実施の形態1.
図1は、実施の形態1に係る布団乾燥機を示す斜視図である。図2は、実施の形態1に係る布団乾燥機の図1のA−A断面を示す断面図である。図3は、実施の形態1に係る布団乾燥機の取っ手を伸ばした状態を示す斜視図である。布団乾燥機1は、ケーシング2と、送風機3(本発明の送風手段に該当する)と、ヒーター4と、風圧センサ5と、制御部7と、複数のルーバー6を備えている。
ケーシング2は、中空であり内部空間21aに繋がる開口である吸気口23が側面に形成された本体部21と、筒型形状であり一方の端部は本体部21と一体化し他方の端部には内部空間22aに繋がる開口である吹出口24が形成された吹出部22より構成されている。本体部21の内部空間21aと吹出部22の内部空間22aは繋がっており、これらの内部空間21a,22aによって吸気口23から吹出口24に繋がる風路25がケーシング2の内部形成されている。
本体部21の上面には、操作部26が設けられている。使用者は、この操作部26を操作することによって、少なくとも布団乾燥機1の運転開始と運転停止を行うことができる。実施の形態1では、操作部26はダイヤル式であり、ダイヤルを回転させて位置を変更することによって、使用者は布団乾燥機1の運転開始と運転停止の操作を行うことができる。なお、操作部26は、ダイヤル式に関わらず、スイッチを備えスイッチを押すことによって使用者が布団乾燥機の運転開始と運転停止の操作を行うことができるスイッチ式であっても構わない。
また、吹出部22には取っ手27が設けられている。取っ手27は、吹出部22の両側面に配置され長手方向が吹出口24の開口面に対して略垂直に延びる長尺部27aと、長尺部27aの吹出口24側の端部を吹出部22の上方を介して連結するハンドル部27bより構成されている。また、吹出部22の側面は、図3に示すように、長尺部27aが吹出口24の開口面に対して略垂直方向に移動できるような構造になっている。このような構造としては、例えば吹出部22の側面に吹出口24の開口面に対して垂直な溝が形成され、長尺部27aの本体部21側の端部に吹出部22に向かって突出する突起が形成され、長尺部27aの突起が吹出部22の溝に沿って移動可能なように当該溝に挿入される構造が挙げられる。
ケーシング2の内部には、送風機3と、ヒーター4と、風圧センサ5と、制御部7と、ルーバー6がそれぞれ設けられている。送風機3は、風路25内に設けられており、動作時に風路25内に吸気口23から吹出口24へ向かう気流を発生させて、吸気口23から吹出口24へ空気を送風する。このため、送風機3が駆動すると、空気が吸気口23から吸い込まれ、吸込まれた空気は風路25を経由して吹出口24より吹き出される。実施の形態1では、送風機3は、風路25内に設けられたファン31と、ファン31を回転させるファンモータ32により構成されており、ファンモータ32に電力が供給されるとファン31は回転し、ファン31の回転によって風路25内に吸気口23から吹出口24へ向かう気流が発生する。また、この吸気口23から吹出口24へ向かう気流の風量を、送風量Qと称する。
ヒーター4は、風路25内に設けられており、動作時には風路25内の空気の加熱を行う。実施の形態1では、ヒーター4はPTC(Positive Temperature Coeffcient)ヒーターまたはニクロム線ヒーターであり、電力が供給されることによって発熱し、風路25内の空気を加熱することができる。また、布団乾燥機1は、送風機3とヒーター4を同時に動作させることで、送風機3が吸気口23より吸込んだ空気をヒーター4で加熱し、加熱された空気を温風として吹出口24より吹き出すことができる。
風圧センサ5は、風路25内に設けられており、送風機3によって発生する気流の風圧値Hを測定するセンサである。なお、一般的に風圧値は風速の二乗に比例するため、風圧センサ5の代わりに風路25内の風速を測定する風速センサを用いても構わない。
ルーバー6は板状の部材であり、吹出口24の近傍に設けられており、吹出口24の開口面に対して略垂直に設置されている。ルーバー6を備えることによって、吹出口24より吹き出す温風を直進させることができる。なお、ルーバー6は、風圧センサ5よりも吹出口24側に設置されている。
図4は、実施の形態1に係る布団乾燥機のブロック線図である。制御部7は、本体部21の内部に設けられており、少なくとも、操作情報取得部71と、風圧値取得部72と、記憶部73と、風圧値判定部74と、送風機制御部75(本発明の送風手段制御部に該当)と、ヒーター制御部76と、タイマー77を備えている。制御部7は例えばマイクロコントローラ等が該当する。
操作情報取得部71は、操作部26と接続されており、操作部26で使用者によって行われた操作の情報を取得する。なお、操作部26が制御部7に直接設けられており、操作部26と操作情報取得部71が一体になっていても良い。
風圧値取得部72は、風圧センサ5と接続されており、風圧センサ5が測定した風圧値Hを取得する。また、風圧値取得部72が風圧値Hを取得するタイミングは後述するタイマー77が測定する経過時間Tに基づく。
記憶部73は、少なくとも閾風圧変化量ΔHT(本発明の第1の閾風圧変化量ΔHT1に該当)と、過去風圧値Hbとを記憶する。このような記憶部73としては例えばメモリが挙げられる。閾風圧変化量ΔHTは、送風機3の送風量Qが負荷に対して過大であるかを後述する風圧値判定部74が判定するために用いられる予め定められた正の値である。閾風圧変化量ΔHTの決定方法としては、布団乾燥機1の製造者が所定の値に決定する方法や、使用者が操作部26を用いて決定する方法が挙げられる。また、過去風圧値Hbは過去に風圧値取得部72で取得した風圧値であり、任意のタイミングで更新される値である。
風圧値判定部74は、風圧値取得部72で取得した風圧値Hと、記憶部73に記憶されている閾風圧変化量ΔHT並びに過去風圧値Hbを基づき、送風機3の送風量Qが負荷に対して過大であるか否かの判定を行う。具体的には、風圧値判定部74は、風圧値Hと過去風圧値Hbの差である風圧変化量ΔHをΔH=Hb−Hの計算式より算出し、算出した風圧変化量ΔHと閾風圧変化量ΔHTを比較してΔH≧ΔHTの条件を満たすか否かを判定する。風圧値判定部74は、条件を満たす場合(ΔH≧ΔHT)には送風機3の送風量Qが負荷に対して過大であると判定し、条件を満たさない場合(ΔH<ΔHT)には送風機3の送風量Qが負荷に対して適切であると判定する。なお、ΔH≧ΔHTの条件を満たすか否かを判定することによって、送風量Qが負荷に対して過大であるか否かを判定することができる理由については、後述の布団乾燥機1の動作説明の際に説明する。
送風機制御部75は、操作情報取得部71で取得した操作の情報と、風圧値判定部74の判定結果に基づいて送風機3の制御を行う。具体的には、送風機制御部75はサイリスタ等のスイッチング素子を有しており、スイッチング素子のオン・オフ時間の比率や位相を制御して電源100から供給される電圧及び電流を変換し、送風機3のファンモータ32に供給することで、送風機3の運転を制御する。ここで電源100としては、例えば商用電源やバッテリーなどが挙げられ、布団乾燥機1は送風機制御部75と電源100とを電気的に接続する電気配線を有している。また、送風機制御部75は、ファンモータ32に供給する電圧値Vを予め決められた複数段階の設定電圧値に変更することができ、実施の形態1では、第1の設定電圧値Vl1、第2の設定電圧値Vl2、第3の設定電圧値Vl3の三段階に変更することができ、それぞれVl1>Vl2>Vl3の関係を満たす値に設定されている。なお、送風機3の送風量Qはファン31の回転数が多いほど送風量Qが多くなり、ファン31の回転数はファンモータ32に供給される電圧値Vが高いほど多くなるため、送風機3の送風量Qはファンモータ32に供給される電圧値Vが高いほど多くなる。
ヒーター制御部76は、操作情報取得部71で取得した操作の情報に基づいてヒーター4の制御を行う。具体的には、ヒーター制御部76はスイッチであり、布団乾燥機1が動作している間はヒーター4に電源100からの電力を供給してヒーター4を発熱させて風路25内の空気を加熱し、布団乾燥機1が停止している間はヒーター4に電源100からの電力の供給を停止する。
タイマー77は経過時間Tの測定を行い、経過時間Tが予め定められた時間であるサンプリング時間TBを経過したか(T≧TB)の判定を行う。また、タイマー77は経過時間Tがサンプリング時間TBを経過したと判定した場合(T≧TB)、経過時間Tをリセットし、新たに経過時間Tの測定を行う。
図5は、実施の形態1に係る布団乾燥機の送風量制御のフローチャートである。次に布団乾燥機1の送風量制御について説明をする。なお、図5のスタートの段階では、送風機3のファンモータ32は駆動しておらず、布団乾燥機1は停止している状態である。
まず、ステップS1では、使用者が操作部26を操作して、布団乾燥機1の運転を開始させる。ステップS1が終了後、ステップS2に進み、ステップS2では操作情報取得部71がステップS1の操作の情報を取得する。ステップS2の処理の終了後、ステップS3に進み、ステップS3では送風機制御部75は送風機3を動作させ、ヒーター制御部76はヒーター4を動作させる。また、ステップS3において、送風機制御部75は、ファンモータ32に供給する電圧値Vが、設定電圧値の中でも最も送風量Qが多くなる第1の設定電圧値Vl1になるように制御を行う。
ステップS3の処理が終了後、ステップS4に進み、ステップS4では風圧値取得部72は風圧センサ5が測定した風圧値Hを取得する。ステップS4の処理が終了後、ステップS5に進み、ステップS5では、記憶部73はステップS4で取得した風圧値Hを過去風圧値Hbとして新たに記憶する。
ステップS5の処理が終了後、ステップS6へ進み、ステップS6では、タイマー77が経過時間Tをリセットし新たに経過時間Tの測定を開始する。ステップS6の処理が終了後、ステップS7へ進み、ステップS7では、タイマー77は経過時間Tがサンプリング時間TBを経過したか否かの判定を行うために、経過時間Tとサンプリング時間TBを比較してT≧TBの条件を満たすか否かを判定する。ステップS7で、比較の結果T<TBであり経過時間Tはサンプリング時間TBを経過していないとタイマー77が判定した場合(ステップS7、NO)は再びステップS7の判定に戻る。ステップS7で、比較の結果T≧TBであり経過時間Tはサンプリング時間TBを経過したとタイマー77が判定した場合(ステップS7、YES)はステップS8へ進む。
ステップS8では、風圧値取得部72は風圧センサ5が測定した風圧値Hを取得する。ステップS8の処理が終了後、ステップS9に進み、ステップS9では、風圧値判定部74がステップS8で取得した風圧値HとステップS5又は後述するステップS14で記憶部73が記憶した過去風圧値Hbの差である風圧変化量ΔHをΔH=Hb−Hの計算式より算出する。つまり、ステップS9では、サンプリング時間TB前に風圧値取得部72が取得した風圧値Hより、最も新しく風圧値取得部72が取得した風圧値Hを減算することによってサンプリング時間TBの間の風圧変化量ΔHを算出している。ステップS8の処理が終了後、ステップS10へ進み、ステップS10では風圧値判定部74はステップS9で算出した風圧変化量ΔHと記憶部73に記憶されている閾風圧変化量ΔHTを比較してΔH≧ΔHTの条件を満たすか否かを判定することで、送風機3の送風量Qが負荷に対して過大か否かを判定している。
ステップS10においてΔH≧ΔHTの条件を満たす場合(ステップS10、YES)、つまり送風機3の送風量Qが負荷に対して過大である場合は、ステップS11に進む。ステップS11では、送風機制御部75は送風機3の送風量Qを低下させるよう制御する。具体的には、送風機制御部75は、例えば現在の電圧値Vが第1の設定電圧値Vl1である場合は制御後の電圧値Vが第2の設定電圧値Vl2に変更するなど、ファンモータ32に供給する電圧値Vを低下させる。ステップS11の処理が終了後、ステップS12に進み、ステップS12では送風機制御部75は送風機3がこれ以上送風量を下げることができない否かを判定する。具体的には、送風機制御部75は、現在の電圧値Vが設定電圧値の中でも最も小さな第3の設定電圧値Vl3に設定されているなど、ファンモータ32に供給する電圧値Vをこれ以上低下できない場合は、これ以上送風量を下げることができないと判定する。ステップS12で送風量をこれ以上下げることができると送風機制御部75が判定した場合(ステップS12、NO)、ステップS13に進み、ステップS13では風圧値取得部72は風圧センサ5が測定した風圧値Hを取得する。ステップS13の処理が終了後、ステップS14に進み、ステップS14では、記憶部73はステップS13で取得した風圧値Hを過去風圧値Hbとして新たに記憶する。ステップS14の処理が終了後、ステップS6に戻り、タイマー77が再び経過時間Tをリセットし新たに経過時間Tの測定を開始する。
ステップS12において、送風量をこれ以上下げることができないと送風機制御部75が判定した場合(ステップS12、YES)、送風量制御を終了し、布団乾燥機1は送風機3の送風量が最小の状態で運転を続ける。
ステップS10においてΔH≧ΔHTの条件を満たさない場合(ステップS10、NO)、つまり送風機3の送風量Qが負荷に対して適切である場合は、ステップS14に進む。ステップS14では、記憶部73はステップS8で取得した風圧値Hを過去風圧値Hbとして新たに記憶する。ステップS13の処理が終了後、ステップS6に戻り、タイマー77が再び経過時間Tをリセットし新たに経過時間Tの測定を開始する。
図6は、実施の形態1に係る布団乾燥機の配置状況を示す斜視図である。図7は、実施の形態1に係る布団乾燥機の使用時の風圧値Hのタイムチャートである。図8は、実施の形態1に係る布団乾燥機の使用時のファンモータに供給される電圧値Vのタイムチャートである。図9は、実施の形態1に係る布団乾燥機の使用時の送風量Qのタイムチャートである。次に、布団乾燥機1の使用時の動作について図5のフローチャートと、図6の斜視図と、図7から図9のタイムチャートを用いて説明する。なお、図7から図9におけるタイムチャートで、動作の説明に係る所定の時間をそれぞれ時間T0、時間T1・・・時間T14と称する。また、各時間における風圧値Hをそれぞれ風圧値H0、風圧値H1・・・風圧値H14と称し、各時間における電圧値Vをそれぞれ電圧値V0、電圧値V1・・・電圧値V14と称し、各時間における送風量Qをそれぞれ送風量Q0、送風量Q1・・・送風量Q14と称する。
まず、使用者は、図6に示すように敷き布団200と掛け布団300との間に布団乾燥機1の吹出部22を挿入する。また、使用者は、布団乾燥機1の本体部21については敷き布団200と掛け布団300との間に挿入しない。このように布団乾燥機1を配置することにより、吹出口24から吹き出す空気は敷き布団200と掛け布団300の間の空間に送風され、吸気口23は敷き布団200と掛け布団300の周辺の空気を吸い込み、敷き布団200と掛け布団300の間の空間より空気を吸い込まない。なお、布団乾燥機1は敷き布団200又は掛け布団300の端部より挿入されており、布団乾燥機1が挿入されている端部を設置側端部14と称し、設置側端部14と逆側の端部を、逆側端部15と称する。
次に使用者は、操作部26を操作して布団乾燥機1の運転を開始させる(ステップS1)。ここで使用者が布団乾燥機1の運転を開始させた時間を図7から図9のタイムチャートの時間T0とする。使用者が操作部26を操作すると、操作情報取得部71が操作の情報を取得し(ステップS2)、送風機制御部75は送風機3を動作させ、ヒーター制御部76はヒーター4を動作させる(ステップS3)。送風機制御部75は、ファンモータ32に供給する電圧値Vを上昇させ、時間T1に第1の設定電圧値Vl1に達し、ステップS11の処理が行われるまでは電圧値Vは第1の設定電圧値Vl1で一定となる。また、電圧値Vの上昇に伴い、送風量Q及び風圧値Hも上昇する。
送風機3及びヒーター4の動作が行われると、送風機3が吸気口23より空気を吸い込み、吸い込まれた空気は風路25を流れヒーター4で加熱され、加熱された空気は温風として吹出口24より吹き出される。布団乾燥機1は、この吹出口24より吹き出す温風によって敷き布団200と掛け布団300を乾燥させる。
送風機3及びヒーター4の動作開始後、風圧値取得部72は時間T1において風圧センサ5が測定した風圧値H1を取得する(ステップS4)。さらに記憶部73は風圧値取得部72が取得した時間T1における風圧値H1を過去風圧値Hbとして新たに記憶する(ステップS5)。
次に、タイマー77が経過時間Tをリセットして新たに経過時間Tの測定を開始する(ステップS6)。時間T1よりサンプリング時間TBが経過した時間である時間T2になるとT≧TBの条件を満たす(ステップS7、YES)ため、風圧値取得部72は時間T2において風圧センサ5が測定した風圧値H2を取得する(ステップS8)。
次に風圧値判定部74が風圧値取得部72で取得した時間T2における風圧値H2と、記憶部73に過去風圧値Hbとして記憶されている時間T1における風圧値H1より、時間T1から時間T2までにおける風圧変化量ΔH12をΔH12=H1−H2の式より算出する(ステップS9)。図7より時間T2における風圧値H2は、時間T1における風圧値H1よりも上昇している。これは、吹出口24から吹き出された温風は逆側端部15に向けて進む際に、温風は掛け布団300を持ち上げて吹出口24から逆側端部15に向かう風路を形成するため、温風が通過する風路が広がるにつれて掛け布団300を持ち上げる面積が増え、送風機3にかかる負荷も増え、負荷と共に風圧値Hも増加するからである。このため、風圧変化量ΔH12は負の値であり、正の値である閾風圧変化量ΔHT未満であるので、風圧値判定部74はΔH≧ΔHTの条件を満たさず、送風量Qは負荷に対して適切であると判定する(ステップS10、NO)。そして、記憶部73は時間T2における風圧値H2を過去風圧値Hbとして新たに記憶し(ステップS14)、タイマー77が経過時間Tをリセットして新たに経過時間Tの測定を開始する(ステップS6)。
時間T2よりサンプリング時間TBが経過した時間である時間T3になると、T≧TBの条件を満たす(ステップS7、YES)ため、風圧値取得部72は時間T3において風圧センサ5が測定した風圧値H3を取得する(ステップS8)。そして、風圧値判定部74が風圧値取得部72で取得した時間T3における風圧値H3と、記憶部73に過去風圧値Hbとして記憶されている時間T2における風圧値H2より、時間T2から時間T3までにおける風圧変化量ΔH23をΔH23=H2−H3の式より算出する(ステップS9)。
ここで布団乾燥機1の第1の設定電圧値Vl1がファンモータ32に供給された場合の送風量Qは、掛け布団300による負荷に対して過大であり、時間T2から時間T3の間に、吹出口24から吹き出された温風が掛け布団300を持ち上げて形成する風路が逆側端部15まで到達し、温風が掛け布団300の逆側端部15を持ち上げて敷き布団200と掛け布団300の間に隙間が形成されるとする。この隙間により温風が敷き布団200と掛け布団300の間の空間から漏れ出し温風漏れが発生するため、送風機3にかかる負荷は大幅に減少して、図7に示すように風圧値Hが大幅に減少し、図9に示すように時間T1より一定であった送風量Qは増加する。また、漏れ出した温風は敷き布団200及び掛け布団300の乾燥に寄与しないため、隙間が形成されることによって乾燥の効率が下がってしまう。
しかしながら、実施の形態1の布団乾燥機1では、風圧値判定部74が算出した風圧変化量ΔH23は閾風圧変化量ΔHT以上であるため、ΔH≧ΔHTの条件を満し、風圧値判定部74は送風量Qが負荷に対して過大であると判定し(ステップS10、YES)、送風機制御部75はファンモータ32に供給する電圧値Vを第1の設定電圧値Vl1から第2の設定電圧値Vl2に低下させ、送風機3の送風量Qを低下させるように制御する(ステップS11)。時間T3から時間T4の間で電圧値Vを第2の設定電圧値Vl2まで低下させ送風量を減らすことによって、時間T4の時点では送風量Qは掛け布団300による負荷に対して適切になるので、敷き布団200と掛け布団300の間に生じた隙間は塞がり温風漏れが無くなる。
このため、実施の形態1の布団乾燥機1では、風圧変化量ΔHと閾風圧変化量ΔHTとを比較することによって、送風量Qが掛け布団300の負荷に対して過大であり敷き布団200と掛け布団300の間に隙間が生じたことを判定することができる。さらに実施の形態1の布団乾燥機は、送風量Qが掛け布団300の負荷に対して過大であると判定した際に、送風量Qを下げるため、敷き布団200と掛け布団300の間に生じた隙間を塞ぎ温風漏れを防ぐことができ、効率的に布団を乾燥することができる。
送風機制御部75は、第2の設定電圧値Vl2よりも小さな第3の設定電圧値Vl3に設定が可能であり、送風量Qはまだ下げることができるため(ステップS12、NO)、風圧値取得部72は時間T4において風圧センサ5が測定した風圧値H4を取得し(ステップS13)、記憶部73は時間T4における風圧値H4を過去風圧値Hbとして新たに記憶し(ステップS14)、タイマー77が経過時間Tをリセットして新たに経過時間Tの測定を開始する(ステップS6)。
時間T4から時間T9までは、それぞれサンプリング時間TBだけ間隔が空けられており、それぞれの時間の間(例えばT4からT5の間)では、図5のフローチャートのステップS6からステップS14までの一連の処理が行われている。図7に示すように風圧値H4からH9は略一定であるため、ΔH≧ΔHTの条件を満たしておらず(ステップS10、NO)、送風量Q4からQ9も略一定であり、電圧値V4からV9も略一定である。
時間T4から時間T9までの間も、布団乾燥機1は敷き布団200と掛け布団300の間に温風を吹き出しており、敷き布団200と掛け布団300に含まれる水分が蒸発して乾燥されている。掛け布団300に含まれる水分が蒸発すると掛け布団300が軽くなり、掛け布団300による送風機3の負荷は蒸発した水分量に比例して少なくなる。このため、時間T3と時間T4の間で低下させた送風量Qであっても、掛け布団300の乾燥が進むと、送風量Qが掛け布団300の負荷に対して過大になってしまい、時間T9と時間T10の間で、再び敷き布団200と掛け布団300の間に隙間が生じてしまうことがある。
しかしながら、実施の形態1の布団乾燥機1では、図5のフローチャートのステップS6からステップS13までの一連の処理を継続しているため、風圧値取得部72が時間T10において風圧センサ5が測定した風圧値H10を取得し(ステップS8)、風圧値H3と、記憶部73に過去風圧値Hbとして記憶されている時間T9における風圧値H9より、時間T9から時間T10までにおける風圧変化量ΔH910をΔH910=H9−H10の式より算出し(ステップS9)、算出した風圧変化量Δ910は閾風圧変化量ΔHT以上であるため風圧値判定部74は送風量Qが負荷に対して過大であると判定し(ステップS10、YES)、送風機制御部75はファンモータ32に供給する電圧値Vを第2の設定電圧値Vl2から第3の設定電圧値Vl3に低下させ、送風機3の送風量Qをさらに低下させるように制御する(ステップS11)。
このため、実施の形態1の布団乾燥機1は、乾燥の途中で掛け布団300の水分量が少なくなり敷き布団200と掛け布団300の間に隙間が生じて乾燥効率が悪くなっても、送風量Qを更に下げるため、敷き布団200と掛け布団300の間に生じた隙間を塞ぎ温風漏れを防ぐことができ、効率的に布団を乾燥することができる。
第3の設定電圧値Vl3よりも低い設定電圧は無く、送風機制御部75は第3の設定電圧値Vl3よりも小さな電圧値に設定することできずこれ以上送風量Qを下げることができないため(ステップS12、YES)、送風量制御を終了し、布団乾燥機1は第3の設定電圧値Vl3がファンモータ32に供給された状態で運転を続ける。
以上のように、実施の形態1の布団乾燥機1では、風圧値Hのサンプリング時間TBの間の変化量である風圧変化量ΔHが予め定められた閾風圧変化量ΔHT以上である場合は、送風機3の送風量を下げる。このため、実施の形態1の布団乾燥機1は敷き布団200と掛け布団300の間に隙間が生じ温風漏れが発生したことを風圧変化量ΔHに基づいて検知し、送風機3の送風量を下げて隙間を塞ぐことができる。従って、実施の形態1の布団乾燥機1は、重さや大きさが異なり送風手段への負荷が異なる布団を1台で効率的に乾燥させることができる。
なお、実施の形態1の布団乾燥機1では送風機制御部75が制御可能な設定電圧値は三段階であるが、これに限らず電圧値Vを変更することができればよいので、設定電圧値は二段階又は四段階以上であっても構わない。
また、実施の形態1の布団乾燥機1では、風圧値Hのサンプリング時間TBの間の変化量である風圧変化量ΔHに基づいて温風漏れの発生を検知しているが、これに限らない。風圧変化量ΔH以外の値に基づいて温風漏れの発生を検知する例として、実施の形態1の第1の変形例と第2の変形例でそれぞれ説明する。なお、実施の形態1の第1の変形例及び第2の変形例において、それぞれ風圧センサ5、風圧値取得部72並びに風圧値判定部74に当たる構成と、温風漏れの発生を検知する制御が相違しており、その他の構成及び制御については実施の形態1と略同様であるため、説明を割愛する。
実施の形態1の第1の変形例.
図10は、実施の形態1の第1の変形例に係る布団乾燥機のブロック線図である。まず、実施の形態1の第1の変形例の布団乾燥機1aの構成について説明する。実施の形態1の第1の変形例の布団乾燥機1aでは、風圧センサ5の代わりに電流センサ5aを備え、風圧値取得部72の代わり電流値取得部72aを備え、風圧値判定部74の代わりに電流値判定部74aを備えている。また、実施の形態1の第1の変形例において記憶部73は、少なくとも閾電流変化量ΔIT(本発明の第1の閾電流変化量ΔIT1に該当)と、過去電流値Ibとを記憶する。閾電流変化量ΔITは製造者や使用者によって予め定められた正の値であり、過去電流値Ibは過去に電流値取得部72aが取得した電流値である。
電流センサ5aは、送風機3のファンモータ32に供給される電流値Iを測定するセンサである。
電流値取得部72aは、電流センサ5aと接続されており、電流センサ5aが測定した電流値Iを取得する。また、風圧値取得部72と同様に、電流値取得部72aが電流値Iを取得するタイミングは後述するタイマー77が測定する経過時間Tに基づく。
電流値判定部74aは、電流値取得部72aで取得した電流値Iと、記憶部73に記憶されている閾電流変化量ΔIT並びに過去電流値Ibを基づき、送風機3の送風量Qが負荷に対して過大であるか否かの判定を行う。具体的には、電流値Iと過去電流値Ibの差である電流変化量ΔIをΔI=Ib−Iの計算式より算出し、算出した電流変化量ΔIと閾電流変化量ΔITを比較してΔI≧ΔITの条件を満たすか否かを判定する。電流値判定部74aは、条件を満たす場合(ΔI≧ΔIT)には送風機3の送風量Qが負荷に対して過大であると判定し、条件を満たさない場合(ΔI<ΔIT)には送風機3の送風量Qが負荷に対して適切であると判定する。
図11は、実施の形態1の第1の変形例に係る布団乾燥機の送風量制御のフローチャートである。次に実施の形態1の第1の変形例に係る布団乾燥機1aの送風量制御について説明する。図11のスタートの段階では布団乾燥機1aは停止している状態である。なお、ステップS1aからステップS3aまでの処理は実施の形態1のステップS1からステップS3までの処理と同様であるため、説明を割愛する。
ステップS3aの処理が終了後、ステップS4aに進み、ステップS4aでは電流値取得部72aは電流センサ5aが測定した電流値Iを取得する。ステップS4aの処理が終了後、ステップS5aに進み、ステップS5aでは、記憶部73はステップS4aで取得した電流値Iを過去電流値Ibとして新たに記憶する。
ステップS5aの処理が終了後、ステップS6aへ進み、ステップS6aでは実施の形態1のステップS6と同様に経過時間Tをリセットし新たに経過時間Tの測定を開始する。ステップS6aの処理が終了後、ステップS7aへ進み、ステップS7aでは実施の形態1のステップS7と同様に経過時間Tとサンプリング時間TBを比較してT≧TBの条件を満たすか否かを判定する。ステップS7aで条件を満たしていないと判定した場合(ステップS7a、NO)は再びステップS7aの判定に戻り、条件を満たしていると判定した場合(ステップS7a、YES)はステップS8aに進む。
ステップS8aでは電流値取得部72aは電流センサ5aが測定した電流値Iを取得する。ステップS8aの処理が終了後、ステップS9aに進み、ステップS9aでは、電流値取得部72aが取得した電流値IとステップS5a又は後述するステップS14aで記憶部73が記憶した過去電流値Ibの差である電流変化量ΔIをΔI=Ib−Iの計算式より算出する。つまり、ステップS9aでは、サンプリング時間TB前に電流値取得部72aが取得した電流値Iより、最も新しく電流値取得部72aが取得した電流値Iを減算することによってサンプリング時間TBの間の電流変化量ΔIを算出している。ステップS9aの処理が終了後、ステップS10aへ進み、ステップS10aでは電流値判定部74aはステップS9aで算出した電流変化量ΔIと記憶部73に記憶されている閾電流変化量ΔITを比較してΔI≧ΔITの条件を満たすかを判定している。
ステップS10aにおいて、ΔI≧ΔITの条件を満たす場合(ステップS10a、YES)はステップS11aに進み、ステップS11aでは、実施の形態1のステップS11と同様に、送風機制御部75は送風機3の送風量Qを低下させるように制御する。ステップS11aの処理が終了後、ステップS12aに進み、ステップS12aでは送風機制御部75は送風機3がこれ以上送風量を下げることができないか否かを判定する。ステップS12aで送風量をこれ以上下げることができると送風機制御部75が判定した場合(ステップS12a、NO)、ステップS13に進み、ステップS13aでは電流値取得部72aは電流センサ5aが測定した電流値Iを取得する。ステップS13aの処理が終了後、ステップS14aに進み、ステップS14aでは、記憶部73はステップS13aで取得した電流値Iを過去電流値Ibとして新たに記憶する。ステップS14aの処理が終了後、ステップS6aに戻る。
ステップS12aにおいて、送風量をこれ以上下げることができないと送風機制御部75が判定した場合(ステップS12a、YES)、送風量制御を終了し、布団乾燥機1aは送風機3の送風量が最小の状態で運転を続ける。
ステップS10aにおいてΔI≧ΔITの条件を満たさない場合(ステップS10a、NO)は、ステップS14aに進む。ステップS14aでは、記憶部73はステップS8aで取得した電流値Iを過去電流値Ibとして新たに記憶する。ステップS14aの処理が終了後、ステップS6aに戻る。
図12は、実施の形態1の第1の変形例に係る布団乾燥機の使用時の電流値Iのタイムチャートである。図12において時間T0、時間T1・・・時間T14毎における電流値Iをそれぞれ電流値I0、電流値I1・・・電流値I14と称する。次に、布団乾燥機1aの使用時の動作について説明する。なお、実施の形態1の第1の変形例に係る布団乾燥機1aの配置は、実施の形態1の布団乾燥機1と同様に図6のように配置されるため、説明を割愛する。また、実施の形態1の第1の変形例に係る布団乾燥機1aの電圧値V並びに送風量Qは後述するように実施の形態1の布団乾燥機1と略同様のグラフとなるため、図8並びに図9を用いて説明を行う。
時間T0において、使用者が図6のように敷き布団200と掛け布団300の間に布団乾燥機1aの吹出部22を挿入し、操作部26を操作して布団乾燥機1aの運転を開始させる(ステップS1a)。操作情報取得部71が操作の情報を取得し(ステップS2a)、送風機制御部75は送風機3を動作させ、ヒーター制御部76はヒーター4を動作させる(ステップS3a)。送風機制御部75は、時間T1に電圧値Vは第1の設定電圧値Vl1まで上昇し、送風量Q及び電流値Iも上昇する。
電流値取得部72aは時間T1において電流センサ5aが測定した電流値I1を取得する(ステップS4a)。さらに記憶部73は電流値取得部72aが取得した時間T1における電流値I1を過去電流値Ibとして新たに記憶する(ステップS5a)。
次にタイマー77が新たに経過時間Tの測定を開始し(ステップS6a)、時間T1よりサンプリング時間TBが経過した時間である時間T2になるとT≧TBの条件を満たす(ステップS7a、YES)ため、電流値取得部72aは時間T2において電流センサ5aが測定した電流値I2を取得する(ステップS8a)。
次に電流値判定部74aが電流値取得部72aで取得した時間T2における電流値I2と、記憶部73に過去電流値Ibとして記憶されている時間T1における電流値I1より、時間T1から時間T2までにおける電流変化量ΔI12をΔI12=I1−I2の式より算出する(ステップS9a)。図12より時間T2における電流値I2は、時間T1における電流値I1よりも上昇している。これは、ファンモータ32に供給される電流値Iは、電圧値Vが一定の場合において送風機3にかかる負荷の変動と共に変化するからであり、このため電流値Iは実施の形態1で示した風圧値Hと略同様の変化を示す。従って、電流変化量ΔI12は負の値であり、閾電流変化量ΔIT未満であるので、送風量Qは負荷に対して適切であると電流値判定部74aは判定する(ステップS10a、NO)。そして、記憶部73は時間T2における電流値I2を過去電流値Ibとして新たに記憶し(ステップS13a)、タイマー77が新たに経過時間Tの測定を開始する(ステップS6a)。
時間T2よりサンプリング時間TBが経過した時間である時間T3になると、T≧TBの条件を満たす(ステップS7a、YES)ため、電流値取得部72aは時間T3において電流センサ5aが測定した電流値I3を取得する(ステップS8a)。そして、電流値判定部74aが電流値取得部72aで取得した時間T3における電流値I3と、記憶部73に過去回転数Nbとして記憶されている時間T2における電流値I2より、時間T2から時間T3までにおける電流変化量ΔI23をΔH23=I2−I3の式より算出する(ステップS9a)。実施の形態1と同様に、時間T2から時間T3の間に、逆側端部15側の敷き布団200と掛け布団300に隙間が形成され温風漏れが発生したとする。温風漏れにより送風機3にかかる負荷は大幅に減少し、図11に示すように電流値Iは大幅に減少する。従って、電流値判定部74aが算出した電流変化量ΔI23は閾電流変化量ΔIT以上であるため、電流値判定部74aは送風量Qが負荷に対して過大であると判定し(ステップS10a、YES)、送風機制御部75はファンモータ32に供給する電圧値Vを第1の設定電圧値Vl1から第2の設定電圧値Vl2に低下させ、送風機3の送風量Qを低下させるように制御する(ステップS11a)。このため時間T4の時点では送風量Qは掛け布団300による負荷に対して適切になるので、敷き布団200と掛け布団300の間に生じた隙間は塞がり温風漏れが無くなる。
また、実施の形態1の第1の変形例においても掛け布団300の水分の蒸発によって時間T9と時間T10の間で温風漏れが発生しているが、ステップS6aからステップS14aの一連の制御は続いているため、電流値判定部74aは電流降下量ΔI910をΔI910=I9−I10の式より算出し、電流値判定部74aは電流降下量ΔI910が閾電流変化量ΔIT以上であるため送風量Qが負荷に対して過大であると判定し、送風機制御部75が電圧値を第2の設定電圧値Vl2から第3の設定電圧値Vl3に低下させるので、敷き布団200と掛け布団300の間に生じた隙間は塞がり温風漏れが無くなる。
以上のように、実施の形態1の第1の変形例に係る布団乾燥機1aは、電流値Iのサンプリング時間TBの間の変化量である電流変化量ΔIが予め定められた閾電流変化量ΔIT以下である場合は、送風機3の送風量を下げる。このため、実施の形態1の第1の変形例に係る布団乾燥機1aは、温風漏れが発生したことを電流変化量ΔIに基づいて検知し、送風機3の送風量を下げて温風漏れが生じている隙間を塞ぐことができるため、実施の形態1の布団乾燥機1と同様に重さや大きさが異なり送風手段への負荷が異なる布団を1台で効率的に乾燥させることができる。
実施の形態1の第2の変形例。
図13は、実施の形態1の第2の変形例に係る布団乾燥機のブロック線図である。まず、実施の形態1の第2の変形例の布団乾燥機1bの構成について説明する。実施の形態1の第2の変形例の布団乾燥機1bでは、風圧センサ5の代わりに回転数センサ5bを備え、風圧値取得部72の代わり回転数取得部72bを備え、風圧値判定部74の代わりに回転数判定部74bを備えている。また、実施の形態1の第1の変形例において記憶部73は、少なくとも閾回転数変化量ΔNT(本発明の第1の閾回転数変化量ΔNT1に該当)と、過去回転数Nbとを記憶する。閾回転数変化量ΔNTは製造者や使用者によって予め定められた正の値であり、過去回転数Nbは過去に回転数取得部72bが取得した回転数である。
回転数センサ5bは、送風機3のファン31の回転数Nを測定するセンサである。
回転数取得部72bは、回転数センサ5bと接続されており、回転数センサ5bが測定した回転数Nを取得する。また、風圧値取得部72と同様に、回転数取得部72bが回転数Nを取得するタイミングは後述するタイマー77が測定する経過時間Tに基づく。
回転数判定部74bは、回転数取得部72bで取得した回転数Nと、記憶部73に記憶されている閾回転数変化量ΔNT並びに過去回転数Nbを基づき、送風機3の送風量Qが負荷に対して過大であるか否かの判定を行う。具体的には、回転数Nと過去回転数Nbの差である回転数上昇量ΔNをΔN=N−Nbの計算式より算出し、算出した回転数上昇量ΔNと閾回転数変化量ΔNTを比較してΔN≧ΔNTの条件を満たすか否かを判定する。回転数判定部74bは、条件を満たす場合(ΔN≧ΔNT)には送風機3の送風量Qが負荷に対して過大であると判定し、条件を満たさない場合(ΔN<ΔNT)には送風機3の送風量Qが負荷に対して適切であると判定する。
図14は、実施の形態1の第2の変形例に係る布団乾燥機の送風量制御のフローチャートである。次に実施の形態1の第2の変形例に係る布団乾燥機1bの送風量制御について説明する。
図11のスタートの段階では布団乾燥機1bは停止している状態である。なお、ステップS1bからステップS3bまでの処理は実施の形態1のステップS1からステップS3までの処理と同様であるため、説明を割愛する。
ステップS3bの処理が終了後、ステップS4bに進み、ステップS4bでは回転数取得部72bは回転数センサ5bが測定した回転数Nを取得する。ステップS4bの処理が終了後、ステップS5bに進み、ステップS5bでは、記憶部73はステップS4bで取得した回転数Nを過去回転数Nbとして新たに記憶する。
ステップS5bの処理が終了後、ステップS6bへ進み、ステップS6bでは実施の形態1のステップS6と同様に経過時間Tをリセットし新たに経過時間Tの測定を開始する。ステップS6bの処理が終了後、ステップS7bへ進み、ステップS7bでは実施の形態1のステップS7と同様に経過時間Tとサンプリング時間TBを比較してT≧TBの条件を満たすか否かを判定する。ステップS7bで条件を満たしていないと判定した場合(ステップS7b、NO)は再びステップS7bの判定に戻り、条件を満たしていると判定した場合(ステップS7b、YES)はステップS8bに進む。
ステップS8bでは回転数取得部72bは回転数センサ5bが測定した回転数Nを取得する。ステップS8bの処理が終了後、ステップS9bに進み、ステップS9bでは、回転数取得部72bが取得した回転数NとステップS5b又は後述するステップS14bで記憶部73が記憶した過去回転数Nbの差である回転数上昇量ΔNをΔN=N−Nbの計算式より算出する。つまり、ステップS9bでは、最も新しく回転数取得部72bが取得した回転数Nより、サンプリング時間TB前に回転数取得部72bが取得した回転数Nを減算することによってサンプリング時間TBの間の回転数変化量ΔNを算出している。ステップS9bの処理が終了後、ステップS10bへ進み、ステップS10bでは回転数判定部74bはステップS9bで算出した回転数変化量ΔNと記憶部73に記憶されている閾回転数変化量ΔNTを比較してΔN≧ΔNTの条件を満たすかを判定している。
ステップS10bにおいて、ΔN≧ΔNTの条件を満たす場合(ステップS10b、YES)はステップS11bに進み、ステップS11bでは、実施の形態1のステップS11と同様に、送風機制御部75は送風機3の送風量Qを低下させるように制御する。ステップS11bの処理が終了後、ステップS12bに進み、ステップS12bでは送風機制御部75は送風機3がこれ以上送風量を下げることができないか否かを判定する。ステップS12aで送風量をこれ以上下げることができると送風機制御部75が判定した場合(ステップS12b、NO)、ステップS13bに進み、ステップS13bでは回転数取得部72bは回転数センサ5bが測定した回転数Nを取得する。ステップS13bの処理が終了後、ステップS14bに進み、ステップS14bでは、記憶部73はステップS13bで取得した回転数Nを過去回転数Nbとして新たに記憶する。ステップS14bの処理が終了後、ステップS6bに戻る。
ステップS12bにおいて、送風量をこれ以上下げることができないと送風機制御部75が判定した場合(ステップS12b、YES)、送風量制御を終了し、布団乾燥機1bは送風機3の送風量が最小の状態で運転を続ける。
ステップS10bにおいてΔN≧ΔNTの条件を満たさない場合(ステップS10b、NO)は、ステップS14bに進む。ステップS14bでは、記憶部73はステップS8bで取得した回転数Nを過去回転数Nbとして新たに記憶する。ステップS14bの処理が終了後、ステップS6bに戻る。
図15は、実施の形態1の第2の変形例に係る布団乾燥機の使用時の回転数Nのタイムチャートである。図15において時間T0、時間T1・・・時間T14毎における回転数Nをそれぞれ回転数N0、回転数N1・・・回転数N14と称する。次に、布団乾燥機1bの使用時の動作について説明する。なお、実施の形態1の第2の変形例に係る布団乾燥機1bの配置は、実施の形態1の布団乾燥機1と同様に図6のように配置されるため、説明を割愛する。また、実施の形態1の第2の変形例に係る布団乾燥機1bの電圧値V並びに送風量Qは後述するように実施の形態1の布団乾燥機1と略同様のグラフとなるため、図8並びに図9を用いて説明を行う。
時間T0において、使用者が図6のように敷き布団200と掛け布団300の間に布団乾燥機1bの吹出部22を挿入し、操作部26を操作して布団乾燥機1の運転を開始させる(ステップS1b)。操作情報取得部71が操作の情報を取得し(ステップS2b)、送風機制御部75は送風機3を動作させ、ヒーター制御部76はヒーター4を動作させる(ステップS3b)。送風機制御部75は、時間T1に電圧値Vは第1の設定電圧値Vl1まで上昇し、送風量Q及び回転数Nも上昇する。
回転数取得部72bは時間T1において回転数センサ5bが測定した回転数Nを取得する(ステップS4b)。さらに記憶部73は回転数取得部72bが取得した時間T1における回転数N1を過去回転数Nbとして新たに記憶する(ステップS5b)。
次にタイマー77が新たに経過時間Tの測定を開始し(ステップS6b)、時間T1よりサンプリング時間TBが経過した時間である時間T2になるとT≧TBの条件を満たす(ステップS7b、YES)ため、回転数取得部72bは時間T2において回転数センサ5bが測定した回転数N2を取得する(ステップS8b)。
次に回転数判定部74bが回転数取得部72bで取得した時間T2における回転数N2と、記憶部73に過去回転数Nbとして記憶されている時間T1における回転数N1より、時間T1から時間T2までにおける回転数上昇量ΔN12をΔN12=N2−N1の式より算出する(ステップS9b)。図15より時間T1における回転数N2と、時間T2における回転数N2は略同じ値である。これは、ファン31の回転数Nは送風量Qと比例し、送風量Qが一定であると回転数Nも一定であるからであり、回転数Nは実施の形態1で示した送風量Qと略同様の変化を示す。従って、回転数上昇量ΔN12は略0であり、閾回転数変化量ΔNT未満であるので、送風量Qは負荷に対して適切であると回転数判定部74bは判定する(ステップS10b、NO)。そして、記憶部73は時間T2における回転数N2を過去回転数Nbとして新たに記憶し(ステップS13b)、タイマー77が新たに経過時間Tの測定を開始する(ステップS6b)。
時間T2よりサンプリング時間TBが経過した時間である時間T3になると、T≧TBの条件を満たす(ステップS7b、YES)ため、回転数取得部72bは時間T3において回転数センサ5bが測定した回転数N3を取得する(ステップS8b)。そして、回転数判定部74bが回転数取得部72bで取得した時間T3における回転数N3と、記憶部73に過去回転数Nbとして記憶されている時間T2における回転数N2より、時間T2から時間T3までにおける回転数上昇量ΔN23をΔH23=N3−N2の式より算出する(ステップS9b)。実施の形態1と同様に、時間T2から時間T3の間に、逆側端部15側の敷き布団200と掛け布団300に隙間が形成され温風漏れが発生したとする。温風漏れにより送風機3にかかる負荷は大幅に減少し、図11に示すように回転数は上昇する。従って、回転数判定部74bが算出した回転数上昇量ΔN23は閾回転数変化量ΔNT以上であるため、回転数判定部74bは送風量Qが負荷に対して過大であると判定し(ステップS10b、YES)、送風機制御部75はファンモータ32に供給する電圧値Vを第1の設定電圧値Vl1から第2の設定電圧値Vl2に低下させ、送風機3の送風量Qを低下させるように制御する(ステップS11b)。このため時間T4の時点では送風量Qは掛け布団300による負荷に対して適切になるので、敷き布団200と掛け布団300の間に生じた隙間は塞がり温風漏れが無くなる。
また、実施の形態1の第2の変形例においても掛け布団300の水分の蒸発によって時間T9と時間T10の間で温風漏れが発生しているが、ステップS6bからステップS13bの一連の制御によって、回転数判定部74bは回転数上昇量ΔN910をΔN910=N10−N9の式より算出し、回転数判定部74bは回転数上昇量ΔN910が閾回転数変化量ΔNT以上であるため送風量Qが負荷に対して過大であると判定し、送風機制御部75が電圧値を第2の設定電圧値Vl2から第3の設定電圧値Vl3に低下させるので、敷き布団200と掛け布団300の間に生じた隙間は塞がり温風漏れが無くなる。
以上のように、実施の形態1の第2の変形例に係る布団乾燥機1bは、回転数Nのサンプリング時間TBの間の上昇量である回転数上昇量ΔNが予め定められた閾回転数変化量ΔNT以下である場合は、送風機3の送風量を下げる。このため、実施の形態1の第1の変形例に係る布団乾燥機1bは、温風漏れが発生したことを回転数上昇量ΔNに基づいて検知し、送風機3の送風量を下げて温風漏れが生じている隙間を塞ぐことができるため、実施の形態1の布団乾燥機1と同様に重さや大きさが異なり送風手段への負荷が異なる布団を1台で効率的に乾燥させることができる。
実施の形態2.
次に実施の形態2について説明を行う。実施の形態1の布団乾燥機1の制御では、サンプリング時間TBの間の変化量である風圧変化量ΔHを算出し風圧変化量ΔHに基づき温風漏れの発生を検知しているが、実施の形態2の布団乾燥機1cの制御では風圧変化量ΔHを算出せずに温風漏れの発生を検知する制御を行う。なお、実施の形態2の布団乾燥機1cは、閾風圧値決定部78を備えている点と、風圧値判定部74が判定する内容と、布団乾燥機1cの制御の内容と、記憶部73が記憶している内容を除く構成については実施の形態1の布団乾燥機1と略同様であるため、同様の部分については説明を割愛する。
図16は、実施の形態2に係る布団乾燥機のブロック線図である。図17は、実施の形態2に係る布団乾燥機の電圧値と下限風圧値の関係を示す表である。まず、実施の形態2の布団乾燥機1cの構成について説明する。実施の形態2の布団乾燥機1cの制御部7は、実施の形態1の布団乾燥機1の構成に加えて閾値決定手段である閾風圧値決定部78を備えている。
閾風圧値決定部78は、送風機制御部75からファンモータ32に供給される電圧値Vを取得し、取得した電圧値Vに基づき、下限風圧値Hdを決定する。具体的には、閾風圧値決定部78は、図17のように最小の設定電圧値を除く設定電圧毎に下限風圧値が予め関連付けられており、実施の形態2の場合は、電圧値Vが第1の設定電圧値Vl1の場合は下限風圧値Hdを第1の下限風圧値Hd1に決定し、電圧値Vが第2の設定電圧値Vl2の場合は下限風圧値Hdを第2の下限風圧値Hd2に決定する。
記憶部73には、閾風圧値決定部78で決定されるそれぞれの下限風圧値Hdが記憶されている。実施の形態2では、記憶部73は第1の下限風圧値Hd1及び第2の下限風圧値Hd2を記憶している。また、それぞれの下限風圧値Hdは関連付けされている設定電圧が大きいほど値が大きく設定されており、実施の形態2では、Hd1>Hd2の関係を満たすようにそれぞれの第1の下限風圧値Hd1と第2の下限風圧値Hd2は予め定められている。
また、風圧値判定部74は、風圧値取得部72で取得した風圧値Hと、閾風圧値決定部78で決定された下限風圧値Hdに基づき、送風機3の送風量Qが負荷に対して過大であるか否かの判定を行う。具体的には、風圧値Hと下限風圧値Hdを比較してH<Hdを満たすか否かを判定する。風圧値判定部74は、条件を満たす場合(H<Hd)には送風機3の送風量Qが負荷に対して過大であると判定し、条件を満たさない場合(H≧Hd)には送風機3の送風量Qが負荷に対して適切であると判定する。
図18は、実施の形態2に係る布団乾燥機の送風量制御のフローチャートである。次に実施の形態2に係る布団乾燥機1cの制御について説明する。図18のスタートの段階では布団乾燥機1cは停止している状態である。なお、ステップS1cからステップS3cまでの処理は実施の形態1のステップS1からステップS3までの処理と同様であるため、説明を割愛する。
ステップS3cの処理が終了後、ステップS4cへ進み、ステップS4cでは実施の形態1のステップS6と同様に経過時間Tをリセットし新たに経過時間Tの測定を開始する。ステップS4cの処理が終了後、ステップS5cへ進み、ステップS5cでは実施の形態1のステップS7と同様に経過時間Tとサンプリング時間TBを比較してT≧TBの条件を満たすか否かを判定する。ステップS5cで条件を満たしていないと判定した場合(ステップS5c、NO)は再びステップS5cの判定に戻り、条件を満たしていると判定した場合(ステップS5c、YES)はステップS6cに進む。
ステップS6cでは、閾風圧値決定部78が送風機制御部75よりファンモータ32に供給している電圧値Vを取得する。ステップS6cの処理が終了後、ステップS7cへ進み、ステップS7cでは閾風圧値決定部78はステップS6cで取得した電圧値Vに基づき下限風圧値Hdを決定する。具体的には、実施の形態2では第1の設定電圧値Vl1の場合は下限風圧値Hdを第1の下限風圧値Hd1に決定し、第2の設定電圧値Vl2の場合は下限風圧値Hdを第2の下限風圧値Hd2に決定される。
ステップS7cの処理が終了後、ステップS8cへ進み、ステップS8cでは風圧値取得部72は風圧センサ5が測定した風圧値Hを取得する。ステップS8cの処理が終了後、ステップS9cに進み、ステップS9cでは、風圧値判定部74はステップS8cで取得した風圧値HとステップS7cで決定された下限風圧値Hdを比較してH<Hdの条件を満たすか否かを判定することで、送風機3の送風量Qが負荷に対して過大か否かを判定する。
ステップS9cにおいてH<Hdの条件を満たす場合(ステップS9c、YES)、つまり送風機3の送風量Qが負荷に対して過大である場合は、ステップS10cに進む。ステップS10cでは、送風機制御部75は送風機3の送風量Qを低下させるよう制御する。具体的には、送風機制御部75は、例えば現在の電圧値Vが第1の設定電圧値Vl1である場合は制御後の電圧値Vが第2の設定電圧値Vl2に変更するなど、ファンモータ32に供給する電圧値Vを低下させる。ステップS10cの処理が終了後、ステップS11cに進み、ステップS11cでは送風機制御部75は送風機3がこれ以上送風量を下げることができない否かを判定する。具体的には、送風機制御部75は、現在の電圧値Vが設定電圧値の中でも最も小さな第3の設定電圧値Vl3に設定されているなど、ファンモータ32に供給する電圧値Vをこれ以上低下できない場合は、これ以上送風量を下げることができないと判定する。ステップS11cで送風量を下げることができると送風機制御部75が判定した場合(ステップS11c、NO)、ステップS4cに戻り、タイマー77が再び経過時間Tをリセットし新たに経過時間Tの測定を開始する。
ステップS11cにおいて、送風量をこれ以上下げることができないと送風機制御部75が判定した場合(ステップS11c、YES)、送風量制御を終了し、布団乾燥機1cは送風機3の送風量が最小の状態で運転を続ける。
ステップS9cにおいてH<Hdの条件を満たさない場合(ステップS9c、NO)、つまり送風機3の送風量Qが負荷に対して適切である場合は、ステップS4cに戻り、タイマー77が再び経過時間Tをリセットし新たに経過時間Tの測定を開始する。
図19は、実施の形態2に係る布団乾燥機の使用時の風圧値Hのタイムチャートである。次に実施の形態2に係る布団乾燥機1cの使用時の動作について説明する。なお実施の形態2に係る布団乾燥機1cの配置は実施の形態1の布団乾燥機1と同様に図6のように配置され、電圧値V並びに送風量Qは後述するように実施の形態1の布団乾燥機1と略同様のグラフとなるため図8及び図9を用いて説明を行う。
時間T0において、使用者が図6のように敷き布団200と掛け布団300の間に布団乾燥機1cの吹出部22を挿入し、操作部26を操作して布団乾燥機1の運転を開始させる(ステップS1c)。操作情報取得部71が操作の情報を取得し(ステップS2c)、送風機制御部75は送風機3を動作させ、ヒーター制御部76はヒーター4を動作させる(ステップS3c)。送風機制御部75は、時間T1に電圧値Vは第1の設定電圧値Vl1まで上昇し、送風量Q及び風圧値Hも上昇する。
次にタイマー77が新たに経過時間Tの測定を開始し(ステップS4c)、時間T1よりサンプリング時間TBが経過した時間である時間T2になるとT≧TBの条件を満たす(ステップS5c、YES)ため、閾風圧値決定部78が送風機制御部75よりファンモータ32に供給している電圧値Vを取得する(ステップS6c)。時間T2における電圧値Vは第1の設定電圧値Vl1であるため、下限風圧値Hdは第1の下限風圧値Hd1に決定される(ステップS7c)。
次に風圧値取得部72は時間T3において風圧センサ5が測定した風圧値H3を取得する(ステップS8c)。時間T3における風圧値H3は温風漏れによって大幅に低下しており、第1の下限風圧値Hd1よりも下回っている。従って、風圧値判定部74は送風量Qが負荷に対して過大であると判定して(ステップS9c、YES)送風機制御部75はファンモータ32に供給する電圧値Vを第1の設定電圧値Vl1から第2の設定電圧値Vl2に低下させ、送風機3の送風量Qを低下させるように制御する(ステップS10c)。このため時間T4の時点では送風量Qは掛け布団300による負荷に対して適切になるので、敷き布団200と掛け布団300の間に生じた隙間は塞がり温風漏れが無くなる。
時間T4より電圧値Vが第2の設定電圧値Vl2に変更されたため、時間T4から時間T9までにおいて閾風圧値決定部78は下限風圧値Hdを第2の下限風圧値Hd2に決定し(ステップS7c)、各々の風圧値H4からH9は第2の下限風圧値Hd2よりも大きいため風圧値判定部74は送風量Qが適量であると判定する(ステップS9c、NO)ため、送風量Qは一定となる。しかしながら、時間T9と時間T10の間で掛け布団300の水分の蒸発による温風漏れが発生し、時間T10における風圧値H10は下限風圧値Hd2を下回る。従って、風圧値判定部74は送風量Qが負荷に対して過大であると判定して(ステップS9c、YES)送風機制御部75はファンモータ32に供給する電圧値Vを第2の設定電圧値Vl2から第3の設定電圧値Vl3に低下させ、送風機3の送風量Qを低下させるように制御する(ステップS10c)ので敷き布団200と掛け布団300の間に生じた隙間は再び塞がり温風漏れが無くなる。
以上のように、実施の形態2の布団乾燥機1cは、電圧値Vの値に基づき下限風圧値Hdを設定し、風圧値Hが下限風圧値Hdを下回ると送風機3の送風量を下げる。このため、実施の形態2に係る布団乾燥機1cは温風漏れが発生したことを風圧値Hと電圧値Vに基づいて検知し、送風機3の送風量を下げて温風漏れが生じている隙間を塞ぐことができるため、実施の形態1の布団乾燥機1と同様に重さや大きさが異なり送風手段への負荷が異なる布団を1台で効率的に乾燥させることができる。
なお、実施の形態2の布団乾燥機1cは、送風機制御部75が制御可能な設定電圧値は第1から第3の設定電圧値の三段階であり下限風圧値は第1の設定電圧値と第2の設定電圧値にそれぞれ関連付けられているが、これに限らず、最小の設定電圧値を除く設定電圧毎に下限風圧値が予め関連付けられていれば、設定電圧値は三段階に限らない。
さらに、実施の形態2の布団乾燥機1cは、風圧値Hに応じて送風機3の送風量を下げているが、これに限らず以下の実施の形態2の第1の変形例及び第2の変形例のように電流値I、回転数Nに応じて送風機3の送風量を下げても良い。
実施の形態2の第1の変形例.
図20は、実施の形態2の第1の変形例に係る布団乾燥機のブロック線図である。図21は、実施の形態2の第1の変形例に係る布団乾燥機の電圧値と下限電流値の関係を示す表である。実施の形態2の第1の変形例に係る布団乾燥機1dは、実施の形態2の布団乾燥機1cと比較して、風圧センサ5の代わりに電流センサ5aを備え、風圧値取得部72の代わり電流値取得部72aを備え、風圧値判定部74の代わりに電流値判定部74aを備え、閾値判定手段として閾風圧値決定部78の代わりに閾電流値決定部78aを備えている。
また、実施の形態2の第1の変形例の布団乾燥機1dの閾電流値決定部78aは、最小の設定電圧値を除く設定電圧毎に下限電流値が予め関連付けられており、実施の形態2の第1の変形例の場合は、電圧値Vが第1の設定電圧値Vl1の場合は下限電流値Idを第1の下限電流値Id1に決定し、電圧値Vが第2の設定電圧値Vl2の場合は下限風圧値Hdを第2の下限電流値Id2に決定する。
記憶部73には、閾電流値決定部78aで決定されるそれぞれの下限電流値Idが記憶され、実施の形態2の第1の変形例の場合は第1の下限電流値Id1及び第2の下限電流値Id2を記憶している。また、それぞれの下限電流値Idは関連付けされている設定電圧が大きいほど値が大きく設定されており、Id1>Id2の関係を満たすようにそれぞれの値は予め定められている。
また、電流値判定部74aは、電流値取得部72aで取得した電流値Iと、閾電流値決定部78aで決定された下限電流値Idに基づき、送風機3の送風量Qが負荷に対して過大であるか否かの判定を行う。具体的には、電流値Iと下限電流値Idを比較してI<Idを満たすか否かを判定し、条件を満たす場合(I<Id)には送風機3の送風量Qが負荷に対して過大であると判定し、条件を満たさない場合(I≧Id)には送風機3の送風量Qが負荷に対して適切であると判定する。
図22は、実施の形態2の第1の変形例に係る布団乾燥機の送風量制御のフローチャートである。次に実施の形態2の第1の変形例に係る布団乾燥機1dの制御について説明する。図22のスタートの段階では布団乾燥機1dは停止している状態である。なお、ステップS1dからステップS6dまでの処理は実施の形態2のステップS1cからステップS6cまでの処理と同様であるため、説明を割愛する。
ステップS6dで電圧値Vの取得後、ステップS7dへ進み、ステップS7dでは閾電流値決定部78aはステップS6dで取得した電圧値Vに基づき下限電流値Idを決定する。具体的には、実施の形態2の第1の変形例では第1の設定電圧値Vl1の場合は下限電流値Idを第1の下限電流値Id1に決定し、第2の設定電圧値Vl2の場合は下限電流値Idを第2の下限電流値Id2に決定される。
ステップS7dの処理が終了後、ステップS8dへ進み、ステップS8dでは電流値取得部72aは電流センサ5aが測定した電流値Iを取得する。ステップS8dの処理が終了後、ステップS9dに進み、ステップS9dでは、電流値判定部74aはステップS8dで取得した電流値IとステップS7dで決定された下限電流値Idを比較してI<Idの条件を満たすか否かを判定することで、送風機3の送風量Qが負荷に対して過大か否かを判定している。
ステップS9dにおいてI<Idの条件を満たす場合(ステップS9d、YES)、つまり送風機3の送風量Qが負荷に対して過大である場合は、ステップS10dに進む。ステップS10dでは、実施の形態2のステップS10cと同様に、送風機制御部75は送風機3の送風量Qを低下させるよう制御する。ステップS10dの処理が終了後、ステップS11dに進み、実施の形態2のステップS11cと同様に、ステップS11dでは送風機制御部75は送風機3がこれ以上送風量を下げることができない否かを判定する。ステップS11dで送風量をこれ以上下げることができると送風機制御部75が判定した場合(ステップS11d、NO)、ステップS4dに戻る。
ステップS11dにおいて、送風量をこれ以上下げることができないと送風機制御部75が判定した場合(ステップS11d、YES)、送風量制御を終了し、布団乾燥機1は送風機3の送風量が最小の状態で運転を続ける。
ステップS9dにおいてI<Idの条件を満たさない場合(ステップS9d、NO)、つまり送風機3の送風量Qが負荷に対して適切である場合は、ステップS4dに戻る。
実施の形態2の第1の変形例に係る布団乾燥機1dでは、電圧値Vの値に基づき下限電流値Idを設定し、電流値Iが下限電流値Idを下回ると送風機3の送風量を下げる。このため、実施の形態2の第1の変形例に係る布団乾燥機1dは温風漏れが発生したことを電流値Iと電圧値Vに基づいて検知し、送風機3の送風量を下げて温風漏れが生じている隙間を塞ぐことができるため、実施の形態1の布団乾燥機1と同様に重さや大きさが異なり送風手段への負荷が異なる布団を1台で効率的に乾燥させることができる。
実施の形態2の第2の変形例.
図23は、実施の形態2の第2の変形例に係る布団乾燥機のブロック線図である。図24は、実施の形態2の第2の変形例に係る布団乾燥機の電圧値と上限回転数の関係を示す表である。実施の形態2の第2の変形例に係る布団乾燥機1eは、実施の形態2の布団乾燥機1cと比較して、風圧センサ5の代わりに回転数センサ5bを備え、風圧値取得部72の代わり回転数取得部72bを備え、風圧値判定部74の代わりに回転数判定部74bを備え、閾値判定手段として閾風圧値決定部78の代わりに閾回転数決定部78bを備えている。
また、実施の形態2の第2の変形例の布団乾燥機1eの閾回転数決定部78bは、最小の設定電圧値を除く設定電圧毎に上限回転数が予め関連付けられており、実施の形態2の第2の変形例の場合は、電圧値Vが第1の設定電圧値Vl1の場合は上限回転数Nuを第1の上限回転数Nu1に決定し、電圧値Vが第2の設定電圧値Vl2の場合は上限回転数Nuを第2の上限回転数Nu2に決定する。
記憶部73には、閾回転数決定部78bで決定されるそれぞれの上限回転数Nuが記憶され、実施の形態2の第2の変形例の場合は第1の上限回転数Nu1及び第2の上限回転数Nu2を記憶している。また、それぞれの上限回転数Nuは関連付けされている設定電圧が大きいほど値が大きく設定されており、Nu1>Nu2の関係を満たすようにそれぞれの値は予め定められている。
また、回転数判定部74bは、回転数取得部72bで取得した回転数Nと、閾回転数決定部78bで決定された上限回転数Nuに基づき、送風機3の送風量Qが負荷に対して過大であるか否かの判定を行う。具体的には、回転数Nと上限回転数Nuを比較してN>Ndを満たすか否かを判定し、条件を満たす場合(N>Nd)には送風機3の送風量Qが負荷に対して過大であると判定し、条件を満たさない場合(N≦Nd)には送風機3の送風量Qが負荷に対して適切であると判定する。
図25は、実施の形態2の第2の変形例に係る布団乾燥機の送風量制御のフローチャートである。次に実施の形態2の第2の変形例に係る布団乾燥機1eの制御について説明する。図25のスタートの段階では布団乾燥機1eは停止している状態である。なお、ステップS1eからステップS6eまでの処理は実施の形態2のステップS1cからステップS6cまでの処理と同様であるため、説明を割愛する。
ステップS6eで電圧値Vの取得後、ステップS7eへ進み、ステップS7eでは閾回転数決定部78bはステップS6eで取得した電圧値Vに基づき上限回転数Nuを決定する。具体的には、実施の形態2の第2の変形例では第1の設定電圧値Vl1の場合は上限回転数Nuを第1の上限回転数Nu1に決定し、第2の設定電圧値Vl2の場合は上限回転数Nuを第2の上限回転数Nu2に決定される。
ステップS7eの処理が終了後、ステップS8eへ進み、ステップS8eでは回転数取得部72bは回転数センサ5bが測定した回転数Nを取得する。ステップS8eの処理が終了後、ステップS9eに進み、ステップS9eでは、回転数判定部74bはステップS8eで取得した回転数NとステップS7eで決定された回転数Nuを比較してN>Nuの条件を満たすか否かを判定することで、送風機3の送風量Qが負荷に対して過大か否かを判定している。
ステップS9eにおいてN>Nuの条件を満たす場合(ステップS9e、YES)、つまり送風機3の送風量Qが負荷に対して過大である場合は、ステップS10eに進む。ステップS10eでは、実施の形態2のステップS10cと同様に、送風機制御部75は送風機3の送風量Qを低下させるよう制御する。ステップS10eの処理が終了後、ステップS11eに進み、実施の形態2のステップS11cと同様に、ステップS11eでは送風機制御部75は送風機3がこれ以上送風量を下げることができない否かを判定する。ステップS11eで送風量をこれ以上下げることができると送風機制御部75が判定した場合(ステップS11e、NO)、ステップS4eに戻る。
ステップS11eにおいて、送風量をこれ以上下げることができないと送風機制御部75が判定した場合(ステップS11e、YES)、送風量制御を終了し、布団乾燥機1eは送風機3の送風量が最小の状態で運転を続ける。
ステップS9eにおいてN>Nuの条件を満たさない場合(ステップS9e、NO)、つまり送風機3の送風量Qが負荷に対して適切である場合は、ステップS4eに戻る。
実施の形態2の第2の変形例に係る布団乾燥機1eでは、電圧値Vの値に基づき上限回転数Nuを設定し、回転数Nが上限回転数Nuを下回ると送風機3の送風量を下げる。このため、実施の形態2の第2の変形例に係る布団乾燥機1eは温風漏れが発生したことを回転数Nと電圧値Vに基づいて検知し、送風機3の送風量を下げて温風漏れが生じている隙間を塞ぐことができるため、実施の形態1の布団乾燥機1と同様に重さや大きさが異なり送風手段への負荷が異なる布団を1台で効率的に乾燥させることができる。
実施の形態3.
次に実施の形態3について説明を行う。実施の形態3の布団乾燥機1fの制御では、実施の形態1の布団乾燥機1の制御に加えて、送風機3の送風量Qが負荷に対して過少である場合に送風機3の送風量Qを増加させる制御を行う。なお、実施の形態3において、風圧値判定部74の判定内容と、記憶部73の記憶内容と、送風量制御のフローチャートを除く構成については、実施の形態1の布団乾燥機1と同様であるため、説明を割愛する。
記憶部73は、少なくとも第1の閾風圧変化量ΔHT1と、第2の閾風圧変化量ΔHT2と、過去風圧値Hbとを記憶する。第1の閾風圧変化量ΔHT1は、実施の形態1の閾風圧変化量ΔHTと同様に、送風機3の送風量Qが負荷に対して過大であるかを後述する風圧値判定部74が判定するために用いられる予め定められた正の値である。第2の閾風圧変化量ΔHT2は、送風機3の送風量Qが負荷に対して過少であるかを後述する風圧値判定部74が判定するために用いられる予め定められた負の値である。
また、風圧値判定部74は、実施の形態1の風圧値判定部74と同様に、風圧値取得部72で取得した風圧値Hと、記憶部73に記憶されている第1の閾風圧変化量ΔHT1並びに過去風圧値Hbを基づき送風機3の送風量Qが負荷に対して過大であるか否かの判定を行う。さらに、風圧値判定部74は、風圧値取得部72で取得した風圧値Hと、記憶部73に記憶されている第2の閾風圧変化量ΔHT2並びに過去風圧値Hbを基づき、送風機3の送風量Qが負荷に対して過少であるか否かの判定を行う。具体的には、風圧値判定部74は、風圧変化量ΔHをΔH=Hb−Hの計算式より算出し、算出した風圧変化量ΔHと第2の閾風圧変化量ΔHT2を比較してΔH≦ΔHT2の条件を満たすか否かを判定する。風圧値判定部74は、条件を満たす場合(ΔH≦ΔHT2)には送風機3の送風量Qが負荷に対して過少であると判定し、条件を満たさない場合(ΔH>ΔHT2)には送風機3の送風量Qが負荷に対して適切であると判定する。
図26は、実施の形態3に係る布団乾燥機の送風量制御のフローチャートである。ステップS9までの処理については実施の形態1と同様であるため、説明を割愛する。ステップS9で風圧変化量ΔHを算出した後、ステップS16へ進み、実施の形態1のステップ12と同様に、送風機制御部75は送風機3がこれ以上送風量を下げることができない否かを判定する。
ステップS16で送風量をこれ以上下げることができると送風機制御部75が判定した場合(ステップS16、NO)、ステップS15に進み、風圧値判定部74はステップS9で算出した風圧変化量ΔHと記憶部73に記憶されている第1の閾風圧変化量ΔHT1を比較してΔH≧ΔHT1の条件を満たすか否かを判定することで、送風機3の送風量Qが負荷に対して過大か否かを判定している。ステップS15においてΔH≧ΔHT1の条件を満たす場合(ステップS15、YES)、つまり送風機3の送風量Qが負荷に対して過大である場合は、ステップS11に進む。ステップS11では、実施の形態1と同様に、送風機制御部75は送風機3の送風量Qを低下させるよう制御する。ステップS11の処理が終了後、ステップS13、S14の順に進み、実施の形態1と同様に、ステップS13では風圧値取得部72は風圧センサ5が測定した風圧値Hを取得し、ステップS14では、記憶部73はステップS13で取得した風圧値Hを過去風圧値Hbとして新たに記憶する。ステップS14の処理が終了後、ステップS6に戻る。
ステップS16で送風量をこれ以上下げることができないと送風機制御部75が判定した場合(ステップS16、YES)、またはステップS15においてΔH≧ΔHT1の条件を満たさない場合(ステップS15、NO)はステップS17に進み、ステップS17では送風機制御部75は送風機3がこれ以上送風量を上げることができない否かを判定する。具体的には、送風機制御部75は、現在の電圧値Vが設定電圧値の中でも最も大きな第1の設定電圧値Vl1に設定されているなど、ファンモータ32に供給する電圧値Vをこれ以上増加できない場合は、これ以上送風量を上げることができないと判定する。
ステップS17で送風量をこれ以上上げることができると送風機制御部75が判定した場合(ステップS17、NO)、ステップS18に進み、風圧値判定部74はステップS9で算出した風圧変化量ΔHと記憶部73に記憶されている第2の閾風圧変化量ΔHT2を比較してΔH≦ΔHT2の条件を満たすか否かを判定することで、送風機3の送風量Qが負荷に対して過少か否かを判定している。ステップS18においてΔH≦ΔHT2の条件を満たす場合(ステップS18、YES)、つまり送風機3の送風量Qが負荷に対して過少である場合は、ステップS19に進む。ステップS19では、送風機制御部75は送風機3の送風量Qを増加させるよう制御する。具体的には、送風機制御部75は、例えば現在の電圧値Vが第2の設定電圧値Vl2である場合は制御後の電圧値Vが第1の設定電圧値Vl1に変更するなど、ファンモータ32に供給する電圧値Vを増加させる。ステップS19の処理が終了後、ステップS13、S14の順に進み、実施の形態1と同様に、ステップS13では風圧値取得部72は風圧センサ5が測定した風圧値Hを取得し、ステップS14では、記憶部73はステップS13で取得した風圧値Hを過去風圧値Hbとして新たに記憶する。ステップS14の処理が終了後、ステップS6に戻る。
ステップS17で送風量をこれ以上上げることができないと送風機制御部75が判定した場合(ステップS17、YES)、またはステップS18においてΔH≧ΔHT1の条件を満たさない場合(ステップS18、NO)はステップS14に進み、記憶部73はステップS8で取得した風圧値Hを過去風圧値Hbとして新たに記憶する。ステップS14の処理が終了後、ステップS6に戻る。
実施の形態3に係る布団乾燥機1fでは、送風機3の送風量Qが負荷に対して過少である場合に送風機3の送風量Qを増加させる制御を行うため、送風量Qが負荷に対して適切であるにも関わらず外乱によって一時的に温風漏れが発生してしまい送風量Qを低下させてしまっても温風漏れが生じなくなると送風量Qを増加させるように制御を行うため、効率的に布団を乾燥することができる。
図27は、実施の形態3の第1の変形例に係る布団乾燥機の送風量制御のフローチャートである。図28は、実施の形態3の第2の変形例に係る布団乾燥機の送風量制御のフローチャートである。実施の形態3の布団乾燥機について、送風量Qが過少であるかを判定する手段として、送風機3のファンモータ32に供給される電流値Iや、送風機3のファン31の回転数Nを用いても構わない。
実施の形態3の第1の変形例のように電流値Iを用いる場合において、記憶部73は、予め定められた正の値である第1の閾電流変化量ΔIT1と、予め定められた負の値である第2の閾電流変化量ΔIT2と、過去電流値Ibとを記憶する。また、電流値判定部74aは、電流値取得部72aで取得した電流値Iと記憶部73に記憶されている第1の閾電流変化量ΔIT1並びに過去電流値Ibを基づき送風機3の送風量Qが負荷に対して過大であるか否かの判定を行い、電流値Iと第2の閾電流変化量ΔIT2並びに過去電流値Ibを基づき送風機3の送風量Qが負荷に対して過少であるか否かの判定を行う。そして、実施の形態3の第1の変形例では図27で示すようにΔI≧ΔIT1の条件を満たし、送風機3の送風量Qが負荷に対して過大である場合(ステップS15a、YES)は、送風機3の送風量Qを低下させる(ステップS11a)。また、実施の形態3の第1の変形例ではΔI≦ΔIT2の条件を満たし、送風機3の送風量Qが負荷に対して過少である場合(ステップS18a、YES)は、送風機3の送風量Qを増加させる(ステップS19a)。
実施の形態3の第2の変形例のように回転数Nを用いる場合において、記憶部73は、予め定められた正の値である第1の閾回転数変化量ΔNT1と、予め定められた負の値である第2の閾回転数変化量ΔNT2と、過去回転数Nbとを記憶する。また、回転数判定部74bは、回転数取得部72bで取得した回転数Nと記憶部73に記憶されている第1の閾回転数変化量ΔNT1並びに過去回転数Nbを基づき送風機3の送風量Qが負荷に対して過大であるか否かの判定を行い、回転数Nと第2の閾回転数変化量ΔNT2並びに過去回転数Nbを基づき送風機3の送風量Qが負荷に対して過少であるか否かの判定を行う。そして、実施の形態3の第2の変形例では図28で示すようにΔN≧ΔNT1の条件を満たし、送風機3の送風量Qが負荷に対して過大である場合(ステップS15b、YES)は、送風機3の送風量Qを低下させる(ステップS11b)。また、実施の形態3の第1の変形例ではΔN≦ΔNT2の条件を満たし、送風機3の送風量Qが負荷に対して過少である場合(ステップS18b、YES)は、送風機3の送風量Qを増加させる(ステップS19b)。
実施の形態4.
次に実施の形態4について説明を行う。実施の形態4の布団乾燥機1gの制御では、実施の形態2の布団乾燥機1の制御に加えて、送風機3の送風量Qが負荷に対して過少である場合に送風機3の送風量Qを増加させる制御を行う。なお、実施の形態4において、風圧値判定部74の判定内容と、記憶部73の記憶内容と、閾風圧値決定部78の決定内容と、送風量制御のフローチャートを除く構成については、実施の形態2の布団乾燥機1cと同様であるため、説明を割愛する。
図29は、実施の形態4に係る布団乾燥機の電圧値と下限風圧値と上限風圧値の関係を示す表である。閾風圧値決定部78は、送風機制御部75からファンモータ32に供給される電圧値Vを取得し、取得した電圧値Vに基づき、下限風圧値Hdと上限風圧値Huを決定する。具体的には、閾風圧値決定部78は、図29のように最小の設定電圧値を除く設定電圧毎に下限風圧値Hdが予め関連付けられ、最大の設定電圧値を除く設定電圧毎に上限風圧値Huが予め関連付けられている。実施の形態4の場合は、電圧値Vが第1の設定電圧値Vl1の場合は下限風圧値Hdを第1の下限風圧値Hd1に決定し、電圧値Vが第2の設定電圧値Vl2の場合は下限風圧値Hdを第2の下限風圧値Hd2に、上限風圧値Huを第1の上限風圧値Hu1に決定し、電圧値Vが第3の設定電圧値Vl3の場合は上限風圧値Huを第2の上限風圧値Hu2に決定する。
記憶部73は、閾風圧値決定部78で決定されるそれぞれの下限風圧値Hdと上限風圧値Huが記憶されている。実施の形態4では、記憶部73は第1の下限風圧値Hd1、第2の下限風圧値Hd2、第1の上限風圧値Hu1及び第2の上限風圧値Hu2を記憶している。また、それぞれの下限風圧値Hdと上限風圧値Huは関連付けされている設定電圧が大きいほど値が大きく設定されており、実施の形態2では、Hd1>Hd2の関係とHu1>Hu2を満たすようにそれぞれの第1の下限風圧値Hd1、第2の下限風圧値Hd2、第1の上限風圧値Hu1及び第2の上限風圧値Hu2は予め定められている。さらに、同じ設定電圧で関連付けされている下限風圧値Hdと上限風圧値HuはHu>Hdを満たすように設定されており、実施の形態2では、Hu1>Hd1の関係とHu2>Hd2を満たすようにそれぞれの第1の下限風圧値Hd1、第2の下限風圧値Hd2、第1の上限風圧値Hu1及び第2の上限風圧値Hu2は予め定められている。
また、風圧値判定部74は、実施の形態2の風圧値判定部74と同様に、風圧値取得部72で取得した風圧値Hと、閾風圧値決定部78で決定された下限風圧値Hdに基づき、送風機3の送風量Qが負荷に対して過大であるか否かの判定を行う。さらに、風圧値判定部74は、風圧値取得部72で取得した風圧値Hと、閾風圧値決定部78で決定された上限風圧値Huに基づき、送風機3の送風量Qが負荷に対して過少であるか否かの判定を行う。具体的には、風圧値判定部74は、風圧値Hと上限風圧値Huを比較してH>Huの条件を満たすか否かを判定する。風圧値判定部74は、条件を満たす場合(H>Hu)には送風機3の送風量Qが負荷に対して過少であると判定し、条件を満たさない場合(H≦Hu)には送風機3の送風量Qが負荷に対して適切であると判定する。
図30は、実施の形態4に係る布団乾燥機の送風量制御のフローチャートである。ステップS6cまでの処理については実施の形態2と同様であるため、説明を割愛する。ステップS6cで電圧値Vを取得後、ステップS7cへ進み、閾風圧値決定部78はステップS6cで取得した電圧値Vに基づき下限風圧値Hdと上限風圧値Huを決定する。具体的には、実施の形態4では第1の設定電圧値Vl1の場合は下限風圧値Hdを第1の下限風圧値Hd1に決定し、第2の設定電圧値Vl2の場合は下限風圧値Hdを第2の下限風圧値Hd2に、上限風圧値Huを第1の上限風圧値Hu1に決定し、電圧値Vが第3の設定電圧値Vl3の場合は上限風圧値Huを第2の上限風圧値Hu2に決定される。ステップS7cの処理が終了後、ステップS8cへ進み、ステップS8cでは風圧値取得部72は風圧センサ5が測定した風圧値Hを取得する。ステップS8cの処理が終了後、ステップS12cに進み、ステップS12cでは実施の形態1のステップ12と同様に、送風機制御部75は送風機3がこれ以上送風量を下げることができない否かを判定する。
ステップS12cで送風量をこれ以上下げることができると送風機制御部75が判定した場合(ステップS12c、NO)、ステップS9cに進み、風圧値判定部74は、実施の形態のステップS9cと同様に、風圧値判定部74はステップS8cで取得した風圧値HとステップS7cで決定された下限風圧値Hdを比較してH<Hdの条件を満たすか否かを判定することで、送風機3の送風量Qが負荷に対して過大か否かを判定する。ステップS9cにおいてH<Hdの条件を満たす場合(ステップS9c、YES)はステップS10cに進み、送風機制御部75は送風機3の送風量Qを低下させるよう制御する。ステップS10cの処理が終了後、ステップS4cに戻る。
ステップS12で送風量をこれ以上下げることができないと送風機制御部75が判定した場合(ステップS12c、YES)、またはステップS9cにおいてH<Hdの条件を満たさない場合(ステップS9c、NO)はステップS13cに進み、ステップS13cでは、実施の形態3のステップS17と同様に、送風機制御部75は送風機3がこれ以上送風量を上げることができない否かを判定する。
ステップS13cで送風量をこれ以上上げることができると送風機制御部75が判定した場合(ステップS13c、NO)、ステップS14cに進み、風圧値判定部74はステップS8cで取得した風圧値HとステップS7cで決定された上限風圧値Huを比較してH>Huの条件を満たすか否かを判定することで、送風機3の送風量Qが負荷に対して過少か否かを判定する。ステップS14cにおいてH>Huの条件を満たす場合(ステップS14c、YES)、つまり送風機3の送風量Qが負荷に対して過少である場合は、ステップS15cに進む。ステップS15cでは、実施の形態3のステップS19と同様に、送風機制御部75は送風機3の送風量Qを増加させるよう制御する。ステップS15cの処理が終了後、ステップS4cに戻る。
ステップS13cで送風量をこれ以上上げることができないと送風機制御部75が判定した場合(ステップS13c、YES)、またはステップS14cにおいてH>Huの条件を満たさない場合(ステップS14c、NO)は、ステップS4cに戻る。
実施の形態4に係る布団乾燥機1gでは、送風機3の送風量Qが負荷に対して過少である場合に送風機3の送風量Qを増加させる制御を行うため、送風量Qが負荷に対して適切であるにも関わらず外乱によって一時的に温風漏れが発生してしまい送風量Qを低下させてしまっても温風漏れが生じなくなると送風量Qを増加させるように制御を行うため、効率的に布団を乾燥することができる。
図31は、実施の形態4の第1の変形例に係る布団乾燥機の送風量制御のフローチャートである。図32は、実施の形態4の第2の変形例に係る布団乾燥機の送風量制御のフローチャートである。実施の形態4の布団乾燥機について、送風量Qが過少であるかを判定する手段として、送風機3のファンモータ32に供給される電流値Iや、送風機3のファン31の回転数Nを用いても構わない。
実施の形態4の第1の変形例のように電流値Iを用いる場合において、閾電流値決定部78aは、送風機制御部75からファンモータ32に供給される電圧値Vを取得し、取得した電圧値Vに基づき、下限電流値Idと上限電流値Iuを決定する。また、記憶部73は、閾電流値決定部78aで決定されるそれぞれの下限電流値Idと上限電流値Iuが記憶されている。さらに電流値判定部74aは、電流値取得部72aで取得した電流値Iと下限電流値Id及び上限電流値Iuに基づき、送風機3の送風量Qが負荷に対して過大であるか否かの判定と、送風機3の送風量Qが負荷に対して過少であるか否かの判定を行う。そして、実施の形態4の第1の変形例では図30で示すようにI<Idの条件を満たし、送風機3の送風量Qが負荷に対して過大である場合(ステップS9d、YES)は、送風機3の送風量Qを低下させる(ステップS10d)。また、実施の形態3の第1の変形例ではI>Iuの条件を満たし、送風機3の送風量Qが負荷に対して過少である場合(ステップS14d、YES)は、送風機3の送風量Qを増加させる(ステップS15d)。
実施の形態4の第2の変形例のように回転数Nを用いる場合において、閾回転数決定部78bは、送風機制御部75からファンモータ32に供給される電圧値Vを取得し、取得した電圧値Vに基づき、下限回転数Ndと上限回転数Nuを決定する。また、記憶部73は、閾回転数決定部78bで決定されるそれぞれの下限回転数Ndと上限回転数Nuが記憶されている。さらに回転数判定部74bは、回転数取得部72bで取得した回転数Nと下限回転数Ndと上限回転数Nuに基づき、送風機3の送風量Qが負荷に対して過大であるか否かの判定と、送風機3の送風量Qが負荷に対して過少であるか否かの判定を行う。そして、実施の形態4の第1の変形例では図31で示すようにN>Nuの条件を満たし、送風機3の送風量Qが負荷に対して過大である場合(ステップS9d、YES)は、送風機3の送風量Qを低下させる(ステップS10d)。また、実施の形態3の第1の変形例ではN<Ndの条件を満たし、送風機3の送風量Qが負荷に対して過少である場合(ステップS14d、YES)は、送風機3の送風量Qを増加させる(ステップS15d)。
実施の形態5.
図33は、実施の形態5に係る布団乾燥機を示す斜視図である。図34は、実施の形態5に係る布団乾燥機の配置状況を示す上面図である。なお、図33では説明のため布団乾燥機1hの一部の内部を透過している。実施の形態5の布団乾燥機1hは、ルーバー6が布団の幅方向に稼働可能になっている。それ以外の布団乾燥機の構成は実施の形態3又は4と同様であるため説明を割愛する。
実施の形態5の布団乾燥機1hには、ルーバー6を吸気口23側の端を軸として吹出口24の幅方向に振れ動くように稼働させるルーバー可動手段8が備えられている。ルーバー可動手段8は例えばステッピングモータ等が挙げられ、送風機3とヒーター4が動作している際にはルーバー可動手段8はルーバー6を稼働させている。吹出口24から吹き出す温風はルーバー6が稼働しているため、ルーバー6の向きによって温風が吹き付けられる方向が異なり、結果として吹出口24を中心として扇形の広範囲に温風が吹き付けられる。
ルーバー6の向きによって温風が吹き付けられる方向が異なるため、ルーバー6の向きによって掛け布団300の端部までの距離が異なる。例えば、図33で示すように、L2方向に吹き出す場合と、L1方向に吹き出す場合では掛け布団300の端部までの距離が異なる。掛け布団300の端部までの距離が異なると、送風機3にかかる掛け布団300による負荷も異なり、L1方向に吹き出す場合と、L2方向に吹き出す場合では掛け布団300を効率良く乾燥させるための送風量Qが異なる。
実施の形態5の布団乾燥機1hは、実施の形態3又は4と同様の送風量制御を行うため、ルーバー6がL1方向に吹き出す向きの場合は負荷の増加を検知して送風量Qを増やし、ルーバー6がL2方向に吹き出す向きの場合は負荷の減少を検知して送風量Qを減らすため、温風漏れを抑制しながら、布団の広範囲にわたって温風を吹き付けることが可能である。