JP6823511B2 - ビタミンd3安定化組成物 - Google Patents

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本発明は、ビタミンD3安定化組成物に関する。
ビタミンD(vitamin D)は、ビタミンの一種であり、脂溶性ビタミンに分類される。ビタミンDはさらにビタミンD2(エルゴカルシフェロール、Ergocalciferol)とビタミンD3(コレカルシフェロール、Cholecalciferol)に分けられる。ビタミンD2は植物に、ビタミンD3は動物に多く含まれ、ヒトではビタミンD3が重要な働きを果たしている。
ビタミンD3(コレカルシフェロール)は、肝臓においてC25の位置でヒドロキシ化の代謝を受け、25−ヒドロキシコレカルシフェロール(別名:25(OH)D3、カルシフェジオール)へと変化し肝細胞に貯えられ、必要なときにα−グロブリンと結合しリンパ液中に放出される。この代謝物を含めてビタミンD3として利用されている。
近年、このビタミンD3の代謝物である25−ヒドロキシコレカルシフェロールの作用が注目を集めている。例えば筋肉の発達促進(特許文献1)、高血糖の改善(特許文献2)、生殖能力の改善(特許文献3)、エオタキシンの増加に伴って発症するアレルギー疾患の改善(特許文献4)などが代表的である。
また、その他の新たな用途開発も始まっている。
一方、25−ヒドロキシコレカルシフェロールやコレカルシフェロールは、化学的に極めて不安定なことが知られている。特に酸化による影響が大きい。通常、空気中で酸化されてその活性を速やかに消失することが知られている。特許文献5には、ビタミンDと油成分、ポリグリセリン脂肪酸エステル多価アルコールを含む安定なマイクロエマルジョンの技術が開示されている。特許文献6には、活性型ビタミンD類を塩基性高分子物質中に分散してなる安定化組成物が記載されている。
特表2011−511828号公報 特表2011−511827号公報 特表2009−504699号公報 特表2013−545766号公報 特開平11−236330号公報 特開平05−279260号公報
本発明者らは、活性型である25−ヒドロキシコレカルシフェロールの安定化を研究しているが、25−ヒドロキシコレカルシフェロールやビタミンD3(コレカルシフェロール)が特定の乳化剤成分を共存させることで安定性が増加する現象を見いだし、本発明を
完成させた。
すなわち、本発明は、ビタミンD3が安定化された組成物を提供することを課題とする。
本発明の主な構成は以下の通りである。
1.ビタミンD3と、大豆レシチン、酵素分解大豆レシチン、ライスレシチンオイル、ヒマワリレシチンから選択される1以上のレシチンからなる組成物。
2.ビタミンD3がコレカルシフェロール及び/又は活性型ビタミンD3である1に記載の組成物。
3.活性型ビタミンD3が25−ヒドロキシコレカルシフェロールである2に記載の組成物。
4.大豆レシチン、酵素分解大豆レシチン、ライスレシチンオイル、ヒマワリレシチンから選択される1以上のレシチン1000質量部当たりビタミンD3を0.1〜10質量部含む1〜3のいずれかに記載の組成物。
5.大豆レシチン、酵素分解大豆レシチン、ライスレシチンオイル、ヒマワリレシチンから選択される1以上のレシチンとビタミンD3のエタノール溶液を混合し、ついでエタノールを含む混合溶液を減圧乾燥することを特徴とするビタミンD3の安定化組成物を製造する方法。
本発明によりビタミンD3が安定化された組成物を提供できる。本発明により得られた組成物は、ビタミンD3が長時間安定である。また本発明の組成物は、水にも油にも溶解又は分散するため、食品や医薬品の原料として極めて有用である。
本発明の組成物の25(OH)D3の安定性試験の結果を示すグラフである。
本発明は、ビタミンD3と、レシチンからなる組成物に係る発明である。
本発明に用いられるビタミンD3は、コレカルシフェロール及び/又は活性型ビタミンD3類である。
活性型ビタミンD3類としては1α,25−(OH)2−D3(25−ヒドロキシコレカルシフェロール)、1α−ヒドロキシビタミンD3(1α−OH−D3)、1α,25−ジヒドロキシビタミンD3(1α,25−(OH)2−D3)、1α,24−ジヒドロキシビタミンD3(1α,24−(OH)2−D3)、1α,24,25−トリヒドロキシビタミンD3(1α,24,25−(OH)3−D3)、1α−ヒドロキシ−24−オキソビタミンD3、1α,25−ジヒドロキシ−24−オキソビタミンD3、1α,25−ジヒドロキシビタミンD3−26,23−ラクトン、1α,25−ジヒドロキシビタミンD3−26,23−パーオキシラクトン、26,26,26,27,27,27−ヘキサフルオロ−1α,25−ジヒドロキシビタミンD3などの1α位に水酸基を有する活性型ビタミンD3類、あるいは25−ヒドロキシビタミンD3(25−OH−D3)、24−ヒドロキシビタミンD3(24−OH−D3)、24−オキソビタミンD3、24,25−ジヒドロキシビタミンD3(24,25−(OH)2−D3)、25−ヒドロキシ−24−オキソビタミンD3、25−ヒドロキシビタミンD3−26,23−ラクトン、25−ヒドロキシビタミンD3−26,23−パーオキシラクトンなどの1α位に水酸基を有しない活性型ビタミンD3類などが挙げられる。
これらの活性型ビタミンD3類の中でも1α,25−(OH)2−D3(25−ヒドロキシコレカルシフェロール又は「25(OH)D3」)が好ましい。
本発明で用いる大豆レシチンとは、大豆油を得る工程で、脱ガム工程によって得られる水和物であり、レシチンとその他リン脂質を含む。本発明においては食品や医薬品の乳化剤として利用可能な程度に脱色、精製されたものであれば使用可能である。
酵素分解大豆レシチンとは、リゾレシチンとも呼ばれ、大豆レシチンを酵素処理したものである。大豆レシチンと同様に食品や医薬品の乳化剤として利用可能な程度に脱色、精製されたものであれば使用可能である。
ライスレシチンオイルとは、米油精製工程において、大豆レシチンと同様に脱ガム工程によって得られる水和物であり、レシチンとその他リン脂質を含む。本発明においては食品や医薬品の乳化剤として利用可能な程度に脱色、精製されたものであれば使用可能である。
ヒマワリレシチンは、ヒマワリ油精製工程において、大豆レシチンと同様に脱ガム工程によって得られる水和物であり、レシチンとその他リン脂質を含む。本発明においては食品や医薬品の乳化剤として利用可能な程度に脱色、精製されたものであれば使用可能である。
本発明の組成物を得るためには、ビタミンD3をエタノールなどの溶媒に溶解させる。溶媒としては水又はエタノールが好ましい。この溶解液を大豆レシチン、酵素分解大豆レシチン、ライスレシチンオイル、ヒマワリレシチンから選択される1以上のレシチン(以
下「レシチン類」)と均質に混合し、混合終了後ビタミンD3を含むレシチン類を乾燥装置で乾燥させて溶媒を除去することで得ることができる。混合に当たっては、ビタミンD3が可能な限り小粒子として分散されるように混合する。必要に応じて高圧ホモジナイザーを用いることもできる。乾燥にあたっては、できるだけ低温で行うことが好ましく、真空凍結乾燥や減圧乾燥などの方法を採用することがより好ましい。
レシチン類とビタミンD3は、レシチン類1000質量部当たりコレカルシフェロール及び/又は25−ヒドロキシコレカルシフェロール(25(OH)D3)を0.1〜10質量部の比率となるようにすることが好ましい。
かくして得られる組成物は、レシチン中にビタミンがD3が分散した状態であって、レシチン類が溶解分散可能な水や油に速やかに溶解する。
またこの組成物は、澱粉や糖を加えて粉末とすることも可能である。
以下に試験例を示し、本発明を説明する。
レシチン類によるビタミンD3の安定性試験
(1)ビタミンD3
下記の表1に示すビタミンD3を用いて試験をおこなった。
Figure 0006823511
(2)使用レシチン類
市販の下記の表2に示すレシチン類を試験に用いた。
Figure 0006823511
(3)試験方法
<試料の調製>
1)コレカルシフェロールの調製
市販のコレカルシフェロール結晶175μgを無水エタノール1750mgに溶解させ溶液とした。
この溶液1.75gを、バイアル瓶に予め秤量してあった各レシチン類1gに加え、ボルテックスミキサーを用いて3分間撹拌混合した。その後、エタノールを減圧乾燥して除去し試料を得た。
2)25(OH)D3の調製
(25(OH)D3)10.205mgを無水エタノール500gに溶解させ溶液とした。この溶液2.5gをバイアル瓶に予め秤量してあった各レシチン類1gに加え、ボルテックスミキサーを用いて3分間撹拌混合した。その後、エタノールを減圧乾燥し試料を得た。
3)安定性試験
上記試料を60℃の恒温槽で2週間保存し、ビタミンD3の残存率を測定した。
<コレカルシフェロールの分析方法>
1.コレカルシフェロール含有試料約0.01gを精密に量り、20mL程度の容器に入れ、10mLのホールピペットにてエタノールを加え撹拌し、5分間超音波にかけ撹拌後約1mLをエッペンチューブに採取し、15000prm 5分間遠心する。上清を試料溶液とする。
2.コレカルシフェロール標準品を1mg/mLとなるようエタノールにて調整後、0.1、0.5、1.0、5.0、10.0μg/mLとなるようエタノール溶液にて適宜希釈し、標準溶液とする。
試料溶液及び標準溶液それぞれ10μLを以下の条件の高速液体クロマトグラフィーに注入し、コレカルシフェロールのピーク面積を求め、標準溶液のコレカルシフェロールのピーク面積から検量線(y=bx+a:a=切片、b=傾き)を求め、下記に示した計算法に従って試料のコレカルシフェロールの含量を求める。
3.測定条件
検出器 : 紫外吸光光度計(測定波長 265nm)
カラム : 内径4.6mm、長さ250mmのステンレス管に粒径5μmのオクタデシル化シリカゲルを充填したもの(Capcellpak C−18 UG−120 株式会社資生堂製)
カラム温度: 40℃
移動相 : 80%アセトニトリル水溶液
流速 : 1mL/分
4.計算法
コレカルシフェロール含量(μg/g)=(試料溶液のコレカルシフェロール面積−切片)/傾き×定容量/試料採取量×純度
<25(OH)D3の分析方法>
1.25(OH)D3含有試料約0.1gを20mL程度の容器に精密に量り、10mLのホールピペットにてエタノールを加え撹拌し、10分間超音波にかけ撹拌後約1mLをエッペンチューブに移し、15000prm 5分間遠心する。上清を試料溶液とする。
2.25(OH)D3標準品を1mg/mLとなるようエタノールにて調整後、0.1、0.2、0.5、1.0、2.0μg/mLとなるようエタノール溶液にて適宜希釈し、標準溶液とする。試料溶液及び標準溶液それぞれ10μLを以下の条件の高速液体クロマトグラフィーに注入し、25(OH)D3のピーク面積を求め、標準溶液の25(OH)D3のピーク面積から検量線(y=bx+a:a=切片、b=傾き)を求め、下記に示した計算法に従って試料の25(OH)D3含量を求める。
3.測定条件
検出器 : 紫外吸光光度計(測定波長 265nm)
カラム : 内径4.6mm、長さ250mmのステンレス管に粒径5μmのオクタデシル化シリカゲルを充填したもの(Capcellpak C−18 UG−120 株式会社資生堂製)
カラム温度: 40℃
移動相 : 80%アセトニトリル水溶液
流速 : 1mL/分
4.計算法
25(OH)D3含量(μg/g)=(試料溶液の25(OH)D3面積−切片)/傾き×定容量/試料採取量×純度
(4)結果
各試料の安定性試験結果を表3及び図1に示す。なお結果は、保存期間経過後の残存率で表している。
Figure 0006823511
コレカルシフェロールは大豆レシチン及び酵素分解大豆レシチンにより安定化する。一方25(OH)D3は、コレカルシフェロールとは異なり、酵素分解大豆レシチン、ヒマワリレシチン、ライスレシチンオイルによって安定化することが確認できた。

Claims (3)

  1. 25−ヒドロキシコレカルシフェロールと酵素分解大豆レシチンを含有する組成物。
  2. 素分解大豆レシチン1000質量部当たり25−ヒドロキシコレカルシフェロールを0.1〜10質量部含む請求項1に記載の組成物。
  3. 素分解大豆レシチンと25−ヒドロキシコレカルシフェロールのエタノール溶液を混合し、ついでエタノールを含む混合溶液を減圧乾燥することを特徴とする請求項1又は2に記載の25−ヒドロキシコレカルシフェロールの安定化組成物を製造する方法。
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