JP6824029B2 - 防着筒及びこれを備えた基板処理装置 - Google Patents

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Description

本発明は、基板に所定の処理を施す基板処理装置の処理チャンバ内に配設され、当該処理チャンバの内壁を保護する防着筒及びこれを備えた基板処理装置に関する。
基板処理装置は、処理チャンバ内に導入した処理ガスをプラズマ化し、これにより得られたプラズマなどによって処理チャンバ内に配設された基板に対してエッチング処理や成膜処理を施す装置である。この基板処理装置においては、エッチング処理において用いられる保護膜形成ガスや、成膜処理において用いられる成膜ガスをプラズマ化した際に発生する成膜成分や、エッチング処理の反応生成物が処理チャンバの内壁に堆積又は付着する、或いは、生成したプラズマに含まれるイオンやラジカルが作用して処理チャンバの内壁が劣化するという問題があることが知られている。そこで、従来から、成膜成分が処理チャンバの内壁に直接堆積又は付着するのを防止する、或いは、イオン等が処理チャンバの内壁に直接接触するのを防止するために、処理チャンバ内に防着板を配設し、処理チャンバの内壁を防着板によって保護した装置が提案されている(特許文献1)。
上記特許文献1に記載されたプラズマエッチングリアクタは、チャンバ内に導電性及び可撓性を有した円筒形のバンドであるシールドが配設されており、このシールドは、チャンバの内径よりもわずかに大きい直径を有している。また、このシールドは、チャンバの上部開口部がチャンバの内径よりも小さい場合であっても、シールドを圧縮してチャンバ内に取り付けられるようにするために、垂直方向に沿った継ぎ目を形成する隙間が設けられている。このプラズマエッチングリアクタによれば、隙間が設けられていることにより、径が小さくなるようにシールドを圧縮して、チャンバ内にシールドを配設することができる。
特開平8−172080号公報
ところが、上記特許文献1に記載されたプラズマエッチングリアクタにおいては、シールドに継ぎ目を形成する隙間が設けられているため、当該シールドをチャンバ内に配設してエッチング処理や成膜処理を行った際に、前記隙間を通してシールドとチャンバ内壁との間にイオンや成膜成分が回り込むおそれがある。したがって、チャンバ内壁に成膜成分に由来する膜が堆積又は付着する、或いは、イオン等が作用してチャンバ内壁が劣化するという問題の発生が十分に抑えられているとは言えない。
本発明は以上の実情に鑑みなされたものであり、防着筒と処理チャンバ内壁との間へのイオンや成膜成分の回り込みを抑え、処理チャンバ内壁を従来よりも確実に保護することができる防着筒及びこれを備えた基板処理装置の提供を、その目的とする。
上記課題を解決するための本発明は、
円筒状の胴部を有する処理チャンバと、処理チャンバ内にプラズマを生成するプラズマ生成機構とを備えた基板処理装置の前記胴部内に配設される略円筒状の防着筒であって、
所定の厚みを有する板状の弾性部材からなり、
筒軸方向の全長に亘ってスリットが形成され、自然状態での最大外径が前記胴部の内径より大径であり、最大外径が前記胴部の内径よりも小径となるように弾性変形可能な筒状本体と、
前記筒状本体における前記スリットを挟む2つの端部の内の一方端部から他方端部側に向けて連続して形成され、前記スリットを覆うオーバーラップ部とを有している防着筒に係る。
この防着筒は、筒状本体にスリットが形成されており、最大外径が前記処理チャンバの内径よりも小径となるように弾性変形させることができるようになっているため、弾性変形させた状態で当該防着筒を基板処理装置の胴部内に配設することで、最大外径が胴部の内径よりも大径である自然状態(外力が加えられていない状態)に戻ろうとする力(復元力)で筒状本体の外周面が胴部の内周面に押し当てられて、当該筒状本体の外周面と胴部の内周面とが密着した状態となる。
そして、防着筒が胴部内に配設された際に、前記オーバーラップ部が前記スリットを覆った状態になるため、エッチング処理や成膜処理中に発生するイオンや成膜成分がスリットを介して筒状本体の外周面と胴部の内周面との間に回り込むという問題が生じない。尚、前記オーバーラップ部がスリットを覆った状態としては、筒状本体の内周面側でオーバーラップ部がスリットを覆った状態、及び筒状本体の外周面側でオーバーラップ部がスリットを覆った状態を例示することができる。
また、上記防着筒は、胴部内に配設された際に、当該筒状本体の外周面と胴部の内周面とが密着しており、防着筒と胴部との間での熱の移動(熱伝達)が可能になっている。したがって、例えば、ヒータや冷却機構を用いて胴部の温度を調整するように構成すれば、胴部の温度を調整することで、これに密着した防着筒の温度を安定化することが可能である。
前記オーバーラップ部は、前記一方端部から前記他方端部側に向けて連続して前記筒状本体の内周面側又は外周面側に形成されていることが好ましい。
前記防着筒は、前記基板処理装置の前記胴部内であって、前記処理チャンバ内にプラズマを生成させるためのコイルから離れた位置に配設されることが好ましい。
尚、上記防着筒は、前記筒状本体の外周面と前記胴部の内周面とが対向するように該胴部内に配設された状態で、前記筒状本体の外周面が前記胴部の内周面に押し当てられるとともに、前記オーバーラップ部が前記スリットを覆った状態で、該オーバーラップ部が前記筒状本体の他方端部に当接しないことが好ましい。このようにすれば、オーバーラップ部と筒状本体の他方端部とが擦れるのを防止することができ、異物の発生を抑えることができる。
また、前記オーバーラップ部が筒状本体の他方端部に当接しないようにするための好適な態様としては、上記防着筒において、前記オーバーラップ部が、前記筒状本体の一方端部が、前記筒状本体の内側に折れ曲がり、更に前記他方端部と略平行となるように折れ曲って形成されることが好ましい。
尚、本願における「略円筒状」とは、真円筒状の他、筒状本体の外周面の曲率が部分的に異なるものも含まれることを意味し、また、本願における「筒」とは、上端面と下端面とが開口した中空の形状を意味し、周面の一部が開いた形状も含む概念である。
ところで、上記防着筒において、自然状態でのスリットの幅が狭すぎると、当該防着筒を胴部内に配設するために最大外径が胴部の内径よりも小径となるように弾性変形させた際に、筒状本体の一方端部側の外周面が他方端部側の内周面に当接した状態になる場合がある。そして、この場合、防着筒を胴部内に配設すると、防着筒の外周面が胴部の内周面に均一に当接しない状態になることがあり、筒状本体の外周面と胴部の内周面との密着度合いが低下する場合がある。
そこで、上記防着筒において、前記自然状態でのスリットの幅は、前記2つの端部が周方向において当接するように弾性変形させた状態での最大外径が前記胴部の内径よりも小径となる幅とすることが好ましい。
このようにすれば、最大外径が胴部の内径よりも小径となるように防着筒を弾性変形させた際に、一方端部側の外周面に他方端部側の内周面が当接した状態になるのを防止することができる。したがって、筒状本体の外周面と胴部の内周面との密着度合いの低下を抑えることができる。
また、上記防着筒において、前記筒状本体は、筒軸を挟んで前記スリットと対向する部分における外周面の曲率が前記胴部の内周面の曲率よりも小さく、前記スリットの周辺部分における外周面の曲率が前記スリットと対向する部分における外周面の曲率よりも大きいことが好ましい。
このようにすれば、防着筒を胴部内に配設した際に、スリットと対向する部分に働く復元力が大きくなるとともに、前記スリットの周辺部分に弾性変形による歪みが生じ難くなるため、当該スリットの周辺部分における外周面が処理チャンバの内周面に押し当てられ易くなる。
ところで、スリットを挟む2つの端部(筒状本体の一方端部及び他方端部)に、スリットに連通するような切欠き部や開口部が形成されており、これら各端部における、筒状本体の周方向において対向するそれぞれの端面が、筒状本体の上端から下端にかけて非連続な平面になっていると、これらの端部に均一で強い復元力が作用し難い。そこで、上記防着筒において、前記スリットを挟む2つの端部における、前記筒状本体の周方向において対向するそれぞれの端面は、前記筒状本体の上端から下端にかけて連続した1つの平面であることが好ましい。このようにすれば、スリットを挟む2つの端部に均一で強い復元力が作用し易くなる。
また、本願発明者らは、鋭意研究を重ねた結果、防着筒を処理チャンバ内に配設した際に、筒状本体の外周面を処理チャンバの内周面に適切な力で押し当てることができ、且つ両者の密着度合いを充分に高めることができるようにするためには、前記処理チャンバの内径をdとして、前記弾性部材の厚みtを0.001d〜0.01d、前記自然状態でのスリットの幅Snを0.05d〜0.5d、前記自然状態での最大外径Dnを1.05d〜1.5dとすることが好ましく、前記弾性部材の厚みtを0.001d〜0.01d、前記自然状態でのスリットの幅Snを0.05d〜0.3d、前記自然状態での最大外径Dnを1.05d〜1.3dとすることがより好ましいということを見出した。
また、本発明は、円筒状の胴部を有する処理チャンバと、処理チャンバ内にプラズマを生成するプラズマ生成機構とを備え、該処理チャンバ内に配設された基板に所定の処理を施す基板処理装置であって、上記防着筒を更に備えており、この防着筒が、前記筒状本体の外周面と前記胴部の内周面とが対向した状態で、該胴部内に配設されている基板処理装置に係る。
この基板処理装置によれば、筒状本体の外周面が処理チャンバの内周面に押し当てられ、両者が密着した状態で、スリットがオーバーラップ部によって覆われるため、イオンや成膜成分、エッチング処理で生じる反応生成物がスリットを介して筒状本体の外周面と処理チャンバの内周面との間に回り込むという問題の発生を抑えつつ、エッチング処理や成膜処理などの所定の処理を実施することができる。
尚、本願において、基板に対して行う「所定の処理」には、プラズマ中に含まれるイオンやラジカルなどによって、基板をエッチングして所望のエッチング形状を形成する、又は基板に所望の膜を成膜する処理の他、処理チャンバ内に生成されたプラズマから中性粒子を抽出し、この中性粒子を用いたエッチング処理や成膜処理が含まれる。
以上のように、本発明に係る防着筒及びこれを備えた基板処理装置によれば、防着筒における筒状本体の外周面が処理チャンバにおける胴部の内周面に押し当てられ、両者が密着した状態において、スリットがオーバーラップ部によって覆われるため、イオンや成膜成分、エッチング処理で生じる反応生成物がスリットを介して防着筒と処理チャンバとの間に回り込むという問題の発生を防止することができる。
一実施形態に係るプラズマエッチング装置の概略構成を模式的に示した断面図である。 図1における矢示A−A間の模式的な断面図である。 防着筒の概略構成を模式的に示した斜視図である。 自然状態での防着筒を模式的に示した上面図である。 弾性変形した状態の防着筒を模式的に示した上面図である。
以下、本発明の具体的な実施の形態につき、図面を参照しつつ説明する。尚、以下においては、基板処理装置をICP型エッチング装置として説明する。
図1及び図2に示すように、本例のエッチング装置1は、内部空間の上方にプラズマ生成空間3が設定され、このプラズマ生成空間3よりも下方に処理空間4が設定される円筒状の処理チャンバ2と、この処理チャンバ2の内部空間に配設された防着筒10と、前記プラズマ生成空間3にエッチングガスを供給するエッチングガス供給機構20と、前記プラズマ生成空間3に誘導電界を発生させるための環状のコイル25と、このコイル25に高周波電力を供給するコイル電力供給機構30と、前記処理空間4に配設され、基板Kを載置するための基台35と、この基台35に高周波電力を供給する基台電力供給機構40と、処理チャンバ2内の気体を排気する排気装置45とを備えている。尚、図2においては、胴部5(処理チャンバ2)と防着筒10のみを図示し、基台35や基板Kの図示は省略した。
前記処理チャンバ2は、アルミ合金からなる胴部5、底板6及び天板7から構成されており、胴部5は、その下端部に底板6が固設され、上端部に天板7が取り付けられている。
前記胴部5は、円筒状の部材であり、基板Kを出し入れするための搬出入口5aが形成され、当該搬出入口5aを介して、処理チャンバ2内への基板の出し入れが行われる。また、胴部5には、処理チャンバ2内の気体を排気するための排気口5bが形成されており、この排気口5bに前記排気装置45が接続され、当該排気装置45によって処理チャンバ2内の気体が排気されるようになっている。
前記天板7は、その下面に、下方に垂下したセラミック製の凸部材8が設けられており、この凸部材8の内部空間には、前記コイル25が配設されている。更に、天板7の下面には、当該天板7の下面を保護する防着板9が取り付けられている。尚、この天板7には、後述する処理ガス供給源が接続される吐出口が形成されている。
前記防着筒10は、アルミ合金製の導電性を有する帯状体を略円筒状に成形加工した弾性変形可能な部材である。また、図3から図5に示すように、この防着筒10は、筒軸方向の全長に亘って、即ち、上端から下端にかけてスリット12が形成された筒状本体11と、スリット12を挟む2つの端部11a,11bの内の一方端部11aから連続して筒状本体11の内周面側に形成されたオーバーラップ部13とからなる。尚、本例の防着筒10において、一方端部11aは、後述する帯状体の一端側が筒状本体11の内周面側に向けて立ち上がるように折り曲げられた部分に相当し、他方端部11bは帯状体の他端部に相当するものである。また、スリット12は、上記折り曲げられた部分における、帯状体の他端面と周方向に対向した面と、帯状体の他端面との間の隙間である。尚、図3及び図4は自然状態、図5は弾性変形させた状態を示している。
前記筒状本体11は、筒軸を挟んでスリット12と対向する部分及びその周辺部分(図4において一点鎖線で囲んだ部分P)における外周面の曲率が、前記胴部5内周面の曲率よりも小さくなっている。また、スリット12と対向する部分及びその周辺部分からスリット12の周辺部分(図4において一点鎖線で囲んだ部分Q,R)に向かうにつれて段階的に外周面の曲率が大きくなり、前記スリット12の周辺部分における外周面の曲率が胴部5外周面の曲率に近くなっている。したがって、本例における防着筒10の自然状態での最大外径Dnは、図4に示すように、同図の紙面に向かって左右方向に沿った外径となる。
尚、この筒状本体11には、前記胴部5に形成された搬出入口5a及び排気口5bと対応する位置で、前記スリット12とは異なる位置に、それぞれ開口部15a,15bが形成されている。
また、前記スリット12は、前記2つの端部11a,11bの対向する面が周方向において当接するまで弾性変形させた際に、防着筒10の最大外径Ddが胴部5の内径よりも小径となるような幅Snで形成されている。したがって、図5に示すように、防着筒10を弾性変形させることにより、弾性変形状態での防着筒10の外周面と胴部5の内周面との間に、隙間Cが空いた状態となり、当該防着筒10を胴部5内に配設することができる。尚、図5においては、同図の紙面に向かって上下方向に沿った外径を、便宜上、弾性変形させた際の最大外径Ddとして示している。また、同図には、胴部5を二点鎖線で図示している。
前記オーバーラップ部13は、帯状体の一端側が筒状本体11の内周面側に向けて立ち上がるように折り曲げられるとともに、帯状体の他端側に向けて更に折り曲げられることによって形成されたものであって、前記一方端部11aから他方端部11bに向けて、この他方端部11bと略平行な方向に沿って延びた形状を有している。また、このオーバーラップ部13は、防着筒10を胴部5内に配設した状態でのスリット12の幅Sdよりも長くなるように形成されており、前記他方端部11bと半径方向に重なるようになっている。尚、オーバーラップ部13の外周面の曲率は、帯状体の他端側、即ち、前記他方端部11b側の内周面の曲率と略同じになっている。
尚、前記筒状本体11の内周面及びオーバーラップ部13の内周面は、その表面粗さが粗くなっている(Ra1〜10μm程度)。
このような構成を備えた防着筒10は、弾性変形状態での最大外径Ddが胴部5の内径dよりも小径となるように、作業者によって弾性変形せしめられた後、筒状本体11の外周面が胴部5の内周面と対向するように当該胴部5内に配置され、その後、力が除かれることで、筒状本体11の外周面と胴部5の内周面とが密着した状態で胴部5内に配設される。
つまり、この防着筒10は、弾性変形した状態から力が除かれることにより、自然状態へと戻ろうとするが、自然状態での最大外径Dnは胴部5の内径よりも大径であるため、復元力によって筒状本体11の外周面が胴部5の内周面に押し当てられることになり、当該筒状本体11の外周面と胴部5の内周面とが密着した状態となる。
また、防着筒10が胴部5内に配設された状態においては、オーバーラップ部13が筒状本体11の内周面側でスリット12を覆った状態になる。尚、オーバーラップ部13の外周面は、筒状本体11における他方端部11b側の内周面と隙間の空いた状態になっており、両者が擦れ合わないようになっている。
尚、本願発明者らの計算結果によれば、防着筒10を胴部5内に配設した際に、筒状本体11の外周面を胴部5の内周面に適切な力で押し当て、両者の密着度合いを十分に高めるためには、胴部5の内径をd(本例においては350mm)として、帯状体の厚みtを0.001d〜0.01d、自然状態でのスリット12の幅Snを0.05d〜0.5d、自然状態での最大外径Dnを1.05d〜1.5dとすることが好ましく、帯状体の厚みtを0.001d〜0.01d、自然状態でのスリットの幅Snを0.05d〜0.3d、自然状態での最大外径Dnを1.05d〜1.3dとすることがより好ましい。
前記処理ガス供給機構20は、エッチングガスや保護膜形成ガスなどの処理ガスが貯留された処理ガス供給源21と、一方端が処理ガス供給源21に接続され、前記天板7の吐出口に他方端が接続された供給管22とからなる。そして、この処理ガス供給機構20によって、処理ガス供給源21から供給管22を介し、前記吐出口から垂直下方に向けて処理ガスが吐出され、プラズマ生成空間3内に処理ガが供給される。
前記コイル25は、前記凸部材8の内部空間内に配設されており、コイル電力供給機構30によって高周波電力が供給されるようになっている。
また、前記コイル電力供給機構30は、前記コイル25に接続されたマッチングユニット31や、このマッチングユニット31に接続された高周波電源32からなり、コイル25に高周波電力を供給する機構である。
前記基台35は、前記処理空間4内に配設されており、支持台36によって上下方向に移動自在に支持された状態で適宜昇降機構(図示せず)によって昇降されるようになっている。尚、基台35の外周部は、ベローズによって覆われている。
前記基台電力供給機構40は、前記基台35に接続されたマッチングユニット41と、このマッチングユニット41に接続された高周波電源42とからなり、前記基台35に高周波電力を供給する機構である。
次に、以上の構成を備えたエッチング装置1を用いて、基板Kにエッチング処理を施す過程について説明する。
エッチング処理を開始するに当たり、搬出入口5aを介して処理チャンバ2内に基板Kを搬送し、基台35上に載置する。しかる後、排気装置45によって処理チャンバ2内の気体を排気して処理チャンバ2内を負圧にするとともに、高周波電源42から基台35に高周波電力を供給する。
また、これと並行して、前記コイル25に高周波電源32から高周波電力を供給し、プラズマ生成空間3内に誘導電界を生じさせる。そして、この状態で、前記処理ガス供給源21からプラズマ生成空間3内にエッチングガスや保護膜形成ガスなどの処理ガスを供給することで、前記誘導電界によってこれらの処理ガスがプラズマ化される。
そして、このようにして生成されたプラズマが下方の基板K上に至り、当該基板Kの表面がエッチングされる、或いは、基板Kの表面に保護膜が形成される。
本例のエッチング装置1においては、筒状本体11に形成されたスリット12がオーバーラップ部13によって覆われているため、エッチング処理中にイオンやラジカル、反応生成物などがスリット12を介して筒状本体11の外周面と胴部5の内周面との間に回り込むという問題が生じないようになっており、従来と比較して、胴部5の内周面、即ち、処理チャンバ2の内壁をより確実に保護することができる。
ところで、防着筒が装着された基板処理装置の中には、防着筒の外周面と処理チャンバの内周面とが密着していない装置がある。そのような装置においては、防着筒の外周面と処理チャンバの内周面との間が真空であるため、防着筒と処理チャンバとの間で熱伝達が起こり難い。したがって、ヒータや冷却機構によって処理チャンバの温度を調整するようにしていても、プラズマの熱による防着筒の温度上昇の度合いは処理毎に異なるため、処理毎に防着筒の温度が異なった温度になるという問題がある。また、このような装置を用いて複数の基板を連続して処理した場合には、基板を処理する毎にプラズマの熱によって防着筒の温度が徐々に上昇して、防着筒の熱膨張量が徐々に増加するため、この防着筒に付着、堆積した膜が剥がれ、パーティクルとなって基板に付着するという問題も生じる。
これに対して、本例のエッチング装置1においては、筒状本体11の外周面と胴部5の内周面とが密着した状態となっており、防着筒10と胴部5との間での熱伝達が可能となっている。したがって、ヒータや冷却機構を用いて胴部5の温度を調整すれば、胴部5との間で熱伝達が起こり、防着筒10の温度が処理毎に一定に保たれ、防着筒の温度が処理毎に異なった温度になるという問題が生じない。
更に、本例のエッチング装置1を用いて複数の基板を連続して処理したとしても、防着筒10から胴部5へと熱伝達が起こり、防着筒10の温度を安定化することができるため、防着筒10の熱膨張も抑えられる。したがって、本例のエッチング装置1によれば、防着筒10に付着、堆積した膜が剥がれ、パーティクルが基板に付着するという問題の発生を防止することもできる。
更に、筒状本体11の内周面及びオーバーラップ部13の内周面、即ち、防着筒10の内周面全体の表面粗さを粗くするようにしているため、これらの内周面に堆積、付着した膜と当該内周面との間に摩擦力が働き、この膜が剥がれ落ち難くなっている。
以上、本発明の一実施形態について説明したが、本発明が採り得る具体的な態様は何らこれに限定されるものではない。
例えば、上例では、基板処理装置をICP型のエッチング装置としているが、本発明に係る基板処理装置は、これに限られるものではなく、CCP型やECR型の装置であっても良いし、プラズマを用いて基板に成膜処理を施す装置であっても良い。更に、プラズマ中に含まれる中性粒子を用いたエッチング装置や成膜装置であっても良い。
また、上例において、防着筒10は、一枚の帯状体を成形加工したものとしたが、例えば、筒状本体が一枚の帯状体からなり、オーバーラップ部に相当する部材が後から圧着又は溶接されたものであっても良い。この場合、一方端部11aは、筒状本体を構成する帯状体の一端部に相当し、他方端部11bは他端部に相当するものであり、スリット12は、帯状体の一端面と他端面との間の隙間である。また、オーバーラップ部は、筒状本体11の外周面側でスリットを覆うように形成されていても良い。
更に、上例では、胴部5の内周面全面を防着筒10によって保護するようにしているが、例えば、胴部5の下部分又は上部分のみを保護するようにしても良く、防着筒10によって保護する部分は、必要に応じて適宜設定することができる。
1 エッチング装置
2 処理チャンバ
3 プラズマ生成空間
4 処理空間
5 胴部
6 底板
7 天板
8 凸部材
9 防着板
10 防着筒
11 筒状本体
12 スリット
13 オーバーラップ部
20 処理ガス供給機構
25 コイル
30 コイル電力供給機構
35 基台
40 基台電力供給機構

Claims (11)

  1. 円筒状の胴部を有する処理チャンバと、処理チャンバ内にプラズマを生成するプラズマ生成機構とを備えた基板処理装置の前記胴部内に配設される略円筒状の防着筒であって、
    所定の厚みを有する板状の弾性部材からなり、
    筒軸方向の全長に亘ってスリットが形成され、自然状態での最大外径が前記胴部の内径より大径であり、最大外径が前記胴部の内径よりも小径となるように弾性変形可能な筒状本体と、
    前記筒状本体における前記スリットを挟む2つの端部の内の一方端部から他方端部側に向けて連続して形成され、前記スリットを覆うオーバーラップ部とを有していることを特徴とする防着筒。
  2. 前記オーバーラップ部は、前記一方端部から前記他方端部側に向けて連続して前記筒状本体の内周面側又は外周面側に形成されていることを特徴とする請求項1記載の防着筒。
  3. 前記防着筒は、前記基板処理装置の前記胴部内であって、前記処理チャンバ内にプラズマを生成させるためのコイルから離れた位置に配設されることを特徴とする請求項1又は2記載の防着筒。
  4. 前記防着筒は、前記筒状本体の外周面と前記胴部の内周面とが対向するように該胴部内に配設された状態で、前記筒状本体の外周面が前記胴部の内周面に押し当てられるとともに、前記オーバーラップ部が前記スリットを覆った状態で、該オーバーラップ部が前記筒状本体の他方端部に当接しないことを特徴とする請求項1乃至3記載のいずれかの防着筒。
  5. 前記オーバーラップ部は、前記筒状本体の一方端部が、前記筒状本体の内側に折れ曲がり、更に前記他方端部と略平行となるように折れ曲って形成されていることを特徴とする請求項1乃至4記載のいずれかの防着筒。
  6. 前記自然状態でのスリットの幅は、前記2つの端部が周方向において当接するように弾性変形した状態での最大外径が前記胴部の内径よりも小径となる幅であることを特徴とする請求項1乃至記載のいずれかの防着筒。
  7. 前記筒状本体は、筒軸を挟んで前記スリットと対向する部分における外周面の曲率が前記胴部の内周面の曲率よりも小さく、前記スリットの周辺部分における外周面の曲率が前記スリットと対向する部分における外周面の曲率よりも大きいことを特徴とする請求項1乃至記載のいずれかの防着筒。
  8. 前記スリットを挟む2つの端部における、周方向において対向するそれぞれの端面は、前記筒状本体の上端から下端にかけて連続した1つの平面であることを特徴とする請求項1乃至記載のいずれかの防着筒。
  9. 前記胴部の内径をdとして、
    前記弾性部材の厚みtは、0.001d〜0.01dであり、
    前記自然状態でのスリットの幅Snは、0.05d〜0.5dであり、
    前記自然状態での最大外径Dnは、1.05d〜1.5dであることを特徴とする請求項1乃至記載のいずれかの防着筒。
  10. 前記胴部の内径をdとして、
    前記弾性部材の厚みtは、0.001d〜0.01dであり、
    前記自然状態でのスリットの幅Snは、0.05d〜0.3dであり、
    前記自然状態での最大外径Dnは、1.05d〜1.3dであることを特徴とする請求項1乃至記載のいずれかの防着筒。
  11. 円筒状の胴部を有する処理チャンバと、処理チャンバ内にプラズマを生成するプラズマ生成機構とを備え、該処理チャンバ内に配設された基板に所定の処理を施す基板処理装置であって、
    請求項1乃至10のいずれか1項に記載の防着筒を更に備えており、
    前記防着筒は、前記筒状本体の外周面と前記胴部の内周面とが対向した状態で、該胴部内に配設されていることを特徴とする基板処理装置。
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