JP6823473B2 - 遠心ろ過機およびその脱液方法 - Google Patents
遠心ろ過機およびその脱液方法 Download PDFInfo
- Publication number
- JP6823473B2 JP6823473B2 JP2017012575A JP2017012575A JP6823473B2 JP 6823473 B2 JP6823473 B2 JP 6823473B2 JP 2017012575 A JP2017012575 A JP 2017012575A JP 2017012575 A JP2017012575 A JP 2017012575A JP 6823473 B2 JP6823473 B2 JP 6823473B2
- Authority
- JP
- Japan
- Prior art keywords
- filter medium
- filter
- centrifugal
- plate
- rotation
- Prior art date
- Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
- Active
Links
Images
Landscapes
- Alcoholic Beverages (AREA)
- Centrifugal Separators (AREA)
- Treatment Of Sludge (AREA)
Description
清酒、醤油等の脱液では、昔ながらの「雫しぼり」、「ふね」という脱液法のほか、「フィルタープレス」という加圧ろ過圧搾機や、「遠心ろ過機」等が使用される。
固液分離機の分離工程には、スラリーの「ろ過期間」に続いて「圧密期間」があり、上澄み液がケークを透過して、ケーク面が表出すると、「ろ過」工程から「圧密(脱水)」工程に移行する。本発明により、清酒、醤油等のスラリーに対して遠心ろ過機の「ろ過ケーク」の「圧密」メカニズムを「圧密方程式」により説明することができた。
なお、前述の「圧密」「脱水」「圧搾」という用語は慣用的に「脱液」あるいは「脱液操作」と同義に用いられることが多く、「ろ過」工程と「圧密(脱水)」工程の境界がわかりにくいため、以後、本発明においては、「ろ過」および「脱液」操作と、その操作により分離される液分である「ろ液」と「脱液」を区別せず、「脱液」と総称する。
また、「遠心ろ過機」などの固液分離機(脱水機)の名称も慣用的に「ろ過機」と呼称するため、このまま使用する。
「ふね」は、図12に示すように、発酵を終えた酒もろみ201を酒袋202に詰める。この酒袋202を「ふね」という箱203内に積み重ねると清酒204が脱液される。図12は、「ふね」での清酒の脱液を示す模式図である。
脱液工程の最終段階で加圧板206とおもり205を酒もろみ201が詰められた酒袋202の上に載せる。これにより、酒袋202の位置を変え、おもり205を乗せ換えたりして「せめ」と呼ばれる脱液を行う。
「フィルタープレス」は、図13に示すように、発酵を終えた酒もろみ(スラリー)301を、ろ材304が設けられた複数の箱302に中央の管路301cを通して供給する。
そして、複数の箱302の内部の酒もろみ301を加圧することにより、清酒303が脱液される。
「フィルタープレス」は、大量の定圧脱液が可能であるが、比較的雑味が多くなるのは避けられない。
また、固液分離手法の一つとして、従来、非特許文献1に記載される遠心脱液がある。遠心脱液は化学、医薬品、食品等の様々な工業分野で用いられている。しかし、醤油もろみなどの難脱液性材料を遠心脱液する場合には、遠心力によって形成されるケークが大きな脱液抵抗を有するため、脱液に時間がかかる。
「遠心ろ過機」は回転速度を上げると、遠心力の増加に伴い一般に脱液速度が速くなるが、雑味も清酒に流出してしまう。これは、アセトアルデヒド、メタノール、アミノ酸などの雑味成分が大きな脱液圧力により酒もろみ(スラリー)から清酒(脱液)に移行したものと考えられる。
<<実施形態1>>
図1は、本発明に係る実施形態1の遠心ろ過機を示す模式的縦断面図である。図2は、一つの脱液モジュール5をバスケット3の回転軸側(内方側)から見た斜視図である。
ろ材は、一端部の端部ろ材6b1よりも側面ろ材6a1に厚みのあるろ材が用いられる。
例えば、端部ろ材6b1に、ろ布、金網等のろ材を用い、側面ろ材6a1には端部ろ材6b1よりも厚みのある不織布(フェルト等)、ろ布、セラミック膜等のろ材を用いる。
遠心ろ過機1は、外郭を形成するケーシング2とバスケット3とモータMとを備えている。一般的に、回転軸に取り付けられたバスケット3はVベルトを介してモータMに接続される。
バスケット3は、高速回転して遠心力によってスラリーs1(酒もろみ)(以下、スラリーs1と称す)から清酒を脱液する役割を担う。
バスケット3は、短円筒形状を有しており、その周板3sに脱液を通すための多数の貫通孔3s1が形成されている。なお、底板3t1、3t2に貫通孔3s1を形成してもよい。
モータMは、バスケット3を回転駆動するものであり、ケーシング2の外方に設けられている。モータMの回転軸4は、ケーシング2の一部を貫通し、バスケット3の底板3t1に設けられる金属製フランジ3fと結合している。
ケーシング2の一部には、脱液である清酒を回収する収集部2sが設置されている。収集部2sには、図示しない管が接続されている。
バスケット3の内部には、スラリーs1の脱液後のケークを外部に排出するシュート3dが配設されている。
バスケット3のシュート3dの代わりにスクリューコンベア3c(図1の二点鎖線)を配設し、ケークをスクリューコンベア3cで外部に排出する構成としてもよい。
シュート3dやスクリュ-コンベア3cには図示しないケークの剥離回収装置が接続されている。
図2に示すように、脱液モジュール5は、天板7bのある箱形をしており、円筒形状をもつ円筒型ろ過体6が複数設けられている。天板7bには、複数の円筒型ろ過体6の開口6oを露出させる孔7boが形成されている。
脱液モジュール5は、防錆処理された金属で形成してもよいし、樹脂で形成してもよい。或いは、金属、樹脂等を組み合わせた構成や成型したろ材で構成してもよい。
円筒型ろ過体6の周板6aと脱液モジュール底板5bには、通水可能な貫通孔6sが複数形成されている。
円筒型ろ過体6の側周部の周板6aの内側には、脱液モジュール底板5bの端部ろ材6b1より厚みがある側面ろ材6a1、例えば、不織布(フェルト等)、セラミック膜などが使用されている。
底板6b上の端部ろ材6b1にはケークが形成されるので、脱液抵抗が大きい。
周板6aの側面ろ材6a1には、ケークが殆ど形成されないため、液の圧力や遠心力場における位置エネルギーが端部より相対的に低い側面ろ材6a1で脱液された脱液に浮遊物質が混じることを抑制する必要がある。そのため、液体がよく通り、厚みのあるろ材を用いてろ材の表面だけでなくろ材の内部で、バスケット3の回転半径方向の厚みを使って、浮遊物質を捕捉する脱液機構を用いる。つまり、側面ろ材6a1には、端部ろ材6b1より厚みがあるろ材を用いるとよい。
そこで、側周部の周板6a内側の側面ろ材6a1は、端部ろ材6b1と同じ厚さ又はより厚いろ材を用いて、上澄み液中の浮遊物質等の細かい粒子を捕捉し、脱液を排出する。
端部ろ材6b1上のケークの脱液抵抗が大きいので、ケーク上にできる上澄み液は、側面ろ材6a1によって、速やかに脱液として、遠心力が働く回転半径外方向に排出される。
なお、円筒型ろ過体6の底部の開口6o1を塞ぐ底板を、脱液モジュール底板5bより回転中心C1の側に別体に離膈して設けることも可能である。この底板には複数の貫通孔が設けられる。この場合、当該底板の上下面の何れかに端部ろ材6b1を設け、円筒型ろ過体6の下方にある脱液モジュール底板5bにはろ材を設けない。なお、円筒型ろ過体6の下方の脱液モジュール底板5bにろ材を設けてもよい。また、脱液モジュール底板5bの全体または一部の上面または下面にろ材を設けてもよいし、設けなくともよい。
また、側面ろ材6a1は周板6aの内側に代えて、周板6aの外側に設ける構成としてもよい。
図3は、従来のバスケット103の周面103tと側面103sとに、それぞれ端部ろ材103t1、側面ろ材103s1を配置した場合の側面脱液の模式図である。図3では、バスケット103を省略して示し、2つの脱液面を形成する側面ろ材103s1と端部ろ材103t1を離して図示している。側面ろ材103s1と端部ろ材103t1は同じろ材であることが多い。
そこで、実施形態1のバスケット3の内部には、円筒型ろ過体6の軸が回転中心C3または回転中心C3近くを向くとともに、開口6oが回転中心C3または回転中心C3近くに対向するように配置される。換言すれば、回転中心C3または回転中心C3近くに対して円筒型ろ過体6の軸が放射状または放射状に近くなるように円筒型ろ過体6が配置される。
脱液モジュール5(図2参照)に、円筒型ろ過体6を複数設けることで、高速回転するバスケット3内に生じる遠心力方向に垂直な方向に対向する面の面積を増大させることができる。本構成により、遠心力方向に垂直な方向に対向する面にろ材(側面ろ材6a1)をより広く配置できる。
そこで、脱液モジュール5に、周板6aと底板6bとにろ材(6a1、6b1)が設けられる円筒型ろ過体6を複数配置し、当該脱液モジュール5を単数または複数、例えば8つ、バスケット3の内部に配置する構成とした。
従来(比較例)の遠心脱液は、前記したように、遠心力によって形成されたケークが大きな脱液抵抗を有し、ケークを形成する固体粒子どうしの接触により、固体の圧縮圧力が増加し、ケークが緻密化するため、脱液速度が極めて小さくなって、脱液に時間がかかる。本実施形態1では、従来の問題点を解決するために、遠心力が働く方向に平行な面または沿った面にも、ろ材(側面ろ材6a1)を設置し側面からも脱液が排出される方式を開発した。
ここで、ω0=全固体体積/ろ材面積と定義する。
比較例(図5)の端部ろ材106b1、実施例1(図6)の端部ろ材16b1、実施例2(図7)の端部ろ材26b1には、ろ材r2を使用して、同じ底部ろ材面積での評価を行った。
評価は醤油もろみ(スラリー)を用いて行った。
図5は、比較例の端面の底板106bの端部ろ材106b1(ろ材r2)のみを設けた円筒型ろ過体106の遠心脱液時の状態を示す模式的縦断面図である。
比較例の円筒型ろ過体106は、一方端が開口された有底円筒形状を有している。円筒型ろ過体106は、一方端が開口(106o)され、円筒状の周板106aと他方端の平板状の底板106bとを有している。他方端の底板106bには、ろ液を挿通させる貫通孔が多数設けられている。円筒型ろ過体106の底板106bの内面にのみ、ろ材r2(端部ろ材106b1)が設置されている。
図6(a)は、ラボスケールテストにおける実施例1の開放型の円筒型ろ過体16の遠心脱液時の状態を示す模式的縦断面図であり、図6(b)は、図6(a)のI部拡大図である。
開放型の円筒型ろ過体16は、一方端が開口16oされ、円筒状のろ材r1(側面ろ材16a1)と他方端の平板状のろ材r2(端部ろ材16b1)とを有している。
円筒状のろ材r1(側面ろ材16a1)の外方には空隙d1(図6(b)参照)が設けられる。
図7(a)は、ラボスケールテストにおける実施例2の閉鎖型の円筒型ろ過体26の遠心脱液時の状態を示す模式的縦断面図であり、図7(b)は、図7(a)のII部拡大図である。
閉鎖型の円筒型ろ過体26とは、図7(b)に示すように、側方にろ材r1(側面ろ材26a1)が設置され、ろ材r1(側面ろ材26a1)の外方に空隙を設けない構成である。
側方のろ材r1(側面ろ材26a1)の外方には閉鎖部材h1が設けられ、側方のろ材r1(側面ろ材26a1)の外方には、空隙がない閉鎖構造である。
閉鎖型の円筒型ろ過体26は、回転中心C3または回転中心C3近くに向けて、開口26oが配置されるとともに軸心が配置されている。
図8は、ラボスケールテストにおける図5〜図7の評価結果を示す経過時間θ(min)に対する脱液量を示したグラフである。図8は、横軸に(経過)時間(min)をとり、縦軸に脱液量/初期スラリー質量をとっている。
図8より、実施例1の開放型の円筒型ろ過体16(図6参照)と実施例2の閉鎖型の円筒型ろ過体26(図7参照)は初期スラリー質量に対してほぼ同様の脱液量であった。
次に、比較例の端部ろ材106b1と、実施例1の開放型の円筒型ろ過体16のろ材(16a1、16b1)と、実施例2の閉鎖型の円筒型ろ過体26のろ材(26a1、26b1)の脱液機構について説明する。
比較例の端部ろ材106b1の場合、バスケット3の内部に供給されたスラリーs1(酒もろみ)は、遠心脱液管106の回転による遠心力により、端部ろ材106b1により脱液され、端部ろ材106b1上に形成されるケークと、端部ろ材106b1で脱液された脱液(清酒)とに脱液分離される。
これらには、(1)ケーク抵抗>>(2)ろ材抵抗 の関係があり、端部ろ材106b1での脱液は「ケーク脱液」となる。
遠心ろ過管の内部に供給されたスラリーs1(酒もろみ)は、遠心ろ過管の回転に基づく遠心力場における位置エネルギーおよび液圧の寄与により、端部ろ材16b1および側面ろ材16a1とにより脱液される。
この際、スラリーが端部ろ材16b1により脱液されることで、端部ろ材16b1上にケークが形成される。
脱液抵抗は、 (1)+(2)>>(3)+(4) であり、また、(1)>>(3)+(4) の関係がある。
遠心ろ過管の内部に供給されたスラリーs1(酒もろみ)は、遠心ろ過管の回転に基づく遠心力場における位置エネルギーおよび液圧の寄与により、図7に示す端部ろ材26b1および側面ろ材26a1とにより脱液される。
この際、スラリーs1が端部ろ材26b1で脱液されることにより、端部ろ材26b1上にケークが形成される。
脱液抵抗は、 (1)+(2)>>(3)+(4) であり、また、 (1)>>(3)+(4) の関係がある。
実施形態1では、以上説明した実施例1の開放型または実施例2の閉鎖型の円筒型ろ過体6を採用する。
スラリーs1(酒もろみ)が実施形態1のバスケット3の回転に基づく遠心力場における位置エネルギーおよび液圧の寄与により、端部ろ材6b1と円筒型の側面ろ材6a1とで脱液されると、端部ろ材6b1(図2参照)の上にケークが形成される。
そのため、遠心力に対向する端部ろ材6b1側では、ケークと端部ろ材6b1によるケーク脱液となる。
以下、例として、清酒を搾る場合の端部ろ材6b1と側面ろ材6a1とについて説明する。
端部ろ材6b1は、例えば、糸を織った織布が使われる。耐薬品性、機械的強度に優れ、ろ布厚さは0.5mm〜1.2mm位である。
織布は、ポリプロピレン、ポリエステル、ナイロンなどを原料としたものが多く使用され、引っ張り強度など機械的強度が強いろ材である。また、耐薬品性にも優れ、各種グレードの脱液精度に対応でき、しかも圧力損失が少なく流量が大きくとれるものが選定される。
モノフィラメント糸は単繊維の太い糸で、洗浄性に優れ、目詰まりも少なく、ケーク剥離は良好だが、微細粒子の捕捉性が良くない。
マルチフィラメント糸は細い長繊維が多数撚り合わされた原糸で、機械的強度に優れ、ケーク剥離は良好である。
スパン糸は細く短くカットした繊維を紡績した原糸で、粒子の捕捉性に優れるが、前述のマルチフィラメントなどに比較して、一般的にケーク剥離はやや劣り、目詰まりが早い傾向がある。
側面ろ材6a1は大きなろ材抵抗がない方が脱液が通り易い。一方、側面ろ材6a1で粒子を捕捉する必要がある。しかし、目詰まりすると側面ろ材6a1で脱液できなくなる。
不織布(フェルト等)は空隙率が大きいため、液が抜け易く、かつ厚く、微細粒子による目詰まりを抑制しながら、脱液が行える。
側面ろ材6a1は、機械的強度だけでなく、脱液性を確保する必要があるので、不織布(フェルト等)は、強度と通り易さをコントロールでき、側面ろ材6a1に適している。
側面ろ材6a1は、例えば、円筒型のカートリッジフィルタ用フェルトろ材が用いられる。
側面ろ材6a1のカートリッジフィルタ用ろ材の例としては、ポリプロピレン、ポリエチレン等のポリオレフィン系熱接着繊維、テトロン等のポリエステル系熱接着繊維を主原料とし、機械的強度が大きく、バインダーを使わず成型するフィルターがある。耐薬品性に優れ、各種グレードの脱液精度に対応でき、しかも圧力損失が少なく流量が大きくとれ、ろ材寿命が長い特徴がある。
なお、上述の側面ろ材6a1、端部ろ材6b1はあくまでも一例であり、脱液対象に応じて上述以外のものを使用してもよいのは勿論である。
次に、円筒型ろ過体6による脱液の挙動を、実験試料に醤油もろみを用いたラボスケールテストデータに基づき、解析する。
遠心場における機械的エネルギー収支式、 Darcy 式、および連続の式から遠心半径方向(端部ろ材6b1の方向)の圧密方程式(1)が得られる。
次に、実施形態1の脱液の清酒の雑味について説明する。
本醸造などの清酒は吟醸や大吟醸等と比較して雑味成分が多く、吟醸や大吟醸等の清酒は雑味成分が少ないと考えられる。
ある調査によると、本醸造などの清酒は、アセトアルデヒド成分が多い一方、吟醸や大吟醸等の清酒は、n−プロピルアルコールなどのアルコールの成分が相対的に多い。
そこで、実施形態1の遠心ろ過機1は、フィルタープレスより最大脱液圧力が低い、例えば0.3×105〜3×105Pa程度の遠心力場の圧力をスラリーs1に加えることとした。
次に、遠心ろ過機1の分離操作を、スラリーs1(酒もろみ)から清酒を脱液する場合を例示して説明する。
まず、図2に示すように、脱液モジュール5に設けられる円筒型ろ過体6の端部ろ材6b1を設置するとともに、貫通孔6sをもつ周板6aに側面ろ材6a1を設置する。
その後、モータMによりバスケット3が回転される。そして、供給パイプ7から、バスケット3の内部の端部ろ材6b1、側面ろ材6a1が設置された円筒型ろ過体6上にスラリーs1が供給される。
上記構成によれば、側面ろ材6a1を端部ろ材6b1より厚いものを適用すれば脱液が行える。また、端部ろ材6b1で表面脱液を行い、側面ろ材6a1で脱液を行う。
側面ろ材6a1の効果で低い脱液圧力の側面脱液が促進され、雑味が少ない清酒(脱液)を回収できる。
また、円筒型ろ過体6を複数有する脱液モジュール5を設けたので、円筒型ろ過体6の設置、取り扱いが容易となる。また、筒状のろ過体を円筒型ろ過体6の円筒形状としたので、ろ過体の製作、ケークの掻き出しが「雫しぼり」や「ふね」よりは容易に行える。
以上より、本遠心ろ過機1では、雑味が少ない高品質の酒等の脱液を短い時間で多量に採取できる。
まとめると、遠心ろ過機1が、モータMと、
前記駆動源によって回転中心C1周りに回転駆動され、一方に形成される開口6oが回転中心C1または回転中心C1近くに対向して設けられ、他方に配置される端部ろ材6b1と、端部ろ材6b1と開口6oとの間に設けられる側面ろ材6a1とを備えることで、回転中心C1の径方向に垂直な方向の側面脱液を促進でき、低い脱液圧力でありながら脱液量、脱液速度の大きな脱液が可能となる。
なお、側面ろ材6a1は、周板6aの内面側に設置してもよいし、周板6aの外面側に設置してもよい。側面ろ材6a1の取り付け、取り外しからは、周板6aの外面側に設置すると作業性がよい。
また、円筒型ろ過体6を、側面ろ材6a1と端部ろ材6b1とで成形し、周板6aを用いない構成としてもよい。
側面ろ材6a1は、筒状であれば、円筒状以外の多角形断面をもつ筒形状や、一部が円筒、他部が多角形断面をもつ筒状でもよい。また、側面ろ材6a1は、回転中心C1または回転中心C1近くに沿った方向に設ければ必ずしも筒状でなくともよい。
図9は、本発明に係る実施形態2の遠心ろ過機21を示す模式的縦断面図である。
実施形態2の遠心ろ過機21は、回転軸24の周りに複数の環形状の環状ろ過体46を回転軸24が延びる方向に並設したものである。遠心ろ過機21は、環状ろ過体46の内部に供給されるスラリーs2を脱液する。
遠心ろ過機21は、回転軸24と複数の環状ろ過体46と供給パイプ27と掻き取りナイフ28a、28b、28cとを備えている。
複数の環状ろ過体46は、回転軸24に連結され、回転軸24によって回転する。
環状ろ過体46は、回転軸24(回転中心C3)に対向する開口46oと、短円筒状の外周板46aと一方の平板状の側板46bと他方の平板状の側板46cとを有している。
側板46b、側板46cの内側または外側には、第1ろ材46b1、46c1(図10中、ハッチングで示す)がそれぞれ側板46b、側板46cに沿って設けられている。また、外周板46aの内側または外側には、第2ろ材46a1(図10中、ハッチングで示す)が外周板46aに沿って設けられている。
側板46b、側板46cの内側または外側の第1ろ材46b1、46c1は、外周板46aの内側または外側の第2ろ材46a1より厚いろ材が用いられ、脱液が行われる。
次に、遠心ろ過機21の分離操作について説明する。
上述の複数の環状ろ過体46が駆動源により回転する。
供給パイプ27からもろみ等のスラリーs2が回転軸24側の開口46oを通して供給される。
その後、複数の環状ろ過体46が駆動源により回転し、もろみ等のスラリーs2が、環状ろ過体46の第1ろ材46b1、46c1と第2ろ材46a1とにより脱液される。
なお、側板46b、側板46cの各外方は、第1実施形態で説明したように、閉鎖して閉鎖型にしてもよいし、開放して開放型にしてもよい。
環状ろ過体46を複数備えるので、側面(側板46b、46c)の面積を拡大した側面脱液が可能である。
また、ケークk2を通過した脱液を回収する従来法と比較し、相対的に低い脱液圧力を用いるためにろ液e2(清酒、醤油等)の旨みが維持できる。すなわち、清酒、醤油等の脱液e2に雑味が混じらないまたは抑制される利点がある。
なお、実施形態2では、第1ろ材46b1、46c1、第2ろ材46a1を、それぞれ側板46b、側板46c、外周板46aで支持する構成を例示したが、側板46b、側板46c、外周板46aを用いることなく第1ろ材46b1、46c1、第2ろ材46a1を環状に成形して適用してもよい。
図10(a)は、本発明に係る実施形態2の変形例の遠心ろ過機31を示す模式的斜視図であり、図10(b)は、図10(a)のIII断面図であり、掻き取りナイフ38によりケークを掻き取っている状態を示している。
バスケット3の内方には、不通水板56dと、断面凹形状の回転中心C4を略中心とする環形状の通水板である側板56a、外周板56b、および側板56cとが交互に形成される脱液支持体56Sが設けられる。すなわち、通水板は、回転中心C4に対向する開口56oを有し、環形状の外周板56bと一方の平板状の側板56aと他方の平板状の側板56cとを有している。通水板の側板56a、56c、外周板56bには、脱液が挿通する小径の貫通孔が多数形成されている。
詳細には、通水板である側板56a、側板56cの内側または外側には、第1ろ材56a1、56c1がそれぞれ側板56a、側板56cに沿って設けられている。また、通水板の外周板56bの内側または外側には、第2ろ材56b1が外周板56bに沿って設けられている。
通水板の側板56a、側板56cの内側または外側の第1ろ材56a1、56c1は、外周板56bの内側または外側の第2ろ材56b1よりも厚いろ材が用いられ、脱液が行われる。
第1ろ材56a1、56c1の各外方は、第1実施形態で説明したように、開放して構成してもよいし、閉鎖して構成してもよい。
供給パイプ(図示せず)から複数の環状ろ過体56を有するバスケット3の内部にもろみ等のスラリーs3(図10(a)参照)が供給される。そして、バスケット3が高速回転することで、スラリーs3は、複数の環状ろ過体56の第1ろ材56a1、56c1と第2ろ材56b1とで脱液される。
脱液後、図10(b)の白抜き矢印に示すように、回転するバスケット3の内部において、掻き取りナイフ38の歯38a、38b、38cが各環状ろ過体56の第2ろ材56b1の内側に形成されるケークk3中に突き出され、歯38a、38b、38cによってケークk3が掻き取られる。
なお、上述の変形例では、複数の環状ろ過体56が一体に構成される場合を例示したが、複数の環状ろ過体56を別体に独立して構成してもよい。
1.なお、前記実施形態1では、円筒型ろ過体6、16、26が複数の場合を説明したが、円筒型ろ過体6を単数としてもよい。
4、24 回転軸(回転中心)
5 脱液モジュール(ろ材集合体)
6、16、26 円筒型ろ過体(ろ材支持体)
6a 側板
6b 底板
6b1 端部ろ材(ろ材、第2ろ材)
6a1 側面ろ材(ろ材、第1ろ材)
6o、46o、56o 開口
46、56 環状ろ過体
46a、56b 外周板(支持体)
46a1、56b1 第2ろ材(周状の第2ろ材、環状体)
46b 側板(支持体)
46b1、46c1、56a1、56c1 第1ろ材(環状体)
46c 側板(支持体)
C1、C3、C4 回転中心
M、2M モータ(駆動源)
s1、s2、s3 スラリー(もろみ)
Claims (14)
- 駆動源と、
回転軸に取り付けられ前記駆動源によって回転中心周りに回転駆動されるバスケットと、
前記バスケットの内周面に備えられるろ材支持体と、を有し、
前記ろ材支持体は、複数の貫通孔をもつ側板と、
前記回転中心に向けて配置される開口と、
前記開口の反対側に配置され、複数の貫通孔をもつ底板と、を備え、
前記側板に設けられる第1ろ材と、
前記底板に設けられる第2ろ材とを
備えることを特徴とする遠心ろ過機。 - 前記第1ろ材は、前記第2ろ材より大きい面積を有する
ことを特徴とする請求項1に記載の遠心ろ過機。 - 前記ろ材支持体は、筒形状に形成されている
ことを特徴とする請求項1または請求項2に記載の遠心ろ過機。 - 前記ろ材支持体を複数有する
ことを特徴とする請求項1から請求項3のうちの何れか一項に記載の遠心ろ過機。 - 前記ろ材支持体が複数設けられるろ材集合体を備える
ことを特徴とする請求項1から請求項4のうちの何れか一項に記載の遠心ろ過機。 - 駆動源と、
回転軸に取り付けられ前記駆動源により回転中心周りに回転駆動される環状ろ過体と、を有し、
前記環状ろ過体は、複数の貫通孔をもつ短円筒状の外周板と、
前記外周板の上下に設けられ、複数の貫通孔をもつ側板と、
前記回転中心に対向する開口と、
前記側板の内側または外側に設けられる第1ろ材と、
前記外周板の内側または外側に設けられる第2ろ材と、を備え
前記環状ろ過体は、前記回転中心に沿って複数並設されている
ことを特徴とする遠心ろ過機。 - 前記第1ろ材は、前記第2ろ材より厚い厚さを有する
ことを特徴とする請求項1から請求項6のうちの何れか一項に記載の遠心ろ過機。 - 前記側板の外方が開放されている
ことを特徴とする請求項6に記載の遠心ろ過機。 - 前記側板の外方が閉鎖されている
ことを特徴とする請求項6に記載の遠心ろ過機。 - 回転軸に取り付けられ駆動源によって回転中心周りに回転駆動されるバスケットの内周面にろ材支持体を有し、
前記ろ材支持体は、複数の貫通孔をもつ側板と、
前記回転中心に向けて配置される開口と、
前記開口の反対側に配置され、複数の貫通孔をもつ底板と、を備え、
前記側板に設けられる第1ろ材と、
前記底板に設けられる第2ろ材と、を備える遠心ろ過機の脱液方法であって、
前記第1ろ材および前記第2ろ材の内方にスラリーが供給され、
前記第1ろ材および前記第2ろ材は、前記駆動源によって前記回転中心周りに回転駆動され、
前記スラリーは、前記第1ろ材および前記第2ろ材とで脱液される
ことを特徴とする遠心ろ過機の脱液方法。 - 前記ろ材支持体は、筒形状を有する
ことを特徴とする請求項10に記載の遠心ろ過機の脱液方法。 - 回転軸に取り付けられ駆動源により回転中心周りに回転駆動される環状ろ過体と、を有し、
前記環状ろ過体は、複数の貫通孔をもつ短円筒状の外周板と、
前記外周板の上下に設けられ、複数の貫通孔をもつ側板と、
前記回転中心に対向する開口と、
前記側板の内側または外側に設けられる第1ろ材と、
前記外周板の内側または外側に設けられる第2ろ材と、を備え
前記環状ろ過体は、前記回転中心に沿って複数並設されている遠心ろ過機の脱液方法であって、
前記第1ろ材と前記第2ろ材は、駆動源により前記回転中心周りに回転駆動され、
前記第1ろ材と前記第2ろ材の内方にスラリーが供給され、
前記スラリーは、前記第1ろ材と前記第2ろ材とで脱液される
ことを特徴とする遠心ろ過機の脱液方法。 - 前記第1ろ材は、前記第2ろ材より大きい面積を有する
ことを特徴とする請求項10から請求項12のうちの何れか一項に記載の遠心ろ過機の脱液方法。 - 前記第1ろ材は、前記第2ろ材よりも厚い
ことを特徴とする請求項10から請求項13のうちの何れか一項に記載の遠心ろ過機の脱液方法。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2017012575A JP6823473B2 (ja) | 2017-01-26 | 2017-01-26 | 遠心ろ過機およびその脱液方法 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2017012575A JP6823473B2 (ja) | 2017-01-26 | 2017-01-26 | 遠心ろ過機およびその脱液方法 |
Publications (2)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JP2018118224A JP2018118224A (ja) | 2018-08-02 |
JP6823473B2 true JP6823473B2 (ja) | 2021-02-03 |
Family
ID=63043375
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP2017012575A Active JP6823473B2 (ja) | 2017-01-26 | 2017-01-26 | 遠心ろ過機およびその脱液方法 |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JP6823473B2 (ja) |
-
2017
- 2017-01-26 JP JP2017012575A patent/JP6823473B2/ja active Active
Also Published As
Publication number | Publication date |
---|---|
JP2018118224A (ja) | 2018-08-02 |
Similar Documents
Publication | Publication Date | Title |
---|---|---|
JP6374925B2 (ja) | 遠心ろ過装置 | |
CA2713990C (en) | Filter element for a disc filter | |
EP3632523B1 (en) | Method for operating filtration device | |
US6083147A (en) | Apparatus and method for discontinuous separation of solid particles from a liquid | |
KR101177369B1 (ko) | 섬유상 여과기의 역세정 흡입장치 및 이를 이용한 섬유상 여과기 | |
US20160121245A1 (en) | Filter element and method for manufacturing the filter element | |
KR20130107907A (ko) | 회전 날개로 구동되는 세척 브러쉬를 가지는 필터 엘리먼트 및 그를 포함하는 여과장치 | |
KR100667709B1 (ko) | 음식물쓰레기 및 하수슬러지의 선별을 위한 선별기 | |
JP2013521998A (ja) | 流体の濾過プロセスとプロセス実行のためのフィルタ装置 | |
US6872301B2 (en) | High shear rotating disc filter | |
RU2482922C2 (ru) | Центрифуга с сетчатой корзиной | |
JP6823473B2 (ja) | 遠心ろ過機およびその脱液方法 | |
CN105435971B (zh) | 一种超细粉末固液分离机 | |
CN104394996B (zh) | 层流离心分离机 | |
KR101309388B1 (ko) | 음식물류 폐기물 고액분리 감량시설 | |
KR101699828B1 (ko) | 입형 자동 회전 스크린을 이용한 우수 또는 중수 전처리 여과장치 | |
CN106669985A (zh) | 一种锥篮离心机 | |
CN218879690U (zh) | 一种板框压滤机 | |
US3402821A (en) | Centrifugal separator | |
JPH0654120B2 (ja) | 自浄フイルタ付水中ポンプ | |
CN207770062U (zh) | 一种刮刀式橙汁离心分离机 | |
CN112850992A (zh) | 一种用于污水处理的泥沙分离器 | |
Sutherland | Centrifuge focus: solids removal–the options | |
FR2520632A1 (fr) | Procede de filtration et microfiltration tangentielle sur surface filtrante de revolution et filtre pour sa mise en oeuvre | |
CN104275246A (zh) | 一种沉降过滤离心机及其方法 |
Legal Events
Date | Code | Title | Description |
---|---|---|---|
A80 | Written request to apply exceptions to lack of novelty of invention |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A80 Effective date: 20170222 |
|
A621 | Written request for application examination |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A621 Effective date: 20191016 |
|
A977 | Report on retrieval |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A971007 Effective date: 20200709 |
|
A131 | Notification of reasons for refusal |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131 Effective date: 20200728 |
|
A521 | Request for written amendment filed |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523 Effective date: 20200925 |
|
TRDD | Decision of grant or rejection written | ||
A01 | Written decision to grant a patent or to grant a registration (utility model) |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A01 Effective date: 20210105 |
|
A61 | First payment of annual fees (during grant procedure) |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A61 Effective date: 20210108 |
|
R150 | Certificate of patent or registration of utility model |
Ref document number: 6823473 Country of ref document: JP Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R150 |
|
R250 | Receipt of annual fees |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250 |