JP6823388B2 - 毛髪化粧料の製造方法 - Google Patents

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Description

本発明は、毛髪化粧料の製造方法に関する。
シャンプー、コンディショナーなど、毛髪に適用後洗い流すタイプのヘアケア製品における最も重要な役割は、頭皮や髪をケアしつつ清潔な状態に保つことである。このため、これらヘアケア製品には、製品を使用することによって「清潔感」を感じられることも求められている。そして、製品が有する種々の特性の中でも、製品に付与された香りは清潔感を演出することに寄与しており、洗髪後次の洗髪までの間、清潔感を感じられるようにするために香りが長く持続することが望まれる。
これに対し、調合香料を多量に加えることで香りを長時間持続させることが考えられる。しかし、調合香料は、ヘアケア製品の使用中、及び洗髪乾燥後に、より揮発しやすい成分から優先的に揮散する結果、調合香料の香気は時間とともに質的に変化してしまう。このため、調合香料の組合せを工夫しても、当初の香気の質を保ったまま香りを長時間持続させることは困難である。
これに対し、特許文献1〜6には、香料アルコールとメチルトリエトキシシラン等の有機ケイ素化合物によるケイ酸エステルを用い、加水分解によって香料アルコールを徐々に放出させることで芳香を持続させる技術が開示されている。
特開昭54-59498号公報 特開昭54-93006号公報 特開昭58-22063号公報 特表2003-526644号公報 特開2009-197055号公報 特表2009-529018号公報
ヘアコンディショナー等の製品では、毛髪をケアするため、油剤、高級アルコール等の基剤が使用されている。これらの基剤は、水中に微分散させるため、高温下で、界面活性剤と共に混合し乳化して使用される。一方、香料は一般に油性であり、上述の基剤成分と一緒に乳化されることが好ましいが、高温の状態で配合されると揮発したり、香りが劣化を起こしやすい。場合によっては製剤の増粘を引きおこす。そこで、乳化終了後、室温に冷却する過程にて、香料を混合することが考えられる。しかし、乳化終了後に油剤である香料を配合した場合、製剤の分離や急激な粘度低下を引き起こし、その対応に苦慮していた。
また、特許文献1〜6のようにケイ酸エステルを主とする香料成分を使用した場合、使用時の香立ちに劣るという問題があった。
従って本発明は、香料成分の配合時に粘度の上昇や低下を起こさず、かつ、使用中及び使用後における香りを適度な強さに持続することができる毛髪化粧料の製造方法に関する。
本発明者らは、香料成分中の一定量をケイ酸エステルとし、香料成分以外の成分を乳化した後、室温に冷却する過程で香料成分を添加混合することによって、香料の配合による粘度変化を抑制しつつ、使用中及び使用後における香りの持続性に優れる毛髪化粧料を製造できることを見出した。
本発明は、次の成分(A)〜(E)を含む全成分のうち、成分(A)及び(D)以外の成分を混合して乳化した後、0℃以上60℃以下の温度で成分(A)及び(D)を加えて混合する、成分(A)と成分(D)との合計含有量が4質量%以下、成分(A)と成分(D)の合計量に対する成分(A)の質量比が0.2を超え0.8未満である毛髪化粧料の製造方法を提供するものである。
(A) 一般式(1)で表されるケイ酸エステル
Figure 0006823388
〔式中、R1は置換基としてフェニル基、水酸基又はアルコキシ基を有していてもよい総炭素数1以上22以下の脂肪族炭化水素基を示し、R2は炭素数3以上40以下の香料アルコールから水酸基1個を除いた残基を示し、nは0以上3以下の整数を示す。4−n個のR2は同一でも異なってもよい。〕
(B) 第4級アンモニウム塩型カチオン界面活性剤
(C) 炭素数16〜22の脂肪族アルコール
(D) 香料化合物
(E) 水
更に本発明は、上記の製造方法で得られた毛髪化粧料を毛髪に塗布し、洗い流す毛髪化粧料の使用方法を提供するものである。
更に本発明は、次の成分(A)〜(E)を含み、成分(A)と成分(D)との合計含有量が4質量%以下、成分(A)と成分(D)の合計量に対する成分(A)の質量比が0.2を超え0.8未満である毛髪化粧料を提供するものである。
(A) 一般式(1)で表されるケイ酸エステル
Figure 0006823388
〔式中、R1は置換基としてフェニル基、水酸基又はアルコキシ基を有していてもよい総炭素数1以上22以下の脂肪族炭化水素基を示し、R2は炭素数3以上40以下の香料アルコールから水酸基1個を除いた残基を示し、nは0以上3以下の整数を示す。4−n個のR2は同一でも異なってもよい。〕
(B) 第4級アンモニウム塩型カチオン界面活性剤
(C) 炭素数16〜22の脂肪族アルコール
(D) 香料化合物
(E) 水
本発明によれば、香料成分の配合時に粘度の上昇や低下を起こさず、かつ、使用中及び使用後における香りの持続性に優れる毛髪化粧料を製造することができる。
〔成分(A):一般式(1)で表されるケイ酸エステル〕
成分(A)は、下記一般式(1)で表されるケイ酸エステルであり、分子中に1以上の香料アルコール由来の残基を有するため、加水分解することによって徐々に香料を放出する香料前駆体物質である。なお、本発明において香料アルコールとは、揮発性を有し香りのあるアルコール化合物をいう。
Figure 0006823388
〔式中、R1は置換基としてフェニル基、水酸基又はアルコキシ基を有していてもよい総炭素数1以上22以下の脂肪族炭化水素基を示し、R2は炭素数3以上40以下の香料アルコールから水酸基1個を除いた残基を示し、nは0以上3以下の整数を示す。4−n個のR2は同一でも異なってもよい。〕
1の脂肪族炭化水素基としては、直鎖又は分岐鎖のアルキル基又はアルケニル基が挙げられる。また、R1の総炭素数は、好ましくは8以上であり、また、好ましくは20以下、より好ましくは18以下である。
2を形成する香料アルコールの炭素数は、好ましくは5以上、より好ましくは9以上であり、また、好ましくは炭素数15以下、より好ましくは14以下である。香料アルコールとしては、1級アルコール、2級アルコール、3級アルコールのいずれも用いることができる。
2を形成する香料アルコールのうち1級アルコールの具体例としては、アリルアルコール、トランス-2-ヘキセノール、cis-3-ヘキセノール、9-デセノール、10-ウンデセノール、trans-2-cis-6-ノナジエン-1-オール、ゲラニオール、ネロール、シトロネロール、ラバンジュロール、テトラヒドロゲラニオール、ヒドロキシシトロネロール、ノポール、ファルネソール、ベチベロール、2,4-ジメチル-3-シクロヘキセン-1-メタノール、4-イソプロピルシクロヘキサンメタノール(マイヨール;Firmenich社製)、2,2-ジメチル-3-(3-メチルフェニル)-プロパノール(マジャントール;Wacker社製)、ベンジルアルコール、フェニルエチルアルコール、フェノキシエチルアルコール、アニスアルコール、シンナミックアルコール、3-フェニルプロピルアルコール、3-メチル-5-フェニル-1-ペンタノール(フェニルヘキサノール;Firmenich社製)、2-エチル-4-(2,2,3-トリメチル-3-シクロペンテン-1-イル)-2-ブテン-1-オール(バクダノール;IFF社製)、2-メチル-4-(2,3,3-トリメチル-3-シクロペンテン-1-イル)-2-ブテン-1-オール(サンダルマイソルコア;花王社製)、2-メチル-4-(2,3,3-トリメチル-3-シクロペンテン-1-イル)-2-ブタン-1-オール(ブラマノール;Dragoco社製)等が挙げられる。
2を形成する香料アルコールのうち2級アルコールの具体例としては、ウンデカベルトール、1-(2,2,6-トリメチルシクロヘキサン-1-イル)-ペンタン-2-オール(チンベロール)、メントール、1-(2-t-ブチルシクロヘキシロキシ)-2-ブタノール(アンバーコア;花王社製)、p-tertブチルシクロヘキサノール、o-tert-ブチルシクロヘキサノール、カルベオール、3,4,5,6,6-ペンタメチル-2-ヘプタノール(コヒノール;IFF社製)、3-メチル-5-(2,2,3-トリメチルシクロペンテン-1-イル)-ペンタン-2-オール(サンダロア;Givaudan-Roure社製)、2-オクチルアルコール、2-ノニルアルコール、オシロール、4-イソプロピルシクロヘキサノール(フォルロージア;Givaudan-Roure社製)、イソプレゴール、3-ヘプタノール、3-オクタノール、2-ウンデカノール、1-ペンテン-3-オール、1-オクテン-3-オール、1-ノネン-3-オール、4-メチル-3-デセン-5-オール、メチルサンデフロール、ジヒドロカルベオール、1,3,3-トリメチルビシクロ(2.2.1)ヘプタン-2-オール(α-フェンキルアルコール)、ボルネオール、α,3,3-トリメチルビシクロ(2.2.1)ヘプタン-2-メタノール(カメコール;IFF社製)、2(or 3),4-ジメチル-3a,4,5,6,7,7a-ヘキサヒドロ-4,7-メタノ-1H-インデン-5-オール(ジメチルサイクロモル;IFF社製)、イソカンフィルシクロヘキサノール、β-カリオフィレンアルコール、セドロール、p-α-ジメチルベンジルアルコール、α-フェニルエチルアルコール、α-プロピルフェニルエチルアルコール、イソブチルベンジルカルビノール、デカヒドロ-β-ナフトール等が挙げられる。
2を形成する香料アルコールのうち3級アルコールの例としては、2-メチル-6-メチレン-7-オクテン-2-オール(ミルセノール)、テルピネオール、リナロール、2,6-ジメチルヘプタノール、2-メチル-3-ブテン-2-オール、アンブリノール、ジヒドロリナロール、テトラヒドロリナロール、2,6-ジメチル-2-オクタノール及び3,7-ジメチル-3-オクタノール(テトラヒドロムゴール)、2,6-ジメチル-3,5-オクタジエン-2-オール及び3,7-ジメチル-4,6-オクタジエン-3-オール(ムゴール)、2,6-ジメチル-7-オクテン-2-オール(ジヒドロミルセノール)、2,6-ジメチル-2-オクタノール(テトラヒドロミルセノール)、オシメノール、3,6-ジメチル-3-オクタノール、エチルリナロール、テルピネオール、ジヒドロテルピネオール、4-ツヤノール、ネロリドール、ビサボロール、パチュリアルコール、3,7,11,15-テトラメチル-1-ヘキサデセン-3-オール(イソフィトール)、ゲラニルリナロール、スクラレオール、α、α-ジメチルフェニルエチルアルコール、p-メチルジメチルベンジルカルビノール、ジメチルフェニルエチルカルビノール、3-メチル-1-フェニル-3-ペンタノール、2-イソブチルー4-メチルテトラヒドロ-2H-ピラン-4-オール(フロロール)等が挙げられる。
一般式(1)で表されるケイ酸エステルとしては、合成のしやすさの観点より、一般式(1)中のR2における香料アルコールの少なくとも1つが1級アルコールである化合物が好ましく、更には香りの質の好ましさの観点より、この1級アルコールがゲラニオールであることが好ましい。
その他の好ましい香料アルコールとしては、香りの好ましさの観点より、2-メチル-4-(2,3,3-トリメチル-3-シクロペンテン-1-イル)-2-ブテン-1-オール(サンダルマイソルコア;花王社製)、ウンデカベルトール、メントール、フォルロージア、o-tert-ブチルシクロヘキサノール、p-tert-ブチルシクロヘキサノール、アリルアルコール、ベンジルアルコール、2-エチル-4-(2,2,3-トリメチル-3-シクロペンテニル)-2-ブテン-1-オール(バクダノール;IFF社製)、ネロール、シンナミックアルコールが挙げられ、保存安定性向上の観点から、ウンデカベルトール、メントール、フォルロージア、o-tert-ブチルシクロヘキサノール、p-tert-ブチルシクロヘキサノールが好ましい。
2を構成する香料アルコールが複数存在する場合は、上記の香料アルコールの2種以上の混合物から構成されることが好ましく、更には香料アルコールの少なくとも1つが1級アルコールであることが好ましく、更には2つ以上、更には3つ以上、更には4つが1級アルコールであることが好ましい。また、少なくとも一つの1級アルコールがゲラニオールであることが好ましい。
nは0以上3以下の整数を示すが、芳香性の観点より、0又は1が好ましく、0が更に好ましい。
成分(A)のケイ酸エステルは、単独で又は2種以上を組み合わせて使用することができる。本発明の毛髪化粧料中における成分(A)の含有量は、毛髪乾燥後の香りの快適性の観点より、好ましくは0.08質量%以上、より好ましくは0.2質量%以上、更に好ましくは0.3質量%以上であり、また、好ましくは3.2質量%以下、より好ましくは2質量%以下、更に好ましくは1質量%以下である。
〔成分(B):第4級アンモニウム塩型カチオン界面活性剤〕
成分(B)の第4級アンモニウム塩型カチオン界面活性剤としては、次の一般式(2)で表される化合物が挙げられる。
Figure 0006823388
〔式中、Mは水素原子、又は総炭素数12〜24の直鎖若しくは分岐鎖の飽和若しくは不飽和の、アミド基、N-炭化水素カルバモイル基、アシルオキシ基若しくは炭化水素オキシ基を示し、Qは炭素数1〜25の2価の直鎖又は分岐鎖の飽和又は不飽和のヒドロキシ基を有してもよい炭化水素基を示し、R3、R4及びR5は少なくとも1個が総炭素数1〜25の直鎖又は分岐鎖のアルキル基又はアルケニル基を示し、残りは炭素数1〜3のアルキル基を示し、X-はハロゲン化物イオン又は有機アニオンを示す。〕
一般式(2)で表される4級アンモニウム塩としては、モノ長鎖アルキル(炭素数12〜25)4級アンモニウム塩、ジ長鎖アルキル又はアルケニル(炭素数12〜25)4級アンモニウム塩、分岐鎖アルキル(炭素数12〜25)4級アンモニウム塩、アルキルアミド(炭素数12〜24)アルキル(炭素数1〜5)4級アンモニウム塩、N-炭化水素カルバモイル(炭素数12〜24)アルキル(炭素数1〜5)4級アンモニウム塩、アシル(炭素数12〜24)オキシアルキル(炭素数1〜5)4級アンモニウム塩、アルキル又はアルケニル(炭素数12〜24)オキシアルキル(炭素数1〜5)4級アンモニウム塩が挙げられる。
モノ長鎖アルキル(炭素数12〜25)4級アンモニウム塩としては、ステアリルトリメチルアンモニウムクロライド、ミリスチルトリメチルアンモニウムクロライド、セチルトリメチルアンモニウムクロライド、アラキルトリメチルアンモニウムクロライド、ベヘニルトリメチルアンモニウムクロライド、ラウリルトリメチルアンモニウムクロライド、ベヘニルトリメチルアンモニウムメトサルフェート等が挙げられる。
ジ長鎖アルキル又はアルケニル(炭素数12〜25)4級アンモニウム塩としては、ジステアリルジメチルアンモニウムクロライド、ジオレイルジメチルアンモニウムクロライド、ジイソステアリルジメチルアンモニウムメトサルフェート、ジ[(2-ドデカノイルアミノ)エチル]ジメチルアンモニウムクロライド、ジ[(2-ステアロイルアミノ)プロピル]ジメチルアンモニウムエトサルフェート等が挙げられる。
分岐鎖アルキル(炭素数12〜25)4級アンモニウム塩としては、2-デシルテトラデシルトリメチルアンモニウムクロライド、2-ドデシルヘキサデシルトリメチルアンモニウムクロライド、ジ-2-ヘキシルデシルジメチルアンモニウムクロライド、ジ-2-オクチルドデシルジメチルアンモニウムクロライド等が挙げられる。
アルキルアミド(炭素数12〜24)アルキル(炭素数1〜5)4級アンモニウム塩としては、ステアラミドプロピル4級アンモニウム塩が挙げられる。N-炭化水素カルバモイル(炭素数12〜24)アルキル(炭素数1〜5)4級アンモニウム塩としては、N-ステアリルカルバモイルプロピル4級アンモニウム塩が挙げられる。アシル(炭素数12〜24)オキシアルキル(炭素数1〜5)4級アンモニウム塩としては、ステアロイルオキシプロピル4級アンモニウム塩が挙げられる。炭化水素(炭素数12〜24)オキシアルキル(炭素数1〜5)4級アンモニウム塩としては、オクタデシロキシプロピルトリメチルアンモニウムクロライドが挙げられる。
これら一般式(2)で表される4級アンモニウム塩のうち、Mが水素原子であり、Qが炭素数8〜25の2価の飽和炭化水素基であって、R3がメチル基又は炭素数8〜25のアルキル基であり、R4及びR5がメチル基である4級アンモニウム塩が好ましい。
成分(B)の第4級アンモニウム塩型カチオン界面活性剤は、単独で又は2種以上を組み合わせて使用することができる。毛髪化粧料中における成分(B)の含有量は、塗布・濯ぎ・タオルドライ時の毛髪を柔らかくする観点より、好ましくは0.05質量%以上、より好ましくは0.1質量%以上、更に好ましくは0.5質量%以上であり、また、好ましくは20質量%以下、より好ましくは10質量%以下、更に好ましくは5質量%以下である。
〔成分(C):炭素数12〜30の脂肪族アルコール〕
成分(C)の炭素数12〜30の脂肪族アルコールとしては、直鎖又は分岐鎖、飽和又は不飽和のいずれのものでもよい。成分(C)としては、炭素数16〜22の脂肪族アルコールが好ましく、また直鎖の飽和脂肪族アルコールが好ましい。具体例としては、セチルアルコール、ステアリルアルコール、オレイルアルコール、アラキルアルコール、ベヘニルアルコール、オクチルドデシルアルコールなどが挙げられる。
成分(C)の脂肪族アルコールは、単独で又は2種以上を組み合わせて使用することができる。本発明の毛髪化粧料中における成分(C)の含有量は、感触の改善、安定性の観点より、好ましくは0.5質量%以上、より好ましくは1質量%以上、更に好ましくは2質量%以上であり、また、好ましくは20質量%以下、より好ましくは15質量%以下、更に好ましくは10質量%以下である。
更に、成分(C)の含有量と成分(B)の含有量とは、感触の改善・安定性の観点から、両者のモル比(C)/(B)が一定範囲にあることが好ましい。上記観点より、成分(C)と成分(B)とのモル比は、好ましくは1.0以上、より好ましくは2.0以上、更に好ましくは3.0以上であり、また、好ましくは10.0以下、より好ましくは9.0以下、更に好ましくは8.0以下である。
〔(D):香料化合物〕
成分(D)の香料化合物としては特に制限はなく、その他の合成香料や天然香料を使用することができる。例えば、『香料と調香の基礎知識』(中島基貴編著,産業図書株式会社,1995年6月21日初版)、『合成香料―化学と商品知識』(印藤元一著,化学工業日報社,2005年3月25日増補改訂版)に記載の香料素材が挙げられる。
本発明の毛髪化粧料中における香料成分の総量、すなわち、成分(A)と成分(D)との合計含有量は、程良い強さの香りの持続性の観点より、好ましくは0.4質量%以上、より好ましくは0.5質量%以上、更に好ましくは0.6質量%以上であり、また、4質量%以下であって、好ましくは3質量%以下、より好ましくは2質量%以下である。
また、成分(A)と成分(D)の合計量に対する成分(A)の質量比(A)/[(A)+(D)]は、程良い強さの香りの持続性の観点より、0.2を超え、好ましくは0.3以上、より好ましくは0.4以上であり、また、0.8未満、好ましくは0.7以下、より好ましくは0.6以下である。
〔(E):水〕
本発明の製造方法により製造される毛髪化粧料は、媒体として水を含有する。水は、成分(A)〜(D)及び任意成分の残量となる。
〔その他の任意成分〕
本発明の製造方法により製造される毛髪化粧料には更に、毛髪化粧料に一般に使用されるその他の成分を、目的に応じて配合することができる。例えば、ジメチルポリシロキサン、環状シリコーン、アミノ変性シリコーン、ジメチコノール、ポリエーテル変性シリコーン、ポリグリシドール変性シリコーン、メチルフェニルポリシロキサン、脂肪酸変性シリコーン、アルコール変性シリコーン、アルコキシ変性シリコーン、エポキシ変性シリコーン、フッ素変性シリコーン、アルキル変性シリコーン等のシリコーン類;カチオン化セルロース、ヒドロキシ化セルロース、高重合ポリエチレンオキサイド等の高分子化合物;ポリオキシエチレンアルキルエーテル、ポリオキシエチレンソルビタン脂肪酸エステル、グリセリンモノ脂肪酸エステル、ポリグリセリン脂肪酸エステル、ポリオキシエチレン硬化ヒマシ油、ショ糖脂肪酸エステル、ポリグリセリンアルキルエーテル、脂肪酸アルカノールアミド、アルキルグリコシド等の非イオン界面活性剤;スクワレン、スクワラン、流動パラフィン、流動イソパラフィン、シクロパラフィン等の炭化水素;ヒマシ油、カカオ油、ミンク油、アボカド油、オリーブ油等のグリセリド類;ミツロウ、鯨ロウ、ラノリン、カルナウバロウ等のロウ類;パルミチン酸イソプロピル、ミリスチン酸イソプロピル、ミリスチン酸オクチルドデシル、ラウリン酸ヘキシル、乳酸セチル、モノステアリン酸プロピレングリコール、オレイン酸オレイル、2-エチルヘキサン酸ヘキサデシル、イソノナン酸イソノニル、イソノナン酸トリデシル等のエステル;カプリン酸、ラウリン酸、ミリスチン酸、パルミチン酸、ステアリン酸、ベヘニン酸、オレイン酸、ヤシ油脂肪酸、イソステアリル酸、イソパルミチン酸等の高級脂肪酸、イソステアリルグリセリルエーテル、ポリオキシプロピレンブチルエーテルなどの油剤;エタノール、1-プロパノール、2-プロパノール、ブタノール、エチレングリコール、プロピレングリコール、ベンジルアルコール、フェノキシエタノール、2-ベンジルオキシエタノール、メチルカルビトール、エチルカルビトール、プロピルカルビトール、ブチルカルビトール、トリエチレングリコールモノエチルエーテル、トリエチレングリコールモノブチルエーテル、グリセリン等のアルコール類;ジンクピリチオン、塩化ベンザルコニウム等の抗フケ剤;pH調整剤;ビタミン剤;殺菌剤;抗炎症剤;防腐剤;キレート剤;パンテノール等の保湿剤;染料、顔料等の着色剤;ユーカリの極性溶媒抽出物、真珠層を有する貝殻又は真珠から得られる蛋白質又はその加水分解物、シルクから得られる蛋白質又はその加水分解物、マメ科植物の種子から得られる蛋白含有抽出物、オタネニンジン抽出物、米胚芽抽出物、ヒバマタ抽出物、ツバキ抽出物、アロエ抽出物、月桃葉抽出物、クロレラ抽出物等のエキス類;雲母チタン等のパール粉体;メントール等の清涼剤:色素;紫外線吸収剤;酸化防止剤;その他エンサイクロペディア・オブ・シャンプー・イングリーディエンツ(ENCYCLOPEDIA OF SHAMPOO INGREDIENTS (MICELLE PRESS))に記載されている成分等が挙げられる。
〔pH〕
本発明の製造方法により製造される毛髪化粧料のpHは、2.0以上が好ましく、更には2.5以上が好ましく、また7.5以下が好ましく、更には6.5以下、更には5.5以下が好ましい。なお、本発明において、毛髪化粧料のpHは、水で20質量倍希釈したときの25℃における値をいう。
〔粘度〕
本発明の製造方法により製造される毛髪化粧料の30℃における粘度は、扱いやすさと塗布時の性能の観点から、好ましくは1,000mPa・s以上、より好ましくは5,000mPa・s以上、更に好ましくは10,000mPa・s以上、更に好ましくは20,000mPa・s以上、更に好ましくは30,000mPa・s以上、更に好ましくは35,000mPa・s以上であり、また、好ましくは120,000mPa・s以下、より好ましくは100,000mPa・s以下、更に好ましくは70,000mPa・s以下、更に好ましくは60,000mPa・s以下である。毛髪化粧料の30℃における粘度は、B8R型粘度計(ヘリカルスタンド付き,ローターNo.T-C,10rpm,1分)により測定することができる。
本発明の製造方法により製造される毛髪化粧料は、髪に適用後、洗い流して使用されるものであり、例えば、シャンプー、ヘアリンス、ヘアコンディショナー、ヘアトリートメント、ヘアパック等の浴室内で使用されるものが挙げられる。
〔製造方法〕
本発明においては、成分(A)〜(E)を含む全成分のうち、成分(A)及び(D)以外の成分を混合して乳化した後、0℃以上60℃以下の温度で成分(A)及び(D)を加えて混合することにより毛髪化粧料を製造する。
香料成分以外の全ての成分を混合して乳化する方法としては、特に限定されるものではなく、通常行われる方法に従えばよい。すなわち、成分(E)の水を50℃以上100℃以下に加熱し、成分(B)及び融点以上に加熱した成分(C)を加え、撹拌し、乳化させる。また、成分(B)の融点が成分(C)よりも高い場合、融点以上に加熱した成分(B)及び成分(C)を加え、撹拌し、乳化させても良い。この際、その他成分の油剤、界面活性剤等をここで加えても良い。
50℃以上100℃以下に加熱した成分(E)に成分(B)及び成分(C)を加えた後、撹拌して乳化させる際の温度は、塗布時、すすぎ時のなめらかさと乾燥後のまとまりの良さと乳化しやすさの観点より、好ましくは50℃以上、より好ましくは53℃以上、更に好ましくは55℃以上、更に好ましくは58℃以上であり、また、好ましくは100℃以下、より好ましくは90℃以下、更に好ましくは85℃以下、更に好ましくは80℃以下、更に好ましくは75℃以下である。
以上のようにして成分(A)及び(D)以外の成分を乳化した後、香料成分を0℃以上60℃以下の温度で添加混合するが、この添加混合の際の温度は、好ましくは20℃以上、より好ましくは30℃以上であり、また、好ましくは50℃以下、より好ましくは45℃以下である。その後、20〜35℃まで冷却すればよい。
以上述べた実施形態に関し、以下に本発明の好ましい態様を更に開示する。
<1> 次の成分(A)〜(E)を含む全成分のうち、成分(A)及び(D)以外の成分を混合して乳化した後、0℃以上60℃以下の温度で成分(A)及び(D)を加えて混合する、成分(A)と成分(D)との合計含有量が4質量%以下、成分(A)と成分(D)の合計量に対する成分(A)の質量比が0.2を超え0.8未満である毛髪化粧料の製造方法。
(A) 一般式(1)で表されるケイ酸エステル
Figure 0006823388
〔式中、R1は置換基としてフェニル基、水酸基又はアルコキシ基を有していてもよい総炭素数1以上22以下の脂肪族炭化水素基を示し、R2は炭素数3以上40以下の香料アルコールから水酸基1個を除いた残基を示し、nは0以上3以下の整数を示す。4−n個のR2は同一でも異なってもよい。〕
(B) 第4級アンモニウム塩型カチオン界面活性剤
(C) 炭素数16〜22の脂肪族アルコール
(D) 香料化合物
(E) 水
<2> 一般式(1)中のR1の脂肪族炭化水素基が、好ましくは直鎖又は分岐鎖のアルキル基又はアルケニル基である<1>に記載の製造方法。
<3> 一般式(1)中のR1の総炭素数が、好ましくは8以上であり、また、好ましくは20以下、より好ましくは18以下である<1>又は<2>に記載の製造方法。
<4> 一般式(1)中のR2の炭素数が、好ましくは5以上、より好ましくは9以上であり、また、好ましくは炭素数15以下、より好ましくは14以下である<1>〜<3>のいずれか1項に記載の製造方法。
<5> 好ましくは、一般式(1)中のR2の少なくとも1つが、1級アルコールである香料アルコールから導かれたものである<1>〜<4>のいずれか1項に記載の製造方法。
<6> 1級アルコールが、好ましくはゲラニオールである<5>に記載の製造方法。
<7> 一般式(1)中のnが、好ましくは0又は1、より好ましくは0である<1>〜<6>のいずれか1項に記載の製造方法。
<8> 成分(A)の含有量が、好ましくは0.08質量%以上、より好ましくは0.2質量%以上、更に好ましくは0.3質量%以上であり、また、好ましくは3.2質量%以下、より好ましくは2質量%以下、更に好ましくは1質量%以下である<1>〜<7>のいずれか1項に記載の製造方法。
<9> 成分(B)が、好ましくは次の一般式(2)で表される化合物である<1>〜<8>のいずれか1項に記載の製造方法。
Figure 0006823388
〔式中、Mは水素原子、又は総炭素数12〜24の直鎖若しくは分岐鎖の飽和若しくは不飽和の、アミド基、N-炭化水素カルバモイル基、アシルオキシ基若しくは炭化水素オキシ基を示し、Qは炭素数1〜25の2価の直鎖又は分岐鎖の飽和又は不飽和のヒドロキシ基を有してもよい炭化水素基を示し、R3、R4及びR5は少なくとも1個が総炭素数1〜25の直鎖又は分岐鎖のアルキル基又はアルケニル基を示し、残りは炭素数1〜3のアルキル基を示し、X-はハロゲン化物イオン又は有機アニオンを示す。〕
<10> 一般式(2)で表される4級アンモニウム塩が、好ましくはモノ長鎖アルキル(炭素数12〜25)4級アンモニウム塩、ジ長鎖アルキル又はアルケニル(炭素数12〜25)4級アンモニウム塩、分岐鎖アルキル(炭素数12〜25)4級アンモニウム塩、アルキルアミド(炭素数12〜24)アルキル(炭素数1〜5)4級アンモニウム塩、N-炭化水素カルバモイル(炭素数12〜24)アルキル(炭素数1〜5)4級アンモニウム塩、アシル(炭素数12〜24)オキシアルキル(炭素数1〜5)4級アンモニウム塩、及びアルキル又はアルケニル(炭素数12〜24)オキシアルキル(炭素数1〜5)4級アンモニウム塩からなる群より選ばれる<9>に記載の製造方法。
<11> 好ましくは、一般式(2)中のMが水素原子、Qが炭素数8〜25の2価の飽和炭化水素基、R3がメチル基又は炭素数8〜25のアルキル基、R4及びR5がメチル基である<9>に記載の製造方法。
<12> 成分(B)の含有量が、好ましくは0.05質量%以上、より好ましくは0.1質量%以上、更に好ましくは0.5質量%以上であり、また、好ましくは20質量%以下、より好ましくは10質量%以下、更に好ましくは5質量%以下である<9>〜<11>のいずれか1項に記載の製造方法。
<13> 成分(C)が、好ましくは炭素数16〜22の脂肪族アルコールである<1>〜<12>のいずれか1項に記載の製造方法。
<14> 成分(C)が、好ましくは直鎖の飽和脂肪族アルコールである<1>〜<13>のいずれか1項に記載の製造方法。
<15> 成分(C)の含有量が、好ましくは0.5質量%以上、より好ましくは1質量%以上、更に好ましくは2質量%以上であり、また、好ましくは20質量%以下、より好ましくは15質量%以下、更に好ましくは10質量%以下である<1>〜<14>のいずれか1項に記載の製造方法。
<16> 成分(C)と成分(B)のモル比(C)/(B)が、好ましくは1.0以上、より好ましくは2.0以上、更に好ましくは3.0以上であり、また、好ましくは10.0以下、より好ましくは9.0以下、更に好ましくは8.0以下である<1>〜<15>のいずれか1項に記載の製造方法。
<17> 成分(A)と成分(D)との合計含有量が、好ましくは0.4質量%以上、より好ましくは0.5質量%以上、更に好ましくは0.6質量%以上であり、また、好ましくは4質量%以下、より好ましくは3質量%以下、更に好ましくは2質量%以下である<1>〜<16>のいずれか1項に記載の製造方法。
<18> 成分(A)と成分(D)の合計量に対する成分(A)の質量比が、好ましくは0.2を超え、より好ましくは0.3以上、更に好ましくは0.4以上であり、また、好ましくは0.8未満、より好ましくは0.7以下、更に好ましくは0.6以下である<1>〜<17>のいずれか1項に記載の製造方法。
<19> 毛髪化粧料を水で20質量倍希釈したときの25℃におけるpHが、好ましくは2.0以上、より好ましくは2.5以上であり、また、好ましくは7.5以下、より好ましくは6.5以下、更に好ましくは5.5以下である<1>〜<18>のいずれか1項に記載の製造方法。
<20>
毛髪化粧料の30℃における粘度が、好ましくは1,000mPa・s以上、より好ましくは5,000mPa・s以上、更に好ましくは10,000mPa・s以上、更に好ましくは20,000mPa・s以上、更に好ましくは30,000mPa・s以上、更に好ましくは35,000mPa・s以上であり、また、好ましくは120,000mPa・s以下、より好ましくは100,000mPa・s以下、更に好ましくは70,000mPa・s以下、更に好ましくは60,000mPa・s以下である<1>〜<19>のいずれか1項に記載の製造方法。
<21>
50℃以上100℃以下に加熱した成分(E)に成分(B)及び成分(C)を加えた後、撹拌して乳化させる際の温度は、好ましくは50℃以上、より好ましくは53℃以上、更に好ましくは55℃以上、更に好ましくは58℃以上であり、また、好ましくは100℃以下、より好ましくは90℃以下、更に好ましくは85℃以下、更に好ましくは80℃以下、更に好ましくは75℃以下である、<1>〜<20>のいずれか1項に記載の製造方法。
<22> 毛髪化粧料が、好ましくは、髪に適用後、洗い流して使用されるものである<1>〜<21>のいずれか1項に記載の製造方法。
<23> <1>〜<22>のいずれか1項に記載の製造方法で得られた毛髪化粧料を毛髪に塗布し、洗い流す毛髪化粧料の使用方法。
<24>
次の成分(A)〜(E)を含み、成分(A)と成分(D)との合計含有量が4質量%以下、成分(A)と成分(D)の合計量に対する成分(A)の質量比が0.2を超え0.8未満である毛髪化粧料。
(A) 一般式(1)で表されるケイ酸エステル
Figure 0006823388
〔式中、R1は置換基としてフェニル基、水酸基又はアルコキシ基を有していてもよい総炭素数1以上22以下の脂肪族炭化水素基を示し、R2は炭素数3以上40以下の香料アルコールから水酸基1個を除いた残基を示し、nは0以上3以下の整数を示す。4−n個のR2は同一でも異なってもよい。〕
(B) 第4級アンモニウム塩型カチオン界面活性剤
(C) 炭素数16〜22の脂肪族アルコール
(D) 香料化合物
(E) 水
<25>
毛髪化粧料の30℃における粘度が、好ましくは1,000mPa・s以上、より好ましくは5,000mPa・s以上、更に好ましくは10,000mPa・s以上、更に好ましくは20,000mPa・s以上、更に好ましくは30,000mPa・s以上、更に好ましくは35,000mPa・s以上であり、また、好ましくは120,000mPa・s以下、より好ましくは100,000mPa・s以下、更に好ましくは70,000mPa・s以下、更に好ましくは60,000mPa・s以下である<24>に記載の毛髪化粧料。
<原料等>
実施例及び比較例では、原料等として次のものを用いた。なお、原料等の含水量は、カールフィッシャー法により測定した。
(1)ゲラニオール
IFF社製「GERANIOL 980」、含水量:1000μg/g
(2)2-メチル-4-(2,3,3-トリメチル-3-シクロペンテン-1-イル)-2-ブテン-1-オール
花王株式会社製「Sandal mysore core」(以下「SMC」と略す)、含水量1000μg/g
(3)ウンデカベルトール
Givaudan社製「UNDECAVERTOL」、含水量:1000μg/g
(4)テトラエトキシシラン
Momentive社製、含水量:測定下限値(10μg/g)未満
(5)20質量%ナトリウムエトキシドエタノール溶液
日本曹達社製
<ケイ酸エステル組成物の製造>
製造例1
(式(1)で表されるケイ酸エステルを含むケイ酸エステル組成物の合成)
コンデンサーを装着した5000mLの四つ口フラスコにゲラニオール2700gを添加し、槽内を100〜110℃に加熱し、徐々に系内の圧力を低下させ1.0kPaに到達した時点から2時間脱水処理を行った。2時間後フラスコからサンプリングを行い、カールフィッシャーにより含水量が200μg/gであることを確認した後、室温まで冷却を行った。
次に、コンデンサーを装着した5000mLの四つ口フラスコに、上記の脱水処理されたゲラニオール2488.3g(16.13mol)、テトラエトキシシラン800.2g(3.83mol)、20質量%ナトリウムエトキシドエタノール溶液0.96g(2.82mmol)を入れ、窒素気流下エタノールを留出させながら130℃で2時間攪拌した。その後、槽内の圧力を徐々に4kPaまで下げ、エタノールを留出させながら130℃で更に3時間攪拌した。その後、冷却し、圧力を大気圧とした後、生成物を濾過し、式(1)で表されるケイ酸エステルを含む2555.8kgの黄色油状物を得た。得られた油状物をガスクロマトグラフィーにより分析した。得られた油状物は、ゲラニオールが4つ置換したケイ酸エステルであった。
製造例2
(式(1)で表されるケイ酸エステルを含むケイ酸エステル組成物の合成)
コンデンサーを装着した5000mLの四つ口フラスコにゲラニオール2046.3g、及びSMC859.3gを添加し、槽内を100〜110℃に加熱し、徐々に系内の圧力を低下させ1.0kPaに到達した時点から2時間脱水処理を行った。2時間後フラスコからサンプリングを行い、カールフィッシャーにより含水量が200μg/gであることを確認した後、室温まで冷却を行った。
次に、コンデンサーを装着した5000mLの四つ口フラスコに、上記の脱水処理されたゲラニオールとSMCの混合物2641.5g(ゲラニオール12.06mol、ウンデカベルトール4.02mol)、テトラエトキシシラン800.2g(3.83mol)、及び20質量%ナトリウムエトキシドエタノール溶液0.96g(2.82mmol)を入れ、窒素気流下エタノールを留出させながら130℃で2時間攪拌した。その後、槽内の圧力を徐々に4kPaまで下げ、エタノールを留出させながら130℃で更に3時間攪拌した。その後、冷却し、圧力を大気圧とした後、生成物を濾過し、式(1)で表されるケイ酸エステルを含む2758.3kgの黄色油状物を得た。得られた油状物をガスクロマトグラフィーにより分析した。得られた油状物は、ゲラニオール3つとSMCが1つ置換したケイ酸エステルであった。
実施例1〜5、比較例1〜4
表1に示すヘアコンディショナーを下記の方法に従って調製した。
これらのヘアコンディショナーについて、以下の方法及び基準に従って保存安定性及びニオイの評価を行った。
〔調製方法〕
実施例1〜5、比較例2〜4の製造方法
(1)500mLのビーカーを用い、55℃に加熱したイオン交換水にジプロピレングリコールを添加して水相を得た。
(2)別途、成分(B)及び成分(C)を80℃で混合・溶解して油相を得た。
(3)上記(1)で得られた水相を55℃に保ちながら、上記(2)の油相を添加し、約20分攪拌(HEIDON スリーワンモーター BL600、速度250r/min)して乳化した後、シリコーンを撹拌しながら添加し、45〜50℃まで冷却した。
(4)45℃で成分(A)及び成分(D)を撹拌しながら添加して30℃まで冷却攪拌し、ヘアコンディショナーを得た。
比較例1の製造方法
(1)500mLのビーカーを用い、55℃に加熱したイオン交換水にジプロピレングリコールを添加して水相を得た。
(2)別途、成分(A)、(B)、(C)、及び(D)を80℃で混合・溶解して油相を得た。
(3)上記(1)で得られた水相を55℃に保ちながら、上記(2)の油相を添加し、約20分攪拌(HEIDON スリーワンモーター BL600、速度200r/min)して乳化した後、シリコーンを撹拌しながら添加し、30℃まで冷却攪拌し、ヘアコンディショナーを得た。
表1に示す処方のヘアコンディショナー(賦香サンプル)を前記調製方法に従って調製した。
調製した賦香サンプルを脱泡し、110mLのガラス瓶に入れ、30℃の恒温槽に漬けた。サンプル内部の温度が30℃になった時点で、B8R型粘度計(ヘリカルスタンド付き,ローターNo.T-C,10rpm,1分)で粘度を測定した。
〔粘度変化率〕
表1に示す処方のヘアコンディショナー(賦香サンプル)、及びそれらの処方から香料(成分(A)及び(D))を除いたヘアコンディショナー(未賦香サンプル)を、それぞれ前記調製方法に従って調製した。
調製した賦香サンプル及び未賦香サンプルを脱泡し、110mLのガラス瓶に入れ、30℃の恒温槽に漬けた。サンプル内部の温度が30℃になった時点で、B8R型粘度計(ヘリカルスタンド付き,ローターNo.T-C,10rpm,1分)で粘度を測定した。これらの測定値から、下記式に基づいて賦香前後の粘度変化率を算出し、表1に示した。
粘度変化率=(賦香サンプルの粘度)/(未賦香サンプルの粘度)
〔匂いの快適性〕
製造直後の各サンプルで以下の評価を行った。
中国人毛ヘアトレス(化学処理なし)20gを以下に示す未賦香のシャンプーで1分間洗浄した後、1分間水ですすぐ。このトレスに表1又は2に示すヘアコンディショナー1.5gを塗布後1分間指でなじませ続け、この際における匂い強度を評価した。
その後上記トレスを1分間40℃の水道水ですすぎ、タオルドライの後、室温で24時間放置して乾燥させ、匂い強度を評価した。
匂い強度の評価は、7名の専門パネラーがヘアトレスの匂いを直接嗅ぎ、「強すぎる」、「ちょうどよい」、「弱すぎる」のいずれかを択一的に選択することで行った。表1にそれぞれの選択人数を順に示した。
未賦香のシャンプー処方
成分 含有量(質量%)
ラウレス硫酸ナトリウム 15.5
ラウラミドDEA 1.5
安息香酸ナトリウム 0.5
EDTA-2Na 0.3
リン酸 pH7
イオン交換水 バランス
合計 100
Figure 0006823388
*1:製造例1で合成されたケイ酸エステル
*2:ベヘントリモニウムクロリド(58重量%)(花王社製,Q2285E-E)
*3:ステアロキシプロピルトリモニウムクロリド(45重量%)(花王社製,Q-E80K)
*4:ベヘントリモニウムメトサルフェート(25重量%)(クローダジャパン社製,インクロアットベヘニルTMS-PA-MH)
*5:花王社製,カルコール8098
*6:ゲラニオールとリモネンの混合香料(5:1)
*7:ジメチルシロキサン(信越化学工業株式会社 社製,KHS-3)

Claims (12)

  1. 次の成分(A)〜(E)を含む全成分のうち、成分(A)及び(D)以外の成分を混合して乳化した後、0℃以上60℃以下の温度で成分(A)及び(D)を加えて混合する、成分(A)と成分(D)との合計含有量が4質量%以下、成分(A)と成分(D)の合計量に対する成分(A)の質量比が0.2を超え0.8未満である、洗い流して使用される毛髪化粧料の製造方法。
    (A) 一般式(1)で表されるケイ酸エステル
    Figure 0006823388
    〔式中、R1は置換基としてフェニル基、水酸基又はアルコキシ基を有していてもよい総炭素数1以上22以下の脂肪族炭化水素基を示し、R2は炭素数3以上40以下の香料アルコールから水酸基1個を除いた残基を示し、nは0以上3以下の整数を示す。4−n個のR2は同一でも異なってもよい。〕
    (B) 第4級アンモニウム塩型カチオン界面活性剤
    (C) 炭素数16〜22の脂肪族アルコール
    (D) 香料化合物(ただし、成分(A)及び成分(C)を除く)
    (E) 水
  2. 毛髪化粧料中の成分(A)と成分(D)との合計含有量が0.4質量%以上である請求項1に記載の製造方法。
  3. 一般式(1)中のR2の炭素数が9以上14以下である請求項1又は2に記載の製造方法。
  4. 一般式(1)中のR2の少なくとも1つが、1級アルコールである香料アルコールから導かれたものである請求項1〜3のいずれか1項に記載の製造方法。
  5. 1級アルコールがゲラニオールである請求項4に記載の製造方法。
  6. 成分(A)の含有量が、0.08質量%以上3.2質量%以下である請求項1〜5のいずれか1項に記載の製造方法。
  7. 成分(B)の含有量が、0.05質量%以上20質量%以下である請求項1〜6のいずれか1項に記載の製造方法。
  8. 成分(C)の含有量が、0.5質量%以上20質量%以下である請求項1〜7のいずれか1項に記載の製造方法。
  9. 成分(C)と成分(B)のモル比(C)/(B)が、1.0以上10.0以下である請求項1〜8のいずれか1項に記載の製造方法。
  10. 毛髪化粧料の30℃における粘度が1,000mPa・s以上120,000mPa・s以下である請求項1〜9のいずれか1項に記載の製造方法。
  11. 成分(E)を50℃以上100℃以下に加熱し、成分(B)及び融点以上に加熱した成分(C)を混合して乳化する、請求項1〜10のいずれか1項に記載の製造方法。
  12. 請求項1〜11のいずれか1項に記載の製造方法で得られた毛髪化粧料を毛髪に塗布し、洗い流す毛髪化粧料の使用方法。
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