が最も高い部品、及び、優先順位が2番目に高い部品の2つの部品を意味する。この場合、候補選択部40は、第1候補を優先する。具体的には、候補選択部40は、第1候補と第2候補との間で共通する部品(共通部品)を最初に並べ、次に、第1候補に含まれている部品であって共通部品ではない部品(非共通部品)を並べて、交換対象部品P1,P2,・・・の最終的な候補とする。パターン2によって得られる最終的な候補では、共通部品が複数(2つ)ある場合、それらは第1候補の優先順位の高い順に並べられる。また、パターン2によって得られる最終的な候補では、非共通部品は、第1候補の優先順位の高い順に並べられている。
パターン3−1及びパターン3−2は、パターン1及びパターン2以外のパターンである。これらのパターンでは、候補選択部40は、第1候補と第2候補とを組み合わせたものを、交換対象部品P1,P2,・・・の最終的な候補とする。
パターン3−1は、第2候補に含まれる重要交換候補部品の少なくとも1つが、第1候補に含まれているパターンである。この場合、候補選択部40は、第1候補を優先して、第1候補のデータを第2候補のデータで補正する。具体的には、候補選択部40は、第2候補に含まれる重要交換候補部品であって第1候補に含まれている部品(第1種部品)を最初に並べ、次に、第1候補に含まれている部品であって第1種部品ではない部品(第2種部品)を並べ、次に、第2候補に含まれている部品であって重要交換候補部品ではない部品(第3種部品)を並べて、交換対象部品P1,P2,・・・の最終的な候補とする。パターン3−1によって得られる最終的な候補では、第1種部品及び第2種部品は、第1候補の優先順位の高い順に並べられ、第3種部品は、実績に基づく値の高い順に並べられている。ここで、実績に基づく値とは、例えば、過去の修理案件で使用された回数に基づく値である。
パターン3−2は、第2候補に含まれる重要交換候補部品が、第1候補に含まれていないパターンである。この場合、候補選択部40は、第2候補を優先して、第2候補のデータに第1候補のデータを追加する。具体的には、候補選択部40は、第2候補に含まれている部品(第4種部品)を最初に並べ、次に、第1候補に含まれている部品(第5種部品)を並べて、交換対象部品P1,P2,・・・の最終的な候補とする。最終的な候補では、第4種部品は、上述の実績に基づく値の高い順に並べられ、第5種部品は、第1候補の優先順位の高い順に並べられている。
従って、マッチング処理において、パターン1及びパターン3−2は、実績に基づくデータを優先し、パターン2及びパターン3−1は、AIの予測を優先する。
出力フィルタブロックB3による上述のマッチング処理によって、交換対象部品P1,P2,・・・の最終的な候補が得られる。交換対象部品P1,P2,・・・の最終的な候補は、業務画面ブロックB4によってサービスエンジニアに提示される。具体的には、サービスエンジニアが操作するコンピュータのディスプレイに、交換対象部品P1,P2,・・・の最終的な候補が表示される。図10は、交換対象部品P1,P2,・・・の最終的な候補の表示の一例である。サービスエンジニアは、業務画面ブロックB4が提示した交換対象部品P1,P2,・・・の情報に従って、必要な部品を手配して、空気調和装置10の修理を行う。サービスエンジニアが行った空気調和装置10の修理に関する情報は、データ蓄積ブロックB6に蓄積データとして記憶される。
図10に示される画面の上部の「選定条件」エリアには、修理対象の空気調和装置10に関する情報を入力するためのインターフェイスが表示されている。「機種」入力ボックスは、空気調和装置10の機種に関する情報を入力するためのインターフェイスである。「エラーコード」入力ボックスは、空気調和装置10が出力した異常コードを入力するためのインターフェイスである。「症状中分類」入力ボックスは、空気調和装置10の症状の分類項目を入力するためのインターフェイスである。サービスステーションの担当者又はサービスエンジニアは、これらのインターフェイスに必要な情報を入力することで、交換対象部品P1,P2,・・・の最終的な候補を自動的に取得することができる。
図10に示される画面の下部の「候補部品」エリアには、交換対象部品P1,P2,・・・の最終的な候補に関する情報が表示される。図10には、最終的な候補が列挙された表の一例が示されている。「部品名」は、交換対象部品P1,P2,・・・の名称である。「品番」は、交換対象部品P1,P2,・・・の識別番号である。「使用率」は、実際の修理において交換される確率である。「同時交換率」は、表の一番上に表示されている部品と同時に交換される確率である。図10の場合、例えば、空気調和装置10の修理の際にスクロール式圧縮機が新品に交換される確率は80%であり、かつ、スクロール式圧縮機が交換される場合、スクロール式圧縮機と同時に防振ゴムも交換される確率は80%である。「手配選択」は、修理のために手配する必要がある部品を選択するためのチェックボックスである。「部品手配」ボタンを押すと、「手配選択」でチェックされた部品の手配が行われる。
このように、業務画面ブロックB4では、空気調和装置10の修理に必要な情報が入力され、交換対象部品P1,P2,・・・の最終的な候補の一覧が出力される。業務画面ブロックB4で入力された情報は、入力フィルタブロックB5において、AI運用ブロックB9の入力データとして使用できる形式に変換される。
(4)特徴
(4−1)
従来、空気調和装置10のような、複数の部品を有する機械装置に不具合が発生したときに、機械学習の手法を用いて、不具合の対応のために交換される可能性がある部品を選択する方法が用いられている。しかし、不具合の対応時に交換される可能性がある部品を機械学習の手法のみを用いて選択する場合、部品の選択結果は、学習のための入力データの影響を受けやすい。そのため、過去に行われた不具合の対応の実績に適合しない部品、及び、実際に部品を交換する作業を行う者にとって違和感のある部品が選択されることがある。
部品提示システム100は、空気調和装置10に発生した不具合の対応のための修理の際に交換される可能性がある交換対象部品P1,P2,・・・の候補を、空気調和装置10の修理を担当するサービスエンジニアに提示する。部品提示システム100は、機械学習の手法を用いて得られた交換対象部品P1,P2,・・・の候補である第1候補、及び、過去に行われた不具合の対応の実績に基づくデータから得られた交換対象部品P1,P2,・・・の候補である第2候補の両方に基づいて、交換対象部品P1,P2,・・・の最終的な候補をサービスエンジニアに提示する。第1候補は、サービスエンジニアが空気調和装置10の修理に関する情報を入力するたびに蓄積される蓄積データを学習した結果を用いて得られた候補である。第2候補は、蓄積データから得られるデータを用いて、蓄積データを学習した結果を用いずに得られた候補である。
このように、部品提示システム100は、AIの予測に基づく第1候補の他に、過去の実績に基づく第2候補に基づいて、交換対象部品P1,P2,・・・の候補を選択するため、選択結果が学習のための入力データの影響を過度に受けることを抑制することができる。そのため、部品提示システム100は、過去に行われた不具合の対応の実績により適合した選択結果、及び、実際に部品を交換する作業を行う者にとって違和感が少ないか違和感がない選択結果を得ることができる。
従って、部品提示システム100は、空気調和装置10の不具合の対応時に交換される可能性がある部品の適切な選択結果を提示することができる。これにより、空気調和装置10は、サービスエンジニアが、空気調和装置10の訪問修理を行う際に、空気調和装置10の交換対象部品P1,P2,・・・と交換する必要がある新品の部品が手元にないために、訪問先から当該新品の部品を取りに戻るという事態の発生を抑制することができる。そのため、空気調和装置10のサービスエンジニアは、部品提示システム100の選択結果に基づいて修理に必要な部品を手配することで、一度の訪問で空気調和装置10の修理を完了させることができるので、空気調和装置10の保守作業を効率的に行うことができる。
(4−2)
部品提示システム100は、蓄積データから得られるデータに基づいて得られた第2候補を用いて、交換対象部品P1,P2,・・・の最終的な候補を選択する。ここで、蓄積データから得られるデータとは、例えば、図6に示されるように、空気調和装置10の不具合の対応の際に、同時に交換される複数の部品の組み合わせに関する頻度データである。頻度データは、蓄積データに基づいて定期的に更新される、実績に基づくデータである。部品提示システム100は、例えば、頻度データに基づいて得られた第2候補を用いて、AIの予測に基づく第1候補を補正することで、実績に適合した交換対象部品P1,P2,・・・の最終的な候補を選択することができる。
(4−3)
部品提示システム100は、AIの予測に基づく第1候補と、実績に基づく第2候補とのマッチング処理を行って、交換対象部品P1,P2,・・・の最終的な候補を選択する。部品提示システム100は、第1候補及び第2候補に共通に含まれる部品の数、及び、第1候補に含まれる重要交換候補部品の有無等に応じて、適切なマッチング処理を実行する。部品提示システム100は、マッチング処理によって交換対象部品P1,P2,・・・の最終的な候補を取得する際に、第1候補を優先するか、第2候補を優先するか、又は、第1候補と第2候補とを組み合わせるかを選択する。また、部品提示システム100は、第1候補と第2候補とを組み合わせる場合、第2候補のデータを第1候補のデータで補正するか、又は、第1候補のデータを第2候補のデータで補正するかを選択する。これにより、部品提示システム100は、AIの予測に基づく第1候補、及び、実績に基づく第2候補に基づいて、実績に適合している交換対象部品P1,P2,・・・を最終的な候補として選択することができる。
(4−4)
部品提示システム100は、AIの予測に基づく第1候補と、実績に基づく第2候補とを用いて、交換対象部品P1,P2,・・・の最終的な候補を選択する。第2候補は、空気調和装置10の異常コード等、不具合に関して既に判明している情報に基づく部品を含む。一方、第1候補は、第2候補には含まれていない部品を含む場合がある。第2候補に含まれておらず、かつ、第1候補に含まれている部品は、空気調和装置10の異常コード等からは明らかではない部品であり、例えば、空気調和装置10の過去の修理案件に関するノウハウから予測される部品である。部品提示システム100は、第1候補と第2候補とを組み合わせて交換対象部品P1,P2,・・・の最終的な候補を選択することで、異常コードから特定することができる部品の他に、過去の修理案件に関するノウハウから予測される部品を選択することができる。その結果、部品提示システム100は、AIの予測に基づく部品の候補のみを選択する場合に比べて、過去に行われた不具合の対応の実績により適合した交換対象部品P1,P2,・・・の選択結果を提示することができる。
(5)変形例
(5−1)変形例A
部品提示システム100は、AIの予測に基づく第1候補と、実績に基づく第2候補とに基づいて、交換対象部品P1,P2,・・・の最終的な候補を選択する。具体的には、部品提示システム100は、第1候補と第2候補とのマッチング処理を行って、最終的な候補を選択する。マッチング処理では、第1候補及び第2候補の一方を優先したり、第1候補及び第2候補の一方のデータを他方のデータで補正したりすることで、AIの予測に基づく部品の候補のみを選択する場合に比べて、過去に行われた不具合の対応の実績により適合した選択結果が生成される。
しかし、部品提示システム100は、マッチング処理を行うことなく、過去に行われた不具合の対応の実績に適合した交換対象部品P1,P2,・・・の最終的な候補を選択してもよい。次に、部品提示システム100の変形例である部品提示システム200について説明する。部品提示システム200は、マッチング処理を行うことなく、交換対象部品P1,P2,・・・の最終的な候補を選択する。
部品提示システム200は、部品提示システム100と同様に、主として、蓄積部20と、学習部30と、候補選択部40と、記憶部50と、入力部60と、提示部70とを備える。部品提示システム200の基本的な構成及び動作は、部品提示システム100と実質的に同じである。部品提示システム200と部品提示システム100との主な相違点は、学習部30及び候補選択部40の機能である。次に、学習部30及び候補選択部40の機能を中心に、部品提示システム200の動作について説明する。
学習部30は、蓄積部20に蓄積されている蓄積データから、除去データを取り除いたデータに従って、空気調和装置10の不具合の対応のために交換される必要がある交換対象部品P1,P2,・・・を学習する。除去データとは、空気調和装置10が出力した異常コードから特定される部品に関するデータ、及び、空気調和装置10の種類及び不具合に関する情報に基づいて決定される部品に関するデータの少なくとも一方を含む。空気調和装置10の種類及び不具合に関する情報とは、例えば、修理対象の空気調和装置10の機種に関する情報、及び、当該空気調和装置10の症状の分類項目である。除去データは、過去に行われた不具合の対応の実績に基づくデータであり、空気調和装置10の修理の際に交換が必要であると予め決められた部品に関するデータである。また、蓄積データから除去データを取り除いたデータは、過去に行われた不具合の対応の実績以外の要因に基づいて交換される部品に関するデータである。実績以外の要因としては、例えば、経年劣化が挙げられる。蓄積データから除去データを取り除いたデータは、学習部30による学習のための入力データとして使用される。
候補選択部40は、学習部30による学習結果を用いて得られた交換対象部品P1,P2,・・・、及び、除去データに含まれる交換対象部品P1,P2,・・・を、交換対象部品P1,P2,・・・の最終的な候補として選択する。具体的には、候補選択部40は、学習部30による学習結果から得られた部品と、空気調和装置10が出力した異常コード等から特定される部品との組み合わせを、交換対象部品P1,P2,・・・の最終的な候補として選択する。
図11は、部品提示システム200が処理するデータの流れを説明するための図である。図11には、図7と同様に、サービスガイド入力ブロックB1、データ加工ブロックB2、出力フィルタブロックB3、業務画面ブロックB4、入力フィルタブロックB5、データ蓄積ブロックB6、加工フィルタブロックB7、AI(人工知能)学習ブロックB8、及び、AI(人工知能)運用ブロックB9が示されている。図7と図11との相違点は、主に、サービスガイド入力ブロックB1、データ加工ブロックB2、出力フィルタブロックB3、データ蓄積ブロックB6、及び、加工フィルタブロックB7の機能である。以下、この相違点を中心に、部品提示システム200の動作について説明する。
データ蓄積ブロックB6では、蓄積データが記憶される。蓄積データは随時入力され、蓄積又は更新される。蓄積データは、図2のステップS6においてサービスエンジニアが空気調和装置10の修理に関する情報を入力するたびに蓄積される。蓄積データには、上述の除去データが含まれている。
データ蓄積ブロックB6に記憶されている蓄積データは、加工フィルタブロックB7において分析され加工される。具体的には、加工フィルタブロックB7において、蓄積データから除去データが取り除かれる処理が行われた後、除去データを含まない蓄積データが、機械学習の入力データとして利用可能な訓練用データセットに変換される。AI学習ブロックB8では、加工フィルタブロックB7から出力された訓練用データセットを用いて、交換対象部品P1,P2,・・・の学習が行われる。学習の結果として得られたニューラルネットワークモデルは、AI学習ブロックB8からAI運用ブロックB9にコピーされる。AI運用ブロックB9では、入力フィルタブロックB5から渡されたデータと、学習の結果として得られコピーされたニューラルネットワークモデルとを用いて、交換対象部品P1,P2,・・・の候補が取得される。この候補は、過去に行われた不具合の対応の実績以外の要因に基づいて取得された交換対象部品P1,P2,・・・のリストである。
一方、データ加工ブロックB2では、加工フィルタブロックB7において蓄積データから取り除かれた除去データ、及び、サービスガイド入力ブロックB1からの入力データに基づいて、交換対象部品P1,P2,・・・の候補が取得される。この候補は、空気調和装置10が出力した異常コード等の入力データ、及び、過去に行われた不具合の対応の実績に基づいて取得された交換対象部品P1,P2,・・・のリストである。
出力フィルタブロックB3は、AI運用ブロックB9から出力された候補、及び、データ加工ブロックB2から出力された候補に基づいて、交換対象部品P1,P2,・・・の最終的な候補を出力する。出力フィルタブロックB3は、マッチング処理を行わず、2つの候補を単に組み合わせることで、最終的な候補を出力する。交換対象部品P1,P2,・・・の最終的な候補は、業務画面ブロックB4によってサービスエンジニアに提示される。
本変形例では、蓄積部20に蓄積されている蓄積データを、学習部30の学習の入力データとして用いられるデータと、実績に基づく除去データとに予め分けておく処理が行われる。この処理により、部品提示システム200は、過去に行われた不具合の対応の実績以外の要因に関しては、機械学習の手法を用いてAIの予測に基づく候補を取得すると共に、過去に行われた不具合の対応の実績に関連する要因に関しては、空気調和装置10が出力した異常コード等を用いて実績に基づく候補を取得することができる。従って、部品提示システム200は、AIの予測に基づく部品の候補のみを選択する場合に比べて、過去に行われた不具合の対応の実績により適合した選択結果を提示することができる。
(5−2)変形例B
部品提示システム100では、学習部30の学習結果は、空気調和装置10の交換対象部品P1,P2,・・・の候補を選択するために利用される。すなわち、学習部30の学習結果は、特定の1つの機械装置のために用いられる。しかし、学習部30の学習結果は、複数の機械装置で共用されてもよい。例えば、化学プラント等に使用される複数の機械装置の間で、共通の訓練用データセットが用いられてもよい。また、学習部30がニューラルネットワークモデルを利用する学習を行う場合、複数の機械装置の間で共通のニューラルネットワークモデルが用いられてもよい。
(5−3)変形例C
部品提示システム100は、蓄積部20によって蓄積された蓄積データに従って交換対象部品P1,P2,・・・を学習する学習部30を備える。学習部30の学習結果の精度を向上させるためには、訓練用データセットは多いほど好ましい。しかし、訓練用データセットが多いほど、学習部30による学習に必要な計算資源が大きくなる傾向がある。そのため、学習部30は、部品提示システム100が記憶されているサーバに取り付けられているCPU及びGPUを利用する学習の代わりに、仮想マシンサービスを利用する学習を行ってもよい。仮想マシンサービスを利用する学習では、例えば、学習部30による学習に必要な量の訓練用データセットを少なくとも処理できる計算資源を利用するための料金を仮想マシンサービスの提供元に支払って、仮想マシンのCPU及びGPUを学習のために利用する。これにより、将来的に訓練用データセットの量が増加した場合でも、部品提示システム100が記憶されているサーバの構成を変更することなく、訓練用データセットの量に応じたスケーラブルな対応が可能となる。そのため、学習部30による学習に必要な計算資源のコストを抑えることができる。
(5−4)変形例D
部品提示システム100は、図8に示されるように、サービスステーションの担当者等が入力した、空気調和装置10の修理に必要な情報を用いて、実績に基づいて交換される可能性が高いと判定された部品(重要交換候補部品)を取得する。空気調和装置10の修理に必要な情報とは、図10に示されるように、修理対象の空気調和装置10の機種に関する情報、当該空気調和装置10が出力した異常コード、及び、当該空気調和装置10の症状の分類項目である。異常コードが取得できる場合、当該異常コードを入力することで、部品提示システム100は、当該異常コードに対応した重要交換候補部品を取得できる。しかし、異常コードが取得できない場合、部品提示システム100は、例えば、空気調和装置10の症状の分類項目等から異常コードを推定し、当該異常コードの推定値に適した重要交換候補部品を取得してもよい。
(5−5)変形例E
部品提示システム100は、空気調和装置10に発生した不具合の対応のために交換される可能性がある交換対象部品P1,P2,・・・を選択する。しかし、部品提示システム100は、空気調和装置10以外の他の機械装置に発生した不具合の対応のために交換される可能性がある部品を選択してもよい。そのような機械装置としては、例えば、空気清浄装置、ヒートポンプ式給湯装置、及び、冷蔵庫等の冷凍装置が挙げられる。
(6)むすび
以上、本開示の実施形態を説明したが、特許請求の範囲に記載された本開示の趣旨及び範囲から逸脱することなく、形態や詳細の多様な変更が可能なことが理解されるであろう。
部品提示システムは、複数の部品を有する機械装置に不具合が発生したときに、不具合の対応のために交換される可能性がある部品に関する情報を取得するために利用可能である。
10 空気調和装置(機械装置)
20 蓄積部
30 学習部
40 候補選択部
100 部品提示システム
特開2017−33526号公報

Claims (5)

  1. 複数の部品を有する機械装置(10)に不具合が発生したときに、前記不具合の対応のために交換される可能性がある一または複数の前記部品を提示する部品提示システム(100)であって、
    過去に発生した前記不具合、及び、前記不具合の対応の際に交換された前記部品を含む蓄積データを蓄積する蓄積部(20)と、
    前記蓄積部によって蓄積された前記蓄積データの少なくとも一部に従って、前記不具合の対応のために交換される必要がある前記部品を学習する学習部(30)と、
    入力された前記不具合に対して、前記学習部の学習結果を用いて、前記不具合の対応のために交換される必要がある前記部品の候補を選択する候補選択部(40)と、
    を備え、
    前記候補選択部は、前記学習結果を用いずに前記蓄積データから得られるデータであって、前記部品が交換される頻度に関する頻度データをさらに用いて、前記候補を選択し、
    前記候補選択部は、前記学習結果を用いて得られた前記部品の候補である第1候補と、前記頻度データを用いて得られた前記部品の候補である第2候補とを比較し、前記第2候補に含まれている前記部品が、前記第1候補に含まれていない場合には、前記第2候補を前記候補として選択し、前記第1候補に含まれている場合には、前記第1候補、又は、前記第1候補と前記第2候補とを組み合わせたものを前記候補として選択する、
    部品提示システム。
  2. 前記頻度データは、前記不具合の対応の際に同時に交換される複数の前記部品の組み合わせに関するデータである、
    請求項1に記載の部品提示システム。
  3. 前記学習結果は、複数の前記機械装置で共用される、
    請求項1または2に記載の部品提示システム。
  4. 前記蓄積データは、前記機械装置の識別番号、前記機械装置の種類、前記部品の名称、前記不具合の識別番号、前記不具合の発生時期、前記機械装置の設置場所、前記機械装置の納入時期、及び、前記機械装置の担当者の少なくとも1つを含む、
    請求項1からのいずれか1項に記載の部品提示システム。
  5. 前記機械装置は、空気調和装置、空気清浄装置、ヒートポンプ式給湯装置又は冷凍装置であって、
    前記部品は、プリント基板、表示基板、サーミスタ、ファン用電動機、リモコン組立品、電動弁コイル、熱交換器、ドレンポンプ、混合弁及び湿度センサの少なくとも1つを含む、
    請求項1からのいずれか1項に記載の部品提示システム。
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