JP6825213B2 - 免震装置支持構造、及び、免震装置支持構造の施工方法 - Google Patents

免震装置支持構造、及び、免震装置支持構造の施工方法 Download PDF

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Description

本発明は、免震装置支持構造、及び、免震装置支持構造の施工方法に関する。
上部構造物(例えば上部基礎版)と下部構造物(例えば下部基礎版)との間に免震装置(例えば積層ゴム)を備えた免震構造が知られている。通常、このような免震構造では、免震装置と構造物との間に鉄筋コンクリート構造の基台(免震装置支持構造に相当:以下ペデスタルともいう)が設けられている。免震装置に作用する応力は、ペデスタルに伝達され、そのペデスタルに配筋された差筋(鉄筋)を介して上部構造物又は下部構造物に伝達される。
また、特許文献1では、鋼板を用いてペデスタルを構成しており、免震装置とペデスタルの鋼板を一体化したモジュールとして取り扱っている。そして、当該モジュールを、現場に設置した後、鋼板の内部にコンクリートを打設している。
特開2012−158912号公報
上記のようなペデスタルは、免震装置を安定して支持できるように免震装置の径よりも大きく設けられている。このため、特に、免震装置の設置個数が多い免震型原子力発電所のような施設では、ペデスタルの配置性(小型化)や施工性が問題となる。また、免震型原子力発電所では高い耐震性も必要である。このように、ペデスタルの配置性、耐震性、及び、施工性の向上が要求されていた。
本発明は、かかる課題に鑑みてなされたものであって、その主な目的は、配置性、耐震性、及び、施工性の向上を図ることにある。
上記目的を達成するために本発明の免震装置支持構造は、
上部構造物側又は下部構造物側の基部と、免震装置との間に設けられる免震装置支持構造であって、
前記免震装置が取り付けられるベース鋼板と、
前記ベース鋼板の周囲に沿って設けられ、前記ベース鋼板と前記基部との間に内部空間を形成する側面鋼板と、
前記側面鋼板を前記基部に固定するアンカーボルト又はシアキーと、
前記側面鋼板から前記内部空間に向かって突出する突出部材と、
前記ベース鋼板から前記内部空間に向かって突出する突出板材と、
前記内部空間に充填されたコンクリートと、
備え、
前記ベース鋼板の中央部に、前記コンクリートの打設孔が設けられている
ことを特徴とする。
このような免震装置支持構造によれば、配置性、耐震性、及び、施工性の向上を図ることができる。
かかる免震装置支持構造であって、前記ベース鋼板には前記免震装置を取り付けるための袋ナットが溶接されていることが望ましい。
このような免震装置支持構造によれば、免震装置の交換の作業が容易になる。
かかる免震装置支持構造であって、前記突出部材は、鉛直方向に沿って前記側面鋼板に設けられた板状の部材であることが望ましい。
このような免震装置支持構造によれば、側面鋼板の座屈を防止できる。
かかる免震装置支持構造であって、前記突出部材は、前記ベース鋼板と縁切りされていることが望ましい。
このような免震装置支持構造によれば、ベース鋼板と側面鋼板とを外側から溶接するだけでよく、施工の簡易化を図ることができる。また、コンクリートを介さずに鋼板のみで力を伝達させるようにできる。
かかる免震装置支持構造であって、前記突出板材は、前記側面鋼板と縁切りされていることが望ましい。
このような免震装置支持構造によれば、ベース鋼板と側面鋼板とを外側から溶接するだけでよく、施工の簡易化を図ることができる。また、コンクリートを介さずに鋼板のみで力を伝達させるようにできる。
また、かかる目的を達成するために本発明の免震装置支持構造の施工方法は、上部構造物側又は下部構造物側の基部と、免震装置との間に設けられ、前記免震装置が取り付けられるベース鋼板と、前記ベース鋼板と前記基部との間に内部空間を形成する側面鋼板とを有する免震装置支持構造の施工方法であって、前記ベース鋼板の前記内部空間側の面に突出板材を設ける突出板材形成工程と、前記側面鋼板の前記内部空間側の面に突出部材を設ける突出部材形成工程と、前記側面鋼板を前記ベース鋼板の周囲に沿って接合する接合工程と、前記側面鋼板を前記基部に固定する側面鋼板立設工程と、前記内部空間に、前記ベース鋼板の中央部に設けられた打設孔からコンクリートを充填するコンクリート充填工程と、を有することを特徴とする。
かかる免震装置支持構造の施工方法であって、前記側面鋼板立設工程の後、前記接合工程を実行してもよい。
かかる免震装置支持構造の施工方法であって、前記接合工程の後、前記側面鋼板立設工程を実行してもよい。
このような免震装置支持構造の施工方法によれば、現場での作業工程を低減させることができる。
本発明によれば、配置性、耐震性、及び、施工性の向上を図ることができる。
本実施形態の免震構造の構成を示す概略説明図である。 図2A〜図2Cは、比較例1の下部ペデスタル100の説明図である。図2Aは下部ペデスタル100の平面図であり、図2Bは図2AのA−A´断面図であり、図2Cは、図2BのB−B´断面図である。 図3A〜図3Cは、比較例2の下部ペデスタル200の説明図である。図3Aは下部ペデスタル300の平面図であり、図3Bは図3AのA−A´断面図であり、図3Cは、図3BのB−B´断面図である。 図4A〜図4Cは、本実施形態の下部ペデスタル20の説明図である。なお、図4Aは下部ペデスタル20の平面図であり、図4Bは図2AのA−A´断面図であり、図4Cは、図2BのB−B´断面図である。 比較例と本実施形態との比較を示す図である。 図6A〜図6Cは、比較例2と本実施形態における荷重の伝わり方の違いを示す概念図である。図6Aは、せん断力についての比較、図6Bは、曲げモーメントについての比較、図6Cは、軸力(圧縮軸力)についての比較をそれぞれ示している。 図7A〜図7Eは、下部ペデスタル20の施工方法の説明図である。 図8A〜図8Cは、上部ペデスタル30の施工方法の説明図である。 図9A〜図9Eは、下部ペデスタル20の施工方法の変形例の説明図である。 図10A〜図10Cは、上部ペデスタル30の施工方法の変形例の説明図である。
===実施形態===
<<免震構造について>>
図1は、本実施形態の免震構造の構成を示す概略説明図である。
本実施形態の免震構造は、鉛直方向に並ぶ上部基礎版1(基礎に相当)と下部基礎版3(基礎に相当)との間に、免震装置10と上下一対のペデスタル(上部ペデスタル、及び、下部ペデスタル)を設けたものである。
上部基礎版1は、不図示の建物本体(上部構造体に相当)の最下部に設けられており、下部基礎版3は不図示の地盤(下部構造体に相当)の上に設けられている。なお、上部基礎版1及び下部基礎版3は、それぞれ、コンクリートによって形成されている。
免震装置10は、積層ゴムタイプのものであり、積層体12(例えば、円形のゴム層12aと鋼板12bとを上下に交互に積層してなる円柱状の弾性体)を、上フランジ板11と下フランジ板13で挟むようにして構成されている。また、下フランジ板13は、不図示のボルトなどにより下部ペデスタルに固定され、上フランジ板11は、不図示のボルトなどにより上部ペデスタルに固定されている。そして、免震装置10は、建物本体(上部基礎版1)と地盤(下部基礎版3)との相対変位による水平力に応じて、積層体12が水平方向に剪断変形(上フランジ板11と下フランジ板13とが水平方向に相対変位)する。これにより、建物本体の水平振動を長周期化する。
上部ペデスタル及び下部ペデスタルは、免震装置10が設置されて免震装置10を支持する部位(基台)である。すなわち、本実施形態の免震構造において、上部ペデスタル及び下部ペデスタルは、免震装置支持構造に相当する。図1に示すように、上部ペデスタルは上部基礎版1と免震装置10の上端(上フランジ板11)との間に設けられており、下部ペデスタルは、下部基礎版3と免震装置10の下端(下フランジ板13)との間に設けられている。
建物の荷重が大きく免震装置10の設置個数が多い施設(例えば原子力発電所)では、ペデスタルの配置性(小型化)や施工性が問題となり、また、高い耐震性も必要である。
そこで、本実施形態では、この上下のペデスタルの配置性(小型化)、耐震性、及び、施工性の向上を図っている。以下、ペデスタルの構成について説明する。上部ペデスタルと下部ペデスタルの構成は同様であるため、ここでは下部ペデスタルを例に挙げて説明する。
<<下部ペデスタルの構成について>>
本実施形態について説明する前に、比較例について説明する。
<比較例1>
図2A〜図2Cは、比較例1の下部ペデスタル100の説明図である。図2Aは下部ペデスタル100の平面図であり、図2Bは図2AのA−A´断面図であり、図2Cは、図2BのB−B´断面図である。なお、下部ペデスタル100は鉄筋コンクリートで形成されており、下部ペデスタル100内にはコンクリートが充填されているが、ここでは図示を省略している。
図2A〜図2Cに示すように、下部ペデスタル100は、ベースプレート101、ペデスタル配筋102、アンカーセット103、アンカーフレーム104を備えている。
ベースプレート101は、免震装置10(より具体的には下フランジ板13)が取り付けられる鋼製の板状部材である。ベースプレート101の中央にはコンクリートの打設孔101aが設けられている。また、ベースプレート101には、免震装置10の下フランジ板13をボルトで固定するための袋ナット101bが溶接されている。袋ナット101bは下フランジ板13のボルト孔と対応する位置に設けられている。
ペデスタル配筋102は鉄筋で構成されており、図に示すように、下部ペデスタル100の内部において立体的に格子状に配置されている。そして、このペデスタル配筋102にコンクリートが打設されて、下部ペデスタル100が形成されることになる。
アンカーフレーム104は、一部(下部)が下部基礎版3に埋設されてアンカーとして機能する部位である。アンカーセット103はベースプレート101とアンカーフレーム104との間に設けられている。この、アンカーセット103、及び、アンカーフレーム104は、施工の際(コンクリート打設前)にベースプレート101にモジュールとして組み込まれている。これにより、コンクリート打設時にベースプレート101を安定して支持することができる。
<比較例2>
図3A〜図3Cは、比較例2の下部ペデスタル200の説明図である。図3Aは下部ペデスタル300の平面図であり、図3Bは図3AのA−A´断面図であり、図3Cは、図3BのB−B´断面図である。なお、下部ペデスタル200内にはコンクリートが充填されているが、ここでは図示を省略している。
図3A〜図3Cに示すように、下部ペデスタル200は、ベースプレート201、側面鋼板202、アンカーフレーム203、差筋アンカー204を備えている。
ベースプレート201は、免震装置10(より具体的には下フランジ板13)が取り付けられる鋼製の板状部材である。ベースプレート201にはコンクリートの打設孔201aが設けられている。ただし、比較例2の打設孔201aは、ベースプレート201の端部(具体的には免震装置10が取り付けられる部位よりも外側)に設けられている。これは、比較例2では、下部ペデスタル200の鋼板(ベースプレート201、側面鋼板202)と免震装置10とが一体のユニットとしており、当該ユニットを現場に設置した後にコンクリートを打設するためである。また、ベースプレート201の下面には、下側(内部空間側)に向けて突出するリブ201cが溶接されている。リブ201cはベースプレート201の座屈を防止するとともに、応力を伝達する板状部材である。また、ベースプレート201には、免震装置10の下フランジ板13をボルトで固定するための袋ナット201bが溶接されている。袋ナット201bは下フランジ板13のボルト孔と対応する位置に複数設けられている。
側面鋼板202は、ベースプレート201と下部基礎版3との間に内部空間を形成するように、ベースプレート201の周囲に沿って設けられている。側面鋼板202の内面には、内側に向かって突出するスタッド202aとリブ202cがそれぞれ複数溶接されている。スタッド202aは、側面鋼板202の座屈を防止するとともに、側面鋼板202とコンクリートとの一体化に供する部材である。リブ202cは、側面鋼板202の座屈を防止するとともに、応力を伝達する板状部材である。
アンカーフレーム203は、下部ペデスタル200の剛性を高めるフレームであり、ベースプレート201に溶接されている。アンカーフレーム203は、下部ペデスタル200の高さ(側面鋼板22の高さ)とほぼ同じ高さに設けられているので、ユニットを配置する際、アンカーフレーム203が差筋アンカー204と干渉するおそれがある。
差筋アンカー204は、鉄筋で構成されており、一部(下部)が下部基礎版3に埋設されアンカーとして機能する。
<本実施形態>
図4A〜図4Cは、本実施形態の下部ペデスタル20の説明図である。なお、図4Aは下部ペデスタル20の平面図であり、図4Bは図2AのA−A´断面図であり、図4Cは、図2BのB−B´断面図である。なお、下部ペデスタル20内にはコンクリートが充填されているが、ここでは図示を省略している。
本実施形態の下部ペデスタル20は、ベースプレート21(ベース鋼板に相当)、側面鋼板22、アンカープレート23、アンカーボルト24を備えている。
ベースプレート21は、免震装置10(より具体的には下フランジ板13)が取り付けられる鋼製の板状部材である。ベースプレート21の中央にはコンクリートの打設孔21aが設けられている。また、ベースプレート21の下面には、下側(内部空間側)に向けて突出する板形状のリブ21c(突出板材に相当)が溶接されている。リブ21cはベースプレート21の座屈を防止するための板状部材である。また、ベースプレート21には、免震装置10の下フランジ板13をボルトで固定するための袋ナット21bが溶接されている。袋ナット21bは下フランジ板13のボルト孔と対応する位置に複数設けられている。
側面鋼板22は、ベースプレート21と下部基礎版3との間に内部空間を形成するように、ベースプレート21の周囲に沿って設けられている。側面鋼板22の内面には、内側(内部空間側)に向かって突出する板形状のリブ22c(突出部材に相当)が溶接されている。リブ22cは側面鋼板22の座屈を防止するための板状部材である。なお、比較例2のリブ201cは応力を伝達していたのに対し、本実施形態のリブ22cは、ベースプレート21と縁切りされており(ベースプレート21との間に隙間があり)、応力の伝達は行わない。
アンカープレート23は、側面鋼板22の下端に溶接された板状部材である。アンカープレート23にはアンカーボルト24を通す貫通孔が設けられており、当該貫通孔にアンカーボルト24を通してナットで締め付けることにより側面鋼板22を下部基礎版3に固定することができる。
アンカーボルト24は、側面鋼板22を下部基礎版3に固定するための部材である、アンカーボルト24は、下部基礎版3に埋設されており、前述したように、アンカープレート23に取り付けられている。
<<比較例と本実施形態との比較について>>
図5は、比較例と本実施形態との比較を示す図である。また、図6A〜図6Cは、比較例2と本実施形態における荷重の伝わり方の違いを示す概念図である。図6Aは、せん断力についての比較、図6Bは、曲げモーメントについての比較、図6Cは、軸力(圧縮軸力)についての比較をそれぞれ示している。
比較例1の場合、せん断応力は、アンカーセット103→ペデスタル配筋102→下部基礎版3と伝達される。曲げモーメントも同様である、軸応力(圧縮軸力)は、ベースプレート101→ペデスタル(コンクリート)→下部基礎版3と伝達される。
この比較例1では、アンカーセット103を介して力を伝達させるため、アンカーセット103のサイズ(径)を大きく形成しないと曲げモーメントを処理できない。また、アンカーセット103とペデスタルとの距離を取らないと十分な抵抗力を発生できない。このため、装置が大型化しやすく、配置性や耐震性が良好でない。また、仮設材のアンカーフレーム104とペデスタル配筋102との鉄筋干渉があり、施工の際に手間がかかる。
比較例2の場合、せん断応力は、ベースプレート201→側面鋼板202→スタッド202a→ペデスタル(コンクリート)→差筋アンカー204→下部基礎版3と伝達される。曲げモーメントは、ベースプレート201→リブ202c→下部基礎版3と伝達される。また、軸応力(圧縮軸力)も、ベースプレート201→リブ202c→下部基礎版3と伝達される。
この比較例2では、鋼板を用いていることにより、比較例1の場合よりも装置の小型化が可能である。また、この比較例2では、上下のペデスタルと免震装置10とのモジュール化が可能である。そして、設置後に打設孔201aからコンクリートを打設することができる。ただし、このため比較例2では打設孔201aがベースプレート201の免震装置10の取り付け位置より外側(ベースプレート201の端部)に形成されている。このため、さらなる小型化が困難である。さらに、打設孔201aがベースプレート201の端部に位置しているので、コンクリート打設の際にコンクリートの充填性に偏りが発生するおそれがある。もし仮に、ベースプレート201の端部に複数(例えば4隅)に打設孔を設けてコンクリートを打設したとしても、中央部が埋まらないおそれがあり、さらに時間や手間がかかるおそれがある。また、比較例2では、下部基礎版3と差筋アンカー204との間で鉄筋干渉のおそれがある。
本実施形態の場合、せん断応力は、ベースプレート21→側面鋼板22→アンカーボルト24→下部基礎版3と伝達される。前述した比較例1及び比較例2では、コンクリートを介して、せん断応力を下部基礎版3に伝達していた。これに対し、本実施形態では、コンクリートを介さずダイレクトに、せん断応力を下部基礎版3に伝達することができる。曲げモーメントも、ベースプレート21→側面鋼板22→アンカーボルト24→下部基礎版3と伝達される。また、軸応力(圧縮軸力)は、ベースプレート21→ペデスタル(コンクリート)→下部基礎版3と伝達される。
本実施形態では、コンクリートの打設孔21aがベースプレート21の中央(免震装置10の設置位置内)に設けられているので、比較例2よりもさらに小型化が可能であり、また、コンクリートの偏りを抑制できる。また、鋼板で構成しているので耐震性が高く、側面鋼板22をアンカーボルト24で固定しているので鉄筋干渉がなく、比較例1及び比較例2よりも施工性が良好である。さらに、後述する変形例のようにモジュール化も可能である。
<<施工方法について>>
図7A〜図7Eは、下部ペデスタル20の施工方法の説明図である。また図8A〜図8Cは、上部ペデスタル30の施工方法の説明図である。
(下部ペデスタル20の施工)
まず、図7Aに示すように、下部基礎版3の配筋時にアンカーボルト24をセットし、下部基礎版3のコンクリート打設を行う。
次に、図7Bに示すように、側面鋼板22にアンカープレート23とリブ22cを溶接する。アンカープレート23は、側面鋼板22の下端に溶接し、リブ22cは、側面鋼板22の内側の面に溶接する(突出部材形成工程に相当)。そして、その側面鋼板22を下部基礎版3の上に配置し、アンカープレート23をナット等によりアンカーボルト24に取り付ける。これにより、側面鋼板22は下部基礎版3に固定される(側面鋼板立設工程に相当)。
また、図7Cに示すように、ベースプレート21に袋ナット21bを溶接し、さらに、リブ21cを溶接する(突出板材形成工程に相当)。そのベースプレート21を、完全溶け込み溶接によって、外側から側面鋼板22に取り付ける(接合工程に相当)。これにより、ベースプレート21と側面鋼板22は溶接(接合)されるが、ベースプレート21とリブ22cは溶接されない。つまり、ベースプレート21とリブ22c(ベースプレート21側の端面)は縁切りされている。また、側面鋼板22とリブ21cは溶接されない。つまり、側面鋼板22とリブ21c(側面鋼板22側の端面)は縁切りされている。これにより、前述したように、コンクリートを介さずダイレクトに、応力を下部基礎版3に伝達することができる。また、下部ペデスタル20の外側のみからベースプレート21と側面鋼板22とを溶接すればよいので、溶接の作業の簡易化(施工の簡易化)を図ることができる。
そして、図7Dに示すように、側面鋼板22、及び、ベースプレート21を型枠の代用としてベースプレート21の打設孔21aから、下部ペデスタル20の内部空間にコンクリート26を打設する(コンクリート充填工程に相当)。また、充填性を確保するため、下部ペデスタル20内(内部空間)の上端は、無収縮モルタル27を用いて施工する。なお、側面鋼板22よりも外側のアンカーボルト24が、点検用通路などに張り出す場合、その部分(下部基礎版3上)にカバー用のコンクリートを打設してボルトヘッドを保護するようにすることが望ましい。
その後、図7Eに示すように、下部ペデスタル20のベースプレート21の上部に免震装置10の下フランジ板13を配置し、下フランジ板13を介して、袋ナット21bにボルトを挿入し、免震装置10を下部ペデスタル20に固定する。
(上部ペデスタル30の施工)
図8Aに示すように、下部ペデスタル20と同様に上部ペデスタル30の鋼板部を施工する。具体的には、側面鋼板32にアンカープレート33とリブ32cを溶接する。アンカープレート33は、側面鋼板32の上端に溶接し、リブ32cは、側面鋼板32の内側の面に溶接する。
また、ベースプレート31に、袋ナット31bとリブ31cを溶接する。そのベースプレート31を、完全溶け込み溶接によって、外側から側面鋼板32に取り付ける。よって、ベースプレート31と側面鋼板32は溶接されるが、ベースプレート31とリブ32cは溶接されない。つまり、ベースプレート31とリブ32c(ベースプレート31側の端面)は縁切りされている。また、側面鋼板32とリブ31cは溶接されない。つまり、側面鋼板32とリブ31c(側面鋼板32側の端面)は縁切りされている。
ベースプレート31の下部に免震装置10の上フランジ板11を配置し、上フランジ板11を介して、袋ナット31bにボルトを挿入し、免震装置10を上部ペデスタル30に固定する。
次に、図8Bに示すように、上部基礎版1の配筋とアンカーボルト34の設置を行う。
そして、図8Cに示すように、上部基礎版1のコンクリート打設に併せて、上部ペデスタル30内のコンクリート打設を行い一体施工とする。
<変形例>
前述の実施形態では、各部の施工(溶接など)を全て現場にて行っていた。この変形例では、各ペデスタルの鋼板部分を予め工場で形成(溶接)してモジュール化する。これにより、現場での作業工程を低減させることができる。
図9A〜図9Eは、下部ペデスタル20の施工方法の変形例の説明図である。また図10A〜図10Cは、上部ペデスタル30の施工方法の変形例の説明図である。
まず、図9Aに示すように、工場にてベースプレート21、側面鋼板22、アンカープレート23を溶接して下部ペデスタル20の鋼板部分を製作する(突出部材形成工程、突出板材形成工程、及び、接合工程に相当)。こうして製作された下部ペデスタル20の鋼板部分のユニットを現場に搬送する。
現場では、図9Bに示すように、下部基礎版3の配筋時にアンカーボルト24をセットし、下部基礎版3のコンクリート打設を行う。
次に、図9Cに示すように、下部ペデスタル20の鋼板部分のユニットをクレーン等で揚重し、アンカープレート23のボルト孔にアンカーボルト24を通して据付けを行う。ここでは、側面鋼板22よりも外側のアンカーボルト24をナット等で締め付け、側面鋼板22を下部基礎版3に固定する(側面鋼板立設工程に相当)。
そして、図9Dに示すように、側面鋼板22、及び、ベースプレート21を型枠の代用としてベースプレート21の打設孔21aから、下部ペデスタル20の内部空間にコンクリート26を打設する(コンクリート充填工程に相当)。また、充填性を確保するため、下部ペデスタル20内(内部空間)の上端は、無収縮モルタル27を用いて施工する。なお、図示していないが、側面鋼板22よりも外側のアンカーボルト24が通路(例えば点検用通路)などに張り出す場合、その部分(下部基礎版3上)にカバー用のコンクリートを打設してボルトヘッドを保護することが望ましい。
その後、図7Eに示すように、下部ペデスタル20のベースプレート21の上部に免震装置10の下フランジ板13を配置し、下フランジ板13を介して、袋ナット21bにボルトを挿入し、免震装置10を下部ペデスタル20に固定する。
上部ペデスタル30についても同様に、工場にて、図10Aに示すように、上部ペデスタル30の鋼板部分を製作する。なお、ここでは、上部ペデスタル30に免震装置10(上フランジ板11)を取り付け、上部ペデスタル30と免震装置10とを一体化(ユニット化)させる。そして、製作したユニットを現場に搬送する。
以下の施工(図10B、図10C)については前述の実施形態(図8B、図8C)と同様であるので説明を省略する。
以上、説明したように、本実施形態の下部ペデスタル20は、下部基礎版3と免震装置10との間に設けられており、免震装置10が取り付けられるベースプレート21と、ベースプレート21の周囲に沿って設けられ、ベースプレート21と下部基礎版3との間に内部空間を形成する側面鋼板22を備えている。また、側面鋼板22を下部基礎版3に固定するアンカーボルト24と、側面鋼板22から内側(内部空間側)に向かって突出するリブ22cと、ベースプレート21から内側(内部空間側)に向かって突出するリブ21cとを備えている。そして下部ペデスタル20の内部空間にはコンクリート26が充填されている。
これにより、比較例1及び比較例2と比べて、配置性、耐震性、及び、施工性の向上を図ることができる。
===その他の実施形態について===
上記実施形態は、本発明の理解を容易にするためのものであり、本発明を限定して解釈するためのものではない。本発明は、その趣旨を逸脱することなく、変更、改良され得ると共に、本発明にはその等価物が含まれることはいうまでもない。特に、以下に述べる実施形態であっても、本発明に含まれるものである。
前述の実施形態では、アンカーボルト24によって側面鋼板22を下部基礎版3に固定していたが、シアキーで固定してもよい。
また、前述の実施形態では、側面鋼板22、32に、それぞれ、突出部材としてリブ22c、32cを設けていたが、これには限らない。例えば、スタッド等を設けてもよい。この場合も座屈を抑制することができる。
また、前述の実施形態では、ベースプレート21の形状は正方形であったが、これには限らず、下フランジ板13よりも大きければよい。例えば、円形や多角形であってもよい。その場合においても、側面鋼板22をベースプレート21の周囲に沿って設け、ベースプレート21と下部基礎版3との間に内部空間を形成するようにすればよい。
また、前述の実施形態では、ベースプレート21に袋ナット21bを設けていたが、これには限らない。例えば、上方に突出するボルトを設けてもよい。そしてそのボルトを免震装置10の下フランジ板13のボルト孔に通してナットで締め付けてもよい。但し、この場合、免震装置10を交換する際にボルトが邪魔になり交換の作業が困難になる。本実施形態のようにベースプレート21に袋ナット21bを設けると、ボルトを取り外すことにより免震装置10を容易に引き出すことができる。よって、免震装置10の交換の作業が容易になる。
また、無収縮モルタル27は、高流動コンクリート等の充填材でもよい。
1 上部基礎版
3 下部基礎版
10 免震装置
11 上フランジ板
12 積層体
12a ゴム層
12b 鋼板
13 下フランジ板
20 下部ペデスタル
21 ベースプレート
21a 打設孔
21b 袋ナット
21c リブ
22 側面鋼板
22c リブ
23 アンカープレート
24 アンカーボルト
26 コンクリート
27 無収縮モルタル
30 上部ペデスタル
31 ベースプレート
31b 袋ナット
31c リブ
32 側面鋼板
32c リブ
33 アンカープレート
34 アンカーボルト
36 コンクリート
100 下部ペデスタル
101 ベースプレート
101a 打設孔
101b 袋ナット
102 ペデスタル配筋
103 アンカーセット
104 アンカーフレーム
200 下部ペデスタル
201 ベースプレート
201a 打設孔
201b 袋ナット
201c リブ
202 側面鋼板
202a スタッド
202c リブ
203 アンカーフレーム
204 差筋アンカー

Claims (8)

  1. 上部構造物側又は下部構造物側の基部と、免震装置との間に設けられる免震装置支持構造であって、
    前記免震装置が取り付けられるベース鋼板と、
    前記ベース鋼板の周囲に沿って設けられ、前記ベース鋼板と前記基部との間に内部空間を形成する側面鋼板と、
    前記側面鋼板を前記基部に固定するアンカーボルト又はシアキーと、
    前記側面鋼板から前記内部空間に向かって突出する突出部材と、
    前記ベース鋼板から前記内部空間に向かって突出する突出板材と、
    前記内部空間に充填されたコンクリートと、
    備え、
    前記ベース鋼板の中央部に、前記コンクリートの打設孔が設けられている
    ことを特徴とする免震装置支持構造。
  2. 請求項1に記載の免震装置支持構造であって、
    前記ベース鋼板には前記免震装置を取り付けるための袋ナットが溶接されている
    ことを特徴とする免震装置支持構造。
  3. 請求項1又は請求項2に記載の免震装置支持構造であって、
    前記突出部材は、鉛直方向に沿って前記側面鋼板に設けられた板状の部材であることを特徴とする免震装置支持構造。
  4. 請求項3に記載の免震装置支持構造であって、
    前記突出部材は、前記ベース鋼板と縁切りされている
    ことを特徴とする免震装置支持構造。
  5. 請求項1乃至請求項4の何れかに記載の免震装置支持構造であって、
    前記突出板材は、前記側面鋼板と縁切りされている
    ことを特徴とする免震装置支持構造。
  6. 上部構造物側又は下部構造物側の基部と、免震装置との間に設けられ、前記免震装置が取り付けられるベース鋼板と、前記ベース鋼板と前記基部との間に内部空間を形成する側面鋼板とを有する免震装置支持構造の施工方法であって、
    前記ベース鋼板の前記内部空間側の面に突出板材を設ける突出板材形成工程と、
    前記側面鋼板の前記内部空間側の面に突出部材を設ける突出部材形成工程と、
    前記側面鋼板を前記ベース鋼板の周囲に沿って接合する接合工程と、
    前記側面鋼板を前記基部に固定する側面鋼板立設工程と、
    前記内部空間に、前記ベース鋼板の中央部に設けられた打設孔からコンクリートを充填するコンクリート充填工程と、
    を有することを特徴とする免震装置支持構造の施工方法。
  7. 請求項6に記載の免震装置支持構造の施工方法であって、
    前記側面鋼板立設工程の後、前記接合工程を実行する
    ことを特徴とする免震装置支持構造の施工方法。
  8. 請求項6に記載の免震装置支持構造の施工方法であって、
    前記接合工程の後、前記側面鋼板立設工程を実行する
    ことを特徴とする免震装置支持構造の施工方法。
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